JP6784302B2 - 炭化珪素単結晶の製造装置および炭化珪素単結晶の製造方法 - Google Patents

炭化珪素単結晶の製造装置および炭化珪素単結晶の製造方法 Download PDF

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本発明は、炭化珪素単結晶の製造装置および炭化珪素単結晶の製造方法に関する。
近年、半導体装置の高耐圧化、低損失化などを可能とするため、半導体装置を構成する材料としての炭化珪素の採用が進められている。
特表2012−510951号公報(特許文献1)には、黒鉛製の坩堝を用いて昇華法により炭化珪素単結晶を製造する方法が記載されている。当該坩堝の上側および下側の各々には抵抗ヒータが設けられている。
特表2012−510951号公報
本発明の一態様の目的は、抵抗ヒータの劣化を抑制可能な炭化珪素単結晶の製造装置および炭化珪素単結晶の製造方法を提供することである。
本発明の一態様に係る炭化珪素単結晶の製造装置は、坩堝と、抵抗ヒータと、電源とを備えている。坩堝は、頂面と、頂面と反対側の底面と、頂面と底面との間に位置する筒状の側面とを有する。抵抗ヒータは、坩堝の外部に設けられ、かつ炭素により構成されている。電源は、抵抗ヒータに対して電力を供給可能に構成されている。電源によって抵抗ヒータに電力を供給することにより抵抗ヒータの温度が2000℃以上2400℃以下の間のある温度になった場合において、抵抗ヒータに流れる電流の値を、電流が流れる方向に対して垂直な抵抗ヒータの断面積で除した値が5A/mm2以下になるように抵抗ヒータが構成されている。
本発明の一態様に係る炭化珪素単結晶の製造装置は、坩堝と、第1抵抗ヒータと、第2抵抗ヒータと、第3抵抗ヒータと、第1電源と、第2電源と、第3電源とを備える。坩堝は、頂面と、頂面と反対側の底面と、頂面と底面との間に位置する筒状の側面とを有する。第1抵抗ヒータは、底面に対面して設けられ、かつ炭素から構成されている。第2抵抗ヒータは、側面を取り囲むように構成され、かつ炭素から構成されている。第3抵抗ヒータは、頂面に対面して設けられ、かつ炭素から構成されている。第1電源は、第1抵抗ヒータに対して電力を供給可能に構成されている。第2電源は、第2抵抗ヒータに対して電力を供給可能に構成されている。第3電源は、第3抵抗ヒータに対して電力を供給可能に構成されている。第1電源によって第1抵抗ヒータに電力を供給して第1抵抗ヒータの温度が2000℃以上2400℃以下の間のある温度になった場合において、第1抵抗ヒータに流れる第1電流の値を、第1電流が流れる方向に対して垂直な第1抵抗ヒータの第1断面積で除した値が5A/mm2以下になるように第1抵抗ヒータが構成されている。第2電源によって第2抵抗ヒータに電力を供給して第2抵抗ヒータの温度が2000℃以上2400℃以下の間のある温度になった場合において、第2抵抗ヒータに流れる第2電流の値を、第2電流が流れる方向に対して垂直な第2抵抗ヒータの第2断面積で除した値が5A/mm2以下になるように第2抵抗ヒータが構成されている。第3電源によって第3抵抗ヒータに電力を供給して第3抵抗ヒータの温度が2000℃以上2400℃以下の間のある温度になった場合において、第3抵抗ヒータに流れる第3電流の値を、第3電流が流れる方向に対して垂直な第3抵抗ヒータの第3断面積で除した値が5A/mm2以下になるように第3抵抗ヒータが構成されている。第1断面積、第2断面積および第3断面積の各々は、100mm2以上500mm2以下である。第1抵抗ヒータ、第2抵抗ヒータおよび第3抵抗ヒータの各々を構成する炭素の密度は、1.7g/cm3以上1.9g/cm3以下である。第1抵抗ヒータ、第2抵抗ヒータおよび第3抵抗ヒータの各々を構成する炭素の抵抗率は、1200μΩ・cm以上である。
本発明の一態様に係る炭化珪素単結晶の製造方法は以下の工程を備えている。頂面と、頂面と反対側の底面と、頂面と底面との間に位置する筒状の側面とを有する坩堝と、坩堝の外部に設けられ、かつ炭素により構成された抵抗ヒータと、坩堝の内部に設けられた原料と、坩堝の内部において原料と対面して設けられた種結晶とが準備される。抵抗ヒータによって原料を昇華させることにより、種結晶上に炭化珪素単結晶が成長する。炭化珪素単結晶を成長させる工程において、抵抗ヒータに流れる電流の値を、電流が流れる方向に対して垂直な抵抗ヒータの断面積で除した値は、5A/mm2以下に維持される。
本発明の一態様に係る炭化珪素単結晶の製造方法は以下の工程を備えている。チャンバと、チャンバの内部に設けられ、かつ頂面と、頂面と反対側の底面と、頂面と底面との間に位置する筒状の側面とを有する坩堝と、チャンバの内部において底面に対面して設けられ、かつ炭素から構成された第1抵抗ヒータと、チャンバの内部において側面を取り囲むように構成され、かつ炭素から構成された第2抵抗ヒータと、チャンバの内部において頂面に対面して設けられ、かつ炭素から構成された第3抵抗ヒータと、坩堝の内部に設けられた原料と、坩堝の内部において原料と対面して設けられた種結晶とが準備される。原料を昇華させることにより、種結晶上に炭化珪素単結晶が成長する。炭化珪素単結晶を成長させる工程において、第1抵抗ヒータの温度は2000℃以上2400℃以下であり、かつ第1抵抗ヒータに流れる第1電流の値を、第1電流が流れる方向に対して垂直な第1抵抗ヒータの第1断面積で除した値は5A/mm2以下に維持され、第2抵抗ヒータの温度は2000℃以上2400℃以下であり、かつ第2抵抗ヒータに流れる第2電流の値を、第2電流が流れる方向に対して垂直な第2抵抗ヒータの第2断面積で除した値は5A/mm2以下に維持される。第3抵抗ヒータの温度は2000℃以上2400℃以下であり、かつ第3抵抗ヒータに流れる第3電流の値を、第3電流が流れる方向に対して垂直な第3抵抗ヒータの第3断面積で除した値は5A/mm2以下に維持される。チャンバの圧力は、0.5kPa以上2kPa以下に維持される。
上記によれば、抵抗ヒータの劣化を抑制可能な炭化珪素単結晶の製造装置および炭化珪素単結晶の製造方法を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造装置の構成を示す縦断面模式図である。 第2抵抗ヒータの構成を示す斜視模式図である。 第2抵抗ヒータおよび電極の構成を示す平面模式図である。 図1のIV−IV線に沿った矢視横断面模式図であり、第1抵抗ヒータおよび電極の構成を示す横断面模式図である。 図1のV−V線に沿った矢視横断面模式図であり、第3抵抗ヒータおよび電極の構成を示す横断面模式図である。 電流が流れる方向に対して垂直な抵抗ヒータの断面を示す斜視模式図である。 本発明の実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法を示すフロー図である。 本発明の実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法の第1工程を示す縦断面模式図である。 本発明の実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法の第2工程を示す縦断面模式図である。 坩堝の温度と時間との関係を示す図である。 チャンバ内の圧力と時間との関係を示す図である。 抵抗ヒータに供給する電力をフィードバック制御する方法を示す機能ブロック図である。 通電100時間後の抵抗増加率と電流密度との関係を示す図である。
[本発明の実施形態の説明]
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。また、本明細書中の結晶学的記載においては、個別方位を[]、集合方位を<>、個別面を()、集合面を{}でそれぞれ示している。また、負の指数については、結晶学上、”−”(バー)を数字の上に付けることになっているが、本明細書中では、数字の前に負の符号を付けている。
昇華法により炭化珪素単結晶を成長させる場合、たとえば抵抗ヒータにより炭化珪素原料を昇華させて炭化珪素ガスを発生させ、当該炭化珪素ガスを種結晶上に再結晶させる。炭化珪素単結晶を成長させる工程においては、抵抗ヒータがたとえば2000℃以上2400℃以下程度の温度になり、かつ抵抗ヒータが配置されているチャンバの圧力がたとえば1kPa程度になっている。このような高温低圧環境下においては、抵抗ヒータを構成する炭素が容易に昇華するため、抵抗ヒータが劣化する。
(1)本発明の一態様に係る炭化珪素単結晶の製造装置は、坩堝と、抵抗ヒータと、電源とを備えている。坩堝は、頂面と、頂面と反対側の底面と、頂面と底面との間に位置する筒状の側面とを有する。抵抗ヒータは、坩堝の外部に設けられ、かつ炭素により構成されている。電源は、抵抗ヒータに対して電力を供給可能に構成されている。電源によって抵抗ヒータに電力を供給することにより抵抗ヒータの温度が2000℃以上2400℃以下の間のある温度になった場合において、抵抗ヒータに流れる電流の値を、電流が流れる方向に対して垂直な抵抗ヒータの断面積で除した値が5A/mm2以下になるように電源および抵抗ヒータが構成されている。これにより、抵抗ヒータの劣化を抑制することができる。
(2)上記(1)に係る炭化珪素単結晶の製造装置において好ましくは、抵抗ヒータを構成する炭素の密度は、1.7g/cm3以上1.9g/cm3以下である。
(3)上記(1)または(2)に係る炭化珪素単結晶の製造装置において好ましくは、抵抗ヒータを構成する炭素の抵抗率は、1200μΩ・cm以上である。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに係る炭化珪素単結晶の製造装置において好ましくは、抵抗ヒータの断面積は、100mm2以上500mm2以下である。
(5)本発明の一態様に係る炭化珪素単結晶の製造装置は、坩堝と、第1抵抗ヒータと、第2抵抗ヒータと、第3抵抗ヒータと、第1電源と、第2電源と、第3電源とを備える。坩堝は、頂面と、頂面と反対側の底面と、頂面と底面との間に位置する筒状の側面とを有する。第1抵抗ヒータは、底面に対面して設けられ、かつ炭素から構成されている。第2抵抗ヒータは、側面を取り囲むように構成され、かつ炭素から構成されている。第3抵抗ヒータは、頂面に対面して設けられ、かつ炭素から構成されている。第1電源は、第1抵抗ヒータに対して電力を供給可能に構成されている。第2電源は、第2抵抗ヒータに対して電力を供給可能に構成されている。第3電源は、第3抵抗ヒータに対して電力を供給可能に構成されている。第1電源によって第1抵抗ヒータに電力を供給して第1抵抗ヒータの温度が2000℃以上2400℃以下の間のある温度になった場合において、第1抵抗ヒータに流れる第1電流の値を、第1電流が流れる方向に対して垂直な第1抵抗ヒータの第1断面積で除した値が5A/mm2以下になるように第1電源および第1抵抗ヒータが構成されている。第2電源によって第2抵抗ヒータに電力を供給して第2抵抗ヒータの温度が2000℃以上2400℃以下の間のある温度になった場合において、第2抵抗ヒータに流れる第2電流の値を、第2電流が流れる方向に対して垂直な第2抵抗ヒータの第2断面積で除した値が5A/mm2以下になるように第2電源および第2抵抗ヒータが構成されている。第3電源によって第3抵抗ヒータに電力を供給して第3抵抗ヒータの温度が2000℃以上2400℃以下の間のある温度になった場合において、第3抵抗ヒータに流れる第3電流の値を、第3電流が流れる方向に対して垂直な第3抵抗ヒータの第3断面積で除した値が5A/mm2以下になるように第3電源および第3抵抗ヒータが構成されている。第1断面積、第2断面積および第3断面積の各々は、100mm2以上500mm2以下である。第1抵抗ヒータ、第2抵抗ヒータおよび第3抵抗ヒータの各々を構成する炭素の密度は、1.7g/cm3以上1.9g/cm3以下である。第1抵抗ヒータ、第2抵抗ヒータおよび第3抵抗ヒータの各々を構成する炭素の抵抗率は、1200μΩ・cm以上である。これにより、第1抵抗ヒータ、第2抵抗ヒータおよび第3抵抗ヒータの劣化を抑制することができる。
(6)本発明の一態様に係る炭化珪素単結晶の製造方法は以下の工程を備えている。頂面と、頂面と反対側の底面と、頂面と底面との間に位置する筒状の側面とを有する坩堝と、坩堝の外部に設けられ、かつ炭素により構成された抵抗ヒータと、坩堝の内部に設けられた原料と、坩堝の内部において原料と対面して設けられた種結晶とが準備される。抵抗ヒータによって原料を昇華させることにより、種結晶上に炭化珪素単結晶が成長する。炭化珪素単結晶を成長させる工程において、抵抗ヒータに流れる電流の値を、電流が流れる方向に対して垂直な抵抗ヒータの断面積で除した値は、5A/mm2以下に維持される。
これにより、抵抗ヒータの劣化を抑制することができる。
(7)上記(6)に係る炭化珪素単結晶の製造方法において好ましくは、炭化珪素単結晶を成長させる工程において、抵抗ヒータの温度は、2000℃以上2400℃以下に維持される。
(8)上記(6)または(7)に係る炭化珪素単結晶の製造方法において好ましくは、坩堝を収容するチャンバを準備する工程をさらに備える。炭化珪素単結晶を成長させる工程におけるチャンバの圧力は、0.5kPa以上2kPa以下に維持される。
(9)本発明の一態様に係る炭化珪素単結晶の製造方法は以下の工程を備えている。チャンバと、チャンバの内部に設けられ、かつ頂面と、頂面と反対側の底面と、頂面と底面との間に位置する筒状の側面とを有する坩堝と、チャンバの内部において底面に対面して設けられ、かつ炭素から構成された第1抵抗ヒータと、チャンバの内部において側面を取り囲むように構成され、かつ炭素から構成された第2抵抗ヒータと、チャンバの内部において頂面に対面して設けられ、かつ炭素から構成された第3抵抗ヒータと、坩堝の内部に設けられた原料と、坩堝の内部において原料と対面して設けられた種結晶とが準備される。原料を昇華させることにより、種結晶上に炭化珪素単結晶が成長する。炭化珪素単結晶を成長させる工程において、第1抵抗ヒータの温度は2000℃以上2400℃以下であり、かつ第1抵抗ヒータに流れる第1電流の値を、第1電流が流れる方向に対して垂直な第1抵抗ヒータの第1断面積で除した値は5A/mm2以下に維持され、第2抵抗ヒータの温度は2000℃以上2400℃以下であり、かつ第2抵抗ヒータに流れる第2電流の値を、第2電流が流れる方向に対して垂直な第2抵抗ヒータの第2断面積で除した値は5A/mm2以下に維持される。第3抵抗ヒータの温度は2000℃以上2400℃以下であり、かつ第3抵抗ヒータに流れる第3電流の値を、第3電流が流れる方向に対して垂直な第3抵抗ヒータの第3断面積で除した値は5A/mm2以下に維持される。チャンバの圧力は、0.5kPa以上2kPa以下に維持される。これにより、第1抵抗ヒータ、第2抵抗ヒータおよび第3抵抗ヒータの劣化を抑制することができる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造装置100の構成について説明する。
図1に示されるように、本実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造装置100は、昇華法によって炭化珪素単結晶を製造するための装置であって、坩堝5と、第1抵抗ヒータ1と、第2抵抗ヒータ2と、第3抵抗ヒータ3と、チャンバ6と、下部放射温度計9aと、側部放射温度計9bと、上部放射温度計9cとを主に有している。第1抵抗ヒータ1、第2抵抗ヒータ2および第3抵抗ヒータ3の各々と、チャンバ6との間に断熱材が設けられていてもよい。坩堝5は、頂面5a1と、頂面5a1と反対側の底面5b2と、頂面5a1と底面5b2との間に位置する筒状の側面5b1とを有する。側面5b1は、たとえば円筒形状を有する。坩堝5は、種結晶11を保持可能に構成された台座5aと、炭化珪素原料12を収容可能に構成された収容部5bとを有する。台座5aは、種結晶11の裏面11aと接する種結晶保持面5a2と、種結晶保持面5a2と反対側の頂面5a1とを有する。台座5aが頂面5a1を構成する。収容部5bは、底面5b2を構成する。側面5b1は、台座5aと収容部5bとにより構成されている。坩堝5内において、炭化珪素原料12を昇華させ、種結晶11の表面11b上に再結晶させることにより、炭化珪素単結晶が種結晶11の表面11b上に成長する。つまり、炭化珪素単結晶は昇華法によって製造可能に構成されている。
第1抵抗ヒータ1、第2抵抗ヒータ2および第3抵抗ヒータ3の各々は、坩堝5の外部に設けられている。第1抵抗ヒータ1は、坩堝5の底面5b2に対面して設けられている。第1抵抗ヒータ1は、底面5b2から離間している。第1抵抗ヒータ1は、底面5b2と対面する上面1aと、上面1aと反対側の下面1bとを有する。第2抵抗ヒータ2は、側面5b1を取り囲むように構成されている。第2抵抗ヒータ2は、側面5b1から離間している。第2抵抗ヒータは、底面5b2から頂面5a1に向かう方向において、頂面5a1側に位置する第1面2aと、底面5b2側に位置する第2面2bと、側面5b1に対面する第3面2cと、第3面2cとは反対側の第4面2dとを含む。好ましくは、第2抵抗ヒータ2の第2面2bは、頂面5a1から底面5b2に向かう方向において、底面5b2と頂面5a1との間に位置する。第3抵抗ヒータ3は、頂面5a1に対面して設けられている。第3抵抗ヒータ3は、頂面5a1から離間している。
下部放射温度計9aは、チャンバ6の外部において底面5b2に対面する位置に設けられており、窓6aを通して底面5b2の温度を測定可能に構成されている。下部放射温度計9aは、第1抵抗ヒータ1に対面する位置に設けられており、第1抵抗ヒータ1の温度を測定可能に構成されていてもよい。側部放射温度計9bは、チャンバ6の外部において側面5b1に対面する位置に設けられており、窓6bを通して側面5b1の温度を測定可能に構成されている。側部放射温度計9bは、第2抵抗ヒータ2に対面する位置に設けられており、第2抵抗ヒータ2の温度を測定可能に構成されていてもよい。上部放射温度計9cは、チャンバ6の外部において頂面5a1に対面する位置に設けられており、窓6cを通して頂面5a1の温度を測定可能に構成されている。上部放射温度計9cは、第3抵抗ヒータ3に対面する位置に設けられており、第3抵抗ヒータ3の温度を測定可能に構成されていてもよい。
放射温度計9a、9b、9cとして、たとえば株式会社チノー製のパイロメータ(型番:IR−CAH8TN6)が使用可能である。パイロメータの測定波長は、たとえば1.55μmおよび0.9μmである。パイロメータの放射率設定値は、たとえば0.9である。パイロメータの距離係数は、たとえば300である。パイロメータの測定径は、測定距離を距離係数で除することにより求められる。たとえば測定距離が900mmの場合、測定径は3mmである。
図1および図2に示されるように、第2抵抗ヒータ2は、頂面5a1から底面5b2に向かう方向に沿って延在する第1部分1xと、底面5b2側において第1部分1xと連続して設けられ、かつ側面5b1の周方向に沿って延在する第2部分2xと、第2部分2xと連続して設けられ、かつ底面5b2から頂面5a1に向かう方向に沿って延在する第3部分3xと、頂面5a1側において第3部分3xと連続して設けられ、かつ側面5b1の周方向に沿って延在する第4部分4xとを有する。第1部分1xと、第2部分2xと、第3部分3xと、第4部分4xとが、ヒータユニット10xを構成する。第2抵抗ヒータ2は、複数のヒータユニット10xが連続して設けられて環状に構成されている。
図3に示されるように、頂面5a1から底面5b2に向かう方向に沿って見た場合、第2抵抗ヒータ2は、側面5b1を取り囲むように設けられ、リング形状を有している。第2抵抗ヒータ2の第4面2dに接して一組の電極7が設けられている。頂面5a1に対して垂直な方向に沿って見た場合、一組の電極7と、頂面5a1とは、一直線上に設けられていてもよい。一組の電極7には第2電源7aが接続されている。第2電源7aは、第2抵抗ヒータ2に電力を供給可能に構成されている。好ましくは、第2抵抗ヒータ2は、並列回路を構成する。
第2電源7aによって第2抵抗ヒータ2に電力を供給して第2抵抗ヒータ2の温度が2000℃以上2400℃以下の間のある温度になった場合において、第2抵抗ヒータ2に流れる電流(第2電流)の値を、当該第2電流が流れる方向に対して垂直な第2抵抗ヒータ2の断面積(第2断面積)で除した値(第2電流密度)が1A/mm2以上5A/mm2以下になるように第2電源7aおよび第2抵抗ヒータ2が構成されている。好ましくは、第2電流密度は、4A/mm2以下であり、より好ましくは、3A/mm2以下である。好ましくは、第2断面積は、100mm2以上500mm2以下である。当該第2電流が流れる方向に沿って第2抵抗ヒータ2の断面積が変化する場合、第2抵抗ヒータ2の断面積の最小値が100mm2以上500mm2以下であることが好ましい。当該第2電流が流れる方向に沿って第2抵抗ヒータ2の断面積が変化する場合、第2抵抗ヒータ2の電流密度の最大値が5A/mm2以下であることが好ましい。
図4に示されるように、頂面5a1から底面5b2に向かう方向に沿って見た場合、第1抵抗ヒータ1は、旋回するにつれて中心から遠ざかる2つの曲線が当該中心で合流する形状を有する。好ましくは、第1抵抗ヒータ1は、フェルマーの螺旋形状を有する。第1抵抗ヒータ1の両端に一組の電極8が接続されている。一組の電極8には第1電源8aが接続されている。第1電源8aは、第1抵抗ヒータ1に電力を供給可能に構成されている。底面5b2に対して平行な方向に沿って見た場合、第1抵抗ヒータ1の幅W1は、坩堝5の内部の幅W2(図1参照)よりも大きく、好ましくは、底面5b2の幅よりも大きい。第1抵抗ヒータ1の幅W1は、電極8を含まないように計測される。
第1電源8aによって第1抵抗ヒータ1に電力を供給して第1抵抗ヒータ1の温度が2000℃以上2400℃以下の間のある温度になった場合において、第1抵抗ヒータ1に流れる電流(第1電流)の値を、当該第1電流が流れる方向に対して垂直な第1抵抗ヒータ1の断面積(第1断面積)で除した値(第1電流密度)が1A/mm2以上5A/mm2以下になるように第1電源8aおよび第1抵抗ヒータ1が構成されている。好ましくは、第1電流密度は、4A/mm2以下であり、より好ましくは、3A/mm2以下である。好ましくは、第1断面積は、100mm2以上500mm2以下である。当該第1電流が流れる方向に沿って第1抵抗ヒータ1の断面積が変化する場合、第1抵抗ヒータ1の断面積の最小値が100mm2以上500mm2以下であることが好ましい。当該第1電流が流れる方向に沿って第1抵抗ヒータ1の断面積が変化する場合、第1抵抗ヒータ1の電流密度の最大値が5A/mm2以下であることが好ましい。
図5に示されるように、頂面5a1から底面5b2に向かう方向に沿って見た場合、第3抵抗ヒータ3は、旋回するにつれて中心から遠ざかる2つの曲線が当該中心で合流する形状を有する。好ましくは、第3抵抗ヒータ3は、フェルマーの螺旋形状を有する。第3抵抗ヒータ3の両端に一組の電極14が接続されている。一組の電極14には第3電源14aが接続されている。第3電源14aは、第3抵抗ヒータ3に電力を供給可能に構成されている。頂面5a1に対して平行な方向に沿って見た場合、第3抵抗ヒータ3の幅は、頂面5a1の幅よりも小さい。第3抵抗ヒータ3の幅は、電極14を含まないように計測される。
第3電源14aによって第3抵抗ヒータ3に電力を供給して第3抵抗ヒータ3の温度が2000℃以上2400℃以下の間のある温度になった場合において、第3抵抗ヒータ3に流れる電流(第3電流)の値を、当該第3電流が流れる方向に対して垂直な第3抵抗ヒータ3の断面積(第3断面積)で除した値(第3電流密度)が1A/mm2以上5A/mm2以下になるように第3電源14aおよび第3抵抗ヒータ3が構成されている。好ましくは、第3電流密度は、4A/mm2以下であり、より好ましくは、3A/mm2以下である。好ましくは、第3断面積は、100mm2以上500mm2以下である。当該第3電流が流れる方向に沿って第3抵抗ヒータ3の断面積が変化する場合、第3抵抗ヒータ3の断面積の最小値が100mm2以上500mm2以下であることが好ましい。当該第3電流が流れる方向に沿って第3抵抗ヒータ3の断面積が変化する場合、第3抵抗ヒータ3の電流密度の最大値が5A/mm2以下であることが好ましい。
図6に示されるように、抵抗ヒータ2に流れる電流の方向に対して垂直な抵抗ヒータ2の断面CSの形状は、長方形であってもよい。断面CSの形状は、多角形であってもよいし、楕円形であってもよいし、円形であってもよし、長方形の角部が面取りされた形状であってもよい。
第1抵抗ヒータ1、第2抵抗ヒータ2および第3抵抗ヒータ3の各々は炭素により構成されている。第1抵抗ヒータ1、第2抵抗ヒータ2および第3抵抗ヒータ3の各々を構成する炭素の密度は、たとえば1.6g/cm3以上2.0g/cm3以下であり、好ましくは1.7g/cm3以上1.9g/cm3以下である。第1抵抗ヒータ1、第2抵抗ヒータ2および第3抵抗ヒータ3の各々を構成する炭素の抵抗率は、たとえば、1100μΩ・cm以上1800μΩ・cm以下であり、好ましくは1200μΩ・cm以上1700μΩ・cm以下である。
なお、坩堝5、断熱材、第1抵抗ヒータ1、第2抵抗ヒータ10および第3抵抗ヒータ3の各々は、たとえば炭素により構成されており、好ましくは黒鉛により構成されている。炭素(黒鉛)には、製造上混入する不純物が含まれていてもよい。電極7、8、14の各々は、たとえば炭素(好ましくは黒鉛)により構成されていてもよいし、銅などの金属により構成されていてもよい。
次に、本発明の実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法について説明する。
まず、炭化珪素単結晶の製造装置を準備する工程(S10:図7)が実施される。たとえば上述した炭化珪素単結晶の製造装置100が準備される。これにより、チャンバ6と、坩堝5と、第1抵抗ヒータ1と、第2抵抗ヒータ2と、第3抵抗ヒータ3とが準備される(図1参照)。坩堝5は、チャンバ6の内部に設けられ、かつ頂面5a1と、頂面5a1と反対側の底面5b2と、頂面5a1と底面5b2との間に位置する筒状の側面5b1とを有する。第1抵抗ヒータ1は、チャンバ6の内部において底面5b2に対面して設けられ、かつ炭素から構成されている。第2抵抗ヒータ2は、チャンバ6の内部において側面5b1を取り囲むように構成され、かつ炭素から構成されている。第3抵抗ヒータ3は、チャンバ6の内部において頂面5a1に対面して設けられ、かつ炭素から構成されている。第1抵抗ヒータ1、第2抵抗ヒータ2および第3抵抗ヒータ3の各々は、坩堝5の外部に設けられている。チャンバ6は、坩堝5と、第1抵抗ヒータ1と、第2抵抗ヒータ2と、第3抵抗ヒータ3とを収容している。
次に、炭化珪素原料および種結晶を準備する工程(S20:図7)が実施される。具体的には、図8に示されるように、種結晶11および炭化珪素原料12が坩堝5の内部に配置される。炭化珪素原料12は、坩堝5の収容部5b内に設けられる。炭化珪素原料12は、たとえば多結晶炭化珪素の粉末である。種結晶11は、たとえば接着剤を用いて台座5aの種結晶保持面5a2に固定される。種結晶11は、たとえばポリタイプ4Hの六方晶炭化珪素の基板である。種結晶11は、台座5aの種結晶保持面5a2に固定される裏面11aと、裏面11aと反対側の表面11bとを有する。種結晶11の表面11bの直径は、たとえば100mm以上であり、好ましくは150mm以上である。種結晶11の表面11bは、たとえば{0001}面から8°以下程度オフした面である。種結晶11は、種結晶11の表面11bが、炭化珪素原料12の表面12aに対面するように配置される。以上のようにして、坩堝5の内部に設けられた炭化珪素原料12と、坩堝5の内部において炭化珪素原料12と対面して設けられた種結晶11とが準備される。
次に、炭化珪素単結晶を成長させる工程(S30:図7)が実施される。具体的には、第1抵抗ヒータ1、第2抵抗ヒータ2および第3抵抗ヒータ3を用いて坩堝5が加熱される。図10に示されるように、時間T0において温度A2であった坩堝5が時間T1において温度A1にまで加熱される。温度A2はたとえば室温である。温度A1はたとえば2000℃以上2400℃以下の温度である。底面5b2から頂面5a1に向かって温度が低くなるように、炭化珪素原料12および種結晶11の双方が加熱される。時間T1から時間T6まで、坩堝5が温度A1に維持される。図11に示されるように、時間T0から時間T2までチャンバ6内は、圧力P1に維持される。圧力P1は、たとえば大気圧である。チャンバ6内の雰囲気ガスは、たとえばアルゴンガス、ヘリウムガスまたは窒素ガスなどの不活性ガスである。
時間T2において、チャンバ6内の圧力が圧力P1から圧力P2にまで低減される。圧力P2は、たとえば0.5kPa以上2kPa以下である。時間T3から時間T4までチャンバ6内の圧力が圧力P2に維持される。時間T2から時間T3の間において、炭化珪素原料12が昇華し始める。昇華した炭化珪素は、種結晶11の表面11b上に再結晶する。時間T3から時間T4までチャンバ6内が圧力P2に維持される。時間T3から時間T4の間、炭化珪素原料12が昇華し続け、種結晶11の表面11b上に炭化珪素単結晶20(図9参照)が成長する。つまり、第1抵抗ヒータ1、第2抵抗ヒータ2および第3抵抗ヒータ3によって炭化珪素原料12を昇華させることにより、種結晶11の表面11b上に炭化珪素単結晶20が成長する。好ましくは、炭化珪素単結晶を成長させる工程におけるチャンバ6の圧力は、0.5kPa以上2kPa以下に維持される。
好ましくは、炭化珪素単結晶を成長させる工程において、第2抵抗ヒータ2の温度は2000℃以上2400℃以下であり、かつ第2抵抗ヒータ2に流れる電流(第2電流)の値を、当該第2電流が流れる方向に対して垂直な第2抵抗ヒータ2の断面積(第2断面積)で除した値(第2電流密度)は、5A/mm2以下に維持される。好ましくは、時間T2および時間T5の間、第2電流密度は5A/mm2以下に維持され、より好ましくは、時間T3および時間T4の間、第2電流密度は5A/mm2以下に維持される。好ましくは、第2電流密度は、4A/mm2以下に維持され、より好ましくは、3A/mm2以下に維持される。たとえば第2抵抗ヒータ2の断面積の最小値が100mm2である場合、第2抵抗ヒータ2を流れる電流が500A以下となるように、第2抵抗ヒータ2に供給される電力が調整される。第2抵抗ヒータ2に供給される電力は、たとえば5kW以上100kW以下である。なお、炭化珪素単結晶を成長させる工程において、第2抵抗ヒータ2の平均温度は2000℃以上2400℃以下の間のある温度であればよく、第2抵抗ヒータ2の温度は変動してもよい。
好ましくは、炭化珪素単結晶を成長させる工程において、第1抵抗ヒータ1の温度は2000℃以上2400℃以下であり、かつ第1抵抗ヒータ1に流れる電流(第1電流)の値を、当該第1電流が流れる方向に対して垂直な第1抵抗ヒータ1の断面積(第1断面積)で除した値(第1電流密度)は5A/mm2以下に維持される。好ましくは、第1電流密度は、4A/mm2以下に維持され、より好ましくは、3A/mm2以下に維持される。たとえば第1抵抗ヒータ1の断面積の最小値が100mm2である場合、第1抵抗ヒータ1を流れる電流が500A以下となるように、第1抵抗ヒータ1に供給される電力が調整される。第1抵抗ヒータ1に供給される電力は、たとえば5kW以上100kW以下である。なお、炭化珪素単結晶を成長させる工程において、第1抵抗ヒータ1の平均温度は2000℃以上2400℃以下の間のある温度であればよく、第1抵抗ヒータ1の温度は変動してもよい。
好ましくは、第3抵抗ヒータ3の温度は2000℃以上2400℃以下であり、かつ第3抵抗ヒータ3に流れる電流(第3電流)の値を、当該第3電流が流れる方向に対して垂直な第3抵抗ヒータ3の断面積(第3断面積)で除した値(第3電流密度)は5A/mm2以下に維持される。好ましくは、第3電流密度は、4A/mm2以下に維持され、より好ましくは、3A/mm2以下に維持される。たとえば第3抵抗ヒータ3の断面積の最小値が100mm2である場合、第3抵抗ヒータ3を流れる電流が500A以下となるように、第3抵抗ヒータ3に供給される電力が調整される。第3抵抗ヒータ3に供給される電力は、たとえば5kW以上100kW以下である。なお、炭化珪素単結晶を成長させる工程において、第3抵抗ヒータ3の平均温度は2000℃以上2400℃以下の間のある温度であればよく、第3抵抗ヒータ3の温度は変動してもよい。
炭化珪素単結晶を成長させる工程において、炭化珪素原料12は、炭化珪素が昇華する温度に維持され、かつ種結晶11は、炭化珪素が再結晶する温度に維持される。具体的には、炭化珪素原料12および種結晶11の各々の温度は、たとえば以下のように制御される。下部放射温度計9aを用いて底面5b2の温度が測定される。図12に示すように、下部放射温度計9aによって測定された底面5b2の温度は、制御部に送られる。制御部において、底面5b2の温度が、所望の温度と比較される。底面5b2の温度が所望の温度よりも高い場合、たとえば第1電源8a(図4参照)に対して、第1抵抗ヒータ1に供給する電力を減らすように指令を出す。反対に、底面5b2の温度が所望の温度よりも低い場合、たとえば第1電源8a(図4参照)に対して、第1抵抗ヒータ1に供給する電力を増やすように指令を出す。つまり、第1電源8aは、制御部からの指令に基づいて、第1抵抗ヒータ1に対して電力を供給する。以上のように、下部放射温度計9aにより測定された底面5b2の温度に基づいて、第1抵抗ヒータ1に供給する電力が決定されることにより、底面5b2の温度が所望の温度に制御される。代替的に、下部放射温度計9aにより測定された第1抵抗ヒータ1の温度に基づいて、第1抵抗ヒータ1に供給する電力が決定されることにより、底面5b2の温度が所望の温度に制御されてもよい。さらに、第1抵抗ヒータ1および底面5b2の双方の温度に基づいて、第1抵抗ヒータ1に供給する電力が決定されることにより、底面5b2の温度が所望の温度に制御されてもよい。
同様に、側部放射温度計9bにより測定された側面5b1の温度に基づいて、第2抵抗ヒータ2に供給する電力が決定されることにより、側面5b1の温度が所望の温度に制御される。代替的に、側部放射温度計9bにより測定された第2抵抗ヒータ2の温度に基づいて、第2抵抗ヒータ2に供給する電力が決定されることにより、側面5b1の温度が所望の温度に制御されてもよい。さらに、第2抵抗ヒータ2および側面5b1の双方の温度に基づいて、第2抵抗ヒータ2に供給する電力が決定されることにより、側面5b1の温度が所望の温度に制御されてもよい。
同様に、上部放射温度計9cにより測定された頂面5a1の温度に基づいて、第3抵抗ヒータ3に供給する電力が決定されることにより、頂面5a1の温度が所望の温度に制御される。代替的に、上部放射温度計9cにより測定された第3抵抗ヒータ3の温度に基づいて、第3抵抗ヒータ3に供給する電力が決定されることにより、頂面5a1の温度が所望の温度に制御されてもよい。さらに、第3抵抗ヒータ3および頂面5a1の双方の温度に基づいて、第3抵抗ヒータ3に供給する電力が決定されることにより、頂面5a1の温度が所望の温度に制御されてもよい。
次に、時間T4から時間T5にかけて、チャンバ6内の圧力が圧力P2から圧力P1に上昇する(図11参照)。チャンバ6内の圧力が上昇することにより、炭化珪素原料12の昇華が抑制される。これにより、炭化珪素単結晶を成長させる工程が実質的に終了する。時間T6において坩堝5の加熱を停止し、坩堝5を冷却する。坩堝5の温度が室温付近になった後、坩堝5から炭化珪素単結晶20が取り出される。
次に、本実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造装置および製造方法の作用効果について説明する。
本実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造装置100は、坩堝5と、抵抗ヒータ2と、電源7aとを備えている。坩堝5は、頂面5a1と、頂面5a1と反対側の底面5b2と、頂面5a1と底面5b2との間に位置する筒状の側面5b1とを有する。抵抗ヒータ2は、坩堝5の外部に設けられ、かつ炭素により構成されている。電源7aは、抵抗ヒータ2に対して電力を供給可能に構成されている。電源7aによって抵抗ヒータ2に電力を供給することにより抵抗ヒータ2の温度が2000℃以上2400℃以下の間のある温度になった場合において、抵抗ヒータ2に流れる電流の値を、電流が流れる方向に対して垂直な抵抗ヒータ2の断面積で除した値が5A/mm2以下になるように電源7aおよび抵抗ヒータ2が構成されている。これにより、抵抗ヒータ2の劣化を抑制することができる。
また本実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造装置100によれば、抵抗ヒータ2を構成する炭素の密度は、1.7g/cm3以上1.9g/cm3以下である。
さらに本実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造装置100によれば、抵抗ヒータ2を構成する炭素の抵抗率は、1200μΩ・cm以上である。
さらに本実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造装置100によれば、抵抗ヒータ2の断面積は、100mm2以上500mm2以下である。
本実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造装置100は、坩堝5と、第1抵抗ヒータ1と、第2抵抗ヒータ2と、第3抵抗ヒータ3と、第1電源8aと、第2電源7aと、第3電源14aとを備える。坩堝5は、頂面5a1と、頂面5a1と反対側の底面5b2と、頂面5a1と底面5b2との間に位置する筒状の側面5b1とを有する。第1抵抗ヒータ1は、底面5b2に対面して設けられ、かつ炭素から構成されている。第2抵抗ヒータ2は、側面5b1を取り囲むように構成され、かつ炭素から構成されている。第3抵抗ヒータ3は、頂面5a1に対面して設けられ、かつ炭素から構成されている。第1電源8aは、第1抵抗ヒータ1に対して電力を供給可能に構成されている。第2電源7aは、第2抵抗ヒータ2に対して電力を供給可能に構成されている。第3電源14aは、第3抵抗ヒータ3に対して電力を供給可能に構成されている。第1電源8aによって第1抵抗ヒータ1に電力を供給して第1抵抗ヒータ1の温度が2000℃以上2400℃以下の間のある温度になった場合において、第1抵抗ヒータ1に流れる第1電流の値を、第1電流が流れる方向に対して垂直な第1抵抗ヒータ1の第1断面積で除した値が5A/mm2以下になるように第1電源8aおよび第1抵抗ヒータ1が構成されている。第2電源7aによって第2抵抗ヒータ2に電力を供給して第2抵抗ヒータ2の温度が2000℃以上2400℃以下の間のある温度になった場合において、第2抵抗ヒータ2に流れる第2電流の値を、第2電流が流れる方向に対して垂直な第2抵抗ヒータの第2断面積で除した値が5A/mm2以下になるように第2電源7aおよび第2抵抗ヒータ2が構成されている。第3電源1
4aによって第3抵抗ヒータ3に電力を供給して第3抵抗ヒータ3の温度が2000℃以上2400℃以下の間のある温度になった場合において、第3抵抗ヒータ3に流れる第3電流の値を、第3電流が流れる方向に対して垂直な第3抵抗ヒータ3の第3断面積で除した値が5A/mm2以下になるように第3電源14aおよび第3抵抗ヒータ3が構成されている。第1断面積、第2断面積および第3断面積の各々は、100mm2以上500mm2以下である。第1抵抗ヒータ1、第2抵抗ヒータ2および第3抵抗ヒータ3の各々を構成する炭素の密度は、1.7g/cm3以上1.9g/cm3以下である。第1抵抗ヒータ1、第2抵抗ヒータ2および第3抵抗ヒータ3の各々を構成する炭素の抵抗率は、1200μΩ・cm以上である。これにより、第1抵抗ヒータ1、第2抵抗ヒータ2および第3抵抗ヒータ3の劣化を抑制することができる。
本実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法によれば、頂面5a1と、頂面5a1と反対側の底面5b2と、頂面5a1と底面5b2との間に位置する筒状の側面5b1とを有する坩堝5と、坩堝5の外部に設けられ、かつ炭素により構成された抵抗ヒータ2と、坩堝5の内部に設けられた原料12と、坩堝5の内部において原料12と対面して設けられた種結晶11とが準備される。抵抗ヒータ2によって原料12を昇華させることにより、種結晶11上に炭化珪素単結晶20が成長する。炭化珪素単結晶20を成長させる工程において、抵抗ヒータ2に流れる電流の値を、電流が流れる方向に対して垂直な抵抗ヒータ2の断面積で除した値は、5A/mm2以下に維持される。これにより、抵抗ヒータ2の劣化を抑制することができる。
また本実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法によれば、炭化珪素単結晶20を成長させる工程において、抵抗ヒータ2の温度は、2000℃以上2400℃以下に維持される。
さらに本実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法によれば、坩堝5を収容するチャンバ6を準備する工程をさらに備える。炭化珪素単結晶20を成長させる工程におけるチャンバ6の圧力は、0.5kPa以上2kPa以下に維持される。
本実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法によれば、チャンバ6と、チャンバ6の内部に設けられ、かつ頂面5a1と、頂面5a1と反対側の底面5b2と、頂面5a1と底面5b2との間に位置する筒状の側面5b1とを有する坩堝5と、チャンバ6の内部において底面5b2に対面して設けられ、かつ炭素から構成された第1抵抗ヒータ1と、チャンバ6の内部において側面5b1を取り囲むように構成され、かつ炭素から構成された第2抵抗ヒータ2と、チャンバ6の内部において頂面5a1に対面して設けられ、かつ炭素から構成された第3抵抗ヒータ3と、坩堝5の内部に設けられた原料12と、坩堝5の内部において原料12と対面して設けられた種結晶11とが準備される。原料12を昇華させることにより、種結晶11上に炭化珪素単結晶20が成長する。炭化珪素単結晶20を成長させる工程において、第1抵抗ヒータ1の温度は2000℃以上2400℃以下であり、かつ第1抵抗ヒータ1に流れる第1電流の値を、第1電流が流れる方向に対して垂直な第1抵抗ヒータ1の第1断面積で除した値は5A/mm2以下に維持され、第2抵抗ヒータ2の温度は2000℃以上2400℃以下であり、かつ第2抵抗ヒータ2に流れる第2電流の値を、第2電流が流れる方向に対して垂直な第2抵抗ヒータ2の第2断面積で除した値は5A/mm2以下に維持される。第3抵抗ヒータ3の温度は2000℃以上2400℃以下であり、かつ第3抵抗ヒータ3に流れる第3電流の値を、第3電流が流れる方向に対して垂直な第3抵抗ヒータ3の第3断面積で除した値は5A/mm2以下に維持される。チャンバ6の圧力は、0.5kPa以上2kPa以下に維持される。これにより、第1抵抗ヒータ1、第2抵抗ヒータ2および第3抵抗ヒータ3の劣化を抑制することができる。
まず、密度が1.75g/cm3である黒鉛から構成された抵抗ヒータ(サンプル1〜7)と、密度が1.85g/cm3である炭素から構成された抵抗ヒータ(サンプル8〜14)とを準備した。電流を供給する前の各抵抗ヒータ(サンプル1〜14)の抵抗を測定した。次に、約2200℃の温度環境下において、各抵抗ヒータ(サンプル1〜14)に対して電流を100時間供給した。サンプル1〜7に係る抵抗ヒータの電流密度が、それぞれ2A/mm2、3A/mm2、4A/mm2、5A/mm2、6A/mm2、7A/mm2および8A/mm2となるように抵抗ヒータに流す電流を調整した。同様に、サンプル8〜14に係る抵抗ヒータの電流密度が、それぞれ2A/mm2、3A/mm2、4A/mm2、5A/mm2、6A/mm2、7A/mm2および8A/mm2となるように抵抗ヒータに流す電流を調整した。抵抗ヒータの電流密度は、抵抗ヒータの断面積を変えずに、抵抗ヒータに供給する電流を変えることにより調整した。具体的には、サンプル1〜14に係る抵抗ヒータの断面積を150mm2とした。サンプル1〜7に係る抵抗ヒータに供給する電流を、それぞれ300A、450A、600A、750A、900A、1050Aおよび1200Aとした。同様に、サンプル8〜14に係る抵抗ヒータに供給する電流を、それぞれ300A、450A、600A、750A、900A、1050Aおよび1200Aとした。
電力を100時間供給した後、各抵抗ヒータ(サンプル1〜14)の抵抗を測定した。電力供給後、全ての抵抗ヒータの抵抗は増加した。電力供給後の抵抗ヒータの抵抗と電力供給前の抵抗ヒータの抵抗との差を電力供給前の抵抗ヒータの抵抗で除することにより、通電100時間後の抵抗増加率(%)を計算した。なお、抵抗ヒータに電力を長時間供給すると、抵抗ヒータを構成する炭素が劣化する。特に、抵抗ヒータがたとえば2000℃以上2400℃以下程度の温度になり、かつ抵抗ヒータが配置されているチャンバの圧力がたとえば1kPa程度であると、抵抗ヒータを構成する炭素が昇華することで、抵抗ヒータが劣化する。抵抗ヒータを構成する炭素が昇華すると、抵抗ヒータの抵抗は増加する。また炭化珪素単結晶を成長させる工程においては、炭化珪素原料を昇華させることにより珪素が発生する。炭素は珪素によりエッチングされる。そのため、炭化珪素単結晶を成長させる工程において、抵抗ヒータの劣化が促進されると考えられる。
図13は、通電100時間後の抵抗ヒータの抵抗増加率と、抵抗ヒータに通電している間における抵抗ヒータの電流密度との関係を示す図である。図13の縦軸は、通電100時間後の抵抗ヒータの抵抗増加率(%)を示しており、横軸は、抵抗ヒータに通電している間における抵抗ヒータの電流密度(A/mm2)を示している。なお、通電100時間後の抵抗ヒータの抵抗増加率(%)の許容値は、1%以下である。菱形の記号は、密度が1.75g/cm3である炭素から構成された抵抗ヒータ(サンプル1〜7)を示している。正方形の記号は、密度が1.85g/cm3である炭素から構成された抵抗ヒータ(サンプル8〜14)を示している。
図13に示されるように、抵抗ヒータの電流密度が5A/mm2以下の場合は、通電100時間後の抵抗ヒータの抵抗増加率は1%以下であった。また抵抗ヒータの電流密度が5A/mm2よりも大きくなると、通電100時間後の抵抗ヒータの抵抗増加率が急激に増加した。同じ電流密度で比較すると、炭素密度の高い抵抗ヒータの方が、炭素密度の低い抵抗ヒータよりも、抵抗増加率が小さかった。以上の結果より、抵抗ヒータの電流密度を5A/mm2以下とすることにより、抵抗ヒータの劣化を効果的に抑制可能であることが実証された。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 第1抵抗ヒータ
1a 上面
1b 下面
1x 第1部分
2 第2抵抗ヒータ(抵抗ヒータ)
2a 第1面
2b 第2面
2c 第3面
2d 第4面
2x 第2部分
3 第3抵抗ヒータ
3x 第3部分
4x 第4部分
5 坩堝
5a1 頂面
5a 台座
5a2 種結晶保持面
5b2 底面
5b 収容部
5b1 側面
6 チャンバ
6a,6b,6c 窓
7,8,14 電極
7a 第2電源(電源)
8a 第1電源
9a 下部放射温度計(放射温度計)
9b 側部放射温度計
9c 上部放射温度計
10x ヒータユニット
11 種結晶
11a 裏面
11b,12a 表面
12 原料(炭化珪素原料)
14a 第3電源
20 炭化珪素単結晶
100 製造装置
A1,A2 温度
CS 断面
P1,P2 圧力
T0,T1,T2,T3,T4,T5,T6 時間
W1,W2 幅

Claims (7)

  1. 頂面と、前記頂面と反対側の底面と、前記頂面と前記底面との間に位置する筒状の側面とを有する坩堝と、
    前記坩堝を収容するチャンバと、
    前記坩堝の外部に設けられ、かつ炭素により構成された抵抗ヒータと、
    前記抵抗ヒータに対して電力を供給可能に構成された電源とを備え、
    前記電源によって前記抵抗ヒータに電力を供給することにより前記抵抗ヒータの温度が2000℃以上2400℃以下の間のある温度になりかつ前記チャンバの圧力が0.5kPa以上2kPa以下になった場合において、前記抵抗ヒータに流れる電流の値を、前記電流が流れる方向に対して垂直な前記抵抗ヒータの断面積で除した値が5A/mm2以下になりかつ前記抵抗ヒータに供給される電力が5kW以上100kW以下になるように前記電源および前記抵抗ヒータが構成されている、炭化珪素単結晶の製造装置。
  2. 前記抵抗ヒータを構成する前記炭素の密度は、1.7g/cm3以上1.9g/cm3以下である、請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  3. 前記抵抗ヒータを構成する前記炭素の抵抗率は、1200μΩ・cm以上である、請求項1または請求項2に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  4. 前記抵抗ヒータの前記断面積は、100mm2以上500mm2以下である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  5. 頂面と、前記頂面と反対側の底面と、前記頂面と前記底面との間に位置する筒状の側面とを有する坩堝と、
    前記坩堝を収容するチャンバと、
    前記底面に対面して設けられ、かつ炭素から構成された第1抵抗ヒータと、
    前記側面を取り囲むように構成され、かつ炭素から構成された第2抵抗ヒータと、
    前記頂面に対面して設けられ、かつ炭素から構成された第3抵抗ヒータと、
    前記第1抵抗ヒータに対して電力を供給可能に構成された第1電源と、
    前記第2抵抗ヒータに対して電力を供給可能に構成された第2電源と、
    前記第3抵抗ヒータに対して電力を供給可能に構成された第3電源とを備え、
    前記第1電源によって前記第1抵抗ヒータに電力を供給して前記第1抵抗ヒータの温度が2000℃以上2400℃以下の間のある温度になりかつ前記チャンバの圧力が0.5kPa以上2kPa以下になった場合において、前記第1抵抗ヒータに流れる第1電流の値を、前記第1電流が流れる方向に対して垂直な前記第1抵抗ヒータの第1断面積で除した値が5A/mm2以下になりかつ前記第1抵抗ヒータに供給される電力が5kW以上100kW以下になるように前記第1電源および前記第1抵抗ヒータが構成されており、
    前記第2電源によって前記第2抵抗ヒータに電力を供給して前記第2抵抗ヒータの温度が2000℃以上2400℃以下の間のある温度になりかつ前記チャンバの圧力が0.5kPa以上2kPa以下になった場合において、前記第2抵抗ヒータに流れる第2電流の値を、前記第2電流が流れる方向に対して垂直な前記第2抵抗ヒータの第2断面積で除した値が5A/mm2以下になりかつ前記第2抵抗ヒータに供給される電力が5kW以上100kW以下になるように前記第2電源および前記第2抵抗ヒータが構成されており、
    前記第3電源によって前記第3抵抗ヒータに電力を供給して前記第3抵抗ヒータの温度が2000℃以上2400℃以下の間のある温度になりかつ前記チャンバの圧力が0.5kPa以上2kPa以下になった場合において、前記第3抵抗ヒータに流れる第3電流の値を、前記第3電流が流れる方向に対して垂直な前記第3抵抗ヒータの第3断面積で除した値が5A/mm2以下になりかつ前記第3抵抗ヒータに供給される電力が5kW以上100kW以下になるように前記第3電源および前記第3抵抗ヒータが構成されており、
    前記第1断面積、前記第2断面積および前記第3断面積の各々は、100mm2以上500mm2以下であり、
    前記第1抵抗ヒータ、前記第2抵抗ヒータおよび前記第3抵抗ヒータの各々を構成する炭素の密度は、1.7g/cm3以上1.9g/cm3以下であり、
    前記第1抵抗ヒータ、前記第2抵抗ヒータおよび前記第3抵抗ヒータの各々を構成する炭素の抵抗率は、1200μΩ・cm以上である、炭化珪素単結晶の製造装置。
  6. 頂面と、前記頂面と反対側の底面と、前記頂面と前記底面との間に位置する筒状の側面とを有する坩堝と、
    前記坩堝の外部に設けられ、かつ炭素により構成された抵抗ヒータと、
    前記坩堝の内部に設けられた原料と、
    前記坩堝の内部において前記原料と対面して設けられた種結晶とを準備する工程と、
    前記抵抗ヒータによって前記原料を昇華させることにより、前記種結晶上に炭化珪素単結晶を成長させる工程とを備え、
    前記炭化珪素単結晶を成長させる工程において、前記抵抗ヒータに流れる電流の値を、前記電流が流れる方向に対して垂直な前記抵抗ヒータの断面積で除した値は、5A/mm2以下に維持され、かつ前記抵抗ヒータに供給される電力は、5kW以上100kW以下に調整され、
    前記炭化珪素単結晶を成長させる工程において、前記抵抗ヒータの温度は、2000℃以上2400℃以下に維持され、
    前記坩堝を収容するチャンバを準備する工程をさらに備え、
    前記炭化珪素単結晶を成長させる工程における前記チャンバの圧力は、0.5kPa以上2kPa以下に維持される、炭化珪素単結晶の製造方法。
  7. チャンバと、
    前記チャンバの内部に設けられ、かつ頂面と、前記頂面と反対側の底面と、前記頂面と前記底面との間に位置する筒状の側面とを有する坩堝と、
    前記チャンバの内部において前記底面に対面して設けられ、かつ炭素から構成された第1抵抗ヒータと、
    前記チャンバの内部において前記側面を取り囲むように構成され、かつ炭素から構成された第2抵抗ヒータと、
    前記チャンバの内部において前記頂面に対面して設けられ、かつ炭素から構成された第3抵抗ヒータと、
    前記坩堝の内部に設けられた原料と、
    前記坩堝の内部において前記原料と対面して設けられた種結晶とを準備する工程と、
    前記原料を昇華させることにより、前記種結晶上に炭化珪素単結晶を成長させる工程とを備え、
    前記炭化珪素単結晶を成長させる工程において、
    前記第1抵抗ヒータの温度は2000℃以上2400℃以下であり、かつ前記第1抵抗ヒータに流れる第1電流の値を、前記第1電流が流れる方向に対して垂直な前記第1抵抗ヒータの第1断面積で除した値は5A/mm2以下に維持され、かつ前記第1抵抗ヒータに供給される電力は、5kW以上100kW以下に調整され、
    前記第2抵抗ヒータの温度は2000℃以上2400℃以下であり、かつ前記第2抵抗ヒータに流れる第2電流の値を、前記第2電流が流れる方向に対して垂直な前記第2抵抗ヒータの第2断面積で除した値は5A/mm2以下に維持され、かつ前記第2抵抗ヒータに供給される電力は、5kW以上100kW以下に調整され、
    前記第3抵抗ヒータの温度は2000℃以上2400℃以下であり、かつ前記第3抵抗ヒータに流れる第3電流の値を、前記第3電流が流れる方向に対して垂直な前記第3抵抗ヒータの第3断面積で除した値は5A/mm2以下に維持され、かつ前記第3抵抗ヒータに供給される電力は、5kW以上100kW以下に調整され、かつ
    前記チャンバの圧力は、0.5kPa以上2kPa以下に維持される、炭化珪素単結晶の製造方法。
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