JP2012122012A - エポキシ樹脂硬化剤およびエポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、芳香族エーテル系多官能チオール化合物を含有するエポキシ樹脂硬化剤、およびそれを用いたエポキシ樹脂組成物に関する。さらに詳しく言えば、耐水性、密着性、低温硬化性、速硬化性に優れたエポキシ樹脂組成物、その組成物からなる封止剤、およびそのエポキシ樹脂組成物用の硬化剤に関する。
エポキシ樹脂組成物は、その物理特性(物性)、化学的特性、および電気的特性等の特性に優れるため、電子機器分野において封止剤として好んで用いられている。中でも常温で液状のエポキシ樹脂が物性的にも経済的にも優れており、汎用的に使用されている。
従来、エポキシ樹脂用の硬化剤としては、アミン系、酸無水物系、チオール系などの硬化剤が知られているが、生産サイクルを短縮するための速硬化性、接着する部材の熱的ダメージを抑える低温硬化性、さらには封止剤の用途に必要な高密着性などが要求される場合には、硬化剤としてポリチオールを使用するケースが多い(特開2002−284860号公報;特許文献1および特開2006−036935号公報;特許文献2)。
しかし、ポリチオールを硬化剤として用いた従来のエポキシ樹脂組成物では、耐水性、耐湿性に関する性能が未だ不十分であり、満足できるものではなかった。すなわち、耐湿信頼性の低い接着剤、シール剤、封止剤は水分の浸入や樹脂に含まれる不純物イオンの影響などを防ぐことができずに接着されている配線等の腐食や電気特性の劣化などを引き起こす恐れがあり、これらの要求性能を満たすエポキシ樹脂組成物の提供が望まれている。
特開2006−206642号公報(特許文献3)には、耐湿性に優れるエポキシ樹脂組成物として、一分子中にSH基を6個以上含むメルカプタン系硬化剤が開示されているが、電子機器分野用途に求められる耐湿性に比べて未だ不十分なものであった。
本発明は、前記従来技術における諸問題を解決し、耐水性、密着性、低温硬化性、速硬化性に優れたエポキシ樹脂組成物用の硬化剤、それを含むエポキシ樹脂組成物、およびそのエポキシ樹脂組成物を硬化させてなる封止剤を提供することを目的とする。
上記目的に鑑み鋭意検討の結果、本発明者らは、芳香族骨格を有するエーテル系多官能チオール化合物が上記課題を解決する優れたエポキシ樹脂硬化剤であり、硬化して得られるエポキシ樹脂硬化物が密着性、低温硬化性、速硬化性に加えて耐水性にも優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[10]に記載のエポキシ樹脂硬化剤、エポキシ樹脂組成物、封止剤および硬化物に関する。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[10]に記載のエポキシ樹脂硬化剤、エポキシ樹脂組成物、封止剤および硬化物に関する。
[1]一般式(1)
(式中、R1は単結合または炭素数1〜10の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表し、R2は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R5は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R6は炭素数1〜4のアルキル基またはアルコキシ基を表し、aは0または1であり、bは3または4であり、cは0〜4の整数であり、a+b=4である。)
で示される芳香族エーテル系多官能チオール化合物を含むことを特徴とするエポキシ樹脂硬化剤。
[2]前記一般式(1)において、a=1、b=3である前記[1]に記載のエポキシ樹脂硬化剤。
[3]前記一般式(1)において、R1が主鎖の炭素数1または2の直鎖状または分岐状のアルキレン基である前記[1]に記載のエポキシ樹脂硬化剤。
[4]前記一般式(1)において、c=0である前記[1]に記載のエポキシ樹脂硬化剤。
[5]前記式(1)で示される化合物が、トリス(4−(3−メルカプトプロポキシ)フェニル)メタン、1,1,1−トリス(4−(3−メルカプトプロポキシ)フェニル)エタン、テトラキス(4−(3−メルカプトプロポキシ)フェニル)メタン、トリス(4−(2−メルカプトプロポキシ)フェニル)メタン、1,1,1−トリス(4−(2−メルカプトプロポキシ)フェニル)エタン、テトラキス(4−(2−メルカプトプロポキシ)フェニル)メタン、ビス(4−(2−メルカプトブトキシ)フェニル)メタン、またはトリス(4−(2−メルカプトブトキシ)フェニル)メタンである前記[1]に記載のエポキシ樹脂硬化剤。
[6]多価エポキシ化合物と、前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂硬化剤を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
[7]多価エポキシ化合物が、多価アルコールのグリシジルエーテル化合物である前記[6]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[8]硬化助剤を含有する前記[6]または[7]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[9]前記[6]〜[8]のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物からなることを特徴とする封止剤。
[10]前記[6]〜[8]のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
で示される芳香族エーテル系多官能チオール化合物を含むことを特徴とするエポキシ樹脂硬化剤。
[2]前記一般式(1)において、a=1、b=3である前記[1]に記載のエポキシ樹脂硬化剤。
[3]前記一般式(1)において、R1が主鎖の炭素数1または2の直鎖状または分岐状のアルキレン基である前記[1]に記載のエポキシ樹脂硬化剤。
[4]前記一般式(1)において、c=0である前記[1]に記載のエポキシ樹脂硬化剤。
[5]前記式(1)で示される化合物が、トリス(4−(3−メルカプトプロポキシ)フェニル)メタン、1,1,1−トリス(4−(3−メルカプトプロポキシ)フェニル)エタン、テトラキス(4−(3−メルカプトプロポキシ)フェニル)メタン、トリス(4−(2−メルカプトプロポキシ)フェニル)メタン、1,1,1−トリス(4−(2−メルカプトプロポキシ)フェニル)エタン、テトラキス(4−(2−メルカプトプロポキシ)フェニル)メタン、ビス(4−(2−メルカプトブトキシ)フェニル)メタン、またはトリス(4−(2−メルカプトブトキシ)フェニル)メタンである前記[1]に記載のエポキシ樹脂硬化剤。
[6]多価エポキシ化合物と、前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂硬化剤を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
[7]多価エポキシ化合物が、多価アルコールのグリシジルエーテル化合物である前記[6]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[8]硬化助剤を含有する前記[6]または[7]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[9]前記[6]〜[8]のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物からなることを特徴とする封止剤。
[10]前記[6]〜[8]のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
本発明の芳香族骨格を有するエーテル系多官能チオール化合物を硬化剤として用いたエポキシ樹脂組成物は、耐水性、密着性、低温硬化性、速硬化性などの諸特性に優れることから、封止剤の用途において有用であり、特に電子機器分野において好適に用いることができる。
以下、本発明を実施するための形態について具体的に説明する。
[I]エポキシ樹脂硬化剤
本発明のエポキシ樹脂硬化剤は、芳香族骨格および特定のメルカプト基含有基を有する多官能のチオール化合物である、下記一般式(1)で示される芳香族エーテル系多官能チオール化合物(以下、芳香族エーテル系多官能チオール化合物(1)と略記することがある。)を含む。
上記一般式(1)中、R1は単結合または炭素数1〜10の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表し、置換基を有していてもよい。
R1が表す炭素数1〜10の直鎖状または分岐状のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、iso−プロピレン基、n−ブチレン基、iso−ブチレン基、t−ブチレン基、n−ヘキシレン基、n−オクチレン基、n−デカニレン基等が挙げられる。
[I]エポキシ樹脂硬化剤
本発明のエポキシ樹脂硬化剤は、芳香族骨格および特定のメルカプト基含有基を有する多官能のチオール化合物である、下記一般式(1)で示される芳香族エーテル系多官能チオール化合物(以下、芳香族エーテル系多官能チオール化合物(1)と略記することがある。)を含む。
R1が表す炭素数1〜10の直鎖状または分岐状のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、iso−プロピレン基、n−ブチレン基、iso−ブチレン基、t−ブチレン基、n−ヘキシレン基、n−オクチレン基、n−デカニレン基等が挙げられる。
R1が表す炭素数1〜10の直鎖状または分岐状のアルキレン基としては、反応性の高い原料を用いて前記一般式(1)のチオール化合物を製造できる等の観点から、主鎖の炭素数は、1〜5が好ましく、1〜2がより好ましい。
R1としては、単結合、メチレン基、エチレン基が好ましい。
R1としては、単結合、メチレン基、エチレン基が好ましい。
上記一般式(1)中、R2、R3およびR4はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、置換基を有していてもよい。
R2、R3およびR4が表す炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基が挙げられ、好ましくはメチル基またはエチル基である。
R2は、水素原子、メチル基またはエチル基が好ましく、R3およびR4のうち少なくとも一方は水素原子であることが好ましい。
R2は、水素原子、メチル基またはエチル基が好ましく、R3およびR4のうち少なくとも一方は水素原子であることが好ましい。
上記一般式(1)中、R5は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、置換基を有していてもよい。
R5が表す炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基が挙げられる。
R5は、好ましくは水素原子、メチル基またはエチル基である。
R5が表す炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基が挙げられる。
R5は、好ましくは水素原子、メチル基またはエチル基である。
上記一般式(1)中、R6は炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、置換基を有していてもよい。
R6が表す炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基などが挙げられ、好ましくはメチル基、t−ブチル基である。
R6が表す炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、iso−プロポキシ基、t−ブトキシ基などが挙げられ、より好ましくはメトキシ基、エトキシ基である。
R6が表す炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基などが挙げられ、好ましくはメチル基、t−ブチル基である。
R6が表す炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、iso−プロポキシ基、t−ブトキシ基などが挙げられ、より好ましくはメトキシ基、エトキシ基である。
上記R1、R2、R3、R4、R5およびR6が表すアルキル基またはアルコキシ基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、水酸基、ジメチルアミノ基などが挙げられる。
上記一般式(1)中、aは0または1であり、bは3または4であり、a+b=4である。一般式(1)で表されるチオール化合物の構造的安定性や、エポキシ樹脂硬化剤として用いた場合のエポキシ樹脂組成物の密着性、耐水性等の諸特性がより効果的に得られるなどの観点から、a=1およびb=3の場合が好ましい。
上記一般式(1)中、cは0〜4の整数である。
上記一般式(1)中、cは0〜4の整数である。
一般式(1)で示される本発明に係るチオール化合物は、3〜4個のフェノール性水酸基を持つ芳香族化合物(多価フェノール化合物)から誘導され、そのフェノール性水酸基から水素原子を除いた芳香族骨格を有する。
3〜4個のフェノール性水酸基を持つ芳香族化合物(多価フェノール化合物)としては、例えばトリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)メタンなどを使用することができるがこれらに限定されるものではない。
原料入手性、芳香族エーテル系多官能チオール化合物(1)の物性などの観点から、3個のフェノール性水酸基を持つ芳香族化合物を用いるのが望ましい。
本発明に係る上記一般式(1)の構造を有するチオール化合物として、入手容易な原料を用いることができる等の観点などから、R1がメチレン基、R2が水素原子、およびR5が水素原子であるチオール化合物がさらに好ましい。
上記一般式(1)の構造を有するチオール化合物の具体例としては、トリス(4−(2−メルカプトプロポキシ)フェニル)メタン、1,1,1−トリス(4−(2−メルカプトプロポキシ)フェニル)エタン、テトラキス(4−(2−メルカプトプロポキシ)フェニル)メタン、トリス(4−(2−メルカプトブトキシ)フェニル)メタン、トリス(4−(3−メルカプトブトキシ)フェニル)メタン等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂硬化剤は、芳香族エーテル系多官能チオール化合物(1)のみからなっていてもよく、また他の硬化剤成分を含んでいても良い。他の硬化剤成分としては、例えばポリアミン、ポリアミドアミン、酸無水物、ジシアンジアミド、フェノール、イミダゾール等を挙げることができる。
[II]エポキシ樹脂硬化剤の製造方法
本発明のエポキシ樹脂硬化剤で使用する芳香族エーテル系多官能チオール化合物の製造方法は特に限定されるものではないが、多価フェノール化合物を原料とする方法が好適に使用される。多価フェノール化合物から芳香族エーテル系多官能チオール化合物を製造する方法における第一の態様としては、
一般式(2)
(式中の記号は、一般式(1)の記号と同じ意味を表す。)
で示される多価フェノール化合物(以下、多価フェノール化合物(2)と略記することがある。)と、一般式(3)
(式中の記号は一般式(1)の記号と同じ意味を表し、Xは脱離基を表す。)
で示される化合物を反応させる一般式(4)
(式中の記号は、一般式(1)の記号と同じ意味を表す。)
で示される末端二重結合を含有する化合物(以下、末端二重結合含有化合物(4)と略記することがある。)を得る工程1、および前記末端二重結合含有化合物の二重結合部位にメルカプト基を付加する工程2を含む方法が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂硬化剤で使用する芳香族エーテル系多官能チオール化合物の製造方法は特に限定されるものではないが、多価フェノール化合物を原料とする方法が好適に使用される。多価フェノール化合物から芳香族エーテル系多官能チオール化合物を製造する方法における第一の態様としては、
一般式(2)
で示される多価フェノール化合物(以下、多価フェノール化合物(2)と略記することがある。)と、一般式(3)
で示される化合物を反応させる一般式(4)
で示される末端二重結合を含有する化合物(以下、末端二重結合含有化合物(4)と略記することがある。)を得る工程1、および前記末端二重結合含有化合物の二重結合部位にメルカプト基を付加する工程2を含む方法が挙げられる。
一般式(3)中、Xが表す脱離基は、一般式(3)から脱離する任意の基を指し、−NR7 2(R7は水素原子、炭素数1〜7のアルキル基もしくはアリール基);メタンスルホネート等を含むアルキルスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート等を含むフルオロアルキルスルホネート、トシレート等を含むアリールスルホネートを包含するスルホネート類;カルボネート;ハロゲン;カルボキシレート;フェノレート;アルコキシド;N−ヒドロキシスクシンイミド;N−ヒドロキシベンゾトリアゾール等が挙げられる。好ましく用いられる脱離基としては、ハロゲン、スルホネートが挙げられ、反応性の面、原料入手容易性の面から、ハロゲンとしては、臭素、塩素、ヨウ素が好ましく、スルホネートとしては、トリフルオロメタンスルホネート、メタンスルホネートが好ましい。
工程1における多価フェノール化合物(2)と一般式(3)で示される化合物との反応は、収率の観点から塩基性条件下で行うことが好ましい。
塩基性条件下で行うために使用する塩基性化合物は特に限定されないが、有機塩基、無機塩基を使用することができる。無機塩基としては、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウムなどを使用することができ、中でも水酸化ナトリウムは塩基性条件の調整が容易であり、かつ反応性の面からより好適である。有機塩基としては、トリエチルアミン、ピリジン、トリエチレンジアミンなどの三級アミンを好適に使用することができる。
工程1において、多価フェノール化合物(2)と一般式(3)で示される化合物との反応モル比は特に限定されないが、好適には多価フェノール化合物(2)の水酸基に対して一般式(3)で示される化合物を0.9〜2.0当量用いることができ、さらに好適には1.0〜1.2当量使用することができる。また、塩基性化合物の使用量は、好適には一般式(3)で示される化合物に対して0.9〜3.0当量使用することができ、さらに好適には1.0〜1.2当量使用することができる。
工程1において、原料および生成物の取り扱いを容易にするため、また、原料と塩基性化合物との接触を容易にするために溶媒を使用することができる。溶媒としては、原料、生成物と反応しない溶媒で通常の条件で蒸留可能な沸点を有するものを使用することができる。具体的には、水溶性の高い溶媒としてジメチルスルホキシド、アセトン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等が挙げられ、中でもジメチルスルホキシドが沸点や原料の溶解性の観点から好適である。
工程1において、反応温度は特に限定されないが、原料の溶解性および溶媒の沸点などの点から、0〜120℃の温度で行うのが好適である。さらに、反応温度のコントロールの点から溶媒の沸点付近(沸点マイナス10℃の範囲)の温度で行うことがより好ましい。
工程2において、工程1で得た末端二重結合含有化合物(4)の末端二重結合部位にメルカプト基を付加する工程は、下記の2つの工程を含む。
(1)末端二重結合含有化合物(4)の末端二重結合部位にチオ酢酸を付加し、チオ酢酸エステル体とする工程2−1、
(2)該チオ酢酸エステル基部位を加水分解してメルカプト基に変換する工程2−2。
(1)末端二重結合含有化合物(4)の末端二重結合部位にチオ酢酸を付加し、チオ酢酸エステル体とする工程2−1、
(2)該チオ酢酸エステル基部位を加水分解してメルカプト基に変換する工程2−2。
チオ酢酸エステル体を得る工程2−1におけるチオ酢酸の使用量としては、末端二重結合含有化合物(4)1molに対し1.0〜3.0molが好ましく、1.0〜1.2molがより好ましい。
工程2−1においては、ラジカル開始剤を用いてもよい。ラジカル開始剤の具体例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシー1−フェニルエタン)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩などのアゾ系開始剤、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキシド、t−ブチルハイドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ハイドロパーオキシド、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネートなどの過酸化物などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。反応性の観点からアゾ系開始剤が好ましく、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルがより好ましい。
工程2−1において、原料の接触を容易にするために溶媒を使用することができる。溶媒としては、原料、生成物と反応しない溶媒で通常の条件で蒸留可能な沸点を有するものを使用することができる。具体的には、原料の溶解性の観点から、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、トルエン、キシレンなどが好適であり、脱水されたテトラヒドロフランがより好ましく、安定化剤を含まない脱水されたテトラヒドロフランがさらに好ましい。
工程2−1において、反応温度は特に限定されないが、反応速度をコントロールするために、0〜150℃で行うのが好適である。さらに、副反応を抑える点から10〜120℃がより好ましく、50〜100℃で行うことが最も好ましい。
工程2−2において、チオ酢酸エステル体を加水分解してメルカプト基に変換する工程としては、一般的に行われている加水分解反応を使用することができる。塩基性条件下で行うために使用する塩基性化合物は特に限定されないが、有機塩基、無機塩基を使用することができる。無機塩基としては、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウムなどを使用することができ、中でも水酸化ナトリウムは塩基性条件の調整が容易であり、かつ反応性の面からより好適である。
工程2−2において、塩基性化合物の使用量は特に限定されないが、チオ酢酸エステル基に対して当量以上使用することが好ましく、1.0〜1.5当量使用するのがより好ましい。
工程2−2において、原料および生成物の取り扱いを容易にするため、また、原料と塩基性化合物との接触を容易にするために溶媒を使用することができる。溶媒としては、原料および生成物と反応せず、通常の条件で蒸留可能な沸点を有する溶媒を使用することができる。具体的にはテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、トルエン、キシレン等の疎水性溶媒が挙げられる。中でも、沸点や原料の溶解性の観点から、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランが好ましい。
工程2−2において、疎水性原料と塩基性化合物との反応を促進させる目的で、親水性溶媒を添加してもよい。溶媒としては親水性の高いアルコールやアセトンが好ましく、中でも沸点や原料の溶解性の観点からエタノールがより好ましい。
工程2−2において、反応温度は特に限定されないが、反応温度をコントロールするために、0〜150℃で行うのが好適である。さらに、副反応を抑える点から10〜120℃がより好ましく、50〜100℃で行うことが最も好ましい。
工程2−2の後に生成物を単離する方法としては、蒸留、再結晶、有機溶媒抽出、カラムクロマトグラフィーなど基質にあわせて一般的な単離方法を使用することができる。これらの中でも、工程2−1および工程2−2で副生する無機塩と分離するために有機溶媒抽出を使用することが好ましい。有機溶媒抽出において使用する有機溶媒としては、水との相溶性が低く通常の条件で留去することのできる溶媒であれば特に限定することなく使用することができる。具体的には、トルエン、クロロホルム、塩化メチレン、酢酸エチルなどを使用することができる。有機溶媒抽出した後にカラムクロマトグラフィーにより精製を行ってもよい。
多価フェノール化合物から芳香族エーテル系多官能チオール化合物を製造する方法における第二の態様としては、
一般式(2)
(式中の記号は、一般式(1)の記号と同じ意味を表す。)
で示される多価フェノール化合物(以下、多価フェノール化合物(2)と略記することがある。)と、一般式(5)
(式中、R1およびR2は一般式(1)の記号と同じ意味を表し、Xは脱離基を表し、R8は炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
で示される化合物を反応させる一般式(6)
(式中の記号は、一般式(1)および(5)の記号と同じ意味を表す)
で示されるカルボニル基含有化合物を得る工程1、
前記カルボニル基を還元して水酸基に変換する工程2、および
前記水酸基をメルカプト基に変換する工程3を含む方法が挙げられる。
工程1における反応条件や、一般式(5)中のXが表す脱離基は、多価フェノール化合物から芳香族エーテル系多官能チオール化合物を製造する方法における第一の態様の工程1と同様に設定することができる。
一般式(2)
で示される多価フェノール化合物(以下、多価フェノール化合物(2)と略記することがある。)と、一般式(5)
で示される化合物を反応させる一般式(6)
(式中の記号は、一般式(1)および(5)の記号と同じ意味を表す)
で示されるカルボニル基含有化合物を得る工程1、
前記カルボニル基を還元して水酸基に変換する工程2、および
前記水酸基をメルカプト基に変換する工程3を含む方法が挙げられる。
工程1における反応条件や、一般式(5)中のXが表す脱離基は、多価フェノール化合物から芳香族エーテル系多官能チオール化合物を製造する方法における第一の態様の工程1と同様に設定することができる。
工程2において、カルボニル基を還元する方法としては、一般的に行われている還元反応を使用することができる。還元剤としては、水素、水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、ヒドラジンなどを使用することができる。還元反応において、還元触媒を使用することもできる。還元触媒としてはニッケル、パラジウム、白金、金、銅、コバルト、ロジウム、鉄、ルテニウムなどの金属およびこれら金属の硝酸塩、塩化物、有機酸塩などの化合物をそのままあるいは担体に担持させた状態で用いることができる。
工程3の水酸基をメルカプト基に変換する工程は、以下に示す2つの経路、すなわち工程3−1と工程3−2を採ることができる。工程3−1は下記の3つの工程を含む。
(1)水酸基をスルホン酸誘導体でスルホン酸エステル体とする工程3−1−1、
(2)スルホン酸エステル体をチオ酢酸あるいはチオ酢酸金属塩でチオ酢酸エステル体とする工程3−1−2、
(3)チオ酢酸エステル体を還元してメルカプト基に変換する工程3−1−3。
(1)水酸基をスルホン酸誘導体でスルホン酸エステル体とする工程3−1−1、
(2)スルホン酸エステル体をチオ酢酸あるいはチオ酢酸金属塩でチオ酢酸エステル体とする工程3−1−2、
(3)チオ酢酸エステル体を還元してメルカプト基に変換する工程3−1−3。
工程3−1−1において、水酸基をスルホン酸誘導体でスルホン酸エステルとする工程では、スルホン酸誘導体として、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸クロライド、メタンスルホン酸クロライド、p−トルエンスルホン酸無水物、硫酸、硫酸水素ナトリウムなどを使用することができる。
スルホン酸エステル体をチオ酢酸あるいはチオ酢酸塩でチオ酢酸エステル体とする工程3−1−2では、チオ酢酸塩としては、チオ酢酸ナトリウム、チオ酢酸カリウムを使用することができる。
工程3−1−3において、チオ酢酸エステル体を還元してメルカプト基に変換する工程としては、一般的に行われている還元反応を使用することができる。還元剤としては、水素、水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化ジイソブチルアルミニウムなどを使用することができる。還元反応において、還元触媒を使用することもできる。還元触媒としてはニッケル、パラジウム、白金、金、銅、コバルト、ロジウム、鉄、ルテニウムなどの金属およびこれら金属の硝酸塩、塩化物、有機酸塩などの化合物をそのままあるいは担体に担持させた状態で用いることができる。
工程3−2は、下記の2つの工程を含む。
(1)水酸基とチオ尿素を反応させることによりイソチオウレア誘導体とする工程3−2−1、および
(2)イソチオウレア誘導体を塩基と反応させた後、酸と反応させてメルカプト基に変換する工程3−2−2。
(1)水酸基とチオ尿素を反応させることによりイソチオウレア誘導体とする工程3−2−1、および
(2)イソチオウレア誘導体を塩基と反応させた後、酸と反応させてメルカプト基に変換する工程3−2−2。
工程3−2−1において、水酸基とチオ尿素を反応させることによりイソチオウレア誘導体とする工程では、チオ尿素を反応させる際に酸を添加することができる。添加する酸としては、硫酸、塩酸、臭化水素酸などを使用することができる。
[III]エポキシ樹脂組成物
本発明のエポキシ樹脂組成物は、主剤となる多価エポキシ化合物であるエポキシ樹脂(A)および上記エポキシ樹脂硬化剤(B)を含有し、さらに硬化助剤(C)を含有することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、主剤となる多価エポキシ化合物であるエポキシ樹脂(A)および上記エポキシ樹脂硬化剤(B)を含有し、さらに硬化助剤(C)を含有することができる。
エポキシ樹脂(A)の具体例としては、ビスフェノールA、ハロゲン化ビスフェノールA、ビスフェノールF、ハロゲン化ビスフェノールF、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロカテコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、1,5−ヒドロキシナフタレン等の多価フェノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコールおよびオキシ安息香酸、フタル酸等の方香族ジカルボン酸にエピクロロヒドリンを付加させて得られるエポキシ村脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。エポキシ樹脂(A)としては、特に多価アルコールのグリシジルエーテル化合物が好適である。
市販されているエポキシ樹脂製品として、例えば、ジャパンエポキシレジン(株)製のエピコート(登録商標)828、1001、801、806、807、152、604、630、871、YX8000、YX8034、YX4000、カージュラE10P、大日本インキ化学工業(株)製のエピクロン(登録商標)830、835LV、HP4032D、703、720、726、HP820、(株)ADEKA製のEP4100、EP4000、EP4080、EP4085、EP4088、EPU6、EPR4023、EPR1309、EP49−20、ナガセケムテックス(株)製デナコールEX411、EX314、EX201、EX212、EX252、EX111、EX146、EX721、信越化学工業(株)製KBM403、KBE402等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらはそれぞれ1種単独で用いることも、2種以上を任意の割合で組み合わせて用いることもできる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂硬化剤(B)との硬化反応を促進させるために、硬化助剤(C)を加えることができる。
硬化助剤(C)としては、塩基性化合物を用いることができる。塩基性化合物の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、テトラエチルメチレンジアミン、テトラメチルプロパン−1,3−ジアミン、テトラメチアレヘキサン−1,6−ジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ペンタメチルジプロピレントリアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、エチレングリコール(3−ジメチル)アミノプロピルエーテル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルアミノメチルフェノール、N,N−ジメチルプロピアレアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N−メチルピペリジン、N,N’−ジメチルピペラジン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ジメチルアミノメチルフェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−ノネン−5、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−ウンデセン−7、1,2−ジメチルイミダゾール、ジメチルピペラジン、N−メチル−N’−(2−ジメチルアミノ)−エチルピペラジン、N−メチルモルホリン、N−(N’,N’−ジメチルアミノ)エチル)モルホリン、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、トリエチレンジアミン、およびヘキサメチレンテトラミン等が挙げられる。これらの中でも3級アミンが好ましく、N,N−ジメチルベンジルアミン、および2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールが特に好ましい。これらは1種単独で用いることも、2種以上を任意の割合で組み合わせて用いることもできる。
硬化助剤(C)としては、リン原子含有化合物を用いることもできる。リン原子含有化合物の具体例としては、エチルホスフィン、フェニルホスフィン、ジメチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(p−トリル)ホスフィン、トリス(アルキルフェニル)ホスフィン、トリス(アルコキシフェニル)ホスフィン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリフェニル、リン酸トリアルキル、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、および1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは1種単独で用いることも、2種以上を任意の割合で組み合わせて用いることもできる。
市販されている硬化助剤製品として、例えば、ジャパンエポキシレジン(株)製エピキュア(登録商標)3010、四国化成工業(株)製のイミダゾール化合物2PZ、2PHZ、2P4MHZ、C17Z、2MZ−A、2E4MZ−CNS、2MA−OK、味の素ファインテクノ(株)製アミキュア(登録商標)PN23、PN31、PN40J、PN−H、MY24、MY−H、(株)ADEKA製EH−3293S、EH−3366S、EH−3615S、EH−4070S、EH−4342S、EH−3731S、旭化成ケミカルズ(株)製ノバキュア(登録商標)HX−3742、HX−3721、富士化成工業(株)製FXE−1000、FXR−1030、FXR−1080、FXR−1110等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明のエポキシ樹脂組成物におけるエポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、および硬化助剤(C)の配合量は特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜決定できる。エポキシ樹脂(A)の使用量は、硬化剤(B)のチオール基lmolに対して、好ましくはエポキシ基0.6〜1.7molであり、より好ましくはエポキシ基0.7〜1.5molであり、さらに好ましくは0.7〜1.3molである。
硬化助剤(C)の使用量は、硬化剤(B)100質量部に対して、好ましくは0.01〜15質量部であり、より好ましくは0.05〜10質量部であり、さらに好ましくは0.05〜5質量部である。硬化助剤の使用量が15質量部を超えると刺激臭が強くなり、作業性に劣る場合がある。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、必要に応じて、(a)熱可塑性樹脂、(b)脱臭剤、(c)シランカップリング剤、チタンカップリング剤等の密着性向上剤、(d)ヒンダードアミン類、ハイドロキノン類、ヒンダードフェノール類等の酸化防止剤、(e)ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、サリチル酸エステル類、金属錯塩類等の紫外線吸収剤、(f)金属石けん類、重金属(例えば亜鉛、錫、鉛、カドミウム等)の無機および有機塩類、有機錫化合物等の安定剤、(g)フタル酸エステル、リン酸エステル、脂肪酸エステル、エポキシ化大豆油、ひまし油、流動パラフィンアルキル多環芳香族炭化水素等の可塑剤、(h)パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワンクス、重合ワックス、密ロウ、鯨ロウ低分子量ポリオレフィン等のワックス類、(i)ベンジルアルコール、タール、ピチューメン等の非反応性希釈剤、(j)低分子脂肪族グリシジルエーテル、芳香族モノグリシジルエーテル等や(メタ)アクリレートエステル類等の反応性希釈剤、(k)炭酸カルシウム、カオリン、タルク、マイカ、ベントナイト、クレー、セリサイト、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ガラス粉、ガラスバルーン、シラスバルーン、石炭粉、アクリル樹脂粉、フェノール樹脂粉、金属粉末、セラミック粉末、ゼオライト、スレート粉等の充填剤、(l)カーボンブランク、酸化チタン、赤色酸化鉄、パラレッド、紺青等の顔料または染料、(m)酢酸エチル、トルエン、アルコール類、エーテル類、ケトン類等の溶剤、(n)発泡剤、(o)シランカップリング剤、モノイソシアネート化合物、カルボジイミド化合物等の脱水剤、(p)帯電防止剤、(q)抗菌剤、(r)防かび剤、(s)粘度調製剤、(t)香料、(u)難燃剤、(v)レベリング剤、(w)分散剤、および(x)ラジカル重合開始剤等を含有することができる。これらは1種単独で用いても、2種以上を任意の割合で組み合わせて用いることもできる。
本発明のエポキシ樹脂組成物の調製方法としては、用いられる材料を混合、分散できる方法であれば特に限定されず、例えば以下の方法が挙げられる。
(イ)ガラスビーカー、缶、プラスチックカップ、アルミカップ等の適当な容器中にて、撹拌棒、へら等により混練する。
(口)ダブルヘリカルリボン翼、ゲート翼等により混練する。
(ハ)プラネタリーミキサーにより混練する。
(二)ビーズミルにより混練する。
(ホ)3本ロールにより混練する。
(へ)エクストルーダー型混練押し出し機により混練する。
(イ)ガラスビーカー、缶、プラスチックカップ、アルミカップ等の適当な容器中にて、撹拌棒、へら等により混練する。
(口)ダブルヘリカルリボン翼、ゲート翼等により混練する。
(ハ)プラネタリーミキサーにより混練する。
(二)ビーズミルにより混練する。
(ホ)3本ロールにより混練する。
(へ)エクストルーダー型混練押し出し機により混練する。
本発明のエポキシ樹脂組成物の使用方法は特に限定されないが、例えば5〜40℃の常温、40〜200℃の高温条件のいずれでも使用することができる。温度が高い方が可使時間は短縮し、さらに硬化速度を速くできるため、短時間で硬化物を得ることができるが、着色等の懸念があるので、5〜100℃が好ましく、5〜40℃がより好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物およびその硬化物は、(a)重防食塗料、防食コーティング剤、塗り床用コーティング剤、外装用塗料、自動車用塗料、紛体塗料、プライマー等の塗料・コーティング剤、(b)構造用接着剤、弾性接着剤、溶剤型反応性接着剤、粘接着剤、感圧接着剤等の接着剤、(c)シーリング剤、(d)コンクリート用補修注入剤、(e)繊維強化積層物等の積層物用マトリクス樹脂、(f)注型絶縁材、半導体用封止剤、層間絶縁材、エッチングレジスト材、メンキレジスト、ノルダーレジスト等のエレクトロニクス用材料、(g)補修用パテ、および(h)その他含浸、注入、成型等に用いることができる。特に電子機器分野における封止剤として、好適に用いることができる。
以下、合成例、実施例および比較例に基づいて本発明を説明するが、本発明は下記の例により何ら制限されるものではない。なお、下記の例中、部および%はそれぞれ質量を基準とするものである。
合成例1:トリス(4−(3−メルカプトプロポキシ)フェニル)メタン(TP−T1)の合成
工程1:トリス(4−アリルフェニル)メタン(TP−Allyl)の合成
トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(東京化成(株)試薬)60.0g(0.21mol)、ジメチルスルホキシド200mlを1L容ナスフラスコに仕込み、内容物を窒素雰囲気下室温で撹拌した。原料が溶解後0℃に冷やしながら、50質量%水酸化ナトリウム水溶液27.1gを加え、さらにアリルブロミド82.0g(0.68mol)を15分かけて滴下し、室温に戻し45分間撹拌した。薄層クロマトグラフィーにて原料の消失を確認後、濃塩酸3mLを加え系を酸性とした。反応液を水、飽和食塩水にて順次洗浄し、有機層を酢酸エチルにて抽出・留去した。真空ポンプにて乾燥し、TP−Allylを得た。得られたTP−Allylは黄色液体であり、収量は78.5g、収率は93%であった。TP−Allylの組成式はC28H28O3、分子量は412.520である。
トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(東京化成(株)試薬)60.0g(0.21mol)、ジメチルスルホキシド200mlを1L容ナスフラスコに仕込み、内容物を窒素雰囲気下室温で撹拌した。原料が溶解後0℃に冷やしながら、50質量%水酸化ナトリウム水溶液27.1gを加え、さらにアリルブロミド82.0g(0.68mol)を15分かけて滴下し、室温に戻し45分間撹拌した。薄層クロマトグラフィーにて原料の消失を確認後、濃塩酸3mLを加え系を酸性とした。反応液を水、飽和食塩水にて順次洗浄し、有機層を酢酸エチルにて抽出・留去した。真空ポンプにて乾燥し、TP−Allylを得た。得られたTP−Allylは黄色液体であり、収量は78.5g、収率は93%であった。TP−Allylの組成式はC28H28O3、分子量は412.520である。
工程2−1:トリス(4−(1−(アセチルスルファニル)プロポキシ)フェニル)メタン(TP−SAc)の合成
TP−Allyl 10.0g(24mmol)、脱水テトラヒドロフラン100mL(安定化剤不含有)を4口300mL容ナスフラスコに仕込み、冷却管を装着後、窒素バブリングを行いながら80℃に加熱撹拌した。アゾビスイソブチロニトリル0.40g(2.4mmol)を1時間半以内に3回に分けて加えた。反応系とは別に、二口20mL容ナスフラスコに、チオ酢酸6.64g(87.3mmol)、脱水テトラヒドロフラン10mL(安定化剤不含有)を加え1時間半窒素バブリングを行い、チオ酢酸/テトラヒドロフラン溶液を調製した。アゾビスイソブチロニトリルを入れ終わってから2時間経過後、二口20mL容ナスフラスコで混合したチオ酢酸/テトラヒドロフラン溶液を1時間以内に3回に分けて滴下した。50時間加熱撹拌、その後3日間室温撹拌し、液体クロマトグラフィーにて原料および中間体の消失を確認した。反応液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、水酸化ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて順次洗浄、酢酸エチルにて有機層を抽出した。硫酸マグネシウムにて水分を除去した後、酢酸エチルを留去、真空ポンプで乾燥しTP−SAcを得た。得られたTP−SAcは黄色液体であり、収量は8.5g、収率は55%であった。TP−SAcの組成式はC34H40O6S3である。
TP−Allyl 10.0g(24mmol)、脱水テトラヒドロフラン100mL(安定化剤不含有)を4口300mL容ナスフラスコに仕込み、冷却管を装着後、窒素バブリングを行いながら80℃に加熱撹拌した。アゾビスイソブチロニトリル0.40g(2.4mmol)を1時間半以内に3回に分けて加えた。反応系とは別に、二口20mL容ナスフラスコに、チオ酢酸6.64g(87.3mmol)、脱水テトラヒドロフラン10mL(安定化剤不含有)を加え1時間半窒素バブリングを行い、チオ酢酸/テトラヒドロフラン溶液を調製した。アゾビスイソブチロニトリルを入れ終わってから2時間経過後、二口20mL容ナスフラスコで混合したチオ酢酸/テトラヒドロフラン溶液を1時間以内に3回に分けて滴下した。50時間加熱撹拌、その後3日間室温撹拌し、液体クロマトグラフィーにて原料および中間体の消失を確認した。反応液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、水酸化ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて順次洗浄、酢酸エチルにて有機層を抽出した。硫酸マグネシウムにて水分を除去した後、酢酸エチルを留去、真空ポンプで乾燥しTP−SAcを得た。得られたTP−SAcは黄色液体であり、収量は8.5g、収率は55%であった。TP−SAcの組成式はC34H40O6S3である。
工程2−2:トリス(4−(3−メルカプトプロポキシ)フェニル)メタン(TP−T1)の合成
TP−Allyl 60.0g(0.15mol)、脱水テトラヒドロフラン300mL(安定化剤不含有)を4口1L容ナスフラスコに仕込み、冷却管を装着後、窒素バブリングを行いながら80℃に加熱撹拌した。アゾビスイソブチロニトリル1.76g(10.7mmol)を添加後、撹拌を続けた。別途2口200mL容ナスフラスコにチオ酢酸36.7g(0.48mmol)と脱水テトラヒドロフラン(安定化剤不含有)を混合し窒素バブリングを2時間行った。アゾビスイソブチロニトリル添加から3時間半後、チオ酢酸/脱水テトラヒドロフラン溶液を30分かけて滴下した。滴下終了後、アゾビスイソブチロニトリル0.56g(3.8mmol)を添加した。液体クロマトグラフィーにて反応進行を確認しながら、アゾビスイソブチロニトリル4回(計1.29g)、チオ酢酸1回(3mL)を追加し、合計60時間、計15日間反応させた。
原料および中間体の消失を確認後、室温に戻しエタノール20mL、20質量%水酸化ナトリウム88.5gを加え80℃に加熱撹拌した。2時間後、飽和硫酸水素カリウム水溶液にて中和し、底に生成した沈殿物に水を加えて溶解させた。反応液を酢酸エチルにて抽出し、さらに飽和食塩水で洗浄した。この際、窒素を吹き込む等してなるべく空気に触れないようにした。抽出した有機層から酢酸エチルを留去し、真空ポンプにて乾燥し、TP−T1を得た。
TP−Allyl 60.0g(0.15mol)、脱水テトラヒドロフラン300mL(安定化剤不含有)を4口1L容ナスフラスコに仕込み、冷却管を装着後、窒素バブリングを行いながら80℃に加熱撹拌した。アゾビスイソブチロニトリル1.76g(10.7mmol)を添加後、撹拌を続けた。別途2口200mL容ナスフラスコにチオ酢酸36.7g(0.48mmol)と脱水テトラヒドロフラン(安定化剤不含有)を混合し窒素バブリングを2時間行った。アゾビスイソブチロニトリル添加から3時間半後、チオ酢酸/脱水テトラヒドロフラン溶液を30分かけて滴下した。滴下終了後、アゾビスイソブチロニトリル0.56g(3.8mmol)を添加した。液体クロマトグラフィーにて反応進行を確認しながら、アゾビスイソブチロニトリル4回(計1.29g)、チオ酢酸1回(3mL)を追加し、合計60時間、計15日間反応させた。
原料および中間体の消失を確認後、室温に戻しエタノール20mL、20質量%水酸化ナトリウム88.5gを加え80℃に加熱撹拌した。2時間後、飽和硫酸水素カリウム水溶液にて中和し、底に生成した沈殿物に水を加えて溶解させた。反応液を酢酸エチルにて抽出し、さらに飽和食塩水で洗浄した。この際、窒素を吹き込む等してなるべく空気に触れないようにした。抽出した有機層から酢酸エチルを留去し、真空ポンプにて乾燥し、TP−T1を得た。
構造分析:
(1)TP−T1
[1H−NMR]
TP−T1の1H−NMRチャートを図1に示した。1H−NMRはJEOL社製AL400を使用し、重クロロホルム中にて測定を行った。
1.37ppm:td;3H;チオール基の水素原子、
2.04ppm:tt;6H;9、9'、9''の炭素につく水素原子、
2.71ppm:t;6H;10、10'、10''の炭素につく水素原子、
4.03ppm:t;6H;8、8'、8''の炭素につく水素原子、
6.79ppm:d;6H;芳香環につく水素原子、
6.98ppm:d;6H;芳香環につく水素原子。
[13C−NMR]
TP−T1の13C−NMRチャートを図2に示した。13C−NMRは、JEOL社製AL400を使用し、重クロロホルム中にて測定を行った。
21.0ppm、33.0ppm:9、9'、9''、10、10'、10''の炭素原子、
54.0ppm:1の炭素原子、
113.7ppm、129.7ppm、136.4ppm:2、2'、2''、3、3'、3''、4,4'、4''、6,6'、6''、7,7'、7''の炭素原子、
156.6ppm:5,5'、5''の炭素原子。
(1)TP−T1
[1H−NMR]
TP−T1の1H−NMRチャートを図1に示した。1H−NMRはJEOL社製AL400を使用し、重クロロホルム中にて測定を行った。
2.04ppm:tt;6H;9、9'、9''の炭素につく水素原子、
2.71ppm:t;6H;10、10'、10''の炭素につく水素原子、
4.03ppm:t;6H;8、8'、8''の炭素につく水素原子、
6.79ppm:d;6H;芳香環につく水素原子、
6.98ppm:d;6H;芳香環につく水素原子。
[13C−NMR]
TP−T1の13C−NMRチャートを図2に示した。13C−NMRは、JEOL社製AL400を使用し、重クロロホルム中にて測定を行った。
21.0ppm、33.0ppm:9、9'、9''、10、10'、10''の炭素原子、
54.0ppm:1の炭素原子、
113.7ppm、129.7ppm、136.4ppm:2、2'、2''、3、3'、3''、4,4'、4''、6,6'、6''、7,7'、7''の炭素原子、
156.6ppm:5,5'、5''の炭素原子。
実施例1:
本発明の多官能チオール化合物とエポキシ樹脂を含む組成物を、硬化促進剤の存在下熱硬化させることにより硬化物を作成し、その耐水性および密着性について検討した。
[耐水性]
TP−T1 1.06gとエピコート(登録商標)828(ジャパンエポキシレジン(株)社製)0.50g、エピコート(登録商標)807(ジャパンエポキシレジン(株)社製)0.50g、2E4MZ(四国化成(株)社製、2−エチル−4−メチル−イミダゾール)0.02gを均一に混合した。この液を、離型剤ダイフリー(ダイキン工業(株)社製)を塗布した厚膜ガラス板にシリコンチューブを挟み、30mm×15mm×3mm程度の厚膜サンプルを作製し、オーブンで100℃、60分の条件で加熱硬化させた。硬化させたサンプルの周囲は、平滑になるようサンドペーパーで削り試験片とした。試験片を80℃のお湯に浸し、98℃のオイルバス内で7.5時間煮沸し、その後一晩水に浸したものを乾燥させ、浸漬前後の質量を比較した。結果を表1に示す。
[密着性]
耐水性の際と同じ組成にて、TP−T1、エポキシ樹脂、硬化促進剤を混合した。周囲4辺に5mm幅のイミドテープ2枚を張り重ねることで予め凸部を作製した80mm×30mmのガラスエポキシ樹脂基板の上に、混合した液を適量垂らし、ポリイミドフィルムを気泡が入らないように均一に伸ばした。オーブンで100℃、60分の条件で加熱硬化させた後、基板上のフィルムに縦方向に2.5mm幅の切り込みを入れ短冊状にした後、テンシロン((株)島津製作所社製、小型卓上試験機EZ−test)にて90度剥離試験を行った。引っ張りにより剥がれるか剥がれないかを評価対象とした。結果を表1に示す。
本発明の多官能チオール化合物とエポキシ樹脂を含む組成物を、硬化促進剤の存在下熱硬化させることにより硬化物を作成し、その耐水性および密着性について検討した。
[耐水性]
TP−T1 1.06gとエピコート(登録商標)828(ジャパンエポキシレジン(株)社製)0.50g、エピコート(登録商標)807(ジャパンエポキシレジン(株)社製)0.50g、2E4MZ(四国化成(株)社製、2−エチル−4−メチル−イミダゾール)0.02gを均一に混合した。この液を、離型剤ダイフリー(ダイキン工業(株)社製)を塗布した厚膜ガラス板にシリコンチューブを挟み、30mm×15mm×3mm程度の厚膜サンプルを作製し、オーブンで100℃、60分の条件で加熱硬化させた。硬化させたサンプルの周囲は、平滑になるようサンドペーパーで削り試験片とした。試験片を80℃のお湯に浸し、98℃のオイルバス内で7.5時間煮沸し、その後一晩水に浸したものを乾燥させ、浸漬前後の質量を比較した。結果を表1に示す。
[密着性]
耐水性の際と同じ組成にて、TP−T1、エポキシ樹脂、硬化促進剤を混合した。周囲4辺に5mm幅のイミドテープ2枚を張り重ねることで予め凸部を作製した80mm×30mmのガラスエポキシ樹脂基板の上に、混合した液を適量垂らし、ポリイミドフィルムを気泡が入らないように均一に伸ばした。オーブンで100℃、60分の条件で加熱硬化させた後、基板上のフィルムに縦方向に2.5mm幅の切り込みを入れ短冊状にした後、テンシロン((株)島津製作所社製、小型卓上試験機EZ−test)にて90度剥離試験を行った。引っ張りにより剥がれるか剥がれないかを評価対象とした。結果を表1に示す。
比較例1〜3:
[耐水性]
エピコート(登録商標)828 0.50g、エピコート(登録商標)807 0.50gと、それぞれ酸無水物 YH306(ジャパンエポキシレジン(株)社製、商品名「エピキュア(登録商標)YH−306」)0.67gと2E4MZ 0.02g(比較例1)、アミン PN−23(味の素ファインテクノ(株)社製、商品名「アミキュア(登録商標)PN−23」)0.15g(比較例2)、PE1(昭和電工(株)製,ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート),商品名「カレンズ(登録商標)PE1」)0.80gと2E4MZ 0.02g(比較例3)を混合した液体を用いた他は、実施例1と同様の操作により耐水性試験を行った。結果を表1に示す。
[密着性]
実施例1と同様の操作にて、各種硬化剤において90度剥離試験を行った。結果を表1に示す。
[耐水性]
エピコート(登録商標)828 0.50g、エピコート(登録商標)807 0.50gと、それぞれ酸無水物 YH306(ジャパンエポキシレジン(株)社製、商品名「エピキュア(登録商標)YH−306」)0.67gと2E4MZ 0.02g(比較例1)、アミン PN−23(味の素ファインテクノ(株)社製、商品名「アミキュア(登録商標)PN−23」)0.15g(比較例2)、PE1(昭和電工(株)製,ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート),商品名「カレンズ(登録商標)PE1」)0.80gと2E4MZ 0.02g(比較例3)を混合した液体を用いた他は、実施例1と同様の操作により耐水性試験を行った。結果を表1に示す。
[密着性]
実施例1と同様の操作にて、各種硬化剤において90度剥離試験を行った。結果を表1に示す。
本発明の芳香族骨格を有するエーテル系多官能チオール化合物を硬化剤として用いたエポキシ樹脂組成物は、耐水性、密着性、低温硬化性、速硬化性などの諸特性に優れることから、封止剤の用途において有用であり、特に電子機器分野において好適に用いることができる。
Claims (10)
- 前記一般式(1)において、a=1、b=3である請求項1に記載のエポキシ樹脂硬化剤。
- 前記一般式(1)において、R1が単結合または主鎖の炭素数1または2の直鎖状または分岐状のアルキレン基である請求項1に記載のエポキシ樹脂硬化剤。
- 前記一般式(1)において、c=0である請求項1に記載のエポキシ樹脂硬化剤。
- 前記式(1)で示される化合物が、トリス(4−(3−メルカプトプロポキシ)フェニル)メタン、1,1,1−トリス(4−(3−メルカプトプロポキシ)フェニル)エタン、テトラキス(4−(3−メルカプトプロポキシ)フェニル)メタン、トリス(4−(2−メルカプトプロポキシ)フェニル)メタン、1,1,1−トリス(4−(2−メルカプトプロポキシ)フェニル)エタン、テトラキス(4−(2−メルカプトプロポキシ)フェニル)メタン、ビス(4−(2−メルカプトブトキシ)フェニル)メタン、またはトリス(4−(2−メルカプトブトキシ)フェニル)メタンである請求項1に記載のエポキシ樹脂硬化剤。
- 多価エポキシ化合物と、請求項1〜5のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂硬化剤を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
- 多価エポキシ化合物が、多価アルコールのグリシジルエーテル化合物である請求項6に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 硬化助剤を含有する請求項6または7に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項6〜8のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物からなることを特徴とする封止剤。
- 請求項6〜8のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
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