JP6279930B2 - 結晶製造装置および結晶の製造方法 - Google Patents

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本発明は、溶液成長法によって結晶を成長させる結晶製造装置およびその結晶製造装置を用いた結晶の製造方法に関する。
現在、トランジスタ等のデバイスを形成する基板材料として、バンドギャップがシリコンに比べて広く、絶縁破壊に至る電界強度が大きい炭化珪素の結晶が注目されている。そして、炭化珪素の結晶は、例えば溶液成長法で製造されることが知られている。例えば特許文献1では、筒状の加熱装置内に配された坩堝の周囲に断熱材が配され、坩堝の底面に配された断熱材の厚みが坩堝の側面に配された断熱材の厚みよりも大きい結晶製造装置を使用して、炭化珪素の結晶を製造することが記載されている。
特開2012―101960号公報
特許文献1に開示された発明では、平面方向において、溶液の坩堝の側部(容器壁)近傍における温度が、坩堝の中央部における温度に比べて大きくなりやすい。その結果、溶液の平面方向における温度勾配が大きくなり、結晶の成長面における成長度合いのばらつきが大きくなりやすい。そのため、結晶の品質が低下するおそれがあるという問題点があった。
本発明は、このような事情に鑑みて案出されたものであり、結晶の品質を向上させることができる結晶製造装置を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態に係る結晶製造装置は、上下に開口した筒状の加熱装置と、該加熱装置の内側に配された、上面に開口した凹部を有した第1坩堝と、該第1坩堝の前記凹部の底面上に配された第1保温部および前記凹部の内側面上に配された第2保温部からなる保温部材と、該保温部材を介して前記第1坩堝の前記凹部内に配された、結晶を成長させる溶液を保持する第2坩堝とを備え、前記第1保温部による熱伝導の熱量が前記第2保温部による熱伝導の熱量よりも大きい。
本発明の一実施形態に係る結晶製造装置によれば、第1保温部による熱伝導の熱量を第2保温部による熱伝導の熱量よりも大きくすることで、温度が高くなりやすい溶液の第2坩堝の側部近傍における温度上昇を抑制して、温度が低くなりやすい溶液の第2坩堝の中央部における温度上昇を促進することができる。その結果、溶液の平面方向における温度勾配を小さくすることができるので、結晶の成長面における成長度合いのばらつきを小さくすることができる。したがって、成長した結晶の品質を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る結晶製造装置の概略を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る結晶製造装置の変形例を示す断面図である。
<結晶製造装置>
以下、本発明の実施形態に係る結晶製造装置について、図1および図2を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
図1は、本発明の一実施形態に係る結晶製造装置の概略を示しており、結晶製造装置を上下方向に切断した断面を示している。図2は、本発明の一実施形態に係る結晶製造装置の変形例を示しており、結晶製造装置を上下方向に切断した断面を示している。
結晶製造装置1は、半導体部品等に使用される炭化珪素の結晶2を製造する装置である。結晶製造装置1は、図1に示すように、主に種結晶3と、種結晶3を保持する保持部材4と、溶液5と、溶液5を貯留(保持)する坩堝6(以下、第2坩堝6という)とを含んでいる。結晶製造装置1は、保持部材4を介して種結晶3を第2坩堝6内に移動させて、種結晶3の下面を第2坩堝6内にある溶液5に接触させることで、種結晶3の下面に結晶2を成長させる。
結晶2は、製造された後に加工されてウェハになり、半導体部品製造プロセスを経て半導体部品の一部となる。結晶2は、例えば炭化珪素の単結晶からなる。結晶2は、種結晶3の下面に成長した炭化珪素の結晶の塊である。結晶2は、例えば円柱状に形成されている。
種結晶3は、結晶製造装置1で成長させる結晶2の種となる。種結晶3は、例えば円形状または多角形状の平面形状を有する平板状に形成されている。種結晶3は、結晶2と同じ材料からなる結晶である。すなわち、本実施形態では、炭化珪素の結晶2を製造するため、炭化珪素の結晶からなる種結晶3を用いる。種結晶3は、例えば単結晶または多結晶からなる。
種結晶3は、保持部材4の下面に固定されている。種結晶3は、例えば炭素を含んだ接着材(図示せず)によって、保持部材4に固定されている。また、種結晶3は、保持部材4によって、上下方向(Z軸方向)に移動可能となっている。
保持部材4は、種結晶3を保持して、溶液5に対して種結晶3の搬出入を行なう。具体的に、保持部材4は、種結晶3を溶液5に接触させたり、溶液5から結晶2を遠ざけたりする機能を有する。保持部材4は、移動装置7の一部である移動機構(図示せず)に固定されている。移動機構は、移動機構に固定されている保持部材4を、例えばモータを利用して上下方向に移動させる。その結果、移動装置7によって、保持部材4は上下方向に移動する。したがって、種結晶3は保持部材4の移動に伴って上下方向に移動する。
保持部材4は、例えば柱状に形成されている。保持部材4は、例えば炭素の多結晶体または炭素を焼成した焼成体等からなる。保持部材4は、上下方向の軸の周囲に回転可能な状態で移動装置7に固定されていてもよい。
溶液5は、第2坩堝6の内部に溜められており、結晶2の原料を種結晶3に供給して結晶2を成長させるものである。溶液5は、結晶2と同じ材料を含む。すなわち、結晶2は炭化珪素の結晶であるから、溶液5は炭素と珪素とを含んでいる。本実施形態では、溶液5は、珪素からなる溶媒に炭素からなる溶質が溶解している。なお、溶液5は、炭素の溶解度を向上させるために、例えばクロム等の金属材料を含んでいてもよい。
本実施形態では、炭化珪素の結晶2を成長させる方法として溶液成長法を用いている。
溶液成長法では、溶液5を種結晶3の下面において準安定状態(熱力学的に結晶の析出と溶出とが平衡している安定状態に極めて近い状態)に保ちつつ、種結晶3の温度を下げること等によって結晶2の析出が溶出よりも僅かに進行する条件に制御し、種結晶3の下面に結晶2を成長させている。すなわち、溶液5では、珪素(溶媒)に炭素(溶質)を溶解させており、炭素の溶解度は、溶媒の温度が高くなるほど大きくなる。ここで、加熱して高温になった溶液5が種結晶3への接触で冷えると、溶解した炭素が過飽和状態となって、溶液5の種結晶3近傍が局所的に準安定状態となる。そして、溶液5が安定状態(熱力学的に平衡状態)に移行しようとして、種結晶3の下面に炭化珪素の結晶2として析出する。その結果、種結晶3の下面に結晶2が成長していく。
第2坩堝6は、溶液5を貯留するとともに、溶液5を加熱するものである。第2坩堝6は、溶液5を貯留するために、例えば凹状に形成されている。第2坩堝6は、例えば黒鉛で形成されている。本実施形態では、第2坩堝6は、第2坩堝6内の中で結晶2の原料のうち珪素を融解させて溶媒とし、珪素の溶媒に第2坩堝6の一部(炭素)が溶解することで、炭素と珪素とを含む溶液5となっている。
第2坩堝6の外形は、例えば円形状または多角形状の平面形状を有する柱状に形成されている。本実施形態では、第2坩堝6の外形は、円柱状に形成されている。第2坩堝6の外側の底面の面積は、例えば3000mm以上20000mm以下に設定されている。第2坩堝6の高さは、例えば60mm以上200mm以下に設定されている。
第2坩堝6は、図1に示すように、外側の坩堝8(以下、第1坩堝8という)の内部に配置されている。第1坩堝8は、内側に第2坩堝6を保持することによって、第1坩堝8を加熱する加熱装置15から熱を受け、その熱を第2坩堝6に伝える機能を担っている。第1坩堝8は、第2坩堝6を収容するために、上面に開口した凹部9を有している。なお、第2坩堝6は、平面視したときに第1坩堝8の中央部に位置するように第1坩堝8内に配されている。第2坩堝6が第1坩堝8の中央部に配されていることで、第1坩堝8からの熱を第2坩堝6に均等に伝えやすくすることができる。
第1坩堝8の外形は、例えば円形状また多角形状の平面形状を有する柱状に形成されている。本実施形態では、第1坩堝8の外形は、円柱状に形成されている。第1坩堝8の外側の底面の面積は、例えば5000mm以上40000mm以下に設定されている。第1坩堝8の高さは、例えば120mm以上300mm以下に設定されている。
第1坩堝8の凹部9は、第1坩堝8の外形と相似した形状に形成されている、本実施形態では、第1坩堝8の外形は円柱状であることから、凹部9は円柱状に形成されている。凹部9の開口面積は、例えば4000mm以上32000mm以下に設定されている。凹部9の深さは、例えば110mm以上290mm以下に設定されている。
第1坩堝8と第2坩堝6との間には、保温部材10が配置されている。すなわち、第1坩堝8の凹部9の内面には保温部材10が配されており、第2坩堝6は保温部材10を介して第1坩堝8の凹部9内に配されている。
保温部材10は、第2坩堝6の周囲を囲んで、第2坩堝6を保温するものである。保温部材10は、第1坩堝8の凹部9の底面上に配された第1保温部11および第1坩堝8の凹部9の内側面上に配された第2保温部12からなる。そして、第1保温部11による熱伝導の熱量が第2保温部12の熱伝導の熱量よりも大きくなるように設定されている。すなわち、保温部材10は、第1保温部11の熱伝導率と厚みとの積が、第2保温部12の熱伝導率と厚みとの積よりも大きくなるように設計されている。
本実施形態の結晶製造装置1では、結晶製造装置1が第1保温部11および第2保温部12を有しているため、第1坩堝8から第2坩堝6へ熱が伝導する際に、伝導する熱が第2坩堝6の側部よりも第2坩堝6の底部へ伝わりやすくなる。すなわち、結晶製造装置1は、第2保温部12によって温度が大きくなりやすい溶液5の第2坩堝6側部近傍の温度上昇を抑制することができ、第1保温部11によって温度が小さくなりやすい溶液5の中央部の温度上昇を促進することができる。その結果、溶液5の平面方向における温度勾配を小さくすることができ、結晶2の成長面における成長度合いのばらつきを小さくすることができる。したがって、成長する結晶2の品質の低下を抑制することができ、ひいては成長した結晶2の品質を向上させることができる。
第1保温部11を、第2坩堝6の直下のみに配して、第2保温部12の端部を第1坩堝8の凹部9の底面に接触するように配してもよい。この場合には、第1坩堝8の側部からの熱伝導を効果的に低減することができる。
第1保温部11は、例えば第1坩堝8の底面と同じ平面形状を有する板状に形成されている。本実施形態では、第1保温部11は円盤状に形成されている。第1保温部11の平面形状の面積は、例えば3000mm以上32000mm以下に設定されている。第1保温部11の厚みは、例えば10mm以上20mm以下に設定されている。
第2保温部12は、例えば第1坩堝8の側面と相似形の形状に形成されている。すなわち、第2保温部12の形状は、第1坩堝8から底を除いた部分の形状と相似形である。本実施形態では、第2保温部12は円筒状に形成されている。第2保温部12の平面形状の外形の面積は、例えば4000mm以上32000mm以下に設定されている。第2保温部12の厚みは、例えば12mm以上30mm以下に設定されている。
第1保温部11の厚みは、第2保温部12の厚みよりも小さくてもよい。この場合には、第1保温部11の熱伝導の熱量を、第2保温部12の熱伝導の熱量よりも効果的に大きくすることができる。
第1保温部11の熱伝導率は、第2保温部12の熱伝導率よりも大きくてもよい。この場合には、第1保温部11の熱伝導の熱量を、第2保温部12の熱伝導の熱量よりも効果的に大きくすることができる。
第1保温部11は、例えばカーボン繊維を編み込んだフェルトで形成されている。第2保温部12も、例えばカーボン繊維を編み込んだフェルトなどで形成されている。このような場合には、カーボン繊維の編み方によって、第1保温部11および第2保温部12の熱伝導率を調整することができる。第1保温部11の熱伝導率は0.4W/(m・K)以上1W/(m・K)以下に設定されている。第2保温部12の熱伝導率は0.3W/(m・K)以上0.5W/(m・K)以下に設定されている。第1保温部11または第2保温部12の熱伝導率は、例えばフラッシュ法またはプローブ法などによって測定することができる。
第1保温部11の熱伝導率を第2保温部12の熱伝導率よりも小さくした上で、さらに第1保温部11の厚みを第2保温部12の厚みよりも小さくしてもよい。この場合には、第1保温部11の熱伝導の熱量を、第2保温部12の熱伝導の熱量よりもより効果的に大きくすることができる。
第1保温部11は、第2坩堝6の底面中央部に位置した貫通孔13を有していてもよい。第1保温部11が貫通孔13を有していることで、第1坩堝8の底面から第2坩堝6の底面中央部へ輻射によって熱が伝わり、第2坩堝6の底面中央部を効果的に温めて、溶液5中央部の温度上昇を促進することができる。
貫通孔13の平面形状は、例えば円形状である。貫通孔13の開口面積は、例えば2400mm以上26000mm以下に設定されている。貫通孔13の開口面積は、例えば第1坩堝8の底面の1/2倍以上の大きさを有している。
第1坩堝8は、図2に示すように、凹部9の底面中央部に凸部14を有してもよい。第1坩堝8が凸部14を有していることで、第2坩堝6の底面中央部における第1坩堝8と第2坩堝6との距離を小さくすることができ、第1坩堝8の底面から第2坩堝6の底面中央部に熱を伝えやすくすることができる。
凸部14は、例えば板状に形成されている。凸部14の平面形状は、例えば第2坩堝6の底面に相似形の形状である。凸部14の厚みは、例えば10mm以上20mm以下に設定されている。凸部14の上面の面積は、例えば2400mm以上26000mm以下に設定されている。凸部14の上面の面積は、例えば第1坩堝8の底面の1/2倍以上に設定されている。
第1坩堝8の凸部14は、第1保温部11の貫通孔13内に位置してもよい。すなわち、凸部14が貫通孔13に入り込んでもよい。この場合、凸部14と第2坩堝6の底面との間に保温部材10が存在せず、第1坩堝8の底面から第2坩堝6の底面中央部に熱を伝えやすくすることができる。
第1坩堝8の凸部14は、第2坩堝6の底面に接していてもよい。この場合には、凸部14によって第1坩堝8の底面から第2坩堝6の底面に熱を伝えやすくすることができる。なお、このときの凸部14は第2坩堝6を支持するように形成される。
第1坩堝8は、前述した通り加熱装置15によって加熱されるため、加熱装置15の内部に配されて加熱される。具体的には、加熱装置15は上下に開口した筒状に形成されており、第1坩堝8は加熱装置15の筒の内側に配されている。本実施形態の加熱装置15は、コイル16および交流電源17を含んでおり、例えば電磁波を利用した電磁加熱方式によって第2坩堝6の加熱を行なう。なお、加熱装置15は、例えば、カーボン等の発熱抵抗体で生じた熱を伝熱する抵抗加熱方式等の他の方式を採用することができる。
コイル16は、導体によって形成され、第2坩堝6の周囲を囲んでいる。コイル16は、第2坩堝6を円筒状に囲むように、第2坩堝6の周囲に配されている。交流電源17は、コイル16に交流電流を流すためのものであり、交流電流の周波数が高いものを用いることによって、第2坩堝6内の設定温度までの加熱時間を短縮することができる。
本実施形態では、交流電源17および移動装置7が制御装置18に接続されて制御されている。つまり、この結晶製造装置1は、制御装置18によって、溶液5の加熱および温度制御と、種結晶3の搬出入とが連動して制御されている。制御装置18は、中央演算処理装置およびメモリ等の記憶装置を含んでおり、例えば公知のコンピュータからなる。
<結晶の製造方法>
本発明の実施形態に係る結晶の製造方法について説明する。本実施形態の結晶の製造方法は、準備工程、接触工程、結晶成長および引き離し工程を有している。
(準備工程)
種結晶3を準備する。種結晶3は、例えば昇華法または溶液成長法等によって製造された炭化珪素の結晶の塊に切断等の加工を行なって平板状に形成したものを用いる。本実施
形態では、種結晶3の下面を炭素面としている。
また、保持部材4を準備し、保持部材4の下面に種結晶3を固定する。具体的には、保持部材4の下面に炭素を含有する接着材を塗布する。その後、接着材を挟んで保持部材4の下面上に種結晶3を配して、種結晶3を保持部材4に固定する。その結果、保持部材4の下面に固定された種結晶3を準備することができる。なお、本実施形態では、種結晶3を保持部材4に固定した後、保持部材4の上端を移動装置7に固定する。
また、第1坩堝8を準備する。第1坩堝8は、例えば円柱状の黒鉛の塊に凹部9を形成して準備する。その後、保温部材10を準備して第1坩堝8の凹部9の内面に配する。具体的には、第1保温部11を凹部9の底面に敷き、第2保温部12を凹部9の内側面に配する。なお、このとき、第1保温部11および第2保温部12は、第1保温部11の熱伝導率と厚みとの積が、第2保温部12の熱伝導率と厚みとの積よりも大きくなるように設計する。保温部材10の第1保温部11に貫通孔13を形成する際には、予め第1保温部11に貫通孔13を形成し、貫通孔13を有した第1保温部11を凹部9内に敷く。
また、第2坩堝6を準備して、第1坩堝8内に配置する。第2坩堝6は、第1坩堝8と同様にして準備する。第2坩堝6は、保温部材10を介して第1坩堝内に配置する。また、第2坩堝6は、凹状に配された保温部材10にはめ込むように配されて、第1坩堝8内に固定される。
そして、溶液5を準備する。溶液5の準備は、第2坩堝6内に、珪素の原料となる珪素粒子を入れて、第2坩堝6を珪素の融点(1420℃)以上に加熱することによって行なう。このとき、液化した珪素(溶媒)内に第2坩堝6を形成している炭素(溶質)が溶解する。その結果、第2坩堝6内に炭素および珪素を含む溶液5を準備することができる。なお、溶液5に含まれる炭素は、予め原料として炭素粒子を加えることによって、珪素を融解させるのと同時に炭素を溶解させてもよい。
本実施形態では、第2坩堝6は、加熱装置15のコイル16に囲まれた第1坩堝8内に設置される。そして、加熱装置15によって第2坩堝6を加熱することで、溶液5を形成することができる。なお、予め第2坩堝6を結晶製造装置1の外で加熱して溶液5を形成した後に、第2坩堝6を第1坩堝8内に配置してもよい。また、溶液5を第2坩堝6以外の他の容器等で形成した後、第1坩堝8内に設置された第2坩堝6に溶液5を注ぎ込んでもよい。
(接触工程)
種結晶3の下面を溶液5に接触させる。種結晶3は、保持部材4を下方に移動させることで溶液5に接触させる。なお、本実施形態では種結晶3を下方向へ移動させることで種結晶3を溶液5に接触させているが、第2坩堝6を上方向へ移動させることで種結晶3を溶液5に接触させてもよい。
種結晶3は、下面の少なくとも一部が溶液5の液面に接触していればよい。それゆえ、種結晶3の下面全体が溶液5に接触するようにしてもよいし、種結晶3の側面または上面まで浸かるように溶液5に接触させてもよい。種結晶3の側面または上面が浸かるように溶液5に入れた場合には、種結晶3の下面全体を確実に溶液5に接触させることができ、結晶2の生産性を向上させることができる。
(結晶成長工程)
接触工程で溶液5に接触させた種結晶3の下面に、溶液5から結晶2を成長させる。結晶2の成長は、上記の接触工程にて、種結晶3の下面を溶液5に接触させた時から始まる
。すなわち、種結晶3の下面を溶液5に接触させることによって、種結晶3の下面と種結晶3の下面付近の溶液5との間に温度差が生じる。そして、その温度差によって炭素が過飽和状態になり、溶液5中の炭素および珪素が炭化珪素の結晶2として種結晶3の下面に析出し始める。
次に、種結晶3を溶液5から引き上げて、結晶2を柱状に成長させる。このとき、準備工程において記載した通り保温部材10を第1坩堝8の凹部9内に配しているため、結晶2の成長は、第2坩堝6の底部の温度を第2坩堝6の側部の温度よりも高くなるようにして行なうことができる。これによって、溶液5の平面方向の温度勾配を小さくすることができ、成長する結晶2の品質を向上させることができる。
種結晶3の引き上げは、結晶2の平面方向および下方への成長速度を調整しながら上方向に少しずつ行なうことによって、一定の径を保った状態で結晶2を成長させることができる。具体的には、種結晶3の引き上げの速度は、例えば50μm/h以上150μm/h以下に設定することができる。
溶液5の温度は、例えば1400℃以上2000℃以下となるように設定されている。溶液5の温度が変動する場合には、溶液5の温度として、例えば一定時間において複数回測定した温度を平均した温度を用いることができる。溶液5の温度を測定する方法としては、例えば熱電対で直接的に測定する方法、または放射温度計を用いて間接的に測定する方法等を用いることができる。
(引き離し工程)
結晶2を成長させた後、成長した結晶2を溶液5から引き離し、結晶成長を終了する。
1 結晶製造装置
2 結晶
3 種結晶
4 保持部材
5 溶液
6 第2坩堝
7 移動装置
8 第1坩堝
9 凹部
10 保温部材
11 第1保温部
12 第2保温部
13 貫通孔
14 凸部
15 加熱装置
16 コイル
17 交流電源
18 制御装置

Claims (5)

  1. 上下に開口した筒状の加熱装置と、
    該加熱装置の内側に配された、上面に開口した凹部を有した第1坩堝と、
    該第1坩堝の前記凹部の底面上に配された第1保温部および前記凹部の内側面上に配された第2保温部からなる保温部材と、
    該保温部材を介して前記第1坩堝の前記凹部内に配された、結晶を成長させる溶液を保持する第2坩堝とを備え、
    前記第1保温部による熱伝導の熱量が前記第2保温部による熱伝導の熱量よりも大きい、溶液成長法によって炭化珪素の結晶を成長させる結晶製造装置。
  2. 前記第1保温部は、前記第2坩堝の底面中央部に位置する貫通孔を有している、請求項1に記載の結晶製造装置。
  3. 前記第1坩堝は、前記凹部の底面中央部に前記貫通孔内に位置する凸部を有している、請求項2に記載の結晶製造装置。
  4. 前記凸部は、前記第2坩堝の底面に接している、請求項3に記載の結晶製造装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の結晶製造装置を使用して、前記第2坩堝の底部の温度を該第2坩堝の側部の温度よりも大きくしつつ、該第2坩堝に保持した溶液から結晶を成長させる、結晶の製造方法。
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