JP2016185885A - インゴットおよびインゴットの製造方法 - Google Patents
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Description
以下に、本発明の一実施形態に係る炭化珪素の結晶のインゴットについて、図1および図2を参照しつつ説明する。なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
mm以上210mm以下に設定される。
以下に、本発明の一実施形態に係る炭化珪素の結晶のインゴット1の製造に使用する結晶製造装置の一例について、図3を参照しつつ本実施形態を説明する。図3の断面図は、結晶製造装置の一例の概略を示している。なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
でおり、保持部材101には種結晶2が固定され、坩堝102内には溶液103が貯留される。結
晶製造装置100によって、種結晶2の下面を溶液103に接触させて、種結晶2の下面に成長結晶3を成長させる。
の結晶である。種結晶2は、例えば円形状または多角形状の平面形状を有する平板状である。
接着材(図示せず)によって、保持部材101に固定されている。また、種結晶2は、保持
部材101によって、上下方向に移動可能となっている。
に接触させたり、溶液103からインゴット1を遠ざけたりする機能を有する。保持部材101は、図3に示すように、移動装置104の移動機構(図示せず)に固定されている。移動装
置104は、移動装置104に固定されている保持部材101を、例えばモータを利用して上下方
向に移動させる移動機構を有している。その結果、移動装置104によって保持部材101は上下方向に移動し、種結晶2は保持部材101の移動に伴って上下方向に移動する。
てもよい。すなわち、保持部材101は、自転可能であってもよい。
は炭化珪素の結晶であるから、溶液103は炭素と珪素とを含む。本実施形態において、溶
液103は、珪素溶媒に炭素を溶質として溶解させたものである。なお、溶液103は、炭素の溶解度を向上させる等の理由から、例えばネオジム(Nd)、タンタル(Ta)、スカンジウム(Sc)、クロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)、ニッケル(Ni)またはイットリウム(Y)等の金属材料を、添加材として1種類または2種類以上含んでいてもよい。
内部で融解させる容器としての機能を担っている。坩堝102は、例えば黒鉛で形成されて
いる。本実施形態では、坩堝102の中で珪素を融解させて、融解した珪素に坩堝102の一部(炭素)を溶解させることによって、溶液103としている。坩堝102は、溶液103を貯留す
るために、例えば上面に開口を有する凹状に形成されている。
の析出と溶出とが平衡している安定状態に極めて近い状態)に保ちつつ、種結晶2の温度を下げること等によって結晶の析出が溶出よりも僅かに進行する条件に制御し、種結晶2の下面に結晶を成長させている。
の保温材106は、坩堝102の周囲を囲んでいる。保温材106は、坩堝102からの放熱を抑制し、坩堝102内の温度分布を均一に近付ける。坩堝102は、坩堝102の底面の中心部を貫通して上下方向に伸びた軸の周囲に回転可能な状態で坩堝容器105の内部に配されていてもよい。すなわち、坩堝102は、自転可能であってもよい。
ゴット1の成長を行なう空間と外部の雰囲気とを分離するものである。チャンバー107を
有することによって、結晶のインゴット1に余分な不純物が混じることを低減することができる。チャンバー107の内部の雰囲気中は、不活性ガスで満たされている。これによっ
て、チャンバー107の内部を外部から遮断することができる。なお、坩堝容器105は、チャンバー107の底面に支持されていてもよいが、坩堝容器105の底面が、この底面からチャンバー107の底部を貫通して下方に伸びる支持軸(図示せず)によって支持されていてもよ
い。
。そして、結晶製造装置100は、チャンバー107の内部にガスを供給するガス供給手段(図示せず)を有しており、ガス供給手段を介して給気孔109からチャンバー107内にガスが供給され、排気孔110から排出される。
コイル112および交流電源113を含んでおり、例えば電磁波を利用した誘導加熱方式によって坩堝102の加熱を行なう。なお、加熱装置111は、例えば、カーボン等の発熱抵抗体で生じた熱を伝熱する方式等の他の方式を採用することができる。この伝熱方式の加熱装置を採用する場合は、(坩堝102と保温材106との間に)発熱抵抗体が配されることになる。
て電場が発生することによって、電場内に位置した坩堝容器105に誘導電流が発生する。
この誘導電流のジュール熱によって坩堝容器105が加熱される。そして、坩堝容器105の熱が保温材106を介して坩堝102へ伝達されることで、坩堝102が加熱される。交流電流の周
波数を坩堝容器105に誘導電流が流れやすいように調整することで、坩堝102内の設定温度までの加熱時間を短縮したり、電力効率を向上させたりすることができる。
ている。つまり、結晶製造装置100は、制御装置114によって、溶液103の加熱および温度
制御と、種結晶2の搬入出とが連動して制御されている。制御装置114は、中央演算処理
装置およびメモリ等の記憶装置を含んでおり、例えば公知のコンピュータからなる。
以下、本発明の一実施形態に係る炭化珪素の結晶のインゴット1の製造方法について説明する。なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
結晶製造装置100を準備する。結晶製造装置100は、上述したように、主に保持部材101
、坩堝102、保持部材101に固定された種結晶2、および坩堝102内にある溶液103を含んでいる。
種結晶2の下面を溶液103に接触させる。種結晶2は、保持部材101を下方に移動させることで溶液103に接触させる。なお、本実施形態では、種結晶2を下方向へ移動させるこ
とで種結晶2を溶液103に接触させているが、坩堝102を上方向へ移動させることで種結晶2を溶液103に接触させてもよい。
、種結晶2の下面全体が溶液103に接触するようにしてもよいし、種結晶2の側面または
上面まで浸かるように溶液103に接触させてもよい。
接触工程で溶液103に接触させた種結晶2の下面に、溶液103から成長結晶3を成長させる。すなわち、種結晶2の下面を溶液103に接触させることによって、種結晶2の下面と
種結晶2の下面付近の溶液103との間に温度差ができる。そして、その温度差によって、
炭素が過飽和状態になり、溶液103中の炭素および珪素を炭化珪素の結晶のインゴット1
として種結晶2の下面に析出させることができる。
ンゴット1の平面方向および下方への成長速度を調整しながら種結晶2を上方向に少しずつ引き上げることによって、一定の径を保った状態でインゴット1を成長させることができる。具体的には、種結晶2の引き上げの速度は、例えば50μm/h以上150μm/h以下に設定することができる。
なう。その結果、成長結晶3に取り込まれるドナーまたはアクセプタの量を調整することができ、種結晶2が成長結晶3に圧縮応力を印加する状態になる。なお、種結晶2および成長結晶3が窒素を含む場合、溶液103内に溶解する窒素濃度を種結晶2よりも低くすれ
ばよい。また、種結晶2および成長結晶3がアルミニウムを含む場合、溶液103内に溶解
するアルミニウム濃度を種結晶2よりも高くすればよい。また、成長結晶3への不純物の供給は、チャンバー107内にドナーまたはアクセプタをガスとして供給してもよい。
定した温度を平均した温度を用いることができる。溶液103の温度を測定する方法として
は、例えば熱電対で直接的に測定する方法、または放射温度計を用いて間接的に測定する方法等を用いることができる。
炭化珪素の結晶を成長させた後、成長した成長結晶3を溶液103から引き離し、結晶成
長を終了する。次いで、成長した炭化珪素の結晶のインゴット1を種結晶2から切り離す。これにより、インゴット1を製造することができる。
2 種結晶
3 成長結晶
100 結晶製造装置
101 保持部材
102 坩堝
103 溶液
104 移動装置
105 坩堝容器
106 保温材
107 チャンバー
108 通過孔
109 給気孔
110 排気孔
111 加熱装置
112 コイル
113 交流電源
114 制御装置
Claims (8)
- 炭化珪素の結晶のインゴットであって、
炭化珪素の種結晶と、前記種結晶の下面に成長した炭化珪素の成長結晶と、を備え、
前記種結晶は、前記成長結晶に対して、前記成長結晶が平面方向に縮むように圧縮応力を印加している、インゴット。 - 前記種結晶の下面の格子定数は、前記成長結晶の上面の格子定数よりも小さい、請求項1に記載のインゴット。
- 前記種結晶の平面方向への線膨脹係数は、前記成長結晶の平面方向への線膨脹係数よりも大きい、請求項1に記載のインゴット。
- 前記種結晶および前記成長結晶は、ドナーまたはアクセプタを含んでおり、
前記種結晶の前記ドナーまたはアクセプタの濃度が、前記成長結晶の前記ドナーまたはアクセプタの濃度と異なることによって、前記種結晶の下面の格子定数が前記種結晶の上面の格子定数より小さい、請求項2に記載のインゴット。 - 前記種結晶および前記成長結晶は、窒素を含んでおり、
前記種結晶における窒素濃度は、前記成長結晶の上端部における窒素濃度よりも高い、請求項1または請求項2に記載のインゴット。 - 前記種結晶および前記成長結晶は、アルミニウムを含んでおり、
前記種結晶におけるアルミニウム濃度は、前記成長結晶の上端部におけるアルミニウム濃度よりも低い、請求項1または2に記載のインゴット。 - 炭化珪素の結晶のインゴットの製造方法であって、
窒素を含んだ炭化珪素の種結晶と珪素溶媒に炭素を溶解した溶液とを準備する準備工程と、
前記種結晶の下面を前記溶液に接触させる接触工程と、
前記種結晶を引き上げることによって、前記種結晶の下面に結晶を成長させる成長工程と、を備え、
前記成長工程において、前記結晶おける窒素濃度が前記種結晶における窒素濃度よりも低くなるように結晶を成長させる、インゴットの製造方法。 - 炭化珪素の結晶のインゴットの製造方法であって、
アルミニウムを含んだ炭化珪素の種結晶と珪素溶媒に炭素を溶解した溶液とを準備する準備工程と、
前記種結晶の下面を前記溶液に接触させる接触工程と、
前記種結晶を引き上げることによって、前記種結晶の下面に結晶を成長させる成長工程と、を備え、
前記成長工程において、前記結晶おける窒素濃度が前記種結晶における窒素濃度よりも高くなるように結晶を成長させる、インゴットの製造方法。
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JP2015066085A JP2016185885A (ja) | 2015-03-27 | 2015-03-27 | インゴットおよびインゴットの製造方法 |
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Citations (4)
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---|---|---|---|---|
JP2008074661A (ja) * | 2006-09-21 | 2008-04-03 | Nippon Steel Corp | エピタキシャル炭化珪素単結晶基板及びその製造方法 |
JP2010095397A (ja) * | 2008-10-15 | 2010-04-30 | Nippon Steel Corp | 炭化珪素単結晶及び炭化珪素単結晶ウェハ |
JP2013018659A (ja) * | 2011-07-07 | 2013-01-31 | Mitsubishi Electric Corp | エピタキシャルウエハ及び半導体素子 |
JP2014031316A (ja) * | 2013-11-01 | 2014-02-20 | Toyota Motor Corp | n型SiC単結晶およびその用途 |
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