JP7039370B2 - イミダゾリルトリアジン化合物及びその利用 - Google Patents
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Description
このようなエポキシ樹脂は、種々のタイプのエポキシ化合物、硬化剤、硬化促進剤が、所望の用途や使い方に応じて、適宜選択され組み合わせられて配合された組成物として提供される。
二液型のエポキシ樹脂組成物は、室温(常温)ないし比較的低温において硬化させることができるが、エポキシ化合物と硬化剤や硬化促進剤との反応が進行する為に作り置きができず、使用前にエポキシ化合物と硬化剤や硬化促進剤とを混合する手間を要する。
従って、一液型のエポキシ樹脂組成物に配合される硬化剤や硬化促進剤(一液型のエポキシ樹脂組成物に配合する硬化剤と硬化促進剤を、各々潜在性硬化剤と潜在性硬化促進剤と云うことがある)には、室温において、エポキシ化合物と反応しない安定性が求められ、使用時に加熱された場合には、速やかに反応し、得られる硬化物に対しても、用途に応じて異なった種々の特性や性能が求められる。
特許文献1に記載された発明は、s-トリアジン誘導体及びそれを有効成分とするエストロジェン依存性疾患治療剤に関するものである。
この文献には、トリアジン環の2位にイミダゾール環が結合したイミダゾリルトリアジン化合物と、トリアジン環の2、4位に、イミダゾール環が結合したイミダゾリルトリアジン化合物が開示されている。
特許文献2に記載された発明は、トリスイミダゾリルトリアジンを含有するエポキシ樹脂もしくはエポキシ樹脂及びポリイソシアネートの混合物をベースとする硬化性組成物に関するものである。
この文献に開示されたトリスイミダゾリルトリアジンは、トリアジン環の2、4、6位に、イミダゾール環が結合したイミダゾリルトリアジン化合物であって、トリアジン環の2、4位に、イミダゾール環が結合したイミダゾリルトリアジン化合物は開示されていない。
また、本発明のイミダゾリルトリアジン化合物を硬化剤として使用したエポキシ樹脂組成物を提供し、更に、このエポキシ樹脂組成物を使用した接着剤、シール剤、封止材、ペースト剤およびフィルムを提供することにある。
R 2 は、同一または異なって、水素原子、炭素数1~20の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の、アルキル基または、炭素数2~20の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の、アルケニル基またはアルキニル基を表し、これらの基には、-O-、-NR 3 CO-、-S-、-SO-または-SO 2 -から選択される基が介在してもよく、-OH、-CONH 2 または-CNから選択される基が置換してもよい。但し、両方のR2が、同一または異なって、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基もしくはフェニル基である場合を除く。
R3は、水素原子、炭素数1~20の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の、アルキル基、アリール基または、炭素数2~20の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の、アルケニル基またはアルキニル基を表す。)
第2の発明は、第1の発明のイミダゾリルトリアジン化合物を成分とするエポキシ樹脂の硬化剤である。
第3の発明は、第1の発明のイミダゾリルトリアジン化合物を含有するエポキシ樹脂組成物である。
第4の発明は、第3の発明のエポキシ樹脂組成物からなる接着剤である。
第5の発明は、第3の発明のエポキシ樹脂組成物からなるシール剤である。
第6の発明は、第3の発明のエポキシ樹脂組成物からなる封止材である。
第7の発明は、第3の発明のエポキシ樹脂組成物からなるペースト剤である。
第8の発明は、第3の発明のエポキシ樹脂組成物からなるフィルムである。
本発明のイミダゾリルトリアジン化合物は、エポキシ化合物の硬化性を良好なものとし、従来の硬化剤を使用する場合に比べて、エポキシ樹脂組成物とした場合の、該組成物の保存安定性(保管安定性)が優れるので、一液型のエポキシ樹脂組成物の硬化剤としての利用が期待される。
また、本発明のイミダゾリルトリアジン化合物は、エポキシ化合物や、エポキシ化合物の溶解・希釈に使用される溶剤に易溶であるので、エポキシ化合物との、短時間で且つ均一な混合が可能となり、エポキシ樹脂組成物の製造時の作業性を高めることができる。
そして、得られるエポキシ樹脂組成物は、硬化剤がエポキシ化合物に溶解した均一な状態であるので、従来の粉末系(固形)の硬化剤が、エポキシ化合物中に分散した状態の組成物の場合とは異なって、保管時に硬化剤が沈降して、硬化剤の濃度が不均一になる惧れがない。
また、ガラスクロス等の基材と複合化する場合に、基材が重なって生じる狭小部位において、硬化剤が偏在することによる硬化不良の惧れもない。
化学式(I)で示されるイミダゾリルトリアジン化合物としては、例えば、化学式(I-1)~(I-17)で示されるイミダゾリルトリアジン化合物が挙げられる。
更に、必要により、水や有機溶剤等による洗浄や、活性炭処理、シリカゲルクロマトグラフィー等の手段を利用して精製することができる。
なお、本発明の硬化剤は、硬化剤本来の機能と共に、他の物質を硬化剤として使用した場合に併用し得る硬化促進剤(硬化触媒、硬化助剤)の機能も包含するものとする。即ち、本発明の硬化剤は、硬化促進剤の概念を包含する。
本発明のエポキシ樹脂組成物を調製するに当たって、原料として使用するエポキシ樹脂(注:硬化前のエポキシ化合物を指す)としては、分子内にグリシジル基(エポキシ基)を有するものであれば、特に制限なく使用可能であり、例えば、
ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、カテコール、レゾルシノール等の多価フェノールまたはグリセリンやポリエチレングリコール等の多価アルコールとエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエーテル類;
p-ヒドロキシ安息香酸、β-ヒドロキシナフトエ酸等のヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるグリシジルエーテルエステル類;
フタル酸、テレフタル酸等のポリカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエステル類;
1,3,4,6-テトラグリシジルグリコールウリル等の分子内に2つ以上のエポキシ基を有するグリシジルグリコールウリル化合物;
3′,4′-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等の環状脂環式エポキシ樹脂;
トリグリシジルイソシアヌレート、ヒダントイン型エポキシ樹脂等の含窒素環状エポキシ樹脂;
更に、エポキシ化フェノールノボラック樹脂、エポキシ化クレゾールノボラック樹脂、エポキシ化ポリオレフィン、環式脂肪族エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂の他、
炭素-炭素二重結合およびグリシジル基を有する有機化合物と、SiH基を有するケイ素化合物とのヒドロシリル化付加反応によるエポキシ変性オルガノポリシロキサン化合物(例えば、特開2004-99751号公報や特開2006-282988号公報に開示されたエポキシ変性オルガノポリシロキサン化合物)等が挙げられ、これらを組み合わせて使用してもよい。
フェノール性水酸基を有する化合物、酸無水物、アミン類、チオール類や、
トリフェニルホスフィン、ジフェニルナフチルホスフィン、ジフェニルエチルホスフィン等の有機ホスフィン系化合物の他、
芳香族ホスホニウム塩、
芳香族ジアゾニウム塩、
芳香族ヨードニウム塩、
芳香族セレニウム塩等が挙げられる。
メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、ナジック酸無水物、ハイミック酸無水物、メチルナジック酸無水物、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸無水物、メチルノルボルナン-2,3-ジカルボン酸無水物等が挙げられる。
4,4′-ジアミノジフェニルメタン、o-メチルアニリン等の芳香族アミン類;
2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾリン、2,4-ジメチルイミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン等の含窒素複素環化合物が挙げられ、その他、(i)エポキシ化合物とアミン類との反応生成物や、(ii)分子内に1つ以上のイソシアネート基を有する化合物と、分子内に少なくとも1つの第1級及び/又は第2級アミノ基を有する化合物との反応生成物等が挙げられ、これらを組み合わせて使用してもよい。
ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート等の単官能性エポキシ化合物等が挙げられる。
2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール等のイミダゾール化合物に代表される、分子内に第3級アミノ基を有する第1級または第2級アミン類や、
2-ジメチルアミノエタノール、1-メチル-2-ジメチルアミノエタノール、1-フェノキシメチル-2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、1-ブトキシメチル-2-ジメチルアミノエタノール、1-(2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル)-2-メチルイミダゾール、1-(2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル)-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-(2-ヒドロキシ-3-ブトキシプロピル)-2-メチルイミダゾール、1-(2-ヒドロキシ-3-ブトキシプロピル)-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-(2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル)-2-フェニルイミダゾリン、1-(2-ヒドロキシ-3-ブトキシプロピル)-2-メチルイミダゾリン、2-(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N-β-ヒドロキシエチルホルモリン、2-ジメチルアミノエタンチオール、2-メルカプトピリジン、2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール、4-メルカプトピリジン、N,N-ジメチルアミノ安息香酸、N,N-ジメチルグリシン、ニコチン酸、イソニコチン酸、ピコリン酸、N,N-ジメチルグリシンヒドラジド、N,N-ジメチルプロピオン酸ヒドラジド、ニコチン酸ヒドラジド、イソニコチン酸ヒドラジド等のような、分子内に第3級アミノ基を有するアルコール類、フェノール類、チオール類、カルボン酸類、ヒドラジド類等が挙げられる。
活性水素化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、フェノールノボラック樹脂等の多価フェノール類;
トリメチロールプロパン等の多価アルコール類;
アジピン酸、フタル酸等の多価カルボン酸類や、
1,2-ジメルカプトエタン、2-メルカプトエタノール、1-メルカプト-3-フェノキシ-2-プロパノール、メルカプト酢酸、アントラニル酸、乳酸等が挙げられる。
n-ブチルイソシアネート、イソプロピルイソシアネート、フェニルイソシアネート、ベンジルイソシアネート等の単官能イソシアネート化合物;
ヘキサメチレンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4′-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等の多官能イソシアネート化合物が挙げられる。
この酸性化合物としては、例えば、炭酸ガス、亜硫酸ガス、硫酸、塩酸、シュウ酸、リン酸、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、アジピン酸、カプロン酸、乳酸、琥珀酸、酒石酸、セバシン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、ホウ酸、タンニン酸、アルギン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、フェノール、ピロガロール、フェノール樹脂、レゾルシン樹脂等が挙げられる。
味の素ファインテクノ社製の「アミキュアPN-23(製品名)」、「アミキュアPN-H(製品名)」、「アミキュアMY-24(製品名)」、旭化成社製の「ノバキュアHX-3721(製品名)」、「ノバキュアHX-3742(製品名)」等が挙げられる。
ベンゼンジチオール、トルエンジチオール、キシレンジチオール(p-キシレンジチオール)等の芳香族チオール化合物;
化学式(IV)で示される1,4-ジチアン環含有ポリチオール化合物等の環状スルフィド化合物;
2,2′-チオジエタンチオール、4-メルカプトメチル-3,6-ジチア-1,8-オクタンジチオール等のメルカプトアルキルスルフィド化合物;
ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)等のメルカプトプロピオン酸エステル;
エポキシ樹脂末端メルカプト化合物;
3,6-ジオキサ-1,8-オクタンジチオール、化学式(V)で示されるメルカプトアルキルエーテルジスルフィド化合物、
2,2′-[[2,2-ビス[(2-メルカプトエトキシ)メチル]-1,3-プロパンジイル]ビス(オキシ)]ビスエタンチオール、
3,3′-[[2,2-ビス[(3-メルカプトプロポキシ)メチル]-1,3-プロパンジイル]ビス(オキシ)]ビス-1-プロパンチオール、
3-[2,2-ビス[(3-メルカプトプロポキシ)メチル]ブトキシ]-1-プロパンチオール、
3-(3-メルカプトプロポキシ)-2,2-ビス[(3-メルカプトプロポキシ)メチル]-1-プロパノール、
2,2-ビス[(3-メルカプトプロポキシ)メチル]-1-ブタノール等のメルカプトアルキルエーテル化合物や、
1,3,4,6-テトラキス(2-メルカプトエチル)グリコールウリル、
1,3,4,6-テトラキス(3-メルカプトプロピル)グリコールウリル等が挙げられ、これらを組み合わせて使用してもよい。
顔料(チタン白、シアニンブルー、ウォッチングレッド、ベンガラ、カーボンブラック、アニリンブラック、マンガンブルー、鉄黒、ウルトラマリンブルー、ハンザレッド、クロームイエロー、クロームグリーン等)、
無機充填剤(炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、マイカ、硫酸バリウム、リトポン、石コウ、ステアリン酸亜鉛、パーライト、石英、石英ガラス、溶融シリカ、球状シリカ等のシリカ粉等、球状アルミナ、破砕アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化チタン等の酸化物類、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の窒化物類、炭化ケイ素等の炭化物類、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物類、銅、銀、鉄、アルミニウム、ニッケル、チタン等の金属類や合金類、ダイヤモンド、カーボン等の炭素系材料等)、
熱可塑性樹脂及び又は熱硬化性樹脂(高密度、中密度、低密度の各種ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン等の単独重合体、エチレン-プロピレン共重合体、ナイロン-6、ナイロン-6,6等のポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、スチレン系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノール樹脂(フェノール化合物)、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、アクリルゴム、ウレタンゴムなどの各種エラストマー樹脂、メタクリル酸メチル-ブタジエン-スチレン系グラフト共重合体やアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン系グラフト共重合体などのグラフト共重合体、
補強剤(ガラス繊維、炭素繊維等)、
垂れ止め剤(水添ヒマシ油、微粒子無水硅酸等)、
艶消し剤(微粉シリカ、パラフィンワックス等)、
研削剤(ステアリン酸亜鉛等)、
内部離型剤(ステアリン酸等の脂肪酸、ステアリン酸カルシウムの脂肪酸金属塩、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス等)、
可撓性付与剤、酸化防止剤、界面活性剤、レベリング剤、消泡剤、粘度調整用希釈剤(有機溶剤)、カップリング剤、難燃化剤、香料等の添加剤(改質剤)を、エポキシ樹脂組成物全体(総量)に対して、0.001~500重量%の割合で含有してもよい。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物の保管中に、エポキシ樹脂組成物に含有している硬化剤成分が沈降することがないので、使用前に該組成物を撹拌・混合して、組成を均一にする手間も要しない。
シール剤の用途としては、例えば、各種金属パネル・サイディングボード等の外装材の目地用シール剤、外装材・下地材・天井材と内装材の間に使用するシール剤、道路・橋梁・トンネル・防波堤などの各種コンクリート製品の目地用シール材、自動車・航空機等の構造材、ボディーや部品のシール剤、鋼板継ぎ目用のシール剤、医療機器シール剤等が挙げられる。
封止材の用途としては、例えば、半導体用封止材、LED用封止材、太陽電池用封止材、リレー用封止材等が挙げられる。
ペースト剤の用途としては、例えば、導電性ペースト、非導電性接着ペースト(NCP)、異方性導電ペースト(ACP)、ダイボンドペースト等が挙げられる。
フィルムの用途としては、例えば、導電性フィルム、非導電性フィルム(NCF)、異方性導電フィルム(ACF)、太陽電池タブ線用はんだ代替材料(SCF)、ダイボンドフィルム(DAF)、ダイシングダイアタッチフィルム(DDAF)、導電性ダイボンドフィルム(CDAF)、フレキシブルディスプレイ用フィルム等が挙げられる。
カラーフィルター、レジスト材料、配向膜等の表示装置の形成材料;
レジスト材料、バッファーコート膜等の半導体装置の形成材料;
ホログラム、光導波路、光回路、光回路部品、反射防止膜等の光学部品の形成材料が挙げられる。
また、半導体実装用のリジッド配線板やフレキシブルプリント配線板の形成材料、半導体実装用装着材料、半導体用絶縁膜、フレキシブルプリント回路保護用カバーレイフィルム、配線被覆用コーティング剤等が挙げられる。
[主原料]
・2-ビス(2-エチルヘキシル)アミノ-4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジン(特開2015-93987号公報に記載の方法に準拠して合成した)
・2-メチルイミダゾール(四国化成工業社製、製品名:2MZ)
・2-エチル-4-メチルイミダゾール(四国化成工業社製、製品名:2E4MZ、以下「2E4MZ」と云うことがある)
・エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製、ビスフェノールA型、製品名:jER828、以下「jER828」と云うことがある)
・酸無水物系硬化剤(新日本理化社製、製品名:リカシッド MH-700、以下「リカシッド MH-700」と云うことがある)
エポキシ樹脂100gに対し、硬化剤として、本発明のイミダゾリルトリアジン化合物を20mmol(注1)の割合となるように混合して、エポキシ樹脂組成物を調製した。
このエポキシ樹脂組成物について、150℃におけるゲルタイムを、熱板法(「JIS C 2105」に準拠)にて測定した。
注1:分子中に2つのイミダゾール環を有する本発明のイミダゾリルトリアジン化合物に対して、2E4MZは、分子中に1つのイミダゾール環を有するので、40mmolとした。
エポキシ樹脂を100重量部、硬化剤としてリカシッド MH-700を79重量部と、本発明のイミダゾリルトリアジン化合物または2E4MZを1重量部の各割合で混合して、エポキシ樹脂組成物を調製した。
このエポキシ樹脂組成物について、150℃におけるゲルタイムを、試験管法(「JIS C 2105」に準拠)にて測定した。
イミダゾール硬化系におけるゲルタイムの測定に使用した組成のエポキシ樹脂組成物について、動的粘弾性装置(ユービーエム社製、製品名:Rheosol-G5000)を使用して、25℃における、調製直後の粘度(初期粘度)を測定し、この粘度に対して、2倍の粘度になるまでに要した時間(日数)を計測して、ポットライフとした。
酸無水物硬化系におけるゲルタイムの測定に使用した組成のエポキシ樹脂組成物について、動的粘弾性装置(同上)を使用して、25℃における、調製直後の初期粘度と、24時間後の粘度を各々測定し、初期粘度に対する24時間後の粘度の比率を、24時間保管増粘比とした。
<2-ビス(2-エチルヘキシル)アミノ-4,6-ビス(2-メチルイミダゾール-1-イル)-1,3,5-トリアジンの合成>
容量1000mlの4口ナスフラスコに、2-ビス(2-エチルヘキシル)アミノ-4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジン19.47g(50.0mmol)、2-メチルイミダゾール12.32g(150.0mmol)、炭酸ナトリウム15.90g(150.0mmol)、ジメチルホルムアミド150.0gを仕込み、40℃にて15時間撹拌した。
続いて、反応液にトルエン100.0gと水300.0gを加えた後、分液操作により取り出したトルエン層を濃縮した。
次いで、得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール=20/1(v/v))により精製し、15.86gの黄色液体を得た(収率:66.0%)。
・1H-NMR (d6-DMSO) δ:7.91(s, 2H), 6.94(s, 2H), 3.60(d, 4H), 2.75(s, 6H), 1.90(sep, 2H), 1.27(m, 16H), 0.86(t, 12H).
また、この黄色液体のIRスペクトルデータは、図1に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた黄色液体は、化学式(I-1)で示される表題のイミダゾリルトリアジン化合物であるものと同定した。
以下、このイミダゾリルトリアジン化合物を、イミダゾリルトリアジン化合物(実施例1)と云うことがある。
<2-ビス(2-エチルヘキシル)アミノ-4,6-ビス(2-エチル-4-メチルイミダゾール-1-イル)-1,3,5-トリアジンの合成>
2-メチルイミダゾールの代わりに、2-エチル-4-メチルイミダゾールを16.52g(150.0mmol)使用した以外は、実施例1の場合と同様にして、合成試験を行い、17.18gの黄色液体を得た(収率:64.0%)。
・1H-NMR (d6-DMSO) δ:7.60(s, 2H), 3.58(d, 4H), 3.17(q, 4H), 2.11(s, 6H), 1.88(sep, 2H), 1.27(m, 22H), 0.86(t, 12H).
また、この黄色液体のIRスペクトルデータは、図2に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた黄色液体は、化学式(I-2)で示される表題のイミダゾリルトリアジン化合物であるものと同定した。
以下、このイミダゾリルトリアジン化合物を、イミダゾリルトリアジン化合物(実施例2)と云うことがある。
エポキシ樹脂を100重量部、硬化剤として、イミダゾリルトリアジン化合物(実施例1)を9.6重量部の各割合で混合して、エポキシ樹脂組成物を調製した。
このエポキシ樹脂組成物について、評価試験(イミダゾール硬化系におけるゲルタイムの測定、ポットライフの測定)を行ったところ、得られた試験結果は表1に示したとおりであった。
実施例3の場合と同様にして、表1に示した組成を有するエポキシ樹脂組成物を調製し、それらについて評価試験を行ったところ、得られた試験結果は、表1に示したとおりであった。
エポキシ樹脂を100重量部、硬化剤として、リカシッド MH-700を79重量部と、イミダゾリルトリアジン化合物(実施例1)を1重量部の各割合で混合して、エポキシ樹脂組成物を調製した。
このエポキシ樹脂組成物について、評価試験(酸無水物硬化系でのゲルタイム測定、24時間保管増粘比の測定)を行ったところ、得られた試験結果は表2に示したとおりであった。
実施例5の場合と同様にして、表2に示した組成を有するエポキシ樹脂組成物を調製し、それらについて評価試験を行ったところ、得られた試験結果は、表2に示したとおりであった。
従って、本発明の産業上の利用可能性は多大である。
Claims (8)
- 化学式(I)で示されるイミダゾリルトリアジン化合物。
R 2 は、同一または異なって、水素原子、炭素数1~20の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の、アルキル基または、炭素数2~20の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の、アルケニル基またはアルキニル基を表し、これらの基には、-O-、-NR 3 CO-、-S-、-SO-または-SO 2 -から選択される基が介在してもよく、-OH、-CONH 2 または-CNから選択される基が置換してもよい。但し、両方のR2が、同一または異なって、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基もしくはフェニル基である場合を除く。
R3は、水素原子、炭素数1~20の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の、アルキル基、アリール基または、炭素数2~20の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の、アルケニル基またはアルキニル基を表す。) - 請求項1記載のイミダゾリルトリアジン化合物を成分とするエポキシ樹脂の硬化剤。
- 請求項1記載のイミダゾリルトリアジン化合物を含有するエポキシ樹脂組成物。
- 請求項3記載のエポキシ樹脂組成物からなる接着剤。
- 請求項3記載のエポキシ樹脂組成物からなるシール剤。
- 請求項3記載のエポキシ樹脂組成物からなる封止材。
- 請求項3記載のエポキシ樹脂組成物からなるペースト剤。
- 請求項3記載のエポキシ樹脂組成物からなるフィルム。
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