JP6789560B1 - 脱輪・落下防止装置 - Google Patents
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Abstract
Description
さらに、本実施形態の脱輪・落下防止装置は、車輪の浮き上がりや機械の転倒も防止できるようにしたことに特徴を有している。
図1において符号Gは、工場や倉庫等の建物の天井に設けられたランウェイガーダを示している。図1(B)において符号GPはランウェイガーダGの頂板を示している。また、符号1は、一対のランウェイガーダG,G間に設けられた天井クレーンを示している。この天井クレーン1は、走行部2を介して一対のランウェイガーダG,G上に載せられている。具体的には、天井クレーン1の走行部2は、つば付車輪やつばの無い車輪等の公知の車輪3が回転可能に設けられており、この車輪3はランウェイガーダG上に載せられている。
さて、本実施形態の脱輪・落下防止装置10を説明する。
なお、図1(A)において天井クレーンにおける右側に位置する走行部2に設けられた脱輪・落下防止装置10と、左側に位置する走行部2に設けられた脱輪・落下防止装置10は実質的に左右対称の構造を有しており、左右対称の構造である点を除き実質的に同じ作動をする。したがって、以下の説明では、左側に位置する走行部2に設けられた脱輪・落下防止装置10を代表として、本実施形態の脱輪・落下防止装置10の構造を説明する。
図1および図2に示すように、本体部11は天井クレーン1の走行部2に固定される部材である。この本体部11は、板状の保持部11aと、保持部11aの背面に保持部11aと略直交するように配置された支持板11bとによって、略T字状に形成されている。
図1および図2に示すように、本体部11の保持部11aの下部には、移動機構15が設けられている。この移動機構15は、保持部11aの背面側に設けられた中空なケース15aを有している。このケース15aは、保持部11aに設けられた貫通穴hを介して、内部の空間が保持部11aの前面側と連通されている。この貫通穴hは、本体部の保持部11aを天井クレーン1の走行部2に取り付けた状態において、車輪3の回転軸方向とほぼ平行になるように設けられている。この貫通穴hには、移動機構15の軸15sがその先端部を保持部11aの前面側に突出させた状態で移動可能に配置されている。つまり、貫通穴hの軸方向(図1(B)および図2では左右方向)に沿って、言い換えれば、車輪3の回転軸方向に沿って移動可能となるように軸15sは設けられている。なお、軸15sは、その後端部がケース15aの後端から突出するように配置されており、ケース15aの後端から突出している部分にはストッパー15cが設けられている。このストッパー15cは、軸15sが一定以上保持部11aの前面側から突出しないように制限するものである。
図1および図2に示すように、本体部11の保持部11aの前面には、引っ掛け部材20が設けられている。この引っ掛け部材20は、本体部11を天井クレーン1の走行部2に取り付けた状態で天井クレーン1がランウェイガーダG上に載せられると、ランウェイガーダGの頂板GPの下端よりも下方に位置するように、保持部11aの前面に立設されている。接触部材12において引っ掛け部材20と対応する位置には貫通孔12hが設けられており、接触部材12が後退すると、引っ掛け部材20の第一端部20aが貫通孔12hを挿通するように設けられている(図2(B)参照)。より詳しくいえば、軸15sを軸方向に移動させるような力が加わっていない状態(図2(A)参照)の接触部材12に対して、接触部材12が一定以上(例えば10〜30mm程度)後退すると(図2では左方向に移動すると)、引っ掛け部材20は、その第一端部20aが接触面12fよりも突出するように設けられている(図2(B)参照)。しかも、車輪3が走行径路(ランウェイガーダGの頂板GP)から外れる(脱輪する)まえに、接触部材12の接触面12fからある程度の長さが突出するように引っ掛け部材20は設けられている。
本実施形態の脱輪・落下防止装置10は以上のような構造を有するので、以下のように作動する。なお、図1(A)において天井クレーンにおける右側に位置する走行部2に設けられた脱輪・落下防止装置10と、左側に位置する走行部2に設けられた脱輪・落下防止装置10は実質的に左右対称の構造を有しており、左右対称の構造である点を除き実質的に同じ作動をする。したがって、以下の説明では、左側に位置する走行部2に設けられた脱輪・落下防止装置10を代表として、本実施形態の脱輪・落下防止装置10の作動を説明する。
上記例では、移動機構15は、保持部11aに設けられた貫通穴hに軸15sが挿通されている場合を説明した。しかし、移動機構15の軸15sは必ずしも保持部11aに設けられた貫通穴hに挿通されていなくてもよい。軸15sの先端部が保持部11aの前面から前方に位置し、かつ、軸方向に沿って移動できるように設けられていればよい。例えば、ケース15aの前面が保持部11aの前面とほぼ面一になるように、移動機構15を保持部11aに設置してもよい。
移動機構15の吸収部16は、必ずしも力が除去された際に元の状態に復元する機能を有していなくてもよく、力が加わると変形するが元の形状に復帰しないものを採用してもよい。
引っ掛け部材20の長さはとくに限定されない。上述したように、ランウェイガーダGの頂板GPと接触部材12の接触面12fとが接触してから、車輪3が走行径路(ランウェイガーダGの頂板GP)から外れる(脱輪する)まえに、接触部材12の接触面12fからある程度の長さが突出するように設けられていればよい。ある程度の長さとは、ランウェイガーダGの頂板GPと引っ掛け部材20の第一端部20aとの引っ掛かりが外れない程度の長さを意味している。具体的には、ランウェイガーダGの頂板GPと引っ掛け部材20の第一端部20aとが引っ掛かった状態で、車輪3の浮き上がりや天井クレーン1の転倒を発生させるような力が発生しても、ランウェイガーダGの頂板GPと引っ掛け部材20の第一端部20aとの引っ掛かりが外れない程度の長さを意味している。この長さは、車輪3の幅と走行径路の幅(つまり、ランウェイガーダGの頂板GPの幅やレールRの幅)に応じて適切な長さを採用することができる。例えば、車輪3の幅を125mm、レールRの幅を65mmとする。そして、天井クレーン1をレールR上の所定の位置に載せた状態で、接触部材12の接触面12fとレールRが設置されているランウェイガーダGの頂板GPとの距離が50mmであるとする。この場合には、引っ掛け部材20がレールRの頭部に引っ掛かる長さ(つまり、接触部材12の接触面12fから突出する長さ)を45mm以下とすれば、車輪3がレールRから脱輪する前に、引っ掛け部材20の第一端部20aをレールRの頭部に引っ掛けることができる。
2 走行部
3 車輪
10 脱輪・落下防止装置
11 本体部
12 接触部材
12f 接触面
12h 貫通孔
15 移動機構
15s 軸
16 吸収部
20 引っ掛け部材
20a 第一端部
G ランウェイガーダ
GP 頂板
R レール
Claims (5)
- 車輪によって走行する機械の脱輪・落下防止装置であって、
該脱輪・落下防止装置が、
前記車輪の走行径路の側方に配置された、該車輪の走行径路と接触する接触面を有する接触部材と、
該接触部材に連結され前記車輪の回転軸方向に沿って該接触部材を進退可能に保持する移動機構と、
第一端部を車輪の走行径路に引っ掛ける引っ掛け部材と、を備えており、
前記移動機構は、
前記接触部材が後退する方向の力を吸収する吸収部を有しており、
前記引っ掛け部材は、
前記接触部材が後退すると前記第一端部が接触面よりも突出するように配設されている
ことを特徴とする脱輪・落下防止装置。 - 前記引っ掛け部材が、
前記車輪の走行方向に沿って間隔を開けて複数本設けられており、
該複数本の引っ掛け部材は、
前記車輪の走行方向に沿った方向における隣接する引っ掛け部材の間隔が、前記引っ掛け部材を走行径路に引っ掛ける際に障害となる障害物の車輪の走行方向に沿った長さよりも長くなるように配設されている
ことを特徴とする請求項1記載の脱輪・落下防止装置。 - 前記吸収部が、
前記車輪の回転軸方向に沿って前記接触部材に加わる力が除去されると、該接触部材を元の状態に復帰させる機能を有している
ことを特徴とする請求項1または2記載の脱輪・落下防止装置。 - 前記接触部材の接触面には、
前記接触部材が後退すると前記引っ掛け部材が挿通される貫通孔が形成されている
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の脱輪・落下防止装置。 - 前記車輪の走行径路がランウェイガーダであり、
前記引っ掛け部材は、
前記ランウェイガーダの頂板よりも下方に位置するように設けられている
ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の脱輪・落下防止装置。
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