JP6790406B2 - 付着物除去装置 - Google Patents

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Description

本発明は、カメラのレンズ等の透明な部材に付着した水滴や汚れ等の付着物を除去する付着物除去装置に関する。
一般に、被写体を撮像するカメラとして監視カメラや内視鏡が知られている。この種の監視カメラは、屋外等の風雨や埃に曝される環境に設置される場合が多く、監視カメラのレンズ(カメラの先端に設けられた透明な部材)に水滴や汚れ等の付着物が付着すると良好な撮像画像を得られなくなる。また、この種の内視鏡においても、生物の体内や機械の内部領域に進入させた際に、内視鏡のレンズに液体や汚れ等の付着物が付着して良好な撮像画像を得られなくなることがある。
このため、従来、内視鏡の挿入部先端に組み込まれているレンズに付着した付着物を除去するために、レンズに向けて液体を噴射する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−58632号公報
しかしながら、従来の技術では、液体を所定の圧力により噴射させるためのポンプ(圧縮装置)や液体を貯留するためのタンク(貯留部)を要するため、除去装置の機器構成が煩雑化する問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡素な構成でカメラの先端に設けられた部材に付着した付着物を除去できる付着物除去装置を提案することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る付着物除去装置は、被写体を撮像する内視鏡カメラに取り付けられ、内視鏡カメラの先端に設けられた部材に向けて衝撃波を噴出する複数の噴出部と、噴出部から噴出される衝撃波を発生する衝撃波発生部と、噴出部から噴出される衝撃波の噴出を制御する噴出制御部と、内視鏡カメラの先端に取り付けられ、かつ、部材に対向して形成された開口部の周囲に複数の噴出部を保持するキャップ部と、複数の噴出部とキャップ部内で接続する複数の衝撃波噴射管と、衝撃波発生部と接続し、複数の衝撃波噴出管とキャップ部内で接続する衝撃波伝送管と、を備え、キャップ部は、噴出部を保持する保持部と、先端部の外周面に対向して先端部に篏合する嵌合部と、を備え、嵌合部は、保持部よりも剛性の低い材料で形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、透明な部材に付着した付着物を衝撃波により除去もしくは微細粒化することが可能となる。このため、加圧された液体を用いて付着物を除去する構成に比べて装置構成が簡素化し、装置の小型化を実現できる。
図1は、実施形態1に係る付着物除去装置が装着された内視鏡の外観を示す斜視図である。 図2は、付着物除去装置のキャップ部を内視鏡のヘッド部から取り外した状態を示す分解斜視図である。 図3は、付着物除去装置のキャップ部の内部透視斜視図である。 図4は、付着物除去装置のキャップ部の軸方向断面図である。 図5は、実施形態2に係る付着物除去装置が装着された監視カメラの外観を示す斜視図である。 図6は、付着物除去装置を監視カメラから取り外した状態を示す分解斜視図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下の実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る付着物除去装置が装着された内視鏡の外観を示す斜視図である。図2は、付着物除去装置のキャップ部を内視鏡のヘッド部から取り外した状態を示す分解斜視図である。図3は、付着物除去装置のキャップ部の内部透視斜視図である。図4は、付着物除去装置のキャップ部の軸方向断面図である。実施形態1に係る付着物除去装置1は、内視鏡(カメラ)2に装着されて内視鏡2の透明窓(カメラの先端に設けられた部材)24に付着する水滴、埃、汚れ等の付着物を衝撃波により除去または微細粒化する。なお、衝撃波は、急激な圧力上昇を伴って、音速または音速に近い速度で空気中を伝播する波である。
内視鏡2は、図1に示すように、軸方向に長尺な管状に形成された内視鏡挿入部20と、この内視鏡挿入部20の各種操作及び制御を行う内視鏡コントロールユニット30とを備える。内視鏡挿入部20は、被検査部の内部領域(不図示)に挿入されるヘッド部(先端部)21と、このヘッド部21に連結され、該ヘッド部21の向きを変更自在に湾曲する湾曲部22と、この湾曲部22に連結される長尺の可撓管部23とを備える。被検査部としては、例えば、配管、エンジンまたはタービン等の産業機械や、人間を含む生物の口腔部等が対象となる。
ヘッド部21は、樹脂や金属等のある程度の硬性を有する材料で直径3〜8mm程度に形成される。ヘッド部21は、先端に設けられた透明窓24と、この透明窓24に対向して内部に収容される撮像部25(図2)とを備える。透明窓24は、例えばアクリルやガラスで形成されている。撮像部25は、挿入された内部領域で被写体の画像を撮像する。撮像する画像は静止画であっても動画であってもよい。なお、ヘッド部21は、撮像部25の前方、つまり撮像部25と透明窓24との間に、光を集束するレンズ26(図2)が備えてある。また、ヘッド部21は、その内部に透明窓24へ対向する少なくとも1つの照明部(不図示)を備えてもよく、透明窓24の外周部に照明部を備えてもよい。また、透明窓24は必ずしも必要とせず、透明窓24の位置に、透明カバーに代えてレンズを備える構成であってもよい。透明窓24及びレンズはともに、透明な部材である。
湾曲部22は、例えば、多数の関節コマを順次連結して構成され、先端側の関節コマには複数のワイヤ(不図示)が所定角度間隔で固定されている。これら所定角度間隔に配置されたワイヤを適宜引張ることにより、このワイヤに相当する所定方向に湾曲させることができる。本実施形態では、湾曲部22は、ヘッド部21を360°いずれの方向にも湾曲させることができる。また、湾曲させる際の角度は90°以上となっている。
可撓管部23は、可撓性を有する中空筒状体であり、内部にはヘッド部21の撮像部25に接続される信号線や電源線、湾曲部22の関節コマに接続される複数のワイヤ等が収容される。
内視鏡コントロールユニット30は、図1に示すように、操作部31、制御部32、画像表示部33、記憶部34及び電源部35を備える。操作部31は、内視鏡挿入部20の動作の各種操作を行う機能を有し、例えば、ジョイスティックや操作スイッチ等の物理的な操作部やタッチパネル等の電子的な操作部を備えて構成される。実施形態1では、撮像部25に被写体を撮像させる操作や、内視鏡挿入部20の湾曲部22を所定方向に湾曲させる操作等を行う。
制御部32は、内視鏡コントロールユニット30の全体の動作を制御するものであり、操作部31の操作に基づき、各種動作を制御する。制御部32は、撮像部25が撮像した画像情報等に基づき、画像表示部33に表示される表示内容を制御する。また、撮像部25が撮像した画像情報を記憶部34に記憶する動作等を制御する。画像表示部33は、各種情報を表示する表示機能を有し、撮像部25が撮像した画像情報等を表示する。
記憶部34は、制御部32の制御下、各種情報を記憶するものであり、撮像部25が撮像した画像情報を記憶する。実施形態1では、操作部31の操作に基づき、撮像された画像情報と撮像された日時情報とを記憶する。記憶部34は、例えばハードディスクやメモリーである。
電源部35は、内視鏡2を駆動させる電源を供給するものであり、乾電池や充電池を備えて構成される。この構成によれば、商用電源等から駆動用の電源を供給する必要がなくなるため、内視鏡2(内視鏡挿入部20及び内視鏡コントロールユニット30)を自由に持ち運びでき、携帯性が格段に向上する。
一方、付着物除去装置1は、内視鏡挿入部20に装着される除去装置本体40と、この除去装置本体40の各種操作及び制御を行う除去装置コントロールユニット50とを備える。実施形態1では、除去装置コントロールユニット50は、上記した内視鏡コントロールユニット30に隣接して配置され、かつ、内視鏡コントロールユニット30の電源部35から駆動用の電源を供給可能となっている。この構成によれば、付着物除去装置1を既存の内視鏡2に後から取り付けた場合、付着物除去装置1の駆動用電源を内視鏡2と共用することができ、除去装置コントロールユニット50の重量を軽減できる。一般に、工業用の内視鏡は、配管、エンジンまたはタービン等の産業機械(被検査部)が設置された現場に内視鏡を持ち込んで内部領域の観察を行うため携帯性が要求される。実施形態1では、除去装置コントロールユニット50の駆動電源を内視鏡コントロールユニット30と共用化したため、重要の軽減化及び携帯性の向上を図ることができる。この構成は工業用の内視鏡の分野で特に有効である。
除去装置コントロールユニット50は、操作部51、衝撃波発生部52及び噴出制御部53を備える。操作部51は、除去装置本体40を操作するものであり、例えば、操作スイッチを含む。実施形態1では、操作部51を操作することにより、衝撃波発生部52が駆動して衝撃波を発生させる。
衝撃波発生部52は、噴出制御部53の制御の下、衝撃波を発生させる。衝撃波発生部52は、図示はしないが、ラックギア付きのピストンとシリンダ、スプリング、間欠ギア、伝達ギア群、電動モータ等を備えて構成されている。衝撃波発生部52は、シリンダ内のピストンを圧縮バネの解放力により瞬間的にスライドさせることにより、シリンダ内の空気を急激に圧縮する。圧縮された空気は、シリンダ出口から衝撃波噴出口52a(衝撃波発生部の出口)に向かって瞬間的に膨張して衝撃波が発生し衝撃波噴出口52aから噴出される。衝撃波噴出口52aは、内部流路54を介して、後述する除去装置本体40の衝撃波伝送管43の一端に接続されている。このため、発生した衝撃波が除去装置本体40に伝送される。衝撃波発生部52は、ピストンを1回スライドさせることでひとつの衝撃波を発生する。衝撃波発生部52は、電動モータと間欠ギアにより繰り返しシリンダをスライドさせることで一秒間に10回程度の衝撃波を発生させることができる。
噴出制御部53は、衝撃波発生部52の動作を制御する。具体的には、操作部51の操作に基づき、予め設定された所定時間、衝撃波発生部52の電動モータを駆動させてシリンダを繰り返しスライドさせることで、所定回数の衝撃波を発生させる。
除去装置本体40は、図1に示すように、キャップ部41、噴出ノズル42(噴出部)、衝撃波伝送管43及びクリップ44を備える。なお、噴出ノズル42は、図1に示すように、3つの噴出ノズル42(42a,42b,42c)を備えているが、上記個数に限定されるものではない。
キャップ部41は、図2に示すように、内視鏡挿入部20のヘッド部21の外周面21aを覆うように装着される筒状体である。キャップ部41は、ヘッド部21の透明窓24と対向する開口部41aを備え、この開口部41aを通じて、透明窓24が露出する。またキャップ部41は、側面部にねじ孔41bを備え、このねじ孔41bにはセットスクリュー(不図示)が取り付けられる。このセットスクリューは、内視鏡挿入部20のヘッド部21に装着されたキャップ部41を固定するためのねじ部材である。
キャップ部41には衝撃波伝送管43が接続される。この衝撃波伝送管43は、例えば、PVC(ポリ塩化ビニル)等の弾性及び可撓性に優れた部材で形成され、内視鏡挿入部20の動作に追従して湾曲する。衝撃波伝送管43は、図3に示すように、衝撃波噴射管45(45a,45b,45c)を介して、噴出ノズル42(42a,42b,42c)に接続される。噴出ノズル42及び衝撃波噴射管45は、キャップ部41に保持されてキャップ部41と一体に形成されている。噴出ノズル42a,42b,42cは、それぞれキャップ部41の開口部41a(透明窓24)の外周部に、所定角度間隔(例えば120°)に配置され、衝撃波発生部52で生成された衝撃波を透明窓24に向けて噴射する。噴出ノズル42の各噴出口42a1,42b1,42c1は、撮像部25及びレンズによって定まる視野角(画角)の外側に位置し、それぞれ透明窓24の中央部に向けて形成されている。この構成によれば、キャップ部41を内視鏡挿入部20のヘッド部21に装着するだけで、キャップ部41に保持された噴出ノズル42の各噴出口42a1,42b1,42c1がヘッド部21の透明窓24に向けられる。このため、個別に調整することなく、容易にキャップ部41をヘッド部21に装着できる。
噴出ノズル42は、衝撃波が透明窓24に向けて直接噴射するため、透明窓24の表面に付着した水滴や汚れ等の付着物は、衝撃波のエネルギーにより吹き飛ばされて除去される。また、水滴は衝撃波のエネルギーで粉砕されて微細粒化される。このため、良好な撮像画像を得ることができる。
クリップ44は、図1に示すように、衝撃波伝送管43を内視鏡挿入部20に支持させるための治具であり、所定間隔(例えば10〜20cm)おきに複数設けられている。クリップ44は、図2に示すように、衝撃波伝送管43を保持する保持部44aと、この保持部44aに連なり、内視鏡挿入部20の外周部に沿って延びる一対の固定片44b,44bとを備える。固定片44bは、金属や樹脂からなるばね材で形成されている。内視鏡挿入部20にクリップ44を取り付ける場合、クリップ44の固定片44b,44bは、弾性変形して該固定片44b,44b間を内視鏡挿入部20が通過する。内視鏡挿入部20が固定片44b,44b間を通過すると、固定片44b,44bは元の形状に戻って、内視鏡挿入部20の外周部に密接する。
次に、キャップ部41の内部構造について説明する。キャップ部41は、図4に示すように、噴出ノズル42及び衝撃波噴射管45を保持する保持部46と、ヘッド部21の外周面21aに対向してヘッド部21に篏合する嵌合部47とを備える。嵌合部47は、保持部46の内側に筒状に設けられている。本構成では、嵌合部47は、保持部46よりも剛性の低い材料で形成されている。具体的には、保持部46には、例えば、ポリアセタール樹脂やポリカABS樹脂が用いられる。また、嵌合部47には、硬度が30〜60度であるシリコンゴムが用いられる。保持部46は、ある程度の硬度を有するため、噴出ノズル42の位置が大きく変動することを防止でき、衝撃波を確実に透明窓24に噴射できる。また、嵌合部47は、保持部46よりも柔らかいため、キャップ部41をヘッド部21に装着した際に、嵌合部47の内周面47aは、ヘッド部21の形状に合わせて容易に変形する。このため、キャップ部41を容易にヘッド部21に装着することができる。また、ヘッド部21の形状が異なっていても、その差異を嵌合部47が吸収できるため、多様な内視鏡2に装着することができ、汎用性を高めることができる。
このように、実施形態1に係る付着物除去装置1は、被写体を撮像する内視鏡挿入部20に取り付けられ、内視鏡挿入部20の透明窓24に向けて衝撃波を噴出する噴出ノズル42と、噴出ノズル42から噴出される衝撃波を発生する衝撃波発生部52と、噴出ノズル42から噴出される衝撃波の噴出を制御する噴出制御部53と、を備えるため、透明窓24に付着した付着物を衝撃波により除去もしくは微細粒化することが可能となる。また、実施形態1では、衝撃波発生部52によって発生した衝撃波を用いて付着物を除去しているため。例えば、ポンプやエアコンプレッサ等の装置により加圧された流体を用いて付着物を除去する構成に比べて装置構成が簡素化し、付着物除去装置1の小型化を実現できる。
また、実施形態1に係る付着物除去装置1は、噴出ノズル42を一体的に保持するキャップ部41を備え、このキャップ部41が内視鏡挿入部20のヘッド部21に着脱自在に取り付けられるため、既存の内視鏡に容易に噴出ノズル42を取り付けることができる。また、キャップ部が噴出ノズル42を保持しているため、該キャップ部41を内視鏡挿入部20のヘッド部21に装着するだけで、キャップ部41に保持された噴出ノズル42をヘッド部21の透明窓24に向けることができる。このため、個別に調整することなく、容易にキャップ部41をヘッド部21に装着できる。また、キャップ部41を取り外すことにより、内視鏡挿入部20全体やヘッド部21を容易に洗浄することができる。
また、実施形態1では、キャップ部41は、噴出ノズル42を保持する保持部46と、ヘッド部21の外周面21aに対向して該ヘッド部21に篏合する嵌合部47と、を備え、嵌合部47は、保持部46よりも剛性の低い材料で形成されている。この構成によれば、キャップ部41をヘッド部21に装着した際に、嵌合部47の内周面47aは、ヘッド部21の形状に合わせて容易に変形する。このため、キャップ部41を容易にヘッド部21に装着することができる。また、ヘッド部21の形状が異なっていても、その差異を嵌合部47が吸収できるため、多様な内視鏡2に装着することができ、汎用性を高めることができる。
[実施形態2]
次に、実施形態2に係る付着物除去装置4について説明する。図5は、実施形態2に係る付着物除去装置が装着された監視カメラの外観を示す斜視図である。図6は、付着物除去装置を監視カメラから取り外した状態を示す分解斜視図である。実施形態2に係る付着物除去装置4は、監視カメラ(カメラ)3に装着されて監視カメラ3のレンズ(カメラの先端に設けられた部材)62に付着する水滴、埃、汚れ等の付着物を衝撃波により除去または微細粒化する。これにより、監視カメラ3が取得する画像の画質を良好にする。
監視カメラ3は、図5に示すように、円柱状に形成されたカメラ本体60と、このカメラ本体60の各種操作及び制御を行う監視カメラコントロールユニット70とを備える。実施形態2に係る監視カメラ3は、いわゆる遠赤外線監視カメラである。遠赤外線カメラは、熱線としての性質をもつ遠赤外線を検出して撮像しているため、照明がなく、暗い場所であっても、人物などの熱源体を検出し可視化することができる。このため、夜間における監視用途に用いられている。
カメラ本体60は、円筒状のケース体61と、このケース体61の先端に組み込まれたレンズ62と、このレンズ62に対向してケース体61内に収容される撮像部63(図6)とを備える。レンズ62は、遠赤外領域の波長(8〜14μm)の光を透過する材料(例えばゲルマニウム)で形成される。撮像部63は、レンズ62を介して入力される遠赤外領域の光を受光して被写体の画像を撮像する。撮像する画像は静止画であっても動画であってもよい。また、カメラ本体60は、ケース体61の周囲に取り付けられたブラケット64を備える。このブラケット64を用いて、カメラ本体60は、所望の設置場所に設置される。
監視カメラコントロールユニット70は、図5に示すように、操作部31、制御部32、画像表示部33、記憶部34、通信部(受信部)71及び付着判定部72を備える。操作部31は、カメラ本体60の動作の各種操作を行う機能を有し、例えば、ジョイスティックや操作スイッチ等の物理的な操作部やタッチパネル等の電子的な操作部を備えて構成される。実施形態2では、撮像部63に被写体を撮像させる操作を行う。
制御部32は、監視カメラコントロールユニット70の全体の動作を制御するものであり、操作部31の操作に基づき、各種動作を制御する。制御部32は、撮像部63が撮像した画像情報等に基づき、画像表示部33に表示される表示内容を制御する。また、撮像部63が撮像した画像情報を記憶部34に記憶する動作等を制御する。画像表示部33は、各種情報を表示する表示機能を有し、撮像部63が撮像した画像情報等を表示する。
記憶部34は、制御部32の制御下、各種情報を記憶するものであり、撮像部63が撮像した画像情報を記憶する。実施形態2では、操作部31の操作に基づき、撮像された画像情報と撮像された日時情報とを記憶する。また、記憶部34は、レンズ62に付着物が付着していない状態における被写体(監視対象エリア)の画像である基準画像情報を記憶している。記憶部34は、例えばハードディスクやメモリーである。
この実施形態2では、監視カメラ3は所定の場所に設置され、監視カメラコントロールユニット70は、例えば、ビル管理室などに設置される。このため、実施形態1とは異なり、携帯性が重要視される機会は少なく、駆動用の電源は商用電源から供給される。
通信部71は、付着物除去装置4が備える除去装置コントロールユニット90の通信部91(後述する)と通信するものであり、この実施形態2では、直接、通信部91に接続されている。なお、通信部同士を直接接続するだけでなく、ネットワーク(不図示)を介して接続してもよい。
付着判定部72は、制御部32の制御下、レンズ62に付着物が付着しているか否か定期的に判定する。具体的には、定期的に被写体(監視対象エリア)を撮像し、この画像情報と記憶部34に記憶した基準画像情報とを画像処理によりマッチング等の手法で比較する。この比較により、撮像した画像情報と基準画像情報との差分が所定の閾値を超えた場合、レンズ62に付着物が付着したと判定する。この判定処理は、所定時間(例えば、1分間)に一度行われる。付着物が付着していると判定した場合、制御部32は、通信部71,91を介して、除去装置コントロールユニット90にその旨(情報)を通知する。なお、レンズ62への付着物の有無は、付着判定部72ではなく、管理作業員が定期的に行ってもよい。
付着物除去装置4は、カメラ本体60に装着される除去装置本体80と、この除去装置本体80の各種操作及び制御を行う除去装置コントロールユニット90とを備える。実施形態2では、除去装置コントロールユニット90は、上記した監視カメラコントロールユニット70と共に、ビル管理室に設置されている。除去装置コントロールユニット90は、噴出制御部53及び通信部91を備える。通信部91は、監視カメラコントロールユニット70の通信部71と各種情報の通信を行う。噴出制御部53は、上記した実施形態1と同様の構成であり、衝撃波発生部52の動作を制御する。この実施形態2では、監視カメラコントロールユニット70からレンズ62に付着物が付着している旨の情報を受信すると、衝撃波発生部52の電動モータを駆動させてシリンダを繰り返しスライドさせることで、所定回数の衝撃波を発生させる。
除去装置本体80は、カメラ本体60のブラケット64に装着されるケーシング81を備える。このケーシング81は、例えば、ねじなどの固着手段によって、ブラケット64に装着される。ケーシング81内には、衝撃波発生部52と選択部84が収容されている。また、ケーシング81には、3本の衝撃波噴射管82(82a,82b,82c)が接続され、衝撃波噴射管82の先端には、それぞれ噴出ノズル(噴出部)83(83a,83b,83c)が接続される。衝撃波噴射管82及び噴出ノズル83は、剛性が高く腐食性が低い金属材料(例えばステンレススチール)により形成される。噴出ノズル83a,83b,83cは、それぞれカメラ本体60のレンズ62の外周部に、所定角度間隔(例えば120°)に配置され、衝撃波発生部52で生成された衝撃波をレンズ62に向けて噴射する。噴出ノズル83の各噴出口83a1,83b1,83c1は、撮像部63及びレンズ62によって定まる視野角(画角)の外側に位置し、それぞれレンズ62の中央部に向けて形成されている。この構成によれば、ケーシング81をカメラ本体60のブラケット64に取り付けるだけで、ケーシング81に接続された噴出ノズル83の各噴出口83a1,83b1,83c1をレンズ62に向けることができる。このため、噴出ノズル83を個別に調整することなく、容易に除去装置本体80をカメラ本体60に取り付けることができる。
この構成では、噴出制御部53は、レンズ62に付着物が付着している情報を受信すると、衝撃波を噴出ノズル83からレンズ62に向けて噴射するため、レンズ62の表面に付着した水滴や汚れ等の付着物は、衝撃波のエネルギーにより吹き飛ばされて除去される。また、水滴は衝撃波のエネルギーで粉砕されて微細粒化される。これにより、常時、良好な撮像画像を得ることができる。
衝撃波発生部52は、実施形態1と同様な構成のため、説明を省略する。衝撃波発生部52の出口は、選択部84を介して、衝撃波噴射管82に接続される。選択部84は、衝撃波発生部52の出口を、3本の衝撃波噴射管82(82a,82b,82c)のいずれかと連通する機能を有する。カメラ本体60のレンズ62は、内視鏡挿入部20の透明窓24に比べて大きいため、3方向に分散させて衝撃波を噴射するよりも、1方向から順次衝撃波を噴射する方が効率的に付着物を除去できることもある。このため、監視カメラ3では、除去装置本体80に選択部84を設けて、3つの噴出ノズル83の1つから順次、衝撃波を噴射する構成としている。なお、除去装置本体80が選択部84を備えずに、3つの噴出ノズル83から衝撃波を噴射してもよい。
このように、実施形態2に係る付着物除去装置4は、遠赤外線領域の波長を透過するレンズ62を通じて被写体を撮像するカメラ本体60に取り付けられ、カメラ本体60のレンズ62に向けて衝撃波を噴出する噴出ノズル83と、噴出ノズル83から噴出される衝撃波を発生する衝撃波発生部52と、噴出ノズル83から噴出される衝撃波の噴出を制御する噴出制御部53と、を備えるため、レンズ62に付着した付着物を衝撃波により除去もしくは微細粒化することが可能となる。また、実施形態2では、衝撃波発生部52によって発生した衝撃波を用いて付着物を除去しているため、例えば、ポンプやエアコンプレッサ等の装置により加圧された流体を用いて付着物を除去する構成に比べて装置構成が簡素化し、付着物除去装置4の小型化を実現できる。
また、カメラ本体60がCCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどを備えた可視光カメラであれば、撮像できるように透明な窓を備えたハウジングに収納することで、レンズに付着物が付着させないことも可能であるが、遠赤外線カメラの場合は、赤外線を透過できるように特殊な部材を用いた透明な窓が必要となる。本構成によれば、そのようなハウジング内への収納を行うことなく、コストの低減や構成の簡略化を実現できる。
また、実施形態2に係る付着物除去装置4は、遠赤外線領域の波長の光を透過するレンズに付着物が付着した情報を受信する通信部91を備え、この通信部91が上記情報を受信した場合、噴出制御部53は、レンズ62に向けて噴出ノズル83から衝撃波を噴出させるため、監視カメラ3のレンズ62を常に付着物のない正常な状態に保つことができ、良好な撮像画像を得ることができる。
1、4 付着物除去装置
2 内視鏡(カメラ)
3 監視カメラ(カメラ)
20 内視鏡挿入部
21 ヘッド部(先端部)
21a 外周面
24 透明窓(カメラの先端に設けられた部材)
25 撮像部
26 レンズ
41 キャップ部
42、42a、42b、42c 噴出ノズル(噴出部)
43 衝撃波伝送管
46 保持部
47 嵌合部
52 衝撃波発生部
53 噴出制御部
60 カメラ本体
62 レンズ(カメラの先端に設けられた部材)
63 撮像部
71 通信部(受信部)
72 付着判定部
83、83a、83b、83c 噴出ノズル(噴出部)

Claims (2)

  1. 被写体を撮像する内視鏡カメラに取り付けられ、前記内視鏡カメラの先端に設けられた部材に向けて衝撃波を噴出する複数の噴出部と、
    前記噴出部から噴出される前記衝撃波を発生する衝撃波発生部と、
    前記噴出部から噴出される前記衝撃波の噴出を制御する噴出制御部と、
    前記内視鏡カメラの先端に取り付けられ、かつ、前記部材に対向して形成された開口部の周囲に前記複数の噴出部を保持するキャップ部と、
    前記複数の噴出部と前記キャップ部内で接続する複数の衝撃波噴射管と、
    前記衝撃波発生部と接続し、前記複数の衝撃波噴出管と前記キャップ部内で接続する衝撃波伝送管と、
    を備え
    前記キャップ部は、前記噴出部を保持する保持部と、前記先端部の外周面に対向して前記先端部に篏合する嵌合部と、を備え、前記嵌合部は、前記保持部よりも剛性の低い材料で形成されていることを特徴とする付着物除去装置。
  2. 前記キャップ部は、前記内視鏡カメラから着脱することが可能であることを特徴とする請求項1に記載の付着物除去装置。
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