JP2016185885A - インゴットおよびインゴットの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インゴットの品質を向上させること。【解決手段】インゴットは、炭化珪素の結晶のインゴット1であって、炭化珪素の種結晶2と、種結晶2の下面に成長した炭化珪素の成長結晶3と、を備え、種結晶2は、成長結晶3に対して、成長結晶3が平面方向に縮むように圧縮応力を印加している。その結果、インゴット1の品質を向上させることができる。【選択図】図2

Description

本発明は、炭化珪素の結晶のインゴットおよび炭化珪素の結晶のインゴットの製造方法に関する。
従来から、電子部品の基板の材料として炭化珪素(SiC)が注目されている。例えば、特許文献1には、炭素(C)および珪素(Si)を含む溶液を使用した溶液法によって、炭化珪素の種結晶の下面に炭化珪素(SiC)の結晶を成長させることが知られている。
特開2012−136391号公報
このようなインゴットの製造方法において、単に種結晶の下面に結晶を成長させる場合には、種結晶の下面に成長する成長結晶に転位が発生することがある。その結果、インゴットの品質が低下するおそれがある。
そこで、本発明は、インゴットおよびインゴットの製造方法において、インゴットの品質を向上させることを目的とする。
本発明の一実施形態に係るインゴットは、炭化珪素の結晶のインゴットであって、炭化珪素の種結晶と、前記種結晶の下面に成長した炭化珪素の成長結晶と、を備え、前記種結晶は、前記成長結晶に対して、前記成長結晶が平面方向に縮むように圧縮応力を印加している。
本発明の一実施形態に係るインゴットの製造方法は、炭化珪素の結晶のインゴットの製造方法であって、窒素を含んだ炭化珪素の種結晶と珪素溶媒に炭素を溶解した溶液とを準備する準備工程と、前記種結晶の下面を前記溶液に接触させる接触工程と、前記種結晶を引き上げることによって、前記種結晶の下面に結晶を成長させる成長工程と、を備え、前記成長工程において、前記結晶おける窒素濃度が前記種結晶における窒素濃度よりも低くなるように結晶を成長させる。
本発明の一実施形態に係るインゴットによれば、インゴットの品質を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係るインゴットの製造方法によれば、インゴットの品質を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る炭化珪素の結晶のインゴットを模式的に示した側面図である。 本発明の一実施形態に係る炭化珪素の結晶のインゴットを模式的に拡大して示した断面図である。 本発明の一実施形態に係る結晶の製造方法に使用する結晶製造装置の一例を模式的に示す断面図である。
<炭化珪素の結晶のインゴット>
以下に、本発明の一実施形態に係る炭化珪素の結晶のインゴットについて、図1および図2を参照しつつ説明する。なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
図1は、本発明の一実施形態に係る炭化珪素の結晶のインゴットを模式的に示した側面図である。図2は、図1に示したインゴットを上下方向(Z軸方向)に切断したときの断面の一部を拡大して示している断面図である。
インゴット1は、加工されてウェハになる。その後、ウェハは、半導体部品の製造プロセスを経て、例えばトランジスタまたはダイオード等の電子部品の一部となる。すなわち、インゴット1は、電子部品の一部となる。
インゴット1は、炭化珪素(SiC)の結晶からなる。インゴット1は、例えば板状または柱状に形成されている。インゴット1の平面形状は、例えば円形状または多角形状である。本実施形態では、インゴット1は、図1に示すように柱状に形成されており、インゴット1の平面形状は円形状である。すなわち、インゴット1の形状は円柱状である。なお、1つのインゴット1からは、例えば45枚以上225枚以下のウェハが得られる。
なお、図1に記載した下向きの点線の矢印は、結晶成長の方向を示している。また、図2においても同様である。
インゴット1の高さは、例えば30mm以上150mm以下に設定されている。インゴット1の直径は、例えば75mm以上210mm以下に設定されている。インゴット1の高さおよび直径は、例えばノギスを使用して測定することができる。
インゴット1は、図2に示すように、種結晶2と種結晶2の下面に成長した成長結晶3とを有している。種結晶2は、成長結晶3を成長させるときの種になる。すなわち、種結晶2は、インゴット1の製造の起点になる。成長結晶3は、インゴット1の製造後にウェハに加工されることになる。すなわち、成長結晶3が電子部品の一部になる。
なお、インゴット1において、種結晶2と成長結晶3とは、以下の方法によって判別することができる。例えば窒素濃度が種結晶2と成長結晶3の境で異なるため、ラマン分光法により急峻に窒素濃度が変化した側が成長結晶3であると判断できる。
種結晶2および成長結晶3は、炭化珪素(SiC)からなる。また、種結晶2および成長結晶3は、炭化珪素(SiC)の他にも、不純物を含んでいてもよい。また、種結晶2および成長結晶3に含まれる不純物は、ドナーまたはアクセプタでもよい。種結晶2および成長結晶3のドナーとしては、例えば窒素(N)、リン(P)、ヒ素(As)等の材料が選択される。また、種結晶2および成長結晶3のアクセプタとしては、例えばアルミニウム(Al)、ボロン(B)またはガリウム(Ga)等の材料が選択される。
種結晶2は、例えば平板状に形成される。種結晶2の平面形状は、例えば円形状または多角形状に形成される。本実施形態では、種結晶2の平面形状は、円形状である。種結晶2の厚みは、例えば1mm以上10mm以下に設定される。種結晶2の径は、例えば50
mm以上210mm以下に設定される。
成長結晶3は、例えば平板状または柱状に形成される。成長結晶3の平面形状は、例えば円形状または多角形状に形成される。本実施形態では、成長結晶3の平面形状は、円形状である。種結晶2の厚みは、例えば30mm以上150mm以下に設定される。成長結晶3の径は、例えば75mm以上210mm以下に設定される。
ここで、本発明においては、種結晶2は成長結晶3に圧縮応力を印加している。具体的には、種結晶2は、成長結晶3が平面方向(XY平面方向)に縮むように、成長結晶3に応力を印加している。その結果、種結晶2から成長結晶3が平面方向に伸びるような引張応力を受ける場合と比較して、例えば成長結晶3の上面における亀裂の発生を低減することができる。したがって、成長結晶3における転位の発生を低減することができる。
種結晶2の下面は、成長結晶3の上面を覆っていてもよい。すなわち、種結晶2の下面の面積は、成長結晶3の上面の面積以上の大きくてもよい。そして、種結晶2の下面の縁は、成長結晶3の上面の縁よりも外側に位置していてもよい。その結果、成長結晶3の上面の一部に局所的に圧縮応力が印加されて、成長結晶3の上面に亀裂が入ることを低減することができる。
種結晶2の下面の格子定数は、成長結晶3の上面の格子定数よりも小さくてもよい。すなわち、種結晶2の下面における格子間の距離は、成長結晶3の上面の格子間の距離よりも小さくてもよい。その結果、成長結晶3の成長時において、格子定数の小さい種結晶2の下面に合わせようと、成長結晶3の上面の中央部に向かって格子が曲がるように、成長結晶3の格子が歪むことになる。そのため、成長結晶3に圧縮応力を印加することができる。
また、種結晶2と成長結晶3との格子定数を異ならせることによって、成長結晶3を成長させる2000℃近い環境下において容易に圧縮応力を印加することができる。なお、結晶の格子定数を変更する手段は、結晶中に不純物を添加する方法などがある。
なお、この場合、種結晶2の下面と成長結晶3の上面とのc軸方向の格子定数の差は、例えば0.001Å以上0.015Å以下に設定される。また、結晶の格子定数は、例えばX線回折によって測定することができる。
種結晶2および成長結晶3は、ドナーまたはアクセプタを含んでいてもよい。そして、種結晶2におけるドナーまたはアクセプタの濃度によって、種結晶2および成長結晶3の格子定数を制御してもよい。その結果、ドナーまたはアクセプタが含まれていない場合と比較して、種結晶2および成長結晶3の電気抵抗を小さくすることができ、インゴット1から電子部品を作製した場合の、電子部品の電気抵抗を小さくすることができる。
種結晶2および成長結晶3は、窒素を含んでいてもよい。そして、種結晶2における窒素濃度は、成長結晶3の上端部における窒素濃度よりも高くてもよい。炭化珪素の結晶に対して窒素を添加すると、炭化珪素の結晶の格子定数が小さくなる。そのため、種結晶2および成長結晶3に含まれる窒素濃度を調整することによって、種結晶2の下面の格子定数を、成長結晶3の上面の格子定数よりも大きくすることができる。また、格子定数の調整を、窒素濃度で行なうことによって、窒素をN型のドーパントとして利用することができ、また窒素ガス流量の制御によって格子定数を容易に調整することができる。
なお、この場合、種結晶2の下面の窒素濃度は、例えばキャリア密度として3×1019/cm以上1×1021/cm以下に設定される。また、成長結晶3の上面の窒素濃度は、例えばキャリア密度1×1018/cm以上1×1020/cm以下に設定される。また、種結晶2の下面の窒素濃度は、例えば、成長結晶3の上面の窒素濃度の2倍以上10倍以下に設定される。なお、結晶中の窒素濃度は、例えばSIMS、ラマン分光法、ホール測定などによって測定することができる。
種結晶2および成長結晶3は、アルミニウムを含んでいてもよい。そして、種結晶2におけるアルミニウム濃度は、成長結晶3の上端部におけるアルミニウム濃度よりも低くてもよい。炭化珪素の結晶に対してアルミニウムを添加すると、炭化珪素の結晶の格子定数が大きくなる。そのため、種結晶2および成長結晶3に含まれるアルミニウム濃度を調整することによって、種結晶2の下面の格子定数を、成長結晶3の上面の格子定数よりも大きくすることができる。また、格子定数の調整を、アルミニウム濃度で行なうことによって、アルミニウムをP型のドーパントとして利用することができる。
なお、この場合、種結晶2の下面のアルミニウム濃度は、例えばキャリア密度として3×1019/cm以上1×1021/cm以下に設定される。また、成長結晶3の上面のアルミニウム濃度は、例えばキャリア密度として1×1018/cm以上1×1020/cm以下に設定される。また、種結晶2の下面のアルミニウム濃度は、例えば、成長結晶3の上面のアルミニウム濃度の2倍以上10倍以下に設定される。
成長結晶3のドナーまたはアクセプタの濃度は、成長結晶3の成長方向に向かうにつれて、高くなってもよい。その結果、電気伝導度を向上させることができる。その結果、インゴット1からウェハを切り出して電子部品を製造した場合には、基板となるウェハにおけるドナー等の濃度が高くできるため、電子部品となる基板の電気抵抗を低くすることができる。したがって、電子部品の性能を向上させることができる。
成長結晶3の下端部の不純物濃度は、種結晶2の不純物濃度以上であってもよい。その結果、成長結晶3の下端部を切りだすことによって、成長結晶3の下端部を、次のインゴット1の製造時の種結晶2として活用することができる。
成長結晶3の下端部の不純物濃度は、不純物を含む複数の第1結晶層と、第1結晶層よりも高い濃度の不純物を含む複数の第2結晶層とを有してもよい。そして、複数の第1結晶層および複数の第2結晶層は、交互に積層されていてもよい。その結果、例えば、成長結晶3の下端部を、次のインゴット1の製造時の種結晶2として活用する際に、成長結晶3の下端部を任意の部分で切りだすことによって、種結晶2の下面での格子定数等を制御することができる。
種結晶2の平面方向への線膨脹係数は、成長結晶3の平面方向への線膨脹係数よりも大きくてもよい。その結果、種結晶2の方が大きく縮もうとすることから、成長結晶3に対して圧縮応力を印加することができる。なお、種結晶2の線膨脹係数は、例えばアルミニウムを添加し制御する場合、成長温度付近で5.6以上6.3×10−6以下に設定される。また、成長結晶3の線膨脹係数は、例えば5.5×10−6以上6.2×10−6以下に設定される。また、種結晶2の線膨脹係数は、例えば、成長結晶3の線膨脹係数の1.01倍以上1.1倍以下に設定される。
<結晶製造装置>
以下に、本発明の一実施形態に係る炭化珪素の結晶のインゴット1の製造に使用する結晶製造装置の一例について、図3を参照しつつ本実施形態を説明する。図3の断面図は、結晶製造装置の一例の概略を示している。なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
結晶製造装置100は、インゴット1を製造する装置である。結晶製造装置100は、種結晶2の下面に炭化珪素の結晶(成長結晶3)を成長させることによって、インゴット1を製造する。結晶製造装置100は、図3に示すように、主に保持部材101および坩堝102を含ん
でおり、保持部材101には種結晶2が固定され、坩堝102内には溶液103が貯留される。結
晶製造装置100によって、種結晶2の下面を溶液103に接触させて、種結晶2の下面に成長結晶3を成長させる。
種結晶2は、結晶製造装置100で成長させる結晶のインゴット1の種となる、炭化珪素
の結晶である。種結晶2は、例えば円形状または多角形状の平面形状を有する平板状である。
種結晶2は、保持部材101の下面に固定されている。種結晶2は、例えば炭素を含んだ
接着材(図示せず)によって、保持部材101に固定されている。また、種結晶2は、保持
部材101によって、上下方向に移動可能となっている。
保持部材101は、種結晶2を保持している。また、保持部材101は、種結晶2を溶液103
に接触させたり、溶液103からインゴット1を遠ざけたりする機能を有する。保持部材101は、図3に示すように、移動装置104の移動機構(図示せず)に固定されている。移動装
置104は、移動装置104に固定されている保持部材101を、例えばモータを利用して上下方
向に移動させる移動機構を有している。その結果、移動装置104によって保持部材101は上下方向に移動し、種結晶2は保持部材101の移動に伴って上下方向に移動する。
保持部材101は、例えば柱状に形成されている。保持部材101は、例えば炭素の多結晶体または炭素を焼成した焼成体からなる。保持部材101は、保持部材101の平面形状の中心部を貫通して上下方向に伸びた軸の周囲に回転可能な状態で、移動装置104に固定されてい
てもよい。すなわち、保持部材101は、自転可能であってもよい。
溶液103は、坩堝102の内部に溜められており、インゴット1の原料を種結晶2に供給する機能を有する。溶液103は、インゴット1と同じ材料を含む。すなわち、インゴット1
は炭化珪素の結晶であるから、溶液103は炭素と珪素とを含む。本実施形態において、溶
液103は、珪素溶媒に炭素を溶質として溶解させたものである。なお、溶液103は、炭素の溶解度を向上させる等の理由から、例えばネオジム(Nd)、タンタル(Ta)、スカンジウム(Sc)、クロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)、ニッケル(Ni)またはイットリウム(Y)等の金属材料を、添加材として1種類または2種類以上含んでいてもよい。
坩堝102は、溶液103を収容するものである。また、坩堝102は、インゴット1の原料を
内部で融解させる容器としての機能を担っている。坩堝102は、例えば黒鉛で形成されて
いる。本実施形態では、坩堝102の中で珪素を融解させて、融解した珪素に坩堝102の一部(炭素)を溶解させることによって、溶液103としている。坩堝102は、溶液103を貯留す
るために、例えば上面に開口を有する凹状に形成されている。
本実施形態では、炭化珪素の結晶のインゴット1を成長させる方法として溶液法を用いている。溶液法では、溶液103を、種結晶2の下面において準安定状態(熱力学的に結晶
の析出と溶出とが平衡している安定状態に極めて近い状態)に保ちつつ、種結晶2の温度を下げること等によって結晶の析出が溶出よりも僅かに進行する条件に制御し、種結晶2の下面に結晶を成長させている。
坩堝102は、坩堝容器105の内部に配されている。坩堝容器105は、坩堝102を保持する機能を担っている。この坩堝容器105と坩堝102との間には、保温材106が配されている。こ
の保温材106は、坩堝102の周囲を囲んでいる。保温材106は、坩堝102からの放熱を抑制し、坩堝102内の温度分布を均一に近付ける。坩堝102は、坩堝102の底面の中心部を貫通して上下方向に伸びた軸の周囲に回転可能な状態で坩堝容器105の内部に配されていてもよい。すなわち、坩堝102は、自転可能であってもよい。
坩堝容器105は、チャンバー107の内部に配されている。チャンバー107は、結晶のイン
ゴット1の成長を行なう空間と外部の雰囲気とを分離するものである。チャンバー107を
有することによって、結晶のインゴット1に余分な不純物が混じることを低減することができる。チャンバー107の内部の雰囲気中は、不活性ガスで満たされている。これによっ
て、チャンバー107の内部を外部から遮断することができる。なお、坩堝容器105は、チャンバー107の底面に支持されていてもよいが、坩堝容器105の底面が、この底面からチャンバー107の底部を貫通して下方に伸びる支持軸(図示せず)によって支持されていてもよ
い。
チャンバー107は、保持部材101が通過する通過孔108と、チャンバー107内にガスを供給するための給気孔109と、チャンバー107内からガスを排出する排気孔110とを有している
。そして、結晶製造装置100は、チャンバー107の内部にガスを供給するガス供給手段(図示せず)を有しており、ガス供給手段を介して給気孔109からチャンバー107内にガスが供給され、排気孔110から排出される。
チャンバー107は、例えば円筒状に形成される。チャンバー107は、例えば150mm以上1000mm以下の直径を有する円形状の下端部を底面とし、例えば500mm以上2000mm以下の高さに設定される。チャンバー107は、例えばステンレスまたは絶縁性の石英等の材料で形成される。チャンバー107内に供給される不活性ガスとしては、例えばアルゴン(Ar)またはヘリウム(He)等が挙げられる。
坩堝102には、加熱装置111によって、熱が加えられる。本実施形態の加熱装置111は、
コイル112および交流電源113を含んでおり、例えば電磁波を利用した誘導加熱方式によって坩堝102の加熱を行なう。なお、加熱装置111は、例えば、カーボン等の発熱抵抗体で生じた熱を伝熱する方式等の他の方式を採用することができる。この伝熱方式の加熱装置を採用する場合は、(坩堝102と保温材106との間に)発熱抵抗体が配されることになる。
コイル112は、導体によって形成され、坩堝102の周囲を囲んでいる。具体的には、コイル112は、坩堝102を円筒状に囲むように、チャンバー107の周囲に配されている。コイル112を有する加熱装置111は、コイル112による円筒状の加熱領域を有している。なお、本実施形態では、チャンバー107の周囲にコイル112を配置しているが、コイル112はチャンバー107の内側に位置していてもよい。
交流電源113は、コイル112に交流電流を流すためのものでる。コイル112に電流が流れ
て電場が発生することによって、電場内に位置した坩堝容器105に誘導電流が発生する。
この誘導電流のジュール熱によって坩堝容器105が加熱される。そして、坩堝容器105の熱が保温材106を介して坩堝102へ伝達されることで、坩堝102が加熱される。交流電流の周
波数を坩堝容器105に誘導電流が流れやすいように調整することで、坩堝102内の設定温度までの加熱時間を短縮したり、電力効率を向上させたりすることができる。
本実施形態では、交流電源113および移動装置104が制御装置114に接続されて制御され
ている。つまり、結晶製造装置100は、制御装置114によって、溶液103の加熱および温度
制御と、種結晶2の搬入出とが連動して制御されている。制御装置114は、中央演算処理
装置およびメモリ等の記憶装置を含んでおり、例えば公知のコンピュータからなる。
<炭化珪素の結晶のインゴットの製造方法>
以下、本発明の一実施形態に係る炭化珪素の結晶のインゴット1の製造方法について説明する。なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
本発明の一実施形態に係る炭化珪素の結晶のインゴットの製造方法は、準備工程、接触工程、結晶成長工程および引き離し工程を有する。
(準備工程)
結晶製造装置100を準備する。結晶製造装置100は、上述したように、主に保持部材101
、坩堝102、保持部材101に固定された種結晶2、および坩堝102内にある溶液103を含んでいる。
種結晶2を準備する。種結晶2は、例えば昇華法または溶液成長法等によって製造された炭化珪素の結晶の塊に切断等の加工を行なって平板状に形成したものを用いる。
保持部材101を準備する。次に、保持部材101の下面に種結晶2を固定する。具体的には、保持部材101の下面に炭素を含有する接着材を塗布する。その後、接着材を挟んで保持部材101の下面上に種結晶2を配して、種結晶2を保持部材101に固定する。
坩堝102を準備する。そして、坩堝102内に珪素の原料となる珪素粒子を入れて、坩堝102を珪素の融点(1,420℃)以上に加熱することによって、溶液103を準備する。具体的には、液化した珪素(溶媒)内に坩堝102を形成している炭素(溶質)が溶解して溶液103を準備することができる。
(接触工程)
種結晶2の下面を溶液103に接触させる。種結晶2は、保持部材101を下方に移動させることで溶液103に接触させる。なお、本実施形態では、種結晶2を下方向へ移動させるこ
とで種結晶2を溶液103に接触させているが、坩堝102を上方向へ移動させることで種結晶2を溶液103に接触させてもよい。
種結晶2は、下面の少なくとも一部が溶液103の液面に接触していればよい。それゆえ
、種結晶2の下面全体が溶液103に接触するようにしてもよいし、種結晶2の側面または
上面まで浸かるように溶液103に接触させてもよい。
(結晶成長工程)
接触工程で溶液103に接触させた種結晶2の下面に、溶液103から成長結晶3を成長させる。すなわち、種結晶2の下面を溶液103に接触させることによって、種結晶2の下面と
種結晶2の下面付近の溶液103との間に温度差ができる。そして、その温度差によって、
炭素が過飽和状態になり、溶液103中の炭素および珪素を炭化珪素の結晶のインゴット1
として種結晶2の下面に析出させることができる。
次に、種結晶2を溶液103から引き上げて、成長結晶3を柱状に成長させる。なお、イ
ンゴット1の平面方向および下方への成長速度を調整しながら種結晶2を上方向に少しずつ引き上げることによって、一定の径を保った状態でインゴット1を成長させることができる。具体的には、種結晶2の引き上げの速度は、例えば50μm/h以上150μm/h以下に設定することができる。
成長結晶3の成長は、成長結晶3が種結晶2から圧縮応力を受けるように、行なう。具体的には、例えば、溶液103内にドナーまたはアクセプタとなる不純物を溶解させつつ行
なう。その結果、成長結晶3に取り込まれるドナーまたはアクセプタの量を調整することができ、種結晶2が成長結晶3に圧縮応力を印加する状態になる。なお、種結晶2および成長結晶3が窒素を含む場合、溶液103内に溶解する窒素濃度を種結晶2よりも低くすれ
ばよい。また、種結晶2および成長結晶3がアルミニウムを含む場合、溶液103内に溶解
するアルミニウム濃度を種結晶2よりも高くすればよい。また、成長結晶3への不純物の供給は、チャンバー107内にドナーまたはアクセプタをガスとして供給してもよい。
溶液103の温度は、例えば1,400℃以上2,000℃以下となるように設定されている。溶液103の温度が変動する場合には、溶液103の温度として、例えば一定時間において複数回測
定した温度を平均した温度を用いることができる。溶液103の温度を測定する方法として
は、例えば熱電対で直接的に測定する方法、または放射温度計を用いて間接的に測定する方法等を用いることができる。
(引き離し工程)
炭化珪素の結晶を成長させた後、成長した成長結晶3を溶液103から引き離し、結晶成
長を終了する。次いで、成長した炭化珪素の結晶のインゴット1を種結晶2から切り離す。これにより、インゴット1を製造することができる。
1 インゴット
2 種結晶
3 成長結晶
100 結晶製造装置
101 保持部材
102 坩堝
103 溶液
104 移動装置
105 坩堝容器
106 保温材
107 チャンバー
108 通過孔
109 給気孔
110 排気孔
111 加熱装置
112 コイル
113 交流電源
114 制御装置

Claims (8)

  1. 炭化珪素の結晶のインゴットであって、
    炭化珪素の種結晶と、前記種結晶の下面に成長した炭化珪素の成長結晶と、を備え、
    前記種結晶は、前記成長結晶に対して、前記成長結晶が平面方向に縮むように圧縮応力を印加している、インゴット。
  2. 前記種結晶の下面の格子定数は、前記成長結晶の上面の格子定数よりも小さい、請求項1に記載のインゴット。
  3. 前記種結晶の平面方向への線膨脹係数は、前記成長結晶の平面方向への線膨脹係数よりも大きい、請求項1に記載のインゴット。
  4. 前記種結晶および前記成長結晶は、ドナーまたはアクセプタを含んでおり、
    前記種結晶の前記ドナーまたはアクセプタの濃度が、前記成長結晶の前記ドナーまたはアクセプタの濃度と異なることによって、前記種結晶の下面の格子定数が前記種結晶の上面の格子定数より小さい、請求項2に記載のインゴット。
  5. 前記種結晶および前記成長結晶は、窒素を含んでおり、
    前記種結晶における窒素濃度は、前記成長結晶の上端部における窒素濃度よりも高い、請求項1または請求項2に記載のインゴット。
  6. 前記種結晶および前記成長結晶は、アルミニウムを含んでおり、
    前記種結晶におけるアルミニウム濃度は、前記成長結晶の上端部におけるアルミニウム濃度よりも低い、請求項1または2に記載のインゴット。
  7. 炭化珪素の結晶のインゴットの製造方法であって、
    窒素を含んだ炭化珪素の種結晶と珪素溶媒に炭素を溶解した溶液とを準備する準備工程と、
    前記種結晶の下面を前記溶液に接触させる接触工程と、
    前記種結晶を引き上げることによって、前記種結晶の下面に結晶を成長させる成長工程と、を備え、
    前記成長工程において、前記結晶おける窒素濃度が前記種結晶における窒素濃度よりも低くなるように結晶を成長させる、インゴットの製造方法。
  8. 炭化珪素の結晶のインゴットの製造方法であって、
    アルミニウムを含んだ炭化珪素の種結晶と珪素溶媒に炭素を溶解した溶液とを準備する準備工程と、
    前記種結晶の下面を前記溶液に接触させる接触工程と、
    前記種結晶を引き上げることによって、前記種結晶の下面に結晶を成長させる成長工程と、を備え、
    前記成長工程において、前記結晶おける窒素濃度が前記種結晶における窒素濃度よりも高くなるように結晶を成長させる、インゴットの製造方法。
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