JP2015140394A - イミダゾール化合物、エポキシ樹脂の硬化剤およびエポキシ樹脂組成物 - Google Patents

イミダゾール化合物、エポキシ樹脂の硬化剤およびエポキシ樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】エポキシ樹脂やエポキシ樹脂の希釈に使用される有機溶剤への溶解性を高めた新規なイミダゾール化合物、前記化合物を配合したエポキシ樹脂の硬化剤およびエポキシ樹脂組成物の提供。
【解決手段】化学式(I)で示されるイミダゾール化合物。
Figure 2015140394

(R1〜Rは同一または異なって、H、Cが1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基又はヒドロキシメチル基;YはCが3〜20のアルキレン基又は二価のアラルキル基)
【選択図】なし

Description

本発明は、イミダゾール化合物、該イミダゾール化合物を成分とするエポキシ樹脂の硬化剤および該イミダゾール化合物を配合したエポキシ樹脂組成物に関するものである。
エポキシ樹脂の硬化剤または硬化促進剤(以下、両者を併せて硬化剤と云うことがある)として、種々のタイプのイミダゾール化合物の利用が提案されている。その中でも、化学式(II)および化学式(III)で示される、アミノ基が結合したトリアジン環を分子内に有するイミダゾール化合物は、エポキシ樹脂の硬化剤としてだけではなく、硬化物と金属との密着性を向上させる密着性付与剤としても有用であることが知られている。
これは、該トリアジン環が、銅や銀等の金属と配位することに起因すると考えられている(非特許文献1、特許文献1〜3)。しかしながら、このようなイミダゾール化合物は、高い結晶性の為に、エポキシ樹脂やエポキシ樹脂の希釈に使用される有機溶剤への溶解性(相溶性)に乏しいと云う難点があった。
Figure 2015140394
Figure 2015140394
電子情報通信学会論文誌 C, Vol.J69-C, No.1,126-130頁(1986年)
特公昭62−53531号公報 特公昭63−54300号公報 特公平1−19834号公報
本発明は、エポキシ樹脂やエポキシ樹脂の希釈に使用される有機溶剤への溶解性(相溶性)に優れた新規なイミダゾール化合物、これを成分とするエポキシ樹脂の硬化剤および、これを配合したエポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記の課題を解決しようと鋭意研究を重ねた結果、化学式(I)で示されるイミダゾール化合物が所期の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
即ち、第1の発明は、化学式(I)で示されるイミダゾール化合物である。
第2の発明は、第1の発明のイミダゾール化合物を成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂の硬化剤である。
第3の発明は、第1の発明のイミダゾール化合物を配合したことを特徴とするエポキシ樹脂組成物である。
Figure 2015140394
(R1、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、炭素数が1から20のアルキル基、アルケニル基、アリール基またはヒドロキシメチル基を表し、Yは、炭素数が3から20のアルキレン基または二価のアラルキル基を表す。)
本発明のイミダゾール化合物は、エポキシ樹脂の希釈に使用される有機溶剤への溶解性に優れ、且つ、該イミダゾール化合物を硬化剤として配合したエポキシ樹脂組成物の硬化物は、銅や銀等の金属との密着性に優れる。
従って、本発明のイミダゾール化合物および、これを配合したエポキシ樹脂組成物は、プリント配線板や電気・電子部品における接続材、成形材、封止材、接着剤、塗料等として、またはこれらの原料として好適なものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のイミダゾール化合物は、前記の化学式(I)で示される新規なイミダゾール化合物である。
なお、本発明におけるエポキシ樹脂の硬化剤には、硬化剤本来の機能と共に、他の物質を硬化剤として使用した場合に併用し得る硬化促進剤(硬化触媒、硬化助剤)の機能も包含されるものとする。
前記の化学式(I)で示されるイミダゾール化合物としては、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)プロピルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)プロピル−2−メチルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)プロピル−2−ウンデシルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)プロピル−2−ヘプタデシルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)プロピル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)プロピル−2−フェニルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)プロピル−2−フェニル−4−メチルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)プロピル−2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)プロピル−2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ブチルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ブチル−2−メチルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ブチル−2−ウンデシルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ブチル−2−ヘプタデシルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ブチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ブチル−2−フェニルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ブチル−2−フェニル−4−メチルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ブチル−2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ブチル−2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ペンチルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ペンチル−2−メチルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ペンチル−2−ウンデシルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ペンチル−2−ヘプタデシルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ペンチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ペンチル−2−フェニルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ペンチル−2−フェニル−4−メチルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ペンチル−2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ペンチル−2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ヘキシルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ヘキシル−2−メチルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ヘキシル−2−ウンデシルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ヘキシル−2−ヘプタデシルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ヘキシル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ヘキシル−2−フェニルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ヘキシル−2−フェニル−4−メチルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ヘキシル−2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ヘキシル−2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ヘプチルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ヘプチル−2−メチルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ヘプチル−2−ウンデシルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ヘプチル−2−ヘプタデシルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ヘプチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ヘプチル−2−フェニルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ヘプチル−2−フェニル−4−メチルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ヘプチル−2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、
1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ヘプチル−2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール
等を例示することができる。
本発明のイミダゾール化合物は、化学式(IV)で示されるイミダゾール化合物と、化学式(V)で示されるニトリル基を有するハロゲン化合物を、塩基存在下において反応させることにより(工程1)、化学式(VI)で示されるイミダゾール化合物を中間物として得て、続いて、このイミダゾール化合物とジシアンジアミドを、塩基存在下において反応させることにより(工程2)、合成される(反応スキーム(A)参照)。
Figure 2015140394
(R1、R、RおよびYは、前記と同様である。Xは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。)
工程1の反応において使用される、化学式(IV)で示されるイミダゾールとしては、
イミダゾール、
2−メチルイミダゾール、
2−ウンデシルイミダゾール、
2−ヘプタデシルイミダゾール、
2−エチル−4−メチルイミダゾール、
2−フェニルイミダゾール、
2−フェニル−4−メチルイミダゾール、
2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、
2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール
等を例示することができる。
同じく、化学式(V)で示される、ニトリル基を有するハロゲン化合物としては、
4−クロロブチロニトリル、
4−ブロモブチロニトリル、
4−ヨードブチロニトリル、
5−クロロバレロニトリル、
5−ブロモバレロニトリル、
5−ヨードバレロニトリル、
6−クロロヘキサンニトリル、
6−ブロモヘキサンニトリル、
6−ヨードヘキサンニトリル、
7−クロロヘプタンニトリル、
7−ブロモヘプタンニトリル、
7−ヨードヘプタンニトリル、
8−クロロオクタンニトリル、
8−ブロモオクタンニトリル、
8−ヨードオクタンニトリル
等を例示することができる。
このニトリル基を有するハロゲン化合物の使用量(仕込量)は、化学式(IV)で示されるイミダゾール化合物の使用量(仕込量)に対して、0.5〜20.0倍モルの割合であることが好ましく、1.0〜3.0倍モルの割合であることがより好ましい。
工程1の反応において使用される塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムブトキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウム等を例示することができる。
塩基の使用量(仕込量)は、化学式(IV)で示されるイミダゾール化合物の使用量(仕込量)に対して、0.5〜20.0倍モルの割合であることが好ましく、1.0〜3.0倍モルの割合であることがより好ましい。
同じく溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤や、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶剤を例示することができる。
工程1の反応における反応温度については、室温〜150℃の範囲内で適宜設定することができる。また、反応時間については、設定した反応温度に応じて決定されるが、0.5〜24時間とすることが好ましく、1〜12時間とすることがより好ましい。
工程1の反応において生成する、化学式(VI)で示されるイミダゾール化合物は、抽出、再結晶、蒸留、カラム精製等の操作により単離することができる。
工程2の反応において使用されるジシアンジアミドの使用量(仕込量)は、化学式(VI)で示されるイミダゾール化合物の使用量(仕込量)に対して、0.5〜20.0倍モルの割合であることが好ましく、1.0〜3.0倍モルの割合であることがより好ましい。
同じく塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムブトキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウム等を例示することができる。
この塩基の使用量(仕込量)は、化学式(VI)で示されるイミダゾール化合物の使用量(仕込量)に対して、0.5〜20.0倍モルの割合であることが好ましく、1.0〜3.0倍モルの割合であることがより好ましい。
工程2の反応において使用される溶媒としては、メタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤や、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶剤を例示することができる。
工程2の反応における反応温度については、室温〜150℃の範囲内で適宜設定することができる。また、反応時間については、設定した反応温度に応じて決定されるが、1〜48時間とすることが好ましく、3〜24時間とすることがより好ましい。
工程2の反応において生成した化学式(I)で示されるイミダゾール化合物、即ち、本発明のイミダゾール化合物は、抽出、再結晶、蒸留、カラム精製等の操作により単離することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を調製するに当たって使用されるエポキシ樹脂(注:硬化前のエポキシ化合物を指す)としては、分子内にグリシジル基(エポキシ基)を有するものであればよく、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
ビスフェノールF型エポキシ樹脂、
フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、
脂環式エポキシ樹脂、
3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートのような脂環式エポキシ樹脂、
トリグリシジルイソシアヌレート、ヒダントイン型エポキシ樹脂等の含窒素環状エポキシ樹脂、
水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
脂肪族系エポキシ樹脂、
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、
ビスフェノールS型エポキシ樹脂、
ビフェニル型エポキシ樹脂、
ジシクロ環型エポキシ樹脂、
ナフタレン型エポキシ樹脂や、
ハロゲン化エポキシ樹脂などの他、
炭素−炭素二重結合およびグリシジル基を有する有機化合物と、SiH基を有するケイ素化合物とのヒドロシリル化付加反応によるエポキシ変性オルガノポリシロキサン化合物(例えば、特開2004−99751号公報や特開2006−282988号公報に開示されたエポキシ変性オルガノポリシロキサン化合物)を例示することができる。
これらのエポキシ樹脂は単独で使用してもよいが、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物の調製に当たっては、本発明のイミダゾール化合物を硬化剤として、前述のエポキシ樹脂100重量部に対し、0.002〜50重量部の割合で配合することが好ましく、0.01〜35重量部の割合で配合することがより好ましい。
同じく、本発明のイミダゾール化合物と共に、公知の硬化剤や同硬化促進剤を併用してもよい。その場合、公知の硬化剤や同硬化促進剤は、本発明のイミダゾール化合物の配合重量に対して、0.01〜100倍量の割合で配合することができる。
前記の公知の硬化剤としては、
フェノール性水酸基を有する化合物、
酸無水物や
アミン類の他、
メルカプトプロピオン酸エステル、エポキシ樹脂末端メルカプト化合物等のメルカプタン化合物、
トリフェニルホスフィン、ジフェニルナフチルホスフィン、ジフェニルエチルホスフィン等の有機ホスフィン系化合物、
芳香族ホスホニウム塩、
芳香族ジアゾニウム塩、
芳香族ヨードニウム塩、
芳香族セレニウム塩等を例示することができる。
前記のフェノール性水酸基を有する化合物としては、
ビスフェノールA、
ビスフェノールF、
ビスフェノールS、
テトラメチルビスフェノールA、
テトラメチルビスフェノールF、
テトラメチルビスフェノールS、
テトラクロロビスフェノールA、
テトラブロモビスフェノールA、
ジヒドロキシナフタレン、
フェノールノボラック、
クレゾールノボラック、
ビスフェノールAノボラック、
臭素化フェノールノボラック、
レゾルシノール等が挙げられる。
前記の酸無水物としては、
メチルテトラヒドロ無水フタル酸、
メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、
ヘキサヒドロ無水フタル酸、
5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、
無水トリメリット酸、
ナジック酸無水物、
ハイミック酸無水物、
メチルナジック酸無水物、
メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、
メチルノルボルナン−2,3−ジカルボン酸等を例示することができる。
前記のアミン類としては、
ジエチレンジアミン、
トリエチレンテトラミン、
ヘキサメチレンジアミン、
ダイマー酸変性エチレンジアミン、
4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、
4,4’−ジアミノジフェノールエーテル、
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等や、
2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール化合物を例示することができる。
また、前記の硬化促進剤としては、
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等のアミン化合物、
2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール化合物、
トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン化合物、
テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムジエチルホスホロジチオネート等のホスホニウム化合物、
テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、2−メチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩、
酢酸鉛、オクチル酸錫、ヘキサン酸コバルト等の脂肪族酸金属塩を例示することができる。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、例えば、石英ガラス粉末、結晶性シリカ、ガラス繊維、タルク、アルミナ、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、マグネシア等の充填剤を、エポキシ樹脂組成物全体に対して、0.01〜80重量%の割合で配合することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、その調製方法に特に制限がなく、前述の各成分を所定量計り取って撹拌混合することにより調製される。例えば、予備混合の後、ロール混練機、ニーダーや押出機等を用いて、混合あるいは溶融混練することにより調製することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、その硬化方法に特に制限がなく、密閉式硬化炉や連続硬化が可能なトンネル炉等の公知の硬化装置を採用することができる。加熱源についても特に制限はなく、熱風循環、赤外線加熱、高周波加熱等、従来公知の方法を採用することができる。なお、硬化温度および硬化時間は、適宜設定すればよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、使用する用途に特に制限がなく、材質が樹脂であってよい様々な分野の製品に適用可能であり、電気・電子材料用途、建築用途、土木用途、自動車用途、医療材料用途等に広く使用できる。
例えば、電気・電子材料用途における例としては、接着剤、シール材、封止材、絶縁材料、熱伝導性材料、ホットメルト材料、塗料、ポッティング剤等が挙げられるが、より具体的には、プリント配線基板、層間絶縁膜、配線被覆膜等の電子部品の封止材料や層形成材料、カラーフィルター、フレキシブルディスプレイ用フィルム、レジスト材料、配向膜等の表示装置の形成材料、レジスト材料、バッファーコート膜等の半導体装置の形成材料、ホログラム、光導波路、光回路、光回路部品、反射防止膜等の光学部品の形成材料が挙げられる。
また、建築用途における材料の例としては、各種金属パネル・サイディングボード等の外装材の目地用シール材、コーティング材、プライマー等、外装材・下地材・天井材と内装材の間に使用するシール材、接着剤、注入材、制振材、防音材、電磁波遮蔽用導電性材料、パテ材等、外壁材・下地材へのタイル・石材接着用の接着剤、各種床への木質フローリング材・高分子材料系床シート・床タイル接着用の接着剤、粘着剤等、各種外装材・内装材のクラック補修用注入材等が挙げられる。
土木用途における材料の例としては、道路・橋梁・トンネル・防波堤・各種コンクリート製品の目地用シール材、コーティング材、プライマー、塗料、パテ材、注入材、吹付材、型取材等が挙げられる。
自動車用途における材料の例としては、自動車ボディーのシール材、コーティング材、緩衝材、制振材、防音材、吹付材等、自動車内装用の接着剤、粘着材、コーティング材、発泡材等、自動車部品のシール材、接着剤等、トラック・バス等の各種鋼板継ぎ目用のシール材、接着剤、コーティング材等が挙げられ、医療材料用途における例としては、医療用ゴム材料、医療用粘着剤、医療機器シール材等が挙げられる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において使用した主原料は、次のとおりである。
[主原料]
・2−ウンデシルイミダゾール(四国化成工業社製、製品名「C11Z」)
・5−クロロバレロニトリル(東京化成工業社製)
・ジシアンジアミド(同上)
・1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)エチル−2−メチルイミダゾール(四国化成工業社製、製品名「2MZ−A」、前記の化学式(II)参照)
・1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)エチル−2−ウンデシルイミダゾール(四国化成工業社製、製品名「C11Z−A」、前記の化学式(III)参照)
〔実施例1〕
<1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)ブチル−2−ウンデシルイミダゾールの合成>
100mLフラスコに、2−ウンデシルイミダゾール4.45g(20.0mmol)、およびN,N−ジメチルホルムアミド20mLを投入して、反応液を調製した。この反応液に水素化ナトリウム(純度60%)800mg(20.0mmol)を添加し、氷冷下にて1時間攪拌した。
次いで、5−クロロバレロニトリル2.47g(21.0mmol)を添加し、室温下にて12時間攪拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮した後、水20mLを添加し、ジクロロメタン20mLを使用して有機層を抽出した。得られた有機層を減圧下にて濃縮することにより、1−シアノブチル−2−ウンデシルイミダゾール5.95gを得た。
続いて、100mLフラスコに、1−シアノブチル−2−ウンデシルイミダゾール5.95g(19.6mmol)、ジシアンジアミド1.65g(19.6mmol)、水酸化カリウム(純度85%)132mg(2.0mmol)およびイソプロパノール10mLを投入して、反応液を調製した。この反応液を100℃にて12時間攪拌した後、室温まで冷却し、析出した結晶をろ過操作により単離した。得られた結晶を60℃にて終夜乾燥し、白色結晶6.60g(収率85%)を得た。
得られた結晶の融点およびH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
・融点:163.8〜165.8℃
1H-NMR(d6-DMSO)
δ:7.00 (s, 1H), 6.72 (s, 1H), 6.54 (br, 4H), 3.85 (t,
2H), 2.55 (t, 2H), 2.32 (t, 2H), 1.58-1.69 (m, 6H), 1.24-1.27 (m, 16H), 0.85
(t, 3H).

また、この結晶のIRスペクトルデータは、図1に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた結晶は、化学式(I−1)で示される標題のイミダゾール化合物であるものと同定した。
Figure 2015140394
〔実施例2〕
<有機溶剤に対する溶解性の評価>
実施例1において合成したイミダゾール化合物と、1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)エチル−2−メチルイミダゾール(以下、2MZ−Aと云う)および1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)エチル−2−ウンデシルイミダゾール(以下、C11Z−Aと云う)について、種々の有機溶剤に対する溶解性を評価した(試験番号1〜3)。
評価試験の操作手順は、以下のとおりである。
室温にて、イミダゾール化合物100mgと有機溶剤2mLを試験管に投入して攪拌し、有機溶剤に対するイミダゾール化合物の溶解性を目視にて観察した。
そして、イミダゾール化合物が室温にて完溶した場合を○と判定し、室温では完溶しないが70℃では完溶した場合を△と判定し、70℃でも完溶しない場合を×と判定した。
なお、有機溶剤として、メタノール、メチルエチルケトン(MEK)およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を使用した。
得られた試験結果は、表1に示したとおりであった。
Figure 2015140394
これらの試験結果によると、本発明のイミダゾール化合物は、2MZ−AおよびC11Z−Aに比べて、有機溶剤に対する溶解性が優れているものと認められる。
従って、本発明のイミダゾール化合物は、エポキシ樹脂への溶解性(相溶性)に優れていることが期待される。
〔実施例3〕
<エポキシ樹脂組成物の調製および接着性の評価>
エポキシ化合物として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、商品名:jER828)100重量部、フィラーとして、シリカ(エボニック社製、商品名:アエロジル300)4重量部、硬化剤として表2に示したイミダゾール化合物0.5重量部を計量し、自転公転ミキサー(シンキー社製、商品名:あわとり錬太郎)にて5分間攪拌混合し、1分間脱泡してエポキシ樹脂組成物を調製した(組成物1,2)。
これらの組成物を、各々、鋼板に均一に塗布し、60℃/4時間の条件にて加熱し、続いて150℃/4時間の条件にて加熱硬化させた後、引張せん断接着力を測定して(JIS
K6850)、鋼板に対する接着性(密着性)を評価した。
得られた試験結果は、表2に示したとおりであった。
Figure 2015140394
これらの試験結果によると、組成物1の硬化物は、組成物2の硬化物に比べて、鋼板に対する優れた接着性能を有しているものと認められる。
従って、本発明のイミダゾール化合物を硬化剤として配合したエポキシ樹脂組成物を、接着剤またはシール剤として使用した場合には、金属材料や無機材料に対する優れた接着力を発揮することが期待される。
実施例1で得られた結晶のIRスペクトルチャートである。
本発明のイミダゾール化合物および、これを配合したエポキシ樹脂組成物については、電子機器部材、特にモバイル機器等における、低温かつ短時間での硬化性、そして保存安定性が求められるプリント配線板や電気・電子部品における接続材、成形材、封止材、接着剤、塗料等として、または、それらの原料としての利用可能性が多大である。


Claims (3)

  1. 化学式(I)で示されるイミダゾール化合物。
    Figure 2015140394
    (R1、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、炭素数が1から20のアルキル基、アルケニル基、アリール基またはヒドロキシメチル基を表し、Yは、炭素数が3から20のアルキレン基または二価のアラルキル基を表す。)
  2. 請求項1記載のイミダゾール化合物を成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂の硬化剤。
  3. 請求項1記載のイミダゾール化合物を配合したことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
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