JP5936191B2 - 結晶の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶液法によって炭化珪素の結晶を製造する方法に関する。
炭素と珪素の化合物である炭化珪素(Silicon Carbide:以下、「SiC」と言うことがある。)は、バンドギャップが珪素よりも広く、絶縁破壊に至る電界強度が大きく、耐電圧特性に優れ、さらに熱伝導性、耐熱性、耐薬品性および耐放射線性等にも優れている。このような種々の利点を有するSiCの結晶は、原子力を含む重電分野、自動車および航空を含む運輸分野、家電分野、並びに宇宙分野等の幅広い分野において注目されている。
SiCの単結晶を製造する方法としては、溶液法が知られている(例えば、特許文献1参照)。溶液法は、SiCからなる種結晶の上面を保持部材によって保持しつつ、その下面を、炭素を含む珪素の溶液に接触させた後、種結晶を引き上げることによって、種結晶の下面に溶液からSiCの単結晶を成長させる方法である。
このような溶液法によってSiCの結晶を製造する場合、高品質なSiCの結晶を安定して製造できるのが望ましい。
特開2000−264790号公報
本発明の課題は、溶液法によって高品質な炭化珪素の結晶を安定して製造することができる結晶の製造方法を提供することである。
本発明の結晶の製造方法は、(0001)面に対して傾斜している珪素結晶面を有する種結晶の前記珪素結晶面を、炭素を含む珪素の第1溶液に接触させる第1工程と、前記珪素結晶面に前記第1溶液から炭化珪素の結晶(A)を成長させる第2工程と、前記種結晶に成長させた前記結晶(A)から前記種結晶および該種結晶に接触する面を含む前記結晶(A)の一部を除去することにより、前記結晶(A)に炭素結晶面を露出させる第3工程と、前記結晶(A)の前記炭素結晶面を、炭素を含む珪素の第2溶液に接触させる第4工程と、前記結晶(A)の前記炭素結晶面に前記第2溶液から炭化珪素の結晶(B)を成長させる第5工程とを備える。
本発明によれば、溶液法によって高品質なSiCの結晶を安定して製造することができるという効果がある。また、本発明によれば、溶液法を採用することから、SiCの結晶の大型化または長尺化が期待できる。
本発明の一実施形態に係る結晶の製造方法で用いる結晶製造装置を示す概略説明図である。 (a)〜(e)は、本発明の一実施形態に係る結晶の製造方法を示す概略説明図であり、種結晶等のみを示す図である。 (a)および(b)は、本発明の一実施形態に係る結晶の製造方法における第3工程を示す概略説明図である。 (a)〜(c)は、本発明の他の実施形態に係る結晶の製造方法の一工程を示す概略説明図である。
以下、本発明の一実施形態に係る結晶の製造方法について、図1〜図3を用いて詳細に説明する。本実施形態の結晶の製造方法は、溶液法によってSiCの単結晶を製造する方法である。本実施形態の結晶の製造方法では、図1に示す結晶製造装置100を用いることから、まず、結晶製造装置100の構成について説明する。
本実施形態の結晶製造装置100は、図1に示すように、坩堝110と、坩堝110を内部下方に収容する坩堝容器120と、坩堝110と坩堝容器120との間に位置する保温材130と、坩堝110を加熱する加熱機構140とを備えている。
坩堝110は、炭素を含む珪素の溶液を内部に収容する器としての機能を有する。本実施形態の結晶製造装置100は、この坩堝110の内部で熱的平衡に近い状態を作り出すことによって、SiCの結晶を成長させる。坩堝110の構成材料としては、例えば炭素(黒鉛)等が挙げられる。
坩堝容器120は、坩堝110を内部に保持する機能を有する。保温材130は、坩堝110の外周部を覆うとともに、坩堝110からの放熱を抑制し、坩堝110を一定の温度に保つ機能を有する。
加熱機構140は、坩堝110を加熱する機能を有する。本実施形態の加熱機構140は、電磁波によって坩堝110を加熱する電磁誘導加熱方式を採用する。具体的に説明すると、本実施形態の加熱機構140は、コイル141および交流電源142を有する。
コイル141は、導体によって構成されており、坩堝容器120の外周部のうち下方領域を螺旋状に巻回している。交流電源142は、コイル141に対して交流電流を流せるように、コイル141と電気的に接続している。なお、交流電源142に交流電流の電流値が高いものを用いると、坩堝110の内部を設定温度まで加熱する時間を短縮することができる。
本実施形態の加熱機構140による坩堝110の加熱は、次のようにして行う。まず、交流電源142を用いてコイル141に交流電流を流し、保温材130を含む空間に電磁場を発生させる。この電磁場によって、坩堝110に誘導電流が流れる。坩堝110に流れた誘導電流は、電気抵抗によるジュール発熱およびヒステリシス損失による発熱等の種々の損失によって熱エネルギーに変換される。つまり、坩堝110は、誘導電流の熱損失によって加熱される。
なお、この電磁場によって坩堝110の内部に位置する溶液に誘導電流を流し、溶液自体を発熱させてもよい。溶液自体を発熱させる場合には、坩堝110を発熱させなくてもよい。また、本実施形態の加熱機構140は、電磁誘導加熱方式を採用しているが、これに代えて、他の方式を採用してもよい。具体例を挙げると、カーボン等の発熱抵抗体で生じた熱を伝熱する伝熱方式等が挙げられる。伝熱方式の加熱機構140を採用する場合には、坩堝110と保温材130との間に発熱抵抗体を配置すればよい。
結晶製造装置100は、坩堝110の内部に位置する溶液に後述する種結晶を搬入し、かつ溶液の中から成長したSiCの単結晶を搬出する搬入出機構150をさらに備えている。搬入出機構150は、坩堝110の開口部110Aから坩堝110の内部に出し入れ可能な保持部材151、および動力源152を有する。
保持部材151は、その立体形状が、例えば棒状、直方体状等であり、開口部110Aに対応するように位置する。また、保持部材151は、坩堝110側に位置する下端面151aを有する。そして、保持部材151は、動力源152によって上下方向、すなわちD1方向およびD2方向に移動が制御される。これにより、保持部材151のうち下端面151a側に位置する部位が、坩堝110の開口部110Aから坩堝110の内部に出し入れ可能になる。したがって、本実施形態では、保持部材151によって種結晶および成長したSiCの単結晶の搬入出を行う。なお、D1方向とは、物理空間上の下方向を意味するものとし、D2方向とは、物理空間上の上方向を意味するものとする。
保持部材151の下端面151aの面積は、種結晶の被保持面の面積よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。本実施形態では、保持部材151の下端面151aの面積が、種結晶の被保持面の面積よりも小さい。なお、保持部材151の下端面151aの面積が、種結晶の被保持面の面積よりも大きい場合には、種結晶の被保持面の全面を後述する接着材4を介して保持することができ、保持部材151による保持力を高めることができる。
保持部材151の下端面151aの形状としては、端面視において、例えば四角形状等の多角形状、円形状等が挙げられる。なお、端面視とは、下端面151a側から保持部材151を見た状態を意味するものとする。
保持部材151の構成材料としては、例えば炭素を主成分とする材料等が挙げられ、炭素としては、例えば炭素の多結晶体、炭素を焼成した焼成体等が挙げられる。
結晶製造装置100は、加熱機構140の交流電源142と、搬入出機構150の動力源152にそれぞれ接続しているとともに、これらを制御する制御部160をさらに備えている。つまり、本実施形態の結晶製造装置100は、制御部160によって、溶液の加熱および温度制御と、種結晶の搬入出とを連動して制御している。制御部160は、中央演算処理装置と、メモリ等の記憶装置とを有しており、例えば公知のコンピュータ等からなる。
上述した結晶製造装置100を用いる本実施形態の結晶の製造方法は、以下の第1〜第5工程を備えている。以下、工程順に本実施形態を詳細に説明する。
(第1工程)
本実施形態では、まず、図2(a)に示すように、SiC結晶体1を準備する。本実施形態のSiC結晶体1は、SiCの単結晶であり、珪素結晶面11および炭素結晶面12を備えている。
珪素結晶面11は、SiC結晶体1を構成している炭素および珪素のうち主として珪素がSiC結晶体1の片面に露出することによって構成されている結晶面である。また、炭素結晶面12は、SiC結晶体1を構成している炭素および珪素のうち主として炭素がSiC結晶体1の他面に露出することによって構成されている結晶面である。
SiC結晶の結晶構造は、単位格子が、1つの炭素原子および4つの珪素原子(若しくは、1つの珪素原子および4つの炭素原子)からなる略三角錐構造になることから、当該結晶構造のうち切断され易い箇所が存在する。それゆえ、SiC結晶体1は、一方の結晶面が珪素結晶面11、他方の結晶面が炭素結晶面12となった配置構造をとり易くなっている。
SiC結晶体1の備える結晶面が珪素結晶面11および炭素結晶面12のいずれであるかは、例えばX線光電子分光法または水酸化カリウムによるエッチング法等で確認することができる。水酸化カリウムによるエッチング法を例に挙げて説明すると、SiC結晶体1の備える結晶面を水酸化カリウムでエッチングすると、結晶面が珪素結晶面11であった場合には、エッチングを行なっても結晶面の平坦性が維持される。これに対し、結晶面が炭素結晶面12であった場合には、結晶面は複数の炭素面が露出した凹凸形状になる。
ここで、本実施形態のSiC結晶体1は、珪素結晶面11が(0001)面である。本実施形態では、(0001)面である珪素結晶面11を微傾斜させ、図2(b)に示す状態にしたものを種結晶15とする。すなわち、本実施形態の種結晶15は、(0001)面に対して傾斜している珪素結晶面11aを有する。
珪素結晶面11aの傾斜状態としては、例えば(0001)面から〔11−20〕方向へ所定のオフ角で傾斜している状態等が挙げられるが、これに限定されるものではない。オフ角とは、(0001)面と傾斜した面とのなす角の角度のことを意味するものとする。オフ角としては、例えば0.5°以上5°以下に設定することができる。また、SiC結晶体1の珪素結晶面11を微傾斜させる方法としては、例えば珪素結晶面11に対して研磨処理を施す方法等が挙げられる。
本実施形態では、図1に示すように、種結晶15が備える炭素結晶面12を、上述した保持部材151によって保持される被保持面とする。そして、本実施形態では、傾斜している珪素結晶面11aを、炭素を含む珪素の第1溶液5に接触させる。
具体的に説明すると、保持部材151は、その下端面151aに接着材4を介して種結晶15の炭素結晶面12を保持している。接着材4としては、例えばカーボン接着材、アルミナまたはジルコニウム等のセラミック材料を含むセラミック接着材等が挙げられる。接着材4として、第1溶液5の温度よりも高い融点を有するものを用いると、保持部材151から種結晶15が脱落するのを抑制することができる。
一方、第1溶液5は、次のようにして坩堝110の内部に貯留する。まず、坩堝110の内部にSiCの単結晶の原料、すなわち炭素および珪素を収容する。次に、加熱機構140によって坩堝110を加熱し、坩堝110の内部でSiCの単結晶の原料を融解する。これにより、坩堝110の内部に炭素を含む珪素の第1溶液5を貯留することができる。坩堝110を炭素で形成した場合には、SiCの単結晶の原料として珪素のみ収容して、当該珪素および坩堝110の一部を融解し、第1溶液5を貯留するようにしてもよい。
そして、保持部材151をD1方向に動かすと、傾斜している珪素結晶面11aを第1溶液5に接触させることができる。なお、保持部材151をD1方向に動かす工程では、珪素結晶面11aと第1溶液5とが相対的に近づけばよく、例えば第1溶液5を珪素結晶面11aに近づけてもよい。接触条件としては、珪素結晶面11aが第1溶液5に接触可能な限り、特に限定されるものではなく、例えば種結晶15全体を第1溶液5に浸漬してもよい。
(第2工程)
次に、保持部材151をD2方向に動かして種結晶15を引き上げ、図2(c)に示すように、傾斜している珪素結晶面11aに第1溶液5からSiCの結晶(A)2を成長させる。なお、図2(c)では、説明の便宜上、図2(b)に示す種結晶15の上下を、図1のように反転させていない。
本工程について具体的に説明すると、第1溶液5には、成長させるSiCの単結晶を構成する元素である珪素が溶媒として溶融している。溶質となる元素(炭素)の溶解度は、溶媒となる元素の温度が高くなるにつれて大きくなる。本実施形態では、第1溶液5の温度を、1300℃以上2000℃以下に設定する。このような高温下の溶媒に多くの溶質を溶解させた第1溶液5を冷却すると、熱的な平衡を境に溶質が析出する。本実施形態では、この熱的平衡からの温度のずれによる析出を利用して、珪素結晶面11aにSiCの結晶(A)2を成長させる。
すなわち、第1溶液5に珪素結晶面11aが接触すると、珪素結晶面11a付近で第1溶液5が冷却されて、上述した通り、熱的な平衡を境に溶質が珪素結晶面11aに析出する。つまり、熱的平衡からの温度のずれによる結晶の析出を利用して、珪素結晶面11aにSiCの結晶(A)2を成長させる。
そして、珪素結晶面11aにSiCの結晶(A)2が成長し始めた後、保持部材151を徐々にD2方向に動かすことによって種結晶15を引き上げる(図1参照)。これにより、連続して種結晶15の珪素結晶面11aにSiCの結晶(A)2を成長させることができる。
このとき、種結晶15は、少なくとも珪素結晶面11aが第1溶液5に接触している必要がある。ここで、本実施形態において、種結晶15の珪素結晶面11aとは、珪素結晶面11aに成長したSiCの結晶(A)2の最下端をも含む概念である。したがって、種結晶15を引き上げる際には、珪素結晶面11aに成長し続けているSiCの結晶(A)2の最下端を第1溶液5に接触させる必要がある。
なお、保持部材151をD2方向に動かす速度としては、特に限定されるものではなく、珪素結晶面11aに成長するSiCの結晶(A)2の成長速度に応じて適宜設定すればよい。保持部材151をD2方向に動かす工程では、珪素結晶面11aと第1溶液5とが相対的に遠ざかればよく、例えば第1溶液5を珪素結晶面11aから遠ざけてもよい。
以上のような工程を経て、図2(c)に示すように、種結晶15の珪素結晶面11aに、第1溶液5からSiCの単結晶である結晶(A)2を成長させることができる。また、このような工程を経て結晶(A)2を成長させると、結晶(A)2の種結晶15とは反対側の表面、すなわち珪素結晶面21に、貫通転位が露出し難くなる。この理由としては、以下の理由が推察される。
すなわち、溶液法に使用される一般的な種結晶には、10,000個/cm2程度の貫通転位が存在する。図3(a)に示すように、本実施形態の種結晶15にも、複数の貫通転位13が存在する。複数の貫通転位13は、成長させるSiCの結晶(A)2にも受け継がれ、結晶(A)2の成長に伴って成長する。
ここで、本実施形態では、種結晶15が備える珪素結晶面11a上に結晶(A)2を成長させるが、珪素結晶面11aは、上述の通り、(0001)面に対して傾斜している。このように傾斜している珪素結晶面11a上に結晶(A)2を成長させると、種結晶15から受け継がれた複数の貫通転位23のそれぞれは、結晶(A)2の表面、すなわち珪素結晶面21に向かう方向ではなく、横方向に曲がって成長するようになる。その結果、成長させた結晶(A)2の珪素結晶面21に、貫通転位23が露出し難くなると推察される。
(第3工程)
次に、図2(c)、(d)に示すように、種結晶15に成長させた結晶(A)2から種結晶15および種結晶15に接触する面Sを含む結晶(A)2の一部を除去することにより、結晶(A)2に炭素結晶面22を露出させる。これにより、結晶(A)2から種結晶15を確実に除去することができる。また、上述した結晶(A)2に存在する複数の貫通転位23は、図3(a)に示すように、結晶(A)2のうち種結晶15に接触する面S近傍の領域に位置する。本実施形態では、面Sを含む結晶(A)2の一部を除去することから、複数の貫通転位23を除去することができ、炭素結晶面22に露出する貫通転位23の数を少なくすることができる。
種結晶15および結晶(A)2の一部を除去する方法としては、例えば種結晶15の炭素結晶面12側から種結晶15および結晶(A)2の一部を研磨処理して除去する方法等が挙げられる。
特に本工程では、図3(a)に示すように、炭素結晶面22として結晶(A)2の(0001)面22aが露出するように結晶(A)2の一部を除去するのがよい。これにより、図3(b)に示すように、結晶(A)2から複数の貫通転位23をより多く除去することができる。その結果、結晶(A)2の炭素結晶面22に露出する貫通転位23の数を少なくすることが可能となる。
また、本工程では、結晶(A)2の一部を、結晶(A)2の(0001)面22aに対して平行な方向に研磨して除去するようにしてもよい。この場合にも、結晶(A)2から複数の貫通転位23をより多く除去することができ、炭素結晶面22に露出する貫通転位23の数を少なくすることが可能となる。
図2(d)に示すように、種結晶15および結晶(A)2の一部を除去した結晶(A)2の厚みDとしては、300μm以上15mm以下に設定することができる。
(第4工程)
次に、結晶(A)2の炭素結晶面22を、炭素を含む珪素の第2溶液に接触させる。第2溶液としては、上述の第1溶液5で説明したのと同じ溶液が挙げられる。また、第2溶液の組成は、第1溶液5の組成と同じであってもよいし、異なっていてもよい。炭素結晶面22を第2溶液に接触させる方法としては、上述の第1工程で説明した珪素結晶面11aを第1溶液5に接触させる方法と同じ方法が挙げられる。
(第5工程)
次に、結晶(A)2を引き上げ、図2(e)に示すように、炭素結晶面22に第2溶液からSiCの結晶(B)3を成長させる。このように、炭素結晶面22に結晶(B)3を成長させると、珪素結晶面21に結晶(B)3を成長させるよりも、結晶安定性を向上させることができ、結晶(B)3を厚膜成長させることが可能となる。また、上述した第3工程において、炭素結晶面22に露出する貫通転位23の数を少なくしていることから、SiC結晶体に直接結晶を成長させる場合と比較して、結晶(B)3内に引き継がれる貫通転位の数を少なくすることができる。
また、炭素結晶面22に貫通転位23が露出している場合でも、当該貫通転位23は横方向に伸びていることから、炭素結晶面22に成長させる結晶(B)3内に引き継がれる転位も横方向に伸びることとなる。その結果、結晶(B)3の厚み方向(横方向に対して垂直な方向)に転位が引き継がれ難くなることから、厚み方向に向かうにつれて転位の少ないSiCの結晶(B)3を得ることができる。
さらに、本実施形態では、結晶(B)3を成長させる結晶面を炭素結晶面22に特定していることから、成長させる結晶面が入れ替わることによって生じる品質のバラツキを抑制することができ、それゆえ結晶(B)3の品質を一定に保つことができる。したがって、本実施形態によれば、高品質なSiCの結晶(B)3を安定して製造することが可能となる。
本工程では、第2溶液の温度を、第1溶液5の温度よりも高くなるように設定してもよい。これにより、結晶(B)3の成長速度を向上させて生産性を高めることが可能となる。第2溶液の温度としては、第1溶液の温度よりも高くなるように設定すればよく、例えば、1450℃以上2100℃以下に設定することができる。
なお、炭素結晶面22に第2溶液から結晶(B)3を成長させる方法としては、上述の第2工程で説明した珪素結晶面11aに第1溶液5から結晶(A)2を成長させる方法と同じ方法が挙げられる。
以上、本発明に係るいくつかの実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で多くの修正および変更を加えることができるのは言うまでもない。
例えば、図4(a)、(b)に示すように、上述した第2工程と第3工程との間に、結晶(A)2の種結晶15とは反対側の表面、すなわち珪素結晶面21を保持部材6によって保持する工程を含むようにしてもよい。そして、第3工程を、図4(c)に示すように、結晶(A)2の珪素結晶面21を保持部材6によって保持した状態で行うようにしてもよい。これにより、結晶(A)2から、種結晶15および結晶(A)2の一部を除去した際に、結晶(A)2が撓んだり、内部に歪みが発生したりすることを抑制することができる。
保持部材6としては、上述した保持部材151と同じ構成のものが挙げられる。本実施形態の保持部材6は、その下端面6aに接着材7を介して結晶(A)2の珪素結晶面21を保持している。接着材7としては、上述した接着材4と同じ組成のものが挙げられる。
その他の構成は、上述した一実施形態と同様であるので、説明を省略する。
1 SiC結晶体
11 珪素結晶面
11a (0001)面に対して傾斜している珪素結晶面
12 炭素結晶面
13 貫通転位
15 種結晶
2 結晶(A)
21 珪素結晶面
22 炭素結晶面
22a 結晶(A)の(0001)面
23 貫通転位
3 結晶(B)
4 接着材
5 第1溶液
6 保持部材
6a 下端面
7 接着材
100 結晶製造装置
110 坩堝
110A 開口部
120 坩堝容器
130 保温材
140 加熱機構
141 コイル
142 交流電源
150 搬入出機構
151 保持部材
151a 下端面
152 動力源
160 制御部

Claims (5)

  1. (0001)面に対して傾斜している珪素結晶面を有する種結晶の前記珪素結晶面を、炭素を含む珪素の第1溶液に接触させる第1工程と、
    前記珪素結晶面に前記第1溶液から炭化珪素の結晶(A)を成長させる第2工程と、
    前記種結晶に成長させた前記結晶(A)から前記種結晶および該種結晶に接触する面を含む前記結晶(A)の一部を除去することにより、前記結晶(A)に炭素結晶面を露出させる第3工程と、
    前記結晶(A)の前記炭素結晶面を、炭素を含む珪素の第2溶液に接触させる第4工程と、
    前記結晶(A)の前記炭素結晶面に前記第2溶液から炭化珪素の結晶(B)を成長させる第5工程と
    を備える、結晶の製造方法。
  2. 前記第3工程において、前記炭素結晶面として前記結晶(A)の(0001)面が露出するように前記結晶(A)の一部を除去する、請求項1に記載の結晶の製造方法。
  3. 前記第3工程において、前記結晶(A)の前記一部を前記結晶(A)の前記(0001)面に対して平行な方向に研磨して除去する、請求項2に記載の結晶の製造方法。
  4. 前記第5工程において、前記第2溶液の温度を前記第1溶液の温度よりも高くなるように設定する、請求項1〜3のいずれかに記載の結晶の製造方法。
  5. 前記第2工程と前記第3工程との間に、前記結晶(A)の前記種結晶とは反対側の表面を保持部材によって保持する工程を含み、
    前記第3工程を、前記結晶(A)の前記表面を前記保持部材によって保持した状態で行う、請求項1〜4のいずれかに記載の結晶の製造方法。
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