JP7373975B2 - 壁体の構築方法 - Google Patents
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Description
また、各ピースが中実タイプのため、1ピースの大きさが輸送上の制約(トレーラーの積載可能重量、車載幅など)を受け、多数のピースに分割されることになる。従って、多数のピースを組み立てて一体化する必要があり、一体化作業に手間がかかる。
前記壁体の一方の表面をなすように、横方向鉄筋及び縦方向鉄筋を内包するプレキャストコンクリート製の第1パネルピースを設置する第1パネルピース設置工程と、
前記壁体の他方の表面をなすように、横方向鉄筋及び縦方向鉄筋を内包するプレキャストコンクリート製の第2パネルピースを設置する第2パネルピース設置工程と、
前記第1パネルピースと前記第2パネルピースとの間に位置するように、横方向シース管及び縦方向シース管を設置するシース管設置工程と、
前記第1パネルピース、前記第2パネルピース及び前記シース管の設置後に、前記第1パネルピース及び前記第2パネルピースを型枠として、これらの間にコンクリートを打設するコンクリート打設工程と、
コンクリートの打設後に、前記横方向シース管及び前記縦方向シース管にPC鋼材を挿入し、PC鋼材を緊張させる緊張工程と、
を含む。
本発明の第1態様では、
前記第1パネルピースと前記第2パネルピースとの間のコンクリート打設空間に配置されて、前記第1パネルピースと前記第2パネルピースとを連結する連結部材として、接合治具を用い、
前記接合治具は、一端が前記第1パネルピースに埋設されて、他端がコンクリート打設空間側に突出し、かつ、他端面にねじ孔が形成されており、
前記第2パネルピースにはボルト挿通孔が形成されており、
前記第1パネルピース設置工程の後に前記第2パネルピース設置工程が行われ、前記第2パネルピースの外側からボルトを前記ボルト挿通孔に挿通して前記接合治具の前記ねじ孔にねじ込むことにより、前記第1パネルピースと前記第2パネルピースとが前記接合治具を介して仮固定される。
本発明の第2態様では、
前記第1パネルピースと前記第2パネルピースとの間のコンクリート打設空間に配置されて、前記第1パネルピースと前記第2パネルピースとを連結する連結部材として、フレームを用い、
前記フレームは、前記第1パネルピース側の一部が前記第1パネルピースに埋設され、かつ、前記第2パネルピース側の一部が前記第2パネルピースに埋設され、
前記第1パネルピースと前記第2パネルピースとは前記フレームによって前記コンクリート打設空間を保持する形で予め一体化されており、
前記第1パネルピース設置工程と前記第2パネルピース設置工程とは、同時に行われる。
図1はLNG地上タンクの構造例を示している。これは、LNGを貯蔵する金属・PC2重殻のタンクで、「PCLNG地上タンク」と呼ばれる。
また、ここではループ状鉄筋による重ね継手としたが、直筋による重ね継手とすることも可能である。
防液堤5を構成する壁体の一方の表面(内側の表面)をなすように、横方向鉄筋31X及び縦方向鉄筋31Yを内包するPCa製の内側パネルピース11をクレーン等により吊り込んで設置する。なお、内側パネルピース11には図4に示した接合治具14が建て込み前に取付けられている。
内側パネルピース11を横方向(周方向)に並べて設置した後に、接合治具14に支持させる形で、横方向シース管13X及び縦方向シース管13Yを設置する。これらのシース管13X、13Yは、内側パネルピース11と、シース管設置後に設置される外側パネルピース12との間のコンクリート打設空間に位置するようにする。
ここにおいて、横方向シース管13Xは、横方向に継手(図示せず)で連結する。また、縦方向シース管13Yは、縦方向に継手(図示せず)で連結する。
防液堤5を構成する壁体の他方の表面(外側の表面)をなすように、横方向鉄筋31X及び縦方向鉄筋31Yを内包するPCa製の外側パネルピース12をクレーン等により吊り込んで設置する。
内側パネルピース11、外側パネルピース12及びシース管13X、13Yの設置後、特に、これらを全周にわたって1段分設置した後に、内側パネルピース11及び外側パネルピース12を型枠(残置型枠)として、これらの間にコンクリートを全周1段分打設する。
コンクリート打設後、ボルト16を取外し、ボルト挿通孔15をモルタル等のグラウト材で埋める。
1段目の構築後(1段目のコンクリートを打設し、養生した後)、2段目の構築を1段目と同様の手順で行う。すなわち、内側パネルピース設置工程、シース管設置工程、外側パネルピース設置工程、コンクリート打設工程の順で行う。同様にして、最終段まで構築する。
また、下段側の縦方向シース管13Yと上段側の縦方向シース管13Yは、継手(図示せず)により連結する。
〔緊張工程〕
コンクリート打設後、ポストテンション方式でプレストレスを導入する。すなわち、横方向シース管13XにPC鋼材(図示せず)を挿入し、横方向の当該PC鋼材を緊張させる。次いで、縦方向シース管13YにPC鋼材(図示せず)を挿入し、縦方向の当該PC鋼材を緊張させる。
また、縦方向の緊張は、下段でU字状につながっているU字状のシース管13Y(図3(B)参照)に対し、PC鋼材を上側の一方から入れ、下側で折り返させて、上側の他方から引き出すように挿入し、この状態で緊張させる。
緊張後、シース管13X、13Y内にモルタル等のグラウト材を注入し、緊張材の腐食防止とする。
本実施形態では、内側パネルピース11と外側パネルピース12とはこれらの間にコンクリート打設空間を保持する形で予め一体化されている。
なお、出願当初の請求項は以下のとおりであった。
[請求項1]
壁体の構築方法であって、
前記壁体の一方の表面をなすように、横方向鉄筋及び縦方向鉄筋を内包するプレキャストコンクリート製の第1パネルピースを設置する第1パネルピース設置工程と、
前記壁体の他方の表面をなすように、横方向鉄筋及び縦方向鉄筋を内包するプレキャストコンクリート製の第2パネルピースを設置する第2パネルピース設置工程と、
前記第1パネルピースと前記第2パネルピースとの間に位置するように、横方向シース管及び縦方向シース管を設置するシース管設置工程と、
前記第1パネルピース、前記第2パネルピース及び前記シース管の設置後に、前記第1パネルピース及び前記第2パネルピースを型枠として、これらの間にコンクリートを打設するコンクリート打設工程と、
コンクリートの打設後に、前記横方向シース管及び前記縦方向シース管にPC鋼材を挿入し、PC鋼材を緊張させる緊張工程と、
を含む、壁体の構築方法。
[請求項2]
前記第1パネルピース設置工程、前記第2パネルピース設置工程、及び、前記シース管設置工程は、
前記第1パネルピース設置工程、前記シース管設置工程、前記第2パネルピース設置工程の順で行うことを特徴とする、請求項1記載の壁体の構築方法。
[請求項3]
前記第1パネルピースと前記第2パネルピースとはこれらの間にコンクリート打設空間を保持する形で予め一体化されており、
前記第1パネルピース設置工程と前記第2パネルピース設置工程とは、同時に行われることを特徴とする、請求項1記載の壁体の構築方法。
[請求項4]
前記第1パネルピースと前記第2パネルピースとの間のコンクリート打設空間に配置されて、前記第1パネルピースと前記第2パネルピースとを連結する連結部材を用い、
前記シース管設置工程では、前記シース管を前記連結部材に支持させることを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれか1つに記載の壁体の構築方法。
[請求項5]
前記コンクリート打設工程は、前記第1及び第2パネルピースを全周横方向に並べた後、コンクリートを打設することを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれか1つに記載の壁体の構築方法。
[請求項6]
前記第1及び第2パネルピースの横方向の一方の端部は、内部の横方向鉄筋が露出するようにコンクリート打設空間側の面が切欠かれ、前記第1及び第2パネルピースの横方向の他方の端部からは内部の横方向鉄筋が突出しており、
横方向に隣り合うパネルピース間で、前記露出する横方向鉄筋と前記突出する横方向鉄筋とを重ね合わせて、重ね継手を構成することを特徴とする、請求項1~請求項5のいずれか1つに記載の壁体の構築方法。
[請求項7]
前記第1及び第2パネルピースの縦方向の一方の端部には、シース孔が上下方向に設けられ、前記第1及び第2パネルピースの縦方向の他方の端部からは内部の縦方向鉄筋が突出しており、
縦方向に隣り合うパネルピース間で、前記シース孔に前記突出する縦方向鉄筋を挿入することにより、重ね継手を構成することを特徴とする、請求項1~請求項6のいずれか1つに記載の壁体の構築方法。
[請求項8]
前記壁体は、低温液化ガスを貯蔵する地上タンクの防液堤であることを特徴とする、請求項1~請求項7のいずれか1つに記載の壁体の構築方法。
2 鋼製側壁
3 鋼製屋根
4 RC基礎スラブ
5 PC防液堤
6 鋼製屋根(又はRC屋根)
7 断熱材
8 基礎杭
9 受け・払い配管
11 内側パネルピース(第1パネルピース)
12 外側パネルピース(第2パネルピース)
13X、13Y シース管
14 接合治具
14a ねじ孔
14b シール部材
15 ボルト挿通孔
16 ボルト
20 コンクリート
25 作業用の足場(キャットウォーク)
31X、31Y 鉄筋
32 切欠き部
33 突出部
34 シース孔
35 突出鉄筋
40 フレーム
Claims (9)
- 壁体の構築方法であって、
前記壁体の一方の表面をなすように、横方向鉄筋及び縦方向鉄筋を内包するプレキャストコンクリート製の第1パネルピースを設置する第1パネルピース設置工程と、
前記壁体の他方の表面をなすように、横方向鉄筋及び縦方向鉄筋を内包するプレキャストコンクリート製の第2パネルピースを設置する第2パネルピース設置工程と、
前記第1パネルピースと前記第2パネルピースとの間に位置するように、横方向シース管及び縦方向シース管を設置するシース管設置工程と、
前記第1パネルピース、前記第2パネルピース及び前記シース管の設置後に、前記第1パネルピース及び前記第2パネルピースを型枠として、これらの間にコンクリートを打設するコンクリート打設工程と、
コンクリートの打設後に、前記横方向シース管及び前記縦方向シース管にPC鋼材を挿入し、PC鋼材を緊張させる緊張工程と、
を含み、
前記第1パネルピースと前記第2パネルピースとの間のコンクリート打設空間に配置されて、前記第1パネルピースと前記第2パネルピースとを連結する連結部材として、接合治具を用い、
前記接合治具は、一端が前記第1パネルピースに埋設されて、他端がコンクリート打設空間側に突出し、かつ、他端面にねじ孔が形成されており、
前記第2パネルピースにはボルト挿通孔が形成されており、
前記第1パネルピース設置工程の後に前記第2パネルピース設置工程が行われ、前記第2パネルピースの外側からボルトを前記ボルト挿通孔に挿通して前記接合治具の前記ねじ孔にねじ込むことにより、前記第1パネルピースと前記第2パネルピースとが前記接合治具を介して仮固定される、壁体の構築方法。 - 前記接合治具の他端面には、前記ねじ孔の開口端を囲むように環状のシール部材が装着されており、
前記仮固定時に前記シール部材によって前記ボルト挿通孔が塞がれる、請求項1に記載の壁体の構築方法。 - コンクリートの打設後に、前記ボルトを取外し、前記ボルト挿通孔にグラウト材を注入することを更に含む、請求項1又は請求項2に記載の壁体の構築方法。
- 壁体の構築方法であって、
前記壁体の一方の表面をなすように、横方向鉄筋及び縦方向鉄筋を内包するプレキャストコンクリート製の第1パネルピースを設置する第1パネルピース設置工程と、
前記壁体の他方の表面をなすように、横方向鉄筋及び縦方向鉄筋を内包するプレキャストコンクリート製の第2パネルピースを設置する第2パネルピース設置工程と、
前記第1パネルピースと前記第2パネルピースとの間に位置するように、横方向シース管及び縦方向シース管を設置するシース管設置工程と、
前記第1パネルピース、前記第2パネルピース及び前記シース管の設置後に、前記第1パネルピース及び前記第2パネルピースを型枠として、これらの間にコンクリートを打設するコンクリート打設工程と、
コンクリートの打設後に、前記横方向シース管及び前記縦方向シース管にPC鋼材を挿入し、PC鋼材を緊張させる緊張工程と、
を含み、
前記第1パネルピースと前記第2パネルピースとの間のコンクリート打設空間に配置されて、前記第1パネルピースと前記第2パネルピースとを連結する連結部材として、フレームを用い、
前記フレームは、前記第1パネルピース側の一部が前記第1パネルピースに埋設され、かつ、前記第2パネルピース側の一部が前記第2パネルピースに埋設され、
前記第1パネルピースと前記第2パネルピースとは前記フレームによって前記コンクリート打設空間を保持する形で予め一体化されており、
前記第1パネルピース設置工程と前記第2パネルピース設置工程とは、同時に行われる、壁体の構築方法。 - 前記シース管設置工程では、前記シース管を前記連結部材に支持させる、請求項1~請求項4のいずれか1つに記載の壁体の構築方法。
- 前記コンクリート打設工程では、前記第1及び第2パネルピースを全周横方向に並べた後、コンクリートを打設する、請求項1~請求項5のいずれか1つに記載の壁体の構築方法。
- 前記第1及び第2パネルピースの横方向の一方の端部は、内部の横方向鉄筋が露出するようにコンクリート打設空間側の面が切欠かれ、前記第1及び第2パネルピースの横方向の他方の端部からは内部の横方向鉄筋が突出しており、
横方向に隣り合うパネルピース間で、前記露出する横方向鉄筋と前記突出する横方向鉄筋とを重ね合わせて、重ね継手を構成する、請求項1~請求項6のいずれか1つに記載の壁体の構築方法。 - 前記第1及び第2パネルピースの縦方向の一方の端部には、シース孔が上下方向に設けられ、前記第1及び第2パネルピースの縦方向の他方の端部からは内部の縦方向鉄筋が突出しており、
縦方向に隣り合うパネルピース間で、前記シース孔に前記突出する縦方向鉄筋を挿入することにより、重ね継手を構成する、請求項1~請求項7のいずれか1つに記載の壁体の構築方法。 - 前記壁体は、低温液化ガスを貯蔵する地上タンクの防液堤である、請求項1~請求項8のいずれか1つに記載の壁体の構築方法。
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