JP2019196322A - イミダゾリルトリアジン化合物及びその利用 - Google Patents

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琢磨 武田
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Abstract

【課題】新規なイミダゾリルトリアジン化合物と、この化合物をエポキシ化合物の硬化に使用する手段、即ち、エポキシ化合物の硬化剤を提供することを目的とする。また、本発明のイミダゾリルトリアジン化合物を硬化剤として使用したエポキシ樹脂組成物を提供し、更に、このエポキシ樹脂組成物を使用した接着剤、シール剤、封止材、ペースト剤およびフィルムを提供することを目的とする。【解決手段】化学式(I)で示されるイミダゾリルトリアジン化合物。(式中、R1は同一または異なって、1−エチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基を表し、R2は同一または異なって、水素原子、メチル基を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は、イミダゾリルトリアジン化合物及びその利用に関し、更に詳細には、該化合物と、該化合物を成分とするエポキシ樹脂の硬化剤および該化合物を含有するエポキシ樹脂組成物と、該組成物からなる接着剤、シール剤、封止材、ペースト剤およびフィルムに関する。
エポキシ樹脂は、優れた接着性や、耐熱性、耐薬品性、電気特性、機械特性を有しているところから、種々の基材へのコーティングに使用される塗料やインク、種々の基材の複合化に使用される接着剤やマトリクス材、また、種々の成形材料への利用等、様々な用途に使用されている。
このようなエポキシ樹脂は、種々のタイプのエポキシ化合物、硬化剤、硬化促進剤が、所望の用途や使い方に応じて、適宜選択され組み合わせられて配合された組成物(未硬化物)として提供される。
エポキシ樹脂組成物は、使用する直前に、エポキシ化合物と硬化剤や硬化促進剤とを混合して、調製される場合(二液型)と、特に時間に制約されずに、予め混合して調製される場合(一液型)に大別される。
二液型のエポキシ樹脂組成物は、室温(常温)ないし比較的低温において硬化させることができるが、エポキシ化合物と硬化剤や硬化促進剤との反応が進行する為に作り置きができず、使用前にエポキシ化合物と硬化剤や硬化促進剤とを混合する手間を要する。
一方、一液型のエポキシ樹脂組成物は、使用されるまでの期間、エポキシ化合物と硬化剤や硬化促進剤とが混合された状態で保管される。即ち、エポキシ化合物と硬化剤や硬化促進剤とが反応しない状態であることが求められる。
従って、一液型のエポキシ樹脂組成物に配合される硬化剤や硬化促進剤(一液型のエポキシ樹脂組成物に配合する硬化剤と硬化促進剤を、各々潜在性硬化剤と潜在性硬化促進剤と云うことがある)には、室温において、エポキシ化合物と反応しない安定性が求められ、使用時に加熱された場合には、速やかに反応し、得られる硬化物に対しても、用途に応じて異なった各種の特性や性能が求められる。
本発明に関連する従来技術について、文献を引用して以下に述べる。
特許文献1に記載された発明は、4,4′−メチレン−ビス−(2−エチル−5−メチルイミダゾール)、該化合物の製造方法及び該化合物を用いて硬化ないし硬化促進させる方法に関するものである。
特許文献2に記載された発明は、4,4′−メチレン−ビス−(2−ウンデシル−5−メチルイミダゾール)、該化合物の製造方法及び該化合物を用いて硬化ないし硬化促進させる方法に関するものである。
これらの文献には、2つのイミダゾール環がメチレン鎖を介して接続した2量体構造のイミダゾール化合物が開示され、一成分系(一液型と同義)エポキシ樹脂の潜在性硬化剤ないし潜在性硬化促進剤として有用とされている。
特許文献3に記載された発明は、環状イミダゾール化合物及びその合成方法に関するものである。
この文献には、3つまたは4つのイミダゾール環が、メチレン鎖を介して接続した、3量体構造もしくは4量体構造を有するイミダゾール化合物が開示され、ポリエポキシ樹脂の硬化剤あるいは硬化促進剤として有用とされている。
特許文献4に記載された発明は、トリスイミダゾリルトリアジンを含有するエポキシ樹脂もしくはエポキシ樹脂及びポリイソシアネートの混合物をベースとする硬化性組成物に関するものである。
この文献に開示されたトリスイミダゾリルトリアジン化合物は、3つのイミダゾール環がトリアジン環に結合した構造を有するものであり、「エポキシ樹脂もしくはエポキシ樹脂及びポリイソシアネートの混合物をベースとした組成物中に硬化剤もしくは補助硬化剤または促進剤として・・使用すると、特に低い温度に於いて良好な反応性、及び同時に組成物の良好な貯蔵安定性を示す(段落0007)」とされている。
特開昭59−190972号公報 特開昭60−100556号公報 特開平5−255336号公報 特開平6−73165号公報
本発明は、新規なイミダゾリルトリアジン化合物と、この化合物をエポキシ化合物の硬化に使用する手段、即ち、この化合物を成分とするエポキシ樹脂の硬化剤を提供することを目的とする。
また、本発明のイミダゾリルトリアジン化合物を硬化剤として使用したエポキシ樹脂組成物を提供し、更に、このエポキシ樹脂組成物を使用した接着剤、シール剤、封止材、ペースト剤およびフィルムを提供することにある。
本発明者らは、前記の課題を解決しようと鋭意研究を重ねた結果、化学式(I)で示されるイミダゾリルトリアジン化合物が所期の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
Figure 2019196322
(式中、Rは同一または異なって、1−エチルペンチル基もしくは2,4,4−トリメチルペンチル基を表し、Rは同一または異なって、水素原子もしくはメチル基を表す。)
即ち、第1の発明は、前記の化学式(I)で示されるイミダゾリルトリアジン化合物である。
第2の発明は、第1の発明のイミダゾリルトリアジン化合物を成分とするエポキシ樹脂の硬化剤である。
第3の発明は、第1の発明のイミダゾリルトリアジン化合物を含有するエポキシ樹脂組成物である。
第4の発明は、第3の発明のエポキシ樹脂組成物からなる接着剤である。
第5の発明は、第3の発明のエポキシ樹脂組成物からなるシール剤である。
第6の発明は、第3の発明のエポキシ樹脂組成物からなる封止材である。
第7の発明は、第3の発明のエポキシ樹脂組成物からなるペースト剤である。
第8の発明は、第3の発明のエポキシ樹脂組成物からなるフィルムである。
本発明のイミダゾリルトリアジン化合物は、エポキシ化合物の硬化剤として好適である。
本発明のイミダゾリルトリアジン化合物は、エポキシ化合物の硬化性を良好なものとし、従来の硬化剤を使用する場合に比べて、エポキシ樹脂組成物とした場合の、該組成物の保存安定性(保管安定性)が優れるので、一液型のエポキシ樹脂組成物の硬化剤としての利用が期待される。
また、本発明のイミダゾリルトリアジン化合物は、エポキシ化合物や、エポキシ化合物の溶解・希釈に使用される溶剤に易溶であるので、エポキシ化合物との、短時間で且つ均一な混合が可能となり、エポキシ樹脂組成物の製造時の作業性を高めることができる。
そして、得られるエポキシ樹脂組成物は、硬化剤がエポキシ化合物に溶解した均一な状態であるので、従来の粉末系(固形)の硬化剤が、エポキシ化合物中に分散した状態の組成物の場合とは異なって、保管時に硬化剤が沈降して、硬化剤の濃度が不均一になる惧れがない。
また、ガラスクロス等の基材と複合化する場合に、基材が重なって生じる狭小部位において、硬化剤が偏在することによる硬化不良の惧れもない。
実施例1において得られた赤橙色液体のIRスペクトルチャートである。
本発明は、前記の化学式(I)で示されるイミダゾリルトリアジン化合物及びその利用に関する。
化学式(I)で示されるイミダゾリルトリアジン化合物としては、例えば、化学式(I-1)〜(I-6)で示されるイミダゾリルトリアジン化合物が挙げられる。
Figure 2019196322
本発明のイミダゾリルトリアジン化合物は、化学式(II)で示されるトリアジン化合物と、化学式(III)で示されるイミダゾール化合物とを反応させることにより、合成することができる(反応スキーム(A)参照)。
なお、このイミダゾール化合物は、1種類のイミダゾール化合物であってもよく、異なる種類のイミダゾール化合物の混合物であってもよい。
Figure 2019196322
(反応スキーム(A)中のRおよびRは、前記と同様であり、Yは同一または異なって、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メシルオキシ基、トシルオキシ基もしくはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表す。)
化学式(II)で示されるトリアジン化合物としては、例えば、
フッ化シアヌル、塩化シアヌル、臭化シアヌル、ヨウ化シアヌル、2,4,6−トリス(メシルオキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トシルオキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
これらのトリアジン化合物は、例えば、「RSC Advances(2015),5(61),49559-49567」に記載の方法に準拠して合成することができる。
化学式(III)で示されるイミダゾール化合物としては、例えば、2−(1−エチルペンチル)イミダゾール、2−(1−エチルペンチル)−4−メチルイミダゾール、2−(1−エチルペンチル)−4,5−ジメチルイミダゾール、2−(2,4,4−トリメチルペンチル)イミダゾール、2−(2,4,4−トリメチルペンチル)−4−メチルイミダゾール、2−(2,4,4−トリメチルペンチル)−4,5−ジメチルイミダゾール等が挙げられる。
これらのイミダゾール化合物は、例えば、特開昭61−134376号公報に記載の方法に準拠して合成することができる。
前記の反応スキーム(A)で示される合成反応において、イミダゾール化合物の使用量(仕込み量)は、同スキームで示される化学量論に従う必要はなく、反応温度、反応時間、反応スケール等の反応条件の設定に応じて、また、副反応の制御、得られる粗製物の精製のし易さや収率等の観点から、トリアジン化合物の使用量(仕込み量)に対して、2〜40倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
反応スキーム(A)で示される合成反応の具体例として、化学式(I-1)で示される本発明のイミダゾリルトリアジン化合物が、化学式(II-1)で示される塩化シアヌルと、化学式(III-1)で示される2−(1−エチルペンチル)イミダゾールとを反応させて合成される態様を反応スキーム(B)に示す。
Figure 2019196322
当該合成反応においては、反応を促進させる為に、塩基(イ)を使用してもよい。また、反応を円滑に進める為に、反応溶媒(ロ)を使用してもよい。
塩基(イ)としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン、ピリジン、ジアザビシクロオクタン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素セシウム、リン酸三リチウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸三セシウム、リン酸水素二リチウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二セシウム、リン酸二水素リチウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素セシウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、tert−ブトキシカリウム等が挙げられる。
塩基(イ)の使用量(仕込み量)は、トリアジン化合物の使用量(仕込み量)に対して、0.0001〜20倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
反応溶媒(ロ)としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の溶剤が挙げられる。反応溶媒(ロ)として、これらを組み合わせて使用してもよい。
当該合成反応において、反応温度は、−20〜200℃の範囲に設定されることが好ましい。また、反応時間は、設定した反応温度に応じて適宜設定されるが、1〜120時間の範囲に設定することが好ましい。
当該合成反応の終了後、得られた反応液(反応混合物)から、例えば、反応溶媒の留去による反応液の濃縮や溶媒抽出法等の手段によって、目的物である本発明のイミダゾリルトリアジン化合物を取り出すことができる。
更に、必要により、水や有機溶剤等による洗浄や、活性炭処理、シリカゲルクロマトグラフィー等の手段を利用して精製することができる。
本発明の硬化剤は、前記の化学式(I)で示されるイミダゾリルトリアジン化合物を成分とする。該硬化剤は、このイミダゾリルトリアジン化合物と共に、後述する公知の硬化剤(潜在性硬化剤を包含する)や、公知の硬化促進剤(潜在性硬化促進剤を包含する)と併用してもよい。例えば、本発明の硬化剤は、公知の硬化剤や、公知の硬化促進剤を含有してもよい。
なお、本発明の硬化剤は、硬化剤本来の機能と共に、他の物質を硬化剤として使用した場合に併用し得る硬化促進剤(硬化触媒、硬化助剤)の機能も包含するものとする。即ち、本発明の硬化剤は、硬化促進剤の概念を包含する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記の化学式(I)で示されるイミダゾリルトリアジン化合物を、硬化剤として含有する。
本発明のエポキシ樹脂組成物を調製するに当たって、原料として使用するエポキシ樹脂(注:硬化前のエポキシ化合物を指す)としては、分子内にグリシジル基(エポキシ基)を有するものであれば、特に制限なく使用可能であり、例えば、
ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、カテコール、レゾルシノール等の多価フェノールまたはグリセリンやポリエチレングリコール等の多価アルコールとエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエーテル類;
p−ヒドロキシ安息香酸、β−ヒドロキシナフトエ酸等のヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるグリシジルエーテルエステル類;
フタル酸、テレフタル酸等のポリカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエステル類;
1,3,4,6−テトラグリシジルグリコールウリル等の分子内に2つ以上のエポキシ基を有するグリシジルグリコールウリル化合物;
3′,4′−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等の環状脂環式エポキシ樹脂;
トリグリシジルイソシアヌレート、ヒダントイン型エポキシ樹脂等の含窒素環状エポキシ樹脂;
更に、エポキシ化フェノールノボラック樹脂、エポキシ化クレゾールノボラック樹脂、エポキシ化ポリオレフィン、環式脂肪族エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂の他、
炭素−炭素二重結合およびグリシジル基を有する有機化合物と、SiH基を有するケイ素化合物とのヒドロシリル化付加反応によるエポキシ変性オルガノポリシロキサン化合物(例えば、特開2004−99751号公報や特開2006−282988号公報に開示されたエポキシ変性オルガノポリシロキサン化合物)等が挙げられ、これらを組み合わせて使用してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物の調製に当たっては、本発明のイミダゾリルトリアジン化合物を、エポキシ樹脂組成物中において、前述のエポキシ樹脂(エポキシ化合物)100重量部に対し、0.002〜50重量部の割合で含有させる(配合する)ことが好ましく、0.01〜35重量部の割合で含有させることがより好ましい。
同じく、本発明のエポキシ樹脂組成物の調製に当たっては、本発明のイミダゾリルトリアジン化合物と共に、公知の硬化剤や硬化促進剤を併用してもよい。この場合、公知の硬化剤および硬化促進剤は、前述のエポキシ樹脂(エポキシ化合物)100重量部に対し、0.01〜200重量部の割合で含有させる(配合する)ことが好ましい。
公知の硬化剤としては、例えば、
フェノール性水酸基を有する化合物、酸無水物、アミン類、チオール類や、
トリフェニルホスフィン、ジフェニルナフチルホスフィン、ジフェニルエチルホスフィン等の有機ホスフィン系化合物の他、
芳香族ホスホニウム塩、
芳香族ジアゾニウム塩、
芳香族ヨードニウム塩、
芳香族セレニウム塩等が挙げられる。
フェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、テトラクロロビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、ジヒドロキシナフタレン、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラック、臭素化フェノールノボラック、レゾルシノール等が挙げられる。
酸無水物としては、例えば、
メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、ナジック酸無水物、ハイミック酸無水物、メチルナジック酸無水物、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物等が挙げられる。
アミン類としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、n−プロピルアミン、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン等の脂肪族アミン類;
4,4′−ジアミノジフェニルメタン、o−メチルアニリン等の芳香族アミン類;
2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾリン、2−メチルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン等の含窒素複素環化合物が挙げられ、その他、(i)エポキシ化合物とアミン類との反応生成物や、(ii)分子内に1つ以上のイソシアネート基を有する化合物と、分子内に少なくとも1つの第1級及び/又は第2級アミノ基を有する化合物との反応生成物等が挙げられ、これらを組み合わせて使用してもよい。
(i)エポキシ化合物とアミン類との反応生成物(以下、エポキシ化合物とアミン類との反応生成物を「エポキシ・アミン反応物」と云う場合がある)は、室温ではエポキシ化合物に不溶の固体であるが(不活性な状態)、加熱されて、エポキシ樹脂に可溶化することにより、硬化剤(硬化促進剤)として機能するので、潜在性硬化剤(潜在性硬化促進剤)として知られている。
エポキシ・アミン反応物の原料として使用するエポキシ化合物としては、前記のエポキシ化合物の他、4,4′−ジアミノジフェニルメタンや、m−アミノフェノール等とエピクロルヒドリンを反応させて得られるグリシジルアミン化合物;
ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート等の単官能性エポキシ化合物等が挙げられる。
エポキシ・アミン反応物の原料として使用するアミン類としては、前記のアミン類を挙げることができる。また、これらのアミン類の内、分子内に第3級アミノ基を有する第3級アミン類は、優れた硬化促進性を有するエポキシ・アミン反応物を与える原料である。
このような第3級アミン類としては、例えば、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジ−n−プロピルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、N−メチルピペラジン、ジアザビシクロオクタン等のアミン類;
2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール化合物に代表される、分子内に第3級アミノ基を有する第1級または第2級アミン類や、
2−ジメチルアミノエタノール、1−メチル−2−ジメチルアミノエタノール、1−フェノキシメチル−2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、1−ブトキシメチル−2−ジメチルアミノエタノール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−フェニルイミダゾリン、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−メチルイミダゾリン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N−β−ヒドロキシエチルホルモリン、2−ジメチルアミノエタンチオール、2−メルカプトピリジン、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、4−メルカプトピリジン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸、N,N−ジメチルグリシン、ニコチン酸、イソニコチン酸、ピコリン酸、N,N−ジメチルグリシンヒドラジド、N,N−ジメチルプロピオン酸ヒドラジド、ニコチン酸ヒドラジド、イソニコチン酸ヒドラジド等のような、分子内に第3級アミノ基を有するアルコール類、フェノール類、チオール類、カルボン酸類、ヒドラジド類等が挙げられる。
エポキシ・アミン反応物を使用するに当たっては、本発明のエポキシ樹脂組成物の保存安定性を向上させるため、エポキシ・アミン反応物に、分子内に活性水素を2つ以上有する活性水素化合物が含有(配合)されてもよい。
活性水素化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、フェノールノボラック樹脂等の多価フェノール類;
トリメチロールプロパン等の多価アルコール類;
アジピン酸、フタル酸等の多価カルボン酸類や、
1,2−ジメルカプトエタン、2−メルカプトエタノール、1−メルカプト−3−フェノキシ−2−プロパノール、メルカプト酢酸、アントラニル酸、乳酸等が挙げられる。
更に、エポキシ・アミン反応物は、その粒子がイソシアネート化合物や酸性化合物により、表面処理されてもよい。イソシアネート化合物としては、例えば、
n−ブチルイソシアネート、イソプロピルイソシアネート、フェニルイソシアネート、ベンジルイソシアネート等の単官能イソシアネート化合物;
ヘキサメチレンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等の多官能イソシアネート化合物が挙げられる。
この多官能イソシアネート化合物に代えて、多官能イソシアネート化合物と活性水素化合物との反応によって得られる末端イソシアネート基含有化合物も使用することができる。具体的には、トルイレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの反応により得られる末端イソシアネート基を有する付加反応物、トルイレンジイソシアネートとペンタエリスリトールの反応により得られる末端イソシアネート基を有する付加反応物等が挙げられる。
また、エポキシ・アミン反応物の表面処理に使用する酸性化合物は、気体、液体または固体の何れでもよく、無機酸もしくは有機酸であってもよい。
この酸性化合物としては、例えば、炭酸ガス、亜硫酸ガス、硫酸、塩酸、シュウ酸、リン酸、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、アジピン酸、カプロン酸、乳酸、琥珀酸、酒石酸、セバシン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、ホウ酸、タンニン酸、アルギン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、フェノール、ピロガロール、フェノール樹脂、レゾルシン樹脂等が挙げられる。
また、エポキシ・アミン反応物を成分とする市販の潜在性硬化剤(潜在性硬化促進剤)の例としては、
味の素ファインテクノ社製の「アミキュアPN−23(製品名)」、「アミキュアPN−H(製品名)」、「アミキュアMY−24(製品名)」、旭化成社製の「ノバキュアHX−3721(製品名)」、「ノバキュアHX−3742(製品名)」等が挙げられる。
(ii)分子内に1つ以上のイソシアネート基を有する化合物と、分子内に少なくとも1つの第1級及び/又は第2級アミノ基を有する化合物との反応生成物は、分子内に1つ以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物と、分子内に少なくとも1つの第1級及び/又は第2級アミノ基を有する化合物とを、ジクロロメタン等の有機溶剤中で反応させることによって得ることができる。
分子内に1つ以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物としては、例えば、n−ブチルイソシアネート、イソプロピルイソシアネート、2−クロロエチルイソシアネート、フェニルイソシアネート、p−ブロモフェニルイソシアネート、m−クロロフェニルイソシアネート、o−クロロフェニルイソシアネート、p−クロロフェニルイソシアネート、2,5−ジクロロフェニルイソシアネート、3,4−ジクロロフェニルイソシアネート、2,6−ジメチルフェニルイソシアネート、o−フルオロフェニルイソシアネート、p−フルオロフェニルイソシアネート、m−トリルイソシアネート、p−トリルイソシアネート、o−トリフルオロメチルフェニルイソシアネート、m−トリフルオロメチルフェニルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−トルイレンジイソシアネート、2,6−トルイレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、2,2−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、p−フェニレンジイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリス−(3−イソシアナト−4−メチルフェニル)イソシアヌレート、トリス−(6−イソシアナトヘキシル)イソシアヌレート等が挙げられる。
分子内に少なくとも1つの第1級及び/又は第2級アミノ基を有する化合物としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−エタノールアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、モルホリン、ピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、ベンジルアミン、N−メチルベンジルアミン、シクロヘキシルアミン、メタキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1,1−ジメチルヒドラジン等が挙げられる。
前記のチオール類としては、例えば、エタンジチオール、プロパンジチオール、ヘキサメチレンジチオール、デカメチレンジチオール、トリレン−2,4−ジチオール、2,2−ビス(メルカプトメチル)−1,3−プロパンジチオール、2−(メルカプトメチル)−2−メチル−1,3−プロパンジチオール、2−エチル−2−(メルカプトメチル)−1,3−プロパンジチオール等の脂肪族チオール化合物;
ベンゼンジチオール、トルエンジチオール、キシレンジチオール(p−キシレンジチオール)等の芳香族チオール化合物;
化学式(IV)で示される1,4−ジチアン環含有ポリチオール化合物等の環状スルフィド化合物;
2,2′−チオジエタンチオール、4−メルカプトメチル−3,6−ジチア−1,8−オクタンジチオール等のメルカプトアルキルスルフィド化合物;
ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)等のメルカプトプロピオン酸エステル;
エポキシ樹脂末端メルカプト化合物;
3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール、化学式(V)で示されるメルカプトアルキルエーテルジスルフィド化合物、
2,2′−[[2,2−ビス[(2−メルカプトエトキシ)メチル]−1,3−プロパンジイル]ビス(オキシ)]ビスエタンチオール、
3,3′−[[2,2−ビス[(3−メルカプトプロポキシ)メチル]−1,3−プロパンジイル]ビス(オキシ)]ビス−1−プロパンチオール、
3−[2,2−ビス[(3−メルカプトプロポキシ)メチル]ブトキシ]−1−プロパンチオール、
3−(3−メルカプトプロポキシ)−2,2−ビス[(3−メルカプトプロポキシ)メチル]−1−プロパノール、
2,2−ビス[(3−メルカプトプロポキシ)メチル]−1−ブタノール等のメルカプトアルキルエーテル化合物や、
1,3,4,6−テトラキス(2−メルカプトエチル)グリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(3−メルカプトプロピル)グリコールウリル等が挙げられ、これらを組み合わせて使用してもよい。
Figure 2019196322
(式中、pは、1〜5の整数を表す。)
Figure 2019196322
(式中、qは、1〜20の整数を表す。)
本発明のエポキシ樹脂組成物は、必要により、
顔料(チタン白、シアニンブルー、ウォッチングレッド、ベンガラ、カーボンブラック、アニリンブラック、マンガンブルー、鉄黒、ウルトラマリンブルー、ハンザレッド、クロームイエロー、クロームグリーン等)、
無機充填剤(炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、マイカ、硫酸バリウム、リトポン、石コウ、ステアリン酸亜鉛、パーライト、石英、石英ガラス、溶融シリカ、球状シリカ等のシリカ粉等、球状アルミナ、破砕アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化チタン等の酸化物類、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の窒化物類、炭化ケイ素等の炭化物類、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物類、銅、銀、鉄、アルミニウム、ニッケル、チタン等の金属類や合金類、ダイヤモンド、カーボン等の炭素系材料等)、
熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂(高密度、中密度、低密度の各種ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン等の単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ナイロン−6、ナイロン−6,6等のポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、スチレン系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノール樹脂(フェノール化合物)、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、アクリルゴム、ウレタンゴムなどの各種エラストマー樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン系グラフト共重合体やアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系グラフト共重合体などのグラフト共重合体)、
補強剤(ガラス繊維、炭素繊維等)、
垂れ止め剤(水添ヒマシ油、微粒子無水硅酸等)、
艶消し剤(微粉シリカ、パラフィンワックス等)、
研削剤(ステアリン酸亜鉛等)、
内部離型剤(ステアリン酸等の脂肪酸、ステアリン酸カルシウムの脂肪酸金属塩、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス等)、
可撓性付与剤、酸化防止剤、界面活性剤、レベリング剤、消泡剤、粘度調整用希釈剤(有機溶剤)、カップリング剤、難燃化剤、香料等の添加剤(改質剤)を、エポキシ樹脂組成物(総量)中に、0.001〜90重量%の割合で含有してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物の調製に当たっては、その調製方法に特に制限はなく、前述の各成分を所定量計り取って撹拌混合することにより調製される。例えば、予備混合の後、ロール混練機、ニーダーや押出機等を用いて、混合あるいは溶融混練することにより調製することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化に当たっては、密閉式硬化炉や連続硬化が可能なトンネル炉等の公知の硬化装置を使用することができる。硬化時の加熱手段については、熱風循環、赤外線加熱、高周波加熱等、従来公知の方法を採用することができる。なお、硬化温度および硬化時間は、適宜設定すればよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化剤の成分として含有するイミダゾリルトリアジン化合物が、エポキシ化合物に溶解して均一な状態(組成)になっているので、固形の硬化剤がエポキシ化合物中に分散した不均一な状態の組成物と異なって、例えば、ガラスクロス等の基材中における狭小部位(例えば、隣接したガラス繊維間の隙間)へ、均一な組成のままで含浸させることができる。従って、当該狭小部位へ、硬化剤成分が所望の濃度で行き渡らないことによる硬化不良を惹起することがない。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物の保管中に、エポキシ樹脂組成物に含有している硬化剤成分が沈降することがないので、使用前に該組成物を撹拌・混合して、組成を均一にする手間も要しない。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、接着剤、シール剤、封止材、ペースト剤およびフィルムの各材料として好適に使用することができる。即ち、本発明の接着剤、シール剤、封止材、ペースト剤およびフィルムは、本発明のエポキシ樹脂組成物からなる。
本発明の接着剤、シール剤、封止材、ペースト剤およびフィルムは、添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、硫酸バリウム等の流動挙動調整剤、アルミナ等の熱伝導付与剤、銀、カーボン等の導電性付与剤、顔料、染料等の着色剤等が挙げられる。これらの添加剤は、3本ロール、プラネタリーミキサー等、従来知られている通常の混合機を使用して、前述した本発明のエポキシ樹脂組成物に、予め混合することができる。
本発明の接着剤、シール剤、封止材、ペースト剤およびフィルムは、その用途に特に制限はなく、様々な分野に適用可能である。
接着剤の用途としては、例えば、フレキシブルプリント配線板用接着剤、ビルドアップ基板等の多層基板の層間接着剤、光学部品接合用接着剤、光ディスク貼り合わせ用接着剤、プリント配線板実装用接着剤、ダイボンディング接着剤、アンダーフィル等の半導体用接着剤、BGA補強用アンダーフィル等の実装用接着剤、光ピックアップ用接着剤、光路結合用接着剤、外装材・下地材・天井材と内装材の間に使用する接着剤、外壁材・下地材へのタイル・石材接着用の接着剤、各種床への木質フローリング材・高分子材料系床シート・床タイル接着用の接着剤、自動車・航空機等の構造材、ボディーや部品の接着剤、自動車内装用の接着剤、鋼板継ぎ目用の接着剤等が挙げられ、
シール剤の用途としては、例えば、各種金属パネル・サイディングボード等の外装材の目地用シール剤、外装材・下地材・天井材と内装材の間に使用するシール剤、道路・橋梁・トンネル・防波堤などの各種コンクリート製品の目地用シール剤、自動車・航空機等の構造材、ボディーや部品のシール剤、鋼板継ぎ目用のシール剤、医療機器シール剤等が挙げられる。
封止材の用途としては、例えば、半導体用封止材、LED用封止材、太陽電池用封止材、リレー用封止材等が挙げられる。
ペースト剤の用途としては、例えば、導電性ペースト、非導電性接着ペースト(NCP)、異方性導電ペースト(ACP)、ダイボンドペースト等が挙げられる。
フィルムの用途としては、例えば、導電性フィルム、非導電性フィルム(NCF)、異方性導電フィルム(ACF)、太陽電池タブ線用はんだ代替材料(SCF)、ダイボンドフィルム(DAF)、ダイシングダイアタッチフィルム(DDAF)、導電性ダイボンドフィルム(CDAF)、フレキシブルディスプレイ用フィルム等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前述の接着剤およびシール剤、封止材、ペースト剤、フィルムの他、材質が樹脂であってよい様々な分野の製品(部品・部材)に適用可能であり、電気・電子、光学、建築、土木、自動車・航空機、医療の分野や、その他、日用・雑貨品等の材料の原料として使用し得る。
例えば、電気・電子分野における部品・部材や材料の例としては、樹脂付銅箔、プリプレグ、銅張積層板、プリント配線板や、ソルダーレジストインク、絶縁性の材料(層間絶縁材)、熱伝導性の材料、ホットメルト用材料、塗料、ポッティング剤等が挙げられるが、より具体的には、層間絶縁膜、配線被覆膜等のプリント配線板や電子部品の材料;
カラーフィルター、レジスト材料、配向膜等の表示装置の形成材料;
レジスト材料、バッファーコート膜等の半導体装置の形成材料;
ホログラム、光導波路、光回路、光回路部品、反射防止膜等の光学部品の形成材料が挙げられる。
また、半導体実装用のリジッド配線板やフレキシブルプリント配線板の形成材料、半導体実装用装着材料、半導体用絶縁膜、フレキシブルプリント回路保護用カバーレイフィルム、配線被覆用コーティング剤等が挙げられる。
光学分野における材料の例としては、光ファイバー用コア材、クラッド材、レンズ、レンズの耐摩耗性コーティング剤(例えば、ハードコート形成液)等が挙げられる。
建築分野における材料の例としては、各種金属パネル・サイディングボード等の外装材のコーティング材、プライマー;外装材・下地材・天井材と内装材の間に使用する注入材、制振材、防音材、電磁波遮蔽用導電性材料、パテ材;各種床への木質フローリング材・高分子材料系床シート・床タイル接着用の粘着剤;各種外装材・内装材のクラック補修用注入材等が挙げられる。
土木分野における材料の例としては、道路・橋梁・トンネル・防波堤などの各種コンクリート製品のコーティング材、プライマー、塗料、パテ材、注入材、吹付材、型取材等が挙げられる。
自動車・航空機分野における材料の例としては、構造材(GFRP、CFRP等)、ボディーや部品のコーティング材、緩衝材、制振材、防音材、吹付材;自動車内装用の粘着剤、コーティング材、発泡材;鋼板継ぎ目用のコーティング材等が挙げられる。
医療分野における材料の例としては、人工骨、歯科印象材、医療用ゴム材料、医療用粘着剤等が挙げられる。
以下、実施例(合成試験、評価試験)および比較例(評価試験)により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例および比較例において使用した主原料は、以下のとおりである。
[主原料]
・塩化シアヌル(東京化成工業社製)
・2−(1−エチルペンチル)イミダゾール(特開昭61−134376号公報に記載の方法に準拠して合成した)
・2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業社製、製品名:2E4MZ、以下「2E4MZ」と云うことがある。化学式(VI)参照)
・2,4,6−トリス(2−メチルイミダゾール−1−イル)−1,3,5−トリアジン(前述の特許文献4に記載の方法に準拠して合成した。以下「2MZトリアジン」と云うことがある。化学式(VII)参照)
・エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製、ビスフェノールA型、製品名:jER828、以下「jER828」と云うことがある)
・酸無水物系硬化剤(新日本理化社製、製品名:リカシッド MH−700、以下「リカシッド MH−700」と云うことがある)
Figure 2019196322
実施例および比較例において採用した評価試験(2種の相溶性試験、2種のゲルタイムの測定、ポットライフの測定、24時間保管増粘比の測定)は、以下のとおりである。
[イミダゾール硬化系における相溶性試験]
エポキシ樹脂100gに対し、硬化剤として、後述する実施例1において合成例を示したイミダゾリルトリアジン化合物を7.7g(実施例2)、または、2MZトリアジンを4.3g(比較例1)、または、2E4MZを4.4g(比較例2)の各割合となるように、エポキシ樹脂と硬化剤を混合してエポキシ樹脂組成物を調製した(注1)。
これらの調製時に、両者が溶け合って均一になった場合を○、完溶せずに不均一な状態の場合を×と判定した。なお、×と判定したエポキシ樹脂組成物については、後述するゲルタイムの測定とポットライフの試験を実施しなかった。
(注1):各エポキシ樹脂組成物中におけるイミダゾール環の数は、三者とも同数の40mmol(イミダゾール環を便宜的に分子と見做したモル表記)に設定した。なお、重量の単位を、説明の為に便宜上、「重量部」に代えて「g」とした。
[イミダゾール硬化系におけるゲルタイムの測定]
前記のイミダゾール硬化系における相溶性試験において、○と判定したエポキシ樹脂組成物について、150℃におけるゲルタイムを、熱板法(「JIS C 2105」に準拠)にて測定した。
[酸無水物硬化系における相溶性試験]
エポキシ樹脂を100重量部、硬化剤としてリカシッド MH−700を79重量部と、後述する実施例1において合成例を示したイミダゾリルトリアジン化合物または、2MZトリアジンまたは、2E4MZを各1重量部の割合で混合して、エポキシ樹脂組成物を調製した。
これらの調製時に、両者が溶け合って均一になった場合を○、完溶せずに不均一な状態の場合を×と判定した。なお、×と判定したエポキシ樹脂組成物については、ゲルタイムの測定と24時間保管増粘比の測定を実施しなかった。
[酸無水物硬化系におけるゲルタイムの測定]
前記の酸無水物硬化系における相溶性試験において、○と判定したエポキシ樹脂組成物について、150℃におけるゲルタイムを、試験管法(「JIS C 2105」に準拠)にて測定した。
[ポットライフの測定]
イミダゾール硬化系におけるゲルタイムの測定に使用したエポキシ樹脂組成物と同じ組成のエポキシ樹脂について、動的粘弾性装置(ユービーエム社製、製品名:Rheosol-G5000)を使用して、25℃における、調製直後の粘度(初期粘度)を測定し、この粘度に対して、2倍の粘度になるまでに要した時間(日数)を計測して、ポットライフとした。
[24時間保管増粘比の測定]
酸無水物硬化系におけるゲルタイムの測定に使用したエポキシ樹脂組成物と同じ組成のエポキシ樹脂組成物について、動的粘弾性装置(同上)を使用して、25℃における、調製直後の初期粘度と、24時間後の粘度を各々測定し、初期粘度に対する24時間後の粘度の比率を、24時間保管増粘比とした。
〔実施例1〕
<2,4,6−トリス(2−(1−エチルペンチル)イミダゾール−1−イル)−1,3,5−トリアジンの合成>
容量1000mlの4口ナスフラスコに、2−(1−エチルペンチル)イミダゾール26.60g(160.0mmol)、トリエチルアミン18.21g(180.0mmol)、トルエン150.00gを仕込み、氷冷して1℃まで冷却し、反応液に塩化シアヌル9.22g(50.0mmol)を添加し、25℃にて20時間撹拌した。
次いで、水500.0gを加えた後、分液操作により水層を除去し、トルエン層を濃縮し、得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール=20/1(v/v))により精製し、17.64gの赤橙色液体を得た(収率:61.5%)。
この赤橙色液体のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
1H-NMR (d6-DMSO) δ:7.90(d, 3H), 7.14(d, 3H), 3.99(quin., 3H), 1.85(m, 6H), 1.70(m, 6H), 1.20(m, 12H), 0.80(m, 18H).
また、この赤橙色液体のIRスペクトルデータは、図1に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた赤橙色液体は、化学式(I-1)で示される表題のイミダゾリルトリアジン化合物であるものと同定した。
以下、このイミダゾリルトリアジン化合物を、イミダゾリルトリアジン(実施例1)と云うことがある。
Figure 2019196322
〔実施例2〕
エポキシ樹脂を100重量部、硬化剤として、イミダゾリルトリアジン(実施例1)を7.7重量部の各割合で混合して、エポキシ樹脂組成物を調製した。
このエポキシ樹脂組成物について、評価試験(イミダゾール硬化系における相溶性試験、同ゲルタイムの測定、ポットライフの測定)を行ったところ、得られた試験結果は表1に示したとおりであった。
〔比較例1、2〕
実施例2の場合と同様にして、表1に示した組成を有するエポキシ樹脂組成物を調製し、それらについて評価試験を行ったところ、得られた試験結果は、表1に示したとおりであった。
Figure 2019196322
〔実施例3〕
エポキシ樹脂を100重量部、硬化剤として、リカシッド MH−700を79重量部と、イミダゾリルトリアジン(実施例1)を1重量部の各割合で混合して、エポキシ樹脂組成物を調製した。
このエポキシ樹脂組成物について、評価試験(酸無水物硬化系での相溶性試験、同ゲルタイムの測定、24時間保管増粘比の測定)を行ったところ、得られた試験結果は表2に示したとおりであった。
〔比較例3、4〕
実施例3の場合と同様にして、表2に示した組成を有するエポキシ樹脂組成物を調製し、それらについて評価試験を行ったところ、得られた試験結果は、表2に示したとおりであった。
Figure 2019196322
本発明のイミダゾリルトリアジン化合物は、エポキシ樹脂の硬化剤として好適であり、このイミダゾリルトリアジン化合物を硬化剤とするエポキシ樹脂組成物は、接着剤やシール剤、封止材、ペースト剤、フィルム等の種々の用途に使用されることが期待される。
従って、本発明の産業上の利用可能性は多大である。

Claims (8)

  1. 化学式(I)で示されるイミダゾリルトリアジン化合物。
    Figure 2019196322
    (式中、Rは同一または異なって、1−エチルペンチル基もしくは2,4,4−トリメチルペンチル基を表し、Rは同一または異なって、水素原子もしくはメチル基を表す。)
  2. 請求項1記載のイミダゾリルトリアジン化合物を成分とするエポキシ樹脂の硬化剤。
  3. 請求項1記載のイミダゾリルトリアジン化合物を含有するエポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項3記載のエポキシ樹脂組成物からなる接着剤。
  5. 請求項3記載のエポキシ樹脂組成物からなるシール剤。
  6. 請求項3記載のエポキシ樹脂組成物からなる封止材。
  7. 請求項3記載のエポキシ樹脂組成物からなるペースト剤。
  8. 請求項3記載のエポキシ樹脂組成物からなるフィルム。
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