以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように内視鏡システム1は、内視鏡本体2と、内視鏡3と、内視鏡用ガイドチューブ(以下、ガイドチューブと略記する)4とを備えて構成されている。
内視鏡本体2は、携行自在である。内視鏡3は、内視鏡本体2に接続される。ガイドチューブ4は、挿入部挿通孔(後述する符号31参照)を備えている。挿入部挿通孔31には、内視鏡3の内視鏡挿入部(図中符号10参照)が挿通される。
内視鏡本体2は、略箱型の外装筐体5を有する。外装筐体5の前面には、内視鏡画像及び操作メニュー等を表示する液晶パネル(LCD)等の表示部6が配設されている。表示部6を挟んだ外装筐体5の左右側面には、左右一対をなす携行用アーム7の一端側がそれぞれ回動自在に接続されている。これら携行用アーム7の他端側にはハンドル部8の他端が互いに連結されている。
本実施形態において、外装筐体5の内部には、画像処理用のCPU、流体制御用のCPU、各種電気部品、電源部であるバッテリユニット等(何れも図示せず)が内蔵されている。
内視鏡3は、主に内視鏡挿入部10と、操作部11とを備えて構成されている。内視鏡3の操作部11と内視鏡本体2とはユニバーサルケーブル12によって接続されている。本実施形態において、ユニバーサルケーブル12は、操作部11から延出している。
内視鏡挿入部10は、先端側から順に先端部15、湾曲部16、及び可撓管部17を備えて構成されている。湾曲部16は、先端部15の基端側に配設され、上下の二方向、或いは、上下左右の四方向に湾曲自在に構成されている。可撓管部17は、湾曲部16の基端側に配設され、操作部11の先端側に接続されている。本実施形態において、内視鏡挿入部10は、予め定めた湾曲硬度(弾発性或いは可撓性ともいう)に設定されて、予め定めた可撓性を備えている。
内視鏡挿入部10の先端面3fには、撮像窓18、および、照明窓19が設けられている。撮像窓18は、中央に1つ設けられており、観察光学部の観察光学系を構成する。照明窓19は、例えば撮像窓18の周囲に複数配列して設けられており、観察光学部の照明光学系を構成する。
照明窓19の基端面側にはLED等の発光素子(不図示)が配置されている。発光素子から発する照明光は、照明窓19を通過して外部に出射される。
一方、観察光学系は、対物光学系と撮像光学系とを備える。対物光学系は、撮像窓18、複数の光学レンズ(不図示)及びレンズ枠(不図示)等を備えて構成されている。撮像光学系は、固体撮像素子(不図示)及び撮像枠(不図示)等を備えて構成されている。
なお、固体撮像素子としては、CCD、或いはCMOSセンサー等である。
操作部11は、把持部21を備え、把持部21近傍には湾曲部16を湾曲操作するための湾曲操作装置として例えば操作棒22が設けられている。湾曲部16は、操作棒22の傾倒方向及び傾倒角度の変化に対応して湾曲方向及び湾曲角度が変化する構成になっている。
また、把持部21には、各種スイッチ23、24、…が設けられている。本実施形態において、第1スイッチ23は、例えば内視鏡用スイッチであり、第2スイッチ24は例えば流体用スイッチである。
ガイドチューブ4は、チューブ本体30と、チューブ先端構成部40と、管状のフレキシブルガイド50と、チューブ本体固定部60と、を備えて主に構成されている。ガイドチューブ4のチューブ本体固定部60と内視鏡本体2とは、接続ケーブル4cによって接続されるようになっている。
本実施形態において、チューブ本体30は、予め定めた弾発性を有する例えばウレタン製のマルチルーメンチューブであって、外形形状が円形で複数の軸方向貫通孔を備えている。具体的に、チューブ本体30は、複数の軸方向貫通孔として、図2に示す挿入部挿通孔31、流体孔32、及び照明孔33を備えている。孔31、32、33の断面形状は円形である。
また、チューブ本体30は、予め定めた曲率(1/r)を保持するように構成された曲がり部34を有している。本実施形態において、曲がり部34は、ガイドチューブ4の先端面であるチューブ先端構成部先端面(以下、先端面と記載する)4fから予め定めた距離離間した位置から予め定めた長さ範囲を上記曲率で形作った曲がり癖部である。図1、図2の符号O1は曲率中心である。
挿入部挿通孔31は、チューブ本体30の先端面中央に開口を有する。挿入部挿通孔31には、内視鏡挿入部10が挿通される。挿入部挿通孔31の内径と内視鏡挿入部10の外径との間には予め定めた隙間が設定されている。
流体孔32は、流体供給路であって、挿入部挿通孔31の外周側の予め定めた位置に1つ形成されている。具体的に、流体孔32は、曲がり部34の曲率中心側に設けられている。本実施形態において、流体孔32には、例えば空気が供給される。
照明孔33は、挿入部挿通孔31の外周側に、少なくとも1つ設けられる。具体的に、照明孔33は、挿入部挿通孔31の中心軸を挟んで、流体孔32に対向する位置に形成されている。
一方、複数の照明孔を備える場合には、上述の照明孔33に加えて、該照明孔33と流体孔32との間に1つまたは複数の照明孔を形成する。本実施形態においては、照明孔33と流体孔32との間に、第1照明孔33a及び第2照明孔33bと、第3照明孔33c及び第4照明孔33dとを設けている。
第1照明孔33aと第4照明孔33dとは例えば挿入部挿通孔31の中心軸を挟ん対向した位置関係であり、第2照明孔33bと第3照明孔33cとは例えば挿入部挿通孔31の中心軸を挟んで対向した位置関係である。
本実施形態において、照明孔33、33a-33d内には後述する発光素子から延出する電線が挿通される。
図1のチューブ先端構成部40は、例えば樹脂製または金属製の環部材であって、チューブ本体30の先端側に一体的に取付固定される。
チューブ先端構成部40には、複数の軸方向貫通孔が形成されている。チューブ先端構成部40の軸方向貫通孔は、図3及び図4に示す先端側内視鏡孔41、ノズル孔42、及び複数の発光素子配設孔43、43a−43dである。
先端側内視鏡孔41は、挿入部挿通孔31に連通している。先端側内視鏡孔41の内径は、挿入部挿通孔31の内径と同様に設定されている。したがって、内視鏡挿入部10の先端面3fが内視鏡孔中心軸に対して斜めな状態で通過可能に構成されている。
ノズル孔42は、流体孔32に連通する流体供給路である。ノズル孔42の断面形状は、楕円形状、或いは、円形形状であり、本実施形態において楕円形状である。ノズル孔42の先端側には、ノズル70が固設される。ノズル70は、送気ノズルである。
各発光素子配設孔43、43a−43dの断面形状は、円形形状であり、各孔43、43a−43d内にはそれぞれガイド用発光素子75及びガイド用照明窓76が設けられている。ガイド用照明窓76は、発光素子配設孔43、43a−43dの先端開口を閉塞するように、ガイド用発光素子75の先端側に設けられている。ガイド用発光素子75からは電線77が延出している。電線77は、照明孔33、33a-33d内をそれぞれ通過して後述する基板に接続されている。
ノズル70は、樹脂製或いはゴム製の弾性部材で有り、ノズル本体71と、フランジ部72と、切り欠き部73と、噴出口74とを備えて構成されている。ノズル70は、ノズル孔42の先端側開口を塞ぐように固設される。ノズル本体71は、本実施形態において楕円形状であって、ノズル孔42内に配置される。フランジ部72は、ノズル本体71の端部外周面全周に渡って突出して形成されている。切り欠き部73は、ノズル本体71及びフランジ部72の予め定めた面に形成される。
本実施形態において、ノズル70は、ノズル本体71をノズル孔42に挿通し、フランジ部72の基端面を先端面4fに密着させ、この状態で例えば接着によってチューブ先端構成部40に一体に固定される。密着配置させた状態において、切り欠き部73の切り欠き面を先端側内視鏡孔41の中心軸方向に向ける。このことよって、ノズル70の噴出口74は、先端側内視鏡孔41の中心軸方向を向く。
この構成によれば、流体孔32を介して供給される空気は、ノズル孔42、切り欠き部73を通過して噴出口74から先端側内視鏡孔41の開口に向けて噴出される。切り欠き部73は、流体供給路を兼ねる。
図1のフレキシブルガイド50は、インターロックチューブ51と、ガイド固定部52とを備えて主に構成されている。
インターロックチューブ51は、直線形状或いは湾曲形状に保持可能なチューブであり、チューブ本体挿通孔53を有している。チューブ本体挿通孔53にはチューブ先端構成部40及びチューブ本体30がスムーズに挿通される。即ち、チューブ本体挿通孔53の内径は、チューブ先端構成部40の外径及びチューブ本体30の外径より大径である。インターロックチューブ51は、予め作業者によって予め定めた湾曲形状に形作られる。
ガイド固定部52は、インターロックチューブ51に対して進退自在に設けられている。ガイド固定部52の外周面には凸部54が設けられている。凸部54には雄ねじ55が通過可能な貫通孔であるネジ孔56が形成されている。符号57は、締結ネジであり、ガイド固定部52の外周面に設けられた螺合部(不図示)に螺合される。ガイド固定部52は、締結ネジ57の螺合によってインターロックチューブ51に一体固定される。つまり、インターロックチューブ51の長さ、すなわち、ガイド固定部52の先端面から突出長は、調整自在である。
図5に示すようにフレキシブルガイド50は、観察対象を有する装置100の検査用開口101に対して一体固定することができる。具体的に、凸部54のネジ孔56と装置100の雌ねじ部102とを同軸上に位置合わせしてガイド固定部52の位置調整を行った後、雄ねじ55を雌ねじ部102に螺合する。この結果、フレキシブルガイド50が検査用開口101近傍に所望の状態で固定される。
なお、締結ネジ57を緩めることによって、インターロックチューブ51の先端開口のガイド固定部52の先端面からの突出位置を適宜調整することが可能である。そして、調整後、締結ネジ57を締め付けることによって、装置100内の所望する位置にインターロックチューブ51の先端開口が配置される。
また、雌ねじ部102は、検査用開口101近傍の予め定めた位置に設けられている。符号103は、装置100内に設けられた観察対象であるギアボックスである。符号104はボックス開口であり、ギアボックス103の内部空間と外部とを連通している。
図1のチューブ本体固定部60は、例えば樹脂製または金属製であり、チューブ本体30の基端側に一体的に固設されている。図6及び図7に示すようにチューブ本体固定部60は、チューブ本体配設穴61と、基板配置穴62と、基端側内視鏡孔63と、流体管路64と、複数の電線挿通孔65、65a−65dとを備えている。
なお、符号66は告知部であって、例えば曲面形状凸部である。告知部66は、曲がり部34の曲がり方向、言い換えれば、チューブ先端構成部40のチューブ本体30に対する向きを作業者に告知する。
チューブ本体配設穴61は、チューブ本体固定部60の先端面側に予め定めた深さ寸法で形成されている。チューブ本体配設穴61にはチューブ本体30の基端部が配置される。チューブ本体30は、例えば接着によってチューブ本体配設穴61に一体固定される。このとき、チューブ本体固定部60は、図1に示すように告知部66の向きがチューブ先端構成部40の位置に一致するようにチューブ本体30に対して位置合わせした後、固定されている。
基板配置穴62は、例えば段付き穴であって、チューブ本体固定部60の基端面側に予め定めた形状で形成される。基板配置穴62の第1穴62aには図示しない例えばドーナツ形状の基板が配置される。一方、第2穴62bには図示しない蓋体が配置される。蓋体は、内視鏡挿入部導入口を備え、第1穴62a内に配置した基板を水密に保持する機能を有する。
基端側内視鏡孔63は、チューブ本体配設穴61と基板配置穴62の第1穴62aとを連通する貫通孔であり、内視鏡挿入部導入口に連通している。基端側内視鏡孔63は、挿入部挿通孔31に連通して、内視鏡挿入部10を挿入部挿通孔31に導く孔として機能する。
各電線挿通孔65、65a-65dは、照明孔33、33a-33dに連通する貫通孔である。各電線挿通孔65、65a-65dの先端開口は、チューブ本体配設穴61の底面に形成され、基端開口は第1穴62aの底面に形成されている。
流体管路64の先端側開口は、チューブ本体配設穴61の底面に形成されて流体孔32に連通する。流体管路64の基端開口64mは、例えば告知部66の反対面に設けられている。基端開口64mには流体チューブ(図1の符号83参照)が接続されるチューブ接続口金(不図示)が設けられる。
なお、基板には、電線77の基端、バッテリー(図1の符号81参照)から延出する電源線(不図示)、及び送気ポンプ(図1の符号82参照)から延出する制御ケーブル(不図示)が接続される。
また、基板には図1に示す接続ケーブル4cの一端が着脱自在な第1コネクタ(不図示)が設けられると共に、第2コネクタ(不図示)が設けられている。第2コネクタには、ケーブル本体80から延出する信号ケーブル84の端部が着脱自在である。信号ケーブル84内には、電源線及び制御ケーブルが挿通されている。
符号85は、バッテリー81から延出する電源ケーブルであり、電源ケーブル85内には電源線が挿通している。符号86は、流体ケーブルであり、流体ケーブル86内には制御ケーブルおよび流体チューブ83が一纏めに挿通されている。符号80は、総合ケーブルであり、流体チューブ83及び信号ケーブル84が一纏めに挿通されている。
ここで、ガイドチューブ4を備える内視鏡システムの作用を説明する。
まず、作業者は、前記図5で示した装置100内に設けられているギアボックス103内の検査を行うに当たって、接続ケーブル4cの一端をガイドチューブ4の第1コネクタに接続し、他端を本体2に接続する。また、作業者は、総合ケーブル80から延出する信号ケーブル84の端部をガイドチューブ4の第2コネクタに接続し、総合ケーブル80から延出する流体チューブ83の端部をチューブ接続口金に接続する。
そして、作業者は、操作部11に設けられている第2スイッチ24をオン操作することによって噴出口から空気が噴出され、オフ操作することによって噴出口からの空気の噴出が停止することを確認する。また、作業者は、操作部11に設けられている図示しないガイド用照明スイッチをオン操作することによってガイド用発光素子75が点灯し、オフ操作することによってガイド用発光素子75が消灯するかを確認する。
次に、作業者は、検査用開口101にフレキシブルガイド50の凸部54を固定する。この際、術者は、インターロックチューブ51の形状を内視鏡挿入部10の観察対象への挿通性を考慮して、例えば図5の二点鎖線に示すように予め所望する湾曲形状にしておく。その後、作業者は、上述したようにガイド固定部52の先端面からの突出するインターロックチューブ51の先端開口の位置調整を行う。
次いで、作業者は、ガイドチューブ押し込み操作を行う。ガイドチューブ押し込み操作において、作業者は、ガイドチューブ4のチューブ先端構成部40をフレキシブルガイド50のチューブ本体挿通孔53に挿通してガイドチューブ押し込み操作を開始する。すると、先端構成部40及びチューブ本体30の曲がり部34がチューブ本体挿通孔53を通過していく。
このとき、曲がり部34は、弾性変形されて伸展される。このため、作業者は、弾性力に抗する力量でガイドチューブの押し込み操作を行う。曲がり部34がチューブ本体挿通孔53を通過することによって、ガイドチューブ4の曲がり部34は、再び元の形状に復帰する。また、ガイドチューブ4は、曲がり部34がチューブ本体挿通孔53を通過することによってスムーズに装置100内の奥方に向かってに導入されていく。
作業者がガイドチューブ押し込み操作を継続することによって、曲がり部34の外周面側の大径曲部34oが装置底面105に当接する。ここで、作業者は、ガイドチューブ押し込み操作を終了する。
次に、作業者は、挿入部導入作業を行う。即ち、作業者は、内視鏡挿入部10を装置100内に導入するため、内視鏡挿入部10をガイドチューブ4の基端側開口である内視鏡挿入部導入口を介して基端側内視鏡孔63内に挿入する。その後、作業者は、表示部6に表示される内視鏡画像を観察しつつ、手元操作を行って先端部15を図8の矢印Y8に示すように挿入部挿通孔31の先端側に向けて押し進めていく。
上述したように内視鏡挿入部10は、予め定めた湾曲硬度に設定されている。また、内視鏡挿入部10と挿入部挿通孔31との間には隙間が存在する。したがって、先端部15は、大径曲部34o側の内周面上に沿って、言い換えれば、一面側に寄せられた状態で、曲がり部34を移動していく。そして、作業者が内視鏡挿入部10をさらに押し進めることによって、湾曲部16が大径曲部34o側の内周面上を移動しつつ曲がり部34を通過していく。そして、湾曲部16が曲がり部34内を移動するに伴って、先端部15は、内視鏡挿入部10の有する弾発性によって大径曲部34o側の内周面上から徐々に離間していく。
この後、先端部15は、曲がり部34を通過して先端側内視鏡孔41内に侵入し、ノズル70が配置されている図中上方向に向かって移動していく。このとき、内視鏡挿入部10の有する弾発性によって、先端部15の先端面3fは、ガイドチューブ4の長手軸に対して傾いた状態になる。
そして、先端部15は、ノズル70を観察視野にとらえつつ、先端側内視鏡孔41のノズル70側の先端開口から外部に導出されていく。このとき、作業者は、表示部6に表示されている内視鏡画像から先端部15がノズル70側に偏った状態で導出されたことを確認する。
ここで、作業者は、操作部11のガイド用照明スイッチをオン操作して、ガイド用発光素子75を点灯させる。この結果、装置100内は、照明窓19から出射される照明光及びガイド用照明窓76から出射される照明光によって照らされ、表示部6には装置100内の内視鏡画像が表示される。
この後、作業者は、表示部の内視鏡画像を観察しつつ、例えばガイドチューブ4を軸回りに回転操作して、チューブ先端構成部40の先端面4fをギアボックス103のボックス開口104に対峙させる。
なお、先端部15を先端面4fから突出させていくにしたがって、曲がり部34は、該曲がり部34の有する弾発性に抗して伸展されていく。つまり、曲がり部34は、挿入部挿通孔31内に内視鏡挿入部10が挿通されていない状態において、予め定めた曲率の湾曲形状となり、先端部15が曲がり部34を通過するに従って徐々に進展していく。
曲がり部34は、図8の実線から破線、破線から二点鎖線に示すように、先端部15が先端面4fから導出されていくにしたがって伸展されて曲がり部34が徐々に直線化される。したがって、作業者は、先端面4fから導出させる先端部15の距離を調整して曲がり部34を伸展させることにより、先端部15の先端面3fの向き、即ち観察方向を変化させて所望する観察状態に設定することができる。
この後、作業者は、内視鏡画像を観察しつつ、内視鏡挿入部10およびガイドチューブ4を手元操作して先端部15をガイドチューブ4と一体にボックス開口104からギアボックス103内に導入して検査を開始する。このとき、ギアボックス103内は、照明窓19から出射される照明光及びガイド用照明窓76から出射される照明光によって照らされる。この結果、表示部6には内視鏡検査に好適な内視鏡画像が表示される。
この後、作業者は、先端部15をガイドチューブ4と一体にギアボックス103で移動させて検査を行う、或いは、図9の破線に示すように必要に応じて内視鏡挿入部10を先端面4fから導出させて湾曲部16を湾曲操作しつつギアボックス103内の検査を行う。
検査中において、装置底面105等に溜まっていた例えばオイルが撮像窓18或いは照明窓19に付着すると、内視鏡検査に支障が生じるおそれがある。このため、作業者は、表示部6に表示される内視鏡画像にオイルによる不都合が生じるおそれがあると判断した際、オイルの除去作業を行う。
すなわち、作業者は、内視鏡挿入部10を手元側に引き戻す操作を行って、先端面4fから導出されていた内視鏡挿入部10の先端部15をガイドチューブ4の先端側内視鏡孔41内に収容する。そして、作業者は、内視鏡画像を観察しつつ、先端部15の先端面3fを図10に示すように先端面4f近傍に配置して内視鏡画像中にノズル70をとらえる。また、作業者は、ガイドチューブ4を図9の矢印Y9に示すように移動させて該ボックス103の外側に配置する。
移動完了後、作業者は、内視鏡画像を観察しつつ、第2スイッチ24をオン操作する。すると、図10に示すように噴出口74から空気が先端部15の先端面3f及び先端側内視鏡孔41の中心軸を挟んで噴出口74に対向するガイド用照明窓76に噴出されていく。
この結果、撮像窓18に付着していたオイル、照明窓19に付着していたオイル、ガイド用照明窓76に付着していたオイルが、噴出された空気によって吹き飛ばされて表示部6に再び内視鏡検査に好適な内視鏡画像が表示される。
この後、作業者は、再び、内視鏡画像を観察しつつ、上述したようにギアボックス内の検査を続行する。
また、上述した検査中において、装置底面105等に溜まっていた例えばオイルがガイド用照明窓76に付着すると光量不足が生じて内視鏡検査に支障を来すおそれがある。このため、作業者は、ガイド用照明窓76に付着するオイルによる光量不足が生じた際には以下の手順でオイルの除去作業を行う。
すなわち、作業者は、内視鏡挿入部10を手元側に引き戻す操作を行って、図8の実線に示すように先端部15が先端面4fから導出した状態で曲がり部34を湾曲状態にする。その後、作業者は、ガイドチューブ4を上述したように矢印Y9方向に移動させてギアボックス103の外側に配置する。
移動完了後、作業者は、内視鏡画像を観察しつつ、第2スイッチ24をオン操作する。すると、噴出口74から噴出された空気は、先端面4fから突出している内視鏡挿入部10によって風向が変化される。つまり、噴出口74から噴出された空気は、内視鏡挿入部10の外周面に沿って先端側内視鏡孔41の周囲に設けられているガイド用照明窓76に向かっていく。この結果、ガイド用照明窓76に付着していたオイルは、噴出された空気によって吹き飛ばされて、表示部6に再び内視鏡検査に好適な内視鏡画像が表示される。
この後、作業者は、再び、内視鏡画像を観察しつつ、上述したようにギアボックス内の検査を続行する。その際、作業者は、先端面4fからの先端部15の導出量を調整して先端面4fが装置底面105から離間した状態にする。この結果、該底面105等に溜まっていたオイルが、ガイド用照明窓76に付着することを防止して内視鏡検査を行うことができる。
このように、先端側に曲がり部34を有し、複数の貫通孔31、32、33、33a-33dを備えるチューブ本体30に、先端側内視鏡孔41、ノズル70を設けるためのノズル孔42、及び発光素子を配設するための発光素子配設孔43、43a−43dを備えたチューブ先端構成部40を設けてガイドチューブ4を構成する。この結果、内視鏡3が備える照明光学系の照明光に加えて、ガイドチューブ4が備えるガイド用発光素子75の照明光によって良好な内視鏡観察を行うことができる。
また、先端が曲がっているガイドチューブ4に内視鏡3を挿通させるとき、内視鏡挿入部10の先端部15の硬質部の長さを考慮して、ガイドチューブ4の内径を内視鏡挿入部10の外径よりも太径とする必要がある。内視鏡挿入部10が挿通される挿入部挿通孔31の内径と内視鏡挿入部10の外径との間に隙間が設定し、ノズル70が設けられるノズル孔42の位置を曲がり部34を考慮して曲がり部34の曲率中心側に設定し、内視鏡挿入部10を予め定めた湾曲硬度に設定する。この結果、曲がり部34を通過して先端側内視鏡孔41内に導かれた先端部15を先端開口のノズル70側に近接して外部に導出されていく。
したがって、内視鏡3の撮像窓18、照明窓19にオイル等が付着した際、内視鏡挿入部10の先端部15をガイドチューブ4の先端側内視鏡孔41内に配置させた際、先端部15の先端面3fを先端開口近傍で斜めに配置させて該先端面3fをノズル70の噴出口74に近接した位置で対向させることができる。この結果、ノズル70の噴出口74から噴出される例えば空気によって撮像窓18、照明窓19、或いはガイド用照明窓76に付着したオイル等を速やかに、且つ、確実に除去することができる。
なお、本実施例のように先端が湾曲操作可能な内視鏡の場合、内視鏡挿入部先端の湾曲部の手元側の湾曲硬度が、湾曲部の湾曲硬度に比べて硬い内視鏡3の場合、図8のように先端部15は、先端側内視鏡孔41の上側から導出される。しかし、挿入部先端側に湾曲部を備えること無く、挿入部全体が同じような硬さ(弾性)を有する場合、図11に示すように内視鏡3Aの先端部15Aは、ノズル70が配置されている上方向に向かうことなく先端側内視鏡孔41の下側から導出されてしまう。この結果、ノズル70の噴出口74に内視鏡3Aの先端面3fが対向しない。
つまり、上述したガイドチューブ4と組み合わせて使用される内視鏡は、挿入部先端側が湾曲操作可能で柔軟であって、湾曲部を予め定めた硬さに設定した内視鏡挿入部を備えている。若しくは、内視鏡挿入部は、外側からの負荷で曲げられた場合、弾発が少なく、曲がりが残ることが多い硬さである。
さらに、ノズル70の位置は、ここではガイドチューブ4の湾曲した湾曲中心側に設けてあり、内視鏡3Aを曲がったガイドチューブ4に入れた時に、位置が合わせやすい位置としている。つまり、内視鏡3Aを押し引きすることで、近づくか遠ざけるかで調整し易い。図11の内視鏡3Aは、例えば、先端部15Aに可撓管部17Aが連設した内視鏡挿入部10Aを有している。
また、発光素子配設孔の数は、5つに限定されるものではなく、5つ未満、或いは5つ以上であってもよい。
ガイドチューブ4の構成は、上述した構成に限定されるものでなく、以下に示すようにガイドチューブを構成するようにしてもよい。
図12を参照してガイドチューブの他の構成を説明する。
図12に示すガイドチューブ4は、チューブ本体30の先端側にチューブ先端構成部40の代わりにチューブ先端構成部40Aを取付固定している。
チューブ先端構成部40Aは、複数の軸方向貫通孔である先端側内視鏡孔41、ノズル孔42、及び複数の発光素子配設孔43、43a−43dに加えて、噴出口74を構成する噴出孔44を有している。
噴出孔44は、流体供給路であって、ノズル孔42と先端側内視鏡孔41とを連通している。噴出孔44は、チューブ先端構成部40Aの外周面側からノズル孔42を通過して先端側内視鏡孔41に連通する噴出口成形孔を設けて構成されるようになっている。
また、噴射孔44は、内側に向くだけでなく、若干手元側に角度を有する向き(図中θは90°より小さい)になっていて、破線で示す内視鏡3の先端面3fに確実にエアーを噴射できるようになっている。
なお、符号45aは第1栓部材であって、ノズル孔42の先端側開口を塞ぐ。符号45bは、第2栓部材であって、噴出口成形孔の外部とノズル孔42と連通する連通路を塞ぐ。その他の構成は、前記チューブ先端構成部40の構成と同様であり、同部材には同符号付して説明を省略する。
この構成によれば、流体孔32を介して供給される空気は、矢印Y12a、矢印Y12bに示すようにノズル孔42、噴出孔44を通過して先端側内視鏡孔41内に向けて噴出される。したがって、内視鏡3の先端面3fを先端側内視鏡孔41内に破線に示すように配置することによって、噴出孔44から噴出される空気によって、先端部15の撮像窓18、照明窓19等に付着したオイル等を速やかに、且つ、確実に除去することができる。
なお、噴射口44は、内側方向に対して角度θを有しているが、ガイドチューブが弾性を有する材質、例えば、圧力をかけるとノズル部分が変形して前方に変化させやすい、ウレタンやシリコンを用いることが好ましい。
図13A−図13Cを参照してガイドチューブの別の構成を説明する。
図13A−図13Cに示すガイドチューブ4は、チューブ本体30の先端側にチューブ先端構成部40、40Aを取付固定することなく構成される。
図13A、図13Bに示すように、本実施形態のチューブ本体30Aは、予め定めた弾発性を有する例えばウレタン製のマルチルーメンチューブであって、上述した挿入部挿通孔31、流体孔32、及び照明孔33、33a−33dに加えて、突起部35を備えている。
突起部35は、図13Bに示すようにチューブ本体30Aの先端面4fAより予め定めた量、突出した破線に示すパイプ状凸部35Aに予め定めた加工を施して構成される。具体的に、突起部35は、パイプ状凸部35Aを扁平な先細形状に加工した後、予め定めた曲がり形状の湾曲形状部35cを設けて構成される。
突起部35は、例えばチューブ本体30Aに一体であり、パイプ状凸部35Aの孔35Ahは、流体孔32に連通している。符号35hは、噴出開口であり、湾曲形状部35cの最先端に形成されている。噴出開口35hは、挿入部挿通孔31の開口端近傍の予め定めた位置を向いている。
本実施形態において、照明孔33、33a-33d内には、それぞれガイド用発光素子75及びガイド用照明窓76が設けられている。ガイド用照明窓76は照明孔33、33a-33dの先端開口を閉塞するように、ガイド用発光素子75の先端側に設けられている。
また、本実施形態において、先端面4fAは、ガイドチューブ4の先端面である。その他の構成は、前記チューブ本体30、チューブ先端構成部40の構成と同様であり、同部材には同符号付して説明を省略する。
この構成によれば、流体孔32を介して供給される空気は、噴出開口35hを通過して先端側内視鏡孔41内に向けて噴出される。したがって、先端部15の先端面3fがガイドチューブ4の先端面4fAに対して面一致状態であるとき、噴出開口35hから噴出される空気によって、先端部15の撮像窓18、照明窓19等に付着したオイル等の除去を速やかに、且つ、確実に行うことができる。その他の作用及び効果は上述した実施形態と同様である。
本実施形態の突起部35は、予め定めた弾発性を有している。したがって、図13Cに示すように内視鏡3の内視鏡挿入部10をチューブ本体30Aの先端面4fAから突出させていくことによって、突起部35の湾曲形状部35cが弾性変形されて図に示すように噴出開口35hが先端面4fAの前方である内視鏡挿入部突出方向を向く。したがって、流体孔32を介して供給される空気は、噴出開口35hから先端面4fAの前方に向けて噴出される。
このため、内視鏡3の撮像窓18の前方に位置する観察対象がオイル、或いは塵埃等で汚れていた場合、作業者は、噴出開口35hから先端面4fAの前方に向けて空気を噴出させる。すると、観察対象に付着したオイル等が噴出された空気によって除去されて、観察対象の観察をより効率良く、効果的に行うことができる。
そして、内視鏡挿入部10の先端面3fを再びガイドチューブ4内に配置する。すると、湾曲形状部35cが弾性力によって復元されて、噴出開口35hが挿入部挿通孔31の開口端近傍の予め定めた位置を向く。
なお、先端面4fAからの先端部15の突出量を適宜調整することによって、噴出開口35hの向きの調整を行うことができる。
さらに、噴射開口35hが弾性変形可能であるので、側視の内視鏡においても、図13Cのように内視鏡挿入部10を押し出すことで、挿入部に沿ってエアーを噴射でき、観察面の汚れを除去することが可能であるので、直視、側視の両方の対応できる。
図14A−図14Cを参照して突起部を有するチューブ本体の他の構成を説明する。
上述した図13A−図13Cのチューブ本体30Aにおいては、突起部35の噴出開口35hを挿入部挿通孔31の開口端近傍の予め定めた位置を向く構成であった。しかし、図14A−図14Cに示す突起部35Bを有するチューブ本体30Bを構成するようにしてもよい。
図14A、図14Bに示すチューブ本体30Bは、突起部35Bを有している。本実施形態の突起部35Bの噴出開口35hは、先端面4fAから予め定めた距離離間して挿入部挿通孔31の開口に対峙するように構成されている。即ち、突起部35Bを構成するパイプ状凸部35Cの先端面4fAからの突出量は、図13Bに示したパイプ状凸部35Aの先端面4fAからの突出量より長く設定されている。そして、突起部35Bは、パイプ状凸部35Cを扁平な先細形状に加工した後、予め定めた曲がり形状の湾曲形状部35cBを設けて構成されている。
なお、本実施形態においては、湾曲形状部35cBを設けて噴出開口35hを挿入部挿通孔31の開口に対峙させる構成にしている。このため、照明孔33の形成位置は、挿入部挿通孔31の中心軸を挟んで、流体孔32に対向する位置に限定されない。また、突起部35Bは、予め定めた弾発性を有している。その他の構成は、前記チューブ本体30Aの構成と同様であり、同部材には同符号付して説明を省略する。
この構成によれば、図14Cに示すようにチューブ本体30Bの先端面4fAから内視鏡挿入部10の先端面3fを突出させていくことによって、突起部35Bの湾曲形状部35cBが弾性変形されて図に示すように噴出開口35hが先端面4fAの前方を向く。
また、流体孔32を介して供給される空気は、噴出開口35hを通過した後、略正面位置から先端側内視鏡孔41に向かって噴出される。したがって、内視鏡3の先端部15の先端面3fをガイドチューブ4の先端面4fAに対して面一致状態にしたとき、噴出開口35hから噴出される空気は、先端部15の先端面3fおよび先端面4fAに広範にわたって噴出される。この結果、撮像窓18、照明窓19、及びガイド用照明窓76等に付着したオイル等の除去を速やかに、且つ、確実に行うことができる。
さらに、内視鏡3の先端部15の先端面3fをガイドチューブ4の先端面4fAから突出させて、該先端面3fを図14Bの破線に示すように噴出開口35h近傍に配置することによって、先端部15の先端面に空気が強力に噴出されて撮像窓18及び照明窓19等に付着したオイル等の除去をより速やかに、且つ、確実に行うことができる。
その他の作用及び効果は上述した実施形態と同様である。
図15A−図15Cを参照して突起部を有するチューブ本体の別の構成を説明する。
上述した図13A−図13Cのチューブ本体30Aにおいては、突起部35の噴出開口35hを挿入部挿通孔31の開口端近傍の予め定めた位置を向く構成にしていた。また、上述した図14A−図14Cに示すチューブ本体30Bにおいては、突起部35Bの噴出開口35hを挿入部挿通孔31の開口に対峙する構成にしていた。しかし、図15A−図15Cに示すに庇部90を有するチューブ本体30Cを構成するようにしてもよい。
図15A、図15Bの(a)、(b)に示すチューブ本体30Cは、先端面4fAから予め定めた量突出する庇部90を有して構成されている。庇部90は、チューブ本体30Cの先端部の一部を切り欠いて構成した凸部である。言い換えれば、庇部90は、チューブ本体30Cに一体である。
本実施形態のチューブ本体30Cは、複数の軸方向貫通孔として、挿入部挿通孔31、一対の流体孔32、及び複数例えば6つの照明孔33を備えている。照明孔33内には前述したようにガイド用発光素子75及びガイド用照明窓76が設けられている。
本実施形態おいて、ガイド用照明窓76は、周方向に等間隔で配列されており、庇部90の庇先端面91に1つ、先端面41fAに5つ設けられている。また、庇先端面91にはガイド用照明窓76を挟んで一対の流体孔開口32hが設けられている。流体孔開口32hは、流体孔32の先端開口であり、噴出開口として構成されている。したがって、流体孔32を介して供給される空気は、流体孔開口32hから前方に向かって噴出される。
その他の構成は、前述したチューブ本体の構成と同様であり、同部材には同符号付して説明を省略する。
ここで、チューブ本体30Cを備えるガイドチューブ4の作用を説明する。
作業者は、図示しないギアボックス内の検査中において、例えばオイルが撮像窓18或いは照明窓19に付着して内視鏡検査に支障を来すおそれがあると判断したとき、オイルの除去作業を行う。
このとき、作業者は、まず、内視鏡挿入部10の先端面3fが庇先端面91より突出していた場合、該挿入部10を手元側に引き戻す操作を行って、先端面3fを庇先端面91よりチューブ本体30Cの先端面4fA側に配置する。そして、作業者は、内視鏡画像を観察しつつ、ガイドチューブ4を該ボックス103の外側に移動し、その後、図15Cに示すように先端面3fをボックス103の側壁103sに対峙するように移動する。
移動完了後、作業者は、第2スイッチ24をオン操作して、2つの流体孔開口32hから空気を噴出させる。この後、作業者は、内視鏡画像を観察しつつ、庇先端面91から側壁103sまでの距離、および、及び先端面3fから側壁103sまでの距離を適宜調節する。この結果、流体孔開口32hから噴出された空気が、反射部としての側壁103sで反射され、反射された空気が先端面3fに向かう。
すると、流体孔開口32hから噴出され、側壁103sで反射された空気によって、撮像窓18に付着しているオイル、照明窓19に付着しているオイル、或いは、ガイド用照明窓76に付着しているオイル等が吹き飛されていく。
作業者は、表示部6に再び内視鏡検査に好適な内視鏡画像が表示されることを確認したならオイルの除去作業を終了する。
この後、作業者は、内視鏡画像を観察しつつ、再び、上述したギアボックス内の検査を続行する。
このように、流体孔32を介して供給されて流体孔開口32hから噴射された空気の風向を側壁103sの反射部で反射させて先端面3f方向に向けることによって、撮像窓18、照明窓19等に付着したオイル等の除去を行うことができる。
なお、上述した実施形態においては、先端面4fAから突出する庇部90を1つ設ける構成としている。しかし、図16に示すように先端面4fAから2つの庇部90A、90Bを突出させるように構成してもよい。図16において、第1庇部90Aと、第2庇部90Bとは先端開口の中心を挟んで対向する位置関係である。また、第1庇部90Aの突出長と、第2庇部90Bの突出長を同寸法にしている。しかし、第1庇部90Aと、第2庇部90Bとは対向する位置関係に限定されるものではなく、予め定めた角度、周方向に対して位置ずれした構成であってもよい。第1庇部90Aの突出長と、第2庇部90Bの突出長とは同寸法に限定されるものではなく、第1庇部90Aの突出長と第2庇部90Bの突出長とを異なる寸法で構成するようにしてもよい。
また、上述した実施形態においては、庇先端面91に流体孔32の流体孔開口32hを形成するとしている。しかし、図17A、図17Bに示すように曲がり形状の庇部90Cを設け、該庇部90Cの内周面側に例えば2つの流体溝92を設ける構成であってもよい。流体溝92は、流体孔32に連通している。
この構成によれば、流体孔32を介して流体溝92に供給される空気のうち、一部は、側壁103sで反射されて先端面3f方向に向かい、一部は直接先端面3f方向に向かって、撮像窓18、照明窓19等に付着したオイル等の除去を行うことができる。
また、上述した実施形態においては、流体孔32を介して流体孔開口32h或いは流体溝92に供給された空気を側壁103sで反射させて撮像窓18等のオイルを除去するとしている。しかし、図18A、図18Bに示すようにチューブ本体30Dに反射板93を一体に設ける構成であってもよい。
図18Aに示すようにチューブ本体30Dは、反射板93と風向調整部94とを備えて構成されている。反射板93は、先端面4fAから予め定めた量突出する予め定めた幅寸法の凸片である。反射板93は、反射部95と、曲部96と、根本部97とを備えている。
曲部96は、予め定めた曲がり状態において反射部95の反射面95fを挿入部挿通孔31の開口に対向するように形作られている。一方、風向調整部94は、先端面4fAから予め定めた量突出する凸片であり、流体孔32から噴出された流体が反射面95fに向かって噴出するように形作られている。
したがって、図中の矢印に示すように流体孔32に供給された空気は、風向調整部94によって反射部95の反射面95fに向けて噴出され、その後、反射面95fで反射される。このため、内視鏡挿入部10の先端部15を挿入部挿通孔31内に配置した状態において、図中の矢印に示すように反射面95fで反射された空気は、先端部15の先端面3fに向かっていく。この結果、撮像窓18及び照明窓19等に付着したオイル等を、反射面95fで反射された空気によって除去することができる。
なお、本実施形態において、内視鏡観察を行うとき、図18Bに示すように内視鏡挿入部10を挿入部挿通孔31の先端開口から破線に示すように突出させる。このとき、反射板93の曲部96は、突出する内視鏡挿入部10によって破線に示すように略直線状に弾性変形される。この結果、内視鏡3は、反射板93によって視界を遮られることなく、良好な観察を行うことができる。
さらに、反射部95は、内視鏡3を挿入したときに先端面3fが被検体に触れることによってオイルが付着する不具合、被検体に当たって傷が付く不具合を防ぐ効果もある。
なお、上述した実施形態においては、ガイドチューブ4のチューブ本体を予め定めた弾発性を有するマルチルーメンチューブとしている。しかし、図19A、図19B或いは図20A−図20Cに示すチューブ本体及びチューブ先端構成部を用いてガイドチューブを構成するようにしてもよい。
図19Aを参照してガイドチューブ4Aを説明する。
図19Aに示すガイドチューブ4Aは、チューブ本体30Eと、チューブ先端構成部40Eと、前述したフレキシブルガイド(不図示)及びチューブ本体固定部(不図示)を備えて構成されている。
チューブ先端構成部40Eは、太径部101と細径部102とを備える管状部材である。細径部102の外周面には、チューブ本体30Eを構成する予め定めた弾発性を有するチューブ体である外装チューブ103の先端部が固設される。そして、外装チューブ103の中途部には、予め定めた曲率(1/r)を保持するように構成された曲がり部34が設けられている。
チューブ先端構成部40Eには、複数の軸方向貫通孔が形成されている。軸方向貫通孔は、内視鏡チューブ固定孔104と、ノズル孔105と、上述した複数のの発光素子配設孔43、43a−43dである。なお、本図において発光素子配設孔43、43a−43dは不図示としている。
内視鏡チューブ固定孔104の内周面には内チューブ106の先端部外周面が例えば接着固定される。内チューブ106は、チューブ本体を構成する予め定めた柔軟性を有するチューブ体であり、先端側内視鏡孔41と挿入部挿通孔31とを一体に構成した内視鏡孔107を備えている。
ノズル孔105の断面形状は、楕円形状、或いは、円形形状であり、本実施形態において楕円形状である。ノズル孔105の内面には後述するノズル本体111の外周面が例えば接着固定される。ノズル110は、ノズル本体111と、噴出口112と、流体チューブ取付口113とを備えて構成されている。流体チューブ取付口113には流体チューブ114の先端部が例えば接着固定される。流体チューブ114は、流体供給路であって、内チューブ106の外周面と外装チューブ103の内周面との隙間に配置される。
符号115は、電線保護チューブである。電線保護チューブ115の先端部は、チューブ先端構成部40Eの発光素子配設孔43、43a−43dの基端開口に固設された図示しない電線保護チューブ取付口に例えば接着固定される。各発光素子配設孔43、43a−43dに固設されたガイド用発光素子75から延出する電線は、電線保護チューブ取付口から延出され、該保護チューブ115内を挿通して基板に接続されている。電線保護チューブ115は、内チューブ106の外周面と外装チューブ103の内周面との隙間に配置される。
その他の構成は、上述した実施形態と同様で有り、同部材には同符号を付して説明を省略する。
また、上述した実施形態においては、ノズル110をチューブ先端構成部40Eに対して別体としている。しかし、チューブ先端構成部40Eにノズル110を一体に設ける構成であってもよい。また、上述した実施形態においては、流体チューブ114を長手軸に対して平行に片出させる構成としている。しかし、図19Bに示すように流体チューブ114を内チューブ106の外周面に螺旋状に配置して、該チューブ114を内チューブ106の外周面と外装チューブ103の内周面との隙間に移動自在に配置するようにしてもよい。
図20A−図20Cを参照してガイドチューブの別の構成を説明する。
ガイドチューブは、反射部123を有するチューブ本体30Fと、風向調整部124を有するチューブ先端構成部40Fと、前述したフレキシブルガイド(不図示)及びチューブ本体固定部(不図示)を備えて構成されている。
図20Aに示すようにチューブ先端構成部40Fは、略ストレート形状のパイプ部材である。チューブ先端構成部40Fの外周面には、図20Cに示すチューブ本体を構成する予め定めた弾発性を有するチューブ体である外装チューブ121の先端開口内周面122が外嵌配置され、例えば接着によって一体固定される。
外装チューブ121の中途部には、予め定めた曲率(1/r)を保持するように構成された曲がり部34が設けられている。また、先端部には、反射部123が設けられている。反射部123は、前記反射板93と略同様に先端面4fAから予め定めた量突出する予め定めた幅寸法の凸片であり、反射部95と、曲部96と、根本部97とを備えている。
図20Aのチューブ先端構成部40Fには、複数の軸方向貫通孔が形成されている。軸方向貫通孔は、内視鏡チューブ固定孔104と、ノズル孔(不図示)と、上述した複数の発光素子配設孔43、43a−43dである。本実施形態において、ノズル孔の先端側には風向調整部124が設けられている。なお、本図において発光素子配設孔43、43a−43dは不図示としている。
風向調整部124は、先端面4fAから予め定めた量突出する凸部であり、前記風向調整部94と同様に流体孔32から噴出された流体が反射部95の反射面に向かって噴出するように形作られている。符号125は、流体チューブ取付口であり、流体チューブ114の先端部が例えば接着固定される。符号126は、電線保護チューブ取付口で有り、電線保護チューブ115の先端部が例えば接着固定される。
内視鏡チューブ固定孔104の内周面には図20Bに示す内チューブ106の先端部外周面が例えば接着固定される。内チューブ106は、チューブ本体を構成する予め定めた柔軟性を有するチューブ体であり、先端側内視鏡孔41と挿入部挿通孔31とを一体に構成した内視鏡孔107を備えている。
本実施形態において、風向調整部124は、チューブ先端構成部40Fの一部を構成している。流体チューブ114及び電線保護チューブ115は、内チューブ106の外周面と外装チューブ121の内周面との隙間に配置されている。
その他の構成は、上述した実施形態と同様で有り、同部材には同符号を付して説明を省略する。
また、上述した実施形態においては、予め定めた湾曲硬度に設定した内視鏡挿入部10が挿通されるガイドチューブ4に予め定めた曲率の曲がり部34を設けている。加えて、内視鏡挿入部10の外径と該挿入部10が挿通される挿入孔との間に隙間が設定されている。そして、ガイドチューブ4の先端開口に設けるノズル70を曲がり部34の曲率中心方向に配置して、先端開口近傍に位置する先端部15がノズル70近傍に配置される構成にしている。
しかし、図21Bに示すようにチューブ先端構成部40Cを備えるガイドチューブ4Cを構成して、先端部15がノズル70近傍に配置される構成にしてもよい。
本実施形態のチューブ先端構成部40Cは、上述したチューブ先端構成部40と同様に複数の軸方向貫通孔を有し、チューブ本体30の先端側に一体的に取付固定される。
図21Aに示すようにチューブ先端構成部40Cは、先端側内視鏡孔41C、ノズル孔42、及び複数の発光素子配設孔43、43a−43dを備えている。そして、ノズル孔42の先端側には、ノズル70が固設されている。
本実施形態の先端側内視鏡孔41Cは、挿入部挿通孔31に連通し、先端側導出孔131と、テーパー孔132とを備えて構成されている。テーパー孔132は、チューブ本体30側が大径で、先端方向に向かうにしたがって径寸法が小径になるように構成されている。
テーパー孔132の大径孔は、挿入部挿通孔31の径寸法と同寸法、或いはそれより大きく設定されている。一方、先端側導出孔131は、テーパー孔132の小径孔の径寸法に設定されている。
先端側導出孔131の内周面と内視鏡挿入部10の外周面とのクリアランスは、予め定めた値に設定されており、先端部15先端面3fが導出孔中心軸に対して直交した状態で導出される。このため、図21Cに示すように内視鏡挿入部10の先端部が先端側導出孔131の先端開口近傍に配置された際、先端部15はノズル70の近傍に配置される。
その他の構成は上述した実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
上述したように内視鏡挿入部10は、予め定めた湾曲硬度に設定されている。したがって、先端部15は、図21Bに示す大径曲部34o側の内周面上に沿って曲がり部34を移動していく。そして、作業者が内視鏡挿入部10をさらに押し進めることによって、湾曲部16が大径曲部34o側の内周面上を移動しつつ曲がり部34を通過していく。
本実施形態において、先端部15は、曲がり部34を通過した後、先端側内視鏡孔41Cのテーパー孔132内に導かれ、テーパー面に沿って先端側導出孔131内に導かれる。そして、先端部15は、先端側導出孔131の先端開口から外部に導出される。
この後、作業者は、外部に導出された先端部15の先端面に設けられている撮像窓18を介して撮像された内視鏡画像を観察しつつ、上述したように内視鏡挿入部10およびガイドチューブ4を手元操作して先端部15をガイドチューブ4と一体にボックス開口104からギアボックス103内に導入して検査を行う。
検査中において、例えばオイルが撮像窓18或いは照明窓19に付着すると、内視鏡検査に支障が生じるおそれがある。このため、作業者は、表示部6に表示される内視鏡画像にオイルによる不都合が生じるおそれがあると判断した際、オイルの除去作業を行う。
このとき、作業者は、内視鏡挿入部10を手元側に引き戻す操作を行って、先端面4fから導出されていた内視鏡挿入部10の先端部15をガイドチューブ4の先端側内視鏡孔41C内に収容する。そして、作業者は、先端部15の先端面3fをガイドチューブ4Cの先端面4fAに対して面一致状態にする。この後、作業者は、ガイドチューブ4を該ボックス103の外側に配置して内視鏡画像を観察しつつ、第2スイッチ24をオン操作する。
すると、噴出口74から空気が先端部15の先端面3f及び先端側内視鏡孔41Cの中心軸を挟んで噴出口74に対向するガイド用照明窓76に噴出されていく。この結果、撮像窓18に付着していたオイル、照明窓19に付着していたオイル、ガイド用照明窓76に付着していたオイルが、噴出された空気によって吹き飛ばされて表示部6に再び内視鏡検査に好適な内視鏡画像が表示される。
この後、作業者は、再び、内視鏡画像を観察しつつ、上述したようにギアボックス内の検査を続行する。
このように、チューブ先端構成部40Cの先端側内視鏡孔41Cに内視鏡挿入部10に対して予め定めたクリアランスに設定した先端側導出孔131を設けている。この結果、先端側導出孔131に先端部15を配置させた際、ノズル70の噴出口74が先端部15の外周面から大きく離間することを確実に防止することができる。したがって、噴出口74から噴出される空気によって、撮像窓18に付着したオイル、照明窓19に付着したオイル、或いはガイド用照明窓76に付着したオイルの除去を確実に行える。
また、上述した実施形態においては、撮像窓18に付着したオイル、照明窓19に付着したオイル等の除去を、チューブ先端構成部40、40Cのノズル孔42に設けたノズル70の噴出口74から流体を噴出させて、或いは、チューブ先端構成部40Aの噴出孔44から流体を噴出させて、或いは、チューブ本体30A、30Bの噴出開口35hから流体を噴出させて行っている。
しかし、図22A−図22Cに示すように内視鏡挿入部の外周面とガイドチューブ4Dの内周面との隙間を介して流体を供給し、その隙間の先端側開口から流体を噴出させて撮像窓18に付着したオイル、照明窓19に付着したオイル等の除去を行うようにしてもよい。
図22Aに示すように本実施形態のガイドチューブ4Dにおいては、チューブ本体30Dの内周面141と、内視鏡挿入部10Dの外周面142との間に、流体供給路となる第1隙間143が設けられている。第1隙間143は、チューブ本体30Dの挿入部挿通孔31の内径、及び、内視鏡挿入部10Dの外径を予め定めた寸法に設定して構成される。
チューブ本体30Dの先端側内面には例えばリング状の突起部144が設けられている。一方、内視鏡挿入部10Dの先端部15Dの外周面には、突起部144が係入配置される周溝145が形成されている。突起部144の形状、及び、周溝145の形状は、流体噴出方向、係入性、抜去性を考慮した上で、流体供給噴出路と噴出口を兼ねる第2隙間(図22Cの符号146参照)が構成されるように予め定めた寸法に設定されている。
なお、第1隙間143の基端側から流体が外部に漏出することを防止するため、内視鏡挿入部10Dの基端側外周面には、チューブ本体30Dの内周面141に密着配置される、例えば水密部材としてOリング(不図示)が設けられている。その他の構成は、上述した実施形態と同様で有り、同部材には同符号を付して説明を省略する。
検査中において、撮像窓18或いは照明窓19にオイルが付着した場合、オイルの除去作業に移行する。このとき、作業者は、内視鏡挿入部10DをOリングの付勢力に抗して手元側に引き戻す操作を行って、先端面4fから導出されていた内視鏡挿入部10の先端部15Dを図22Bに示すようにチューブ本体30Dの挿入部挿通孔31C内に収容する。つまり、先端部15Dの周溝145は、一度突起部144に係入した後、抜去されて該突起部144より内側の位置に配置させる。
ここで、作業者は、ガイドチューブ4を該ボックス103の外側に配置して内視鏡画像を観察しつつ、第2スイッチ24をオン操作する。すると、第1隙間143に供給された空気は、周溝145を通過し、突起部144に当たることによって矢印に示すように風向きが変更されて先端部15Dの撮像窓18に付着しているオイル、照明窓19に付着しているオイルを吹き飛ばす。
この後、作業者は、再び、内視鏡画像を観察しつつ、上述したようにギアボックス内の検査を続行する。
一方、検査中において、観察対象に付着している例えば塵埃が観察に支障を来す場合、作業者は、汚れ除去作業に移行する。つまり、作業者は、内視鏡挿入部10DをOリングの付勢力に抗して手元側に引き戻す操作を行う。そして、先端面4fから導出されていた先端部15Dの周溝145を、図22Cに示すように突起部144に係入させる。すると、先端部15Dの先端面3fがチューブ本体30Dの先端面4fAから突出した状態にする。
ここで、作業者は、内視鏡画像を観察しつつ、第2スイッチ24をオン操作する。すると、第1隙間143に供給された空気は、矢印に示すように第2隙間146を通過して先端面3fの前方に向かって噴出される。この結果、観察対象に付着していた塵埃が、噴出された空気によって吹き飛ばされて、表示部6に塵埃が除去された観察対象内視鏡画像が表示される。
この後、作業者は、再び、内視鏡画像を観察しつつ、上述したようにギアボックス内の検査を続行する。
なお、第2隙間146を通過して先端面3fの前方に噴出される空気を、前述した図15Cに示すようにボックス103の側壁103sで反射させ、この反射された空気によって、撮像窓18に付着しているオイル、照明窓19に付着しているオイル、ガイド用照明窓76に付着しているオイル等を吹き飛すようにしてもよい。
このように、ガイドチューブ4Dのチューブ本体30Dと、内視鏡挿入部10Dとを構成して、第1隙間143、および、第2隙間146を形成する。この結果、内視鏡挿入部10Dの周溝145と、チューブ本体30Dの突起部144との相対位置を作業者が適宜調整することによって、第1隙間143に供給される空気を、先端部15の先端面3fに向けて,或いは先端面3fの前方方向に向けて噴出させて、オイル、塵埃等の除去作業を行うことができる。
また、上述した実施形態においては、チューブ先端構成部40に先端側内視鏡孔41、ノズル孔42、及び複数の発光素子配設孔43を設けていた。しかし、図23Aのチューブ先端構成部40Bに示すように先端面4fにノズル70に加えて吸引ノズル150を設ける構成にしてもよい。なお、図23A、23Bにおいて発光素子配設孔43、ガイド用照明窓76の図示を省略している。
図23A、図23Bに示すチューブ先端構成部40Bには複数の軸方向貫通孔が形成されている。チューブ先端構成部40Bの軸方向貫通孔は、先端側内視鏡孔41、第1ノズル孔42、複数の発光素子配設孔、及び第2ノズル孔151である。
第1ノズル孔42は、前記ノズル孔42であり、ノズル70が固設される。第2ノズル孔151は、吸引孔であり、吸引ノズル150が固設される。第2ノズル孔151の中心軸は、先端側内視鏡孔41の中心軸を挟んで、ノズル孔42の中心軸に対向する位置に形成されている。
なお、本実施形態において、吸引ノズル150とノズル70とを容易に識別可能にするため大きさの異なるノズルとしている。具体的に、吸引ノズル150は、噴射側のノズル70よりも大きく、吸引するための開口部を大きくしている。吸引ノズル150の開口部先端は、噴射側のノズル70の先端面より前方に高く開口している。また、開口部の横方向(幅)は、内視鏡の観察面と同じ、若しくは、それ以上としている。しかし、吸引ノズル150とノズル70とは同一形状であっても、大きさが異なる形状であってもよい。また、本実施形態において、チューブ本体30は、照明孔33の代わりに図示しない吸引孔を有する。吸引孔の先端側は、第2ノズル孔151に連通し、吸引孔の基端側は図示しない吸引口金であるチューブ接続口金(不図示)を介して流体チューブである吸引チューブ(不図示)に連通している。吸引チューブは、図示しない吸引ポンプに連結されている。
吸引ノズル150は、樹脂製或いはゴム製の弾性部材で有り、ノズル本体152と、フランジ部153と、切り欠き部154と、吸引口155とを備えて構成されている。吸引ノズル150は、第2ノズル孔151の先端側開口を塞ぐように固設される。ノズル本体152は、本実施形態において楕円形状であって、第2ノズル孔151内に配置される。フランジ部153は、ノズル本体152の端部外周面全周に渡って突出して形成されている。切り欠き部154は、ノズル本体152及びフランジ部153の予め定めた面に形成される。
本実施形態において、吸引ノズル150は、ノズル本体152を第2ノズル孔151に挿通し、フランジ部153の基端面を先端面4fに密着させ、この状態で例えば接着によってチューブ先端構成部40Bに一体に固定される。密着配置させた状態において、切り欠き部154の切り欠き面を先端側内視鏡孔41の中心軸方向に向ける。このことよって、吸引ノズル150の吸引口155は、先端側内視鏡孔41の中心軸を挟んで、ノズル70の噴出口74に対向する。
この構成によれば、流体孔32を介して供給される空気は、ノズル孔42、切り欠き部73を通過して噴出口74から先端側内視鏡孔41の開口に向けて噴出される。一方、吸引ポンプが駆動状態において、先端面4f廻りの空気は、吸引ノズル150の吸引口155から吸引され、その後、切り欠き部154、第2ノズル孔151、図示しない吸引孔、吸引チューブを介して吸引される。
つまり、撮像窓18等のオイルを除去する際、本実施形態においては、第2スイッチ24をオン操作して送気ポンプ82及び吸引ポンプが駆動状態にする。すると、図23Cに示すようにノズル70から噴出されて先端面3fに向かった空気は、撮像窓18のオイル、照明窓19のオイルを除去しつつ先端面3f上を移動して、吸引状態である吸引ノズル150に吸い込まれていく。
このように、チューブ先端構成部40Bにノズル70に加えて吸引ノズル150を設ける。この結果、撮像窓18等に付着したオイル等の除去を行う際、送気ポンプ82及び吸引ポンプを駆動状態にすることにより、噴出口74から噴出される空気が先端面3f上を移動して効率良く吸引口155に吸い込まれていく。
この結果、撮像窓18に付着したオイルの除去、照明窓19に付着したオイルの除去を確実に行うことができる。
なお、吸引ノズル側の開口部の大きさを大きく設定したのは、撮像窓18に付着したオイル、ゴミをノズル70で吹き飛ばしたとき、オイル、ゴミを確実に吸引するためである。
また、図23Aの破線に示すように内視鏡挿入部10を突出させた状態において、送気ポンプ82及び吸引ポンプを駆動状態にする。すると、噴出口74から噴出された空気は、内視鏡挿入部10の外周面に沿って吸引口155に吸い込まれていく。この結果、ガイド用照明窓に付着しているオイル等を吹き飛すことができる。
なお、噴射側のノズル70と吸引ノズル150の突出長を変えているが、同じ突出長としても良い。
さらに、図23Dに示すように吸引ノズル150の幅寸法をノズル70の幅寸法に比べて幅広に設定するようにしてもよい。つまり、噴射側のノズル70を絞って、噴射しやすくして、吸引側のノズル150の幅を広くしても良い。
この構成によれば、観察中、送気ポンプ82及び吸引ポンプを駆動状態にする、幅狭なノズル70から噴出された空気が幅広な吸引ノズル150に吸い込まれていく。この結果、先端部15の先端面3fに設けられた撮像窓18の前面及び照明窓19の前面が、ノズル70から吸引ノズル150に向かって移動する空気の層によって保護されて、該撮像窓18及び該照明窓19にオイル等が付着することを予防することができる。
また、突出しているノズル70、150によって観察中に先端面3fが構造物或いは異物に接触する不具合を防止することができる。
なお、上述した実施形態においては、吸引ノズル150を、先端側内視鏡孔41の中心軸を挟んで、ノズル70に対向させて設けるとしている。しかし、吸引ノズル150を図23Eに示すように複数設けるようにしてもよい。
図23Eにおいて、チューブ先端構成部40Cには吸引ノズル150A、150B、150Cが設けられている。本実施形態において、吸引ノズル150Bは、上述したようにノズル70に対向し、吸引ノズル150A、150Cは吸引ノズル150Bの中心軸とノズル70の中心軸とを結ぶ仮想線に対して対象に設けられている。そして、吸引ノズル150A、150B、150Cは、図示しない流体制御用のCPUによって例えば以下のように駆動制御されている。
ノズル70から空気を噴出している状態において、CPUは、第1吸引ノズル150Aだけを予め定めた時間吸引状態にし、次に、第2吸引ノズル150Bだけを予め定めた時間吸引状態にし、次いで、第3吸引ノズル150Cだけを予め定めた時間吸引状態にし、次に、第2吸引ノズル150Bだけを予め定めた時間吸引状態にし、その後は、上述の順番で吸引動作を繰り返す制御を行う。
すると、ノズル70から噴出される空気は、まず、ノズル70から矢印23Y1に示すように第1吸引ノズル150Aに向かって流れ、次に、ノズル70から矢印23Y2に示すように第2吸引ノズル150Bに向かって流れ、次いで、ノズル70から矢印23Y3に示すように第3吸引ノズル150Cに向かって流れ、次に、ノズル70から矢印23Y2に示すように第2吸引ノズル150Bに向かって流れ、その後は、上述を繰り返す。
この結果、ノズル70から噴出される空気は、噴出方向を変えつつ先端面3f全面に行き渡る。この結果、撮像窓18、照明窓19に噴出方向の異なる流体が吹き付けられることによって、撮像窓18に付着したオイルの除去及び照明窓19に付着したオイルの除去を確実に行うことができる。
ところで、上述した実施形態においては、チューブ先端構成部40に1つのノズル70を設けていた。しかし、チューブ先端構成部40に複数のノズル70を設けるようにしてもよい。
図24A−図24Eを参照して複数のノズルを備える構成について説明する。
図24Aに示すチューブ先端構成部40Gは、先端面4fに複数のノズル70を備えている。チューブ先端構成部40Gには複数の軸方向貫通孔として先端側内視鏡孔41、複数のノズル孔42a−42d、及び複数の発光素子配設孔を有している。ノズル孔42a−42dは、例えば、周方向に等間隔で設けられている。複数のノズル孔42a−42dには、それぞれノズル70が固設されるようになっている。
なお、複数のノズル孔42a−42dにおいて、第1ノズル孔42aは、上述したノズル孔42と同様に先端側内視鏡孔41の外周側の予め定めた位置である、曲がり部34の曲率中心側に設けられている。
符号30Gは、チューブ本体である。チューブ本体30Gの先端側には、チューブ先端構成部40Gが固定される。
なお、本構成においては、フレキシブルガイド50、チューブ本体固定部60の図を省略している。
チューブ本体30Gは、予め定めた弾発性を有する例えばウレタン製のマルチルーメンチューブである。図24Bに示すようにチューブ本体30Gは、複数の軸方向貫通孔として、挿入部挿通孔31、複数の流体孔32a−32d、及び照明孔(不図示)を備えている。
第1流体孔32aの先端側は、第1ノズル孔42aに連通し、第1流体孔32aの基端側には第1流体チューブ161の先端部が連通されている。同様に、第2流体孔32bの先端側は、第2ノズル孔42bに連通し、第2流体孔32bの基端側には第2流体チューブ162の先端部が連通されている。第3流体孔32cの先端側は、第3ノズル孔42cに連通し、第3流体孔32cの基端側には第3流体チューブ163の先端部が連通されている。第4流体孔32dの先端側は、第4ノズル孔42dに連通し、第4流体孔32dの基端側には第4流体チューブ164の先端部が連通されている。
そして、第1流体チューブ161の基端部は、第1制御弁166に連結され、第2流体チューブ162の基端部は、第2制御弁167に連結され、第3流体チューブ163の基端部は、第3制御弁168に連結され、第4流体チューブ164の基端部は、第4制御弁169に連結されている。制御弁166、167、168、169は、流体供給装置170に設けられている。
なお、第1制御弁166は、第1連結チューブ176を介してポンプ175に連結され、第2制御弁167は、第1連結チューブ177を介してポンプ175に連結され、第3制御弁168は、第3連結チューブ178を介してポンプ175に連結され、第4制御弁169は、第4連結チューブ179を介してポンプ175に連結されている。
本実施形態において、チューブ本体30Gの先端側であって、隣り合って設けられている流体孔32a、32cの間には第1圧力センサー171が配置されている。同様に、隣り合う流体孔32c、32bの間には第2圧力センサー172が配置され、流体孔32b、32dの間には第3圧力センサー173が配置され、流体孔32d、32aの間には第4圧力センサー174が配置されている。
圧力センサー171、172、173、174は、内視鏡挿入部10の外周面が挿入部挿通孔31の内周面を押圧する力である密着力を検知する。各圧力センサー171、172、173、174からはそれぞれ信号線が延出されている。各信号線は、保護チューブ181、182、183、184によって保護されている。各信号線は、内視鏡本体2内に設けられているセンサー検出部185に接続されている。
センサー検出部185の検出結果は、流体制御用のCPUを備える制御部186に出力される。制御部186は、センサー検出部185から出力される検出値に基づいて流体供給装置170に設けられている制御弁166、167、168、169の開閉制御を行う。
その他の構成は上述した実施形態と同様で有り、同部材には同符号を付して説明を省略する。
上述のように構成された内視鏡用ガイドチューブを備える内視鏡システムの作用を説明する。
検査中において、作業者が、オイルが例えば撮像窓18或いは照明窓19に付着して内視鏡画像にオイルによる不都合が生じるおそれがあると判断した際、オイルの除去作業に移行する。
この際、作業者は、図示しない内視鏡挿入部を手元側に引き戻す操作を行って、先端面4fから導出されていた内視鏡挿入部の先端部を先端側内視鏡孔41内に収容する。そして、作業者は、内視鏡画像を観察しつつ、先端部の先端面を先端面4f近傍に配置し、第2スイッチ24をオン操作する。
このとき、上述したように内視鏡挿入部が予め定めた湾曲硬度に設定され、チューブ本体30Gに曲がり部34が設けられ、内視鏡挿入部とチューブ本体30Gの挿入部挿通孔31に隙間が設定されていることによって、内視鏡挿入部の一部が挿入部挿通孔31の内周面の何れかを押圧している。
本実施形態において、チューブ本体30Gの周囲に4つの圧力センサー171、172、173、174設けられ、各圧力センサー171、172、173、174から検出値が出力されている。このため、制御部186は、各圧力センサー171、172、173、174から出力される検出値から内視鏡挿入部の挿入部挿通孔31内における配置位置を判定し、その配設位置に対して最も近接した位置に設けられているノズル70から流体を噴出させる。
例えば、図24Cに示すように内視鏡挿入部10が第1流体孔32aに近接した位置で挿入部挿通孔31に当接している場合、センサー検出部185には第1圧力センサー171の検出値と第4圧力センサー174の検出値とが出力される。この検出結果を受けた制御部186は、内視鏡挿入部10が第1流体孔32aに近接していると判定して、第1制御弁166だけを開状態にする制御信号を出力する。すると、矢印Y24Cに示すように第1流体孔32aに流体が供給される。
この結果、撮像窓18に付着していたオイル、照明窓19に付着していたオイル、ガイド用照明窓76に付着していたオイルは、第1ノズル孔42aに設けられたノズル70から噴出される空気によって吹き飛ばされて、表示部6に再び内視鏡検査に好適な内視鏡画像が表示される。
この後、作業者は、再び、内視鏡画像を観察しつつ、上述したようにギアボックス内の検査を続行する。
なお、図24Cに示すように内視鏡挿入部10が第2流体孔32bに近接した位置で挿入部挿通孔31に当接している場合、センサー検出部185には第2圧力センサー172の検出値と第3圧力センサー173の検出値とが出力される。この検出結果を受けた制御部186は、内視鏡挿入部10が第2流体孔32bに近接していると判定して、第2制御弁167だけを開状態にする制御信号を出力する。すると、矢印Y24Dに示すように第2流体孔32bに流体が供給される。
この結果、撮像窓18に付着していたオイル、照明窓19に付着していたオイル、ガイド用照明窓76に付着していたオイルは、第2ノズル孔42bに設けられたノズル70から噴出される空気によって吹き飛ばされる。
また、図示は省略するが、センサー検出部185に第1圧力センサー171の検出値だけが出力されている場合、この検出結果を受けた制御部186は、内視鏡挿入部10が第1流体孔32aと第3流体孔32cとの間に配置されていると判定する。そして、制御部186は、第1制御弁166を開状態にする制御信号及び第3制御弁168を開状態にする制御信号を出力する。
この結果、撮像窓18に付着していたオイル、照明窓19に付着していたオイル、ガイド用照明窓76に付着していたオイルは、第1ノズル孔42aに設けられたノズル70及び第3ノズル孔42cに設けられたノズル70から噴出される空気によって吹き飛ばされて、表示部6に再び内視鏡検査に好適な内視鏡画像が表示される。
このように、複数のノズル孔42a−42dにそれぞれノズル70を設ける一方、チューブ本体30Gの先端側に内視鏡挿入部10の密着力を検出する複数のセンサー171、172、173、174を設ける。そして、制御部186は、センサー171、172、173、174から出力される検出結果から内視鏡挿入部10のチューブ本体30Gに対する配置位置を判定し、その上で、その配置位置に最も近接しているノズル孔を確定し、該ノズル孔に対応する制御弁を開状態にする制御信号を出力する。
この結果、先端部15の先端面3fに近接した位置に配設されているノズル70から流体が噴出されて、撮像窓18に付着していたオイル等の除去をより確実に行うことができる。
なお、上述した実施形態においては、チューブ本体30Gの先端側に圧力センサー171、172、173、174を設けている。しかし、チューブ本体30Gの先端側に設けるセンサーは、圧力センサーに限定されるものではなく、図24Eに示す歪みセンサー191、192、193、194であってもよい。
図25A、図25Bを参照して複数のノズルを備えるチューブ本体の他の構成について説明する。
図25A、図25Bに示すチューブ本体30Hは、可撓性を有するマルチルーメンチューブである。チューブ本体30Hの先端側には上述したチューブ先端構成部40Gが固定される。
チューブ本体30Hは、複数の軸方向貫通孔として、挿入部挿通孔31、複数の流体孔32a−32d、及び複数の空気室用孔201−204を備えている。第1流体孔32aの先端側は第1ノズル孔42aに連通し、第2流体孔32bの先端側は第2ノズル孔42bに連通し、第3流体孔32cの先端側は第3ノズル孔42cに連通し、第4流体孔32dの先端側は第4ノズル孔42dに連通している。そして、本実施形態においても上述と同様に、各流体孔32a−32dの基端側には流体チューブ161−164が連結され、連結チューブ161−164の基端側は流体供給装置170の制御弁166−169に連結されている。
複数の空気室用孔201−204の先端側開口は、蓋体211、212、213、214によって塞がれている。空気室用孔201−204の先端側には挿入部挿通孔31に連通する連通孔206、207、208、209が設けられている。挿入部挿通孔31の内周面であって、連通孔206、207、208、209に対応する位置には膨縮自在で予め定めた形状、大きさに形成されたシート210が設けられている。
シート210は、各辺の端側に接着代を有している。シート210は、接着代に塗布した接着剤によって挿入部挿通孔31の内周面に密着固定されて空気室を形成する。つまり、挿入部挿通孔31の内周面には連通孔206、207、208、209に対応する空気室216、217、218、219が設けられている。なお、空気室217、218は、不図示である。
例えば、第1空気室216は、第1空気室用孔201、第1連通孔206を介して空気が供給されていくにしたがって徐々に挿入部挿通孔31の中心軸方向に膨張する。一方、膨張していた第1空気室216は、第1連通孔206、第1空気室用孔201を介して空気が排出されていくに従って徐々に収縮して挿入部挿通孔31の内周面に密着した状態になる。
本実施形態において、空気室用孔201−204の基端側には、図示しない空気室用チューブが連結され、空気室用チューブの基端側は図示しない流体給排装置の制御弁に連結されている。また、空気室216−219は、作業者が操作部11に設けられた図示しないエアー噴出スイッチを操作することによって膨張、或いは収縮するように構成されている。そして、エアー噴出スイッチから出力された指示信号は、流体制御用のCPUを備える制御部に入力される。
上述のように構成された流体チューブを有する内視鏡用ガイドチューブを備える内視鏡システムの作用を説明する。
検査中において、作業者が、オイルが例えば撮像窓18或いは照明窓19に付着して内視鏡画像にオイルによる不都合が生じるおそれがあると判断した際、オイルの除去作業に移行する。
この際、作業者は、図示しない内視鏡挿入部を手元側に引き戻す操作を行って、先端面4fから導出されていた内視鏡挿入部の先端部を先端側内視鏡孔41内に収容する。そして、作業者は、内視鏡画像を観察しつつ、エアー噴出スイッチを選択操作する。ここで、作業者によって第3流体孔32cに連通するノズル70が選択されたとする。
すると、操作部11から指示信号が出力され、制御部に入力される。制御部は、指示信号に対応するノズル70に先端部15を近接させるため、第1制御弁を開状態にする制御信号を出力して第1空気室用孔201に流体を供給すると共に、第4制御弁を開状態にする制御信号を出力して第4空気室用孔204に流体を供給する。
この結果、図25Bに示すように第1空気室216及び第4空気室219が予め設定した状態に膨らんで先端部15を第3流体孔32cに連通するノズル70に近接させる。
このことにより、撮像窓18に付着していたオイル、照明窓19に付着していたオイル、ガイド用照明窓76に付着していたオイルは、先端部15に対して近接した位置に設けられているノズル70から噴出される空気によって吹き飛ばされて、表示部6に再び内視鏡検査に好適な内視鏡画像が表示される。
この後、作業者は、再び、内視鏡画像を観察しつつ、上述したようにギアボックス内の検査を続行する。
このように、複数のノズル孔42a−42dにそれぞれノズル70を設ける一方、チューブ本体30Hの挿入部挿通孔31の内周面先端側に膨縮自在な空気室216、217、218、219を設ける。そして、操作部にエアー噴出スイッチを設ける。そして、制御部は、作業者がエアー噴出スイッチを操作して選択したノズルに近接する位置に先端部を移動させるため、空気室216、217、218、219のいずれかに空気を供給する制御信号を出力する。この結果、先端部15の先端面3fが作業者の選択したノズル70に近接して配置されて該ノズル70から噴出される流体によって撮像窓18に付着していたオイル等の除去を確実に行うことができる。
ところで、上述した実施形態のガイドチューブにおいて、ノズル70の配置位置は固定されていた。しかし、ノズル70をガイドチューブの軸廻りに回動自在にしてノズル70の噴出口を変更可能にするようにしてもよい。
図26A−図26Cを参照してノズル70の位置を変更可能にするノズル口金を備える構成について説明する。
図26Aに示すガイドチューブ220は、ノズル口金221と、LEDヘッド口金222と、連結口金223と、外チューブ224と、内チューブ225とを備えて構成されている。外チューブ224は、LEDヘッド口金222の基端側に外嵌配置され、水密に一体固定されている。外チューブ224は、可撓性を有するチューブ体である。符号230はエアー供給チューブであり、符号240はノズルである。ノズル240は、前方に空気を噴出する直噴ノズルである。
図26A及び図26Bに示すようにLEDヘッド口金222は、複数の軸方向貫通孔として内チューブ配設孔226と,複数のLED配設孔227とを備えている。内チューブ配設孔226の内周面には内チューブ225の先端側外周面が水密を保持して一体に固定されている。内チューブ225は、可撓性を有するチューブ体である。
LED配設孔227の先端側にLED228が固設される。LED228からはLED電線229が延出されている。LED電線229は、LED配設孔227及び内チューブ225と外チューブ224との隙間を介してガイドチューブ220の基端側まで延出されている。
連結口金223は、LEDヘッド口金222の先端面から予め定め距離離間した位置に固定されている。連結口金223は、環部材であって、軸方向にヘッド口金固定孔231とエアー供給孔232とを備えている。エアー供給孔231の基端側開口にはエアーチューブ接続口金233が固設される。エアーチューブ接続口金233にはエアー供給チューブ230が固定される。
連結口金223の先端面には、エアー供給孔231の先端側開口が形成されている。また、先端面外周側には水密保持部材234が設けられている。水密保持部材234は、図示しない収容溝に配置されている。符号235は、ノズル口金係入部である。ノズル口金係入部235には、ノズル口金が配置される。
ノズル口金221は、LEDヘッド口金222および連結口金223に対して回動自在に配置される。ノズル口金221は、環部材であって、軸方向にヘッド口金配置孔241とノズル孔242とを備えている。ヘッド口金配置孔241にはLEDヘッド口金222が遊嵌配置される。ノズル孔242の先端開口にノズル240が固設される。なお、ノズル孔242の先端開口にノズル240を設けることなく、噴出口としてもよい。
ノズル口金221は、基端側に円周凸部243を備える。円周凸部243は、ノズル口金係入部235の外周に配置され、内周面244及び底面245が水密保持部材234に密着して配置される。
符号246は、エアー供給溝であり、ノズル口金221の基端面であってヘッド口金配置孔241の外側にO字形状に設けられている。エアー供給溝246の底面にノズル孔242の基端開口が形成されている。
この構成によれば、ノズル口金221は、LEDヘッド口金222及び連結口金223の軸廻りに回動自在で有り、回動させることによって、ノズル240の位置を周方向に自在に変更可能である。
また、ノズル240の配置位置にかかわらず、エアー供給チューブ230を介して供給される空気を、エアーチューブ接続口金233、エアー供給孔232、エアー供給溝246を介してノズル孔242に供給してノズル240から噴出させることができる。
なお、ノズル240は、直噴ノズルに限定されるものではなく、図26Cに示すようにガイドチューブ220の長手軸に向けて空気を噴出させる噴出口250を備える構成であってもよい。
また、図26Dに示すように外チューブ224の外側にインターロックチューブ251を設ける構成においては、インターロックチューブ251の曲げ形状を考慮してノズル口金221を回転することによって、最適な位置にノズル240或いは噴出口250を配置したガイドチューブを得ることができる。
また、図26Eに示すように連結口金223から延出されるエアー供給チューブ230を、外チューブ224の外周面側に巻き付けてガイドチューブ220の基端側から延出させるようにしてもよい。このとき、エアー供給チューブ230は、外チューブ224とインターロックチューブ251との隙間に余裕を持って巻回されている。このことによって、インターロックチューブ251を作業者の望む形状に形成される。
また、図26Fに示すようにノズル口金221に支持部255を設け、その支持部255に牽引ワイヤー256の一端側を固定する。そして、牽引ワイヤー256の基端側を軸廻りに回転する回転リング257に固定する。そして、本実施形態においては、牽引ワイヤー256をエアー供給チューブ230に代えて外チューブ224の外周面側に巻き付けている
この構成によれば、回転リング257を回転させて牽引ワイヤー256を牽引することによって、ノズル口金221を回転させて、ノズル240の位置調整を行うことができる。
図26Gに示すようにノズル口金221を回転させる回転駆動機構260を連結口金223に設けるようにしてもよい。回転駆動機構260は、モーター261と、歯車列262とで構成される。歯車列262は、モーター261のモーター軸に設けられる歯車263と、この歯車263に噛合するノズル口金221に設けた噛合部(不図示)とによって構成される。符号265はモーター駆動部であり、モーター261に駆動信号を出力する。
本実施形態において、チューブ本体270は、先端側に歪みセンサー271−274を備えている。歪みセンサー271−274は、チューブ本体270の湾曲形状を検出する。歪みセンサー271−274は、検出値を湾曲量検出部275に出力する。湾曲量検出部275は、歪みセンサー271−274の検出値からチューブ本体270の湾曲形状を算出したうえで、モーター駆動部265に制御信号を出力する。
つまり、湾曲量検出部275は、チューブ本体270の湾曲形状に基づく制御信号をモーター駆動部265に出力する。すると、モーター駆動部265は、制御信号に対応する駆動信号を生成してモーター261を駆動させる。この結果、ノズル口金221が回転されてノズル240の位置が変更される。
この結果、図示しない内視鏡挿入部の先端部を内チューブ225内に収容したとき、該先端部がノズル240近傍に配置される。つまり、チューブ本体270の湾曲形状に対して常に最適な位置にノズル240を配置させてオイルの除去等を行うことができる。
図27A、図27Bを参照してガイドチューブの先端及び挿通孔の変形例を説明する。
図27Aに示すように、内視鏡挿通孔131の先端部の形状をガイドチューブの曲げ形状の方向に対して長径を有する楕円形状としてもよい。内視鏡挿通孔131の楕円形状の短径のサイズは、内視鏡挿入部10が挿通できる最小のサイズ、すなわち、内視鏡挿入部10の外径よりも若干大きい。これに対して、長径は、曲げ部で内視鏡を通過しやすく、ある程度余裕を持つ大きさである。そして、流体を噴射する流体孔132は、ガイドチューブの曲げの内側に設けている。
なお、流体孔132を対向する反対側の位置に設けて、切り換え可能としてもよい。
また、上述した内視鏡挿通孔131は、先端部の開口形状だけを楕円形状に構成するとしているが、先端部のみならず全長に渡って断面形状を楕円形状で構成するようにしてもよい。
さらに、図27Bに示すように、内視鏡挿通孔141の先端部の形状を少なくともガイドチューブの曲げ形状の方向に対して短径を有する楕円形状としてもよい。内視鏡挿通孔141の楕円形状の短径のサイズは、内視鏡挿入部10の外径よりも若干大きい程度が好ましい。この構成において、流体を噴射するノズル170は、幅広の形状にしている。内視鏡挿通孔141の長径が図中横方向に位置するので、内視鏡を左右に向きを変える際の自由度を増すことが期待できる。
なお、内視鏡挿通孔141は、先端部の開口形状だけを楕円形状に構成しているが、先端部のみならず全長に渡って断面形状を楕円形状で構成するようにしてもよい。
また、上述した実施形態においては、ガイドチューブの外形形状を円形としている。しかし、ガイドチューブの外形形状は,円形に限定されるものではなく、図28に示すように矩形形状であってもよい。符号280は、ガイドチューブ、符号281はノズル、符号282は内視鏡挿入部である。ノズル281は、一方が送気ノズルであり、他方が吸引ノズルである。
尚、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。