JP6797055B2 - 電鋳用の原盤およびその原盤を用いた金型の製造方法 - Google Patents

電鋳用の原盤およびその原盤を用いた金型の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、微細パターンを形成するための原盤、特に電鋳により複製型を作製するための原盤に関する。また、本発明は、その原盤を用いた複製パターンを有する金型の製造方法に関する。
凹凸パターンを形成した金型(一般的にモールド、スタンパ、テンプレートとも呼ばれる)を被転写基板上に塗布されたレジストに押し付け、レジストを力学的に変形または流動させて微細なパターンを精密にレジスト膜に転写するインプリント法という技術が知られている。微細な凹凸パターンとしては、10nm程度のものから100μm程度のものまで存在している。金型を一度作製すれば、ナノレベルの微細構造のものでも簡単に繰り返して成型できるため経済的であるとともに、有害な廃棄物および排出物が少ない転写技術であるため、半導体分野等のさまざまな分野への応用が期待されている。
このような金型は、人工石英やサファイア、無アルカリガラスなどの基板上にレジストパターンを塗布し、電子ビーム描画により所望の微細パターン露光、現像して得られた微細凹凸パターンを有するマスター原盤からの転写により作製される。
特許文献1には、マスター金型(マスター原盤)の表面に電気めっきを施して、マスター金型と逆パターン形状の電鋳層を形成し、その電鋳層をマスター金型から離型して電鋳品を製造する方法が開示されている。この電鋳品が上述の金型として用いられ得る。
特許文献1では、マスター金型に少なくとも導電性材料を有する補強枠を接触させて、その状態でマスター金型と補強枠とに電気めっきを施して補強枠と一体化された電鋳層を形成し、一体化された電鋳層と補強枠とをマスター金型から離型して電鋳品を製造する方法が提案されている。
マスター原盤の作製には、相当の時間を要するために、非常に高価である。そこで、このマスター原盤を用いた電鋳によりパターンを反転したサブ原盤を複数形成し、さらに、そのサブ原盤を用いた電鋳により上述の金型の作製を行うこともある。例えば、特許文献2には、マスタースタンパ(マスター原盤)からマザースタンパ(サブ原盤)さらにマザースタンパからサンスタンパ(金型)を作製し、サンスタンパを光ディスク形成用スタンパとして用いることが開示されている。そして、特許文献2には、マスタースタンパもしくはマザースタンパを用いた電鋳処理後のスタンパの剥離方法が提案されている。このスタンパの剥離に際しては、スタンパ剥離開始点処理をカッターによる切り込みで行うことが開示されている。
特開2009−167497号公報 特開2000−207785号公報
しかしながら、特許文献2のように、電鋳後のスタンパ剥離時にスタンパ間にカッターによる切り込みによる剥離開始点処理を行うと、マスタースタンパもしくはマザースタンパに傷がつく恐れがある。
例えば、図13に示すように、原盤101上には導通リング102が設置され、導通リング102の内側に電鋳物103が形成される。その後、原盤101と導通リング102との間にカッターなどのクサビ105を打ち込み剥離開始点を形成する。このクサビ105の打ち込みにより、原盤101の表面に傷がつくと、次の電鋳により作製される電鋳品に、傷が転写される不具合が生じたり、傷の影響で導通リングとの密着性が低下して電鋳不良が生じたりして転写不良となる場合がある。
本発明は、上記事情に鑑み、電鋳用の原盤として、電鋳物剥離後のさらなる電鋳時においても転写不良を生じにくい電鋳用の原盤を提供することを目的とする。また、この原盤を用いた金型の作製方法を提供することを目的とする。
本発明の電鋳用の原盤は、凹凸パターンを表面に有する電鋳用の原盤であって、
凹凸パターンが表面に形成されてなる原盤本体と、
原盤本体に固着された、原盤本体の周囲に延在してなる電鋳物剥離時の傷つき防止治具とから構成される電鋳用の原盤である。
「固着」とは少なくとも電鋳物剥離時に原盤本体と分離されないように固定されていることを意味する。原盤本体と傷つき防止治具とはそれぞれ別部材からなり、両部材は目視により区別可能であるが、両者が何らかの方法(接着、機械的固定)で接続固定されている。
「周囲に延在してなる」とは、全周に亘って連続的に備えられているものに限らず、原盤本体から外側に延びて設けられている部分が複数箇所、断続的に設けられているものであってもよい。
本発明の電鋳用の原盤は、原盤本体が電鋳物であってもよい。
原盤本体が電鋳物であるときNiからなるものとすることができる。
本発明の電鋳用の原盤は、傷つき防止治具の表面が、原盤本体の表面と面一であることが好ましい。
本発明の電鋳用の原盤は、傷つき防止治具の厚みが、原盤本体の厚みよりも厚いことが好ましい。
本発明の電鋳用の原盤は、原盤本体と傷つき防止治具との接合界面が凹凸構造、テーパー構造もしくは段差構造を有することが好ましい。
本発明の電鋳用の原盤は、傷つき防止治具の材質が金属であることが好ましい。
本発明の金型の製造方法は、上記本発明の電鋳用の原盤の表面の凹凸パターンを囲む位置に、電鋳用の導通リングを配置し、
原盤上に配置された導通リングの内側への電鋳を実施し、
電鋳により原盤上の導通リングの内側に形成され、導通リングに固着した電鋳物を、導通リングと原盤の傷つき防止治具との間に外周側からクサビを打ち込むことにより剥離開始点を形成して、原盤から剥離し、
電鋳物から構成されてなる金型を製造する金型の製造方法である。
本発明の金型の製造方法において、導通リングとして、原盤本体の直径よりも小さい内径を有する導通リングを用いることが好ましい。
本発明の金型の製造方法において、クサビの材質は金属とすることができる。
本発明の金型の製造方法において、原盤の表面に導通リングを配置する前に、原盤の表面に剥離層を設けることが好ましい。
剥離層としては、フッ素含有層を設けることが好ましい。
本発明の電鋳用の原盤は、凹凸パターンを表面に有する電鋳用の原盤であって、凹凸パターンが表面に形成されてなる原盤本体と、原盤本体に固着された、原盤本体の周囲に延在してなる電鋳物剥離時の傷つき防止治具とから構成されている。係る構成であるため、この原盤を用いた金型の製造方法において、電鋳物である金型を原盤から剥離する際に、傷つき防止治具と導通リングとの間にクサビを入れて剥離することができ、原盤本体には傷が生じない。原盤本体に傷が生じないため、次回の電鋳時に転写不具合が生じたり、導通リングとの密着が悪くなり、電鋳不良が生じたりする問題を抑制することができる。
第1の実施形態の電鋳用の原盤の平面図および断面図である。 第1の実施形態の電鋳用の原盤の作製工程を示す図である。 第1の実施形態の電鋳用の原盤を用いた金型の作製工程を示す図である。 第2の実施形態の電鋳用の原盤の平面図である。 第3の実施形態の電鋳用の原盤の断面図である。 第4の実施形態の電鋳用の原盤の断面図である。 第5の実施形態の電鋳用の原盤の断面図である。 第6の実施形態の電鋳用の原盤の断面図である。 第6の実施形態の電鋳用の原盤を用いた場合の電鋳物剥離時のクサビ打ち込み部分を示す拡大断面図である。 第7の実施形態の電鋳用の原盤の断面図である。 第7の実施形態の電鋳用の原盤を用いた場合の電鋳物剥離時のクサビ打ち込み部分を示す拡大断面図である。 金型の製造方法に用いられる電鋳用の導通リングの他の例を説明するための図である。 電鋳用の原盤から電鋳物を剥離する際に生じる問題を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明するが、本発明はこれに限られるものではない。なお、視認しやすくするため、図面中の各構成要素の縮尺等は実際のものとは適宜変更している。
<第1の実施形態の電鋳用の原盤>
図1は、本発明の第1の実施形態の電鋳用の原盤1を模式的に示す平面図およびB−B線断面図である。
原盤1は、金型を製造するために用いられる、凹凸パターン12を表面に有する電鋳用の原盤であって、凹凸パターン12が表面に形成されてなる原盤本体10と、原盤本体10に固着された、原盤本体10の周囲に延在してなる電鋳物剥離時の傷つき防止治具20とから構成されている。
原盤本体10は、凹凸パターン12が形成されている領域(以下において、パターン領域という。)の外周に平坦部11を備えた表面形状を有している。なお、この外周の平坦部11の厚みを原盤本体10の厚みと定義する。本実施形態においては、原盤本体10が円盤形状であるが、形状に制限はなく、矩形状等の多角形状であっても構わない。
凹凸パターン12としては、ライン・アンド・スペースのパターン、ホールパターンやピラーパターン、マイクロレンズアレイのパターンなど、さまざまなパターンが可能である。凹凸パターンの凸部高さや凸部間隔などは数十nm〜数百μmのオーダーで用途に応じて適宜設定される。
原盤本体10の構成材料は特に限定されないが、例えば、マスター原盤への電鋳により得られる電鋳物から構成することができる。電鋳により製造されたものである場合、材料として、Ni(ニッケル)、Cr(クロム)、Cu(銅)およびFe(鉄)の少なくとも一種を含む金属が挙げられ、好ましくはNiである。原盤本体10の厚みは、50〜500μm、より好ましくは150〜300μmである。
傷つき防止治具20は、図1に示すように、原盤本体10の周縁に固着されたリング状の部材である。傷つき防止治具20は、原盤本体10の外周直径と同等の直径を有する中心孔を有する部材である。そして、この中心孔を構成する内周側壁は、原盤本体10の外周側壁に固着されている。ここで、原盤本体10の凹凸パターンを有する表面と傷つき防止治具20の表面とが面一である。
本例において、傷つき防止治具20の厚みは、原盤本体10の厚みよりも厚い。傷つき防止治具20の厚みを原盤本体10よりも厚くすることにより、原盤1の取扱い性を向上させることができる。原盤本体10が薄い場合にはその効果が顕著である。
傷つき防止治具20の材料は特に制限ない。しかしながら、原盤本体10を電鋳により作製する場合には、その電鋳時に利用される導通リングを傷つき防止治具20に転用することが好ましい。すなわち、傷つき防止治具20を原盤本体10作製時の導通リングとして用いることが好ましい。したがって、傷つき防止治具20材質は導電性を有する金属であることが好ましい。特には、取扱い性が高く、低コストであることからステンレス鋼板、あるいはNiめっき付きステンレス鋼板などが適する。
なお、原盤本体10を電鋳により作製する場合、導通リングから剥離すると、その外周にバリが生じる。そのバリを有する原盤本体のみを用いて金型の電鋳を行う従来の手法では、取扱い時にバリが剥がれて、電鋳時の欠陥の要因となる場合がある。しかし、導通リングから原盤本体10を剥離することなくそのまま原盤として用いれば、外周にバリが生じることもなく、欠陥要因の発生を抑制することができる。
傷つき防止治具20は、金型製造時において金型を剥離する際に、原盤本体10から外れない程度に原盤本体10に固着されていればよく、電鋳用の導通リングから転用されたものに限らない。なお、両者の固着状態は、接着、融着等のほか、機械的に固定された状態であってもよい。機械的に固定する方法としては、例えば、傷つき防止治具と原盤本体とを裏面側からアンカーを渡してネジ留めする方法が考えられる。
第1の実施形態の電鋳用の原盤1の作製方法について説明する。図2は作製工程を説明するための模式図である。
図2に示すように、まず、ガラス基板31上の表面に凹凸パターン(ここでは凹型パターンとする)状に形成されたレジスト32を備えたマスター原盤30を用意する(S1)。マスター原盤30のサイズとしては、直径150mm(6インチ)、200mm(8インチ)程度のものが一般的である。
このマスター原盤30の凹凸パターン表面にスパッタ法により数nm〜数μm程度の薄い膜厚の導電層(金属膜)10aを形成する(S2)。その後、マスター原盤30の表面の凹凸パターンを囲むようにしてサブ原盤電鋳用の導通リングとして機能する傷つき防止治具20を配置し、電鋳を実施する。この電鋳によりマスター原盤30の表面の傷つき防止治具20の内側に数10μm〜数100μm程度の厚みの電鋳層10bを成膜することにより導電層10aと電鋳層10bとからなる電鋳物(サブ原盤)である原盤本体10が形成される(S3)。導電層10aおよび電鋳層10bの材料としてはNiが好ましいが、Niに限るものではない。
その後、ガラス基板31から原盤本体10および傷つき防止治具20をレジスト32ごと剥離する(S4)。原盤本体10からレジスト32を除去するために、アセトンスピン洗浄を行う(S5)。洗浄によりレジスト32が除去されることにより、表面にマスター原盤30の凹凸パターン(凹型)が転写され、凹凸が逆の転写凹凸パターン(凸型)12を有する原盤本体10に、傷つき防止治具20が固定されてなる、第1の実施形態の電鋳用の原盤1が得られる(S6)。
なお、マスター原盤30から電鋳用の原盤1を得る際にマスター原盤30のパターン領域を囲む平坦な領域の面積を大きくして、傷つき防止治具を備えた場合と同等の面積を有する電鋳用の原盤を電鋳により作製すれば、本発明のような傷つき防止治具を設ける必要性はなくなる。しかしながら、同等のパターン領域を維持しようとする場合、マスター原盤自体の大きさを大きくする必要が生じ、このマスター原盤を大きくすることによるコスト高、電鋳する際の電鋳槽を大きくすることによるコスト高などが生じる。本発明の電鋳用の原盤であれば、既存の電鋳層を用いることができ、原盤コストを大幅に上昇させることなく作製することができる。
<金型の製造方法>
次に、本実施形態の電鋳用の原盤を用いた金型の製造方法について説明する。
図3は、第1の実施形態の電鋳用の原盤1を用いた金型の製造工程を模式的に示す図である。
電鋳用の原盤1を用意し、原盤1の表面に離型処理として剥離層51を形成する(S11)。剥離層51としてはフッ素含有層が好ましい。
剥離層51の表面にスパッタ法により数nm〜数μm程度の薄い膜厚の導電層42を形成する(S12)。その後、原盤1の表面の凹凸パターン12を囲むようにして金型電鋳用の導通リング50を配置する(S13)。導通リング50は、原盤本体10の直径よりも小さい内径を有する。導通リング50は導電層42との間で導通した状態となっており、導通を維持した状態で電鋳を行うことにより、原盤本体10上の導通リング50の内側に電鋳層44が形成される(S14)。この電鋳層44は導電層42と一体となり電鋳物40を構成する。導電層42および電鋳層44の材料としてはNiが好ましいが、Niに限るものではない。
その後、導通リング50と傷つき防止治具20との間に外周側からクサビ52を打ち込んで剥離開始点を形成する(S15)。クサビ52を導通リング50と傷つき防止治具20との間に挿入した後、円周に沿って360°回転させても良い。クサビ52は、例えば、カッター刃であり、カッター刃のように薄く、先端にテーパーを有して、面と面との間に挿入しやすく、また、挿入後に円周方向にスライドさせることができるものが好ましい。クサビ52の材質は特に限定されないが、金属であってもよい。
上記クサビ52を挿入して形成された剥離開始点を起点として、原盤1と電鋳物40を剥離する(S16)。
原盤1から剥離後の電鋳物40は導通リング50に固着した状態(S17)であるため、電鋳物40を導通リング50から取り外す(S18)。このようにして電鋳物40からなる金型を製造することができる。金型は電鋳用の原盤1の凹凸パターン12が転写され、原盤1とは凹凸が逆であり、マスター原盤30のレジスト32の凹凸パターンと同じ凹凸パターン(凹型)を有する。
<第2の実施形態の電鋳用の原盤>
図4は、本発明の第2の実施形態の電鋳用の原盤2の平面図である。第1の実施形態の電鋳用の原盤1と同一の構成要素には同一の符号を付し詳細な説明は省略する。以下の図において同様とする。
図4に示すように、本実施形態の電鋳用の原盤2は、傷つき防止治具22が、原盤本体10の周囲全域に亘って連続的に設けられているのではなく、断続的に、ここでは周囲の4箇所に分離して設けられている。本原盤2を用いた金型の製造時においては、電鋳物を原盤2から剥離する際のクサビを打ち込む箇所を、断続的に設けられた傷つき防止治具22の部分のみに限定して行う。これにより、第1の実施形態の原盤1を用いた場合と同様に、原盤本体10に傷をつけることなく電鋳物を原盤2から剥離することができる。
このように、本発明の原盤においては、傷つき防止治具22が原盤本体10の全周に亘って設けられている必要はなく、剥離開始点を設けられるように、原盤本体10の外周に沿った複数箇所に設けられていればよい。
<第3〜第5の実施形態の電鋳用の原盤>
図5〜図7は、それぞれ本発明の第3〜第5の実施形態の電鋳用の原盤の断面図である。
第3〜第5の実施形態の電鋳用の原盤3〜5は、原盤本体13〜15と傷つき防止治具23〜25との接合界面の構造が、第1の実施形態の電鋳用の原盤1とは異なる。接合界面とは、原盤本体の外周側壁面と、リング状の傷つき防止治具の内径側壁面との接触する部分をいう。
図5に示すように、第3の実施形態の電鋳用の原盤3は、原盤本体13と傷つき防止治具23とが、それぞれ接合界面に微細な凹凸構造13a、23aを有する。傷つき防止治具23および原盤本体13は互いの凹凸構造同士が噛合い接合されている。微細な凹凸構造を構成する表面粗さを有する傷つき防止治具23を導通リングとして用いた電鋳することにより、傷つき防止治具23の表面粗さに沿った外周側壁面を有する原盤本体13が得られる。
図6に示すように、第4の実施形態の電鋳用の原盤4は、原盤本体14と傷つき防止治具24との接合界面にテーパー構造を有する。すなわち、傷つき防止治具24は、接合界面において、表面側ほど内径が小さくなるテーパー24aを有しており、原盤本体14は傷つき防止治具24のテーパー24aに沿って、表面側ほど直径が小さくなるテーパー14aを有している。
図7に示すように、第5の実施形態の電鋳用の原盤5は、原盤本体15と傷つき防止治具25との接合界面に段差構造を有する。すなわち、傷つき防止治具25は、接合界面において第1の内径φを有する部分と第1の内径φよりも大きい第2の内径φを有する部分からなる段差部25aを有し、原盤本体15は第1の外径φ1を有する部分と第2の外径φ2を有する部分からなる段差部15aを有している。
第3〜第5の実施形態の電鋳用の原盤3〜5は、原盤本体と傷つき防止治具との接合界面におけるそれぞれの形状により、金型の製造工程において電鋳物(金型)を原盤から剥離する際に接合界面に力が加わっても原盤本体と傷つき防止治具とが剥離しにくい。
<第6および第7の実施形態の電鋳用の原盤>
図8は、本発明の第6の実施形態の電鋳用の原盤の断面図である。
第6の実施形態の電鋳用の原盤6は、第1の実施形態の電鋳用の原盤1とは、傷つき防止治具の形状が異なる。傷つき防止治具26の原盤本体10との接触部分の表面は、原盤本体10と面一となっているが、外径側ほど原盤本体10の表面から離れ、断面においてなだらかにカーブを描く形状を有している。
本構成の原盤6を用いて金型を製造すれば、電鋳物を原盤から剥離する際に、図9に示すように、導通リング50と原盤6の傷つき防止治具26の外周側に隙間が生じているために、導通リング50と原盤6との間へのクサビ52の打ち込みを、その隙間からスムーズに行うことができる。
<第7の実施形態の電鋳用の原盤>
図10は、本発明の第7の実施形態の電鋳用の原盤の断面図である。
第7の実施形態の電鋳用の原盤7は、第1の実施形態の電鋳用の原盤1と異なり、傷つき防止治具27の表面が、原盤本体10と面一でなく、原盤本体10の裏面側にずれた位置にある。
このように原盤本体10の表面と傷つき防止治具27の表面に段差がある場合にも、第6の実施形態の電鋳用の原盤6と同様の効果がある。すなわち、本構成の原盤7を用いて金型を製造すれば、電鋳物を原盤から剥離する際に、図11に示すように、導通リング50と原盤7の傷つき防止治具27の外周側に隙間が生じているために、導通リング50と原盤7との間へのクサビ52の打ち込みを、その隙間からスムーズに行うことができる。
第2の実施形態から第6の実施形態の電鋳用の原盤2〜6についても、第1の実施形態の電鋳用の原盤1と同様の方法で作製することができ、また、同様の方法で金型を製造することができる。そして、金型の製造工程において、電鋳物(金型)を原盤から剥離する際に原盤本体に傷をつけることなく、剥離することができるため、繰り返し金型を製造する際にも良好なパターン転写を行うことができる。
上記実施形態においては、いずれも傷つき防止治具の厚みが原盤本体の厚みよりも厚いが、本発明としては、傷つき防止治具の厚みは原盤本体の厚みよりも薄くても構わない。傷つき防止治具の厚みが薄くとも、金型の作製において、電鋳物である金型を原盤から剥離するためにクサビを入れた際の、原盤本体への傷つき防止機能を十分に発揮するからである。
なお、上述した金型の製造方法においては、導通リング50として、原盤本体10の直径よりも小さい内径を有するものを用いたが、図12に示すように、原盤本体10の直径以上の大きさの内径を有する導通リング55を用いてもよい。
このような導通リング55を用いた場合も、製造工程は上述の場合(図3参照)と同様である。但し、工程S12において、原盤の表面のうち、導通リング55の開口よりも狭い範囲、例えば、原盤本体10部分のみに導電層(図12では導電層を省略している。)を形成するような場合には、傷つき防止治具20が導電性を有することが必要である。傷つき防止治具20および原盤本体上の導電層と導通リング55とが導通して導通リング55の内側全体への電鋳が実現されるからである。原盤の表面全体に導電層が形成されており、導通リング55と導電層が接触している場合には、傷つき防止治具20は導電性を有していないものであってもよい。
1〜7 電鋳用の原盤
10、13〜15 原盤本体
10a 導電層
10b 電鋳層
11 平坦部
12 凹凸パターン
13a 凹凸構造
14a テーパー
15a 段差部
20、22〜27 傷つき防止治具
23a 凹凸構造
24a テーパー
25a 段差部
30 マスター原盤
31 ガラス基板
32 レジスト
40 電鋳物(金型)
42 導電層
44 電鋳層
50、55 導通リング
51 剥離層
52 クサビ
101 原盤
102 導通リング
103 電鋳物
105 クサビ

Claims (12)

  1. 凹凸パターンを表面に有する電鋳用の原盤であって、
    前記凹凸パターンが表面に形成されてなる原盤本体と、
    記原盤本体の周囲に延在してなり、かつ、電鋳物剥離時に前記原盤本体と分離されない態様で前記原盤本体に固定された電鋳物剥離時の傷つき防止治具とから構成される電鋳用の原盤。
  2. 前記原盤本体が、電鋳物である請求項1記載の電鋳用の原盤。
  3. 前記原盤本体がNiからなる請求項2記載の電鋳用の原盤。
  4. 前記傷つき防止治具の表面が、前記原盤本体の前記表面と面一である請求項1から3いずれか1項記載の電鋳用の原盤。
  5. 前記傷つき防止治具の厚みが、前記原盤本体の厚みよりも厚い請求項1から4いずれか1項記載の電鋳用の原盤。
  6. 前記原盤本体の外周側壁面と、前記傷つき防止治具の内壁側壁面が接触する部分である接合界面に凹凸構造、テーパー構造もしくは段差構造を有する請求項1から5いずれか1項記載の電鋳用の原盤。
  7. 前記傷つき防止治具の材質が金属である請求項1から6いずれか1項記載の電鋳用の原盤。
  8. 請求項1から7いずれか1項記載の電鋳用の原盤の表面の前記凹凸パターンを囲む位置に、電鋳用の導通リングを配置し、
    前記原盤上に配置された前記導通リングの内側への電鋳を実施し、
    該電鋳により前記原盤上の前記導通リングの内側に形成され、該導通リングに固着した電鋳物を、前記導通リングと前記原盤の前記傷つき防止治具との間に外周側からクサビを打ち込むことにより剥離開始点を形成して、前記原盤から剥離し、
    該電鋳物から構成されてなる金型を製造する金型の製造方法。
  9. 前記導通リングとして、前記原盤本体の直径よりも小さい内径を有する導通リングを用いる請求項8記載の金型の製造方法。
  10. 前記クサビの材質が金属である請求項8または9記載の金型の製造方法。
  11. 前記原盤の表面に前記導通リングを配置する前に、前記原盤の表面に剥離層を設ける請求項8から10いずれか1項記載の金型の製造方法。
  12. 前記剥離層としてフッ素含有層を設ける請求項11記載の金型の製造方法。
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