JP6259053B2 - 結晶の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炭化珪素の結晶を製造する結晶の製造方法に関するものである。
現在注目されている結晶として、炭素と、珪素の化合物である炭化珪素(Silicon Carbide;SiC)がある。炭化珪素は、バンドギャップがシリコンと比べて広く、絶縁破壊に至る電界強度が大きい(耐電圧特性がよい)こと、熱伝導性が高いこと、耐熱性が高いこと、耐薬品性に優れること、および耐放射線性に優れることなどの種々の利点から注目を集めている。炭化珪素の結晶は、例えば、原子力を含む重電、自動車および航空を含む運輸、家電、ならびに宇宙などの分野に応用されようとしている。炭化珪素の単結晶は、例えば特許文献1に記載されるような、溶液成長法で製造されている。
特開2000−264790号公報
炭化珪素からなる結晶の製造を溶液成長法で行なう研究・開発において、例えば多形変化または転位の発生を抑制して、高品質な結晶を成長させることが課題の一つとなっている。本発明は、このような事情を鑑みて案出されたものであり、高品質な結晶を成長させることが可能な結晶の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の結晶の製造方法は、炭化珪素の結晶の製造方法であって、種結晶と、坩堝と、坩堝内に配された溶液とを準備する工程と、前記種結晶を前記溶液に接触させて、結晶を成長させる接触工程と、前記接触工程の後、前記結晶を前記溶液から離す成長中止工程と、前記成長中止工程の後、前記結晶を前記溶液に再度接触させる再接触工程と、を備え、前記成長中止工程において、前記結晶は、前記結晶の下端に前記溶液からの蒸気が当たる位置に保持されている。
本発明の結晶の製造方法によれば、種結晶の下面に結晶を成長させる途中で種結晶の下面に成長した結晶を溶液から離すとともに、溶液の温度を高くすることによって、溶液に含まれる炭素の濃度を調整して、高品質な結晶を成長させることができる。
本発明の結晶の製造方法に用いる結晶製造装置の一例を示す断面図である。 図1に示す結晶製造装置の一部を拡大した図である。 本発明の結晶の製造方法の実施形態に係る一工程を示す図であり、保持部材、種結晶、種結晶の下面に成長した結晶および坩堝をD3、D4方向に切断したときの断面図である。 本発明の結晶の製造方法の実施形態の変形例に係る一工程を示す図であり、保持部材、種結晶、種結晶の下面に成長した結晶および坩堝をD3、D4方向に切断したときの断面図である。
<結晶製造装置>
本発明の結晶の製造方法に用いる結晶製造装置の例について、図面を参照しつつ説明する。結晶製造装置1は、主に保持部材2、接着材3、種結晶4および溶液5によって構成されている。以下に、図1を参照しつつ、結晶製造装置1の概略を説明する。
坩堝6は、坩堝容器7の内部に配置されている。坩堝容器7は、坩堝6を保持する機能を担っている。この坩堝容器7と坩堝6との間には、保温材8が配置されている。この保温材8は、坩堝6の周囲を囲んでいる。保温材8は、坩堝6からの放熱を抑制し、坩堝6の温度を安定して保つことに寄与している。
坩堝6は、製造する炭化珪素の結晶の原料を内部で融解させる器としての機能を担っている。本例では、坩堝6の中で、結晶の原料(炭素および珪素)を融解させて、溶液5として貯留する。本例では、溶液成長法を採用しており、この坩堝6の内部で熱的平衡状態を作り出すことによって結晶の製造を行なう。
坩堝6は、回転および停止が可能となっている。坩堝6の回転は、坩堝6のみを回転させてもよいし、坩堝6と保温材8を回転させてもよいし、坩堝6、保温材8および坩堝容器7を回転させてもよい。坩堝6は、D1、D2方向に回転されるようになっている。具体的に、坩堝6は、D3、D4方向に平面視したときに、坩堝6の重心が回転中心となるように回転するようになっている。
坩堝6は、D3からD4方向にみたときに、時計回り(D1方向)または反時計回り(D2方向)することができるようになっている。坩堝6は、時計回りまたは反時計回りに、例えば500rpm以下となるように回転させることができる。なお、種結晶4および
坩堝6は回転していなくてもよいが、本実施形態では種結晶4を回転させて溶液5内で種結晶4に向かう対流を発生させている場合について説明する。
坩堝6は、加熱機構10によって、熱が加えられる。本例の加熱機構10は、電磁波によって坩堝6を加熱する電磁加熱方式を採用しており、コイル11および交流電源12を含んで構成されている。坩堝6は、例えば炭素(黒鉛)によって構成されている。
坩堝6の内部には、溶液5が配置されている。溶液5は、製造する炭化珪素の結晶を構成する元素である炭素および珪素が溶媒として溶融している。溶質となる元素の溶解度は、溶媒となる元素の温度が高くなるほど大きくなる。溶液5の温度は、例えば1300℃以上2500℃以下となるように設定されている。このため、高温下の溶媒に多くの溶質を溶解させた溶液5が冷えると、熱的な平衡を境に溶質が析出する。この熱的平衡による析出を利用して、本例が採用している溶液成長法では、種結晶4の下面4Bに結晶の製造を行なっている。
本例では、坩堝6を、次のようにして加熱している。まず、交流電源12を用いてコイル11に電流を流して、保温材8を含む空間に電磁場を発生させる。次に、この電磁場によって、坩堝6に誘導電流が流れる。坩堝6に流れた誘導電流は、電気抵抗によるジュール発熱、およびヒステリシス損失による発熱などの種々の損失によって、熱エネルギに変換される。つまり、坩堝6は、誘導電流の熱損失によって加熱される。なお、この電磁場によって溶液5自体に誘導電流を流して発熱させてもよい。このように溶液5自体を発熱させる場合は、坩堝6自体を発熱させなくてもよい。
本例では、加熱機構10として電磁加熱方式を採用しているが、他の方式を用いて加熱してもよい。加熱機構10は、例えば、カーボンなどの発熱抵抗体で生じた熱を伝熱する方式などの他の方式を採用することができる。この伝熱方式の加熱機構を採用する場合は、(坩堝6と保温材8との間に)発熱抵抗体が配置される。
坩堝6の溶液5には、搬送機構13によって種結晶4が供給される。この搬送機構13は、溶液5の中から製造した結晶を搬出する機能も担っている。搬送機構13は、保持部材2、および動力源14を含んで構成されている。この保持部材2によって、種結晶4および種結晶4の下面4Bに製造した単結晶の搬入出が行なわれる。種結晶4は、保持部材2の下端面2Aに取り付けられており、この保持部材2は、動力源14によって上下方向D3、D4に移動が制御される。本例では、D4方向が物理空間上の下方向を意味し、D3方向が物理空間上の上方向を意味する。
保持部材2は、図2に示すように、下端面2Aに種結晶4が接着材3を介して固定されている。ここで、図2は、結種晶4、接着材3および保持部材2を含む部分を拡大した図である。保持部材2は、下端面2Aを有していればよく、下端面2Aは、平面視形状が四角形状などの多角形状、または円形状などの形状をなしている。保持部材2は、立体形状が、例えば棒状、直方体状などをなしている。
保持部材2の下端面2Aは、種結晶4の上面4Aよりも大きい面積でもよいし、種結晶4の上面4Aよりも小さい面積でもよい。本例では、保持部材2の下端面2Aは、種結晶4の上面4Aの面積よりも小さくなっている。なお、保持部材2の下端面2Aの面積が、種結晶4の上面4Aの面積以上となっている場合には、種結晶4の上面4A全体を、接着材3を介して固定することができる。そのため、種結晶4が保持部材2から剥離されることをさらに抑制することができる。
また、保持部材2は、炭素から構成されている。保持部材2は、炭素を主成分とする材料によって構成されていればよい。保持部材2の炭素は、例えば炭素の多結晶体または炭素を焼成した焼成体などによって構成されている。
保持部材2は、回転および停止が可能となっている。保持部材2が回転および停止されることによって、保持部材2の下端面2Aに固定された種結晶4が回転および停止されることとなる。種結晶4は、D1、D2方向に回転されるようになっている。具体的に、種結晶4は、D3、D4方向に平面視したときに重心が、回転中心となるように回転するようになっている。種結晶4は、D3からD4方向にみたときに、時計回りまたは反時計回りすることができるようになっている。種結晶4は、時計回りまたは反時計回りに、例えば500rpm以下となるように回転させることができる。
コイル11は、導体によって形成され、坩堝6の周囲を囲むように巻き回されている。交流電源12は、コイル11に交流電流を流すためのものであり、交流電流の周波数が高いものを用いることによって、坩堝6内の設定温度までの加熱時間を短縮することができる。
結晶製造装置1では、加熱機構10の交流電源12と、搬送機構13の動力源14とが制御部15に接続されて制御されている。つまり、この結晶製造装置1は、制御部15によって、溶液5の加熱および温度制御と、種結晶4の搬入出とが連動して制御されている。制御部15は、中央演算処理装置、およびメモリなどの記憶装置を含んで構成されており、例えば公知のコンピュータからなる。
<結晶の製造方法>
本発明の実施形態に係る結晶の製造方法について説明する。本実施形態の結晶の製造方法は、接触工程、成長中止工程、昇温工程および再接触工程を有している。
炭化珪素からなる結晶は、結晶製造装置1によって製造することができる。結晶製造装置1は、主に、坩堝6、坩堝容器7、加熱機構10、搬送機構13、および制御部15を有して構成されている。この結晶製造装置1では、溶液成長法を用いて結晶の製造を行なうものである。
(接触工程)
結晶製造装置1において、種結晶4の下面4Bに溶液5を接触させる。種結晶4は、保持部材2を上下(D3、D4)方向に移動させることにより溶液5に対する高さを変えて、溶液5に接触させる。なお、本実施形態では、溶液5および種結晶4を接触させる手段として、種結晶4を移動させる手段を説明するが、坩堝6を移動させる手段、または種結晶4および坩堝6を移動させる手段を用いてもよい。
種結晶4は、下面4Bの少なくとも一部が溶液5に接触していればよく、下面4B全体が接触するようにしてもよいし、種結晶4の側面または上面4Aが浸かるように溶液5に入れてもよい。種結晶4の側面または上面4Aが浸かるように溶液5に入れた場合、種結晶4の下面4B全体を確実に溶液5に接触させることができ、生産性を向上させることができる。
溶液5の温度は、例えば1400℃以上2000℃以下となるように設定されている。溶液5の温度が変動する場合には、溶液5の温度として、例えば、一定時間において、複数回測定した温度を平均した温度を用いることができる。溶液5の温度は、例えば熱電対で直接的に測定する方法、またはレーザーを用いて間接的に測定する方法などを用いることができる。
種結晶4の下面4Bを溶液5に接触させることにより、下面4Bとその付近の溶液5
との間に温度差ができるため、下面4Bに炭化珪素の結晶Laの成長を開始することができる。このように、種結晶4の下面4Bを接触させた後、種結晶4を上(D3)方向に少しずつ引き上げることによって、種結晶4の下面4Bに成長した結晶Laを厚み方向に長尺化することができる。種結晶4を引き上げる速度は、例えば1mm/h以上に設定することができる。
このように種結晶4の下面4Bに結晶が成長しているときは、溶液5内の炭素が結晶Laおよび雑晶で消費されることとなるが、炭素からなる坩堝6の内壁の一部が溶液5で溶解されて溶液5の炭素濃度がある程度維持されることになる。そのため、結晶Laを連続的に成長させることができる。
(成長中止工程)
接触工程の後、種結晶4の下面4Bに成長した結晶Laを溶液5から離す。結晶Laを溶液5から離す手段としては、結晶Laの下端(結晶成長面)が溶液5の液面5Aから離れるように、種結晶4を上(D3)方向に引き上げる手段を用いることができる。結晶Laの下端を溶液5の液面5Aから離した後、後述の再接触工程をすぐに行なってもよいし、下端が液面5Aから一定の高さhaとなる位置で結晶Laを維持してもよい。本実施形態では、結晶Laを溶液5から離した後、液面5Aから高さhaとなる位置で維持される場合を説明する。
液面5Aからの高さhaは、結晶Laの下端が溶液5と接触しない位置であればよく、例えば1cm以上10cm以下となるように設定することができる。溶液5に近いほど溶液5の蒸気が結晶Laの下端に当たりやすくなるため、結晶Laの下端の温度を下がりにくくすることができる。そのため、この場合、結晶Laの下端に雑晶が発生しにくくすることができる。
結晶Laを溶液5の液面5Aから離している時間、すなわち成長中止工程の開始から再接触工程の開始までの時間は、溶液5の炭素濃度が適正な濃度になるまでに適宜設定することができる。具体的に、結晶Laを溶液5の液面5Aから離している時間は、溶液5の炭素濃度が飽和濃度となるまでの時間に設定してもよいし、炭素濃度が特定の濃度となるまでの時間に設定してもよい。溶液5の炭素濃度を飽和濃度にする場合には、結晶Laを溶液5から離している時間を十分長くとればよく、時間を容易に設定することができるため、歩留まりを向上させることができる。
(昇温工程)
成長中止工程の後、溶液5の温度を接触工程における温度よりも高く且つ珪素の沸点(2355℃)よりも低くする。溶液5を上昇させる温度としては、接触工程における溶液5の温度に対して、例えば40℃以上150℃以下とすることができる。溶液5の温度を上昇さ
せる方法としては、コイル11に流す電流を大きくして、坩堝6を加熱する電磁波を強くする方法を用いることができる。
溶液5の温度は、徐々に高くしていってもよいし、急激に高くしてもよい。溶液5の温度を徐々に高くしていく場合には、例えば5℃/h以上30℃/h以下となるように設定することができる。このように徐々に溶液5の温度を高くしていく場合、坩堝6と溶液5との間の温度差が小さい状態で溶液5の温度を高くすることができるため、坩堝6と溶液5との界面付近における溶液5の蒸発を抑制することができる。
このように溶液5の温度を高くすることによって、坩堝6から溶液5に溶ける炭素の量を増やすことができる。すなわち、溶液5の温度が高くなることから、溶液5の溶解度を高めることができるため、坩堝6から溶液5に炭素が溶けやすくすることができる。
(再接触工程)
昇温工程の後、種結晶4の下面4Bに成長した結晶Laを溶液5に再度接触させる。具体的には、結晶Laの下端を溶液5に接触させて、結晶Laの下端に結晶を再度成長させる。再接触工程は、昇温工程で溶液5の温度を高くした状態で行なってもよいし、接触工程における温度まで溶液5の温度を下げた状態で行なってもよい。このように再度結晶Laの下端を溶液5に接触させた場合、成長中止工程の前まで成長していた結晶成長面から再度結晶が成長させることができる。
本発明の結晶の製造方法では、種結晶4の下面4Bに結晶Laを成長させる途中で、結晶Laを溶液5から離す成長中止工程を有している。このため、結晶Laを溶液5から離している間、溶液5から結晶Laが成長されず、坩堝6から炭素が溶液5に溶けても結晶Laで消費されないため、溶液5内で炭素の濃度を調整することができる。
また成長中止工程の後に温度を高くしていることから、溶液5の溶解度を高くすることができるため、坩堝6から炭素が溶けやすくすることができるとともに、接触工程において雑晶が溶液5内に発生した場合でも、当該雑晶を溶液5に溶けやすくすることができる。その結果、昇温工程において溶液5内の雑晶を少なく、または雑晶の大きさを小さくすることができる。
その結果、結晶Laを溶液5に再接触させたときに、溶液5内の炭素濃度が調整されているとともに、雑晶が少なくなっていることから、結晶Laに高品質な結晶を成長させることができる。
従来の結晶の製造方法では、結晶の成長途中で溶液の炭素濃度を調整していなかったことから、成長が進むにつれて、結晶成長で消費される炭素量よりも坩堝から溶液に溶ける炭素量が小さくなっていた。そのため、成長が進むにつれて溶液内の炭素濃度が小さくなり、種結晶の下面に成長させる結晶が多形変化したり転位が発生したりしやすかった。
(結晶の製造方法の変形例1)
昇温工程と再接触工程との間に、溶液5の温度を昇温工程後の温度よりも低く且つ珪素の融点(1414℃)よりも高くする降温工程を有してもよい。降温工程後の溶液5の温度としては、例えば、接触工程における溶液5の温度を用いることができる。降温工程は、徐々に温度を下げてもよいし、急に温度を下げてもよい。このように降温工程を有していることによって、結晶Laを溶液5に再接触させたときに、結晶Laに再度結晶が成長しやすい温度に設定することができる。
また、接触工程において溶液5内に雑晶が発生した場合でも昇温工程および降温工程という熱履歴を経ることによって、昇温工程において雑晶を小さくすることができる一方で、昇温工程後の温度と降温工程後の温度において溶解度に差がある場合でも炭素が析出するため、雑晶の発生を抑制することができる。
その結果、その後に再接触工程を行なう際に、溶液5の炭素濃度が高くなった状態であるとともに雑晶が抑制された状態となっていることから、再接触工程において成長される結晶Laをさらに高品質なものとすることができる。
さらに、降温工程を昇温工程の後に行ない、降温工程の途中で再接触工程を開始してもよい。すなわち、降温工程で溶液5の温度を下げていく途中に、再接触工程により結晶Laの下端を溶液5に接触させてもよい。このように炭素濃度が溶解度よりも低くなった溶液5に結晶Laの下端を接触させることにより、結晶Laの下端の一部を溶液5側に溶かすメルトバックが起こりやすくすることができる。その後、溶液5の温度を昇温させて、溶液5の炭素濃度が溶解度以上となるような条件にして、結晶Laの成長を開始する。
(結晶の製造方法の変形例2)
成長中止工程と再接触工程との間に、溶液5に炭素を添加する添加工程を有していてもよい。添加工程は、成長中止工程と再接触工程との間であればよく、成長中止工程と昇温工程との間でもよいし、昇温工程と再接触工程との間でもよいし、成長中止工程から再接触工程の間まででもよい。炭素の添加は、例えば坩堝6の開口から炭素を添加することによって行なうことができる。
また、炭素の添加は、炭素を溶液5に徐々に添加してもよいし、一度に添加してもよい。徐々に炭素を添加した場合は溶液5に溶けやすくすることができ、一度に添加した場合は工程の時間を短縮することができる。
このように溶液5に炭素を直接添加することによって、溶液5の炭素濃度を調整する時間を短縮することができる。そのため、成長中止工程において、高さhaの位置で維持する時間を短くすることができることから、例えば結晶Laの下端に不純物が付着することを抑制することができる。
(結晶の製造方法の変形例3)
再接触工程の後、図4に示すように、結晶Laが成長した種結晶4を結晶Laとともに種結晶4の上面4Aまで溶液5に浸ける浸漬工程を有していてもよい。このように結晶Laおよび種結晶4を、種結晶4の上面4Aが溶液5に浸かるように浸漬することによって、表面に不純物がついた場合でも除去することができる。
また、浸漬工程を行なう前に溶液5の温度を下げる第2降温工程を行なってもよい。このように第2降温工程を行なうことにより、結晶Laの下端がメルトバックされやすくすることができる。
(結晶の製造方法の変形例4)
再接触工程の前に、炭素を含む珪素の第2溶液が内部に配置された第2坩堝を準備する工程を有し、再接触工程として種結晶4の下面4Bに成長した結晶Laを第2溶液に接触させる第2接触工程を有してもよい。第2接触工程において、接触工程に用いた溶液と異なる第2溶液から結晶を成長させる。
第2溶液としては、溶液5と同様に、炭素を含む珪素を溶解させて溶液としたものを用いることができる。接触工程で用いた溶液5と異なる溶液を用いて、第2接触工程を行なうことによって、溶液内に存在する雑晶が少ないことから結晶Laに高品質な結晶を成長させることができたり、結晶Laを厚み方向に長尺化することができたりすることができる。
また第2溶液としては、溶液5と異なる溶液を用いることができる。例えば、溶液5に添加物(Ga、In、Ceなど)を添加する場合には、溶液5と異なる添加物を第2溶液に添加したり、溶液5と第2溶液で添加量を変えたりすることができる。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。上述の成長中止工程において、種結晶4および結晶LaをD1またはD2方向に回転させてもよい。このように成長中止工程で結晶Laを高さhaの位置で維持しているときに、種結晶4および結晶Laを回転させることによって、溶液5からの蒸気が結晶Laの下端に当たった際に外方向に流れやすくすることができるため、結晶Laの下端全体の温度が低下することを抑制することができる。
また、成長中止工程において、種結晶4および結晶LaをD1またはD2方向に回転させる際に、接触工程のときの回転よりも速く回転させてもよい。接触工程のときの回転よりも早く回転させることによって、結晶Laの下端または側面に付着した溶液5の一部を飛ばしやすくすることができる。これにより、結晶Laの表面に雑晶が発生されにくくすることができる。その結果、再接触工程の際に、結晶Laに成長する結晶が多形変化されにくくすることができる。
さらに、昇温工程は接触工程の後に行ない、再接触工程を成長中止工程の後に行なってもよい。その場合、昇温工程は成長中止工程が終わるまで行なっていてもよいし、再接触工程が開始した後も続けて行なってもよい。また、昇温工程は接触工程の終わる前に開始した後に昇温工程中に成長中止工程を行なってもよいし、昇温工程と成長中止工程を同時に開始してもよい。
1 結晶製造装置
2 保持部材
2A 下端面
3 接着材
4 種結晶
4A 上面
4B 下面
5 溶液
5A 液面
6 坩堝
6A 底面
6B 内壁面
7 坩堝容器
8 保温材
9 凹部
10 加熱機構
11 コイル
12 交流電源
13 搬送機構
14 動力源
15 制御部
La 結晶

Claims (4)

  1. 炭化珪素の結晶の製造方法であって、
    種結晶と、坩堝と、坩堝内に配された溶液とを準備する工程と、
    前記種結晶を前記溶液に接触させて、結晶を成長させる接触工程と、
    前記接触工程の後、前記結晶を前記溶液から離す成長中止工程と、
    前記成長中止工程の後、前記結晶を前記溶液に再度接触させる再接触工程と、を備え、
    前記再接触工程の開始前に、前記溶液の温度を上げる昇温工程と、前記昇温工程の後に前記溶液の温度を下げる降温工程と、をさらに備えているとともに、
    前記再接触工程は、前記降温工程の途中で開始する、結晶の製造方法。
  2. 前記昇温工程は、前記接触工程が終わる前に開始する、請求項に記載の結晶の製造方法。
  3. 前記成長中止工程において、前記種結晶および前記結晶を回転させる、請求項1または2に記載の結晶の製造方法。
  4. 前記接触工程において、前記種結晶および前記結晶を回転させ、
    前記成長中止工程において、前記種結晶および前記結晶を前記接触工程時よりも早く回転させる、請求項に記載の結晶の製造方法。
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