JP6784339B2 - トナー用マスターバッチとその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、トナー用マスターバッチとその製造方法に関する。
本願は、2015年9月7日に、日本に出願された特願2015−175726号、に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
近年のプリンターの高速化、小型化、省エネルギー化等の要求に対し、ヒートローラー方式の定着部における低温化が進んでいる。そのため、トナーには低温定着性が求められる。また、連続印刷時における定着部の高温化に伴う定着不良を改善するため、耐ホットオフセット性の要求や、オイルレス定着に対する材料分散性(特に、離型剤の分散性)と耐ホットオフセット性の両立も、低温定着性と同時にトナーに求められている。
トナー用結着樹脂は、上述のようなトナー性能に大きな影響を与えるものである。トナー用結着樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂等が知られている。
トナーの低温定着性は、例えば、トナーにワックス等の離型剤を配合することで改善される。
耐ホットオフセット性は、例えば、トナーの高温弾性を上げることで改善される。
例えば、特許文献1には、着色剤がポリエステル樹脂等のトナー用結着樹脂中に分散したマスターバッチと、前記トナー用結着樹脂と同等または異なる樹脂と、ワックス等の離型剤とを、有機溶媒に溶解または分散させ、これを水性媒体中に乳化分散させた後、凝集させて得られるトナーが開示されている。
特開2002−296839号公報
しかしながら、従来のトナーでは、トナー性能にムラが生じる場合があった。これは、トナーの製造安定性が悪いことが原因であると考えられる。そのため、トナー中での離型剤の分散性が低下したり、高温弾性が低下したりすることがあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、トナー性能のムラが少ないトナーを安定して製造することができるトナーの製造方法、トナー用マスターバッチとその製造方法、およびトナー性能のムラが少ないトナーを提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
<1> レーザ回折法を用いて測定したモード径が50〜250μmであるアクリル系重合体(A)の粒子およびレーザ回折法を用いて測定したモード径が0.3〜5mmであるポリエステル樹脂(B1)の粒子を含む混合物であり、ポリエステル樹脂(B1)/アクリル系重合体(A)で表される質量比が2.5以上である、トナー用マスターバッチ。
<2> ポリエステル樹脂(B1)/アクリル系重合体(A)で表される質量比が3.5以上である、<1>に記載のトナー用マスターバッチ。
<3> 前記アクリル系重合体(A)が、メチルメタクリレート単位、n−ブチルメタクリレート単位、n−ブチルアクリレート単位およびイソブチルメタクリレート単位からなる群より選ばれる2種類以上の単位を有する重合体である、<1>または<2>に記載のトナー用マスターバッチ。
<4> 前記アクリル系重合体(A)が、グリシジル(メタ)アクリレート単位を有する重合体である、<1>または<2>に記載のトナー用マスターバッチ。
<5> レーザ回折法を用いて測定したモード径が50〜250μmであるアクリル系重合体(A)の粒子とレーザ回折法を用いて測定したモード径が0.3〜5mmであるポリエステル樹脂(B1)の粒子とを、ポリエステル樹脂(B1)/アクリル系重合体(A)で表される質量比が2.5以上となるように混合する工程を有する、トナー用マスターバッチの製造方法。
<6> ポリエステル樹脂(B1)/アクリル系重合体(A)で表される質量比が3.5以上である、<5>に記載のトナー用マスターバッチの製造方法。
<7> 軟化温度が異なる2種以上のポリエステル樹脂を用いる、<5>または<6>に記載のトナー用マスターバッチの製造方法。
<8> 前記ポリエステル樹脂(B1)が、酸成分とアルコール成分との反応物であり、酸成分100モル部に対するビスフェノール誘導体の割合が60モル部以下である、<1>〜<4>の何れか1つに記載のトナー用マスターバッチ。
<9> 前記ポリエステル樹脂(B1)が、酸成分とアルコール成分との反応物であり、酸成分100モル部に対する3価以上のカルボン酸の割合が25モル部以下であり、3価以上のアルコールの割合が20モル部以下である、<1>〜<4>の何れか1つに記載のトナー用マスターバッチ。
また、本発明は、以下の側面を有する。
[1] アクリル系重合体(A)およびポリエステル樹脂(B1)を含み、ポリエステル樹脂(B1)/アクリル系重合体(A)で表される質量比が2.5以上である、トナー用マスターバッチ。
[2] 前記アクリル系重合体(A)が、メチルメタクリレート単位、n−ブチルメタクリレート単位、n−ブチルアクリレート単位およびイソブチルメタクリレート単位からなる群より選ばれる2種類以上の単位を有する重合体である、[1]に記載のトナー用マスターバッチ。
[3] 前記アクリル系重合体(A)が、グリシジル(メタ)アクリレート単位を有する重合体である、[1]に記載のトナー用マスターバッチ。
[4] [1]に記載のトナー用マスターバッチと、ポリエステル樹脂(B2)とを含み、前記トナー用マスターバッチとポリエステル樹脂(B2)との総質量に対する、前記アクリル系重合体(A)の含有量が5質量%以下である、トナー。
[5] 前記トナーに含まれる全てのポリエステル樹脂(B)が、酸成分とアルコール成分との反応物であり、酸成分100モル部に対するビスフェノール誘導体の割合が60モル部以下である、[4]に記載のトナー。
[6] 200℃における貯蔵弾性率(G’)が、200〜10000Paである、[4]または[5]に記載のトナー。
[7] 前記アクリル系重合体(A)が、メチルメタクリレート単位、n−ブチルメタクリレート単位、n−ブチルアクリレート単位およびイソブチルメタクリレート単位からなる群より選ばれる2種類以上の単位を有する重合体である、[4]〜[6]の何れか1つに記載のトナー。
[8] 前記アクリル系重合体(A)が、グリシジル(メタ)アクリレート単位を有する重合体である、[4]〜[6]の何れか1つに記載のトナー。
[9] アクリル系重合体(A)とポリエステル樹脂(B1)とを、ポリエステル樹脂(B1)/アクリル系重合体(A)で表される質量比が2.5以上となるように混合する工程を有する、トナー用マスターバッチの製造方法。
[10] アクリル系重合体(A)およびポリエステル樹脂(B1)を含み、ポリエステル樹脂(B1)/アクリル系重合体(A)で表される質量比が2.5以上であるトナー用マスターバッチと、ポリエステル樹脂(B2)とを、トナー用マスターバッチとポリエステル樹脂(B2)との総質量に対する、前記アクリル系重合体(A)の含有量が5質量%以下となるように混合する工程を有する、トナーの製造方法。
[11] アクリル系重合体(A)およびポリエステル樹脂(B1)を含み、ポリエステル樹脂(B1)/アクリル系重合体(A)で表される質量比が2.5以上であるトナー用マスターバッチと、ポリエステル樹脂(B2)とを、トナー用マスターバッチとポリエステル樹脂(B2)との総質量に対する、前記アクリル系重合体(A)の含有量が5質量%以下となるように混合して得られた、トナー。
[12] 軟化温度が異なる2種以上のポリエステル樹脂を含む、[4]〜[8]の何れか1つに記載のトナー。
[13] 軟化温度が異なる2種以上のポリエステル樹脂を用いる、[9]に記載のトナー用マスターバッチの製造方法。
[14] 軟化温度が異なる2種以上のポリエステル樹脂を用いる、[10]に記載のトナーの製造方法。
[15] 前記ポリエステル樹脂(B1)が、酸成分とアルコール成分との反応物であり、酸成分100モル部に対するビスフェノール誘導体の割合が60モル部以下である、[1]〜[3]の何れか1つに記載のトナー用マスターバッチ。
[16] 前記ポリエステル樹脂(B1)が、酸成分とアルコール成分との反応物であり、酸成分100モル部に対する3価以上のカルボン酸の割合が25モル部以下であり、3価以上のアルコールの割合が20モル部以下である、[1]〜[3]の何れか1つに記載のトナー用マスターバッチ。
[17] 前記トナーに含まれる全てのポリエステル樹脂(B)が、酸成分とアルコール成分との反応物であり、酸成分100モル部に対する3価以上のカルボン酸の割合が25モル部以下であり、3価以上のアルコールの割合が20モル部以下である、[4]〜[8]、[12]の何れか1つに記載のトナー。
本発明のトナーの製造方法によれば、トナー性能のムラが少ないトナーを安定して製造することができる。
本発明のトナー用マスターバッチを用いれば、トナー性能のムラが少ないトナーを安定して製造することができる。
本発明のトナーは、トナー性能のムラが少ない。
<トナー>
本発明のトナーは、トナー用マスターバッチ(C)と、ポリエステル樹脂(B2)とを含む。前記トナー用マスターバッチ(C)は、アクリル系重合体(A)と、ポリエステル樹脂(B1)とを含む。すなわち、トナーは、アクリル系重合体(A)と、ポリエステル樹脂(B1)と、ポリエステル樹脂(B2)とを含む。以下、ポリエステル樹脂(B1)およびポリエステル樹脂(B2)を総称して、「ポリエステル樹脂(B)」ともいう。
<アクリル系重合体(A)>
アクリル系重合体(A)(以下、「(A)成分」ともいう。)は、熱可塑性でもよいし、熱硬化性でもよいが、熱可塑性が好ましい。すなわち、(A)成分としては、アクリル系熱可塑性重合体が好ましい。
(A)成分としては、構成成分として単官能のアルキル(メタ)アクリレート単位を含むのが好ましい。単官能のアルキル(メタ)アクリレートは構成単位としてエステル基を含有するため、ポリエステル樹脂(B)との相溶性が良好となり、ポリエステル樹脂(B)と併用する効果が大きくなるからである。
ここで、「(メタ)アクリレート」はアクリレートおよびメタクリレートの総称である。
単官能の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(A)成分は、単官能の(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜100質量部と、これと共重合可能な他のビニル単量体を必要に応じて50質量部以下とを含む合計100質量部を重合して得ることができる。
他のビニル単量体として、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デンシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−フェニルスチレン、3,4−ジシクロスチレン等のスチレン系モノマー;不飽和ジカルボン酸ジエステル(具体的にはマレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチル等)、不飽和モノカルボン酸(具体的には(メタ)アクリル酸、ケイヒ酸等)、不飽和ジカルボン酸(具体的にはマレイン酸、フマル酸、イタコン酸等)、不飽和ジカルボン酸モノエステル(具体的にはマレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノブチル等)等のカルボン酸含有ビニル系モノマー;(メタ)アクリロニトリル;(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ここで、「(メタ)アクリル酸」はアクリル酸およびメタクリル酸の総称であり、「(メタ)アクリロニトリル」はアクリロニトリルおよびメタクリロニトリルの総称であり、「(メタ)アクリルアミド」はアクリルアミドおよびメタクリルアミドの総称である。
さらに、他のビニル単量体として、多官能性ビニル単量体を使用することもできる。多官能性ビニル単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、メタクリル酸アリル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(A)成分を製造するための重合法としては、乳化重合法による一段重合もしくは逐次多段重合が好ましい。ただし、特にこれに制限されることはなく、例えば、乳化重合後最外層重合体の重合時に、懸濁重合系に転換させる乳化懸濁重合によっても製造できる。
(A)成分の製造においては、例えば、乳化重合法によって製造した重合体ラテックスを、各種凝固剤により分離回収し、あるいはスプレードライにより固形分を分離回収し、その重合体粉末を得ることができる。
(A)成分の平均粒子径は、500μm以下が好ましい。(A)成分の平均粒子径が500μm以下であれば、粒子径を単分散に制御しやすい。(A)成分の平均粒子径の下限値については特に制限されないが、粒子として分離する際の生産性が向上する観点から、0.01μm以上が好ましい。
平均粒子径が500μm以下の粒子径のうち、5μmより大きい粒子を得たい場合は懸濁重合法を用いるのが好ましく、5μm以下の粒子を得たい場合は、乳化重合法や分散重合等を選択するのが好ましい。乳化剤の影響でトナーの保存安定性が低位になる場合は、乳化剤フリー重合を用いてもよい。
(A)成分の平均粒子径とは、レーザ回折法を用いて測定した体積分布基準での累積50%に相当する粒子径のことである。具体的には、以下のように測定する。
(A)成分の粒度分布を、レーザ回折型粒径測定機(堀場製作所社製、「LA−920」)を用いて測定する。該装置の操作マニュアルに従い、測定用フローセルを用いて、セル内に蒸留水を加え、相対屈折率を1.20に選択設定し、粒径基準を体積基準にし、光軸の調整、光軸の微調整、ブランク測定を実施する。次に透過率70〜90%の範囲になる濃度まで(A)成分を添加し、超音波処理を強度5で1分間実施し、樹脂粒子の粒度分布測定を実施する。測定した粒度分布から、体積分布基準の累積50%に相当する粒子径(メジアン径)を平均粒子径とする。
トナー中の(A)成分の含有量は、トナー用マスターバッチ(C)とポリエステル樹脂(B2)との合計100質量%中(すなわち、アクリル系重合体(A)とポリエステル樹脂(B)との合計100質量%中)、5質量%以下であり、0.18〜2.5質量%が好ましく、0.20〜2.3質量%がより好ましい。(A)成分の含有量が上記範囲内であれば、トナーの製造安定性がより向上する。特に、(A)成分の含有量が0.18質量%以上であれば、詳しくは後述するが、トナーに(A)成分に由来する機能を十分に付与できる。一方、(A)成分の含有量が2.5質量%以下であれば、トナーの定着性を良好に維持できる。
<ポリエステル樹脂(B)>
ポリエステル樹脂(B)(以下、「(B)成分」ともいう。)は、結着樹脂の役割を果たす。
(B)成分は、酸成分とアルコール成分を原料として用いて合成される。すなわち、(B)成分は、酸成分とアルコール成分との反応物である。
酸成分としては、2価のカルボン酸、3価以上のカルボン酸が挙げられる。以下、2価のカルボン酸および3価以上のカルボン酸を総称して、「多価カルボン酸」ともいう。
2価のカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸の異性体(具体的には1,4−、1,5−、1,6−、1,7−、2,5−、2,6−、2,7−、2,8−)、およびこれらの低級アルキルエステル;コハク酸、セバシン酸、イソデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、マレイン酸、アジピン酸、フランジカルボン酸、およびこれらのモノメチル、モノエチル、ジメチル、ジエチルエステルや、これらの酸無水物;フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸、およびこれらのエステル誘導体;アクリル酸、クロトン酸、メタクリル酸、およびこれらのエステル誘導体などが挙げられる。
テレフタル酸、イソフタル酸の低級アルキルエステルの例としては、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジブチル、イソフタル酸ジブチルなどが挙げられる。
これらのうち、2価のカルボン酸としては、トナーの保存性、ハンドリング性およびコストに優れる点で、テレフタル酸、イソフタル酸が好ましい。
これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、後述の3価以上のカルボン酸と併用してもよい。
3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、およびこれらの酸無水物や低級アルキルエステルなどが挙げられる。
これらのうち、3価以上のカルボン酸としては、ハンドリング性およびコストに優れる点で、トリメリット酸、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸、ピロメリット酸無水物が好ましい。
3価以上のカルボン酸の割合は、酸成分100モル部に対して50モル部以下が好ましく、30モル部以下がより好ましく、25モル部以下がさらに好ましい。3価以上のカルボン酸の割合が50モル部以下であれば、急激な架橋反応が起こりにくく、品質の安定したポリエステル樹脂(B)が得られる。特に、3価以上のカルボン酸の割合が25モル部以下であれば、ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度を任意に制御しやすくなり、保存安定性に優れたトナーが得られる。
3価以上のカルボン酸の割合は、酸成分100モル部に対して0モル部でもよいが、酸成分として3価以上のカルボン酸を用いる場合は、0.1モル部以上が好ましく、0.5モル部以上がより好ましく、1モル部以上がさらに好ましい。
アルコール成分としては、2価のアルコール、3価以上のアルコールが挙げられる。以下、2価のアルコールおよび3価以上のアルコールを総称して、「多価アルコール」ともいう。
2価のアルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、D−イソソルバイド、L−イソソルバイド、イソマンニド、エリスリタン、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、ビスフェノール誘導体(具体的にはポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.2)−ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等)などが挙げられる。
これらのうち、2価のアルコールとしては、トナーの低温流動性、保存性、粉砕性を良好に維持できるという点で、エチレングリコール、ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。
これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、後述の3価以上のアルコールと併用してもよい。
3価以上のアルコールとしては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサテトラロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、グリセリンなどが挙げられる。
これらのうち、3価以上のアルコールとしては、ハンドリング性およびコストに優れる点で、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビトールが好ましい。
(B)成分の原料として、多価カルボン酸および多価アルコールに加え、1価のカルボン酸や1価のアルコールを併用してもよい。
1価のカルボン酸としては、例えば、安息香酸、p−メチル安息香酸等の炭素数30以下の芳香族カルボン酸;ステアリン酸、ベヘン酸等の炭素数30以下の脂肪族カルボン酸;桂皮酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和二重結合を分子内に1つ以上有する不飽和カルボン酸などが挙げられる。
1価のアルコールとしては、例えば、ベンジルアルコール等の炭素数30以下の芳香族アルコール;オレイルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の炭素数30以下の脂肪族アルコールなどが挙げられる。
(B)成分の製造方法としては特に制限されず、公知のポリエステル樹脂の製造方法を用いて製造することができる。例えば、酸成分およびアルコール成分等を反応容器に投入し、加熱昇温して、エステル化反応またはエステル交換反応を行い、反応で生じた水またはアルコールを除去する。その後引き続き重合反応を実施するが、このとき反応装置内を徐々に減圧し、150mmHg(20kPa)以下、好ましくは15mmHg(2kPa)以下の真空下でジオール成分を留出除去させながら重縮合を行う。
エステル化反応、エステル交換反応、重縮合時に用いる触媒としては、特に制限されず、チタンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、酢酸カルシウム、酢酸カルシウム水和物、酢酸スズ、酢酸亜鉛、二硫化スズ、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム等の公知の触媒を用いることができる。
アルコール成分の含有量は、得られる(B)成分の軟化温度(T4)とガラス転移温度(Tg)とのバランスが良好となることから、酸成分100モル部に対して180モル部以下が好ましく、70〜170モル部がより好ましく、80〜160モル部がさらに好ましく、90〜150モル部が特に好ましい。特に、アルコール成分の含有量が、90モル部以上であれば(B)成分の製造安定性が良好となる傾向にあり、150モル部以下であれば軟化温度に対してガラス転移温度が高くなりやすく、保存性がより良好となる傾向にある。
特に、3価以上のアルコールを、酸成分100モル部に対して0.1〜80モル部用いることが好ましく、より好ましくは0.1〜50モル部であり、さらに好ましくは0.1〜20モル部である。3価以上のアルコールの含有量が0.1モル部以上であれば、トナーの定着性が良好となる。一方、3価以上のアルコールの含有量が80モル部以下であれば、樹脂の製造安定性が良好となる。特に、3価以上のアルコールの含有量が20モル部以下であれば、急激な架橋反応が起こりにくく、品質の安定したポリエステル樹脂(B)が得られる。
なお、3価以上のカルボン酸と3価以上のアルコールとを併用する場合、これらの合計が、酸成分100モル部に対して0.1〜30モル部となるように用いることが好ましく、より好ましくは0.1〜25モル部であり、さらに好ましくは0.1〜20モル部である。
また、ビスフェノール誘導体の含有量は、酸成分100モル部に対して60モル部以下が好ましく、55モル部以下がより好ましく、50モル部以下がさらに好ましい。ビスフェノール誘導体の含有量が60モル部以下であれば、添加剤等を用いなくてもポリエステル樹脂(B)の着色を低減しやすくなる。
前記重縮合は、離型剤(ワックス)の存在下で行ってもよい。離型剤の存在下で重縮合を行うことにより、トナーの定着性、ワックス分散性がより向上する傾向にある。
離型剤としては、後述する他の成分として挙げるものと同様のものが挙げられ、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
重縮合時における離型剤の添加量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜設定できる。
(B)成分の軟化温度(T4)は、70〜160℃が好ましく、80〜155℃がより好ましい。軟化温度が70℃以上であれば、定着強度が良好となる。一方、軟化温度が160℃以下であれば、低温定着性が良好となる。
(B)成分の軟化温度は、フローテスターを用いて測定することができる。
(B)成分としては、軟化温度が異なる2種以上のポリエステル樹脂を用いることが好ましい。軟化温度が異なる2種以上のポリエステル樹脂を用いることで、分子量分布やガラス転移温度を制御しやすくなる。
軟化温度が異なる2種以上のポリエステル樹脂を用いる場合、これら樹脂の軟化温度の差は、5℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましい。軟化温度の差が5℃以上であれば、分子量分布やガラス転移温度をより制御しやすくなる。軟化温度の差は、100℃以下が好ましい。
特に、トナーの耐久性や低温定着性が向上する観点から、軟化温度が120℃より高いポリエステル樹脂と、120℃以下であるポリエステル樹脂とを併用することが好ましく、軟化温度が120℃超160℃以下であるポリエステル樹脂と、軟化温度が35〜120℃であるポリエステル樹脂とを併用することが好ましい。
(B)成分のガラス転移温度(Tg)は、40〜85℃が好ましく、45〜75℃がより好ましい。ガラス転移温度が、40℃以上であればトナーの保存安定性が向上し、85℃以下であればトナーの低温定着性がより優れる。
(B)成分のガラス転移温度は、以下のようにして求める。すなわち、示差走差熱量計を用い、昇温速度5℃/分で測定したときのチャートの低温側のベースラインと、ガラス転移温度近傍にある吸熱カーブの接線との交点の温度を求め、これをTgとする。
(B)成分の酸価は、0.1〜60mgKOH/gが好ましく、0.1〜50mgKOH/gがより好ましく、1mgKOH/g以上30mgKOH/g未満がさらに好ましいい。酸価が、0.1mgKOH/g以上であれば(B)成分の生産性が向上する傾向にあり、60mgKOH/g以下であれば(B)成分の耐湿性が向上し、トナーが使用環境の影響を受けにくくなる。特に、酸価が30mgKOH/g未満であれば、後述するトナー用マスターバッチ(C)の製造安定性が良好となる。
(B)成分の酸価とは、試料1gを中和するのに必要な水酸化カリウムの量をミリグラム数で表したものである。
(B)成分のモード径は、0.3〜5mmが好ましく、0.3〜3mmがより好ましい。モード径が5mm以下であれば、トナーの製造安定性が良好となる。なお、(B)成分のモード径を0.3mm未満にすることも可能であるが、粉砕するためにエネルギーがかかる。製造コストや消費エネルギーの観点から、(B)成分のモード径は0.3mm以上が好ましい。
(B)成分のモード径とは、レーザ回折法を用いて測定した粒度分布の最頻値(ピーク粒子径)のことである。
(B)成分の含有量は、トナー用マスターバッチ(C)とポリエステル樹脂(B2)との合計100質量%中(すなわち、アクリル系重合体(A)とポリエステル樹脂(B)との合計100質量%中)、95質量%以上であり、97.5〜99.82質量%が好ましく、97.7〜99.8質量%がより好ましい。(B)成分の含有量が上記範囲内であれば、トナーの製造安定性がより向上する。特に、(B)成分の含有量が97.5質量%以上であれば、トナーの定着性を良好に維持できる。一方、(B)成分の含有量が99.82質量%以下であれば、詳しくは後述するが、トナーに(A)成分に由来する機能を十分に付与できる。
<任意成分>
トナーは、上述した(A)成分および(B)成分以外に、必要に応じて、着色剤、荷電制御剤、離型剤、流動改質剤、磁性体、(B)成分以外の樹脂(他の結着樹脂)などを含んでいてもよい。
着色剤としては、カーボンブラック、ニグロシン、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエロー、ローダミン系染顔料、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、モノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系染料もしくは顔料などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
トナーをカラートナーとして用いる場合、イエロー系着色剤としてはベンジジンイエロー、モノアゾ系染顔料、縮合アゾ系染顔料などが挙げられ、マゼンタ系着色剤としてはキナクリドン、ローダミン系染顔料、モノアゾ系染顔料などが挙げられ、シアン系着色剤としてはフタロシアニンブルーなどが挙げられる。
着色剤の含有量は特に制限されないが、トナーの色調や画像濃度、熱特性に優れる点から、トナー100質量%中、2〜10質量%が好ましい。
荷電制御剤としては、4級アンモニウム塩や、塩基性もしくは電子供与性の有機物質等の正帯電性の荷電制御剤;金属キレート類、含金属染料、酸性もしくは電子求引性の有機物質等の負帯電性の荷電制御剤が挙げられる。
トナーをカラートナーとして用いる場合、荷電制御剤としては無色ないし淡色で、トナーへの色調障害が少ないものが適しており、このような荷電制御剤としては、例えばサリチル酸またはアルキルサリチル酸のクロム、亜鉛、アルミニウム等との金属塩、金属錯体、アミド化合物、フェノール化合物、ナフトール化合物などが挙げられる。さらに、スチレン系、アクリル酸系、メタクリル酸系、スルホン酸基を有するビニル重合体を荷電制御剤として用いてもよい。
荷電制御剤の含有量は、トナー100質量%中、0.5〜5質量%が好ましい。荷電制御剤の含有量が0.5質量%以上であればトナーの帯電量が十分なレベルとなる傾向にあり、5質量%以下であれば荷電制御剤の凝集による帯電量の低下が抑制される傾向にある。
離型剤としては、トナーの離型性、保存性、定着性、発色性等を考慮して、カルナバワックス、ライスワックス、蜜蝋、ポリプロピレン系ワックス、ポリエチレン系ワックス、合成エステル系ワックス、パラフィンワックス、脂肪酸アミド、シリコーン系ワックス等を適宜選択して使用できる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
離型剤の融点は、上記トナー性能を考慮して適宜決定すればよい。
離型剤の含有量は特に制限されないが、上記のトナー性能を左右することから、トナー100質量%中、0.3〜15質量%が好ましい。離型剤の含有量の下限値は、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上が特に好ましい。また、離型剤の含有量の上限値は、13質量%以下がより好ましく、12質量%以下が特に好ましい。
流動改質剤などの添加剤としては、微粉末のシリカ、アルミナ、チタニア等の流動性向上剤;マグネタイト、フェライト、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、導電性チタニア等の無機微粉末;スチレン樹脂、アクリル樹脂等の抵抗調節剤;滑剤などが挙げられ、これらは内添剤または外添剤として使用される。
これらの添加剤の含有量は、トナー100質量%中、0.05〜10質量%が好ましい。これらの添加剤の含有量が0.05質量%以上であればトナーの性能改質効果が十分に得られる傾向にあり、10質量%以下であればトナーの画像安定性が良好となる傾向にある。
他の結着樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、環状オレフィン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<製造方法>
トナーは、(A)成分と(B)成分の一部とでトナー用マスターバッチ(C)を調製しておき、このトナー用マスターバッチ(C)と、残りの(B)成分や、必要に応じて任意成分とを混合することで得られる。
以下、トナーの製造方法の一例について、説明する。
本実施形態のトナーの製造方法は、以下に説明するマスターバッチ製造工程と、第一の混合工程と、第二の混合工程と、溶融混練工程と、粉砕工程と、分級工程とを有する。
(マスターバッチ製造工程)
マスターバッチ製造工程は、アクリル系重合体(A)とポリエステル樹脂(B1)とを混合して、トナー用マスターバッチ(C)を製造する工程である。
ポリエステル樹脂(B1)としては、上述した(B)成分の中から、1種以上を用いることができる。また、ポリエステル樹脂(B1)として、軟化温度が異なる2種以上のポリエステル樹脂を用いてもよい。
混合には、ヘンシェルミキサー等の公知の混合機を用いることができる。
ポリエステル樹脂(B1)/アクリル系重合体(A)で表される質量比は、2.5以上である。すなわち、トナー用マスターバッチ(C)は、アクリル系重合体(A)とポリエステル樹脂(B1)とを含み、ポリエステル樹脂(B1)/アクリル系重合体(A)で表される質量比が2.5以下である。
質量比が2.5以上であれば、トナーの定着性を良好に維持できる。質量比は3以上が好ましく、3超がより好ましく、3.5以上がさらに好ましい。
また、質量比は10以下が好ましく、9.5以下がより好ましく、9以下がさらに好ましく、8.5以下が特に好ましい。質量比が10以下であれば、詳しくは後述するが、トナーに(A)成分に由来する機能を十分に付与できる。
特に質量比が2.5〜10であれば、トナーの製造安定性がより向上する。
(第一の混合工程)
第一の混合工程は、マスターバッチ製造工程により得られたトナー用マスターバッチ(C)と、ポリエステル樹脂(B2)とを混合する工程である。なお、第一の混合工程により得られた混合物(D)を「トナー用結着樹脂」ともいう。
ポリエステル樹脂(B2)としては、上述した(B)成分の中から、1種以上を用いることができる。また、ポリエステル樹脂(B2)として、軟化温度が異なる2種以上のポリエステル樹脂を用いてもよい。
ポリエステル樹脂(B2)は、マスターバッチ製造工程で用いるポリエステル樹脂(B1)と同じ種類の樹脂であってもよいし、異なる種類の樹脂であってもよい。
混合には、ヘンシェルミキサー等の公知の混合機を用いることができる。
トナー用マスターバッチ(C)の配合量は、ポリエステル樹脂(B2)とトナー用マスターバッチ(C)との合計100質量%中、(A)成分の含有量が5質量%以下となる量であり、好ましくは0.18〜2.5質量%となる量であり、より好ましくは0.20〜2.3質量%となる量である。(A)成分の含有量が上記範囲内であれば、トナーの製造安定性がより向上する。
また、ポリエステル樹脂(B2)の配合量は、ポリエステル樹脂(B2)とトナー用マスターバッチ(C)との合計100質量%中、ポリエステル樹脂(B2)とポリエステル樹脂(B1)との合計が95質量%以上となる量であり、好ましくは97.5〜99.82質量%となる量であり、より好ましくは97.7〜99.8質量%となる量である。
(第二の混合工程)
第二の混合工程は、第一の混合工程で得られた混合物(D)(トナー用結着樹脂)と、着色剤、荷電制御剤、離型剤等の任意成分とを混合する工程である。
混合には、ヘンシェルミキサー等の公知の混合機を用いることができる。
(溶融混練工程)
溶融混練工程は、第二の混合工程で得られた混合物(E)を溶融混練する工程である。
溶融混練には、公知の混練機を用いることができる。混練機の具体例としては、単軸押出機または2軸押出機、連続密閉式混合機、ギア押出機、ディスク押出機、ロールミル押出機、スタティックミキサー等の連続溶融混合装置;バンバリーミキサー、ブラベンダーミキサー、ハーケミキサー等のバッチ密閉式溶融混合装置などが挙げられる。これらの中でも、短時間で効率よく混合物(D)中に任意成分を分散させることが可能なことから、連続溶融混合装置の使用がより好ましい。
混練機としてスタティックミキサーを使用する場合には、混合物(D)を90℃から250℃の温度範囲で溶融させ、公知のギヤポンプ等を用いて送液し、混合物(D)同士または混合物(D)と任意成分とを混合する方法が挙げられる。
スタティックミキサーの好ましい形態の具体例としては特に限定されないが、例えば以下のものが挙げられる。これらは工業的に入手することができる。
・緑機械工業株式会社製のスルザーミキサーSMX型(SMX−15A:6エレメント、12エレメント)、 配管25A(内径:27.2mm)のもの。
・東京日進ジャバラ株式会社製のNSミキサー(WB−15A:24エレメント)、 配管15A(内径:16.1mm)のもの。
・株式会社ノリタケカンパニーリミテド製のスタティックミキサー(15A:24エレメント)内径5mmのもの。
(粉砕工程)
粉砕工程は、溶融混練工程で得られた混練物(F)を粉砕する工程である。
混練物(F)を粉砕する際は、混練物(F)を粗粉砕した後、微粉砕することが好ましい。
粉砕には、チョッパーミル等の公知の粉砕機を用いることができる。
(分級工程)
分級工程は、粉砕工程で得られた粉砕物(G)を所望の粒子径になるように分級する工程である。
分級には、公知の分級機を用いることができる。
<作用効果>
上述したように、(A)成分と(B)成分の一部とでトナー用マスターバッチ(C)を調製しておき、このトナー用マスターバッチ(C)と、残りの(B)成分を混合することで、(A)成分と(B)成分とが均一に混ざり合った混合物(D)が得られる。よって、この混合物(D)と任意成分とを混合しても、トナー成分が均一に混ざり合った混合物(F)が得られ、トナー性能のムラが少ないトナーを安定して製造することができる。
(A)成分と(B)成分との粒子径差が大きいほど、(A)成分と(B)成分とを単に混合するだけでは両者は均一に混ざりにくくなるが、上述したように予めトナー用マスターバッチ(C)を調製しておけば、(A)成分と(B)成分との粒子径差が大きくても(A)成分と(B)成分とが均一に混ざり合った混合物(D)が得られる。
なお、トナーの製造方法は上述したものに限定されず、例えば分級工程の後、必要に応じて無機粒子の外添処理を行ってもよい。
また、上述した方法は、粉砕法を適用しているが、ケミカル法を適用してもよい。ケミカル法を適用する場合、例えば、上述したマスターバッチ製造工程と、第一の混合工程と、第二の混合工程とを経て混合物(E)を得た後、混合物(E)を溶剤に溶解・分散させ、水系媒体中にて造粒した後に溶剤を除去し、洗浄、乾燥することでトナーを得ることができる。また、乾燥の後、必要に応じて無機粒子の外添処理等を行ってもよい。
<用途>
本発明のトナーは、磁性1成分現像剤、非磁性1成分現像剤、2成分現像剤の何れの現像剤としても使用できる。
本発明のトナーを磁性1成分現像剤として用いる場合、トナーは磁性体を含有する。磁性体としては、例えばフェライト、マグネタイト、鉄、コバルト、ニッケル等を含む強磁性の合金;化合物や強磁性元素を含まないが、適当に熱処理することによって強磁性を示すようになる合金(例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−スズ等のマンガンと銅とを含む、所謂ホイスラー合金、二酸化クロム等)などが挙げられる。
磁性体の含有量は特に制限されないが、トナーの粉砕性に大きく影響を与えるため、トナー100質量中、3〜70質量%が好ましい。磁性体の含有量が3質量%以上であればトナーの帯電量が十分なレベルとなる傾向にあり、70質量%以下であればトナーの定着性や粉砕性が良好となる傾向にある。磁性体の含有量の上限値は、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下が特に好ましい。
本発明のトナーを2成分現像剤として用いる場合、本発明のトナーはキャリアと併用して用いられる。
キャリアとしては、例えば鉄粉、マグネタイト粉、フェライト粉等の磁性物質、それらの表面に樹脂コーティングを施したもの、磁性キャリアなどが挙げられる。樹脂コーティングキャリアのための被覆樹脂としては、例えばスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル共重合系樹脂、シリコーン系樹脂、変性シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、それらの樹脂の混合物などが挙げられる。
キャリアの使用量は、トナー100質量部に対して、500〜3000質量部が好ましい。キャリアの使用量が500質量部以上であればかぶり等が発生しにくくなる傾向にあり、3000質量部以下であれば定着画像の濃度が十分なものとなる傾向にある。
<他の実施形態>
トナーおよびトナー用マスターバッチ(C)に含まれる(A)成分は、その種類に応じた機能をトナーに付与することができる。
例えば、(A)成分が、グリシジル(メタ)アクリレート単位を有する重合体(以下、「重合体(A1)」ともいう。)である場合、トナーの製造における混練時の熱により、酸とエポキシ基の架橋反応が生じるため、トナーに高温弾性を付与できる。具体的には、200℃における貯蔵弾性率(G’)が、200〜10000Paであるトナーが得られる。ただし、架橋反応が生じるとトナーのガラス転移温度も高くなる傾向を示すため、低温で樹脂が軟化しにくく、低温定着を損なう場合がある。グリシジル(メタ)アクリレート単位を有する重合体を樹脂マスターバッチ化しておけば、トナーのガラス転移温度が高くなるのを抑制でき(具体的には、トナーのガラス転移温度を65℃以下に調整しやすくなり)、低温定着性と高温弾性のトレードオフ性能を両立できる。
また、(A)成分が、メチルメタクリレート単位、n−ブチルメタクリレート単位、とn−ブチルアクリレート単位およびイソブチルメタクリレート単位からなる群より選ばれる2種以上の単位を有する重合体(以下、「重合体(A2)」ともいう。)である場合、トナーに材料分散性を付与できる。
トナーおよびトナー用マスターバッチ(C)は、重合体(A1)および重合体(A2)のいずれか一方を含んでもよいし、両方を含んでもよい。
以下、重合体(A1)、重合体(A2)について、詳細に説明する。
(重合体(A1))
重合体(A1)は、グリシジル(メタ)アクリレート単位を有する重合体である。
グリシジル(メタ)アクリレート単位の含有量は、重合体(A1)を構成する全ての単量体単位の合計を100質量%としたときに、5質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、35質量%以上がさらに好ましい。重合体(A1)中のグリシジル(メタ)アクリレート単位の含有量が5質量%以上であれば、トナーが高温弾性を発現しやすくなる。
重合体(A1)は、グリシジル(メタ)アクリレート単位のみで構成されていてもよいし、その他の単量体単位を有していてもよい。
その他の単量体単位を構成する、その他の単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリロニトリルなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、その他の単量体としては、メチルメタクリレートが好ましい。
その他の単量体単位の含有量は、重合体(A1)を構成する全ての単量体単位の合計100質量%中、95質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、65質量%以下がさらに好ましい。
重合体(A1)のガラス転移温度(Tg)は、0〜150℃が好ましく、30〜90℃がより好ましい。ガラス転移温度が、0℃以上であれば取扱い性が良好となり、150℃以下であれば上述した溶融混練工程における溶融速度を高めることができる。
重合体(A1)のガラス転移温度は、下記式(1)に示すFoxの式から求められる。
1/Tg=Σ(Wi/Tgi) ・・・(1)
式(1)中、Wiは単量体iの全単量体に対する質量比率を示し、Tgiは単量体iの単独重合体のTgを示す。
単独重合体のTgの数値としては、POLYMER HANDBOOK THIRD EDITION(WILEY INTERSCIENCE)に記載の数値を用いることができる。
重合体(A1)のエポキシ当量は、10〜5000g/eqが好ましく、20〜4800g/eqがより好ましく、50〜4500g/eqがさらに好ましい。エポキシ当量が上記範囲内であれば、トナーが高温弾性をより発現しやすくなる。
重合体(A1)のエポキシ当量は、下記(i)〜(vi)の方法により測定されたものをいう。
(i)100mLメスフラスコに塩酸2gを入れ、エタノール/ジオキサン=20/80溶液でメスアップし、A液を調製する。
(ii)100mL共栓付き三角フラスコに試料0.15〜0.20gを精秤する。ジオキサン20mLを加え、超音波洗浄器を用いて超音波を1時間程度照射し、試料を溶解する。溶解時の液温は、40℃程度である。
(iii)試料が溶解した後、三角フラスコ内にA液を10mL加える。
(iv)A液添加後の試料溶液を、フェノールフタレインを指示薬として、0.1モル/l−KOH(エタノール)で滴定する。
(v)ブランク液の滴定も同時に行なう。
(vi)試料量、試料溶液及びブランク液の適定量からエポキシ当量を算出する。
重合体(A1)の質量平均分子量は、重合性の点から、0.3万〜10万が好ましく、0.5万〜8万がより好ましい。
重合体(A1)の質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる。例えば、テトラヒドロフランや水等の溶媒を溶離液とし、ポリメチルメタクリレート換算分子量として求めることができる。
重合体(A1)の形状としては、取扱い性や、(B)成分との配合性の点から、球状粒子であることが好ましい。
重合体(A1)の重合方法としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等、公知の重合方法が適用可能である。この中では、容易に球状粒子の重合体を得ることができるため、懸濁重合が好ましい。
重合体(A1)の重合に用いる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物;過酸化水素、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物などが挙げられる。
これらのうち、重合開始剤としては、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)が好ましい。
重合体(A1)の重合では、必要に応じて、連鎖移動剤を用いることができる。
連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類;チオグリコール酸オクチル等のチオグリコール酸エステル類;α−メチルスチレンダイマーなどが挙げられる。これらのうち、連鎖移動剤としては、n−ドデシルメルカプタンが好ましい。
重合体(A1)懸濁重合に用いる分散剤としては、例えば、燐酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、澱粉末シリカ等の水難溶性無機化合物;ポリビニルアルコ−ル、ポリエチレンオキサイド、セルロ−ス誘導体等のノニオン系高分子化合物;ポリ(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩、(メタ)アクリル酸とメチル(メタ)アクリレートの共重合物のアルカリ金属塩、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩とメチル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸スルホン酸エステルアルカリ金属塩の共重合物等のアニオン系高分子化合物などが挙げられる。
これらのうち、分散剤としては、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩とメチル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸スルホン酸エステルアルカリ金属塩の共重合物が好ましい。
重合体(A1)としては市販品を用いることができ、例えば、三菱レイヨン社製の商品名:メタブレンP−1900、P−1901、KP−6562、KP−7653などが挙げられる。
懸濁重合等、公知の方法により得られる重合体(A1)のモード径は、50〜250μm程度である。
対して、(B)成分のモード径は、上述したように0.3〜5mmが好ましい。そのため、重合体(A1)と(B)成分との粒子径差が大きく、両者は均一に混ざりにくい。
しかし、上述したように、重合体(A1)と(B)成分の一部とでトナー用マスターバッチ(C)を調製しておき、このトナー用マスターバッチ(C)と、残りの(B)成分を混合することで、重合体(A1)と(B)成分とが均一に混ざり合った混合物(D)が得られる。よって、この混合物(D)と任意成分とを混合しても、トナー成分が均一に混ざり合った混合物(F)が得られ、トナー性能のムラが少ないトナーを安定して製造することができる。
よって、重合体(A1)の効果が十分に発揮され、高温弾性に優れるトナーを安定して得られる。
なお、(B)成分のモード径を重合体(A1)のモード径と同程度になるように制御すれば、粒子径差が小さくなるので、予めトナー用マスターバッチ(C)を調製しておかなくても両者は均一に混ざると考えられる。
しかし、(B)成分を粉砕するためにはエネルギーがかかってしまうため、製造コストが増大する。
予めトナー用マスターバッチ(C)を調製しておく方法であれば、(B)成分を重合体(A1)と同程度のモード径になるまで粉砕する必要がないので、製造コストや消費エネルギーを削減できる。
(重合体(A2))
重合体(A2)は、メチルメタクリレート単位、n−ブチルメタクリレート単位、とn−ブチルアクリレート単位およびイソブチルメタクリレート単位からなる群より選ばれる2種以上の単位を有する重合体である。
重合体(A2)としては、メチルメタクリレート単位とn−ブチルメタクリレート単位とn−ブチルアクリレート単位とを有する重合体が好ましい。
メチルメタクリレート単位の含有量は、重合体(A2)を構成する全ての単量体単位の合計を100モル%としたときに、30〜85モル%が好ましく、35〜80モル%がより好ましく、40〜80モル%がさらに好ましい。重合体(A2)中のメチルメタクリレート単位の含有量が、30モル%以上であれば保存性が良好となり、85モル%以下であれば分散性と定着性の両立が可能になる。
n−ブチルメタクリレート単位の含有量は、重合体(A2)を構成する全ての単量体単位の合計を100モル%としたときに、1〜50モル%が好ましく、5〜45モル%がより好ましく、5〜40モル%がさらに好ましい。重合体(A2)中のn−ブチルメタクリレート単位の含有量が、1モル%以上であれば材料分散性がより良好となり、50モル%以下であれば保存性が良好となる。
n−ブチルアクリレート単位の含有量は、重合体(A2)を構成する全ての単量体単位の合計を100モル%としたときに、1〜50モル%が好ましく、5〜45モル%がより好ましく、5〜40モル%がさらに好ましい。重合体(A2)中のn−ブチルアクリレート単位の含有量が、1モル%以上であれば材料分散性がより良好となり、50モル%以下であれば保存性が良好となる。
イソブチルメタクリレート単位の含有量は、重合体(A2)を構成する全ての単量体単位の合計を100モル%としたときに、1〜99モル%が好ましく、10〜99モル%がより好ましく、20〜99モル%がさらに好ましい。重合体(A2)中のイソブチルメタクリレート単位の含有量が上記範囲内であれば、材料分散性がより良好となる。
重合体(A2)は、メチルメタクリレート単位とn−ブチルメタクリレート単位とn−ブチルアクリレート単位とイソブチルメタクリレート単位のうちの2種以上のみで構成されていてもよいし、その他の単量体単位を有していてもよい。
その他の単量体単位を構成する、その他の単量体としては、例えば、メチルアクリレート、エチル(メタ)アクリレート、i−ブチルアクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の直鎖アルキルアルコールの(メタ)アクリレート類;シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の環式アルキルアルコールの(メタ)アクリレート類;メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、メタクリル酸2−サクシノロイルオキシエチル−2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、メタクリル酸2−マレイノロイルオキシエチル−2−メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、メタクリル酸2−フタロイルオキシエチル−2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、メタクリル酸2−ヘキサヒドロフタロイルオキシエチル−2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のカルボキシ基含有モノマー;アリルスルホン酸等のスルホン酸基含有モノマー;アセトアセトキエチル(メタ)アクリレート等のカルボニル基含有(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート類;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレート類;N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート類;(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;アクリルアミド及びその誘導体(例えばジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド等);スチレン及びその誘導体;酢酸ビニル;ウレタン変性アクリレート類;エポキシ変性アクリレート類;シリコーン変性アクリレート類などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、その他の単量体としては、メチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートが好ましい。
その他の単量体単位の含有量は、重合体(A2)を構成する全ての単量体単位の合計100質量%中、25質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましい。
重合体(A2)は、その粒子中心部から表層部にかけて同心円状に2段階以上の組成の異なる重合体層を有するものであることが好ましい。組成の異なる重合体成分を用いて粒子の中心部から表層部にかけて同心円状に2段階以上の重合体層を有する粒子構造を形成することにより、貯蔵安定性や加熱成形性を高めることができる。
このような粒子構造の具体例として、例えばコア重合体とシェル重合体の2層からなるコアシェル型や、3段階以上の層構造からなる多段階型、あるいはこれらの各層を非常に薄くして連続的に近い組成変化を有するグラディエント型などが挙げられる。中でも、重合体粒子の調製の容易さの点からコアシェル型の粒子構造が好ましいが、これに限定されるものではない。
コアシェル型、多段階型、グラディエント型などの粒子構造を有する重合体(A2)の重合方法としては、水性媒体中での、乳化重合、シード乳化重合、ソープフリー乳化重合、懸濁重合、微細懸濁重合等、公知の重合方法が適用可能である。この中では、粒子構造を制御しやすい点で、乳化重合、シード乳化重合、ソープフリー乳化重合が好ましい。また、粒径が比較的大きい一次粒子を得る点からは、ソープフリー乳化重合、微細懸濁重合が好ましい。
なお、これらの重合技術により得られる重合体(A2)は、媒体液中に分散された分散液として得られることが一般的であるため、重合体分散液から重合体(A2)を回収する工程が必要になる。この回収工程に用いられる方法としては、噴霧乾燥法(スプレードライ法)、凝固法、凍結乾燥法、遠心分離法、濾過法など公知の方法を利用することが可能である。中でも噴霧乾燥法は粒子の性状を制御しやすい点や生産性などの点で優れている。
以下、コアシェル型の重合体(A2)と多段階型の重合体(A2)の一例について、それぞれ説明する。
コアシェル型:
コアシェル型の重合体(A2)としては、例えば、コア部が下記モノマー混合物(c)の共重合体であり、シェル部が下記モノマー混合物(s)の共重合体であるコアシェル構造を有する重合体などが挙げられる。
モノマー混合物(c):メチルメタクリレートと、炭素数が2〜8の脂肪族アルコールおよび/または芳香族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルと、必要に応じて他の共重合可能なモノマーとを含む。
モノマー混合物(s):メチルメタクリレートと、炭素数が2〜8の脂肪族アルコールおよび/または芳香族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルと、カルボキシ基またはスルホン酸基含有モノマーと、必要に応じて他の共重合可能なモノマーとを含む。
ただし、モノマー混合物(c)およびモノマー混合物(s)の少なくとも一方は、n−ブチルメタクリレートを含む。また、モノマー混合物(c)およびモノマー混合物(s)の少なくとも一方は、n−ブチルアクリレートを含む。
炭素数が2〜8の脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
炭素数が2〜8の芳香族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
カルボキシ基またはスルホン酸基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、スルホン酸アリル、スルホン酸ビニルなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
他の共重合可能なモノマーとしては、上記のアクリル系モノマーとの共重合可能であれば特に限定しないが、例えば、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の炭素数9以上のアルコールの(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アセトキシエチル(メタ)アクリレート等のカルボキシ基およびスルホン酸以外の官能基を有する(メタ)アクリレート;アクリルアミドおよびその誘導体(具体的にはジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシエチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド等);スチレンおよびその誘導体;酢酸ビニル;ブタジエン;アクリル変性シリコーン系モノマー;アクリル変性エポキシモノマー;アクリル変性ウレタンモノマーなどが挙げられる。
他の共重合可能なモノマーとしては、多官能モノマー、具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン等の架橋性モノマーを用いることもできる。
モノマー混合物(c)において、モノマー混合物(c)に含まれる全てのモノマーの合計を100モル%としたときに、メチルメタクリレートの含有量は20〜85モル%が好ましく、炭素数が2〜8の脂肪族アルコールおよび/または芳香族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルの含有量は15〜80モル%が好ましく、他の共重合可能なモノマーの含有量は30モル%以下が好ましい。
モノマー混合物(c)の好ましい組成は、モノマーの合計を100モル%とした場合、メチルメタクリレートが20〜70モル%、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレートおよびt−ブチル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種以上の(メタ)アクリル酸エステルが30〜80モル%、他の共重合可能なモノマーが20モル%以下である。
さらに好ましい組成は、モノマーの合計を100モル%とした場合、メチルメタクリレートが20〜70モル%、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレートおよびt−ブチル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種以上の(メタ)アクリル酸エステルが30〜80モル%、他の共重合可能なモノマーが10モル%以下である。
モノマー混合物(s)において、モノマー混合物(s)に含まれる全てのモノマーの合計を100モル%としたときに、メチルメタクリレートの含有量は20〜94.5モル%が好ましく、炭素数が2〜8の脂肪族アルコールおよび/または芳香族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルの含有量は5〜40モル%が好ましく、カルボキシ基またはスルホン酸基含有モノマーの含有量は0.5〜10モル%が好ましく、他の共重合可能なモノマーの含有量は30モル%以下が好ましい。
モノマー混合物(s)の好ましい組成は、モノマーの合計を100モル%とした場合、メチルメタクリレートが30〜79.5モル%、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレートおよびt−ブチル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種以上の(メタ)アクリル酸エステルが5〜40モル%、カルボキシ基含有アクリル系モノマーが0.5〜10モル%、他の共重合可能なモノマーが20モル%以下である。
さらに好ましい組成は、モノマーの合計を100モル%とした場合、メチルメタクリレートが55〜79.5モル%、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレートおよびt−ブチル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種以上の(メタ)アクリル酸エステルが20〜40モル%、カルボキシ基含有アクリル系モノマーが0.5〜10モル%、他の共重合可能なモノマーが10モル%以下である。
コア部/シェル部で表される質量比は、10/90〜90/10が好ましい。コア部の質量比が10以上の場合、あるいはシェル部の質量比が90以下の場合には、材料分散性がより良好となる傾向にある。 コア部の質量比が90以下の場合、あるいはシェル部の質量比が10以上の場合には、保存性が良好となる傾向にある。
コア部のガラス転移温度(Tg)は、30℃以下が好ましく、−60〜30℃がより好ましく、−4〜10℃がさらに好ましい。コア部の転移温度が30℃以下であれば、トナーに柔軟性と弾力性を付与できる。
シェル部のガラス転移温度(Tg)は50℃以上が好ましく、50〜100℃がより好ましく、55〜105℃がさらに好ましい。シェル部の転移温度が50℃以上であれば、保存性が良好となる。
コア部およびシェル部の転移温度は、上記式(1)に示すFoxの式から求められる。
多段階型:
多段階型の重合体(A2)としては、例えば、メチルメタクリレート単位を含む重合体(α)の存在下に、炭素数が1〜18のアルキル(メタ)アクリレートを含む単量体成分(1)を重合し、得られた重合体(β)の存在下に、メチルメタクリレートを含む単量体成分(2)を重合して得られる三段重合体などが挙げられる。
ただし、単量体成分(1)および単量体成分(2)の少なくとも一方は、n−ブチルメタクリレートを含む。また、単量体成分(1)および単量体成分(2)の少なくとも一方は、n−ブチルアクリレートを含む。
重合体(α)におけるメチルメタクリレート単位の含有量は、重合体(α)を構成する全ての単量体単位の合計を100質量%としたときに、80質量%以上が好ましく、85質量%以上がより好ましい。重合体(α)中のメチルメタクリレート単位の含有量が80質量%以上であれば、トナーの材料分散性をより高めることができる。
重合体(α)は、メチルメタクリレート単位のみで構成されていてもよいし、その他の単量体単位を有していてもよい。
その他の単量体単位を構成する、その他の単量体としては、例えば、芳香族ビニル、不飽和ニトリル、ビニルエステル、アルキルアクリレート、メチルメタクリレート以外のアルキルメタクリレートなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合体(α)におけるその他の単量体単位の含有量は、重合体(α)を構成する全ての単量体単位の合計を100質量%としたときに、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。
重合体(α)の還元粘度は2dL/g以上が好ましい。還元粘度が2dL/g以上であれば、重合体(A2)の効果がより発揮しやすくなる。
重合体(α)の還元粘度は、重合体(α)0.1gを100mLのクロロホルム中に溶解した溶液の還元粘度を、液温25℃で測定した値である。
炭素数が1〜18のアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジルメタクリレートなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
単量体成分(1)の好ましい組成は、炭素数1〜18のアルキルアクリレートが30〜70質量%、炭素数1〜18のアルキルメタクリレートが30〜70質量%である。
単量体成分(2)は、メチルメタクリレート以外の単量体(例えば芳香族ビニル、不飽和ニトリル、ビニルエステル、アルキルアクリレート、メチルメタクリレート以外のアルキルメタクリレート等)を含んでいてもよい。
単量体成分(2)の好ましい組成は、メチルメタクリレートが50〜100質量%、メチルメタクリレート以外の単量体が50質量%以下である。
さらに好ましくは、メチルメタクリレートが100質量%である。
多段重合では、重合体(α)10〜45質量部の存在下に、単量体成分(1)40〜70質量部を、単量体成分(1)の還元粘度が1dL/g以下、好ましくは0.2〜0.8dL/gとなるような条件で重合し、次いで、得られた重合体(β)の存在下に、単量体成分(2)5〜40質量部を、単量体成分(2)の還元粘度が2以上となるような条件で重合することが好ましい。なお、重合体(α)と単量体成分(1)と単量体成分(2)の合計を100質量部とする。
このような条件で多段重合を行うことで、比較的低分子量である重合体(β)の内側と外側に、比較的高分子量の重合体が配置した、いわゆるサンドイッチ構造の重合体を容易に得ることができる。
重合体(A2)としては市販品を用いることができ、例えば、三菱レイヨン社製の商品名:メタブレンL−1000、L−1030、LP−3207、P−700、P−710、KP−9859などが挙げられる。
乳化重合等、公知の方法により得られる重合体(A2)のモード径は、50〜250μm程度である。
対して、(B)成分のモード径は、上述したように0.3〜5mmが好ましい。そのため、重合体(A2)と(B)成分との粒子径差が大きく、両者は均一に混ざりにくい。
しかし、上述したように、重合体(A2)と(B)成分の一部とでトナー用マスターバッチ(C)を調製しておき、このトナー用マスターバッチ(C)と、残りの(B)成分を混合することで、重合体(A2)と(B)成分とが均一に混ざり合った混合物(D)が得られる。よって、この混合物(D)と任意成分とを混合しても、トナー成分が均一に混ざり合った混合物(F)が得られ、トナー性能のムラが少ないトナーを安定して製造することができる。
よって、重合体(A2)の効果が十分に発揮され、ワックス等の離型剤の分散性に優れるトナーを安定して得られる。
なお、(B)成分のモード径を重合体(A2)のモード径と同程度になるように制御すれば、粒子径差が小さくなるので、予めトナー用マスターバッチ(C)を調製しておかなくても両者は均一に混ざると考えられる。
しかし、(B)成分を粉砕するためにはエネルギーがかかってしまうため、製造コストが増大する。
予めトナー用マスターバッチ(C)を調製しておく方法であれば、(B)成分を重合体(A2)と同程度のモード径になるまで粉砕する必要がないので、製造コストや消費エネルギーを削減できる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例1、17は参考例である。
[(A)成分]
(A)成分として、以下に示す化合物を用いた。
・A−1:グリシジルメタクリレートの単独重合体(三菱レイヨン社製、「P−1900」、モード径100μm、数平均分子量(Mn)4400、質量平均分子量(Mw)16100、ピークトップ分子量(Mp)10800)。
・A−2:メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレートおよびn−ブチルアクリレートの共重合体からなるコア部と、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレートおよびn−ブチルアクリレートの共重合体からなるシェル部とからなる、コアシェル構造の重合体(三菱レイヨン社製、「L−1000」、モード径100μm、数平均分子量(数平均分子量(Mn)4500、質量平均分子量(Mw)157000、ピークトップ分子量(Mp)155000)。
・A−3:メチルメタクリレートおよびイソブチルメタクリレートの共重合体からなるコア部と、メチルメタクリレートの単独重合体からなるシェル部とからなる、コアシェル構造の重合体(三菱レイヨン社製、「LP−3207」、モード径36μm、数平均分子量(Mn)81300、質量平均分子量(Mw)917000、ピークトップ分子量(Mp)985800)。
なお、重合体のモード径は、後述するポリエステル樹脂のモード径の測定方法と同様にして求めた。
また、重合体の分子量は、GPCを用い、テトラヒドロフランを溶離液として測定し、ポリスチレンの換算分子量として求めた。
[(B)成分]
以下に示すようにして、B−1〜B−6を製造した。
表1に示す仕込み組成の多価カルボン酸と、多価アルコールと、ワックスと、多価カルボン酸に対して500ppmのチタニウムアルコキサイド触媒(テトラブトキシチタン)とを蒸留塔備え付けの反応容器に投入した。なお、ワックスの量は、多官能カルボン酸および多官能アルコールとワックスとの合計を100質量%としたときの量(質量%)である。
次いで、反応容器中の攪拌翼の回転数を120rpmに保ち、昇温を開始し、反応系内の温度が265℃になるように加熱し、この温度を保持してエステル化反応を行った。反応系からの水の留出がなくなりエステル化反応が終了した後、反応系内の温度を下げて240℃に保ち、反応容器内を約40分かけて減圧し、真空度を133Paとし、反応系から多価アルコールを留出させながら重縮合反応を行った。
反応とともに反応系の粘度が上昇し、粘度上昇とともに真空度を上昇させ、攪拌翼のトルクが所望の軟化温度を示す値となるまで縮合反応を実施した。そして、所定のトルクを示した時点で撹拌を停止し、反応系を常圧に戻し、窒素により加圧して反応物を取り出し、ポリエステル樹脂(B−1)〜(B−6)を得た。なお、ポリエステル樹脂(B−1)〜(B−4)の重合終点は、重合途中でサンプリングを実施し、軟化温度測定により決定した。
得られたポリエステル樹脂について、以下のようにしてガラス転移温度(Tg)、軟化温度(T4)、酸価、およびモード径を測定した。結果を表1に示す。
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、示差走差熱量計(島津製作所社製、「DSC−60」)を用いて、昇温速度5℃/minにおけるチャートのベースラインと吸熱カーブの接線との交点から測定した。測定試料は10mg±0.5mgをアルミパン内に計量し、ガラス転移温度以上の100℃で10分融解後、ドライアイスを用いて急冷却処理したサンプルを用いて行った。
<軟化温度(T4)の測定>
ポリエステル樹脂の軟化温度は、フローテスター(島津製作所社製、「CFT−500D」)を用いて、1mmφ×10mmのノズル、荷重294N、昇温速度3℃/minの等速昇温下で、樹脂サンプル1.0g中の1/2量が流出したときの温度を測定し、これを軟化温度とした。
<酸価の測定>
ポリエステル樹脂の酸価は、以下のようにして測定した。
測定サンプル約0.2gを枝付き三角フラスコ内に精秤し(a(g))、ベンジルアルコール20mLを加え、窒素雰囲気下として230℃のヒーターにて15分加熱し測定サンプルを溶解した。室温まで放冷後、クロロホルム20mL、クレゾールレッド溶液数滴を加え、0.02規定のKOH溶液にて滴定した(滴定量=b(mL)、KOH溶液の力価=p)。ブランク測定を同様に行い(滴定量=c(mL))、以下の式に従って酸価を算出した。
酸価(mgKOH/g)={(b−c)×0.02×56.11×p}/a
<モード径の測定>
ポリエステル樹脂の粒度分布を、レーザ回折型粒径測定機(堀場製作所社製、「LA−920」)を用いて測定した。該装置の操作マニュアルに従い、測定用フローセルを用いて、セル内に蒸留水を加え、相対屈折率を1.20に選択設定し、粒径基準を体積基準にし、光軸の調整、光軸の微調整、ブランク測定を実施した。次に透過率70〜90%の範囲になる濃度までポリエステル水分散液を添加し、超音波処理を強度5で1分間実施し、樹脂粒子の粒度分布測定を実施した。測定した粒度分布から、最頻値(ピーク粒子径)に相当する粒子径をモード径とした。
Figure 0006784339
表1中の略号は以下の通りである。
・ジオールA:ビスフェノールAのプロピレンオキサイド誘導体(PO2.3モル付加体)
・ジオールB:ビスフェノールAのエチレンオキサイド誘導体(EO2.3モル付加体)・E−10J:酸化ポリエチレンワックス(Westlake社製、「epoleneE−10J」、酸価=16〜18mgKOH/g、質量平均分子量=6100、粘度(CPS at 125℃)=800〜1100)
[トナー用マスターバッチ(C)]
以下に示すようにして、C−1〜C−8を製造した。
表2に示す質量比となるように、アクリル系重合体(A)と、ポリエステル樹脂(B)とを混合し、トナー用マスターバッチ(C−1)〜(C−8)を得た。
得られたトナー用マスターバッチ(C−1)〜(C−8)について、ポリエステル樹脂と同様にしてモード径を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0006784339
[実施例1、2、4〜9、11、13、14、16、17、比較例1、4]
<トナーの製造1>
表3〜5に示す配合組成に従い、ポリエステル樹脂(B)と、トナー用マスターバッチ(C)とを混合し、混合物(D)を得た。
得られた混合物(D)93質量部と、着色剤としてキナクリドン顔料(クラリアント社製、「E02」)3質量部と、負帯電性の荷電制御剤(日本カートリット社製、「LR−147」)1質量部と、離型剤(東洋アドレ社製、「ポリワックスM−90」)3質量部とを粉体混合し、二軸押出機(池貝社製、「PCM−29」)を用いて、シリンダ1が20℃、シリンダ2が60℃、シリンダ3が100℃、シリンダ4から吐出ダイまでが120℃となるように、各シリンダを外温設定し、滞在時間1分として溶融混練し、チョッパーミル(日本ニューマチック工業社製)で粉砕し、3mmメッシュパスのトナー(粉末状)を得た。
得られたトナーについて、ポリエステル樹脂と同様にしてガラス転移温度を測定し、以下のようにして製造安定性および高温弾性を評価した。結果を表3〜5に示す。
なお、実施例16については、後述のトナーの製造3と同様にしてトナーを製造し、得られたトナーについて材料分散性の評価も行った。結果を表4に示す。
<評価>
(製造安定性の評価)
溶融混練開始から3分後に混練物10gを採取し、樹脂サンプルとした。採取した樹脂サンプルをトリオブレンダ―にて粉砕した。粉砕片について、島津フローテスター(島津製作所社製、「CFT−500D」)を用いて、1mmφ×10mmのノズル、荷重294N、昇温速度3℃/minの等速昇温下で、樹脂サンプル1.0g中の4mmが流出したときの温度を測定し、これを軟化温度(T4)とした。
溶融混練開始から10分後にも同様に混練物10gを採取し、軟化温度(T4)を測定し、以下の評価基準により製造安定性を評価した。
〇(良好):開始3分後での軟化温度(T4)と、10分後での軟化温度(T4)の差が2℃未満である。
△(使用可能):開始3分後での軟化温度(T4)と、10分後での軟化温度(T4)の差が2℃以上、3℃以下である。
×(劣る):開始3分後での軟化温度(T4)と、10分後での軟化温度(T4)の差が3℃より大きい。
(高温弾性の評価)
回転型レオメーター(TAインスツルメント社製、「AR−2000ex」)を用いて、トナーの貯蔵弾性率(G’)を測定した。測定条件は以下の通りである。
・ジオメトリー:25mmφパラレルプレート
・GAP:1mm
・周波数:1Hz
・ひずみ:0.01
・測定温度:80〜240℃(3℃/minで昇温)
貯蔵弾性率(G’)は、トナーの耐ホットオフセット性と良い相関を示す。200℃における貯蔵弾性率(G’)から、以下の評価基準により高温弾性を評価した。
○(良好):貯蔵弾性率(G’)が200Pa以上、10000Pa以下である。
×(劣る):貯蔵弾性率(G’)が200Pa未満、または10000Paより大きい。
[実施例3、10、12、15、16、18]
<トナーの製造2>
表3、4に示す配合組成に変更した以外は、上記トナーの製造1と同様にしてトナーを製造し、得られたトナーについて製造安定性を評価した。また、製造安定性の評価の際に採取した混練物について、ポリエステル樹脂と同様にしてガラス転移温度を測定した。結果を表3、4に示す。
<トナーの製造3>
表3、4に示す配合組成従い、ポリエステル樹脂(B)と、トナー用マスターバッチ(C)とを混合し、混合物(D)を得た。
得られた混合物(D)95質量部と、離型剤(東洋アドレ社製、「ポリワックスM−90」)5質量部とを粉体混合し、二軸押出機(池貝社製、「PCM−29」)を用いてシリンダ1が20℃、シリンダ2が60℃、シリンダ3が100℃、シリンダ4から吐出ダイまでが120℃となるように、各シリンダを外温設定し、滞在時間1分として溶融混練し、チョッパーミル(日本ニューマチック工業社製)で粉砕し、3mmメッシュパスのトナー(粉末状)を得た。
得られたトナーについて、以下のようにして材料分散性を評価した。結果を表3、4に示す。
(材料分散性の評価)
トナー中のワックス(離型剤)の粒子径を光学顕微鏡(倍率:400倍)にて観察し、任意の視野にて10粒のワックスの粒子径を測定して個数平均粒子径を算出し、以下の評価基準により材料分散性を評価した。
〇(良好):ワックスの個数平均粒子径が1μm以下である。
△(使用可能):ワックスの個数平均粒子径が1μmより大きく、5μm以下である。
×(劣る):ワックスの個数平均粒子径が5μmより大きい。
[比較例2]
アクリル系重合体(A−1)0.4質量%と、ポリエステル樹脂(B−1)99.6質量%とを混合し、混合物を得た。
得られた混合物を用いた以外は、上記トナーの製造1と同様にしてトナーを製造し、製造安定性および高温弾性を評価した。結果を表5に示す。
[比較例3]
アクリル系重合体(A−2)0.4質量%と、ポリエステル樹脂(B−1)99.6質量%とを混合し、混合物を得た。
得られた混合物(D)を用いた以外は、上記トナーの製造1と同様にしてトナーを製造し、製造安定性を評価した。また、製造安定性の評価の際に採取した混練物について、ポリエステル樹脂と同様にしてガラス転移温度を測定した。結果を表5に示す。
また、得られた混合物(D)を用いた以外は、上記トナーの製造3と同様にしてトナーを製造し、材料分散性を評価した。結果を表5に示す。
[比較例5]
アクリル系重合体(A−1)0.2質量%と、ポリエステル樹脂(B−1)99.8質量%とを混合し、混合物を得た。
得られた混合物を用いた以外は、上記トナーの製造1と同様にしてトナーを製造し、製造安定性および高温弾性を評価した。結果を表5に示す。
Figure 0006784339
Figure 0006784339
Figure 0006784339
表3〜5中、「アクリル系重合体(A)の割合」は、アクリル系重合体(A)とポリエステル樹脂(B)との総質量に対するアクリル系重合体(A)の割合(質量%)である。
表3、4の結果から明らかなように、実施例1〜18で得られたトナーは、製造安定性に優れていた。
特に、アクリル系重合体(A)として、グリシジル(メタ)アクリレート単位を有する重合体を用いた実施例1、2、4〜9、11、13、14、16、17のトナーは、高温弾性にも優れていた。また、アクリル系重合体(A)として、メチルメタクリレート単位とn−ブチルメタクリレート単位とn−ブチルアクリレート単位とを有する重合体、またはメチルメタクリレート単位とイソブチルメタクリレート単位とを有する重合体を用いた実施例3、10、12、15、16、18のトナーは、ワックス(離型剤)の分散性にも優れていた。
一方、表5の結果から明らかなように、ポリエステル樹脂(B1)とアクリル系重合体(A)の質量比が2.5未満であるトナー用マスターバッチ(C)を用いた比較例1のトナーは、各実施例に比べて製造安定性に劣っていた。そのため、比較例1ではアクリル系重合体(A)として、グリシジル(メタ)アクリレート単位を有する重合体を用いたが、その効果は得られず、高温弾性にも劣っていた。
トナー用マスターバッチ(C)を用いず、アクリル系重合体(A)とポリエステル樹脂(B)とを混合してトナーを製造した比較例2、3、5の場合、比較例1よりもさらに製造安定性に劣っていた。そのため、アクリル系重合体(A)の効果は得られず、比較例2、5のトナーは高温弾性に劣り、比較例3のトナーは材料分散性に劣っていた。
トナー用マスターバッチ(C)とポリエステル樹脂(B2)との総質量に対する、前記アクリル系重合体(A)の含有量が5質量%を超える比較例4で得られたトナーは、製造安定性および高温弾性に劣っていた。
本発明のトナー用マスターバッチを用いれば、トナー性能のムラが少ないトナーを安定して製造することができる。また、本発明のトナーはトナー性能のムラが少ない。
本発明のトナーは、磁性1成分現像剤、非磁性1成分現像剤、2成分現像剤の何れの現像剤として用いることができ、有用である。

Claims (7)

  1. レーザ回折法を用いて測定したモード径が50〜250μmであるアクリル系重合体(A)の粒子およびレーザ回折法を用いて測定したモード径が0.3〜5mmであるポリエステル樹脂(B1)の粒子を含む混合物であり、
    ポリエステル樹脂(B1)/アクリル系重合体(A)で表される質量比が3.5〜10である、トナー用マスターバッチ。
  2. 前記アクリル系重合体(A)が、メチルメタクリレート単位、n−ブチルメタクリレート単位、n−ブチルアクリレート単位およびイソブチルメタクリレート単位からなる群より選ばれる2種類以上の単位を有する重合体である、請求項に記載のトナー用マスターバッチ。
  3. 前記アクリル系重合体(A)が、グリシジル(メタ)アクリレート単位を有する重合体である、請求項に記載のトナー用マスターバッチ。
  4. レーザ回折法を用いて測定したモード径が50〜250μmであるアクリル系重合体(A)の粒子とレーザ回折法を用いて測定したモード径が0.3〜5mmであるポリエステル樹脂(B1)の粒子とを、ポリエステル樹脂(B1)/アクリル系重合体(A)で表される質量比が3.5〜10となるように混合する工程を有する、トナー用マスターバッチの製造方法。
  5. 軟化温度が異なる2種以上のポリエステル樹脂を用いる、請求項に記載のトナー用マスターバッチの製造方法。
  6. 前記ポリエステル樹脂(B1)が、酸成分とアルコール成分との反応物であり、酸成分100モル部に対するビスフェノール誘導体の割合が60モル部以下である、請求項1〜の何れか一項に記載のトナー用マスターバッチ。
  7. 前記ポリエステル樹脂(B1)が、酸成分とアルコール成分との反応物であり、酸成分100モル部に対する3価以上のカルボン酸の割合が25モル部以下であり、3価以上のアルコールの割合が20モル部以下である、請求項1〜の何れか一項に記載のトナー用マスターバッチ。
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