JP6805869B2 - 除塵装置の設置方法。 - Google Patents

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Description

本発明は、水路を流れる流水から塵芥を捕集する回転スクリーン式の除塵装置に関する。
河川又海等から引き込んで取水する水の中に浮遊する塵芥は、工場等において設備トラブルを引き起こす可能性があるので除去する必要がある。特に発電用に使用される海水等の水は、浮遊するごみが深刻な問題に直結する可能性もあって、清浄な状態が求められており、塵芥の除去に関する要求基準は極めて高いものである。
そのため、水の中に浮遊するごみを取り除く手段として、従来から様々な装置が提案されている。塵芥の種類は、例えば、木片、紙くず、廃プラ、又、生活ゴミ、或いは、草や藻、又は、クラゲ等の水棲生物等、様々である。一般的には、目の大きなバースクリーンにより大型の塵芥を除去した後、細かなスクリーンを使用した除塵装置で、小さな塵芥を除去する。
従来から良く知られている除塵装置としては、回転式のスクリーンを備えるタイプの除塵装置が公知である。回転式のスクリーンを備えた除塵装置として、例えば、トラベリングスクリーン、又ネットスクリーン等、様々な種類がある。そして、スクリーンのタイプとしては、例えば、環状に形成したベルト状のスクリーンタイプ、スクリーンを配したパネルを隙間なく連接させたタイプ、又、バケット部を形成したスクリーンを隙間なく連接させたタイプ等があり、これもまた様々である。
一般的に、回転式のスクリーンを備えるタイプの除塵装置は、スクリーンを取り付けたチェーンを、上下に配した一対のホイール間に掛け渡して周回させる構造となっている。
そして、上下に配したホイールに掛け渡したチェーンが、水路内で上下に周回することにより、スクリーンも周回して、流水中のゴミを捕集する。スクリーンで捕集されたゴミは、通常、スクリーンの周回に合わせて、除塵装置の上部まで持ち上げられて、そこで機外に排出されて、別途、処分される。
スクリーンを取り付けたチェーンを回転させるためのホイールは、一般的に、スプロケット、或いはスプロケットホイールと呼ばれるものが多く使用されている。スプロケットは、円板又は円筒外周面にノッチ等が形成されて、チェーンの節と噛み合わせて動力を伝導するため等に使用されるものである。スプロケットは鎖車とも称されることもある。スプロケットに噛み合わされるチェーンのタイプとしては、ローラチェーン、キャリングチェーン、或いはリンクチェーン等が代表的なものである。
特許文献1に回転式のスクリーンを備えた除塵装置の1例を示す。特許文献1に開示された除塵装置は、上部に配したスプロケットによりスクリーンを回転させるタイプの除塵装置である。
実開昭51−136635号公報
特許文献1に開示された技術は、スクリーンのガイドレールを支持するフレーム(支持フレーム)を、止水ゴムを介して水路の壁面で支持する構造となっている。そして、スクリーンと直交する方向の壁面にフレームを支持するケースでは、壁面にフレーム案内縦溝と呼ぶ溝を形成し、その箇所に止水ゴムを介して支持する構造となっている。止水ゴムを配した理由は、壁面とフレームとの間の隙間を防止するためである。
また、スクリーンのガイドレールを支持するフレームを水路に固定する方法として、図6に記載した従来技術も公知である。図6に示した従来技術は、予め製作したコの字型のスクリーンガイドを、水路の側壁に形成した溝部に嵌め込んでコンクリートを打設する。
スクリーンガイドを鋼材等で製作すれば直線性が高いので、前述した特許文献1に開示の従来技術等と比較して、直線性の高いガイドを施工することが可能である。
前述した除塵装置は、設置された箇所によって波浪の影響を強く受ける可能性がある。
例えば、除塵装置を配した水路に大きな波浪が生じると、水中部に設置されるフレーム等が、水流の流れる方向、言い換えれば、水路の延びる方向で前後に揺さぶられることになる。特に、台風や地震などの影響によって極めて大きな波浪が生じた場合は、大きく揺さぶられるために、スクリーンのガイドレールを支持するフレーム等が損傷する可能性などがあった。フレームの揺動防止策としてアンカーボルト等で固定する構造もあるが、設置に手間が掛かるため、簡易な方法にて、揺動を防止する方法が求められていた。
本発明は、以上、説明したような問題点に鑑みてなされたものであり、波浪の影響を強く受ける可能性がある水路に対して好適な除塵装置の設置方法に関する。
上記の目的を達成するため、本発明による除塵装置の設置方法は、
(1)上下に配したホイール間に無端状のチェーンを配して、水路の壁面で端部を支持したスクリーンフレームをガイドとして、周回させることにより、チェーンに取り付けたスクリーンを水路内で上下に周回させて、水路を流れる流水中の塵芥を捕集する回転式の除塵装置の設置方法において、スクリーンフレームの端部から壁面に向かって延びるフレーム張出部の先端側に支持部までの距離が調整可能なジャッキ機構を配し、水路の壁面に形成した断面コの字型の縦溝部に挿入するとともに、対向する縦溝部の2つ壁面を、ジャッキ機構の支持部を当接させる支持面として、フレーム張出部を、上下縦方向に隣り合うジャッキ機構が、それぞれ互い違いに異なる方向に配する方向によって、水路が延びる方向で前後逆向けに支持する。
(2)(1)に記載の除塵装置の設置方法において、前記フレーム張出部に孔部を形成して、フレーム張出部の孔部の位置に合わせて固着した固定ナットに調整ボルトを螺合させて貫通させるとともに、調整ボルトの一端に座板を配して支持部とすることにより、支持部までの距離が調整可能なジャッキ機構とした。
(3)(2)に記載の除塵装置の設置方法において、前記座板の一部にレンチ掛け部を形成した。
(4)(1)から(3)までのいずれか1項に記載の除塵装置の設置方法において、前記スクリーンフレームの上下方向に沿って縦方向に延びるとともに、スクリーンフレームから壁面に向かって横方向に延びるシールゴムを配した。
本発明によれば、波浪の影響を強く受ける可能性がある水路へ除塵装置を設置した際において、スクリーンのフレーム等が損傷する可能性等を簡易な構成で効果的に低減することができる。
本発明の実施形態に係わり除塵装置の支持部構造を説明する図である。 本発明の実施形態に係わりジャッキ機構の構造を説明する図である。 本発明の実施形態に係りジャッキ機構の配置を説明する図である。 本発明の実施形態に係りジャッキ機構の動作を説明する概念図である。 本発明の実施形態に係り除塵装置の全体構成を説明する参考図である。 従来技術に関する除塵装置の支持部構造を説明する図である。
以下、図面等に基づき本発明の好ましい実施形態の1例について詳細に説明する。
図1から図5は、本発明の実施形態に係わりその好ましい1例を示したものであって、図1は除塵装置の支持部構造を説明する図である。図2から図4はジャッキ機構に関する説明図であり、図2は構造を説明する図であり、図3は配置を説明する図であり、図4は動作を説明する図である。図5は除塵装置の全体構成を説明する参考図である。
以下、本実施形態に係る除塵装置100の好ましい構成について説明する。
本実施形態に使用した除塵装置100は、回転式のスクリーンを備えるタイプであって、図5に示すように駆動装置110とスクリーン105を備えている。スクリーン105は、バケット部を備えた横長いスクリーン(金網)を複数本隙間なく連接させて環状とし、一つの大きなスクリーンとして形成するタイプで、トラベリングスクリーンと称されることもある。
スクリーン105は、その幅方向において、水路において水流の流れる方向と直交するように配されており、水路の両側に形成されている左右の壁面である側壁201の間を掛け渡すように設置されている。そして、スクリーン105は上下垂直方向に移動して周回するように構成されている。
図1又図5に除塵装置100の概要を示す。本実施形態による除塵装置100は、ホイール103Aと103Bの間に、リング状に結ばれて無端状に形成されたチェーン102が掛け渡して配されている。そして、スクリーン105の左右両端にはチェーン102が取り付けられており、水路の左右両側に1本ずつ、合計2本のチェーン102が配されている。
本実施形態では、ホイール103A及び103Bとして外周に歯車が切られたスプロケットホイールを使用しており、チェーン102としてキャリングチェーンを使用した。
しかし、本発明に適応できるホイール103A又103Bとチェーン102の構成がこれに限らないことは勿論であって、ホイール103A又103Bは使用するチェーン102を確実に駆動して回転させる構造のものであれば良い。また、チェーン102の種類も、スクリーン105を取り付けた状態でホイール102により回転させることができる種類のものであれば良く、ローラチェーン、或いはリンクチェーン等であっても良く、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内であれば特に限定されない。
また、図5に示す形態では説明を簡単にするため、スクリーン105が垂直方向に移動して周回するように構成されているが、スクリーン105を傾けた状態で設置する方式であっても良い。その場合は、後述する縦溝部201Aを全体的に傾けて形成し、スクリーンフレーム20を傾けて設置すれば良い。
前述したように、スクリーン105の左右両端は、それぞれの側にあるチェーン102に連結されて取り付けられている。本実施形態では上部に配したホイール103Aを回転させることにより、チェーン102が、上部のホイール103Aと下部のホイール103Bの間を周回する。そして、スクリーン105は、チェーン102の回転にあわせて、ホイール103Aと103Bの間を周回して、水流中の塵芥(ゴミ等と称することもある)を捕集する構造となっている。捕集された塵芥は上部に持ち上げられて、そこで排出されて、別途、処分される。
図1にスクリーン105の取り付け構造を示す。
複数のスクリーンを連接して環状としたスクリーン105の幅方向両端にチェーン102を連結するとともに、コの字型のチェーン挿入部を有したスクリーンフレーム20を、スクリーン105の左右両側に設置して、スクリーン105の両端に連結したチェーン102を挿入部に挿入した。
そして、スクリーンフレーム20に形成した挿入部の水流下流側にあたる面には、チェーン102のガイド面を配して、チェーン102が周回運動中、スクリーンフレーム20のガイド面に当接するように配置することで、チェーン102が、スクリーンフレーム20に沿って動くように構成する。
ここで、側壁201に形成した縦溝部201Aは水路の上下方向に延びる溝で、スクリーン105の周回軌道に合わせて形成されている。そして、本実施形態においては、側壁201の縦溝部201Aの壁面を、コの字型の鋼材によって形成してスクリーンガイド20Bとし、ジャッキ機構10の支持部を当接させる強固な支持面を構成した。
なお、縦溝部201Aの形成方法は様々であり、例えば、側壁201をコンクリートで打設して作る際に、コンクリートの打設箇所に箱抜きと呼ばれる手法を利用して予め大きめの溝部を形成する。そして箱抜きと呼ばれる手法で形成した前述の溝部に、二次コンクリート部201Bを打設する際において、上下方向に延びる断面コの字型の鋼材を嵌め込んで縦溝部201Aを形成する方法等が公知である。
本実施形態においては、前述したスクリーンフレーム20の左右両側の先端側にあるフレーム張出板20Aに、それぞれ、ジャッキ機構10を配した状態とする。ジャッキ機構10の構成については後述するが、縦溝部201Aの中においては、フレーム張出板20Aに形成したジャッキ機構10によって、スクリーンフレーム20を水路両側の側壁201で支持する構成とした。
なお、本実施形態においては、図3に示すように、水路の縦方向(水路深さ方向)に、複数箇所のジャッキ機構10を配しており、後述する固定方向について上下縦方向に隣り合うジャッキ機構10が、それぞれ互い違いに異なる方向に配することによって、水路が延びる方向、即ち、水流が流れる方向で前後逆向けの支持部となる後述の座板17を配している。
以下、図2又図3を参考にしながら、フレーム張出板20Aに形成したジャッキ機構10の構成について詳しく説明する。
スクリーン105の周回軌道に合わせて縦方向に延びるフレーム張出板20Aには、縦方向に並んだ複数個所の孔部を形成する。そして、フレーム張出板20Aの孔部の位置に合わせて固定ナット15を固着する。
なお、図3の左上部に囲んだ丸の中に記載されたジャッキ機構10は、フレーム張出板20Aの水流下流側の面に対して、六角ナットを溶接して固着することにより、固定ナット15とした。
そして、フレーム張出板20Aの孔部の位置に合わせて固着した固定ナット15に調整ボルト12を螺合させて貫通させる。フレーム張出板20Aの孔部の位置に固着した固定ナット15に螺合及び貫通した調整ボルト12が回転すると、フレーム張出板20Aを基点に調整ボルト12が進退する。そして、調整ボルト12の一端(図3の左上部に囲んだ丸の中に記載されたジャッキ機構10については水流下流側)に、座板17を配して支持部とすることにより、支持部までの距離が調整可能なジャッキ機構10とした。
また、図3の左下部に囲んだ丸の中に記載されたジャッキ機構10は、フレーム張出板20Aの水流上流側の面に対して、六角ナットを溶接して固着することにより、固定ナット15とした。
そして、フレーム張出板20Aの孔部の位置に合わせて固着した固定ナット15に調整ボルト12を螺合させて貫通させる。フレーム張出板20Aの孔部の位置に固着した固定ナット15に螺合及び貫通した調整ボルト12が回転すると、フレーム張出板20Aを基点に調整ボルト12が進退する。そして、調整ボルト12の一端(図3の左下部に囲んだ丸の中に記載されたジャッキ機構10については水流上流側)に、座板17を配して支持部とすることにより、支持部までの距離が調整可能なジャッキ機構10とした。
なお、本実施形態においては、座板17の六角部17Aは調整ボルト12の一端に溶接等の手法により固着している。丸板部17Bは六角部17Aに固着しても良いが、必ずしも固着する必要はなく、後述する設置の際に六角部17Aと支持面の間に挟み込むようにして設置しても良い。
本実施形態においては、調整ボルト12や座板17で構成されているジャッキ機構10が一定間隔Ptで縦方向に並んで複数個所配されており、上下縦方向に隣り合うジャッキ機構10を、それぞれ互い違いに異なる方向に配することによって、水路が延びる方向で前後逆向けに支持する構成とした。
前述したように本実施形態では、調整ボルト12の一端に座板17を配して支持部とすることにより、支持部までの距離が調整可能なジャッキ機構10としている。
また、ジャッキ機構10の支持部を当接させる縦溝部201Aの支持面とフレーム張出板20Aが平行になるように配置すれば、支持部である座板17による力が、縦溝部201Aの支持面となるスクリーンガイド20Bに対して直交する方向で負荷されることになる。縦溝部201Aの支持面となるスクリーンガイド20Bに対して直交する方向で力が負荷することは、支持面に対する負荷の偏りが小さくなるという点で好ましい形態の1つである。
なお、支持面が傾いている等の原因により、縦溝部201Aの支持面に対して直交する方向で力を負荷できないようなケースが想定される。そのようなケースにおいては、例えば、調整ボルト12と丸板部17Bの間に球面座を配することにより、支持面と丸板部17Bを密着させれば、支持面に掛かる力が分散するという言う点で好ましい。
また、本実施形態では、座板17を六角部17Aと丸板部17Bで形成した。この構成であれば、調整ボルト12を回転させて座板17の位置を調整する際において、六角部17をレンチ掛け部として、調整ボルト12を回転させることが可能であり、調整が可能になる。しかし、本実施形態に適応できる座板17の構成はこれに限らないことは勿論であって、例えば、一枚の丸板等を用いて座板17としても良く、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で変更が可能である。
さらに、本実施形態においては、縦溝部201Aから下流側に流れる水流を防止するため、図1に示すように、スクリーンフレーム20の上流側面に、スクリーンフレーム20から水路側壁に向かって横方向に延びるシールゴム31を、スクリーンフレーム20の上下方向全面に配した。
なお、本実施形態においては、スクリーンフレーム20の左右両端には、それぞれ左右の側壁201に向かって延びるフレーム張出部としてフレーム張出板20Aを形成している。そして、図1に配置を示すように、スクリーン105を設置する位置とフレーム張出板20Aの位置の関係について、水流の上流側から下流側の方向に、若干ずらして配置した。
即ち、スクリーンフレーム20の一部を水路方向(水流の流れる方向)に伸ばすことによって、図3の左上部に囲んだ丸の中に記載されたジャッキ機構10の座板17について、スクリーンフレーム20の位置と一致しないように配置した。
また、スクリーンフレーム20の一部を水路方向に伸ばすことにより、図3の左下部に囲んだ丸の中に記載されたジャッキ機構10についても調整ボルト12のボルト頭が、スクリーンフレーム20の位置と一致しないように配置した。
図5(2)に示すように、スクリーン105は、水路を縦方向上下に周回移動する。そのため、スクリーンフレーム20にスクリーン105をセットした後は、通常、上流側にあるスクリーン105の下流側に入り込むために、下流側のスクリーン105が邪魔になる可能性がある。縦溝部201Aに配されたジャッキ機構10の座板17、或いは調整ボルト12のボルト頭について、レンチ作業などを行う際には、例えば、スクリーンフレーム20に取り付けたスクリーン105を一部外す等の方法により、水路下流側からレンチ作業などのアプローチが可能である。
なお、スクリーン105の上流側部分(本実施形態においては図5の(2)の回転方向下から上のスクリーン部)と、下流側部分(本実施形態においては図5の(2)の回転方向上から下のスクリーン部)について、本実施形態では、上流側部分を縦溝部201Aによりガイドした形態を示す。下流側部分については、ガイドする形態であってもガイドしない形態であっても良い。
以下、除塵装置100の設置方法を説明する。
除塵装置100を設置する前の工程として、コンクリート等を打設して水路の側壁201を形成する際に、スクリーン105を配置する箇所に合わせて、予め縦溝部201Aを形成してスクリーンガイド20Bを配する。
そして、フレーム張出板20Aにジャッキ機構10を取り付けたスクリーンフレーム20を準備しておき、縦溝部201Aに沿って上部から搬入して設置する。この際には、スクリーンフレーム20の左右両端に形成したフレーム張出板20Aとジャッキ機構10が前述した縦溝部201Aのスクリーンガイド20Bに確実に入るように注意する。
なお、スクリーンフレーム20の設置に際して、予め水路の底面等に位置決めピンを設置しておき、下部の位置をセットするようにして搬入すれば、より効率的な搬入作業が可能になる。
そして、水路の中に設置したスクリーン105の傾き等を計測し、所望の状態になるように、ジャッキ機構10を調整する。或いは、水路の中に設置したスクリーンフレーム20の傾き等を計測し、所望する傾きになるように、ジャッキ機構10を調整する。
具体的には、水路に入った作業者が、座板17或いは調整ボルト12のボルト頭に対してレンチ作業し、調整ボルト12を回転させる。そして、調整ボルト12を回転させることによって、フレーム張出板20Aと座板17の距離を調整する。
即ち、本実施形態においては、縦溝部201Aの上下縦方向で、ジャッキ機構10の支持面を互い違いに異ならせることにより、縦溝部201Aの壁面となるスクリーンガイド20Bの対向する2つの側面、即ち、水流上流面、及び、下流側の壁面を、それぞれ支持面とした。そして、ジャッキ機構10の座板17を縦溝部201Aの対向する2つの壁面に当接させることにより、フレーム張出板20Aを水路両側の側壁201で支持する。
本実施形態においては、複数箇所に配したジャッキ機構10を、それぞれ現場調整できるので、それぞれの箇所にあった状態に調整が可能である。また、水流が流れる方向の前後でスクリーンフレーム20を確実に固定できるので、波浪の影響を強く受ける可能性がある水路へ設置しても、スクリーンが波浪によって揺さぶられることにより損傷する可能性を低減させることができる。
また、本実施形態によれば、前述したように、座板17或いは調整ボルト12のボルト頭が、スクリーンフレーム20の位置と一致しないように配置することによって、水路側から座板17に対してレンチ作業などのアプローチが行える。
なお、スクリーンフレーム20にスクリーン105をセットした状態で縦溝部201Aに搬入してから後、ジャッキ機構10を調整しても良い。さらには、一定期間、除塵装置100を使用してから後、状況を見て、適宜、ジャッキ機構10による調整を行っても良く、調整時期は特に限定されない。
参考までにジャッキ機構10の調整方法を図4に図示する。フレーム張出板20Aと、側壁201のスクリーンガイド20Bによる支持面までとの距離を図4(1)に示すようにL1とした場合に、調整ボルト12を反時計回り(左回転)させれば、図4(2)に示すようにL2(L2<L1)となり距離が短くなる。また、調整ボルト12を時計回り(右回転)させれば図4(3)に示すようにL3(L1<L3)となり距離が長くなる。
本実施形態によれば、除塵装置100の設置後、スクリーン105の傾きを、上下方向、或いは左右方向で調整したいようなケースにおいても、調整ボルト12をレンチ等で回転させるという簡単な作業で調整でき、除塵装置100のスクリーン105の傾きを、適宜、所望の状態に調整することが可能である。
なお、本実施形態においては、水路に直交するスクリーン105を垂直に設置する例を示したが、スクリーン105については水路に対して左右又上下に傾いた状態で設置しても良く、特に限定されない。
以上のように本願発明に係わる除塵装置の設置方法は、波浪の影響を強く受ける可能性がある水路への設置が好適である。
10 ジャッキ機構
12 調整ボルト
15 固定ナット
17 座板
17A 六角部
17B 丸板部
20 スクリーンフレーム
20A フレーム張出板
20B スクリーンガイド
31 シールゴム
100 除塵装置
102 チェーン
105 スクリーン
110 駆動装置
201 側壁
201A 縦溝部
103A ホイール(上側)
103B ホイール(下側)

Claims (4)

  1. 上下に配したホイール間に無端状のチェーンを配して、水路の壁面で端部を支持したスクリーンフレームをガイドとして、周回させることにより、
    チェーンに取り付けたスクリーンを水路内で上下に周回させて、水路を流れる流水中の塵芥を捕集する回転式の除塵装置の設置方法において、
    スクリーンフレームの端部から壁面に向かって延びるフレーム張出部の先端側に支持部までの距離が調整可能なジャッキ機構を配し、水路の壁面に形成した断面コの字型の縦溝部に挿入するとともに、
    対向する縦溝部の2つ壁面を、ジャッキ機構の支持部を当接させる支持面として、フレーム張出部を、上下縦方向に隣り合うジャッキ機構が、それぞれ互い違いに異なる方向に配する方向によって、水路が延びる方向で前後逆向けに支持する除塵装置の設置方法。
  2. 前記フレーム張出部に孔部を形成して、フレーム張出部の孔部の位置に合わせて固着した固定ナットに調整ボルトを螺合させて貫通させるとともに、調整ボルトの一端に座板を配して支持部とすることにより、支持部までの距離が調整可能なジャッキ機構としたことを特徴とする請求項1に記載の除塵装置の設置方法。
  3. 前記座板の一部にレンチ掛け部を形成した請求項2に記載の除塵装置の設置方法。
  4. 前記スクリーンフレームの上下方向に沿って縦方向に延びるとともに、スクリーンフレームから壁面に向かって横方向に延びるシールゴムを配したことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の除塵装置の設置方法。
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