JPS6231446Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、左右一対の無端リンクチエーンの各
リンク間毎に連続的に設けられるスクリーンバス
ケツトにより流水中の塵芥物を捕集し、それをチ
エーンの回送によつて水面上に揚搬するトラベリ
ングスクリーンに関するもので、その目的は流水
濾過に伴う強大な支持力を受けるトラベリングス
クリーンのガイドフレームを、特に支持抵抗の大
きく受けるチエーンローラー支持部を密閉箱型構
造の簡単な構成にして大きい捩り剛性を持たせる
ことにより横桁及び傾斜補強材の数を少くして大
幅にコストの低減を図ると共に、流水に直かに接
触する部分を少くして防銹塗装上の問題を有利に
する点にある。

以下その詳細を図面の実施例について説明す
る。

図において、１は水路の両側に設けられた左右
一対の無端リンクチエーンであり、水上部の固定
台枠１０に設置された軸受箱２に軸支した上部駆
動輪３と水中底部の下部従動輪４との間に張掛さ
れてモーター１１により一定の速度で矢印イの方
向へ回送されるようになつている。５はこの左右
リンクチエーン１間にその各リンク１ａ毎に連続
的に固設されたスクリーンバスケツトで、５ａは
ネツト又はバー等の用水濾過スクリーン、５ｂ，
５ｃはスクリーンバスケツト枠組部材で構成され
た捕集流着物揚搬棚である。このスクリーンバス
ケツト５はリンクチエーン１の運行に伴つて上流
側（第２図の左側）では上昇し水上部のシユート
６の上部に達するとスクリーン５ａの裏側に噴射
水流を受けてスクリーン５ａ前面の流着物及び棚
５ｂ，５ｃ上の揚搬集積物を除去され上部駆動輪
３を回つて下流側へ降下し再び水中へ突入するよ
うになつている。７はリンクチエーン１を上昇側
において案内支持するためのガイドフレームであ
つて、これは側板７ａの内面全長に断面コ字形の
部材７ｂを一体に接合して密閉箱型となし、それ
を左右一対にしてその夫々を横桁１２と傾斜補強
材１３とで左右一体に結合する。又側板７ａには
外方へ突出する係合突片７ｃを設けてこれを水路
両壁の縦溝８に嵌め込むことによつて全体を据え
付けるようにする。コ字形部材７ｂの前側面７′
にはチエーンローラー１ｂが転動するガイドレー
ル７ｄを設ける。又このコ字形部材７ｂと対応し
てチエーン１の保護と塵芥流入阻止のため、側板
７ａに密閉箱型の保持部材７b′を設ける場合があ
るが、これはそれ程大きな荷重がかゝらないので
第４図のような一枚板に代えても差仕えない。尚
７ｅは整流板である。

而してガイドフレーム７の水中部分はスクリー
ンバスケツト５を通過する流水の濾過抵抗に比例
する水流方向の大きな力をリンクチエーン１の各
ローラー１ｂを介して受け止めておりそのために
この濾過抵抗の大きさとローラーガイドレール７
ｄから係合突片７ｃと縦溝８との接点までの水流
方向水平投影距離とに比例する転倒偶力（モーメ
ント）を受けるが、これに抵抗してガイドフレー
ム７の傾きを許容範囲内の僅少値に維持するため
に左右のガイドフレーム７を横桁１２と傾斜補強
材１３とで結合し横桁１２の曲げ剛性で対抗させ
平衡を得ている。したがつて水中部分の一つの横
桁から次の横桁までの中間部ではガイドフレーム
７に捩りモーメントが作用する。それ故ガイドフ
レーム７の捩り剛性が大きい程横桁１２の間隔を
大きく取ることが出来る。

トラベリングスクリーンは、左右一対の無端チ
エーンの各リンク毎に、背面にネツト等の濾過ス
クリーンを張設したスクリーンバスケツトを連続
して設け、それにより流水中の塵芥物を捕集しチ
エーンの回送と共に水上部へ揚搬するものである
が、このような型式のトラベリングスクリーンに
おいては、強大な流入水濾過圧力に耐え、且つス
クリーンバスケツト付き無端リンクチエーンの各
ローラーをガイドレール上に案内支持して円滑に
無端リンクチエーンを回送させる必要がある。

ところが、従来のこの種トラベリングスクリー
ンのチエーンガイドフレームは、第５図に示すよ
うに、側板とその内面に突設した単板状の支持材
よりなる開放型の構成で捩り剛性は小さく、その
為左右フレーム間に小間隔多数の横桁及び傾斜補
強材が必要であり、したがつて水中部材が多数と
なり流水抵抗を増大させる欠点がある。しかも海
水取水路においては水中部材に海生物が附着増殖
することがある為一増耐久性を弱める欠点があつ
た。

本考案はこのような従来の欠点に対処したもの
で、上述のようにトラベリングスクリーンにおい
て、横桁と傾斜補強材で一体構造に結合した左右
一対のガイドフレームを、側板とその内面の全長
に亘り一体に接合した断面コ字形の部材とで密閉
した空胴部を有する形状となし、そのコ字形部材
の水流抵抗を受ける前側面を上記チエーンローラ
ーの案内部としたのでガイドフレームの、特に支
持抵抗を大きく受けるチエーンローラー支持部が
密閉箱型構造で捩り剛性が大きい為フレーム全体
の強度及び耐久性が著るしく高められ、又それに
より左右フレームの横桁の数を少なくしてその上
下間隔を広げることができ、又傾斜補強材も最底
必要な箇所のみに設ければよく製作加工が簡単で
大幅にコストの低減を図り得る。又コ字形部材で
密閉された部分は完全に海水との接触が絶たれて
おり、従つて腐蝕の進行は外面のみとなる為全面
開放型で両面腐蝕作用を受ける従来のガイドフレ
ームに較べ防銹塗装が半分以下となつて非常に有
利であり、而も部材が大幅に節減されて軽量化が
図れ、且つ簡単な構成で実施化が容易である等の
実用的優れた効果が期待できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施したトラベリングスクリ
ーンの正面図、第２は同側面図、第３図は第１図
におけるＡ−Ａ線の拡大断面図、第４図は他の実
施例のガイドフレームの横断面図、第５図は従来
の開放型ガイドフレームの横断面図である。 １…無端リンクチエーン、３…駆動輪、５…ス
クリーンバスケツト、７…ガイドフレーム、１ａ
…リンク、７′…前側面、１ｂ…チエーンローラ
ー、５ａ…濾過スクリーン、７ａ…側板、７ｂ…
コ字形部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 背面に濾過スクリーンを張設した多数のスクリ
   ーンバスケツトを左右一対の無端リンクチエーン
   の各リンク間毎に連続して設け、この無端リンク
   チエーンを水面上部の駆動輪で回送駆動するよう
   にしたトラベリングスクリーンにおいて、横桁と
   傾斜補強材で一体構造に結合した左右一対のガイ
   ドフレームを、側板とその内面の全長に亘り一体
   に接合した断面コ字形の部材とで密閉した空胴部
   を有する形状となし、そのコ字形部材の水流抵抗
   を受ける前側面を上記チエーンローラーの案内部
   としたことを特徴とするトラベリングスクリーン
   の枠組構造。