JP6797081B2 - 電磁ブレーキ装置、巻上機及びエレベーター - Google Patents

電磁ブレーキ装置、巻上機及びエレベーター Download PDF

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Description

本発明は、綱車の駆動の制動を行う電磁ブレーキ装置、この電磁ブレーキ装置を有する巻上機、及びエレベーターに関するものである。
従来、エレベーターは、乗りかごと、釣合おもりと、乗りかごと釣合おもりを連結するロープと、このロープが巻回される巻上機とを備えている。巻上機は、駆動部と、駆動部に接続された回転軸と、回転軸に回転可能に支持され、ロープが巻回される綱車と、綱車に接続されるブレーキディスクと、を有している。さらに、巻上機には、ブレーキディスクの回転を制動することで綱車の制動を行う電磁ブレーキ装置が設けられている。
また、特許文献1には、電磁コイルを内蔵した鉄心とディスクとの間に配置されたアマチュアにロッドを介してブレーキパッドを連結し、アマチュアと鉄心との間に制動ばねを装着した電磁ブレーキ装置に関する技術が記載されている。そして、特許文献1には、アマチュアと鉄心との間にゴムを用いて構成された緩衝材を常に圧縮された状態で装着することが記載されている。
特開2005−180626号公報
しかしながら、特許文献1に記載された電磁ブレーキ装置では、緩衝材を交換する場合、可動部材を示すアマチュアから電磁コアを示す鉄心を外す必要があり、緩衝材の交換作業が大変煩雑なものとなっていた。
本発明の目的は、上記の問題点を考慮し、緩衝材の交換作業を容易に行うことができる電磁ブレーキ装置、巻上機及びエレベーターを提供することにある。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の電磁ブレーキ装置は、エレベーターの綱車に固定されたブレーキディスクを挟持し、綱車の駆動を制動する電磁ブレーキ装置である。
電磁ブレーキ装置は、ボディと、可動部材と、電磁コアと、静音機構とを備えている。ボディは、ブレーキディスクの一部を覆い、かつ第1ブレーキシューが設けられている。
可動部材には、ブレーキディスクを間に挟んで第1ブレーキシューと対向する第2ブレーキシューが設けられている。電磁コアは、可動部材と対向し、ボディと連結部材を介して連結され、取付部を有している。静音機構は、電磁コアに取り付けられる。取付部は、可動部材と対向する一面が開口した支持穴を有している。そして、静音機構は、緩衝材と、棒状の保持部材と、調整部材と、を備えている。緩衝材は、可動部材に接触する。保持部材は、支持穴に移動可能に支持され、軸方向の一端部に緩衝材が嵌め込まれる保持凹部を有している。調整部材は、支持穴における保持部材の位置を調整する。保持部材は、軸方向の他端部から支持穴に挿入される。支持穴における保持部材の位置を調整部材により調整した状態での保持部材の移動代長さは、保持凹部における軸方向の長さよりも長く設定される。そして、緩衝材を交換する場合に、移動代長さによって許容される保持部材の移動により、保持凹部からの緩衝材の取り外しと保持凹部への緩衝材の取り付けとが可能となるように構成されている。
本発明の巻上機は、ロープが巻き掛けられる綱車を有する巻上機である。巻上機は、綱車に固定され、綱車と共に回転するブレーキディスクと、ブレーキディスクを挟持する第1ブレーキシュー及び第2ブレーキシューを有し、綱車の駆動を制動する電磁ブレーキ装置と、を備えている。そして、電磁ブレーキ装置は、上述した電磁ブレーキ装置が用いられる。
また、本発明のエレベーターは、昇降路内を昇降する乗りかごを備えたエレベーターである。エレベーターは、乗りかごに連結されたロープと、ロープが巻き掛けられる綱車を有し、ロープを介して乗りかごを昇降させる巻上機と、を備えている。そして、巻上機は、上述した巻上機が用いられる。
本発明の電磁ブレーキ装置、巻上機及びエレベーターによれば、緩衝材の交換作業を容易に行うことができる。
実施の形態例にかかるエレベーターを示す概略構成図である。 実施の形態例にかかる巻上機を示す正面図である。 実施の形態例にかかる巻上機を示す側面図である。 実施の形態例にかかる巻上機の電磁ブレーキ装置を示す断面図である。 実施の形態例にかかる電磁ブレーキ装置の電磁駆動部を示す分解斜視図である。 実施の形態例にかかる電磁ブレーキ装置の電磁駆動部を示す側面図である。 実施の形態例にかかる電磁ブレーキ装置の電磁コアを示す正面図である。 実施の形態例にかかる電磁ブレーキ装置の保持部材と緩衝材を示す分解斜視である。 実施の形態例にかかる電磁ブレーキ装置の保持部材と緩衝材を示す斜視図である。 実施の形態例にかかる電磁ブレーキ装置の動作を示す断面図である。 実施の形態例にかかる保持部材の他の例を示す斜視図である。 実施の形態例にかかる保持部材のさらに他の例を示す斜視図である。
以下、電磁ブレーキ装置、巻上機及びエレベーターの実施の形態例について、図1〜図12を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
1.実施の形態例
1−1.エレベーターの構成
まず、実施の形態例(以下、「本例」という。)にかかるエレベーターの構成について、図1を参照して説明する。
図1は、本例のエレベーターの構成例を示す概略構成図である。
図1に示すように、本例のエレベーター1は、建築構造物内に形成された昇降路110に設けられている。エレベーター1は、昇降路110内を昇降動作し、人や荷物を載せる乗りかご120と、ロープ130と、釣合おもり140と、巻上機100とを備えている。昇降路110の頂部には、機械室160が設けられている。
巻上機100は、機械室160に配置され、ロープ130を巻き掛けることにより乗りかご120を昇降させる。また、巻上機100の近傍には、ロープ130が装架される反らせ車150が設けられている。
ロープ130の軸方向の一端には、乗りかご120が取り付けられており、ロープ130の軸方向の他端には、釣合おもり140が取り付けられている。そのため、乗りかご120は、ロープ130を介して釣合おもり140と連結される。そして、巻上機100が駆動することで、乗りかご120が昇降路110内を昇降動作する。
1−2.巻上機の構成
次に、図2及び図3を参照して乗りかご100の構成について説明する。
図2は、巻上機100を示す正面図、図3は、巻上機100を示す側面図である。
図2及び図3に示すように、巻上機100は、マシンベース2と、駆動モータ3と、綱車4と、ブレーキディスク5と、軸受け台6と、固定部材7と、2つの電磁ブレーキ装置10、10とを有している。マシンベース2には、駆動モータ3、軸受け台6及び固定部材7が設置されている。
駆動モータ3には、回転軸8が接続されている。この回転軸8には、綱車4とブレーキディスク5が取り付けられている。綱車4には、ロープ130が巻き掛けられる。綱車4と駆動モータ3との間には、軸受け台6が設けられている。そして、回転軸8における駆動モータ3側の端部は、軸受け台6によって回転可能に支持される。
綱車4における軸受け台6と反対側には、ブレーキディスク5が設けられている。ブレーキディスク5は、綱車4に固定されて、綱車4と共に回転軸8に取り付けられている。そして、駆動モータ3が駆動すると、回転軸8が回転し、回転軸8の回転に連動して、綱車4とブレーキディスク5が回転する。また、回転軸8における駆動モータ3側の端部とは反対側の端部には、固定部材7が配置されている。
固定部材7は、回転軸8を回転可能に支持する軸受け部7aと、2つの支持部9、9とを有している。2つの支持部9、9は、軸受け部7aを間に挟んで水平方向の両側に突出している。2つの支持部9、9は、それぞれ同一の構成を有している。
支持部9は、一対のアーム片11、11を有している。一対のアーム片11、11は、上下方向に所定の間隔を空けて対向している。そして、一対のアーム片11、11には、電磁ブレーキ装置10が取り付けられている。
なお、本例では、2つの支持部9、9を水平方向に突出させて、一つのアーム片11、11を上下方向に対向させた例を説明したが、これに限定されるものではない。支持部9を突出させる方向は、水平方向に限定されるものではなく、上下方向や、水平方向及び上下方向から傾斜した方向に突出させてもよい。また、一対のアーム片11、11は、少なくともブレーキディスク5の周方向に沿って対向すればよい。
次に、図4〜図7を参照して電磁ブレーキ装置10及びアーム片11の詳細な構成について説明する。
図4は、電磁ブレーキ装置10を示す断面図である。なお、図4では、後述する電磁駆動部22は、電磁コア31の一部の断面を示している。
図2及び図4に示すように、アーム片11における軸受け部7a側と反対側の端部には、ガイド板12とガイドピン13が設けられている。ガイド板12は、回転軸8(図3参照)の軸方向に沿ってアーム片11と対向している。ガイドピン13は、ガイド板12とアーム片11を連結するようにしてガイド板12及びアーム片11に固定されている。また、アーム片11におけるガイドピン13の近傍には、フロート貫通孔11aが形成されている。さらに、一対のアーム片11、11における互いに対向する側の端部(以下、「対向側先端部」という)11bには、規制ピン15が固定されている。
[電磁ブレーキ装置]
次に、電磁ブレーキ装置10について説明する。
電磁ブレーキ装置10は、ボディ21と、電磁駆動部22と、第1ブレーキシュー23と、第2ブレーキシュー24と、を有している。
[支持枠]
ボディ21は、枠体26と、支持板27とを有している。枠体26は、ブレーキディスク5の周縁部の一部を覆う形状に形成されている。枠体26におけるブレーキディスク5の一面5aと対向する内壁面26aには、第1ブレーキシュー23が取り付けられている。第1ブレーキシュー23は、ブレーキ軸23aと、ブレーキパッド23bとを有している。ブレーキ軸23aは、内壁面26aに固定されている。そして、ブレーキパッド23bは、ブレーキディスク5の一面5aと対向する。また、枠体26には、支持板27が連続して形成されている。
支持板27は、略平板状に形成されている。支持板27は、ブレーキディスク5における一面5aとは反対側の他面5bと対向する。また、支持板27の一部は、ブレーキディスク5を挟んで、枠体26の内壁面26aと対向する。支持板27は、2つのガイドピン軸受け部27aが設けられている。ガイド軸受け部27aは、支持板27における外縁部に形成されている。また、支持板27の外縁部は、支持部9におけるアーム片11とガイド板12の間に挿入される。そして、ガイド軸受け部27aには、ガイドピン13が摺動可能に挿入される。これにより、ボディ21は、2つのガイドピン13を介してアーム片11に移動可能に支持される。
また、支持板27のガイド軸受け部27aの近傍には、フローティングボルト41が固定されている。フローティングボルト41は、一端部が支持板27に固定されており、他端部がアーム片11のフロート貫通孔11aを貫通している。また、フローティングボルト41の他端部とアーム片11との間には、フローティングバネ42が介在されている。フローティングバネ42により、ボディ21は、第1ブレーキシュー23をブレーキディスク5の一面5aに当接させる方向に付勢される。
さらに、支持板27における枠体26の内壁面26aと対向する箇所には、貫通孔27bが形成されている。貫通孔27bには、第2ブレーキシュー24のブレーキ軸24aが貫通している。
そして、支持板27におけるブレーキディスク5の他面5bと対向する一面と反対側の他面には、電磁駆動部22が配置されている。
[電磁駆動部]
次に電磁駆動部22について、図4〜図9を参照して説明する。
図5は、電磁駆動部22を示す分解斜視図、図6は、電磁駆動部22を示す側面図であえる。図7は、電磁駆動部22を構成する電磁コア31を示す平面図である。
図4に示すように、電磁駆動部22は、電磁コア31と、電磁コア31と対向する可動部材32と、電磁コイル37と、複数の付勢ばね38と、複数(本例では、4つ)の静音機構40と、を有している。
図5及び図6に示すように、可動部材32は、略円形をなす平板状に形成されている。可動部材32には、2つの挿通孔32a、32aが形成されている。また、可動部材32には、第2ブレーキシュー24が取り付けられている。
第2ブレーキシュー24は、ブレーキ軸24aと、ブレーキパッド24bとを有している。ブレーキ軸24aは、可動部材32の半径方向の略中央に取り付けられており、可動部材32の軸方向の一端から他端にかけて貫通している。また、ブレーキ軸24aにおける軸方向の一端部は、支持板27の貫通孔27bを貫通している。そして、ブレーキ軸24aの軸方向の一端部には、ブレーキパッド24bが設けられている。
ブレーキパッド24bは、ブレーキディスク5の他面5bと対向する。また、ブレーキパッド24bは、ブレーキディスク5を間に挟んで、第1ブレーキシュー23のブレーキパッド23bと対向して配置される。そして、巻上機100に停止時には、第1ブレーキシュー23のブレーキパッド23bと第2ブレーキシュー24のブレーキパッド24bにより、ブレーキディスク5が挟持され、巻上機100におけるブレーキディスク5及び綱車4が制動される。
ブレーキ軸24aの軸方向の他端部、すなわち可動部材32における電磁コア31と対向する対向面32bから突出する端部は、電磁コア31に向けて突出している。
電磁コア31は、一対のアーム片11、11の間に配置されている。また、電磁コア31は、突出部33と、フランジ部34とを有している。
突出部33は、略円柱状に形成されている。突出部33には、円環状の取付溝部33aと、軸支持孔33cが形成されている。取付溝部33aは、突出部33における可動部材32の対向面32bと対向する磁極面33bから可動部材32と離間する方向に向けて凹んだ凹部である。この取付溝部33aには、電磁コイル37が固定樹脂等の固定手段により固定されている。
電磁コイル37は、所定の巻数で巻回されている。電磁コイル37には、不図示の制御部により制御されて電圧が印加される。電磁コイル37に電圧が印加されることにより、電磁コア31と電磁コイル37で電磁石が構成される。そして、電磁コア31における可動部材32と対向する磁極面33bが、可動部材32を吸着する吸着面となる。
軸支持孔33cは、磁極面33bの半径方向の略中央に形成されている。そして、軸支持孔33cは、突出部33の軸方向の一端から他端にかけて貫通し、さらに後述するフランジ部34を貫通している。この軸支持孔33cには、可動部材32に設けた第2ブレーキシュー24のブレーキ軸24aが摺動可能に挿入される。これにより、可動部材32は、第2ブレーキシュー24を介して電磁コア31に接近及び離間可能に支持される。
フランジ部34は、突出部33における軸方向の他端部、すなわち磁極面33bと反対側の面に連続して形成されている。フランジ部34は、略円板状に形成されており、突出部33の軸方向の他端部から半径方向の外側に向けて突出している。
そして、フランジ部34の直径は、突出部33の直径よりも大きく設定されている。また、フランジ部34の直径は、可動部材32の直径と略等しくなるように設定されている。そのため、突出部33の直径は、可動部材32の直径よりも小さく設定されている。なお、突出部33の直径、すなわち磁極面33bの直径は、電磁ブレーキ装置10に求められる電磁吸引力に応じて設定される。
可動部材32の直径よりも小さい直径を有する突出部33により、電磁コア31のフランジ部34と可動部材32の対向面32bの間、すなわち突出部33の周辺部には、空間部が形成される。この空間部には、一対のアーム片11、11における対向側先端部11bが挿入される。
これにより、一対のアーム片11、11の対向側先端部11bを互いに近づけることができる。そのため、従来の電磁ブレーキ装置のように電磁駆動部の外側に配置されたアーム片よりも一対のアーム片11、11の間隔を狭めることができる。その結果、電磁ブレーキ装置10を支持する固定部材7の小型化を図ることができ、巻上機100全体の小型化も図ることが可能となる。
また、アーム片11の厚さが、フランジ部34と可動部材32との間に形成された隙間よりも大きい場合、フランジ部34におけるアーム片11の対向側先端部11bと対向する箇所に切り欠きを設けてもよい。これにより、フランジ部34とアーム片11が干渉することを防ぐことができる。
フランジ部34には、複数の凹部34aと、複数(本例では、4つ)の取付部45が形成されている。複数の凹部34aは、フランジ部34における可動部材32の対向する一面に形成されている。
また、図4に示すように、複数の凹部34aは、フランジ部34におけるアーム片11の対向側先端部11bと対向する箇所を避けて配置されている。具体的には、複数の凹部34aは、フランジ部34の上下方向における上部と下部を除く水平方向の両側に左右対称となるように形成されている。
なお、本例では、一対のアーム片11、11が上下方向に対向するため、複数の凹部34aをフランジ部34の上下方向の上部と下部を除く箇所に設けた例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、一対のアーム片11、11が水平方向で対向する場合、複数の凹部34aは、フランジ部34における水平方向の両側を除く箇所に設けられる。すなわち、複数の凹部34aが設けられる箇所は、一対のアーム片11、11が配置される位置に応じて設定される。
この複数の凹部34aには、付勢ばね38が配置されている。付勢ばね38は、フランジ部34の凹部34aに取り付けられて、フランジ部34と可動部材32の間に介在される。すなわち、付勢ばね38の一端部は、可動部材32の対向面32bに当接し、付勢ばね38の他端部は、凹部34aに配置される。そして、付勢ばね38は、所定の付勢力により可動部材32を電磁コア31から離間させる方向に付勢する。
また、上述したように複数の凹部34aは、水平方向の両側に左右対称となるように形成されているため、複数の付勢ばね38もフランジ部34の水平方向の両側に左右対称となるように配置される。これにより、複数の付勢ばね38で可動部材32をがたつくことなくバランスよく付勢することができる。
さらに、付勢ばね38をフランジ部34に配置し、吸着面となる突出部33の磁極面33bには付勢ばね38が配置されていない。これにより、付勢ばね38によって電磁コア31の電磁吸引力が低下することを防ぐことができる。
また、複数の取付部45は、凹部34aと同様に、アーム片11の対向側先端部11bと対向する箇所を避けて配置されている。具体的には、取付部45は、フランジ部34の上下方向における上部と下部を除く水平方向の両側に左右対称となるように形成されている。
取付部45は、フランジ部34を軸方向に貫通する貫通孔である。図5に示すように、取付部45には、後述する静音機構40の保持部材51が取り付けられる。図6に示すように、取付部45は、支持穴46と、固定穴47とを有している。支持穴46及び固定穴47は、それぞれ略円形に開口している。支持穴46は、フランジ部34における可動部材32と対向する一面が開口している。そして、支持穴46は、フランジ部34の軸方向の一端から他端、すなわち可動部材32から離反する方向に向けて所定の長さで形成されている。
また、支持穴46における軸方向の他端部、すなわち可動部材32から離反する方向の端部には、段差面46aが形成されている。段差面46aの中心には、固定穴47が開口している。そのため、支持穴46の軸方向の他端部から固定穴47が連通する。
固定穴47は、段差面46aからフランジ部34の軸方向の他端にかけて貫通する貫通孔である。この固定穴47の内壁には、雌ねじが形成されている。
図7に示すように、支持穴46の開口径は、固定穴47の開口径よりも大きく設定されている。支持穴46には、後述する静音機構40の保持部材51が摺動可能に挿入される。また、固定穴47には、後述する調整部材53の調整ボルト57のネジ部57bが螺合する。そして、そして、支持穴46には、固定穴47に螺合された調整ボルト57のネジ部57bの先端部が挿入される。
また、フランジ部34には、2つの連結部材35が設けられている。2つの連結部材35は、フランジ部34から可動部材32に向けて突出している。連結部材35は、可動部材32の挿通孔32aを貫通し、ボディ21の支持板27に固定される。これにより、電磁コア31は、連結部材35を介してボディ21と共に移動する。
連結部材35をフランジ部34に設けたことで、電磁コア31の電磁吸引力が連結部材35によって低下することを抑制することができる。
[静音機構]
次に、静音機構40の構成例について説明する。
図4及び図6に示すように、静音機構40は、保持部材51と、緩衝材52と、調整部材53と、を有している。
図8及び図9は、保持部材51と緩衝材52を示す斜視図である。
図8及び図9に示すように、保持部材51は、略円柱状に形成されている。保持部材51の外径は、取付部45の支持穴46の開口径と略等しく設定されている。保持部材51における軸方向の一端部には、保持凹部51aが形成されている。保持凹部51aは、保持部材51の一端部の端面を軸方向の他側に向けて凹んだ凹部である。保持凹部51aには、緩衝材52の一部が嵌め込まれる。
図4及び図6に示すように、保持部材51は、その軸方向の他端部51bから支持穴46に挿入される。そして、保持部材51は、支持穴46にその軸方向に沿って移動可能に支持される。保持部材51の他端部51bは、支持穴46の段差面46a及び固定穴47と対向する。
緩衝材52は、略円柱状に形成されている。緩衝材52としては、弾性を有する部材により形成され、例えば、ゴムにより形成される。緩衝材52の一部は、保持部材51の保持凹部51aに嵌め込まれる。そして、緩衝材52は、保持部材51と可動部材32の対向面32bの間で挟持される。
調整部材53は、調整ボルト57と、固定ナット58とを有している。調整ボルト57は、頭部57aと、この頭部57aから突出するネジ部57bとを有している。調整ボルト57のネジ部57bは、フランジ部34における可動部材32の対向面32bと対向する一面とは反対側の他面から固定穴47に挿入される。そのため、調整ボルト57のネジ部57bの一部は、フランジ部34の他面から突出している。そして、調整ボルト57のネジ部57bは、固定穴47に螺合される。
また、ネジ部57bの先端部は、支持穴46の段差面46aから支持穴46内に向けて突出する。ネジ部57bの先端部は、支持穴46に挿入された保持部材51の他端部51bに当接する。これにより、保持部材51の移動が調整ボルト57によって規制される。
調整ボルト57における固定穴47との締め付け量を調整することで、支持穴46に突出するネジ部57bの長さを調整することができる。これにより、支持穴46に挿入された保持部材51の位置や、緩衝材52の圧縮量を調整することができる。
固定ナット58は、フランジ部34における可動部材32の対向面32bと対向する一面とは反対側の他面側から調整ボルト57のネジ部57bに締結される。これにより、調整ボルト57を電磁コア31に締結固定することができ、支持穴46に挿入された保持部材51や緩衝材52を所定の位置で保持することができる。
また、保持部材51及び調整ボルト57は、例えば、金属により形成されている。そして、保持部材51の他端部51bと調整ボルト57のネジ部57bの先端部との摩擦係数は、緩衝材52と保持部材51の保持凹部51aとの摩擦係数や、緩衝材52と可動部材32との摩擦係数よりも小さく設定されている。
保持部材51の位置を調整した状態において、保持部材51の他端部51bと支持穴46の段差面46aの間隔が、調整ボルト57を取り外した際に、保持部材51が移動可能に移動代60となる。の移動代60の長さ(移動代長さ)t1は、保持部材51の保持凹部51aの深さ、すなわち軸方向の長さt2よりも長く設定されている(t1>t2)。
一般的に、緩衝材52は、脱落を防止するために、電磁コア31と可動部材32が離間した状態でも、圧縮された電磁ブレーキ装置10に取り付けられる。そして、緩衝材52の交換作業は、電磁コイル37への通電を停止させて、電磁コア31と可動部材32を離間した状態で行われる。そのため、保持部材51の移動代長さt1は、保持凹部51aの軸方向の長さt2に、電磁コア31と可動部材32が離間した状態での緩衝材52の圧縮量を加えた長さよりも長く設定される。
上述したように取付部45は、水平方向の両側に左右対称となるように形成されているため、取付部45に取り付けられる静音機構40もフランジ部34の水平方向の両側に左右対称となるように配置される。これにより、複数の緩衝材52を可動部材32にがたつくことなく接触させることができる。
なお、本例では、一対のアーム片11、11が上下方向に対向するため、取付部45をフランジ部34の上下方向の上部と下部を除く箇所に設けた例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、一対のアーム片11、11が水平方向で対向する場合、取付部45は、フランジ部34における水平方向の両側を除く箇所に設けられる。すなわち、取付部45が設けられる箇所は、一対のアーム片11、11が配置される位置に応じて設定される。
2.電磁ブレーキ装置の動作例
次に上述した構成を有する電磁ブレーキ装置10の動作例について図4、図10を参照して説明する。
図10は、電磁ブレーキ装置10の動作例を示す断面図である。
ここでは、ブレーキディスク5及び綱車4を制動した状態から、制動を解除した状態への動作について説明する。
まず、図4に示すように、巻上機100(図2参照)の停止時には、電磁コイル37には電圧が印加されておらず、電磁コイル37及び電磁コア31の磁性は、消去されている。また、可動部材32は、付勢ばね38により電磁コア31から離間する方向に付勢されている。そのため、可動部材32の対向面32bと電磁コア31の磁極面33bとの間には、隙間G1が形成されている。
そして、可動部材32に取り付けられた第2ブレーキシュー24のブレーキパッド24bがブレーキディスク5の他面5bに押し付けられる。第2ブレーキシュー24のブレーキパッド24bがブレーキディスク5の他面5bに押し付けられることで、可動部材32における電磁コア31から離間する方向、すなわち回転軸8(図3参照)の軸方向の一側への移動が停止する。
そのため、電磁コア31は、付勢ばね38により可動部材32から離間する方向に付勢されて、ブレーキディスク5の他面5bから離間する方向に移動する。そして、連結部材35を介して電磁コア31に連結されているボディ21も電磁コア31と共に、回転軸8(図3参照)の軸方向の他側へ移動する。これにより、ボディ21に設けた第1ブレーキシュー23のブレーキパッド23bがブレーキディスク5の一面5aに押し付けられる。その結果、ブレーキディスク5が第1ブレーキシュー23と第2ブレーキシュー24に挟持され、ブレーキディスク5及び綱車4が制動される。
このとき、緩衝材52は、可動部材32の対向面32bに接触している。そのため、第1ブレーキシュー23のブレーキパッド23b及び第2ブレーキシュー24のブレーキパッド24bがブレーキディスク5に当接する際に生じる振動は、緩衝材52によって吸収される。これにより、電磁ブレーキ装置10が制動する際に生じる異音を緩衝材52によって低減することができる。
これに対して、巻上機100の運転時には、電磁コイル37に所定の電圧が印加され、電磁コア31が励磁される。これにより、電磁コア31には、付勢ばね38の付勢力を超える電磁吸引力が付与される。そのため、可動部材32は、付勢ばね38の付勢力に抗して電磁コア31の磁極面33bに吸引される。そして、可動部材32が電磁コア31に接近する方向、すなわち回転軸8(図3参照)の軸方向の他側へ移動することで、第2ブレーキシュー24のブレーキパッド24bがブレーキディスク5の他面5bから離間する。
また、可動部材32が電磁コア31に接近する方向に所定の長さ移動すると、可動部材32の対向面32bが規制ピン15に当接する。これにより、可動部材32における電磁コア31に接近する方向への移動が停止する。このとき、第2ブレーキシュー24のブレーキパッド24bと、ブレーキディスク5の他面5bとの間には、隙間G2が形成される。
なお、可動部材32の対向面32bと電磁コア31の磁極面33bとの間には、まだ隙間が形成されている。可動部材32には、電磁コア31及び電磁コイル37の電磁吸引力が作用しつづける。しかしながら、可動部材32は、規制ピン15により移動が規制されている。そのため、電磁コア31及び電磁コイル37に生じた電磁吸引力は、電磁コア31に作用し、電磁コア31が可動部材32に接近する方向、すなわち回転軸8(図3参照)の軸方向の一側へ移動する。また、連結部材35を介して電磁コア31に連結されているボディ21も電磁コア31と共に、回転軸8(図3参照)の軸方向の一側へ移動する。
これにより、図10に示すように、電磁コア31の磁極面33bと可動部材32の対向面32bが接触する。このとき、電磁コア31と可動部材32が接触する際に、静音機構40の緩衝材52がその弾性力に抗して圧縮される。そのため、電磁コア31と可動部材32が接触する際の移動速度が緩衝材52により減速されると共に、電磁コア31と可動部材32が接触する際に生じる振動が緩衝材52に吸収される。これにより、電磁コア31と可動部材32が接触する際に生じる接触音を緩衝材52によって低減することができる。
また、ボディ21に設けた第1ブレーキシュー23のブレーキパッド23bがブレーキディスク5の一面5aから離間する。このとき、第1ブレーキシュー23のブレーキパッド23bと、ブレーキディスク5の一面5aとの間には、隙間G4が形成されている。第1ブレーキシュー23のブレーキパッド23b及び第2ブレーキシュー24のブレーキパッド24bがブレーキディスク5から離間することで、電磁ブレーキ装置10によるブレーキディスク5及び綱車4の制動が解除される。これにより、電磁ブレーキ装置10の動作が完了する。
なお、図10に示す状態から、図4に示す制動状態に戻る動作は、電磁コイル37への通電が停止し、電磁コア31及び電磁コイル37の磁性が消去される。そして、上述した動作と反対の動作を行うことで達成されるため、その説明は省略する。
3.緩衝材の交換作業
次に、上述した構成を有する電磁ブレーキ装置10における緩衝材52の交換作業の一例について説明する。
静音機構40の緩衝材52は、経年劣化により定期的に交換する必要がある。緩衝材52の交換作業は、図6に示すように、電磁コイル37への通電を停止させて、電磁コア31と可動部材32を離間した状態で行う。
まず、調整ボルト57の位置を規制する固定ナット58を緩める。次に、調整ボルト57を電磁コア31の他面側に抜き出す。これにより、保持部材51における軸方向の他端側、すなわち支持穴46の段差面46aへの移動が解放される。
そして、保持部材51を支持穴46の軸方向に沿って段差面46a側へ移動させる。保持部材51の保持凹部51aから緩衝材52を取り外し、新たな緩衝材52を保持部材51の保持凹部51aに取り付ける。
ここで、上述したように、保持部材51の移動代長さt1は、保持部材51の保持凹部51aの軸方向の長さt2よりも長く設定されている(t1>t2)。詳細には、保持部材51の移動代長さt1は、保持凹部51aの軸方向の長さt2に、電磁コア31と可動部材32が離間した状態での緩衝材52の圧縮量を加えた長さよりも長く設定されている。
そのため、保持部材51を段差面46a側へ移動させることで、保持部材51の軸方向の一端側、すなわち緩衝材52が嵌め込まれた端部と、可動部材32の対向面32bとの間には、緩衝材52を取り外すことが可能な隙間が形成される。これにより、可動部材32と電磁コア31を分解することなく、緩衝材52の交換作業を容易に行うことができる。
次に、調整ボルト57における固定穴47に締め込み、ネジ部57bの先端部を保持部材51の他端部51bに当接させる。さらに、調整ボルト57を締め込むことで、保持部材51が支持穴46の軸方向に沿って可動部材32の対向面32bに接近する向きに移動する。これにより、保持部材51の保持凹部51aに新たな緩衝材52が嵌め込まれる。
次に、調整ボルト57における固定穴47への締め付け量を調整することで、支持穴46に挿入された保持部材51の位置が所定の位置に配置されると共に、緩衝材52が所定の圧縮量で、保持部材51と可動部材32の間に配置される。そして、調整ボルト57に固定ナット58を締結固定することで、保持部材51や緩衝材52が所定の位置で保持される。これにより、緩衝材52の交換作業が完了する。
なお、保持部材51の他端部51bと調整ボルト57のネジ部57bの先端部との摩擦係数は、緩衝材52と保持部材51の保持凹部51aとの摩擦係数や、緩衝材52と可動部材32との摩擦係数よりも小さく設定されている。そのため、調整ボルト57を締め込む際に、調整ボルト57の回転によって保持部材51が支持穴46内で回転することを防ぐことができる。その結果、保持部材51に取り付けられた緩衝材52が回転することで、保持部材51や可動部材32に擦れて損傷することを防ぐことができる。
また、本例では、静音機構40を取り付けられる取付部45を一対のアーム片11、11を避けた位置に形成している。これにより、緩衝材52を交換する際に、アーム片11、11が交換作業の妨げとなることを防ぐことができる。これにより、緩衝材52の交換作業を容易に行うことができる。
また、本例の静音機構40では、調整ボルト57と保持部材51の別部品として構成した例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、調整ボルト57と保持部材51とを一体に形成してもよい。すなわちネジ部57bの先端部に保持部材51の他端部51bを連結させてもよい。これにより、保持部材51は、調整ボルト57と共に支持穴46の軸方向に移動する。その結果、調整ボルト57を抜き出してから保持部材51を移動させる手間を省くことができる。
しかしながら、保持部材51と調整ボルト57を一体に形成した場合、保持部材51は、調整ボルト57と共に支持穴46内で回転する。そのため、緩衝材52が保持凹部51aや可動部材32に擦れるため、緩衝材52は、耐摩耗性に優れたものを用いるのが好ましい。
また、本例では、電磁コア31のフランジ部34と可動部材32の対向面32bの間の空間部に、一対のアーム片11、11における対向側先端部11bを挿入する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、一対のアーム片11、11における対向側先端部11bを電磁駆動部22の外側に配置してもよい。さらに、静音機構40を電磁コア31における一対のアーム片11、11が設けられた側に配置してもよい。
4.保持部材の他の例
次に、保持部材の他の例について図11及び図12を参照して説明する。
図11及び図12は、保持部材の他の例を示す斜視図である。
図11に示す保持部材71は、略円柱状に形成されており、軸方向の一端部には保持凹部71aが形成されている。そして、保持部材71の側面部には、互いに対向する二面を平行に切り欠くことによって2つの平面部71c、71c、いわゆる二面幅部が形成されている。この平面部71cは、保持部材71の軸方向と平行に形成されている。
また、保持部材71が挿入される支持穴の内壁には、保持部材71の平面部71cと重なり合う対向面部が形成されている。すなわち、支持穴の開口の形状は、保持部材71の形状に対応して形成されている。その他の構成は、上述する保持部材51と同様であるため、その説明は省略する。
なお、保持部材71に2つの平面部71c、71cを設けた例を説明したが、保持部材71の側面部に設ける平面部71cは、一つだけでもよい。
また、図12に示す保持部材81は、六角柱状に形成されており、その軸方向の一端部には保持凹部81aが形成されている。この保持部材81が挿入される支持穴は、保持部材81の形状に対応して、六角形状に開口している。その他の構成は、上述する保持部材51と同様であるため、その説明は省略する。
上述したような構成を有する保持部材71、81を支持穴に挿入した場合、保持部材71、81における軸周りの回転が支持穴によって規制される。これにより、調整ボルト57を締め込む際に、保持部材71、81が支持穴内で回転することを防ぐことができる。
なお、保持部材の形状は、上述した例に限定されるものではなく、例えば四角柱状や楕円柱状等その他の形状に形成してもよい。または、保持部材の側面部に突起又は溝部を設け、支持穴に保持部材の突起又は溝部が摺動する溝部又は突起を設けてもよい。
なお、保持部材51、71、81の回転を規制する構成としては、上述したものに限定されるものではない。例えば、保持部材の軸方向の他端部、又は調整ボルト57のネジ部57bの先端部を球面状に形成してもよい。これにより、保持部材と調整ボルト57との接触面積を小さくすることができる。そのため、保持部材と調整ボルト57との間に生じる摩擦力は、緩衝材52と保持部材の保持凹部との間に生じる摩擦力や、緩衝材52と可動部材32との間に生じる摩擦力よりも小さくなる。その結果、調整ボルト57を締め込む際に、保持部材が回転することを防ぐことができ、緩衝材52が擦れて損傷することを防ぐことができる。
なお、本発明は上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。上述した実施の形態例では、巻上機100を昇降路110の頂部に設けた機械室160に配置した例を説明したが、これに限定されるものではない。エレベーターとしては、例えば、昇降路内に機械室を有しない、いわゆる機械室レスエレベーターに適用してもよい。
また、上述した実施の形態例では、電磁コア31を略円柱状の突出部33と、円板状のフランジ部34により構成した例を説明したが、電磁コアの形状は、これに限定されるものではない。例えば、電磁コアを略円柱状に形成し、その外周部の一部を切り欠いてもよい。電磁コアに形成された切り欠き部は、可動部材の対向面と対向する面から側面部の一部を切り欠くことで形成される。そして、静音機構及び取付部は、切り欠き部に配置される。このような構成においても、緩衝材の交換作業を容易に行うことができる。
なお、本明細書において、「平行」及び「直交」等の単語を使用したが、これらは厳密な「平行」及び「直交」のみを意味するものではなく、「平行」及び「直交」を含み、さらにその機能を発揮し得る範囲にある、「略平行」や「略直交」の状態であってもよい。
1…エレベーター、 2…マシンベース、 3…駆動モータ、 4…綱車、 5…ブレーキディスク、 5a…一面、 5b…他面、 7…固定部材、 8…回転軸、 9…支持部、 10…電磁ブレーキ装置、 11…アーム片、 21…ボディ、 22…電磁駆動部、 23…第1ブレーキシュー、 23a…ブレーキ軸、 23b…ブレーキパッド、 24…第2ブレーキシュー、 24a…ブレーキ軸、 24b…ブレーキパッド、 31…電磁コア、 32…可動部材、 32a…挿通孔、 32b…対向面、 33…突出部、 33a…取付溝部、 33b…磁極面、 33c…軸支持孔、 34…フランジ部、 34a…凹部、 35…連結部材、 37…電磁コイル、 40…静音機構、 45…取付部、 46…支持穴、 46a…段差面、 47…固定穴、 51、71、81…保持部材、 51a…保持凹部、 51b…他端部、 52…緩衝材、 53…調整部材、 57…調整ボルト、 57a…頭部、 57b…ネジ部、 58…固定ナット、 60…移動代、 71c…平面部、 100…巻上機、 120…乗りかご、 110…昇降路、 130…ロープ、 140…釣合おもり、 150…反らせ車、 t1…移動代長さ、 t2…深さ

Claims (10)

  1. エレベーターの綱車に固定されたブレーキディスクを挟持し、綱車の駆動を制動する電磁ブレーキ装置であって、
    前記ブレーキディスクの一部を覆い、かつ第1ブレーキシューが設けられたボディと、
    前記ブレーキディスクを間に挟んで前記第1ブレーキシューと対向する第2ブレーキシューが設けられた可動部材と、
    前記可動部材と対向し、前記ボディと連結部材を介して連結され、取付部を有する電磁コアと、
    前記電磁コアに取り付けられる静音機構と、
    を備え、
    前記取付部は、前記可動部材と対向する一面が開口した支持穴を有し、
    前記静音機構は、
    前記可動部材に接触する緩衝材と、
    前記支持穴に移動可能に支持され、軸方向の一端部に前記緩衝材が嵌め込まれる保持凹部を有する棒状の保持部材と、
    前記支持穴における前記保持部材の位置を調整する調整部材と、を備え、
    前記保持部材は、軸方向の他端部から前記支持穴に挿入され
    前記支持穴における前記保持部材の位置を前記調整部材により調整した状態での前記保持部材の移動代長さが、前記保持凹部における軸方向の長さよりも長く設定され、
    前記緩衝材を交換する場合に、前記移動代長さによって許容される前記保持部材の移動により、前記保持凹部からの前記緩衝材の取り外しと前記保持凹部への前記緩衝材の取り付けとが可能となるように構成されている
    電磁ブレーキ装置。
  2. 前記取付部は、
    前記支持穴における前記可動部材から離反する方向の他端部から連通し、前記電磁コアを貫通する固定穴を有し、
    前記調整部材は、
    前記電磁コアにおける前記可動部材と対向する一面とは反対側の他面から前記固定穴及び前記支持穴に挿入される調整ボルトを有し、
    前記調整ボルトの先端部は、前記保持部材の軸方向の他端部に当接する
    請求項1に記載の電磁ブレーキ装置。
  3. 前記支持穴における前記固定穴と連通する他端部には、段差面が形成され、
    前記調整ボルトの先端部を前記保持部材の軸方向の他端部に当接させて前記支持穴における前記保持部材の位置を調整した状態において、前記保持部材の移動代長さである前記保持部材の軸方向の他端部から前記段差面までの長さは、前記保持凹部における軸方向の長さよりも長く設定されている
    請求項2に記載の電磁ブレーキ装置。
  4. 前記保持部材の移動代長さである前記保持部材の軸方向の他端部から前記段差面までの長さは、前記保持凹部における軸方向の長さに、前記可動部材と前記電磁コアが離間した状態における前記緩衝材の圧縮量を加えた長さよりも長く設定されている
    請求項3に記載の電磁ブレーキ装置。
  5. 前記保持部材の他端部と前記調整ボルトの先端部との摩擦係数は、前記保持凹部と前記緩衝材との摩擦係数よりも小さく設定されている
    請求項2に記載の電磁ブレーキ装置。
  6. エレベーターの綱車に固定されたブレーキディスクを挟持し、綱車の駆動を制動する電磁ブレーキ装置であって、
    前記ブレーキディスクの一部を覆い、かつ第1ブレーキシューが設けられたボディと、
    前記ブレーキディスクを間に挟んで前記第1ブレーキシューと対向する第2ブレーキシューが設けられた可動部材と、
    前記可動部材と対向し、前記ボディと連結部材を介して連結され、取付部を有する電磁コアと、
    前記電磁コアに取り付けられる静音機構と、
    を備え、
    前記取付部は、前記可動部材と対向する一面が開口した支持穴を有し、
    前記静音機構は、
    前記可動部材に接触する緩衝材と、
    前記支持穴に移動可能に支持され、軸方向の一端部に前記緩衝材が嵌め込まれる保持凹部を有する棒状の保持部材と、
    前記保持部材の軸方向の他端部に設けられ、前記支持穴における前記保持部材の位置を調整する調整部材と、を備え、
    前記保持部材は、軸方向の他端部から前記支持穴に挿入され、
    前記保持部材の側面部には前記保持部材の軸方向と平行をなす平面部が設けられ、
    前記支持穴の内壁には、前記保持部材の前記平面部に重なり合う平面部が形成されている
    磁ブレーキ装置。
  7. 前記保持部材は、角柱状に形成され、
    前記支持穴の開口の形状は、前記保持部材の形状に対応して形成されている
    請求項に記載の電磁ブレーキ装置。
  8. 前記電磁コアは、前記可動部材と対向する磁極面を有し、前記磁極面の外径が、前記可動部材における前記磁極面と対向する対向面の外径よりも小さく設定された突出部と、
    前記突出部における前記磁極面とは反対側の端部から連続し、前記磁極面の外径よりも大きな外径を有するフランジ部と、を有し、
    前記取付部は、前記フランジ部に設けられる
    請求項1に記載の電磁ブレーキ装置。
  9. ロープが巻き掛けられる綱車を有する巻上機であって、
    前記綱車に固定され、前記綱車と共に回転するブレーキディスクと、
    前記ブレーキディスクを挟持する第1ブレーキシュー及び第2ブレーキシューを有し、前記綱車の駆動を制動する電磁ブレーキ装置と、を備え、
    前記電磁ブレーキ装置は、
    前記ブレーキディスクの一部を覆い、かつ前記第1ブレーキシューが設けられたボディと、
    前記ブレーキディスクを間に挟んで前記第1ブレーキシューと対向する前記第2ブレーキシューが設けられた可動部材と、
    前記可動部材と対向し、前記ボディと連結部材を介して連結され、取付部を有する電磁コアと、
    前記電磁コアに取り付けられる静音機構と、
    を備え、
    前記取付部は、前記可動部材と対向する一面が開口した支持穴を有し、
    前記静音機構は、
    前記可動部材に接触する緩衝材と、
    前記支持穴に移動可能に支持され、軸方向の一端部に前記緩衝材が嵌め込まれる保持凹部を有する棒状の保持部材と、
    前記支持穴における前記保持部材の位置を調整する調整部材と、を備え、
    前記保持部材は、軸方向の他端部から前記支持穴に挿入され
    前記支持穴における前記保持部材の位置を前記調整部材により調整した状態での前記保持部材の移動代長さが、前記保持凹部における軸方向の長さよりも長く設定され、
    前記緩衝材を交換する場合に、前記移動代長さによって許容される前記保持部材の移動により、前記保持凹部からの前記緩衝材の取り外しと前記保持凹部への前記緩衝材の取り付けとが可能となるように構成されている
    巻上機。
  10. 昇降路内を昇降する乗りかごを備えたエレベーターにおいて、
    前記乗りかごに連結されたロープと、
    前記ロープが巻き掛けられる綱車を有し、前記ロープを介して前記乗りかごを昇降させる巻上機と、を備え、
    前記巻上機は、
    前記綱車に固定され、前記綱車と共に回転するブレーキディスクと、
    前記ブレーキディスクを挟持する第1ブレーキシュー及び第2ブレーキシューを有し、前記綱車の駆動を制動する電磁ブレーキ装置と、
    を備え、
    前記ブレーキディスクの一部を覆い、かつ前記第1ブレーキシューが設けられたボディと、
    前記ブレーキディスクを間に挟んで前記第1ブレーキシューと対向する前記第2ブレーキシューが設けられた可動部材と、
    前記可動部材と対向し、前記ボディと連結部材を介して連結され、取付部を有する電磁コアと、
    前記電磁コアに取り付けられる静音機構と、
    を備え、
    前記取付部は、前記可動部材と対向する一面が開口した支持穴を有し、
    前記静音機構は、
    前記可動部材に接触する緩衝材と、
    前記支持穴に移動可能に支持され、軸方向の一端部に前記緩衝材が嵌め込まれる保持凹部を有する棒状の保持部材と、
    前記支持穴における前記保持部材の位置を調整する調整部材と、を備え、
    前記保持部材は、軸方向の他端部から前記支持穴に挿入され
    前記支持穴における前記保持部材の位置を前記調整部材により調整した状態での前記保持部材の移動代長さが、前記保持凹部における軸方向の長さよりも長く設定され、
    前記緩衝材を交換する場合に、前記移動代長さによって許容される前記保持部材の移動により、前記保持凹部からの前記緩衝材の取り外しと前記保持凹部への前記緩衝材の取り付けとが可能となるように構成されている
    エレベーター。
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