JP6781596B2 - オニウム化合物の製造方法、及び硬化性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
しかし、この方法では、より低温での熱硬化を目的としたスルホニウム化合物の製造方法においては、対応するスルホニウムハロゲン化物の合成が困難となり、収率が悪化するという問題がある。
<1> 下記(A)、(B)、及び(C)のいずれかであることを特徴とするオニウム化合物の製造方法である。
(A)水、アルコール、及びアセトニトリルの少なくともいずれかの溶媒中で、下記一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(2)で表される化合物と、下記一般式(3)で表される化合物とを混合した後に反応させ、下記一般式(4)で表されるスルホニウム化合物を得る。
(B)水中で、下記一般式(11)で表される化合物と、下記一般式(2)で表される化合物と、下記一般式(3)で表される化合物とを混合した後に反応させ、下記一般式(14)で表されるアンモニウム化合物を得る。
(C)水中で、下記一般式(21)で表される化合物と、下記一般式(2)で表される化合物と、下記一般式(3)で表される化合物とを混合した後に反応させ、下記一般式(24)で表されるホスホニウム化合物を得る。
前記一般式(1)及び一般式(4)中、R2は、0〜5個の置換基を有するフェニル基を表す(ただし、前記溶媒が水を主成分とする場合、前記R2における前記置換基のハメットの置換基定数の合計は0.30以下である。前記溶媒が水を主成分としない場合、前記R2は下記一般式(A)で表される基である。)。
前記一般式(2)及び一般式(4)中、R3は、芳香族環の水素原子が炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもよいα−ナフチルメチル基、芳香族環の水素原子が炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもよいシンナミル基、下記一般式(B)で表される基、下記一般式(C)で表される基、及び下記一般式(D)で表される基のいずれかを表す。
前記一般式(2)中、Zは、ハロゲン原子を表す。
前記一般式(3)中、X+は、Li+、Na+、及びK+のいずれかを表す。
前記一般式(3)及び一般式(4)中、Y−は、B(C6F5)4 −、SbF6 −、AsF6 −、PF6 −、BF4 −、PF3(C2F5)3 −、C3F6NO4S2 −、(C2F5SO2)2N−、及びC(CF3SO2)3 −のいずれかを表す。
前記一般式(11)及び一般式(14)中、R13は、0〜5個の置換基を有するフェニル基を表し、前記R13における前記置換基のハメットの置換基定数の合計は0.60以下である。
前記一般式(14)中、R3は、芳香族環の水素原子が炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもよいα−ナフチルメチル基、芳香族環の水素原子が炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもよいシンナミル基、前記一般式(B)で表される基、前記一般式(C)で表される基、及び前記一般式(D)で表される基のいずれかを表す。
前記一般式(14)中、Y−は、B(C6F5)4 −、SbF6 −、AsF6 −、PF6 −、BF4 −、PF3(C2F5)3 −、C3F6NO4S2 −、(C2F5SO2)2N−、及びC(CF3SO2)3 −のいずれかを表す。
前記一般式(24)中、R3は、芳香族環の水素原子が炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもよいα−ナフチルメチル基、芳香族環の水素原子が炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもよいシンナミル基、前記一般式(B)で表される基、前記一般式(C)で表される基、及び前記一般式(D)で表される基のいずれかを表す。
前記一般式(24)中、Y−は、B(C6F5)4 −、SbF6 −、AsF6 −、PF6 −、BF4 −、PF3(C2F5)3 −、C3F6NO4S2 −、(C2F5SO2)2N−、及びC(CF3SO2)3 −のいずれかを表す。
<2> 前記一般式(3)、前記一般式(4)、前記一般式(14)、及び前記一般式(24)における前記Y−が、B(C6F5)4 −、SbF6 −、PF6 −、PF3(C2F5)3 −、及びC(CF3SO2)3 −のいずれかである前記<1>に記載のオニウム化合物の製造方法である。
<3> 前記アルコールが、メタノール、及びエタノールの少なくともいずれかである前記<1>から<2>のいずれかに記載のオニウム化合物の製造方法である。
<4> 前記一般式(3)、前記一般式(4)、前記一般式(14)、及び前記一般式(24)における前記R3が、ベンジル基、o−メチルベンジル基、α−ナフチルメチル基、シンナミル基、アリル基、メタリル基、及び2−エトキシカルボニルプロペニル基のいずれかである前記<1>から<3>のいずれかに記載のオニウム化合物の製造方法である。
<5> オニウム化合物を含有する硬化性樹脂組成物の製造方法であって、
前記オニウム化合物が、前記<1>から<4>のいずれかに記載のオニウム化合物の製造方法により得られることを特徴とする硬化性樹脂組成物の製造方法である。
<6> 前記硬化性樹脂組成物が、更にエポキシ化合物を含有する前記<5>に記載の硬化性樹脂組成物の製造方法である。
本発明のオニウム化合物の製造方法は、下記(A)、(B)、及び(C)のいずれかであることを特徴とする。
(A)水、アルコール、及びアセトニトリルの少なくともいずれかの溶媒中で、下記一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(2)で表される化合物と、下記一般式(3)で表される化合物とを混合した後に反応させ、下記一般式(4)で表されるスルホニウム化合物を得る。
(B)水中で、下記一般式(11)で表される化合物と、下記一般式(2)で表される化合物と、下記一般式(3)で表される化合物とを混合した後に反応させ、下記一般式(14)で表されるアンモニウム化合物を得る。
(C)水中で、下記一般式(21)で表される化合物と、下記一般式(2)で表される化合物と、下記一般式(3)で表される化合物とを混合した後に反応させ、下記一般式(24)で表されるホスホニウム化合物を得る。
本発明の前記オニウム化合物の製造方法の一態様のスルホニウム化合物の製造方法では、水、アルコール、及びアセトニトリルの少なくともいずれかの溶媒中で、下記一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(2)で表される化合物と、下記一般式(3)で表される化合物とを混合した後に反応させ、下記一般式(4)で表されるスルホニウム化合物を得る。
前記一般式(1)及び一般式(4)中、R2は、0〜5個の置換基を有するフェニル基を表す(ただし、前記溶媒が水を主成分とする場合、前記R2における前記置換基のハメットの置換基定数の合計は0.30以下である。前記溶媒が水を主成分としない場合、前記R2は下記一般式(A)で表される基である。)。
前記一般式(2)及び一般式(4)中、R3は、芳香族環の水素原子が炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもよいα−ナフチルメチル基、芳香族環の水素原子が炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもよいシンナミル基、下記一般式(B)で表される基、下記一般式(C)で表される基、及び下記一般式(D)で表される基のいずれかを表す。
前記一般式(2)中、Zは、ハロゲン原子を表す。
前記一般式(3)中、X+は、Li+、Na+、及びK+のいずれかを表す。
前記一般式(3)及び一般式(4)中、Y−は、B(C6F5)4 −、SbF6 −、AsF6 −、PF6 −、BF4 −、PF3(C2F5)3 −、C3F6NO4S2 −、(C2F5SO2)2N−、及びC(CF3SO2)3 −のいずれかを表す。
前記R2における前記置換基のハメットの置換基定数の合計が0.30を超えると、スルホニウム化合物の製造が困難になる。それは、チオエーテルの求核性の低下による反応性の低下、及び目的とする生成物の安定性の低下のためと考えられる。
フェニル基の置換基は、一般的に以下のようなハメットの置換基定数を有する。
上記ハメットの置換基定数は、例えば、「化学の領域」増刊,122号,96〜103頁,1979年(南光堂)、Chem.Rev.,1991年,91巻,165〜195ページなどに開示されている。また、置換基の種類にも因るが、ChemBioDraw等を用いた計算により算出することもできる。
前記一般式(1)中、R2は、0〜5個の置換基を有するフェニル基を表す(ただし、前記溶媒が水を主成分とする場合、前記R2における前記置換基のハメットの置換基定数の合計は0.30以下である。前記溶媒が水を主成分としない場合、前記R2は下記一般式(A)で表される基である。)。
前記R1としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などが挙げられる。
前記R2は、0〜5個の置換基を有するフェニル基を表す。ただし、前記溶媒が水を主成分とする場合、前記R2における前記置換基のハメットの置換基定数の合計は0.30以下である。前記溶媒が水を主成分としない場合、前記R2は前記一般式(A)で表される基である。
前記ハメットの置換基定数の計算対象となる前記置換基としては、例えば、炭素数1〜10の置換基や、前記表1に記載の置換基などが挙げられる。
−−R4−−
前記一般式(A)で表される基におけるR4は、水素原子、及び炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。前記炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル、t−ブチル基などが挙げられる。
前記一般式(A)で表される基におけるR5は、水素原子、アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいベンジル基、置換基を有していてもよいナフチルメチル基、アルキルカルボニルメチル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルメチル基、アルコキシカルボニルメチル基、及び置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルメチル基のいずれかを表す。
前記炭素数1〜4のアルキル基は、芳香族環に1つ置換されていてもよいし、複数置換されていてもよい。
前記R6における前記炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基などが挙げられる。
前記R7が水素原子の場合、前記一般式(C)で表される基は、アリル基である。
前記R8がメチル基の場合、前記一般式(D)で表される基は、メタリル基である。
前記R8がエトキシカルボニル基の場合、前記一般式(D)で表される基は、2−エトキシカルボニルプロペニル基である。
前記R8における前記アルコキシカルボニル基としては、例えば、前記炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基などが挙げられる。
前記R8における前記アリールオキシカルボニル基としては、例えば、フェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基などが挙げられる。
また、結晶性の塩が得られやすい点から、前記Y−は、B(C6F5)4 −、SbF6 −、PF6 −、PF3(C2F5)3 −、C(CF3SO2)3 −であることが好ましい。
前記溶媒中で、前記一般式(1)で表される化合物と、前記一般式(2)で表される化合物と、前記一般式(3)で表される化合物とを混合する際の混合割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記混合割合として、前記一般式(2)で表される化合物は、前記一般式(1)で表される化合物1モルに対して、0.8モル〜3.0モルが好ましく、0.8モル〜1.5モルがより好ましい。前記一般式(2)で表される化合物の混合割合が、前記一般式(1)で表される化合物1モルに対して、0.8モル未満であると、反応の進行が低下し、収率が低下することがあり、3.0モルを超えると、原料が過剰なため、高コストになること、かつ未反応物の精製の手間が余計にかかることがある。
前記混合割合として、前記一般式(3)で表される化合物は、前記一般式(1)で表される化合物1モルに対して、0.8モル〜1.5モルが好ましく、0.8モル〜1.2モルがより好ましい。前記一般式(3)で表される化合物の混合割合が、前記一般式(1)で表される化合物1モルに対して、0.8モル未満であると、反応の進行が低下し、収率が低下することがあり、1.5モルを超えると、原料が過剰なため無駄が生じること、かつ未反応物の精製の手間が余計にかかることがある。
前記溶媒としては、水、アルコール、及びアセトニトリルの少なくともいずれかであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ただし、前記溶媒が水を主成分とする場合、前記R2における前記置換基のハメットの置換基定数の合計は0.30以下である。前記溶媒が水を主成分としない場合、前記R2は前記一般式(A)で表される基である。
前記反応における反応温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60℃以下が好ましく、10℃〜45℃がより好ましい。前記反応温度が、10℃未満であると、反応の進行が遅くなることがあり、45℃を超えると、反応と同時に解離も進行し収率が十分に上がらないことがある。
以下の例は、前記R2における前記置換基のハメットの置換基定数の合計が0.30以下であるスルホニウム化合物の例である。
本発明の前記オニウム化合物の製造方法の一態様のアンモニウム化合物の製造方法では、水中で、下記一般式(11)で表される化合物と、前記一般式(2)で表される化合物と、前記一般式(3)で表される化合物とを混合した後に反応させ、下記一般式(14)で表されるアンモニウム化合物を得る。
前記一般式(11)及び一般式(14)中、R13は、0〜5個の置換基を有するフェニル基を表し、前記R13における前記置換基のハメットの置換基定数の合計は0.60以下である。
前記一般式(14)中、R3は、芳香族環の水素原子が炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもよいα−ナフチルメチル基、芳香族環の水素原子が炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもよいシンナミル基、前記一般式(B)で表される基、前記一般式(C)で表される基、及び前記一般式(D)で表される基のいずれかを表す。
前記一般式(14)中、Y−は、B(C6F5)4 −、SbF6 −、AsF6 −、PF6 −、BF4 −、PF3(C2F5)3 −、C3F6NO4S2 −、(C2F5SO2)2N−、及びC(CF3SO2)3 −のいずれかを表す。
本発明者らは、更に検討を重ね、反応途中で中間体(アンモニウムハライド)の単離、精製を要せずに、カチオン硬化触媒として使用可能な特定のアンモニウム化合物を合成できることを見出した。
前記一般式(11)中、R13は、0〜5個の置換基を有するフェニル基を表し、前記R13における前記置換基のハメットの置換基定数の合計は0.60以下である。
前記R13における前記置換基のハメットの置換基定数の合計が0.60を超えると、アンモニウム化合物の製造が困難になる。それは、前記R11、前記R12、及び前記R13に結合する窒素原子の求核性の低下による反応性の低下、及び目的とする生成物の安定性の低下のためと考えられる。
前記R11及びR12としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などが挙げられる。
前記R13において、前記ハメットの置換基定数の計算対象となる前記置換基としては、例えば、炭素数1〜10の置換基や、前記表1に記載の置換基などが挙げられる。
前記R13における前記置換基のハメットの置換基定数の合計は、適度な熱硬化性を有するアンモニウム化合物が得られる点から、−0.30〜0.55が好ましく、−0.20〜0.50がより好ましい。
前記水中で、前記一般式(11)で表される化合物と、前記一般式(2)で表される化合物と、前記一般式(3)で表される化合物とを混合する際の混合割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記混合割合として、前記一般式(2)で表される化合物は、前記一般式(11)で表される化合物1モルに対して、0.8モル〜3.0モルが好ましく、0.8モル〜1.5モルがより好ましい。前記一般式(2)で表される化合物の混合割合が、前記一般式(11)で表される化合物1モルに対して、0.8モル未満であると、反応の進行が低下し、収率が低下することがあり、3.0モルを超えると、原料が過剰なため、高コストになること、かつ未反応物の精製の手間が余計にかかることがある。
前記混合割合として、前記一般式(3)で表される化合物は、前記一般式(11)で表される化合物1モルに対して、0.8モル〜1.5モルが好ましく、0.8モル〜1.2モルがより好ましい。前記一般式(3)で表される化合物の混合割合が、前記一般式(11)で表される化合物1モルに対して、0.8モル未満であると、反応の進行が低下し、収率が低下することがあり、1.5モルを超えると、原料が過剰なため無駄が生じること、かつ未反応物の精製の手間が余計にかかることがある。
反応系中には、水以外の溶媒が含まれていてもよい。そのような溶媒としては、例えば、アルコール、アセトニトリルなどが挙げられる。
前記反応における反応温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60℃以下が好ましく、10℃〜45℃がより好ましい。前記反応温度が、10℃未満であると、反応の進行が遅くなることがあり、45℃を超えると、反応と同時に解離も進行し収率が十分に上がらないことがある。
本発明の前記オニウム化合物の製造方法の一態様のホスホニウム化合物の製造方法では、水中で、下記一般式(21)で表される化合物と、前記一般式(2)で表される化合物と、前記一般式(3)で表される化合物とを混合した後に反応させ、下記一般式(24)で表されるアンモニウム化合物を得る。
前記一般式(24)中、R3は、芳香族環の水素原子が炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもよいα−ナフチルメチル基、芳香族環の水素原子が炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもよいシンナミル基、前記一般式(B)で表される基、前記一般式(C)で表される基、及び前記一般式(D)で表される基のいずれかを表す。
前記一般式(24)中、Y−は、B(C6F5)4 −、SbF6 −、AsF6 −、PF6 −、BF4 −、PF3(C2F5)3 −、C3F6NO4S2 −、(C2F5SO2)2N−、及びC(CF3SO2)3 −のいずれかを表す。
本発明者らは、更に検討を重ね、反応途中で中間体(ホスホニウムハライド)の単離、精製を要せずに、カチオン硬化触媒として使用可能な特定のホスホニウム化合物を合成できることを見出した。
前記R21における前記置換基のハメットの置換基定数の合計、前記R22における前記置換基のハメットの置換基定数の合計、及び前記R23における前記置換基のハメットの置換基定数の合計のいずれかが0.70を超えると、ホスホニウム化合物の製造が困難になる。それは、前記R21、前記R22、及び前記R23に結合するリン原子の求核性の低下による反応性の低下、及び目的とする生成物の安定性の低下のためと考えられる。
前記R21、R22、及びR23において、前記ハメットの置換基定数の計算対象となる前記置換基としては、例えば、炭素数1〜10の置換基や、前記表1に記載の置換基などが挙げられる。
前記R21、R22、及びR23のそれぞれにおいて、前記置換基のハメットの置換基定数の合計は、適度な熱硬化性を有するホスホニウム化合物が得られる点から、−0.10〜0.60が好ましく、−0.10〜0.55がより好ましい。
前記水中で、前記一般式(21)で表される化合物と、前記一般式(2)で表される化合物と、前記一般式(3)で表される化合物とを混合する際の混合割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記混合割合として、前記一般式(2)で表される化合物は、前記一般式(21)で表される化合物1モルに対して、0.8モル〜3.0モルが好ましく、0.8モル〜1.5モルがより好ましい。前記一般式(2)で表される化合物の混合割合が、前記一般式(21)で表される化合物1モルに対して、0.8モル未満であると、反応の進行が低下し、収率が低下することがあり、3.0モルを超えると、原料が過剰なため、高コストになること、かつ未反応物の精製の手間が余計にかかることがある。
前記混合割合として、前記一般式(3)で表される化合物は、前記一般式(21)で表される化合物1モルに対して、0.8モル〜1.5モルが好ましく、0.8モル〜1.2モルがより好ましい。前記一般式(3)で表される化合物の混合割合が、前記一般式(21)で表される化合物1モルに対して、0.8モル未満であると、反応の進行が低下し、収率が低下することがあり、1.5モルを超えると、原料が過剰なため無駄が生じること、かつ未反応物の精製の手間が余計にかかることがある。
反応系中には、水以外の溶媒が含まれていてもよい。そのような溶媒としては、例えば、アルコール、アセトニトリルなどが挙げられる。
前記反応における反応温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60℃以下が好ましく、10℃〜45℃がより好ましい。前記反応温度が、10℃未満であると、反応の進行が遅くなることがあり、45℃を超えると、反応と同時に解離も進行し収率が十分に上がらないことがある。
本発明の硬化性樹脂組成物の製造方法は、本発明の前記オニウム化合物の製造方法を含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記オニウム化合物は、本発明の前記オニウム化合物の製造方法により得られる。
前記硬化性樹脂組成物は、例えば、前記オニウム化合物と、好ましくはカチオン硬化成分と、膜形成樹脂とを混合して得られる。
前記カチオン硬化成分としては、カチオン系硬化剤としての前記オニウム化合物の作用により硬化する成分であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物、及び環状エーテル化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記オニウム化合物は、本発明の前記オニウム化合物の製造方法により製造されるオニウム化合物である。
前記オニウム化合物としては、スルホニウム化合物、アンモニウム化合物、ホスホニウム化合物が挙げられる。
前記スルホニウム化合物は、本発明の前記スルホニウム化合物の製造方法により製造されるスルホニウム化合物である。
前記アンモニウム化合物は、本発明の前記アンモニウム化合物の製造方法により製造されるアンモニウム化合物である。
前記ホスホニウム化合物は、本発明の前記ホスホニウム化合物の製造方法により製造されるホスホニウム化合物である。
前記膜形成樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、製膜性、加工性の点からフェノキシ樹脂が特に好ましい。
使用される2官能エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニルジグリシジルエーテル、メチル置換ビフェニルジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
また、2官能フェノール類としては、例えば、ハイドロキノン類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、ビスフェノールフルオレン、メチル置換ビスフェノールフルオレン、ジヒドロキシビフェニル、メチル置換ジヒドロキシビフェニル等のビスフェノール類などが挙げられる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チキソトロピー剤、充填剤、レベリング剤、酸化防止剤、着色剤、導電性付与剤、接着付与剤などが挙げられる。
本発明に関する前記硬化性シートは、本発明の前記硬化性樹脂組成物を含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記硬化性シートは、保管性、使用時のハンドリング性などの観点から、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム等に必要に応じてシリコーン等で剥離処理した基材フィルムに、前記硬化性樹脂組成物からなる硬化性接着層が5μm〜50μmの平均厚みで形成されていることが好ましい。
金属を接着する接着シートとして使用される場合、組成中にシランカップリング剤を含有することが好ましい。シランカップリング剤の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばエポキシ系シランカップリング剤、アクリル系シランカップリング剤、チオール系シランカップリング剤、アミン系シランカップリング剤などが挙げられる。
導電性を付与する接着シートとして使用される場合、組成中に導電性粒子を含有することが好ましい。導電粒子の種類は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば金、銀、銅、スズ、ニッケル等の金属粒子、金属酸化物あるいはシリカ等の無機粒子に金属メッキあるいは蒸着等により金属を被覆した粒子、樹脂粒子に金属メッキあるいは蒸着等により金属を被覆した粒子などが挙げられる。粒子の形状も特に制限はなく、球状、針状、不定形、細かい突起を有する形状等が挙げられる。
<化合物(B)の合成>
東京化成工業社製4−メチルチオフェノール6g(42.8mmol)とアセトニトリル20mL、炭酸カリウム7.09g(51.4mmol)を入れた100mL三口フラスコを70℃で30分間、攪拌し、そこへ東京化成工業社製1−クロロピナコリン6.91g(51.4mmol)を滴下した。70℃で6時間、攪拌し、塩を除去後、水洗、抽出を行い、溶媒を留去することで下記構造式で表される化合物(B)を9.12g(収率89%)得た。
<化合物(C)の合成>
合成例1において、1−クロロピナコリンを東京化成工業社製のクロロアセトン4.76g(51.4mmol)に変更した以外は、合成例1と同様に合成を行い、下記構造式で表される化合物(C)を7.36g(収率87.6%)得た。
<化合物(D)の合成>
合成例1において、1−クロロピナコリンを東京化成工業社製のフェナシルクロライド7.95g(51.4mmol)に変更した以外は、合成例1と同様に合成を行い、下記構造式で表される化合物(D)を9.12g(収率82.5%)得た。
<化合物(E)の合成>
合成例1において、1−クロロピナコリンを東京化成工業社製のクロロ酢酸メチル4.76g(51.4mmol)に変更した以外は、合成例1と同様に合成を行い、下記構造式で表される化合物(E)を7.57g(収率90.1%)得た。
<化合物(F)の合成>
4−メチルチオフェノール4g(28.5mmol)と無水酢酸8g(78.4mmol)を100ml三口フラスコに入れ、窒素ガス雰囲気中で少量の濃硫酸を添加し、室温にて3時間攪拌、反応させた。その後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液40g、及び酢酸エチル20gを入れ、攪拌後、分液ロートに移し、油相を取り出し、さらに油相の水洗を行った後溶媒を留去後、減圧乾燥を行うことで淡黄色液状の化合物(F)を5.091g得た(収率97.9%)。
<化合物(G)の合成>
4−メチルチオフェノール1.5g(10.7mmol)とアセトニトリル20gを100ml三口フラスコに入れ、10℃まで冷却後、トリエチルアミン1.137g(11.2mmol)を添加後10分攪拌し、さらに発熱に注意しながら東京化成工業社製クロロ蟻酸エチル1.220g(11.2mmol)を10分かけて滴下した。その後4時間反応を行ったのち、濾過により析出したトリエチルアミン塩酸塩を除去後、溶媒を留去し、水洗後減圧乾燥を行うことで、下記構造式で表される化合物(G)を2.04g得た(収率89.7%)。
<化合物(H)の合成>
窒素置換した100ml三口フラスコに4−メチルチオフェノール5.0g(35.7mmol)、トルエン30g、及びトリエチルアミン0.05gを入れ、60℃、窒素雰囲気下で東京化成工業社製イソシアン酸フェニル5.098g(42.8mmol)を発熱に注意しながら30分間かけて滴下した。その後60分攪拌、反応を行い、冷却放置後、濾過を行い、トルエンにて洗浄後、減圧乾燥することで、下記構造式で表される化合物(H)を7.59g得た(収率82.1%)。
<スルホニウム化合物1の合成>
下記構造式で表される化合物(A)1.000g、1−ナフチルメチルクロライド1.260g、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートカリウム塩4.656g、及びエタノール2.00gを50ml三口フラスコに仕込み、25℃24時間攪拌、反応を行った。反応終了後、酢酸エチル10gを投入した後、しばらく攪拌を行い、その後濾過により析出したKClを除去し、濾液を回収した。濾液から溶媒を留去することで粗結晶が得られたため、粗結晶を純水で水洗後、減圧乾燥を行い、エタノール/ヘキサンで再結晶することでスルホニウム化合物(1)の白色結晶を収率82.3%で得た。
なお、以下の実施例2〜17、比較例1〜7においても、構造確認の方法は、同様である。
実施例1と同様にして、以下のスルホニウム化合物(2)〜(11)を合成した。合成に使用した原材料の構造、及び仕込み量、使用溶媒、並びに収率は下記表2〜3に記載した。
<スルホニウム化合物12の合成>
4−メチルカルボニルオキシ−フェニルメチルスルフィド1.000g、ベンジルクロライド0.903g、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートカリウム4.656g、及びエタノール2.00gを50ml三口フラスコに仕込み、25℃24時間攪拌、反応を行った。反応終了後、酢酸エチル10gを投入した後、しばらく攪拌を行い、その後濾過により析出したKClを除去し、濾液を回収した。濾液から溶媒を留去したが、結晶は析出せず黄色粘調液状となった。この粘調液をLC/MSで分析したところ、目的のスルホニウム化合物(12)はほとんど生成していなかった。
比較例1と同様にして、スルホニウム化合物(13)〜(15)の合成を試みた。合成に使用した原材料の構造、及び仕込み量、使用溶媒、並びに収率は下記表4に記載した。
LC/MSで分析したところ、目的のスルホニウム化合物(13)〜(15)はほとんど生成していなかった。
なお、比較例1〜4において合成しようとしたスルホニウム化合物は特開平3−47164号公報に記載の類似化合物である。比較例5において合成しようとしたスルホニウム化合物は特開2011−231243号公報に記載の化合物である。
<スルホニウム化合物(4)の合成>
4−(3,3ジメチル−2−オキソブトキシ)フェニルメチルスルフィド1.000gと1−ナフチルメチルクロライド0.815gとメタノール2gを50ml三口フラスコに仕込み、25℃にて24時間攪拌、反応させた。反応後、溶媒を留去したところ黄色粘調液状物が得られた。この粘調物をLC/MSで分析したところスルホニウム化合物(スルホニウムクロライド)はほとんど生成していなかったため、その後のテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートへのアニオン交換ができなかった。
<スルホニウム化合物(4)の合成>
4−(3,3ジメチル−2−オキソブトキシ)フェニルメチルスルフィド1.000gと1−ナフチルメチルクロライド0.815gと水10gを50ml三口フラスコに仕込み、25℃にて24時間攪拌、反応させた。反応終了後、この反応液に酢酸エチル10g、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートナトリウム2.946gを投入し、15分攪拌した。その後、酢酸エチル相を回収し、溶媒を留去することで、黄色粘調液状物を回収した。この粘調物をLC/MSで分析したところスルホニウム化合物(4)はほとんど生成しなかった。
化合物Aは、東京化成工業社製である。
1−ナフチルメチルクロライドは、東京化成工業社製である。
o−メチルベンジルクロライドは、東京化成工業社製である。
シンナミルクロライドは、東京化成工業社製である。
1−ナフチルメチルブロマイドは、Alfa Aesar社製である。
ベンジルクロライドは、東京化成工業社製である。
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートカリウムは、東ソー・ファインケム社製である。
トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドカリウムは、セントラル硝子社製である。
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートナトリウムは、日本触媒社製である。
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートリチウムは、東ソー・ファインケム社製である。
六フッ化アンチモン酸ナトリウムは、Alfa Aesar社製である。
4−(メチルチオ)フェノール2.35g(16.8mmol)に対し、クロロメチルナフタレン(1−ナフチルメチルクロライド)2.96g(16.8mmol)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ほう酸ナトリウム塩(テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートナトリウム)の10質量%水溶液(日本触媒製)を117.8g(16.8mmol)を加え、室温で24時間攪拌した。ろ過、水洗、乾燥後、ヘキサンによる洗浄を行い、再度乾燥することで目的とするスルホニウム化合物を得た。収率は90%であった。
なお、使用した溶媒は、水のみである。前記R2における置換基のハメットの置換基定数の合計は、−0.37である。
なお、実施例19〜22、比較例8〜12においても、構造確認の方法は、同様である。
4−(メチルチオ)フェノール2.35g(16.8mmol)に対し、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ほう酸ナトリウム塩の10質量%水溶液(日本触媒製)を117.8g(16.8mmol)を加え、室温で攪拌した。そこへ、クロロメチルナフタレン(1−ナフチルメチルクロライド)2.96g(16.8mmol)をエタノール10gで溶解したものを滴下し室温で24時間攪拌した。ろ過、水洗、乾燥後、ヘキサンによる洗浄を行い、再度乾燥することで目的とするスルホニウム化合物を得た。収率は91%であった。
なお、使用した溶媒は、水:エタノール=10:1(質量比)である。前記R2における置換基のハメットの置換基定数の合計は、−0.37である。
実施例19において、4−(メチルチオ)フェノールを4−メトキシチオアニソール〔前記化合物(A)〕2.59g(16.8mmol)に変えた以外は、実施例19と同様にして、スルホニウム化合物を合成した。収率は93%であった。
なお、使用した溶媒は、水:エタノール=10:1(質量比)である。前記R2における置換基のハメットの置換基定数の合計は、−0.27である。
実施例19において、4−(メチルチオ)フェノールを3,3−ジメチル−1−[4−(メチルスルファニル)フェノキシ]ブタン−2−オン〔前記化合物(B)〕4.00g(16.8mmol)に変えた以外は、実施例19と同様にして、スルホニウム化合物を合成した。収率は92%であった。
なお、使用した溶媒は、水:エタノール=10:1(質量比)である。前記R2における置換基のハメットの置換基定数の合計は、0.14である。
実施例19において、4−(メチルチオ)フェノールをチオアニソール2.08g(16.8mmol)に変えた以外は、実施例19と同様にして、スルホニウム化合物を合成した。収率は93%であった。
なお、使用した溶媒は、水:エタノール=10:1(質量比)である。前記R2における置換基のハメットの置換基定数の合計は、0である。
実施例18において、ボレート塩を用いずに合成を行い、塩化物として単離を実施した。塩化物の収率は70%であった。その後、塩交換でボレート塩にすることで目的とするスルホニウム化合物を得た。収率は56%であった。
なお、使用した溶媒は、水:エタノール=10:1(質量比)である。前記R2における置換基のハメットの置換基定数の合計は、−0.37である。
実施例20において、ボレート塩を用いずに合成を実施した。しかし、塩化物は得られず、目的とするスルホニウム化合物は得られなかった。
実施例21において、ボレート塩を用いずに合成を実施した。しかし、塩化物は得られず、目的とするスルホニウム化合物は得られなかった。
実施例22において、ボレート塩を用いずに合成を実施した。しかし、塩化物は得られず、目的とするスルホニウム化合物は得られなかった。
実施例18において、4−(メチルチオ)フェノールを4−(メチルスルファニル)フェニルアセテート〔前記化合物(F)〕2.59g(16.8mmol)に変えた以外は、実施例18と同様にして合成を実施したが、目的とするスルホニウム化合物は得られなかった。
なお、目的とするスルホニウム化合物の構造は以下のとおりであり、前記R2における置換基のハメットの置換基定数の合計は、0.31である。
4−(メチルチオ)フェノールは、東京化成工業社製である。
チオアニソールは、東京化成工業社製である。
<化合物(101)の合成>
攪拌器、温度計を設置した200ml三口フラスコに、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ほう酸ナトリウムの10質量%水溶液(日本触媒製)を水:エチルアルコールが10:1の質量比となるよう調整した9.17質量%溶液128.6g(16.8mmol)と、4−(メチルチオ)フェノール(東京化成工業製)2.35g(16.8mmol)と、1−ナフチルメチルブロマイド(東京化成工業製)4.09g(18.5mmol)を投入し、室温で24時間攪拌した。攪拌終了後、沈澱した結晶をろ過で取り出し、純水による水洗を3回行い、減圧乾燥により水を除去後、ヘキサンによる洗浄を行い、再度減圧乾燥を行うことで白色固体状の下記化合物(101)を得た。収率は91%であった。
<化合物(102)の合成>
実施例23において、4−(メチルチオフェノール)を4−メトキシチオアニソール(東京化成工業製)2.59g(16.8mmol)に換えた以外は、実施例23と同様にして下記化合物(102)を得た。収率は87%であった。
<化合物(103)の合成>
実施例23において、4−(メチルチオフェノール)をチオアニソール(東京化成工業製)2.09g(16.8mmol)に換えた以外は、実施例23と同様にして下記化合物(103)を得た。収率は89%であった。
<化合物(104)の合成>
実施例23において、4−(メチルチオフェノール)を3−メトキシチオアニソール(東京化成工業製)2.59g(16.8mmol)に換えた以外は、実施例23と同様にして下記化合物(104)を得た。収率は82%であった。
<化合物(102)の合成>
実施例24において、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ほう酸ナトリウムの9.17質量%の水:エチルアルコールの10:1質量比溶液をテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ほう酸リチウムの固形分92質量%含水品(東ソー・ファインケム製)を水:エタノールの10:1質量比溶液で10質量%に調整した溶液115.2g(16.8mmol)に換えた以外は、実施例24と同様にして化合物(102)を得た。収率は81%であった。
<化合物(102)の合成>
実施例24において、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ほう酸ナトリウムの9.17質量%の水:エチルアルコールの10:1質量比溶液をテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ほう酸カリウム(東ソー・ファインケム製)を水:エチルアルコールの10:2質量比溶液で10質量%に調整した溶液120.6g(16.8mmol)に換えた以外は、実施例24と同様にして化合物(102)を得た。収率は78%であった。
<化合物(105)の合成>
実施例24において、1−ナフチルメチルブロマイドをベンジルクロライド(東京化成工業製)2.34g(18.5mmol)に換えた以外は、実施例24と同様にして下記化合物(105)を得た。収率は82%であった。
<化合物(106)の合成>
実施例24において、1−ナフチルメチルブロマイドをo−メチルベンジルクロライド(東京化成工業製)2.60g(18.5mmol)に換えた以外は、実施例24と同様にして下記化合物(106)を得た。収率は75%であった。
<化合物(107)の合成>
実施例24において、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ほう酸ナトリウムの9.17質量%の水:エチルアルコールの10:1質量比溶液をトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドリチウム(セントラル硝子製)の10質量%の水:エチルアルコールの10:1質量比溶液70.3g(16.8mmol)とした以外は、実施例24と同様にして下記化合物(107)を得た。収率は71%であった。
<化合物(108)の合成>
実施例24においてテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ほう酸ナトリウムの9.17質量%の水:エチルアルコールの10:1質量比溶液をヘキサフルオロリン酸ナトリウム(東京化成工業製)の2.5質量%の水:エチルアルコールの10:1質量比溶液112.9g(16.8mmol)とした以外は、実施例24と同様にして下記化合物(108)を得た。収率は73%であった。
<化合物(109)の合成>
実施例23において、4−(メチルチオ)フェノールをN,N−ジメチル−p−トルイジン(東京化成工業製)2.27g(16.8mmol)に換えた以外は、実施例23と同様にして下記化合物(109)を得た。収率は87%であった。
<化合物(110)の合成>
実施例23において、4−(メチルチオ)フェノールをN,N−ジメチルアニリン(東京化成工業製)2.04g(16.8mmol)に換えた以外は、実施例23と同様にして下記化合物(110)を得た。収率は82%であった。
<化合物(111)の合成>
実施例23において、4−(メチルチオ)フェノールを4−ジメチルアミノ安息香酸エチル(東京化成工業製)3.25g(16.8mmol)に換えた以外は、実施例23と同様にして下記化合物(111)を得た。収率は84%であった。
<化合物(112)の合成>
実施例23において、4−(メチルチオ)フェノールを4’−ジメチルアミノアセトフェノン(東京化成工業製)2.74g(16.8mmol)に換えた以外は、実施例23と同様にして下記化合物(112)を得た。収率は78%であった。
<化合物(113)の合成>
実施例35において、1−ナフチルメチルブロマイドをベンジルクロライド2.34g(18.5mmol)に換えた以外は、実施例35と同様にして下記化合物(113)を得た。収率は75%であった。
<化合物(114)の合成>
実施例35において、1−ナフチルメチルブロマイドをアリルブロミド(東京化成工業製)2.24g(18.5mmol)に換えた以外は、実施例35と同様にして下記化合物(114)を得た。収率は75%であった。
<化合物(115)の合成>
実施例35において、1−ナフチルメチルブロマイドをメタリルブロミド(東京化成工業製)2.50g(18.5mmol)に換えた以外は、実施例35と同様にして下記化合物(115)を得た。収率は87%であった。
<化合物(116)の合成>
実施例35において、1−ナフチルメチルブロマイドを2-(ブロモメチル)アクリル酸エチル(東京化成工業製)3.59g(18.5mmol)に換えた以外は、実施例35と同様にして下記化合物(116)を得た。収率は90%であった。
<化合物(117)の合成>
実施例39において、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ほう酸ナトリウムの9.17質量%の水:エチルアルコールの10:1質量比溶液をトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドリチウム(セントラル硝子製)の10質量%の水:エチルアルコールの10:1質量比溶液70.3g(16.8mmol)に換えた以外は、実施例39と同様にして下記化合物(117)を得た。収率は70%であった。
<化合物(118)の合成>
実施例39において、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ほう酸ナトリウムの9.17質量%の水:エチルアルコールの10:1質量比溶液をヘキサフルオロリン酸ナトリウム(東京化成工業製)の2.5質量%の水:エチルアルコールの10:1質量比溶液112.9g(16.8mmol)とした以外は、実施例39と同様にして下記化合物(118)を得た。収率は68%であった。
<化合物(119)の合成>
攪拌器、温度計を設置した500ml三口フラスコにテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ほう酸ナトリウムの10質量%水溶液(日本触媒製)を水:エチルアルコールが1:1の質量比となるよう調整した5質量%溶液235.9g(16.8mmol)と、トリフェニルホスフィン(東京化成工業製)4.41g(16.8mmol)と、1−ナフチルメチルブロマイド(東京化成工業製)4.09g(18.5mmol)を投入し、室温で24時間攪拌した。攪拌終了後、沈澱した結晶をろ過で取り出し、純水による水洗を3回行い、減圧乾燥により水を除去後、ヘキサンによる洗浄を行い、再度減圧乾燥を行うことで白色固体状の下記化合物(119)を得た。収率は91%であった。
<化合物(120)の合成>
実施例43において、トリフェニルホスフィンをトリス(p−トリフルオロメチル)フェニルホスフィン(東京化成工業製)7.83g(16.8mmol)に換えた以外は、実施例43と同様にして下記化合物(120)を得た。収率は81%であった。
<化合物(121)の合成>
実施例43において1−ナフチルメチルブロマイドをメタリルブロミド(東京化成工業製)2.50g(18.5mmol)に換えた以外は、実施例43と同様にして下記化合物(121)を得た。収率は83%であった。
<化合物(122)の合成>
実施例43において、1−ナフチルメチルブロマイドをアリルブロミド(東京化成工業製)2.24g(18.5mmol)に換えた以外は、実施例43と同様にして下記化合物(122)を得た。収率は74%であった。
<化合物(123)の合成>
実施例43において、トリフェニルホスフィンをトリス(4−フルオロフェニル)ホスフィン(東京化成工業製)5.31g(16.8mmol)に換えた以外は、実施例43と同様にして下記化合物(123)を得た。収率は85%であった。
<4−メチルカルボニルオキシ−フェニルメチルスルフィドの合成>
4−メチルチオフェノール4g(28.5mmol)と無水酢酸8g(78.4mmol)を100ml三口フラスコに入れ、窒素ガス雰囲気中で少量の濃硫酸を添加し、室温にて3時間攪拌、反応させた。その後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液40g、酢酸エチル20gを入れ、攪拌後、分液ロートに移し、油相を取り出し、さらに油相の水洗を行った後溶媒を留去後、減圧乾燥を行うことで淡黄色液状の4−メチルカルボニルオキシ−フェニルメチルスルフィドを5.091g得た。(収率97.9%)
実施例23において、4−(メチルチオフェノール)を上記で合成した4−メチルカルボニルオキシ−フェニルメチルスルフィド2.52g(16.8mmol)に換えた以外は、実施例23と同様にして合成を行ったところ、合成後は粘調液状の沈殿物となった。これを取り出し、水洗を行い、乾燥後、さらにヘキサンで洗浄を行ったが結晶は析出しなかった。この粘調物をLC/MSで分析したところ、目的物の純度は25%であった。
<比較化合物(102)の合成>
実施例23において、4−(メチルチオフェノール)を4’−(メチルチオ)アセトフェノン(東京化成工業製)2.69g(16.8mmol)に換えた以外は、実施例23と同様にして合成を行ったところ、合成後は粘調液状の沈殿物となった。これを取り出し、水洗を行い、乾燥後、さらにヘキサンで洗浄を行ったが比較例13と同様に結晶は析出しなかった。この粘調物をLC/MSで分析したところ、目的物の純度は11%であった。
<比較化合物(103)の合成>
実施例23において、4−(メチルチオフェノール)を4−(ジメチルアミノ)ベンゾニトリル(東京化成工業製)2.46g(16.8mmol)に換えた以外は、実施例23と同様にして合成を行ったところ、合成後は粘調液状の沈殿物となった。これを取り出し、水洗を行い、乾燥後、さらにヘキサンで洗浄を行ったが比較例13と同様に結晶は析出しなかった。この粘調物をLC/MSで分析したところ、目的物の純度は28%であった。
<比較化合物(104)の合成>
実施例43において、トリフェニルホスフィンをトリス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィン(東京化成工業製)11.26g(16.8mmol)に換えた以外は、実施例43と同様にして合成を行ったところ、合成後は粘調液状の沈殿物となった。これを取り出し、水洗を行い、乾燥後、さらにヘキサンで洗浄を行ったが比較例13と同様に結晶は析出しなかった。この粘調物をLC/MSで分析したところ、目的物の純度は32%であった。
一方、前記一般式(1)で表される化合物、前記一般式(2)で表される化合物、及び前記一般式(3)で表される化合物の組み合わせでは無い場合、スルホニウム化合物は同様の方法では全く製造できない、又は収率が非常に低いことがわかる。
また、比較例6及び7より、本発明のスルホニウム化合物の製造方法で得られるスルホニウム化合物の一部は、従来の方法では製造できないこともわかる。
一方、前記一般式(11)で表される化合物、前記一般式(2)で表される化合物、及び前記一般式(3)で表される化合物の組み合わせでは無い場合、アンモニウム化合物の収率は非常に低いことがわかる。
一方、前記一般式(21)で表される化合物、前記一般式(2)で表される化合物、及び前記一般式(3)で表される化合物の組み合わせでは無い場合、ホスホニウム化合物の収率は非常に低いことがわかる。
Claims (4)
- 下記(A)、(B)、及び(C)のいずれかであることを特徴とするオニウム化合物の製造方法。
(A)アルコールを0〜50質量%含有する水、アルコール、及びアセトニトリルの少なくともいずれかの溶媒中で、下記一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(2)で表される化合物と、下記一般式(3)で表される化合物とを混合した後に反応させ、下記一般式(4)で表されるスルホニウム化合物を得る。
(B)アルコールを0〜50質量%含有する水中で、下記一般式(11)で表される化合物と、下記一般式(2)で表される化合物と、下記一般式(3)で表される化合物とを混合した後に反応させ、下記一般式(14)で表されるアンモニウム化合物を得る。
(C)アルコールを0〜50質量%含有する水中で、下記一般式(21)で表される化合物と、下記一般式(2)で表される化合物と、下記一般式(3)で表される化合物とを混合した後に反応させ、下記一般式(24)で表されるホスホニウム化合物を得る。
前記一般式(1)及び一般式(4)中、R2は、0〜5個の置換基を有するフェニル基を表す(ただし、前記溶媒がアルコールを0〜50質量%含有する水である場合、前記R2における前記置換基のハメットの置換基定数の合計は0.30以下である。前記溶媒がアルコール及びアセトニトリルの少なくともいずれかである場合、前記R2は下記一般式(A)で表される基である。)。
前記一般式(2)及び一般式(4)中、R3は、芳香族環の水素原子が炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもよいα−ナフチルメチル基、芳香族環の水素原子が炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもよいシンナミル基、下記一般式(B)で表される基、下記一般式(C)で表される基、及び下記一般式(D)で表される基のいずれかを表す。
前記一般式(2)中、Zは、ハロゲン原子を表す。
前記一般式(3)中、X+は、Li+、Na+、及びK+のいずれかを表す。
前記一般式(3)及び一般式(4)中、Y−は、B(C6F5)4 −、SbF6 −、AsF6 −、PF6 −、BF4 −、PF3(C2F5)3 −、C3F6NO4S2 −、(C2F5SO2)2N−、及びC(CF3SO2)3 −のいずれかを表す。
前記一般式(11)及び一般式(14)中、R13は、0〜5個の置換基を有するフェニル基を表し、前記R13における前記置換基のハメットの置換基定数の合計は0.60以下である。
前記一般式(14)中、R3は、芳香族環の水素原子が炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもよいα−ナフチルメチル基、芳香族環の水素原子が炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもよいシンナミル基、前記一般式(B)で表される基、前記一般式(C)で表される基、及び前記下記一般式(D)で表される基のいずれかを表す。
前記一般式(14)中、Y−は、B(C6F5)4 −、SbF6 −、AsF6 −、PF6 −、BF4 −、PF3(C2F5)3 −、C3F6NO4S2 −、(C2F5SO2)2N−、及びC(CF3SO2)3 −のいずれかを表す。
前記一般式(24)中、R3は、芳香族環の水素原子が炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもよいα−ナフチルメチル基、芳香族環の水素原子が炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもよいシンナミル基、前記一般式(B)で表される基、前記一般式(C)で表される基、及び前記下記一般式(D)で表される基のいずれかを表す。
前記一般式(24)中、Y−は、B(C6F5)4 −、SbF6 −、AsF6 −、PF6 −、BF4 −、PF3(C2F5)3 −、C3F6NO4S2 −、(C2F5SO2)2N−、及びC(CF3SO2)3 −のいずれかを表す。 - 前記一般式(3)、前記一般式(4)、前記一般式(14)、及び前記一般式(24)における前記Y−が、B(C6F5)4 −、SbF6 −、PF6 −、PF3(C2F5)3 −、及びC(CF3SO2)3 −のいずれかである請求項1に記載のオニウム化合物の製造方法。
- 前記アルコールが、メタノール、及びエタノールの少なくともいずれかである請求項1から2のいずれかに記載のオニウム化合物の製造方法。
- 前記一般式(3)、前記一般式(4)、前記一般式(14)、及び前記一般式(24)における前記R3が、ベンジル基、o−メチルベンジル基、α−ナフチルメチル基、シンナミル基、アリル基、メタリル基、及び2−エトキシカルボニルプロペニル基のいずれかである請求項1から3のいずれかに記載のオニウム化合物の製造方法。
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