JP2005262985A - シート - Google Patents

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【課題】本発明は、充分な強度を保ちつつ軽量化が図れるシートを提供する。
【解決手段】シート10は、着座フレーム31と、シートバックフレーム41と、リトラクタ21と、シートベルト23と、荷重支持部材71とを備えている。着座フレーム31は、フロア11に据付けられる。シートバックフレーム41は、上部フレーム42および下部フレーム43を高さ方向に中間フレーム部44で連結して構成され、着座フレーム31の後部側に立ち上がる。リトラクタ21は、中間フレーム部44の後方のフロア11に固定される。シートベルト23は、リトラクタ21より前方のフロア11に先端が固定されて内側中間フレーム46の延長上の上部フレーム42上側を越えリトラクタ21に巻き取られる。荷重支持部材71は、内側中間フレーム46近傍の下部フレーム43からフロア11に向かって延びる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両に据付けられるシートに関する。
自動車に据付けられるシートは、着座乗員の安全のために3点式のシートベルト装置を備えている。特に、リアシートの中央席では、シートバックのシートバックフレームの上部に設けられるアッパーフレーム材(上部フレーム)にシートベルト装置のウェビング(シートベルト)が通るベルトリングが固定されている。ウェビングは、ベルトリングを通ってシートバックの前方に引き出される。
この構造のシートでは、ウェビングに加わる引張荷重は、ベルトリングを通してシートバックフレームに加わる。このため、シートバックフレームは、全体を板金製のパネルを用いて補強する構造が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−315559号公報(第1図)
しかし、特許文献1のシートは、シートバックフレームの補強に板金製のパネルを用いるので重くなる。近年、自動車は、燃費向上のために軽量化する傾向にある。そのため、軽量化のために板金製のパネルを取り外すことが考えられるが、シートバックフレームの強度が不足する。
したがって、本発明の目的は、充分な強度を保ちつつ軽量化が図れるシートを提供することにある。
本発明に係るシートは、着座フレームと、シートバックフレームと、リトラクタと、シートベルトと、荷重支持部材とを備えている。着座フレームは、車室のフロアに据付けられる。シートバックフレームは、車両の幅方向に配置される上部フレームおよび下部フレームを高さ方向に中間フレームで連結して構成され、着座フレームの後部側に立ち上がる。リトラクタは、中間フレームの後方のフロアに固定される。シートベルトは、リトラクタより前方のフロアに先端が固定されて中間フレームの延長上の上部フレーム上側を越えてリトラクタに巻き取られる。荷重支持部材は、中間フレーム近傍の下部フレームからフロアに向かって延びる。
前記構造のシートによれば、シートベルトに加わる引張荷重は、シートバックフレームに伝えられる。シートバックフレームは、車両の通常運転時にシートベルトを通して伝えられる荷重に対して、充分な強度を有する。車両の衝突時などにシートベルトを通してシートバックフレームに伝えられる大きな荷重は、中間フレームを通してフロアに当接する荷重支持部材で支えられる。なお、巻き取り装置は、急激にベルト部材が引っ張られると、ベルト部材が引き出されることをロックするロック機構を有してもよい。
シートバックフレームを倒せるようにするために、荷重支持部材の下端とフロアとの間に間隙を設ける。荷重支持部材の下端は、シートベルトに加わる引張荷重によってシートバックフレームが変形することで、フロアに当接する。
シートを軽量化するために、シートバックフレームと荷重支持部材とは、パイプを用いて形成する。
荷重支持部材の下端と当接するフロアを補強するために、荷重支持部材の下端が当接するフロアに当板を取り付ける。
本発明に係るシートによれば、車両の衝突時などにシートベルトに加わる大きな引張荷重は、中間フレームを通してフロアに当接する荷重支持部材によって支えられるので、シートバックフレーム全体の変形量が抑えられる。すなわち、シートバックフレームだけで充分な強度を有しているので、シートバックフレームの補強に、板金製のパネルを必要としない。したがって、充分な強度を保ちつつシートを軽量化することができる。
本発明に係る一実施形態のシートについて図1から図4を参照して説明する。図1は、シートベルト装置20が取り付けられるシート10のフレーム構造を示している。本実施形態における、シート10は、自動車の後部座席に用いられる3人掛けシートである。自動車は、車両の一例である。自動車の進行方向Fを基準とする。また、自動車の進行方向Fに向かう方向を前方とし、これと反対方向を後方とする。
シート10は、シートフレーム12と、シートベルト装置20とを有している。シートフレーム12は、図1に示すように、着座フレーム31と、シートバックフレーム41とを有している。着座フレーム31は、前後端のそれぞれ車幅方向両端側に固定部32が形成されている。それぞれ固定部32は、車室13のフロア11に固定されている。着座フレーム31は、クッション部材やカバー部材などによって覆われる。
シートバックフレーム41は、着座フレーム31の後側から立ち上がっている。シートバックフレーム41は、上部フレーム42と、下部フレーム43と、中間フレーム部44と、アームレスト装置50とを有している。
上部フレーム42は、図2に示すように、シートバックフレーム41の上部を構成しており、シートバックフレーム41の上部を車幅方向に沿って延びている。上部フレーム42は、パイプを用いて形成されている。なお、パイプは、例えば金属製である。下部フレーム43は、シートバックフレーム41の下部を構成しており、シートバックフレーム41の下部を車幅方向に沿って延びている。下部フレーム43は、パイプを用いて形成されている。なお、パイプは、例えば金属製である。
中間フレーム部44は、外側中間フレーム45と、内側中間フレーム46とを有している。外側中間フレーム45は、上部フレーム42と下部フレーム43との車幅方向両端側の端部のうち、同じ側どうしを高さ方向に連結する。外側中間フレーム45は、パイプを用いて形成されている。なお、パイプは、例えば金属製である。なお、図2では、アームレスト装置50は、省略されている。
外側中間フレーム45のフロア側端部45aは、下部フレーム43よりもフロア11側に向かって延びており、図3に示すように第1屈曲部45bから前方に向かって曲がっている。外側中間フレーム45は、車幅方向に沿って見る側面が略L字状である。
内側中間フレーム46は、図2に示すように、それぞれ外側中間フレーム45の内側において、上部フレーム42と下部フレーム43とを高さ方向に連結する部材である。内側中間フレーム46は、車幅方向に一対設けられている。
外側中間フレーム45と、該外側中間フレーム45と対向する内側中間フレーム46とには、サポートワイヤー47が掛け渡されている。サポートワイヤー47は、シートバックフレーム41に設けられるクッション部材を支持する部材である。サポートワイヤー47は、複数渡されている。なお、サポートワイヤー47の数は、限定されるものではない。
アームレスト装置50は、図1に示すように、下部フレーム43の近傍でそれぞれ内側中間フレーム46に固定される基部51と、それぞれ基部51に対して前後方向に回動自由に支持されるアームレスト部52を有している。シート10は、アームレスト部52がシートバックフレーム41側に回動することによって、アームレスト装置50が設けられる部位に乗員が着座可能となる。
シートバックフレーム41と着座フレーム31とは、結合部60で結合されている。結合部60は、図1に示すように、シートバックフレーム41に形成されるバックフレーム側結合部61と、着座フレーム31に形成される着座フレーム側結合部62とを有している。
バックフレーム側結合部61は、車幅方向に沿って着座フレーム31に対向するように、それぞれ外側中間フレーム45のフロア側端部45aに形成されている。着座フレーム側結合部62は、バックフレーム側結合部61と対向する部位に形成されている。
バックフレーム側結合部61と着座フレーム側結合部62とは、シートバックフレーム41が前後方向に回動自由になるようにヒンジ結合されている。シート10は、この結合構造によって、シートバックフレーム41を前方へ倒すことができる可倒式シートである。
シートベルト装置20は、3点式のシートベルト装置である。シートベルト装置20は図2と図3とに示すように、リトラクタ21と、肩ベルトアンカ部材22と、シートベルト23とを有している。リトラクタ21は、シートバックフレーム41の後方のフロア11に固定されている。リトラクタ21は、シートベルト23に急激な引張荷重が加わると、シートベルト23が引き出されることをロックする機構を有している。
肩ベルトアンカ部材22は、シート10の中央に着座する乗員用に設けられており、上部フレーム42に固定されている。このとき、内側中間フレーム46の一方は、肩ベルトアンカ部材22の下方に配置される。この内側中間フレーム46の配置構造により、肩ベルトアンカ部材22に加わる荷重は、上部フレーム42を通して肩ベルトアンカ部材22の下方に位置する内側中間フレーム46に加わる。肩ベルトアンカ部材22は、シートベルト23が通る。シートベルト23は、肩ベルトアンカ部材22を通ると、上部フレーム42の上側を越える。
シートベルト23の基端は、図3に示すように、リトラクタ21に巻き取られている。先端23aは、リトラクタ21からシートバックフレーム41の背面41aに沿って肩ベルトアンカ部材22に向かって延び、かつ肩ベルトアンカ部材22を通って上部フレーム42の上側を越えて前方に向かって延び、図1に示すように、フロア11のフロア側固定部23bに固定されている。フロア側固定部23bは、リトラクタ21よりも前方であって肩ベルトアンカ部材22の下方に設けられている。
また、シート10は、荷重受部70を有している。荷重受部70は、荷重支持部材71と、当板72とを有している。荷重支持部材71は、下部フレーム43に溶接されて固定されており、下部フレーム43からフロア11に向かって延びている。荷重支持部材71は、パイプを用いて形成されている。なお、パイプは、例えば金属製である。また、荷重支持部材71の固定方法は、溶接に限定されるものではない。
荷重支持部材71は、図2に示すように、肩ベルトアンカ部材22の下方に位置する内側中間フレーム46の下端の近傍に固定されている。荷重支持部材71は、図3に示すように、後方に向かって屈曲する第2屈曲部71aが形成されている。荷重支持部材71の下端であるフロア側端部71bは、フロア側固定部23bの近傍に対向している。
当板72は、荷重支持部材71のフロア側端部71bと対向するように、フロア11に取り付けられている。当板72は、荷重支持部材71のフロア側端部71bがフロア11に直接当接することを防ぎ、フロア11を補強する。また、当板72は、シートベルト23のフロア側固定部23bの近傍に設けられるので、フロア側固定部23bの近傍のフロア11の剛性を向上させる。
荷重支持部材71のフロア側端部71bと当板72とは、当接しておらず、フロア側端部71bと当板72との間には、間隙Aが形成されている。間隙Aは、シートバックフレーム41を倒す際に、荷重支持部材71が当板72と当接することがないように設けられている。なお、間隙Aの間隔は、例えば10mmほどである。
シートバックフレーム41は、自動車の通常運転時などにシートベルト23と肩ベルトアンカ部材22を通して加わる荷重に対して充分な強度を有している。
つぎに、自動車の衝突時などにシートバックフレーム41に大きな荷重が加わった場合の荷重受部70の動作について説明する。自動車の衝突時などにシートベルト23に急激に大きな引張荷重が加わると、リトラクタ21からシートベルト23が引き出されることがロックされるので、該引張荷重は、肩ベルトアンカ部材22を通してシートバックフレーム41に加わる。
上部フレーム42は、肩ベルトアンカ部材22を通して加わる荷重のフロア11側に向かう成分によって、図4に示すように、フロア11側に向かって突出するようにたわむ。図4では、シートバックフレーム41の変形量が誇張されて示されている。
肩ベルトアンカ部材22の下方に位置する内側中間フレーム46は、該荷重のフロア11側に向かう成分によってフロア11側に向かって移動する。下部フレーム43は、内側中間フレーム46によって加えられる荷重のフロア11側に向かう成分によって、フロア11側に向かって突出するようにたわむ。このため、荷重支持部材71は、下部フレーム43のたわみに合わせてフロア11側に向かって移動する。
このとき、シートベルト23に引張荷重が加わることにより、フロア側固定部23bの近傍のフロア11にも、フロア11を持ち上げようとする荷重が作用する。
肩ベルトアンカ部材22に加わる荷重が所定値よりも大きい場合は、荷重支持部材71は、当板72に当接するまでフロア11側に向かって移動する。荷重支持部材71が当板72と当接した後は、肩ベルトアンカ部材22を通してシートバックフレーム41に加わる荷重は、肩ベルトアンカ部材22の下方の内側中間フレーム46を通して荷重支持部材71で支えられる。それゆえ、それ以上、シートバックフレーム41が変形することが抑えられる。
さらに、肩ベルトアンカ部材22に加わる荷重が大きい場合は、荷重支持部材71が第2屈曲部71aから屈曲することによって荷重が吸収される。また、シートバックフレーム41に加わった荷重は、上部フレーム42と下部フレーム43とを変形させると同時に、外側中間フレーム45の第1屈曲部45bが変形することによっても吸収される。また、シートバックフレーム41に加わる荷重は、結合部60から着座フレーム31に加わる。着座フレーム31に加わった荷重は、着座フレーム側結合部62近傍が変形することによって吸収される。
前記のシート10のシートバックフレーム41は、自動車の通常運転時などにシートベルト23と肩ベルトアンカ部材22とを通して加わる荷重に対して充分な強度を有しているので、自動車の通常運転時に変形することがない。
また、自動車の衝突時などにシートバックフレーム41に加わる大荷重は、内側中間フレーム46を通して当板72に当接する荷重支持部材71で支えられるので、シートバックフレーム41の変形量が抑えられる。つまり、シート10は、シートバックフレーム41だけで充分な強度を有している。したがって、シートバックフレーム41は、シートベルト23に加わる荷重に対する補強に、シートバックフレーム41全体に取り付けられる板金製のパネルなどの重い補強材を必要としないので、軽量化することができる。すなわち、シート10は、充分な強度を保ちつつシート10を軽量化することができる。
また、荷重支持部材71のフロア側端部71bと当板72との間には、間隙Aが形成されているので、シートバックフレーム41を前方に倒すことができる。また、間隙Aは、上部フレーム42と下部フレーム43とのたわみ代としても機能するので、シートベルト23に加わる引張荷重が充分吸収される。また、シートバックフレーム41と荷重支持部材71とが金属製のパイプを用いて形成されることにより、シート10をより一層軽量化できる。
また、フロア11において、荷重支持部材71のフロア側端部71bと対向する位置に当板72が取り付けられている。このため、荷重支持部材71のフロア側端部71bがフロア11に直接当接することを防ぎ、フロア11が補強される。さらに、当板72がフロア側固定部23bの近傍に取り付けられることによってフロア側固定部23bの近傍のフロア11の剛性が高められるので、フロア側固定部23bを持ち上げようとする荷重に対してフロア11の変形を抑えることができる。
なお、肩ベルトアンカ部材22の位置を内側中間フレーム46の上部側延長上に限らずその近傍に取り付け、フロア側固定部23bを肩ベルトアンカ部材22の下方に設け、荷重支持部材71を、肩ベルトアンカ部材22近傍の内側中間フレーム46の下部側延長上に固定しても本実施形態のシート10と同じ効果が得られる。
本発明の一実施形態に係るシートのシートフレームを示す斜視図。 図1中のシートフレームからアームレスト装置を省略し、着座フレームの一部を断面にしたシートフレームの正面図。 図2中のF3−F3線に沿って示す断面図。 図2に示されたシートバックフレームにシートベルトの引張荷重が加わった後の状態を示す正面図。
符号の説明
10…シート、21…リトラクタ、23…シートベルト、31…着座フレーム、41…シートバックフレーム、42…上部フレーム、43…下部フレーム、44…中間フレーム部(中間フレーム)、71…荷重支持部材、72…当板、A…間隙。

Claims (4)

  1. 車室のフロアに据付けられる着座フレームと、
    車両の幅方向に配置される上部フレームおよび下部フレームを高さ方向に中間フレームで連結して構成され前記着座フレームの後部側に立ち上がるシートバックフレームと、
    前記中間フレームの後方の前記フロアに固定されるリトラクタと、
    前記リトラクタより前方の前記フロアに先端が固定されて前記中間フレームの延長上の前記上部フレーム上側を越え前記リトラクタに巻き取られるシートベルトと、
    前記中間フレーム近傍の前記下部フレームから前記フロアに向かって延びる荷重支持部材と
    を備えることを特徴とするシート。
  2. 前記荷重支持部材の下端と前記フロアとの間に間隙を有し、前記シートベルトに加わる引張荷重によって前記シートバックフレームが変形することで、前記荷重支持部材の下端が前記フロアに当接することを特徴とする請求項1に記載のシート。
  3. 前記シートバックフレームと前記荷重支持部材とがパイプで形成されることを特徴とする請求項1に記載のシート。
  4. 前記荷重支持部材の下端が当接するフロアに当板を取り付けることを特徴とする請求項2に記載のシート。
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