JP4771254B2 - 電鋳型及び電鋳部品の製造方法 - Google Patents

電鋳型及び電鋳部品の製造方法 Download PDF

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本願発明は剥離が容易なレジスト層を有する電鋳型、及び該電鋳型を用いた電鋳部品の製造方法に関する。
従来の電鋳型は、基板と基板の上面に形成されたレジスト層とからなり、この電鋳型に形成された電鋳部品は、レジストを炭化させたあと、剥離液中で除去して得ていた。
図15に従来の電鋳部品の製造方法を示す。図15(a)に示す基板100上に(b)に示すようにレジスト200を形成し、露光・現像を行って、(c)に示す電鋳型1000を得る。そして、(d)で電鋳法によって電鋳部品300を析出させる。次に、電鋳型1000と電鋳部品300を加熱することによりレジスト200を炭化させた後に、電鋳型1000と電鋳部品300を剥離液につけ、超音波振動と併せるなどしてレジスト200を剥離して、(e)に示す電鋳部品300を得ていた(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−217995号公報(第3頁、第1図)
しかしながら、以上に述べたような従来技術によれば、電鋳型と電鋳部品を250度以上の高温で加熱する必要があった。そのため、電鋳部品が酸化したり、電鋳部品の組成が変化したりするという問題を有していた。
本願発明は、このような従来技術が有していた問題を解決しようとするものであり、レジスト除去がしやすい電鋳型を製造するとともに、高温加熱による損傷を防いだ電鋳部品を製造することを目的とするものである。
本願発明の電鋳部品の製造方法は、一部に導電層を有する基板と、該基板の導電層上に型空間を形成してなるレジスト層とを有する電鋳型に電鋳部品を形成した後、前記電鋳型から前記電鋳部品を分離する電鋳部品の製造方法において、前記電鋳部品が形成された前記電鋳型を電鋳時に付与される温度以上レジストのガラス転移点以下に加熱することにより前記電鋳型に電鋳時と加熱直後との間で温度差を付与する温度差付与工程と、前記温度差付与工程の後に前記電鋳部品を前記電鋳型から分離する電鋳部品分離工程と、を有する。
温度差付与工程で加熱を行う場合、電鋳型を電鋳時に付与される温度差以上、レジストのガラス転移点以下の温度差を与えることで、電鋳部品が損傷を受けることなく、レジスト層または電鋳部品あるいは基板が膨張する。レジスト層、電鋳部品、基板はそれぞれ異なる熱膨張係数を有するため、互いが接するそれぞれの界面に応力がかかり、レジストが剥離されやすくなる。加熱する温度は、45度以上、200度以下であることが好ましい。
温度差付与工程で冷却を行う場合、レジスト層または電鋳部品あるいは基板が収縮する。加熱した場合と同様に、互いが接するそれぞれの界面に応力がかかり、レジストが剥離されやすくなる。冷却の場合の温度差付与工程は、液体窒素に浸漬する方法が適している。
その温度差付与工程は、温度差の付与を複数回繰り返すとよい。
温度差の付与を複数回繰り返すことで、レジスト層、電鋳部品、基板が膨張または収縮を複数回繰り返し、その都度それぞれの界面に応力がかかるため、更にレジスト層を剥離させやすくする。
また、温度差付与工程より前に、電鋳型のレジスト層に温度付与工程によって熱応力が集中する力集中部を形成しておくことにより、応力集中部からクラックを生じさせ、更にレジスト層を剥離させやすくすることができる。
本願発明の電鋳型は、一部に導電層を有する基板と、基板の導電層上に型空間を形成してなるレジスト層とを有し、型空間に電鋳部品を形成するための電鋳型であって、レジスト層に温度差が付与されることによって熱応力が集中する応力集中部が形成されている。
応力集中部を形成しておくことで、温度差を付与したときに、レジスト層の一部に意図的に応力を集中させることが出来るため、その部位をきっかけにレジスト層が剥離される電鋳型となる。
レジスト層に、レジスト層とは熱膨張係数の異なる熱影響部を設け、応力集中部をレジスト層と熱影響部との界面により構成するようにしてもよい。
レジスト層と熱影響部とで積極的に熱伸縮差が生じるようにすることにより、その界面に応力集中部が形成され、レジスト層が剥離されやすい電鋳型となる。
更に、レジスト層における導電層を避けた位置に、内周面の一部に角部が設けられた空洞部を形成し、その角部を応力集中部にしても良い。
角部が設けられていることで、角部に応力が集中し、この応力集中部からクラックの入りやすくレジスト剥離がされやすい電鋳型となる。特に角部が型空間に向けられている場合、クラックが電鋳部品の形成された型空間に向けて発生しやすくなり、電鋳部品が取り出しやすい電鋳型となる。
レジスト層における導電層を避けた位置に、レジスト層と導電層または基板の接する面積を低減させるための空洞部が形成された構成としても良い。
レジスト層と導電層または基板の接する面積を低減させることで、レジスト層と導電層または基板の接着強度が低減され、レジスト層が剥離されやすい電鋳型となる。
本願発明の電鋳部品の製造方法は、電鋳型を電鋳時に付与される温度以上、レジストのガラス転移点以下の温度差を与えるため、電鋳部品に損傷を与えることなくレジスト層を膨張させて剥離しやすくすることができる。また、電鋳型を冷却した場合も同様に電鋳部品に損傷を与えることなく、レジスト層を収縮させて剥離しやすくすることができる。
応力集中部を形成した場合、応力集中部からクラックを生じさせ、更にレジスト層を剥離させやすくすることができる。また、加熱と冷却を交互に繰り返した場合、更にレジスト層を剥離させやすくすることができる。
本願発明の電鋳型は、クラックが発生しやすい応力集中部が形成されているため、レジスト層が剥離されやすくなる。
レジストと熱膨張率の異なる熱影響部が設けられている場合、レジスト層と熱影響部との界面に応力集中部が形成され、レジスト層が剥離されやすくなる。
角部が設けられている場合、角部に応力が集中し、この応力集中部からクラックの入りやすくレジスト剥離がされやすくなる。特に角部が型空間に向けられている場合、クラックが電鋳部品の形成された型空間に向けて発生しやすくなり、型空間から電鋳部品が取り出しやすい。
また、空洞部がレジスト層と導電層または基板の接する面積を低減させるため、レジスト層と導電層または基板の接着強度が低減され、レジスト層を剥離させやすくすることができる。
以下、本願発明の実施の形態を図1〜図14に基づいて説明する。
<第1の実施形態>
図1は本願発明の第1の実施形態に係る電鋳型と電鋳部品の製造方法を説明する図である。
図1(a)は感光性材料であるレジスト3を用いた電鋳型10を示す図である。基板1の上面に導電層2が形成され、導電層2の上面に後述する電鋳部品20を形成するための型空間5を有するレジスト3が形成されている。基板1の材質は、シリコンや二酸化珪素、ステンレススチールやアルミニウムなどである。導電層2の材質は、金、ニッケル、銅などである。また、導電層2の下にクロムやチタンなどをアンカーメタル(図示せず)として形成しても良い。なお、基板1が導電性の材料の場合、導電層2は無くても良い。
図1(b)で型空間5に電鋳法によって電鋳部品20を析出させる。図3に電鋳型10を用いて電鋳部品20を析出させる装置の図を示す。電鋳漕31に電鋳液32が満たされており、電鋳液32に、電鋳型10と電極34が浸されている。電鋳液32は、析出させる金属によって異なるが、たとえば、ニッケルを析出させる場合、スルファミン酸ニッケル水和塩を含む水溶液を使用する。また、電極34の材料は、析出させたい金属とほぼ同一の材料であり、ニッケルを析出させる場合は、ニッケルとし、ニッケル板や、チタンバスケットにニッケルボールを入れたものを電極34として用いる。なお、本願発明の製造方法で析出する材料はニッケルに限定されるわけではない。銅(Cu)、コバルト(Co)、スズ(Sn)等、電鋳可能な材料すべてに適用可能である。電鋳型10の導電層2は、電源33に接続されている。電源33の電圧によって、導電層2を通して電子が供給されることによって、導電層2から徐々に金属が析出する。析出した金属は、基板1の厚さ方向に成長する。
電鋳後に厚さをそろえる必要がある場合は、研削や研磨を行って電鋳部品20の厚さを調整する。
図1(c)で型空間5に電鋳法によって析出した電鋳部品20を基板1とレジスト3から剥離させる。電鋳部品20が析出した電鋳型10を加熱することで温度差を与え、レジスト3または電鋳部品20を膨張させる。レジスト3や電鋳部品20の膨張によって、レジスト3と電鋳部品20または導電層2との界面に応力がかかる。応力がかかる部位は場合によってはクラックが発生するなどして、剥離がされやすくなる。ここで、電鋳型10に与える温度差は、レジスト3に状態変化を起こして膨張させるために、45度以上であることが望ましい。また、レジスト3を効率よく膨張させるために、加熱後の温度がレジスト3のガラス転移点以下であることが望ましく、レジスト3にエポキシ系レジスト(化薬マイクロケム株式会社製SU-8シリーズ)を用いた場合250度以下であることが望ましい。電鋳部品20の酸化や、組成変化を防ぐ場合には、加熱後の温度は電鋳部品20の融点以下であることが望ましい。常温から膨張が最大になる250度の近傍まで加熱することを考慮すると、200度程度の温度差を与えるのが最も好ましい。
また、加熱することに代えて電鋳型10を冷却して温度差を与えるようにしてもよく、その場合レジスト3または電鋳部品20が収縮し、レジスト3と電鋳部品20または導電層2との界面に応力がかかる。応力がかかる部位は場合によってはクラックが発生するなどして、剥離がされやすくなる。電鋳型10を液体窒素で冷却する場合は、マイナス200度程度まで冷却される。従って冷却をする場合でも200度程度の温度差を与えることが好ましい。
電鋳型10に温度差を与えたときに、場合によっては図2(a)に示すように電鋳部品20とレジスト3が一体になったまま基板1から分離される。このような場合は剥離液(図示せず)に電鋳部品20とレジスト3を浸してもよい。剥離液に電鋳部品20とレジスト3が浸されると、レジスト3が膨潤し、図2(b)に示すように電鋳部品20から剥離される。このとき更に剥離液を加熱した場合、レジスト3の膨潤が促進されて、レジスト3の剥離が容易になる。また更に、超音波洗浄を行った場合、機械的な分離作用を加えることができるため、レジスト3の剥離が容易になる。
本実施例に拠れば、電鋳部品に損傷を与えない所定の温度以下で、電鋳部品が形成された電鋳型に温度差を与えることで、レジストを剥離しやすくし、場合によってはレジストにクラックを生じさせて剥離する。したがって電鋳部品を損傷させることなく、電鋳型に形成されたレジストを除去することができる。
<第2の実施形態>
図4は第2の実施形態に係る電鋳型と電鋳部品の製造方法を説明する図である。
図4(a)はレジスト3を用いた電鋳型11を示す図である。基板1の上面に導電層2が形成され、導電層2の上面に電鋳部品20を形成するための型空間5が設けられるとともに、導電層2のない基板1の上面に空洞部6a、6bが形成されている。空洞部6a、6bを設けることで、レジスト3と基板1が接する面積を低減させて接続強度を低減させている。また、空洞部6a、6bの形状はクラックが生じやすくなる形状にするのが望ましい。
図4(b)で型空間5に電鋳法によって電鋳部品20を析出させる。析出方法に関しては、図3で説明した方法と同様である。
図4(c)で型空間5に電鋳法によって析出した電鋳部品20を基板1とレジスト3から剥離させる。剥離方法は図1(c)で説明した方法と同様であるが、電鋳部品20を形成するための型空間5の近傍に、空洞部6a、6bを設けてレジスト3と基板1が接する面積を低減させているため、少ない応力でレジスト3を剥離することができる。場合によってはレジスト3の内周面からクラックを生じてレジスト3が剥離される。
図5は本願発明の第2の実施形態に係る電鋳型と電鋳部品を時計部品の歯車に適用した例を説明する図である。
図5(a)はその歯車としての電鋳部品20を示す図である。
図5(b)は図5(a)に示す電鋳部品20が形成された電鋳型12を、上面から見た図である。軸孔の部分に空洞部6が設けられている。
図5(c)は図5(b)のA−A’断面図である。基板1の上面に導電層2が形成され、導電層2の上方に型空間5と導電層2のない基板1の上方に空洞部6を有するレジスト3が形成されている。型空間5は導電層2の上方にあるため、型空間5には電鋳部品20が形成される。空洞部6は基板の上方にあるため、空洞部6には電鋳部品は形成されない。空洞部6を型空間5の近傍に形成し、クラックを生じさせやすくすることで、レジスト3を容易に剥離させることができる。
図6は図5に示す電鋳型12の製造方法を説明する図である。
図6(a)で基板1の上面にその中央部を除いて導電層2を形成する。図6(b)で基板1と導電層2の上面にレジスト3を形成する。図6(c)でフォトマスク40の上方からレジスト3を露光する。本実施例においてはレジスト3にネガ型の感光性材料を用いているため、電鋳型12として残す領域に紫外光が照射され、除去する領域に紫外光が照射されないように露光を行う。本実施例においてはネガ型の感光性材料を用いているが、材料はそれに限定されるものではなく、ポジ型の感光性材料を用いても構わない。
次に、現像を行って未露光領域を除去し、図6(d)に示す電鋳型12を得る。導電層2が形成されている領域の上方に、電鋳部品20を形成するための型空間5aが形成され、導電層2が形成されていない領域の上方に、クラックを入りやすくするための空洞部6が形成され、電鋳型12を得る。
図6(e)は更にこの電鋳型12を用いて型空間5内に電鋳部品20を形成した図である。電鋳法によって導電層2上に電鋳部品20が析出される。
図7は空洞部6のその他の例を示す図である。空洞部6の形状は、図5(c)に示した円形状以外にも図7(a)で示す三角形状や、図7(b)で示す四角形状、図7(c)で示す星型形状などの多角形の形状が挙げられる。このほかにも図8で示すように電鋳部品20を囲むようにして空洞部6bを形成しても良い。これらの図で示すように空洞部6が角部、特に鋭角を有するような形状であると、図9(a)のようにレジストが収縮した際に、矢印で示すように6bが広げられることにより、応力が角部6yに集中し、図9(b)のように角部6yからクラック6zが入る。
本実施例に拠れば、空洞部6、特に角部6yを有するような空洞部6を形成することで、応力を集中させ、クラックをより入りやすくさせることができる。そして、その場合に、角部6yを電鋳部品20に向けるように配置しておくことにより、電鋳部品20の周囲のレジストにクラックを生じさせ得て、効果的に剥離させることができる。
<第3の実施形態>
図10は本願発明の第3の実施形態に係る電鋳型を説明する図である。
図10(a)は電鋳型13に電鋳部品20が形成されたところを示す図である。基板1の上面に導電層2が設けられ、導電層2の上面に電鋳部品20を形成するための型空間5を有するレジスト3と、熱影響部4が形成されている。熱影響部4はレジスト3と異なる熱膨張率を有し、レジスト3と同素材を用いても良いし、異素材を用いても良い。レジスト3と同素材を用いる場合には、レジスト3と異なるレジスト材料を用いても良いし、化学増幅型レジストを用いる場合、同一のレジスト材料を用いて熱影響部4のPEB(ポストエクスポージャーベーク)工程と、レジスト3のPEB工程とで異なる温度を加え、それぞれの熱膨張率が異なるようにさせても良い。熱影響部4に異素材を用いる場合には、銅、ニッケル、スズなどの金属を用いる。
図11は図10(a)の電鋳型13に温度差を与えたときの状態を説明する図である。 図11(a)は電鋳型13を加熱したときの状態を示す。熱影響部4の熱膨張率がレジスト3の熱膨張率よりも大きい場合、電鋳型13を加熱すると熱影響部4のほうがより多く膨らみ、熱影響部4よりも熱膨張率が小さいレジスト3が押し上げられる。これによって、レジスト3と熱影響部4の界面、特に角の部分に応力が集中し、応力集中部8aからクラックが生じる。
図11(b)は電鋳型13を冷却したときの状態を示す。熱影響部4の熱膨張率がレジスト3の熱膨張率よりも大きい場合、電鋳型13を冷却することによって、熱影響部4のほうがより多く収縮し、熱影響部4よりも熱膨張率が小さいレジスト3が熱影響部4と共に基板側に押し下げられる。これによって、押し下げられたレジスト3の上面に応力が集中し、応力集中部8bからクラックが生じる。
電鋳型13に形成されたレジスト3と熱膨張率の異なる熱影響部4を形成すると、電鋳型13に与えられた温度差からそれぞれが異なる熱膨張や収縮を行い、レジスト3に応力集中部が形成され、クラックを入りやすくさせることができる。
図10(b)は、図10(a)の電鋳型13を複数個並べた電鋳型14を示す図である。
図10(c)に示す電鋳型15は、電鋳型13の変形例である。電鋳型13の構成に加えて、熱影響部4の上方に空洞部6a、6bを設けた。空洞部6a、6bはクラックの入りやすい形状が形成されている。このように異なる熱膨張率を有した材料からなる熱影響部4と空洞部6を併せて設けることで、更にクラックが入りやすくなる。
図12は図10(a)に示す電鋳型13の製造方法のうち、特に熱影響部に同素材を用いた電鋳型13aの製造方法を説明する図である。
図12(a)で基板1の上面に導電層2を形成する。基板1の材料はシリコン、ガラス、ステンレスなどから選択される。導電層2の材料は金、ニッケル、銅などから選択され、これらの金属の下地にアンカーメタルとしてクロムやチタンなどを形成しても良い。
図12(b)で導電層2の上面に後述する熱影響部4を形成するためのレジスト4aを形成する。
図12(c)でフォトマスク40aの上方からレジスト4aを露光する。本実施例においてはレジスト4aにネガ型の光感光性材料を用いている。従って、熱影響部4を形成する領域に紫外光が照射されるように露光を行う。本実施例においてはネガ型の感光性材料を用いているが、材料はそれに限定されるものではなく、ポジ型の感光性材料を用いても構わない。
次に、現像を行って未露光領域が除去し、図12(d)に示すように導電層2上に熱影響部4が形成される。
図12(e)で導電層2と熱影響部4の上面にレジスト3を形成する。
図12(f)でフォトマスク40bの上方からレジスト3を露光する。このとき、レジスト3の熱影響部4と接する面と反対の面が露光されるようにフォトマスク40bを配置するのが望ましい。
次に、現像を行って導電層2が形成されている領域の上方に、電鋳部品20を形成するための型空間5を形成し、図12(g)に示す電鋳型13aを得る。
図12(h)は更にこの電鋳型13aを用いて型空間5内に電鋳部品20を形成したところを示す図である。電鋳法によって導電層2上に電鋳物を析出させ、電鋳部品20を形成する。
図13は図10(a)に示す電鋳型13の製造方法のうち、特に熱影響部に金属を用いた電鋳型13bの製造方法を説明する図である。
図13(a)で基板1の上面に導電層2を形成する。基板1の材料はシリコン、ガラス、ステンレスなどから選択される。導電層2の材料は金、ニッケル、銅などから選択され、これらの金属の下地にアンカーメタルとしてクロムやチタンなどを形成しても良い。
図13(b)で導電層2の上面に後述する熱影響部4を形成するためのレジスト4aを形成する。
図13(c)でレジスト4aが形成されていない導電層2上に電鋳法によって金属を析出させ、熱影響部4を形成する。ここで、熱影響部4の材料は銅、ニッケルなどの金属から選択され、厚さは5〜100μm程度である。
次に、レジスト4aを除去し、図13(d)に示すように導電層2上に熱影響部4が残るようにする。
図13(e)で導電層2と熱影響部4の上面にレジスト3を形成する。
図13(f)でフォトマスク40bの上方からレジスト3を露光する。このとき、レジスト3の熱影響部4と接する面と反対の面が露光されるようにフォトマスク40bを配置する。
次に、現像を行って導電層2が形成されている領域の上方に、鋳部品20を形成するための型空間5を形成し、図13(g)に示す電鋳型13bを得る。このとき、型空間5は熱影響部4と離間して設けられている。
図13(h)は更にこの電鋳型13bを用いて型空間5内に電鋳部品20を形成したところを示す図である。電鋳法によって導電層2上に電鋳物を析出させ、電鋳部品20を形成する。
<第4の実施形態>
図14は本願発明の第4の実施形態に係る電鋳型を説明する図である。第3の実施形態の電鋳型に加えて、熱影響部4とレジスト3の間に剥離層7が設けられている。剥離層7の材料としては、金や銀などの金属、二酸化珪素、窒化珪素などの誘電体が使用される。
図14(a)の電鋳型16は基板1の上面に導電層2が設けられ、導電層2の上面に電鋳部品20が形成された型空間5を有するレジスト3と、熱影響部4が形成され、熱影響部4の表面には剥離層7が形成されている。
図14(b)の電鋳型17は図14(a)の変形例であり、熱影響部4の上面に設けられた剥離層7の上方に空洞部6を設けている。
図14(c)の電鋳型18は図14(a)の変形例であり、熱影響部4の上面にだけ剥離層7が形成されている。
図14(d)の電鋳型19は図14(b)の変形例であり、熱影響部4の上面にだけ剥離層7が形成されている。
レジスト3と熱影響部4の間に剥離層を形成することで、レジスト同士をより剥離させやすくすることができる。
本実施例の電鋳型16〜17を製造する方法は、実施の形態4の図12または図13で説明した(d)の工程と(e)の工程の間に熱影響部4の上面もしくは表面に剥離層7を形成する工程を加えればよく、他の工程は同様である。
第1の実施形態に係る電鋳型と電鋳部品の製造方法を説明する図。 電鋳部品とレジストが一体になったまま基板から分離された図。 電鋳部品20を析出させる装置の図。 第2の実施形態に係る電鋳型と電鋳部品の製造方法を説明する図。 第2の実施形態の変形例を説明する図。 電鋳型12の製造方法を説明する図。 空洞部6の例を説明する図。 空洞部6の例を説明する図。 クラックの入り方を説明する図。 第3の実施形態に係る電鋳型とその製造方法を説明する図。 電鋳型に温度差を与えたときの状態を説明する図。 電鋳型の製造方法を説明する図。 電鋳型の製造方法を説明する図。 第4の実施形態に係る電鋳型を説明する図。 従来の電鋳部品の製造方法を説明する図。
符号の説明
1 基板
2 導電層
3 レジスト
4 熱影響部
4a レジスト
5、6、6a、6b 空洞部
6y 角部
6z クラック
7 剥離層
8a、8b 応力集中部
10〜19 電鋳型
20 電鋳部品
40、40a、40b フォトマスク

Claims (7)

  1. 一部に導電層を有する基板と、該基板の導電層上に型空間を形成してなるレジスト層とを有する電鋳型に電鋳部品を形成した後、前記電鋳型から前記電鋳部品を分離する電鋳部品の製造方法において、
    前記電鋳部品が形成された前記電鋳型を電鋳時に付与される温度以上レジストのガラス転移点以下に加熱することにより前記電鋳型に電鋳時と加熱直後との間で温度差を付与する温度差付与工程と、
    前記温度差付与工程の後に前記電鋳部品を前記電鋳型から分離する電鋳部品分離工程と、を有する電鋳部品の製造方法。
  2. 前記温度差付与工程は、温度差の付与を複数回繰り返す請求項1に記載の電鋳部品の製造方法。
  3. 前記温度差付与工程より前に、前記電鋳型のレジスト層に温度付与工程によって熱応力が集中する応力集中部を形成しておく請求項1に記載の電鋳部品の製造方法。
  4. 一部に導電層を有する基板と、該基板の前記導電層上に型空間を形成してなるレジスト層とを有し、該型空間に電鋳部品を形成するための電鋳型であって、
    前記レジスト層に温度差が付与されることによって熱応力が集中する応力集中部が形成され、
    前記レジスト層に、該レジスト層とは熱膨張係数の異なる熱影響部を設けてなり、前記応力集中部は前記レジスト層と前記熱影響部との界面である電鋳型。
  5. 一部に導電層を有する基板と、該基板の前記導電層上に型空間を形成してなるレジスト層とを有し、該型空間に電鋳部品を形成するための電鋳型であって、
    前記レジスト層に温度差が付与されることによって熱応力が集中する応力集中部が形成され、
    前記レジスト層における前記導電層を避けた位置に、内周面の一部に角部が設けられた空洞部が形成されてなり、前記応力集中部は前記角部である電鋳型。
  6. 前記角部が前記型空間に向けられている請求項5に記載の電鋳型。
  7. 一部に導電層を有する基板と、該基板の前記導電層上に型空間を形成してなるレジスト層とを有し、該型空間に電鋳部品を形成するための電鋳型であって、
    前記レジスト層に温度差が付与されることによって熱応力が集中する応力集中部が形成され、
    前記レジスト層における前記導電層を避けた位置に、前記レジスト層と前記導電層または前記基板の接する面積を低減させるための空洞部が形成されている電鋳型。
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