JP5495258B2 - 車両におけるシート装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シートのシートバックフレームの一側部の上端部に、シートベルトの上端部側を係合させるベルト係合具を備えた車両におけるシート装置に関するものである。
上記車両におけるシート装置には、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報のものによれば、シートは、車体のフロアパネル側に支持されるシートクッションフレームと、このシートクッションフレームの車体前後方向における後端部側から上方に突出するシートバックフレームとを備えている。
また、上記シートバックフレームは、それぞれ縦方向に延びてその各下端部が、車体前後方向におけるシートクッションフレームの後端部側に連結される左右一対の側部フレームと、これら左右側部フレームの各上端部同士を結合する上部フレームとを備えている。また、上記シートバックフレームの一側部の上端部側から、車体正面視で上記シートバックフレームを斜め下方に横切るよう延びるシートベルトと、上記シートバックフレームの上記一側部の上端部に支持され、上記シートベルトの上端部を係合させるベルト係合具とが設けられている。
上記シートへの着座者は上記シートベルトによってシート上に拘束可能とされる。そして、車両の走行時における前突時、着座者はその慣性力で上記シートに対し前方移動しようとするが、この際、着座者は上記シートベルトによりシート上に拘束されて保護される。
特開平4−329907号公報
ところで、上記前突時には、着座者を拘束した上記シートベルトに対し、着座者から前方に向かう慣性力が与えられて、このシートベルトには張力が生じる。そして、この張力は、上記ベルト係合具を介し上記シートバックフレームの上記一側部の上端部に与えられる。
ここで、上記張力は、上記ベルト係合具からシートベルトが延びる斜め前下方に向かうものであって、車体前方に向かう前方分力、車体幅方向で他方の側部フレームに向かう側方分力、および下方に向かう下方分力に分解される。そして、上記したように張力は上記シートバックフレームの上記一側部の上端部に与えられるため、上記前方分力と側方分力とにより、特に上記シートバックフレームの一側部における一方の側部フレームに対しそれぞれ曲げモーメントとして与えられる。また、上記下方分力により、特に上記一方の側部フレームに対し軸方向圧縮力として与えられる。
そして、前突時には、上記したようにシートベルトに生じた張力の各分力に基づく曲げモーメントが、上記一方の側部フレームに集中的に負荷されることから、この一方の側部フレームが容易に変形し、この変形が原因となって上記シートバックフレームが大きく変形するおそれが生じる。
そこで、上記のような変形を防止するため、上記従来の技術では、一方の側部フレーム自体が強度の大きい材料で形成され、また、この一方の側部フレームを補強する補強ステーが別途に設けられていると考えられる。しかし、このような構成によれば、上記シート装置の部品点数が多くなって構成が複雑になると共に、質量が増加するおそれが生じて好ましくない。
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、車両におけるシート装置が、シートのシートバックフレームの一側部の上端部に、シートベルトの上端部側を連結するベルト係合具を備えた場合において、前突時に上記シートバックフレームが大きくは変形しないようにして、シート上へのシートベルトによる着座者の拘束性能を良好なままに維持すると共に、上記したシートバックフレームの変形の防止が簡単な構成で、かつ、質量の増加を回避しつつ達成できるようにすることである。
請求項1の発明は、シート5のシートバックフレーム17が、それぞれ縦方向に延びてその各下端部が、車体2前後方向におけるシートクッションフレーム15の後端部側に連結される左右一対の側部フレーム19,20と、これら左右側部フレーム19,20の各上端部同士を結合する上部フレーム21とを備え、上記シートバックフレーム17の一側部の上端部側から、車体2正面視(図1)で上記シートバックフレーム17を斜め下方に横切るよう延びるシートベルト28と、上記シートバックフレーム17の上記一側部の上端部に支持され、上記シートベルト28の上端部を係合させるベルト係合具29とを設けた車両におけるシート装置において、
上記両側部フレーム19,20のうち、上記シートバックフレーム17の上記一側部における一方の側部フレーム19を、車体2側面視(図3)で、車体2前方に向かって突出するくの字形状となるよう形成し、その屈曲部19aを上記一方の側部フレーム19の下部に形成し
記シートベルト28から上記ベルト係合具29に与えられる張力Tにより、上記一方の側部フレーム19の上端部が屈曲して、上記ベルト係合具29が車体2幅方向で他方の側部フレーム20側に向かって変位するよう上記一方の側部フレーム19の上端部に脆弱部39を形成したことを特徴とする車両におけるシート装置である。
請求項の発明は、シート5のシートバックフレーム17が、それぞれ縦方向に延びてその各下端部が、車体2前後方向におけるシートクッションフレーム15の後端部側に連結される左右一対の側部フレーム19,20と、これら左右側部フレーム19,20の各上端部同士を結合する上部フレーム21とを備え、上記シートバックフレーム17の一側部の上端部側から、車体2正面視(図1)で上記シートバックフレーム17を斜め下方に横切るよう延びるシートベルト28と、上記シートバックフレーム17の上記一側部の上端部に支持され、上記シートベルト28の上端部を係合させるベルト係合具29とを設けた車両におけるシート装置において、
上記両側部フレーム19,20のうち、上記シートバックフレーム17の上記一側部における一方の側部フレーム19を、上記一側部における上記上部フレーム21の端部から下方に向かって突出する板金製の支持片41と、縦方向に延びてその上端部がこの支持片41の突出部に結合され、下端部が上記シートクッションフレーム15の後端部側に連結される側部フレーム本体42とで構成し、上記シートベルト28から上記ベルト係合具29に与えられる張力Tにより、上記支持片41が屈曲して、上記ベルト係合具29が車体2幅方向で他方の側部フレーム20側に向かって変位するようにしたことを特徴とする車両におけるシート装置である。
なお、この項において、上記各用語に付記した符号や図面番号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
本発明による効果は、次の如くである。
請求項1の発明は、シートのシートバックフレームが、それぞれ縦方向に延びてその各下端部が、車体前後方向におけるシートクッションフレームの後端部側に連結される左右一対の側部フレームと、これら左右側部フレームの各上端部同士を結合する上部フレームとを備え、上記シートバックフレームの一側部の上端部側から、車体正面視で上記シートバックフレームを斜め下方に横切るよう延びるシートベルトと、上記シートバックフレームの上記一側部の上端部に支持され、上記シートベルトの上端部を係合させるベルト係合具とを設けた車両におけるシート装置において、
上記両側部フレームのうち、上記シートバックフレームの上記一側部における一方の側部フレームを、車体側面視で、車体前方に向かって突出するくの字形状となるよう形成し、その屈曲部を上記一方の側部フレームの下部に形成している。
このため、前突時にシート上の着座者の慣性力に基づき上記シートベルトに張力が生じた場合において、車体の側面視で、上記シートベルトの張力が向かう斜め前下方に対し、上記した一方の側部フレームのほぼ全体の傾斜方向が近づくこととなる。よって、上記張力により上記一方の側部フレームに与えられる曲げモーメントは、より小さくなる一方、上記張力は上記一方の側部フレームの軸方向に生じる反力によって、より強固に支持される。
この結果、前突時に、上記一方の側部フレームが容易に変形することは防止されることから、この一方の側部フレームの変形が原因となって上記シートバックフレームが大きく変形する、ということも防止される。このため、前突時における上記シート上へのシートベルトによる着座者の拘束性能が良好なままに維持される。
そして、上記した前突時におけるシートバックフレームの変形防止は、上記一方の側部フレームを単にくの字形状となるよう屈曲したことにより達成されることから、上記シートバックフレームの変形防止は、簡単な構成で、かつ、質量の増加を回避しつつ達成できる。
また、上記シートベルトから上記ベルト係合具に与えられる張力により、上記一方の側部フレームの上端部が屈曲して、上記ベルト係合具が車体幅方向で他方の側部フレーム側に向かって変位するよう上記一方の側部フレームの上端部に脆弱部を形成している。
このため、前突時にシート上の着座者の慣性力に基づき上記シートベルトに張力が生じた場合において、上記したようにシートベルトから上記ベルト係合具に与えられる張力により、上記ベルト係合具が車体幅方向で他方の側部フレーム側に向かって変位したとすれば、これに伴い車体正面視での上記シートベルトの仰角が大きくなり、その分、上記車体幅方向で上記他方の側部フレーム側に向かう上記張力の側方分力が小さくなる。よって、特にこの側方分力に基づき上記一方の側部フレームに与えられる曲げモーメントがより小さくなる。この結果、上記一方の側部フレームが容易に変形することは、より確実に防止されることから、この一方の側部フレームの変形が原因となって上記シートバックフレームが大きく変形する、ということも、より確実に防止される。
請求項の発明は、シートのシートバックフレームが、それぞれ縦方向に延びてその各下端部が、車体前後方向におけるシートクッションフレームの後端部側に連結される左右一対の側部フレームと、これら左右側部フレームの各上端部同士を結合する上部フレームとを備え、上記シートバックフレームの一側部の上端部側から、車体正面視で上記シートバックフレームを斜め下方に横切るよう延びるシートベルトと、上記シートバックフレームの上記一側部の上端部に支持され、上記シートベルトの上端部を係合させるベルト係合具とを設けた車両におけるシート装置において、
上記両側部フレームのうち、上記シートバックフレームの上記一側部における一方の側部フレームを、上記一側部における上記上部フレームの端部から下方に向かって突出する板金製の支持片と、縦方向に延びてその上端部がこの支持片の突出部に結合され、下端部が上記シートクッションフレームの後端部側に連結される側部フレーム本体とで構成し、上記シートベルトから上記ベルト係合具に与えられる張力により、上記支持片が屈曲して、上記ベルト係合具が車体幅方向で他方の側部フレーム側に向かって変位するようにしている。
このため、前突時にシート上の着座者の慣性力に基づき上記シートベルトに張力が生じた場合において、上記したようにシートベルトから上記ベルト係合具に与えられる張力により、上記ベルト係合具が車体幅方向で他方の側部フレーム側に向かって変位したとすれば、これに伴い車体正面視での上記シートベルトの仰角が大きくなり、その分、上記車体幅方向で上記他方の側部フレーム側に向かう上記張力の側方分力が小さくなる。よって、特にこの側方分力に基づき上記一方の側部フレームに与えられる曲げモーメントがより小さくなる。
この結果、上記一方の側部フレームが容易に変形することは、より確実に防止されることから、この一方の側部フレームの変形が原因となって上記シートバックフレームが大きく変形する、ということも、より確実に防止される。このため、前突時における上記シート上へのシートベルトによる着座者の拘束性能が良好なままに維持される。
また、上記支持片は、上記したように上部フレームの端部から単に下方に向かって突出するものであって形状が簡素であり、しかも、板金製であることから、上記支持片に所望の脆弱性を得るために、その上下方向の長さや、形状を所望状態にすることは容易にできる。よって、上記した張力により支持片を所望状態に屈曲させることができ、つまり、この屈曲により、ベルト係合具を他方の側部フレーム側に向かって変位させることがより確実に達成されて、良好な拘束性能がより確実に維持される。
正面図である。 斜視図である。 側面図である。 図3のIV−IV線矢視断面図である。
本発明の車両におけるシート装置に関し、車両におけるシート装置が、シートのシートバックフレームの一側部の上端部に、シートベルトの上端部側を連結するベルト係合具を備えた場合において、前突時に上記シートバックフレームが大きくは変形しないようにして、シート上へのシートベルトによる着座者の拘束性能を良好なままに維持すると共に、上記したシートバックフレームの変形の防止が簡単な構成で、かつ、質量の増加を回避しつつ達成できるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための形態は、次の如くである。
即ち、車両におけるシート装置のシートのシートバックフレームは、それぞれ縦方向に延びてその各下端部が、車体前後方向におけるシートクッションフレームの後端部側に連結される左右一対の側部フレームと、これら左右側部フレームの各上端部同士を結合する上部フレームとを備える。上記シートバックフレームの一側部の上端部側から、車体正面視で上記シートバックフレームを斜め下方に横切るよう延びるシートベルトと、上記シートバックフレームの上記一側部の上端部に支持され、上記シートベルトの上端部を係合させるベルト係合具とが設けられる。
上記両側部フレームのうち、上記シートバックフレームの上記一側部における一方の側部フレームが、車体側面視で、車体前方に向かって突出するくの字形状となるよう形成され、その屈曲部が上記一方の側部フレームの下部に形成されている。
また、上記シートベルトから上記ベルト係合具に与えられる張力により、上記一方の側部フレームの上端部が屈曲して、上記ベルト係合具が車体幅方向で他方の側部フレーム側に向かって変位するよう上記一方の側部フレームの上端部に脆弱部が形成されている。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例を添付の図に従って説明する。
図において、符号1は、車両におけるシート装置である。また、矢印Frは、この車両の進行方向の前方を示している。また、下記する左右とは、車両の車体2正面視(図1)における車体2幅方向をいうものとする。
上記車体2の内部が車室3とされ、上記車体2は、車室3の下面を形成するフロアパネル4を備えている。上記シート装置1は、上記車室3内で上記フロアパネル4上に設置され着座者Mが車体2前方に向かって着座可能なシート5と、このシート5上に着座者Mを拘束可能とするシートベルト装置6とを備えている。
上記シート5は、上記フロアパネル4上に設置されるシートクッション9と、このシートクッション9の車体2前後方向における後端部側から上方に突出するシートバック10と、車体2幅方向に延びる軸心11回りで上記シートバック10を前後方向の所望位置にまで傾動し、そこで、上記シートクッション9に任意にロック可能にするリクライニング装置12とを備えている。
上記シートクッション9は、上記フロアパネル4上に不図示のシートレールを介し支持されるシートクッションフレーム15と、このシートクッションフレーム15をその上方から覆ってこのシートクッションフレーム15に支持されるシートクッションパッド16とを備えている。
上記シートバック10は、シートバックフレーム17と、このシートバックフレーム17を主にその前方から覆ってこのシートバックフレーム17に支持されるシートバックパッド18とを備えている。
上記シートバックフレーム17は、それぞれ縦方向に延びてその各下端部が、上記シートクッションフレーム15の後端部側に上記リクライニング装置12を介し連結される左右一対の側部フレーム19,20と、車体2幅方向に延び、上記左右側部フレーム19,20の各上端部同士を結合する上部フレーム21と、車体2幅方向に延び、上記左右側部フレーム19,20の各下端部同士を結合する下部フレーム22と、上記両側部フレーム19,20のうち、一方の側部フレーム19を補強する板金製の補強材23と、車体2の正面視(図1)で、上記一方の側部フレーム19の上端部側と他方の側部フレーム20の下端部側とに架設されて上記シートバックフレーム17を補強するステー24とを備えている。なお、このステー24は設けなくてもよい。
上記補強材23は、その平面断面視(図4)で、上記他方の側部フレーム20側に向かって開くコの字形状とされている。そして、上記一方の側部フレーム19と上記補強材23の前部とが互いに嵌合し、これら一方の側部フレーム19と補強材23の前部とが溶接により互いに結合されている。上記一方の側部フレーム19の下端部は、上記補強材23の下端部と上記リクライニング装置12とを介して上記シートクッションフレーム15の後端部に連結されている。
前記シートベルト装置6は、上記シートバックフレーム17の一側部(右側部)の上端部側から、上記シートバック10の前方を通り、車体2正面視(図1)で上記シートバックフレーム17を斜め下方に横切るよう延びるシートベルト28と、上記シートバックフレーム17の上記一側部の上端部に支持され、上記シートベルト28の上端部を係合させるベルト係合具29と、上記シートベルト28の上端部からの延長部であって、上記ベルト係合具29を摺動可能に貫通すると共に上記シートバックフレーム17の後側を通り下方に向かって延びるベルト延長部30と、上記シートクッションフレーム15の後部に支持され、上記ベルト延長部30を巻き取り、巻き戻し可能とするリトラクタ31とを備えている。
また、上記シートベルト装置6は、上記シートベルト28の下端部からの延長部であって、上記シートクッション9の上方を通り一方の側部フレーム19側の上記シートクッション9の一側部(右側部)にまで延びる他のベルト延長部33と、上記シートクッション9の一側部の下方におけるフロアパネル4に取り付けられ、上記他のベルト延長部33の延長端を連結するベルトアンカ34と、上記シートベルト28および他のベルト延長部33に対し、その長手方向に移動可能となるよう係合させられるタングプレート35と、上記シートクッション9の他側部(左側部)の下方におけるフロアパネル4に取り付けられ、上記タングプレート35を係脱可能に係止するバックル36とを備えている。
上記シート5上の着座者Mの胸部の前面に上記シートベルト28が当接し、膝部の上面に上記他のベルト延長部33が当接する。このようにした上記シートベルト装置6により着座者Mがシート5上に拘束可能とされる。そして、車両の走行時における前突時には、着座者Mはその慣性力で上記シート5に対し前方移動しようとするが、この際、上記リトラクタ31がベルト延長部30をロックすることにより、着座者Mは上記シートベルト装置6によりシート5上に拘束されて保護される。
上記の場合、着座者Mを拘束した上記シートベルト装置6のシートベルト28に対し、着座者Mから前方に向かう慣性力が与えられて、このシートベルト28には張力Tが生じる。そして、この張力Tは、上記ベルト係合具29を介し上記シートバックフレーム17の上記一側部の上端部に与えられる。
ここで、上記張力Tは、上記ベルト係合具29からシートベルト28が延びる斜め前下方に向かうものであって、車体2前方に向かう前方分力T1、車体2幅方向で他方の側部フレーム20に向かう側方分力T2、および下方に向かう下方分力T3に分解される。そして、上記したように、張力Tは上記シートバックフレーム17の上記一側部の上端部に与えられるため、上記前方分力T1と側方分力T2とにより、特に上記シートバックフレーム17の一側部における上記一方の側部フレーム19に対しそれぞれ曲げモーメントとして与えられる。また、上記下方分力T3により、特に上記一方の側部フレーム19に対し軸方向圧縮力として与えられる。
そして、前突時には、上記したようにシートベルト28に生じた張力Tの各分力T1,T2に基づく曲げモーメントが上記一方の側部フレーム19に集中的に負荷されることから、この一方の側部フレーム19が容易に変形し、この変形が原因となって上記シートバックフレーム17が大きく変形するおそれが生じる。
そこで、上記シートバックフレーム17の大きな変形を防止するため、次のように構成されている。
即ち、前記構成において、一方の側部フレーム19の側部フレーム本体42、他方の側部フレーム20、上部フレーム21、および下部フレーム22は、一本の断面円形のパイプ材を車体2の正面視(図1)で、矩形状に屈曲することにより形成されている。
上記一方の側部フレーム19は、車体2側面視(図3)で、車体2前方に向かって突出するくの字形状となるよう形成されている。また、上記一方の側部フレーム19の屈曲部19aは、この一方の側部フレーム19の下部に形成されている。
このため、上記した前突時にシート5上の着座者Mの慣性力に基づき上記シートベルト28に張力Tが生じた場合において、車体2の側面視(図3)で、上記シートベルト28の張力Tが向かう斜め前下方に対し、上記した一方の側部フレーム19のほぼ全体の傾斜方向が近づくこととなる。よって、上記張力Tにより上記一方の側部フレーム19に与えられる曲げモーメントは、より小さくなる一方、上記張力Tは上記一方の側部フレーム19の軸方向に生じる反力によって、より強固に支持される。
この結果、前突時に、上記一方の側部フレーム19が容易に変形することは防止されることから、この一方の側部フレーム19の変形が原因となって上記シートバックフレーム17が大きく変形する、ということも防止される。このため、前突時における上記シート5上へのシートベルト装置6のシートベルト28による着座者Mの拘束性能が良好なままに維持される。
そして、上記した前突時におけるシートバックフレーム17の変形防止は、上記一方の側部フレーム19を単にくの字形状となるよう屈曲したことにより達成されることから、上記シートバックフレーム17の変形防止は、簡単な構成で、かつ、質量の増加を回避しつつ達成できる。
また、上記一方の側部フレーム19の上端部には脆弱部39が形成されている。そして、前突時に、上記したようにシートベルト28から上記ベルト係合具29に張力Tが与えられるとき、この張力Tの特に側方分力T2により、上記脆弱部39が屈曲して、上記ベルト係合具29が車体2幅方向で他方の側部フレーム20側に向かって変位することとされている(図1中、一点鎖線)。
このため、前突時にシート5上の着座者Mの慣性力に基づき上記シートベルト28に張力Tが生じた場合において、上記したようにシートベルト28から上記ベルト係合具29に与えられる張力Tにより、上記ベルト係合具29が車体2幅方向で他方の側部フレーム20側に向かって変位したとすれば、これに伴い車体2正面視(図1)での上記シートベルト28の仰角がθ1からθ2へと大きくなり、その分、上記側方分力T2が小さくなる。よって、特にこの側方分力T2に基づき上記一方の側部フレーム19に与えられる曲げモーメントがより小さくなる。この結果、上記一方の側部フレーム19が容易に変形することは、より確実に防止されることから、この一方の側部フレーム19の変形が原因となって上記シートバックフレーム17が大きく変形する、ということも、より確実に防止される。
また、上記一方の側部フレーム19は、上記シートバックフレーム17の上記一側部における上記上部フレーム21の端部から下方に向かって突出する板金製の支持片41と、縦方向に延びてその上端部がこの支持片41の突出部に結合され、下端部が上記シートクッションフレーム15の後端部側に連結される側部フレーム本体42とで構成されている。そして、上記支持片41の上下方向の中途部が上記脆弱部39とされている。
ここで、上記支持片41は、上記したように上部フレーム21の端部から単に下方に向かって突出するものであって形状が簡素であり、しかも、板金製であることから、上記支持片41に所望の脆弱性を得るために、その上下方向の長さや、形状を所望状態にすることは容易にできる。よって、上記した張力Tにより支持片41を所望状態に屈曲させることができ、つまり、この屈曲により、ベルト係合具29を他方の側部フレーム20側に向かって変位させることがより確実に達成されて、良好な拘束性能がより確実に維持される。
上記支持片41は、上記補強材23の上端部を上方に一体的に延長することにより形成されたものであり、上下方向と前後方向の各剛性が比較的大きくなるよう上記補強材23とほぼ同様の断面構造とされている。
なお、以上は図示の例によるが、上記ベルト係合具29をリトラクタとしてもよい。また、上記一方の側部フレーム19を全体的にパイプ材で形成し、その上端部に切り欠きや貫通孔などを形成して、これを脆弱部39としてもよい。
1 シート装置
2 車体
5 シート
6 シートベルト装置
9 シートクッション
10 シートバック
15 シートクッションフレーム
17 シートバックフレーム
19 側部フレーム
19a 屈曲部
20 側部フレーム
21 上部フレーム
22 下部フレーム
23 補強材
28 シートベルト
29 ベルト係合具
39 脆弱部
41 支持片
42 側部フレーム本体
M 着座者
T 張力
T1 前方分力
T2 側方分力
T3 下方分力

Claims (2)

  1. シートのシートバックフレームが、それぞれ縦方向に延びてその各下端部が、車体前後方向におけるシートクッションフレームの後端部側に連結される左右一対の側部フレームと、これら左右側部フレームの各上端部同士を結合する上部フレームとを備え、上記シートバックフレームの一側部の上端部側から、車体正面視で上記シートバックフレームを斜め下方に横切るよう延びるシートベルトと、上記シートバックフレームの上記一側部の上端部に支持され、上記シートベルトの上端部を係合させるベルト係合具とを設けた車両におけるシート装置において、
    上記両側部フレームのうち、上記シートバックフレームの上記一側部における一方の側部フレームを、車体側面視で、車体前方に向かって突出するくの字形状となるよう形成し、その屈曲部を上記一方の側部フレームの下部に形成し
    記シートベルトから上記ベルト係合具に与えられる張力により、上記一方の側部フレームの上端部が屈曲して、上記ベルト係合具が車体幅方向で他方の側部フレーム側に向かって変位するよう上記一方の側部フレームの上端部に脆弱部を形成したことを特徴とする車両におけるシート装置。
  2. シートのシートバックフレームが、それぞれ縦方向に延びてその各下端部が、車体前後方向におけるシートクッションフレームの後端部側に連結される左右一対の側部フレームと、これら左右側部フレームの各上端部同士を結合する上部フレームとを備え、上記シートバックフレームの一側部の上端部側から、車体正面視で上記シートバックフレームを斜め下方に横切るよう延びるシートベルトと、上記シートバックフレームの上記一側部の上端部に支持され、上記シートベルトの上端部を係合させるベルト係合具とを設けた車両におけるシート装置において、
    上記両側部フレームのうち、上記シートバックフレームの上記一側部における一方の側部フレームを、上記一側部における上記上部フレームの端部から下方に向かって突出する板金製の支持片と、縦方向に延びてその上端部がこの支持片の突出部に結合され、下端部が上記シートクッションフレームの後端部側に連結される側部フレーム本体とで構成し、上記シートベルトから上記ベルト係合具に与えられる張力により、上記支持片が屈曲して、上記ベルト係合具が車体幅方向で他方の側部フレーム側に向かって変位するようにしたことを特徴とする車両におけるシート装置。
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