JP2016185884A - 結晶の製造方法 - Google Patents

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千秋 堂本
久芳 豊
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豊 久芳
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Abstract

【課題】 結晶の品質悪化を低減すること。
【解決手段】 本発明の炭化珪素の結晶の製造方法は、種結晶3と、坩堝5と、坩堝5内に配された珪素溶媒に炭素を溶解した溶液6を準備する準備工程と、種結晶3の下面を溶液6に接触させる接触工程と、種結晶3を引き上げて、種結晶3の下面に炭化珪素の結晶を成長させる成長工程と、成長した結晶2を溶液6から引き離す引離し工程と、を備え、引離し工程において、結晶2の下面に付着する溶液6が結晶2の下面の縁の一部に向かって移動するように、結晶2の下面を傾ける。その結果、結晶の品質悪化を低減することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、炭化珪素の結晶の製造方法に関する。
従来から、電子部品の基板の材料として炭化珪素(SiC)が注目されている。例えば、特許文献1には、炭素(C)および珪素(Si)を含む溶液を使用した溶液法によって、炭化珪素の種結晶の下面に炭化珪素(SiC)の結晶を成長させることが知られている。
特開2010−184849号公報
このような発明において、成長した結晶を溶液から引離した後に、結晶の下面に溶液の一部が付着することがある。このとき、結晶の下面に付着する溶液が固化し、結晶の下面に圧縮応力が印加されて、結晶の下面に亀裂が発生することがある。その結果、結晶の品質が悪化する。
本発明は、溶液法による炭化珪素の結晶の製造方法において、結晶の品質悪化を低減することを目的とする。
本発明の一実施形態に係る結晶の製造方法は、炭化珪素の結晶の製造方法であって、種結晶と、坩堝と、前記坩堝内に配された珪素溶媒に炭素を溶解した溶液を準備する準備工程と、前記種結晶の下面を前記溶液に接触させる接触工程と、前記種結晶を引き上げて、前記種結晶の下面に炭化珪素の結晶を成長させる成長工程と、成長した前記結晶を前記溶液から引き離す引離し工程と、を備え、前記引離し工程において、前記結晶の下面に付着する溶液が前記結晶の下面の縁の一部に向かって移動するように、前記結晶の下面を傾ける。
本発明の一実施形態に係る結晶の製造方法によれば、結晶の品質悪化を低減することができる。
本発明の一実施形態に係る結晶の製造方法に使用する結晶製造装置の一例を模式的に示す断面図である。
<結晶製造装置>
以下に、本発明の一実施形態に係る結晶の製造方法に使用する結晶製造装置の一例について図1を参照しつつ説明する。図1は、結晶製造装置の一例の概略を示している。なお、本発明に使用する結晶製造装置は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
結晶製造装置1は、半導体部品等に使用される炭化珪素の結晶2を製造する装置である。結晶製造装置1は、種結晶3の下面に結晶2を成長させることによって結晶2を製造する。結晶製造装置1は、図1に示すように、主に保持部材4および坩堝5を含んでおり、保持部材4には種結晶3が固定され、坩堝5内には溶液6が収容される。結晶製造装置1は、種結晶3の下面を溶液6に接触させて、種結晶3の下面に結晶2を成長させる。
結晶2は、半導体部品製造プロセスを経て半導体部品の一部となる。結晶2は、種結晶3の下面に成長した炭化珪素の結晶の塊である。結晶2は、例えば円形状または多角形状の平面形状を有する、板状または柱状に形成される。結晶2は、炭化珪素の単結晶からなる。結晶2の直径または幅は、例えば25mm以上200mm以下に設定される。結晶2の高さは、例えば30mm以上300mm以下に設定される。
種結晶3は、結晶2の種となる。種結晶3は、例えば円形状または多角形状の平面形状を有する平板状に形成されている。種結晶3は、結晶2と同じ材料からなる結晶である。すなわち、本実施形態では、炭化珪素の結晶2を製造するため、炭化珪素の結晶からなる種結晶3を用いる。種結晶3は、単結晶または多結晶からなる。本実施形態では、種結晶3は単結晶からなる。
種結晶3は、保持部材4の下面に固定されている。種結晶3は、例えば炭素を含んだ接着材(図示せず)によって、保持部材4に固定されている。また、種結晶3は、保持部材4によって、上下方向に移動可能となっている。
保持部材4は、種結晶3を保持して、溶液6に対して種結晶3の搬入出を行なう。搬入出とは、具体的には、保持部材4が、種結晶3を溶液6に接触させたり、溶液6から結晶2を遠ざけたりする機能を有することをいう。保持部材4は、図1に示すように、移動装置7の移動機構(図示せず)に固定されている。移動装置7は、移動装置7に固定されている保持部材4を、例えばモータを利用して上下方向に移動させる移動機構を有している。その結果、移動装置7によって保持部材4は上下方向に移動し、種結晶3は保持部材4の移動に伴って上下方向に移動する。
保持部材4は、例えば柱状に形成されている。保持部材4は、例えば炭素の多結晶体または炭素を焼成した焼成体からなる。保持部材4は、保持部材4の平面形状の中心部を貫通して上下方向に伸びた軸の周囲に回転可能な状態で、移動装置7に固定されていてもよい。すなわち、保持部材4は、自転可能であってもよい。
溶液6は、坩堝5の内部に溜められて(収容されて)おり、結晶2を成長させるために結晶2の原料を種結晶3に供給する機能を有する。溶液6は、結晶2と同じ材料を含む。すなわち、結晶2は炭化珪素の結晶であるから、溶液6は炭素と珪素とを含む。本実施形態において、溶液6は、珪素溶媒に炭素を溶質として溶解させたものである。なお、溶液6は、炭素の溶解度を向上させる等の理由から、例えばネオジム(Nd)、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、スカンジウム(Sc)、クロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)、ニッケル(Ni)またはイットリウム(Y)等の金属材料を添加材として1種類または2種類以上含んでいてもよい。
坩堝5は、溶液6を収容するものである。また、坩堝5は、結晶2の原料を内部で融解させる容器としての機能を担っている。坩堝5は、炭素を含有した材料で形成されている。具体的には、坩堝5は、例えば黒鉛で形成されている。本実施形態では、坩堝5の中で珪素を融解させて、融解した珪素に坩堝5の一部(炭素)を溶解させることによって、溶液6としている。坩堝5は、溶液6を貯留するために、例えば上面に開口を有する凹状に形成されている。
本実施形態では、炭化珪素の結晶2を成長させる方法として溶液法を用いている。溶液法では、溶液6を、種結晶3の下面において準安定状態(熱力学的に結晶の析出と溶出とが平衡している安定状態に極めて近い状態)に保ちつつ、種結晶3の温度を下げること等によって結晶2の析出が溶出よりも僅かに進行する条件に制御し、種結晶3の下面に結晶2を成長させている。すなわち、溶液6では、珪素(溶媒)に炭素(溶質)を溶解させており、炭素の溶解度は、溶媒の温度が高くなるほど大きくなる。ここで、加熱して高温になった溶液6が種結晶3への接触で冷えると、溶解した炭素が過飽和状態となって、溶液6が種結晶3の近傍において局所的に準安定状態となる。そして、その溶液6が安定状態(熱力学的に平衡状態)に移行しようとして、種結晶3の下面に炭化珪素の結晶2として析出する。その結果、種結晶3の下面に結晶2が成長していく。
坩堝5は、坩堝容器8の内部に配されている。坩堝容器8は、坩堝5を保持する機能を担っている。この坩堝容器8と坩堝5との間には、保温材9が配されている。この保温材9は、坩堝5の周囲を囲んでいる。保温材9は、坩堝5からの放熱を抑制し、坩堝5内の温度分布を均一に近付ける。坩堝5は、坩堝5の底面の中心部を貫通して上下方向に伸びた軸の周囲に回転可能な状態で坩堝容器8の内部に配されていてもよい。すなわち、坩堝5は、自転可能であってもよい。
坩堝5には、加熱装置10によって、熱が加えられる。本実施形態の加熱装置10は、コイル11および交流電源12を含んでおり、例えば電磁波を利用した誘導加熱方式によって坩堝5の加熱を行なう。なお、加熱装置10は、例えば、カーボン等の発熱抵抗体で生じた熱を伝熱する方式等の他の方式を採用することができる。この伝熱方式の加熱装置を採用する場合は、(坩堝5と保温材9との間に)発熱抵抗体が配されることになる。
コイル11は、導体によって形成され、坩堝5の周囲を囲んでいる。コイル11を有する加熱装置10は、コイル11による円筒状の加熱領域を有している。
交流電源12は、コイル11に交流電流を流すためのものでる。コイル11に電流が流れて電場が発生することによって、電場内に位置した坩堝容器8に誘導電流が発生する。この誘導電流のジュール熱によって坩堝容器8が加熱される。そして、坩堝容器8の熱が保温材9を介して坩堝5へ伝達されることで、坩堝5が加熱される。交流電流の周波数を坩堝容器8に誘導電流が流れやすいように調整することで、坩堝5内の設定温度までの加熱時間を短縮したり、電力効率を向上させたりすることができる。
本実施形態では、交流電源12および移動装置7が制御装置13に接続されて制御されている。つまり、結晶製造装置1は、制御装置13によって、溶液6の加熱および温度制御と、種結晶3の搬入出とが連動して制御されている。制御装置13は、中央演算処理装置およびメモリ等の記憶装置を含んでおり、例えば公知のコンピュータからなる。
<結晶の製造方法>
以下、本発明の実施形態に係る結晶の製造方法について説明する。なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
結晶の製造方法は、主に、準備工程、接触工程、成長工程、および引離し工程を有する。
(準備工程)
種結晶3を準備する。種結晶3としては、例えば昇華法または溶液法等によって製造さ
れた炭化珪素の結晶の塊を平板状に形成したものを用いる。本実施形態では、同一の製造工程を経て成長させた結晶2を種結晶3として使用している。その結果、種結晶3と種結晶3の表面に成長する結晶2との組成を近付けることができ、結晶2における組成の違いに起因した転移の発生等を低減することができる。なお、平板状への加工は、例えば機械加工によって炭化珪素の塊を切断することによって行なえばよい。
種結晶3とともに保持部材4を準備し、保持部材4の下面に種結晶3を固定する。具体的には、保持部材4を準備した後、保持部材4の下面に接着材を塗布する。次いで、接着材を挟んで保持部材4の下面上に種結晶3を配して、保持部材4の下面に種結晶3を固定する。なお、本実施形態では、種結晶3を保持部材4に固定した後、保持部材4の上端を移動装置7に固定する。移動装置7へは、上述した通り、保持部材4の中心部分を貫通して上下方向に伸びた軸の周囲を保持部材4が回転可能となるように固定する。
坩堝5と、坩堝5内に収容された溶液6とを準備する。具体的には、まず、坩堝5を準備する。次いで、坩堝5内に、珪素の原料となる珪素粒子を入れて、坩堝5を珪素の融点(1420℃)以上に加熱する。このとき、融解して液化した珪素(溶媒)内に、坩堝5を形成している炭素(溶質)が溶解する。その結果、珪素溶媒に炭素を溶解した溶液6を坩堝5内に準備することができる。なお、溶液6に炭素を含ませるには、予め原料として炭素粒子を加えることによって、珪素粒子を融解させると同時に炭素を溶解させてもよい。
次に、坩堝5を坩堝容器8内に収容する。本実施形態では、坩堝5は、加熱装置11のコイル12に囲まれた坩堝容器8内に保温材9を介して配されて収容される。なお、溶液6の準備は、坩堝5を坩堝容器8内に収容して、加熱装置11によって坩堝5を加熱することで行なってもよい。
(接触工程)
種結晶3の下面を溶液6に接触させる。種結晶3は、保持部材4を下方に移動させることで、溶液6に下面を接触させる。なお、本実施形態では、種結晶3を下方向へ移動させることで種結晶3を溶液6に接触させているが、坩堝5を上方向へ移動させることで種結晶3の下面を溶液6に接触させてもよい。
種結晶3は、種結晶3の少なくとも下面が溶液6の液面に接触していればよい。それゆえ、種結晶3を溶液6内に配して、下面とともに種結晶3の側面または上面を溶液6に接触させてもよい。
(成長工程)
接触工程で溶液6に接触させた種結晶3の表面に、溶液6から炭化珪素の結晶2を成長させる。すなわち、種結晶3を溶液6に接触させることによって、種結晶3の表面と種結晶3の表面近傍の溶液6との間に温度差ができる。そして、その温度差によって、炭素が過飽和状態になり、溶液6中の炭素および珪素を炭化珪素の結晶2として種結晶3の下面に析出させることができる。
次に、種結晶3を溶液6から引き上げて、結晶2を柱状に成長させる。なお、結晶2の平面方向および下方への成長速度を調整しながら種結晶3を上方向に少しずつ引き上げることによって、一定の径を保った状態で結晶2を成長させることができる。具体的には、種結晶3の引き上げの速度は、例えば50μm/h以上150μm/h以下に設定することができる。
溶液6の温度は、例えば1400℃以上2000℃以下となるように設定されている。
溶液6の温度が変動する場合には、溶液6の温度として、例えば一定時間において複数回測定した温度を平均した温度を用いることができる。溶液6の温度を測定する方法としては、例えば熱電対で直接的に測定する方法、または放射温度計を用いて間接的に測定する方法等を用いることができる。
(引離し工程)
炭化珪素の結晶を成長させた後、成長した炭化珪素の結晶の結晶2を溶液6から引き離し、結晶成長を終了する。引離し工程では、結晶2の下面を傾ける。
ここで、従来、結晶2を溶液6から引き離す際、結晶2の下面に溶液6の一部が付着することがあった。そして、結晶2の下面に付着した溶液6が固化するときに、結晶2の下面の一部に圧縮応力が印加されて結晶2の下面に亀裂が発生することがあった。その結果、結晶2の品質が悪化することがあった。
これに対して、本発明によれば、引離し工程において、結晶2の下面を傾ける。結晶2の下面の傾きは、結晶2の下面を傾けることによって下方に位置する結晶の下面の縁(以下、本明細書中では「結晶2の下面の縁の一部」という)に向かって移動する程度に設定される。その結果、例えば、重力によって、結晶2の下面から付着した溶液6を除去しやすくなる。したがって、結晶2の品質を向上させることができる。なお、引離し工程において、結晶2を溶液6から引き離した後に結晶2の下面を傾けてもよいし、結晶2を溶液6から引き離しながら結晶2の下面を傾けてもよい。
なお、本発明に使用する結晶製造装置1において、保持部材4を傾けることによって結晶2の下面を傾けることができる。保持部材4は、移動装置7に固定された固定点を中心に回転可能なように、移動装置7に固定されていればよい。また、保持部材4は、保持部材4の途中から回転可能なように、可動部を有していてもよい。
引離し工程において、結晶2を溶液6から引き離した後に、結晶2を移動させて、結晶2の下面に付着する溶液6が坩堝5の内壁に接触するように、結晶2の下面の縁の一部を坩堝5の内壁の近傍に位置させてもよい。その結果、結晶2の下面に付着する溶液6の少なくとも一部を、坩堝5の内壁面に移動させることができ、結晶2の下面に付着する溶液6の量を低減することができる。
結晶2の移動は、保持部材4を平面方向(XY平面方向)に移動させることによって行なう。なお、結晶2は、相対的に移動していればよい。すなわち、坩堝5を移動させた結果、結晶2を坩堝5の内壁に近傍に位置させてもよい。
引離し工程において、結晶2を溶液6から引き離した後に、結晶2を移動させて、結晶2の下面の縁の一部を坩堝5の内壁面に接触させてもよい。その結果、結晶2の下面に付着する溶液6を、効果的に坩堝5に接触させることができる。
また、坩堝5は、上述の通り、炭素で形成されていてもよい。このような構成を有することによって、坩堝5は溶液6の材料の一部と同じ材料を有しているため、溶液6との濡れ性を向上させることができる。その結果、結晶2の下面に付着する溶液6が坩堝5に接触した際に、効果的に結晶2の下面に付着する溶液6の量を低減することができる。なお、坩堝5を炭素で形成した場合、坩堝5と坩堝5内の溶液6との間においてメニスカスが形成しやすくなる。
引離し工程において、結晶2を溶液6から引き離した後に、結晶2を移動させて、結晶2の下面に付着する溶液6が溶液6の液面に付着するように、結晶2の下面の縁の一部を
溶液6の液面の近傍に位置させてもよい。その結果、結晶2の下面に付着する溶液6の少なくとも一部を、溶液6に戻すことができ、結晶2の下面に付着する溶液6の量を低減することができる。なお、結晶2を移動させずとも、結晶2の下面を傾けた結果、結晶2の下面の縁の一部を溶液6の液面の近傍に位置させてもよい。
引離し工程において、結晶2を溶液6から引き離した後に、結晶2を移動させて、結晶2の下面に付着する溶液6が坩堝5の内壁面および溶液6の間に形成される溶液6のメニスカスの曲面に接触するように、結晶2の下面の縁の一部を坩堝5の内壁の近傍に位置させてもよい。その結果、メニスカスの曲面に、結晶2の下面に付着する溶液6を接触させることによって、結晶2の下面に沿った方向に付着する溶液6を、溶液6の液面の表面張力によって引っ張ることができるため、効果的に結晶2に付着する溶液6の量を低減することができる。
引離し工程において、結晶2の下面を傾けるときは、結晶2の下面の縁の一部を、最後に溶液6から離すように行なってもよい。その結果、結晶2の下面に付着する溶液6に対して重力および坩堝5内の溶液6の表面張力が作用することから、効果的に結晶2の下面に付着する溶液6の量を低減することができる。なお、結晶2は、溶液6から一旦引き離した後に、結晶2の下面に付着する溶液6を溶液6の液面に接触させた後、結晶2の下面を傾けて再度引き離してもよい。
引離し工程において、結晶2を溶液6から引き離した後、結晶2の下面を傾ける前に、結晶2を回転させてもよい。言い換えれば、結晶2を自転させてもよい。このような構成を有することによって、結晶2の下面に付着した溶液6に遠心力が加わり、付着した付着した溶液6が結晶2の縁に向かって移動する。その結果、結晶2の下面を傾けたときに、結晶2の縁に付着した溶液6が集まりやすくなり、付着した溶液6の量を低減することができる。
引離し工程において、棒状部材を準備して、棒状部材の先端部を、結晶2の下面の縁の一部の近傍に位置した溶液6に浸けてもよい。そして、棒状部材の表面と溶液6との間に溶液6のメニスカスの曲面を形成してもよい。その結果、棒状部材によって結晶2の近傍に、メニスカスを形成することができるため、結晶2をメニスカスの近傍まで移動させる手間を省くことができ、作業効率を向上させることができる。なお、棒状部材は、例えば炭素などで形成される。
以上により、結晶2を製造することができる。
1 結晶製造装置
2 結晶
3 種結晶
4 保持部材
5 坩堝
6 溶液
7 移動装置
8 坩堝容器
9 保温材
10 加熱装置
11 コイル
12 交流電源
13 制御装置

Claims (7)

  1. 炭化珪素の結晶の製造方法であって、
    種結晶と、坩堝と、前記坩堝内に配された珪素溶媒に炭素を溶解した溶液を準備する準備工程と、
    前記種結晶の下面を前記溶液に接触させる接触工程と、
    前記種結晶を引き上げて、前記種結晶の下面に炭化珪素の結晶を成長させる成長工程と、成長した前記結晶を前記溶液から引き離す引離し工程と、を備え、
    前記引離し工程において、前記結晶の下面に付着する溶液が前記結晶の下面の縁の一部に向かって移動するように、前記結晶の下面を傾ける、結晶の製造方法。
  2. 前記引離し工程において、前記結晶を前記溶液から離した後に、前記結晶の下面を傾ける、請求項1に記載の結晶の製造方法。
  3. 前記引離し工程において、前記結晶を前記溶液から引き離した後に、前記結晶を移動させて、前記結晶の下面に付着する溶液が前記坩堝の内壁に接触するように、前記結晶の下面の縁の一部を前記坩堝の内壁の近傍に位置させる、請求項2に記載の結晶の製造方法
  4. 前記引離し工程において、前記結晶を前記溶液から引き離した後に、前記結晶を移動させて、前記結晶の下面の縁の一部を前記坩堝の内壁面に接触させる、請求項2に記載の結晶の製造方法。
  5. 前記引離し工程において、前記結晶を前記溶液から引き離した後に、前記結晶に付着する溶液が前記溶液の液面に接触するように、前記結晶の下面の縁の一部を前記溶液の液面の近傍に位置させる、請求項2に記載の結晶の製造方法。
  6. 前記準備工程において、炭素からなる前記坩堝を準備し、
    前記引離し工程において、前記結晶を前記溶液から引き離した後に、前記結晶を移動させて、前記結晶の下面に付着する溶液が前記坩堝の内壁面および前記溶液の間に形成される前記溶液のメニスカスの曲面に接触するように、前記結晶の下面の縁の一部を前記坩堝の内壁の近傍に位置させる、請求項2に記載の結晶の製造方法。
  7. 前記引離し工程において、前記結晶の下面の縁の一部を最後に前記溶液から離す、請求項3〜6のいずれかに記載の結晶の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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