JP6805921B2 - 3点式シートベルト装置 - Google Patents

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Description

本発明は、3点式シートベルト装置に関する。
特許文献1には、所謂ロッキングタングが開示されている。このロッキングタング(クランプ付タングプレート)では、枠体の対向する両側部に形成された挿通溝に、ウェビング(シートベルト)が巻き掛けられたクランプバーの両側部が配置されており、さらにシェアピンによってクランプバーが所定の位置に係止されている。そして、非常時にウェビングに設定値以上の力が作用すると、シェアピンが切断されてクランプバーが挿通溝に沿って一端側に移動し、ウェビングがクランプバーと枠体の一端のガイドバーに挟持されるようになっている。
特開平08−040195号公報
しかしながら、上記技術では、シェアピンにより係止されたクランプバーにウェビングが巻き掛けられているため、クランプバーとウェビングとの摺動摩擦により、プリテンショナ作動時のウェビング引き込み効率が低下する。引き込み効率が低下することでウェビングのたるみを効果的に取り除けない場合がある。
特に、プリテンショナ装置が電動モータ式である場合は引き込み力が火薬式と比較して弱いため、不利である。
本発明の目的は、プリテンショナ作動時にウェビングのたるみが効果的に取り除かれると共に、乗員拘束時にタングに対するウェビングの移動が規制されて乗員が効果的に拘束される3点式シートベルト装置を提供することである。
請求項1記載の3点式シートベルト装置は、プリテンショナ装置と、壁部、及び、シートベルトが着座乗員に装着された装着状態でウェビングが折り返されるように巻き掛けられ、プリテンショナ作動時に前記ウェビングからかかる荷重によっては前記壁部に対して相対移動せず、乗員拘束時に前記ウェビングからかかる荷重によっては前記壁部に対して相対移動して前記壁部との間に前記ウェビングを挟持することで前記ウェビングをロックするローラを有するタングと、を備える3点式シートベルト装置であって、前記タングは、前記壁部と対向する第2壁部を有し、前記壁部と前記第2壁部との隙間は、装着時のシート上方側へ向かうに従い狭くなっており、乗員拘束時、前記ローラが相対移動して前記壁部と前記第2壁部との間に嵌ることで前記ウェビングをロックし、前記ウェビングにおける前記ローラにより折り返された部分である折返し部よりも前記ショルダベルト側の部分が前記ローラと前記壁部との間を通過していると共に、前記ウェビングにおける前記折返し部よりも前記ラップベルト側の部分が前記ローラと前記第2壁部との間を通過しており、乗員拘束時、前記ローラが前記壁部と前記第2壁部との間に嵌ることで前記壁部との間に前記ウェビングを挟持すると共に前記第2壁部との間にも前記ウェビングを挟持し、前記タングは、前記ウェビングにおける前記折返し部よりも前記ラップベルト側の部分の前記ローラが接触している面とは反対側の面が巻き掛けられる補助ローラを有する
請求項1記載の3点式シートベルト装置では、タングが、壁部とローラとを有している。ローラには、装着状態でウェビングが折り返されるように巻き掛けられる。そして、ローラは、プリテンショナ作動時にウェビングからかかる荷重によっては壁部に対して相対移動せず、乗員拘束時にウェビングからかかる荷重によっては壁部に対して相対移動して壁部との間にウェビングを挟持することでウェビングをロックするようになっている。
したがって、プリテンショナ作動時には、ローラが壁部に対して相対移動せずにローラとして機能し、ウェビングの折返し部(ローラに巻き掛けられて折り返された部分)における摩擦が低減される。よって、折返し部を挟んでショルダベルト側とラップベルト側とのウェビングの移動がスムーズになり、ウェビングのたるみが効果的に取り除かれる。
その後、乗員拘束時には、ローラが壁部に対して相対移動して壁部とローラとの間にウェビングが挟持されることでウェビングがロックされる。
更に、請求項1記載の3点式シートベルト装置では、タングが、壁部と対向する第2壁部を有している。そして、壁部と第2壁部との隙間は、装着時のシート上方側へ向かうに従い狭くなっており、乗員拘束時、ローラが相対移動して壁部と第2壁部との間に嵌ることでウェビングをロックするようになっている。このため、特許文献1の挿通溝のような構造をタングに設ける必要がなく、ロッキングタングを簡単な構造で実現することができる。
更に、請求項1記載の3点式シートベルト装置では、ウェビングにおける折返し部よりもショルダベルト側の部分がローラと壁部との間を通過していると共に、ウェビングにおける折返し部よりもラップベルト側の部分がローラと第2壁部との間を通過している。そして、乗員拘束時、ローラは、壁部と第2壁部との間に嵌ることで、壁部との間にウェビングを挟持すると共に、第2壁部との間にもウェビングを挟持する。壁部との間だけでなく、第2壁部との間でもウェビングを挟持するため、ウェビングを効果的にロックすることができる。
更に、請求項1に記載の3点式シートベルト装置では、タングが補助ローラを有する。補助ローラは、ウェビングにおける折返し部よりもラップベルト側の部分の表面(ローラが接触している面とは反対側の面)側が巻き掛けられている。これにより、装着状態においてウェビングと第2壁部との摩擦を抑制することができる。したがって、請求項1に記載の3点式シートベルト装置によれば、ウェビングを2箇所で挟持することで効果的にロックできると共に、プリテンショナ作動時にウェビングのたるみが効果的に取り除かれる。
請求項2記載の3点式シートベルト装置は、請求項1において、前記タングは、前記装着状態で、ラップベルトのシート幅方向一方側端部を支持すると共に前記ラップベルトのシート幅方向一方側端部を支持する位置よりもシート上側に離間した位置でショルダベルトのシート幅方向一方側端部を支持する支持部を有する。
請求項2記載の3点式シートベルト装置では、タングが支持部を有している。支持部は、装着状態で、ラップベルトのシート幅方向一方側端部を支持すると共に、ラップベルトのシート幅方向一方側端部を支持する位置よりもシート上側に離間した位置でショルダベルトのシート幅方向一方側端部を支持する。
このため、ショルダベルトのシート幅方向一方側端部の支持位置を、上半身を拘束するための適切な高さ位置に設定しつつ、ラップベルトのシート幅方向一方側端部をサブマリン現象を抑制できる低い位置に設定することができる。
さらに、ラップベルトのシート幅方向一方側端部を低い位置に設定することに伴い、ウェビングの折返し部の位置を低い位置に設定できるため、折返し部の折返し角度を180度に近い角度に近づけることができる。したがって、乗員拘束時にローラを適切な方向へ相対移動させ、また、乗員拘束時の早期にウェビングをロックすることができる。
請求項3記載の3点式シートベルト装置は、請求項2において、車両用シートのシート幅方向一方側に設けられ、解離ボタンを有するバックルをさらに備え、前記装着状態では、前記支持部は前記バックルよりもシート上側の位置で保持され、前記支持部には、乗員が操作することにより前記解離ボタンを押すことができるエクステンションが設けられている。
請求項3記載の3点式シートベルト装置では、装着状態では支持部がバックルよりもシート上側の位置で保持されており、この支持部には、乗員が操作することによりバックルの解離ボタンを押すことができるエクステンションが設けられている。
このため、装着状態からシートベルトを解離しようとする場合、支持部に設けられたエクステンションを乗員が操作することにより、バックルに設けられた解離ボタンを間接的に押してシートベルトを解離することができる。よって、バックルの高さ位置が低く設定されている場合でも、低く設定されたバックルの解離ボタンまで手を伸ばす必要が無く、バックルよりもシート上側の位置で保持された支持部のエクステンションを操作すればよいので使用性がよい。また、バックルを低い位置に設定することに伴い、ラップベルトのシート幅方向一方側端部の支持位置を低い位置に設定することができる。ラップベルトのシート幅方向一方側端部の支持位置を低い位置に設定することは、上述したとおりサブマリン現象の抑制やローラによるロッキングに関して有利に働く。
以上説明したように、本発明は、プリテンショナ作動時にウェビングのたるみが効果的取り除かれると共に、乗員拘束時にタングに対するウェビングの移動が規制されて乗員が効果的に拘束されるという優れた効果を有する。
第1実施形態に係るシートベルト装置の装着状態を模式的に示すシート前方からみた正面図である。 第1実施形態に係るシートベルト装置の装着状態を示すシート側方(シート幅方向一方側)からみた側面図である。 図2におけるタングとバックルの周辺構造を拡大した側面図である。 装着状態においてタング及びバックルをタング上下方向に切断した様子を示す断面図(図2の4−4線拡大断面図)である。 (A)はタングをタング上下方向に直交する平面で切断した様子を示す支持部の長手方向中間部における断面図(図4の5A−5A線断面図)であり、(B)はタングをローラ軸方向に切断した様子を示す支持部の下端付近における断面図(図4の5B−5B線断面図)である。 装着状態でエクステンションが操作された状態を示す図4に対応する断面図である。 第1実施形態に係るシートベルト装置においてウェビングがロックされた状態を示す図4に対応する断面図である。 第2実施形態に係るシートベルト装置の装着状態におけるタング及びバックルをタング上下方向に切断した様子を示す断面図(図4に対応する断面図)である。 第2実施形態に係るシートベルト装置においてウェビングがロックされた状態を示す図8に対応する断面図である。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態に係る3点式シートベルト装置S1について、図1〜図7を用いて説明する。
なお、各図に適宜示される矢印FRはシート前後方向前側を示し、矢印UPはシート上下方向上側を示し、矢印W1はシート幅方向一方側を示し、矢印W2はシート幅方向他方側を示している。また、以下の説明で特記なく前後、上下、幅方向一方側、他方側の方向を用いる場合は、シート前後方向の前後、シート上下方向の上下、シート幅方向の一方側、他方側を示すものとする。
第1実施形態に係る3点式シートベルト装置S1は、1列目右側座席(右ハンドル車における運転席)である車両用シート10に適用されている。よって、本実施形態では、車両前方とシート前方、車両上方とシート上方、車幅方向内側とシート幅方向一方側、車幅方向外側とシート幅方向他方側とがそれぞれ一致する。
車両用シート10は、シートクッション12と、シートクッション12のシート後部に連結されたシートバック14と、を含んで構成されている。
図1に示されるように、3点式シートベルト装置S1は、乗員拘束用のウェビング20を備えている。ウェビング20は、化学繊維等の材料によって可撓性を有する長尺帯状に形成されている。ウェビング20の長手方向一端部は、図示しないBピラーの下端部に固定されたリトラクタ32のスプール32Aに係止されている。ウェビング20の長手方向中間部は、Bピラーの上部に取り付けられたショルダアンカ34(スリップジョイント)に挿通されて折り返されており、ウェビング20の長手方向他端部は、Bピラーの下端部付近に固定されたアンカ部材36に係止されている。
また、ウェビング20におけるショルダアンカ34とアンカ部材36との間の部分には、タング40が、ウェビング20の長手方向に移動可能に取り付けられている。タング40は、車両用シート10のシート幅方向一方側(車幅方向内側)に設けられたバックル70と連結可能に構成されている。タング40がバックル70と連結されると、車両用シート10に着座した乗員がシートベルトを装着した状態(以下、「装着状態」という。)となる。装着状態では、ウェビング20におけるタング40とショルダアンカ34との間の部分が乗員の上半身を拘束するショルダベルト20Sとなり、ウェビング20におけるタング40とアンカ部材36との間の部分が乗員の腰部を拘束するラップベルト20Lとなる。タング40及びバックル70の詳細な構造については後述する。
リトラクタ32は、ウェビング20をスプール32Aに引き出し可能に巻き取って格納する巻取装置である。リトラクタ32は、車両の加速度が所定値以上であること、又はスプール32Aからのウェビング20の引出加速度が所定値以上であることが検出されると、スプール32Aの回転をロックしてウェビング20の引き出しを規制するロック機構(図示省略)を有している。また、リトラクタ32は、図示しない周知のプリテンショナ機構を有している。プリテンショナ機構は、火薬式とされており、車両の前面衝突が検知された際に火薬の発火によってスプール32Aを回転させることにより、ウェビング20をスプール32Aに強制的に巻き取る構成になっている。なお、プリテンショナ機構は火薬式に限らず、電動モータ式であってもよい。また、リトラクタ32は、図示しない周知のプリクラッシュシートベルト機構を有している。プリクラッシュシートベルト機構は、車両の前面衝突や側面衝突が予知された際にモータの駆動力によってスプール32Aを回転させることにより、ウェビング20をスプール32Aに強制的に巻き取る構成になっている。本実施形態では、リトラクタ32が本発明の「プリテンショナ装置」に相当する。
次に、タング40及びバックル70の詳細な構造について、図2〜図6を用いて説明する。
タング40は、ウェビング20を摺動可能に支持する支持部50と、支持部50と一体化された差込部60と、を備えている。
図4に示されるように、支持部50は、長尺状の本体部51と、同じく長尺状のエクステンション52と、を備えている。本体部51とエクステンション52とが互いの長手方向を一致させた状態で組み立てられている。これにより、支持部50は、内部をウェビング20が通過する断面略長方形状の長手筒状に形成されている。
以下、図5(A)に示す断面略長方形状の長手方向をタング幅方向といい、短手方向をタング厚み方向といい、支持部50の長手方向(図5(A)の紙面に直交する方向)をタング上下方向という。
図5(A)に示されるように、本体部51は、板厚方向をタング厚み方向に向けた平板状の裏壁部53と、裏壁部53のタング幅方向の両端付近からタング厚み方向の一方側(図5における右側)へ突出する一対の側壁部54、55と、を備えている。一対の側壁部54、55は互いにタング幅方向に対向しており、一対の側壁部54、55の互いに対向する側の面にはエクステンション52を相対移動可能に支持するガイド溝44A、45Aが形成されている。そして、一対の側壁部54、55の間にエクステンション52がタング上下方向の相対移動を可能に取り付けられている。装着状態では、シート幅方向他方側(車幅方向外側)に本体部51が配置され、シート幅方向一方側にエクステンション52が配置される。
図5(A)に示されるように、エクステンション52は、タング厚み方向のうち本体部51側へ開放された断面略U字形状とされて支持部50の外観の一部を構成する外観部56と、外観部56のタング幅方向の両端部からタング幅方向外側へ向けて延びて本体部51のガイド溝44A、45Aに収容された摺動部57と、を備えている。また、外観部56からはタング厚み方向のうち本体部51側へ向けて複数(第1実施形態では2つ)のリブ58がタング上下方向に延びるように突設されている。図5(A)に示される断面では、リブ58の先端と裏壁部53との間には、ウェビング20が通過可能な隙間が形成されている。
図4に示されるように、支持部50の上端には、本体部51の上端51Tとエクステンション52の上端52Tとによって、ショルダベルト20Sのシート幅方向一方側端部が支持されるショルダ側出口50Sが形成されている。他方、本体部51の下端51B付近には、ラップベルト20Lのシート幅方向一方側端部が支持されるラップ側出口50Lが形成されている。ショルダ側出口50Sとラップ側出口50Lとの距離(各出口50S、50Lの中心部同士の距離)は、ウェビング20の幅寸法の1.2倍から4倍の距離とされ、第1実施形態では約3倍とされている。但し、例えば、ウェビング20の幅寸法が47mmであるのに対し、各出口50S、50Lの距離を65mm〜70mm程にしてもよい。
図4に示されるように、本体部51の下端51Bとエクステンション52の下端52Bとは、タング上下方向の位置が一致している。この状態からエクステンション52が下方へ向けて操作されると、図6に示されるように、本体部51の下端51Bよりもエクステンション52の下端52Bがタング上下方向下側へ突出するようになっている。
本体部51の下端51B付近には、差込部60の一部が埋め込まれている。これにより、本体部51と差込部60とが一体化されている。差込部60のうち本体部51から下側へ突出している部分がバックル70の後述する差込口70Aに差し込まれる部分とされており、この部分は板厚方向をタング厚み方向に向けた平板状に形成され、かつ係止孔60Aが形成されている。
図2及び図3に示されるように、バックル70は、ステー74の先端部に取り付けられている。ステー74の基端部は、支軸によってシートアッパレール(図示省略、車両用シート10のシート前後方向の位置調整に伴い、車両用シート10と共にシート前後方向に動くレール部材)に回動可能に取り付けられている。これにより、ステー74は、シートアッパレールに設定されたアンカ位置Aを中心に略シート幅方向の軸周りに回動可能とされている。また、ステー74は、シート幅方向から見て略L字状に形成されている。これにより、ステー74は、基端部では長手方向をシート略前方側を向けており、先端部では長手方向をシート略上方側に向けている。
図4に示されるように、バックル70の上面には、スリット状の差込口70Aが形成されている。差込口70Aの開口方向は、ステー74の先端部が向いている方向と一致している。差込口70Aの開口方向から差込口70Aに対してタング40の差込部60が差し込まれると、バックル70の内部に設けられた図示しないラッチ金具が差込部60の係止孔60Aに係合する。これにより、差込部60がバックル70に係止される。
図1や図2に示されるように、装着状態では、タング上下方向がシート上下方向に沿う方向を向くようになっており、支持部50のラップ側出口50Lとショルダ側出口50Sとがシート上下方向に離間するようになる。したがって、支持部50のラップ側出口50Lによって、ラップベルト20Lのシート幅方向一方側端部が支持され、支持部50のショルダ側出口50Sによって、ラップベルト20Lのシート幅方向一方側端部が支持された位置よりもシート上側へ離間した位置でショルダベルト20Sのシート幅方向一方側端部が支持される。
また、図4に示されるように、バックル70の上面であって差込口70Aのシート幅方向一方側(車幅方向内側)には、解離ボタン72が設けられている。解離ボタン72は、差込口70Aへの差込部60の差込方向(以下、単に「差込方向」という。)と同じ方向に押圧操作可能に構成されている。解離ボタン72が押圧操作されると、係止孔60Aに対する上記ラッチ金具の係合状態が解除され、バックル70による差込部60の係止が解除される。
解離ボタン72は、タング40とバックル70とが連結された状態で、タング40の支持部50のエクステンション52が操作され、本体部51に対してエクステンション52がタング上下方向下側へ相対移動すると、エクステンション52の下端52Bが当接する位置に設けられている。このため、装着状態において乗員は、図6に矢印で示されるように、エクステンション52の上端52Tを指で下側へ向けて操作することにより、間接的に解離ボタン72を押圧操作することができる。
図4に示されるように、支持部50のラップ側出口50Lにはローラ80が設けられている。ローラ80は、タング幅方向を軸方向として本体部51に対して回転可能とされている。ローラ80にはウェビング20の裏面側が巻き掛けられており、これによりウェビング20が折返し部20Vにおいて折り返されるようになっている。図5(B)に示されるように、ローラ80は、合成樹脂により一体成形されており、ウェビング20が接触する本体部80Aと、本体部80Aの軸方向両側において軸支される軸部80Bと、を備えている。本体部80A及び軸部80Bは共に円柱形状とされており、本体部80Aよりも軸部80Bが小径に形成されている。
図5(B)に示されるように、軸部80Bは、支持部50の本体部51に固定された金属製の一対の軸支部61に軸支されている。一対の軸支部61は、連結部62によりタング幅方向に連結されている。これにより、一対の軸支部61及び連結部62とで断面U字形状とされている。
図4に示されるように、連結部62は、ローラ80に対してタング厚み方向一方側(図4における右側、装着時におけるシート幅方向一方側)に位置している。連結部62は、平板状とされ、概ねその板厚方向をタング厚み方向に向けつつも、詳細にはタング上下方向上側へ向かうに従いタング厚み方向他方側(タング厚み方向のうちローラ80に近づく方向)に傾斜している。
また、連結部62に対してタング厚み方向他方側(図4における左側)には、連結部62と対向する金属製の対向板部64が固定されている。対向板部64は、平板状とされ、概ねその板厚方向をタング厚み方向に向けつつも、詳細にはタング上下方向上側へ向かうに従いタング厚み方向一方側に傾斜している。
これにより、連結部62と対向板部64とが向かい合う面同士の間隔は、タング上下方向上側へ向かうにつれて次第に狭くなるようになっている。装着状態において、タング上下方向はシート上下方向に沿う方向を向くため、当該面同士の間隔は、装着時におけるシート上方側へ向かうに従い狭くなっている。連結部62の対向板部64側の面(タング厚み方向他方側の面)が「壁部」としての第1壁部62Aとされ、対向板部64の連結部62側の面(タング厚み方向一方側の面)が第2壁部64Aとされている。
図4に示されるように、ウェビング20は、ローラ80による折返し部20Vよりもショルダベルト20S側において、ローラ80と第1壁部62Aとの間を通過している。他方、ウェビング20は、ローラ80による折返し部20Vよりもラップベルト20L側において、対向板部64のタング上下方向下側を通過しており、ローラ80と第2壁部64Aとの間を通過していない。
なお、図4に示されるように、連結部62は差込部60の一部として一体に形成されている。
また、図3に示されるように、ローラ80の軸方向は、支持部50の長手方向に垂直な方向に対して傾いている。具体的には、ローラ80のうち装着状態でシート前方側の軸部80Bは、シート後方側の軸部80Bよりも支持部50の下側(タング上下方向下側)に位置するように傾いている。これにより、ウェビング20は、ウェビング20の厚み方向からみて角度(図3参照のθ参照)が付くように折り返されている。
ところで、リトラクタ32のプリテンショナ機構やプリクラッシュシートベルト機構が作動した時(以下、併せて「プリテンショナ作動時」という。)や乗員拘束時など、ウェビング20に荷重が発生した場合、ウェビング20が折り返されるように巻き掛けられローラ80にはウェビング20からの荷重がかかる。このときローラにかかる荷重の大きさは、プリテンショナ作動時よりも乗員拘束時の方が大きくなる。一例としては、プリテンショナ作動時には4kN程の荷重が想定され、乗員拘束時には8kN程の荷重が想定される。
このような想定の下、ローラ80の軸部80Bは、軸部80Bの直径や材質などが適切に設定されることにより、プリテンショナ作動時にかかる荷重には耐え、乗員拘束時にかかる荷重には耐えられず破断するように構成されている。
ローラ80の軸部80Bが破断すると、ローラ80は、支持部50の本体部51に対してタング上下方向上側へ相対移動し、第1壁部62Aと第2壁部64Aとの間に嵌る。このとき、ウェビング20のうち折返し部20Vよりもショルダベルト20S側の部分が、ローラ80と第1壁部62Aとの間に挟持される。
このようにして、第1実施形態のローラ80は、プリテンショナ作動時にウェビング20からかかる荷重によっては第1壁部62Aに対して相対移動せず、乗員拘束時にウェビング20からかかる荷重によっては第1壁部62Aに対して相対移動して第1壁部62Aとの間にウェビング20を挟持して、タング40に対するウェビング20の移動を規制する(ウェビングをロックする)ようになっている。
<作用効果>
次に、第1実施形態に係る3点式シートベルト装置S1の作用効果について説明する。
第1実施形態に係る3点式シートベルト装置S1では、タング40が第1壁部62Aとローラ80とを有している。ローラ80には、装着状態においてウェビング20が折り返されるように巻き掛けられる。そして、ローラ80は、プリテンショナ作動時にウェビング20からかかる荷重によっては第1壁部62Aに対して相対移動せず、乗員拘束時にウェビング20からかかるより大きな荷重によっては第1壁部62Aに対して相対移動して第1壁部62Aとの間にウェビング20を挟持してウェビング20のロックするようになっている。
したがって、プリテンショナ作動時には、ローラ80が第1壁部62Aに対して相対移動せずにローラとして機能し、ウェビング20の折返し部20Vにおける摩擦が低減される。よって、折返し部20Vを挟んでショルダベルト20S側とラップベルト20L側とのウェビング20の移動がスムーズになり、ウェビング20のたるみが効果的に取り除かれる。
その後、乗員拘束時には、軸部80Bが破断してローラ80が第1壁部62Aに対して相対移動し、ウェビング20が第1壁部62Aとローラ80との間に挟持されてウェビング20がロックされる。
したがって、第1実施形態に係る3点式シートベルト装置S1によれば、プリテンショナ作動時にウェビング20のたるみが効果的に取り除かれると共に、乗員拘束時にタング40に対するウェビング20の移動が規制されて乗員が効果的に拘束される。
なお、本実施形態では、タング40に対してショルダベルト20S側のリトラクタ32がプリテンショナ機構を備えているため、プリテンショナ作動時、ショルダアンカ34側へウェビング20が引き込まれる。したがって、折返し部20にローラ80が設けられていることで、プリテンショナ作動時、ラップベルト20L側からショルダベルト20S側へのウェビング20の移動がスムーズに行われ、ラップベルト20Lのたわみが適切に取り除かれる。
ただし、本発明の3点式シートベルト装置の「プリテンショナ装置」は、ショルダアンカ側へウェビングを引き込むタイプに限定されない。例えば、プリテンショナ装置は、ウェビング20におけるラップベルト側の端部に設けられたリトラクタであってもよいし、バックルがシート下方へ瞬時に下げられるタイプのプリテンショナ装置であってもよいし、これらが組み合わされたものであってもよい。いずれのタイプであっても、ウェビング20の折返し部20Vにローラ80が設定されていることで、プリテンショナ作動時にウェビング20のたわみが効果的に取り除かれるという作用を奏する。
ところで、例えば、乗員拘束時、ラップベルト20Lに発生する荷重の方がショルダベルト20Sに発生する荷重よりも大きくなることがある。この場合、ウェビング20はショルダベルト20S側からラップベルト20L側へ移動しようとし、この移動がラップベルト20Lによる乗員拘束に不利に働く可能性がある。ここで、第1実施形態に係る3点式シートベルト装置S1では、乗員拘束時、ウェビング20がロックされるので、ラップベルトによる乗員の腰部の拘束性能を適切に確保することができる。
また、この場合、相乗効果として次の効果も奏される。すなわち、乗員の腰部の拘束が適切に行われることで、ショルダベルト20Sによる乗員の上半身の拘束のうち鎖骨での拘束割合が上がり腹部での拘束割合が減るので、乗員を適切に保護することができる。
一方、乗員拘束時、ショルダベルト20Sに発生する荷重がラップベルト20Lに発生する荷重よりも大きくなることもある。この場合、ウェビング20は、ラップベルト20L側からショルダベルト20Sへ移動しようとし、この移動がショルダベルト20Sによる乗員拘束に不利に働く可能性がある。ここで、第1実施形態に係る3点式シートベルト装置では、乗員拘束時、ウェビング20がロックされるので、ショルダベルト20Sによる乗員の上半身の拘束性能を適切に確保することができる。
また、第1実施形態に係る3点式シートベルト装置S1では、図1に示されるように、装着状態で、タング40の支持部50は、ラップベルト20Lのシート幅方向一方側端部を支持すると共に、ラップベルト20Lのシート幅方向一方側端部を支持する位置よりもシート上側に離間した位置でショルダベルト20Sのシート幅方向一方側端部を支持する。
このため、ショルダベルト20Sのシート幅方向一方側端部の支持位置を、乗員の上半身拘束のための適切な高さ位置に設定しつつ、ラップベルト20Lのシート幅方向一方側端部をサブマリン現象を抑制できる低い位置に設定することができる。
さらに、ラップベルト20Lのシート幅方向一方側端部を低い位置に設定することに伴い、ウェビング20の折返し部20Vの位置を低い位置に設定できるため、折返し部20Vの折返し角度を180度に近い角度(ローラ80の軸方向にウェビング20を見たときの角度、図4参照)に近づけることができる。したがって、乗員拘束時にラップベルト20L側からローラ80に作用する荷重方向とショルダベルト20S側からローラ80に作用する荷重方向とが同じ方向に近づく。その結果、ローラ80を適切な方向へ相対移動させ、また、乗員拘束時の早期にウェビング20をロックすることができる。
さらに、第1実施形態に係る3点式シートベルト装置S1では、図1に示されるように、装着状態ではバックル70よりもシート上側の位置で支持部50が保持されており、この支持部50には、乗員が操作することによりバックル70の解離ボタン72を押すことができるエクステンション52が設けられている。
このため、装着状態からシートベルトを解離しようとする場合、図6に示されるように、支持部50に設けられたエクステンション52を乗員が操作することにより、バックル70に設けられた解離ボタン72を間接的に押してシートベルトを解離することができる。よって、バックル70の高さ位置が低く設定されている場合でも、低く設定されたバックル70の解離ボタン72まで手を伸ばす必要が無く、バックル70よりもシート上側の位置で保持された支持部50のエクステンション52を操作すればよいので使用性がよい。また、バックル70を低い位置に設定することに伴い、ラップベルト20Lのシート幅方向一方側端部の支持位置を低い位置に設定することができる。ラップベルト20Lのシート幅方向一方側端部の支持位置を低い位置に設定することは、上述のとおりサブマリン現象の抑制やローラ80によるロッキングに関して有利に働く。
ところで、例えば、リトラクタ32のプリテンショナ機構やプリクラッシュシートベルト機構が作動したとき(以下、纏めて単に「プリテンショナ作動時」という。)、ショルダアンカ34側へ引き込まれたウェビング20によって、バックル70が取り付けられたステー74がアンカ位置A(図2、図3参照)を中心に回転し、バックル70が上方かつ後方の斜め上方へ移動することがある。乗員を拘束する前段階であるプリテンショナ作動時にバックル70が斜め上方へ移動すると、ラップベルト20Lの車幅方向一方側端部も上方へ移動し、その結果、サブマリン現象の抑制に不利に働くことがある。
また、乗員拘束初期時には、乗員からの荷重がウェビング20を介してバックル70に伝わり、ステー74がアンカ位置Aを中心に回転し、バックル70が略前方へ移動することがある。乗員拘束初期時にバックル70が略前方へ移動すると、その分、乗員に対する拘束力が減り、乗員拘束に関して不利に働くことがある。
この点、本実施形態に係る3点式シートベルト装置Sでは、上述のとおりバックル70を位置を低く設定することができるので、バックル70とアンカ位置Aとの距離、すなわちバックル70の回転半径が小さくすることができる。したがって、ステー74の回転によるバックル70の移動量が小さくなり、サブマリン現象の抑制や乗員拘束初期時の拘束性能に関してステー74の回転による悪影響を受けにくい。
また、第1実施形態に係る3点式シートベルト装置S1では、図3に示されるように、ラップ側出口50Lにおいて、中間ベルト20M(ウェビング20におけるラップベルト20Lとショルダベルト20Sとの間の部分)に対してラップベルト20Lが前傾する方向に折り返されている。このため、例えば、プリテンショナ作動時、ウェビング20がショルダアンカ34側へ引き込まれた場合のステー74の回転が抑制される。したがって、プリテンショナ作動時のステー74の回転による悪影響を受けにくい。
なお、第一実施形態では、上述の通り、図3に示されるように、ローラ80が設けられたラップ側出口50Lにおいて、中間ベルト20Mに対してラップベルト20Lが前傾する方向に折り返されている。そして、プリテンショナ作動時には、ショルダアンカ34側へウェビング20が引き込まれる。そのため、プリテンショナ作動時、ローラ80のうちウェビング20が巻き掛けられる位置がシート後方に偏る可能性がある(つまり、ジャムる可能性がある)。しかしながら、第一実施形態では、支持部50が筒状に形成されて中間ベルト20Mを囲むように構成され、中間ベルト20Mが挿通した状態で支持されているので、ローラ80のうちウェビング20が巻き掛けられる位置がシート後方に偏ることが抑制されている。
また、第1実施形態に係る3点式シートベルト装置S1では、図4に示されるように、エクステンション52の上端52Tが、支持部50の上端に位置している。そして、図6に示されるように、支持部50の上端に位置するエクステンション52の上端52Tに指を接触させて操作することで、バックル70の解離ボタン72を間接的に操作することができる。このため、シートベルトを解離したい場合に乗員が手を伸ばす必要のある位置が高い位置になっており使用性が高い。
また、第1実施形態に係る3点式シートベルト装置S1では、図5(A)に示されるように、筒状に形成された支持部50のうち、断面視で中間ベルト20Mを囲んでいる部分の一部がエクステンション52により構成されている。換言すると、エクステンション52の一部(外観部56など)は、中間ベルト20Mと間に介在するものなく中間ベルト20Mと対向しており、かつ、筒状の支持部50の外観の一部を構成している。このため、中間ベルト20Mを囲む筒状の部材とは別にエクステンションを設けた場合と比較して、筒状の支持部50の構造が簡易であり、タング40を軽量化しやすい。
また、第1実施形態に係る3点式シートベルト装置S1では、図3に示されるように、タング40の支持部50が、ウェビング20におけるラップベルト20L(のシート幅方向一方側端部)とショルダベルト20S(のシート幅方向一方側端部)との間の部分である中間ベルト20Mが直線状に延びるように、中間ベルト20Mが延びる方向を長手方向とする長手筒状に形成されている。そして、支持部50の長手方向は、差込部60のバックル70への差込方向と略一致している。このため、タング40の支持部50を掴んで差込部60をバックルに差し込む動作(「差込動作」)が行いやすい。
また、バックル70がアンカ位置Aよりもシート前方かつシート上方に位置している。これによっても、差込動作が行いやすくなっている。
さらに、バックル70から差込方向へ延ばした仮想直線ILが、アンカ位置Aのシート前方側を通る。これにより、アンカ位置Aとラップベルト20Lの車幅方向一方側端部を結んだ別の仮想線(図示省略)よりも中間ベルト20Mの上部が後方に傾くこととなるため、ショルダベルト20Sのシート幅方向一方側端部をシート後方側の位置に配置することができる。その結果、上半身の拘束性能をより一層向上させることができる。
また、第1実施形態に係る3点式シートベルト装置S1では、タング40が、第1壁部62Aと対向する第2壁部64Aを有している。そして、第1壁部62Aと第2壁部64Aとの隙間は、装着時のシート上方側へ向かうに従い狭くなっており、乗員拘束時、ウェビング20からかかる荷重によりローラ80がシート上下方向上側へ移動することでローラ80は第1壁部62Aと第2壁部64Aとの間に嵌り、これによりウェビング20がロックされる。このため、特許文献1の挿通溝のような構造をタングに設ける必要がなく、ロッキングタングを簡単な構造で実現することができる。
(第1実施形態の補足説明)
なお、第1実施形態では、乗員拘束時、ローラ80が第1壁部62Aと第2壁部64Aとの間に嵌ることで、ウェビング20がローラ80と第1壁部62Aとの間に挟持される例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ローラの相対移動方向を規定する挿通溝をタングに設け、ローラの軸部を挿通溝に配置し、通常時にはシェアピンによりローラを所定の位置に係止しておき、乗員拘束時にはシェアピンが切断されてローラが挿通溝に沿って相対移動し、ローラとタングの一部(本発明の「壁部」に相当)との間にウェビングが挟持されるようにしてもよい。つまり、本発明に係る3点式シートベルト装置は、第2壁部を備えていなくても良い。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態に係る3点式シートベルト装置S2について、図8〜図9を用いて説明する。
第2実施形態に係る3点式シートベルト装置S2は、第1実施形態に係る3点式シートベルト装置S1と対比して、タング40の支持部50におけるラップ側出口50L付近の構造が異なっている。
以下、第1実施形態と異なる部分を説明し、第1実施形態と同じ構成については図面に同じ符号を付して説明を省略する。
図8に示されるように、第2実施形態の支持部150の本体部151には、対向板部64のタング上下方向上側に補助ローラ82が設けられている。補助ローラ82は、タング幅方向を軸方向として本体部151に対して回転可能とされている。
そして、ウェビング20における折返し部20Vよりもラップベルト20L側が、ローラ80と第2壁部64Aとの間を通り、補助ローラ82に巻き掛けられている。ウェビング20の表裏面のうち、補助ローラ82に巻き掛けられている側の面は、ローラ80に巻き掛けられている側の面(裏面)と逆側の面(表面)である。そして、ウェビング20は、本体部151に形成された開口からタング40の外部へ出ている。補助ローラ82により、ローラ80による折返し部20Vでのウェビング20の折返し角度(図8の視線方向での角度)が180度よりも大きな角度とされている。
<作用効果>
次に、第2実施形態に係る3点式シートベルト装置S2の作用効果について説明する。
第2実施形態に係る3点式シートベルト装置S2では、図8に示されるように、第1実施形態と同様に、第1壁部62Aと第2壁部64Aとの隙間は、タング上下方向上側へ向かうに従い狭くなっており、その結果、装着時のシート上方側へ向かうに従い狭くなっている。そして、乗員拘束時、図9に示されるように、ローラ80の軸部80Bが破断して、ローラ80がシート上方へ向けて相対移動することで、ローラ80は第1壁部62Aと第2壁部64Aとの間に嵌るようになっている。
一方、第2実施形態に係る3点式シートベルト装置S2では、図8に示されるように、第1実施形態と異なり、ウェビング20における折返し部20Vよりもショルダベルト20S側の部分がローラ80と第1壁部62Aとの間を通過しているだけでなく、ウェビング20における折返し部20Vよりもラップベルト20L側の部分がローラ80と第2壁部64Aとの間を通過している。このため、乗員拘束時、図9に示されるように、ローラ80が第1壁部62Aと第2壁部64Aとの間に嵌るとき、ローラ80と第1壁部62Aとの間にウェビング20が挟持されるだけでなく、ローラ80と第2壁部64Aとの間にもウェビング20が挟持される。
第1実施形態では、ローラ80が第1壁部62Aとの間でのみウェビング20を挟持する態様であったのに対し、第2実施形態では、第1壁部62Aとの間だけでなく、第2壁部64Aとの間でもウェビング20を挟持するので、ウェビング20を効果的ロックすることができる。
また、第2実施形態に係る3点式シートベルト装置S2では、支持部50が補助ローラ82を有する。補助ローラ82は、ウェビング20における折返し部20Vよりもラップベルト20L側の部分の表面(ローラ80が接触している面とは反対側の面)側が巻き掛けられている。これにより、装着状態においてウェビング20が第2壁部64Aと接触しない、または接触していても摩擦が少ない状態になっている。したがって、第2実施形態に係る3点式シートベルト装置S2では、プリテンショナ作動時のウェビング引き込み効率を確保しながら、乗員拘束時、ウェビング20を2箇所で挟持することでウェビング20を効果的にロックできる。
〔第2実施形態の補足説明〕
なお、第2実施形態では、ウェビング20における折返し部20Vよりもラップベルト20L側の部分の表面側が巻き掛けられる補助ローラ82を設けた例を説明したが、第2実施形態の補助ローラ82の設定箇所に補助ローラ82を設けなくとも、2箇所での挟持は実現できる。また、補助ローラ82の設定箇所にローラとしての機能を有しない例えばタング幅方向を軸方向とする円柱状の補助ガイドを設けても良い。この場合、ウェビング20が受ける摩擦が補助ローラ82を設けた場合と比較して増加するが、この部分における摩擦による影響は、ローラ80が設けられた折返し部20Vと比較して小さい。このため、補助ローラ82でなく補助ガイドを設定することで、摩擦による悪影響を最小限に抑えつつ、タングの構造が簡素化することができる。
〔補足説明〕
なお、上記実施形態では、運転席である車両用シート10に本発明の3点式シートベルト装置が適用された例を説明したが、本発明は助手席に適用されても良いし、後部座席に適用されても良い。また、シート前後方向が車両前後方向と一致している例を説明したが、本発明はこれに限定されない。
また、上記実施形態では、乗員拘束時、ローラ80の軸部80Bが破断することで、ローラ80が第1壁部62Aに対して相対移動する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ローラ自体は破断せず、ローラの壁部に対する相対位置を固定する部材をローラとは別に設け、この固定する部材が破壊されることでローラが壁部に対して相対移動するようにしてもよい。
また、リトラクタ32がウェビング20の長手方向一端側に設けられた例を説明したが、本発明はこれに限定されず、リトラクタはウェビングの長手方向他端側に設けられていても良い。また、リトラクタが車両用シートに内蔵されたものであってもよい。
また、ウェビング20の長手方向他端部が、Bピラーの下端部付近のアンカ部材36に係止されている例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ウェビング20の長手方向他端部は、車両用シートの一部に係止されていても良い。
S1、S2 3点式シートベルト装置
10 車両用シート
20 ウェビング
20L ラップベルト
20S ショルダベルト
20V 折返し部
32 リトラクタ(プリテンショナ装置)
40 タング
50、150 支持部
52 エクステンション
62A 第1壁部(壁部)
64A 第2壁部
70 バックル
72 解離ボタン
80 ローラ
82 補助ローラ
W1 シート幅方向一方側
W2 シート幅方向他方側

Claims (3)

  1. プリテンショナ装置と、
    壁部、及び、シートベルトが着座乗員に装着された装着状態でウェビングが折り返されるように巻き掛けられ、プリテンショナ作動時に前記ウェビングからかかる荷重によっては前記壁部に対して相対移動せず、乗員拘束時に前記ウェビングからかかる荷重によっては前記壁部に対して相対移動して前記壁部との間に前記ウェビングを挟持することで前記ウェビングをロックするローラを有するタングと、
    を備える3点式シートベルト装置であって、
    前記タングは、前記壁部と対向する第2壁部を有し、
    前記壁部と前記第2壁部との隙間は、装着時のシート上方側へ向かうに従い狭くなっており、
    乗員拘束時、前記ローラが相対移動して前記壁部と前記第2壁部との間に嵌ることで前記ウェビングをロックし、
    前記ウェビングにおける前記ローラにより折り返された部分である折返し部よりも前記ショルダベルト側の部分が前記ローラと前記壁部との間を通過していると共に、前記ウェビングにおける前記折返し部よりも前記ラップベルト側の部分が前記ローラと前記第2壁部との間を通過しており、
    乗員拘束時、前記ローラが前記壁部と前記第2壁部との間に嵌ることで前記壁部との間に前記ウェビングを挟持すると共に前記第2壁部との間にも前記ウェビングを挟持し、
    前記タングは、前記ウェビングにおける前記折返し部よりも前記ラップベルト側の部分の前記ローラが接触している面とは反対側の面が巻き掛けられる補助ローラを有する、
    3点式シートベルト装置。
  2. 前記タングは、前記装着状態で、ラップベルトのシート幅方向一方側端部を支持すると共に前記ラップベルトのシート幅方向一方側端部を支持する位置よりもシート上側に離間した位置でショルダベルトのシート幅方向一方側端部を支持する支持部を有する、
    請求項1記載の3点式シートベルト装置。
  3. 車両用シートのシート幅方向一方側に設けられ、解離ボタンを有するバックルをさらに備え、
    前記装着状態では、前記支持部は前記バックルよりもシート上側の位置で保持され、
    前記支持部には、乗員が操作することにより前記解離ボタンを押すことができるエクステンションが設けられている、
    請求項2記載の3点式シートベルト装置。
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