JP2015535024A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
式(I)(式中、aは、0〜5の整数であり、xは、3〜15の整数であり、yは、5〜30の整数であり、0または1であり、bは、3〜10の整数であり、cは、1〜6の整数であり、R1は、C6〜C20シクロアルキレン基、およびR2は、飽和C2〜C20脂肪族炭化水素基または飽和C5〜C20脂環式炭化水素基である)の少なくとも1つのエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物;該エポキシ樹脂組成物の製造方法;および該エポキシ樹脂組成物を含む硬化性コーティング組成物。【化1】【選択図】 なし
Description
本発明は、エポキシ樹脂組成物に関する。本発明は、該エポキシ樹脂組成物を含む硬化性コーティング組成物にも関する。
エポキシ樹脂は、メンテナンスおよび保護コーティング(M&PC)などのコーティング用途に広く使用されている。多層コーティング系は、一般に、トップコートおよびプライマーコートを含み、該プライマーコートは、塗布される基材とトップコート間に存在する。芳香族エポキシ樹脂(例えば、ビスフェノールAエポキシ樹脂)は、その金属に対する良好な接着力および耐化学薬品性によって、プライマーとして広く使用されている。しかしながら、芳香族エポキシ樹脂系コーティング組成物から製造されるコーティング膜は、太陽光などの要因への曝露によるチョーキングに悩まされる。従って、かかる芳香族エポキシ樹脂系コーティング組成物は、紫外線(UV)耐性および風化耐性(耐候耐久性または耐候性としても知られている)を必要とするトップコートの製造に不適切である。
現在、広く使用されているトップコートは、PUが、芳香族エポキシ樹脂より、UV耐性および風化耐性が良好であるので、ポリウレタン(PU)コーティング組成物から製造される。しかしながら、エポキシトップコートと比較して、PUトップコートは、特に、冬期の低温(例えば、摂氏5度(℃)より低い)において用いられるとき、エポキシプライマーコートと相互作用し悪影響を及ぼし得る。かかる悪影響な相互作用は、結果的に、PUトップコートとエポキシプライマーコート間の接着不良をもたらし得、特に、コーティング処理が、冬期であるとき、該PUトップコートが、該エポキシプライマーコートから剥がれる原因とさえなり得る。
エポキシ樹脂の風化耐性を増強するために試みがなされてきた。例えば、1つの取り組みは、ルテニウム含有触媒の存在で、芳香族エポキシ樹脂の芳香環の水素化である。残念ながら、芳香族エポキシ樹脂の芳香環は、完全に水素化するのが困難である。従って、得られた製品は、まだ不飽和残部を含有し得、トップコートの風化耐性は、不満足なものとなり得る。さらに、トップコート製造に適切なエポキシ樹脂は、該エポキシ樹脂を含むコーティング組成物を、急速に乾燥、硬化できるように、十分な反応性を有する必要がある。例えば、M&PCコーティングは、通常、ASTM D5895に記載の試験法により測定して、環境温度(すなわち、21℃〜25℃の範囲の温度)において、5時間未満の不粘着時間および24時間以内の硬化乾燥時間を必要とする。加えて、たわみ性および耐衝撃性は、該コーティングを、たわみおよび/またはバンピングからその結着性を維持することを可能にするのに十分なトップコートに望ましい特性である。
従って、芳香族エポキシ樹脂組成物に関連する課題のないトップコート処理に適切なエポキシ樹脂組成物を提供することが望まれている。工業的要件を満足する、前述の不粘着時間および硬化乾燥時間を有する、エポキシ樹脂コーティング組成物を提供することも望まれている。
本発明は、種々の優位性を有するコーティング膜を製造するためのエポキシコーティング組成物を提供することにより、先行技術の問題の解決策を提供する。例えば、該コーティング膜は、芳香族エポキシ樹脂組成物に関連する風化問題がない。加えて、該硬化性コーティング組成物は、環境温度において、5時間未満の不粘着時間および24時間以内の硬化乾燥時間を有する。また、該コーティング組成物は、良好なたわみ性(すなわち、ASTM D522により測定して、亀裂がない)を有するコーティング膜の形成を可能とする。そして、該コーティング膜は、ASTM2794試験により測定して、少なくとも226.8メートル・グラム(m・g)(50センチメートル・ポンド(cm・ポンド))の衝撃強さを有する。さらに、本発明は、エポキシプライマーおよび5℃以下の温度で適用された、本明細書の比較例Aに記載の広く使用されている高性能工業用PUコーティング組成物から製造された現行PUトップコートの間の悪影響な相互作用を解決する。
本発明は、次式(I):
(式中、aは、0〜5の整数であり、xは、3〜15の整数であり、yは、5〜30の整数、zは、0または1であり、bは、3〜10の整数であり、cは、1〜6の整数であり、R1は、C6〜C20シクロアルキレン基、およびR2は、飽和C2〜C20脂肪族炭化水素基または飽和C5〜C20脂環式炭化水素基である)の少なくとも1つのエポキシ樹脂を含む新規エポキシ樹脂組成物である。「Ct」という語は、tが数値であり、t個の炭素原子を有する分子断片を表す。
本発明の新規エポキシ樹脂組成物は、驚くべきことに、ASTM D5895により測定して、環境温度において、5時間未満の不粘着時間および24時間以下の硬化乾燥時間を達成する硬化性コーティング組成物を提供する。同時に、この硬化性コーティング組成物から製造したコーティング膜は、比較例Aに記載の現行PUトップコート(「現行PUトップコート」)に匹敵する良好な風化耐性(すなわち、該コーティング膜は、ASTM G154−6により測定して、少なくとも400時間の試験後、30%未満の光沢度減少を示す);およびUV耐性を示す。本発明の硬化性コーティング組成物は、5℃以下において処理されるとき、該現行PUトップコートより良好なエポキシプライマーに対する接着力を有するコーティング膜も提供する。加えて、該コーティング膜は、ASTM D522により測定して、亀裂を有せず、ASTM2794により測定して、少なくとも226.8m・g(50cm・ポンド(cm・ポンド))の衝撃強さを有する。
1番目の態様では、本発明は、次式(I):
(式中、aは、0〜5の整数であり、xは、3〜15の整数であり、yは、5〜30の整数、zは、0または1であり、bは、3〜10の整数であり、cは、1〜6の整数であり、R1は、C6〜C20シクロアルキレン基、およびR2は、飽和C2〜C20脂肪族炭化水素基または飽和C5〜C20脂環式炭化水素基である)の少なくとも1つのエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物を含む。
2番目の態様では、本発明は、1番目の態様の上記エポキシ樹脂組成物を製造する方法を含み;該方法が、
(i)アルコールが、アルキルアルコールまたはその二量体であり、3〜10個のヒドロキシル基を有し、該アルコールと、脂環式飽和カルボン酸および/またはその無水物の半エステルを準備する工程;および
(ii)該半エステルを、アルキルアルコールの飽和ポリグリシジルエーテルおよび/または飽和脂環式ポリグリシジルエーテルと反応させて、該半エステル中、該カルボン酸基に対する該ポリグリシジルエーテルのモル比が1以上である該エポキシ樹脂組成物を生成する工程
を含む。
(i)アルコールが、アルキルアルコールまたはその二量体であり、3〜10個のヒドロキシル基を有し、該アルコールと、脂環式飽和カルボン酸および/またはその無水物の半エステルを準備する工程;および
(ii)該半エステルを、アルキルアルコールの飽和ポリグリシジルエーテルおよび/または飽和脂環式ポリグリシジルエーテルと反応させて、該半エステル中、該カルボン酸基に対する該ポリグリシジルエーテルのモル比が1以上である該エポキシ樹脂組成物を生成する工程
を含む。
3番目の態様では、本発明は、1番目態様のエポキシ樹脂組成物、および脂肪族アミンまたはその付加物、脂環式アミンまたはその付加物、およびその混合物から選択されるアミン硬化剤を含む硬化性コーティング組成物を含む。
試験方法は、データに試験法番号が示されていないとき、本文書の優先日時点の最新試験方法を表す。試験方法の参照は、試験機関および試験法番号の両方を含む。次の試験法略名および識別を、本明細書で適用する:ASTMは、ASTMインターナショナルを表す。GBは、Guo Biaoを表す。
「および/または」は、「および、または代替として」を表す。全ての範囲は、特に指示しない限り、端点を含む。
エポキシ樹脂組成物
本発明のエポキシ樹脂組成物は、次式(I):
本発明のエポキシ樹脂組成物は、次式(I):
(式中、aは、0〜5の整数であり、xは、3〜15の整数であり、yは、5〜30の整数、zは、0または1であり、bは、3〜10の整数であり、cは、1〜6の整数であり、R1は、C6〜C20シクロアルキレン基、およびR2は、飽和C2〜C20脂肪族炭化水素基または飽和C5〜C20脂環式炭化水素基である)の少なくとも1つのエポキシ樹脂を含む。
aは、0、1、2、3、4、または5、好ましくは0、1、2または3であり得る。
xは、3以上、好ましくは、4以上、より好ましくは、5以上の整数である。同時に、xは、15以下、好ましくは、12以下、より好ましくは10以下の整数である。
yは、5以上、好ましくは、6以上、より好ましくは、8以上の整数である。同時に、yは、30以下、好ましくは、24以下、より好ましくは、20以下の整数である。
bは、少なくとも3の整数である。もし、bが、2以下であるならば、かかる構造のエポキシ樹脂組成物は、ASTM D5895により測定して、環境温度において、5時間未満の不粘着時間および24時間以内の硬化乾燥時間を達成できないことになる。同時に、bは、10以下、好ましくは、6以下、より好ましくは、5以下の整数であり得る。
cは、1以上、2以上、またはさらに3以上であり得る。同時に、cは、6以下、5以下、またはさらに4以下であり得る。
R1は、C6〜C20シクロアルキレン基、すなわち、飽和二価脂環式炭化水素基である。本発明の「炭化水素基」は、水素と炭素原子のみから成る構造を表す。R1は、1つ以上のアルキル基、好ましくは、C1〜C6アルキル基で置換されたシクロアルキレン基であり得る。R1は、飽和環式カルボン酸または飽和環式カルボン酸無水物由来の二価基であり得る。R1は、CnH2n−2の構造を有するC6〜C20シクロアルキレン基であり得、nは、6以上の整数であり、同時に、20以下、10以下、またはさらに9以下の整数である。R1は、
本明細書で、R2は、飽和C2〜C20脂肪族炭化水素基または飽和C5〜C20脂環式炭化水素基である。該脂環式基は、1つまたは2つの環式環、好ましくは、少なくとも1つのシクロヘキサン環を含み得る。R2は、アルキルアルコール、または脂環式アルコール由来であり得る。
R2は、CmHnの構造を有する飽和脂肪族基であり得、mは、2以上の整数であり、同時に、20以下、好ましくは、8以下の整数であり;n=2m+1−cであり、cは、前に定義した通りである。R2は、直鎖または分岐鎖−C2H4−、−C3H6−、−C4H8−、−C5H10−、−C6H12−、−C7H14−または−C8H16−基などの二価基、
R2は、CpHqの構造を有する飽和脂環式基であり得、pは、5〜20の整数であり、もし、R2が、1つの環式環を含むならば、qは、2p−1−cであり、または、もし、R2が、2つの環式環を含むならば、2p−3−cであり、cは、前に定義した通りである。
R2が、1つの環式環を含むとき、pは、望ましくは、5以上、6以上であり、同時に、pは、望ましくは、15以下、好ましくは、10以下、より好ましくは、9以下である。R2が、2つの環式環を含むとき、pは、望ましくは、7以上、同時に、望ましくは、20以下、好ましくは、15以下である。R2は、
式(I)のエポキシ樹脂の望ましい形態のひとつの例は、次の構造:
本発明のエポキシ樹脂組成物は、式(I)を有する種々のエポキシ樹脂の混合物であり得る。該エポキシ樹脂組成物は、液体混合物であり得る。
該エポキシ樹脂組成物の貯蔵安定性をさらに増加するため、本発明のエポキシ樹脂組成物は、望ましくは、試料グラム当たり1ミリグラム水酸化カリウム以下、好ましくは、0.5mgKOH/g以下、より好ましくは、ほぼ0の酸価を有する。該酸価、すなわち、樹脂中の酸官能性の中和に必要な固形物のグラム当たりのKOHのミリグラム数は、酸官能性の量の尺度である。酸価は、GB/T2895−1982に記載の試験法により測定され得る。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、10,000ミリパスカル・秒(mPa・s)以上、20,000mPa・s以上、またはさらに30,000mPa・s以上の粘度を有し得る。該エポキシ樹脂組成物は、ASTM D2393−1986に従って、25℃においてB型粘度計により測定され得る。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、望ましくは、約400以上、約450以上、またはさらに約500以上の平均エポキシ当量(EEW)を有する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(a)アルコールが、3〜10個のヒドロキシル基を有し得、アルキルアルコール、その二量体、またはその混合物であり得、該アルコールと、脂環式飽和カルボン酸またはその無水物との1つ以上の半エステル、および(b)該半エステル中、該カルボン酸基に対する該ポリグリシジルエーテルのモル比が1以上である、アルキルアルコールの飽和ポリグリシジルエーテルもしくはその混合物、飽和脂環式ポリグリシジルエーテルもしくはその混合物、またはアルキルアルコールの飽和ポリグリシジルエーテルおよび飽和脂環式ポリグリシジルエーテルの配合物の反応生成物を含む。該エポキシ樹脂組成物は、上記反応物からの未反応ポリグリシジルエーテルを含み得る。エポキシ樹脂組成物中に存在するとき、未反応ポリグリシジルエーテル濃度は、一般に、40重量%以下、望ましくは、30重量%以下、好ましくは、20重量%以下、より好ましくは、10重量%以下までであり得る。該未反応飽和ポリグリシジルエーテルの重量%は、該エポキシ樹脂組成物の総重量に基づくものである。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、追加のエポキシ樹脂を含んでもよく、その構造は、式(I)と異なる。本発明に有用な追加のエポキシ樹脂(または「2番目のエポキシ」)は、1つ以上の反応性エポキシ基を含むいずれもの物質を含むエポキシ樹脂のいずれのものでもよい。該追加のエポキシ樹脂は、例えば、単官能性エポキシ樹脂、多官能性またはポリ官能性エポキシ樹脂、およびその組み合わせを含み得る。一般に、該追加のエポキシ樹脂は、もし、存在するならば、前述の風化耐性、UV耐性および乾燥特性を維持できる量で、使用され得る。好ましくは、本発明のエポキシ樹脂組成物は、得られたコーティング組成物の風化耐性および/またはUV耐性の特性を損ない得るビスフェノールAエポキシ樹脂などの芳香族エポキシ樹脂を含まない。該追加のエポキシ樹脂の例としては、アルキルアルコールの該飽和ポリグリシジルエーテルまたは上記該飽和脂環式ポリグリシジルエーテル、当技術分野で公知の他のいずれもの脂肪族および脂環式エポキシ樹脂、またはその組み合わせが挙げられ得る。存在するとき、該追加のエポキシ樹脂濃度(もし、存在するならば、該エポキシ樹脂組成物の製造での該未反応ポリグリシジルエーテルを含む)は、40重量%未満、好ましくは、30重量%未満、より好ましくは10重量%未満であり得る。該追加のエポキシ樹脂の重量%は、該エポキシ樹脂組成物の総重量に基づくものである。もし、該追加のエポキシ樹脂濃度が、40重量%より大きいならば、得られたコーティング組成物の乾燥特性は、損なわれ得る。
エポキシ樹脂組成物の製造
本発明のエポキシ樹脂組成物を製造する方法は、次の工程:
(i)アルコールが、アルキルアルコールまたはその二量体であり、該アルコールが、3〜10個のヒドロキシル基を有し、該アルコールと、脂環式飽和カルボン酸またはその無水物との半エステルを準備する工程;および
(ii)該半エステルを、アルキルアルコールの飽和ポリグリシジルエーテルまたは飽和脂環式ポリグリシジルエーテルと反応させて、該半エステル中、該カルボン酸基に対する該ポリグリシジルエーテルのモル比が1以上である該エポキシ樹脂組成物を生成する工程を含む。
本発明のエポキシ樹脂組成物を製造する方法は、次の工程:
(i)アルコールが、アルキルアルコールまたはその二量体であり、該アルコールが、3〜10個のヒドロキシル基を有し、該アルコールと、脂環式飽和カルボン酸またはその無水物との半エステルを準備する工程;および
(ii)該半エステルを、アルキルアルコールの飽和ポリグリシジルエーテルまたは飽和脂環式ポリグリシジルエーテルと反応させて、該半エステル中、該カルボン酸基に対する該ポリグリシジルエーテルのモル比が1以上である該エポキシ樹脂組成物を生成する工程を含む。
本明細書で、「半エステル」は、カルボン酸を含むエステル化合物を表す。該半エステルは、望ましくは、エステル基および環式環のオルト位のカルボン酸基を有する。本発明のエポキシ樹脂組成物を製造するために使用される半エステルは、3つ以上のカルボン酸基を含み得る。該半エステルは、2つ以上の異なる半エステルの混合物を含み得る。これらの半エステル混合物は、2つ以上のカルボン酸の混合物、2つ以上の無水物の混合物および/または2つ以上のアルコールの混合物を使用することにより製造され得る。該半エステルは、特に、高水酸基官能価(例えば、4以上)を有するアルコールが該半エステル製造に使用されるとき、種々のカルボン酸官能性を有する半エステルを含む混合物であり得る。
本発明のエポキシ樹脂組成物を製造するために使用される半エステルは、次式(II):
を有し得、上式(II)中、a、x、y、z、b、R3およびdは、式(I)の参照で前述の定義した通りである。
本発明のエポキシ樹脂組成物を製造するために使用される半エステルは、脂環式飽和カルボン酸またはその無水物を、アルコールと反応させることにより、製造され得る。該半エステルを製造するために使用されるアルコールは、3〜10個のヒドロキシル基を有する、アルキルアルコールまたはアルキルアルコールの二量体である。本発明のアルキルアルコールは、ヒドロキシル基を除く炭素と水素原子から成るアルキル基のみを含むアルコールを表す。該アルコールは、第一級、第二級または第三級アルコールであり得る。該アルコールは、2つ以上のアルコールの混合物を含み得る。
該アルコールのヒドロキシル基の数(すなわち、該水酸基官能価)は、3以上、4以上、またはさらに5以上であり得る。同時に、該アルコールのヒドロキシル基は、10個以下、望ましくは、8個以下、またはさらに6個以下であり得る。もし、2個以下のヒドロキシル基を有するアルキルアルコールまたはポリエーテルポリオールが使用されるならば、かかるアルコールから得られたエポキシ組成物は、本発明のエポキシ樹脂組成物より、ずっと長い不粘着時間および硬化乾燥時間を示し得る。
好ましくは、該半エステルを製造するために使用されるアルコールは、3個以上の炭素原子、好ましくは、4個以上、より好ましくは、5個以上の炭素原子を有する少なくとも1つのアルキルアルコールを含む。同時に、該半エステルを製造するために使用されるアルコールは、望ましくは、15個以下、好ましくは、12個以下、より好ましくは、10個以下の炭素原子を有する少なくとも1つのアルキルアルコールを含む。該アルコールは、直鎖、分岐鎖、置換、非置換または環式環含有アルキルアルコールおよび/またはそれらの二量体であり得る。
該半エステルを製造するために使用されるアルキルアルコールは、次式(III):
CxH(2x+2−b)−(OH)b
式(III)
を有し得、上式(III)中、xおよびbは、式(I)の参照で前述の定義した通りである。
CxH(2x+2−b)−(OH)b
式(III)
を有し得、上式(III)中、xおよびbは、式(I)の参照で前述の定義した通りである。
該半エステルを製造するために使用されるアルコールとしては、トリオール類、テトロール類、ペントール類、ヘキソール類、ヘプトール類、それらの二量体、またはその混合物が挙げられる。適切なアルコール類の代表例としては、グリセロール;トリメチロール プロパン (TMP);1,1,1−トリス−(ヒドロキシメチル)−プロパン;1,1,1−トリメチロールエタン;ヘキサン−1,2,6−トリオール;ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール;アラビトール;ソルビトール;マンニトール;ボレミトール;シクロヘキサン−1,2,3,4,5,6−ヘキソール;またはその混合物が挙げられる。好ましくは、本発明で有用なアルコールは、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジグリセロール、またはその混合物から選択される。
本発明のエポキシ樹脂組成物を製造するための半エステルは、上記アルコールを、飽和脂環式カルボン酸またはその無水物と反応させることにより、製造され得る。2つ以上の飽和脂環式カルボン酸またはカルボン酸無水物の混合物が使用され得る。該飽和脂環式カルボン酸無水物は、本発明で、特に有用である。より好ましくは、ジカルボン酸無水物が、該半エステルを製造するために使用される。
該半エステルを製造するために使用される無水物の代表例としては、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ショウノウ酸無水物、cis−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、またはその混合物が挙げられ得る。好ましくは、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、またはその混合物が、本発明で使用される。
該半エステルの製造は、従来の方法および条件で実行され得る。例えば、該半エステルは、該アルコールを、該無水物と混合して、該アルコールおよび該無水物が、50℃〜220℃、好ましくは、90℃〜150℃の範囲の温度で反応させることにより製造され得る。該アルコールおよび該無水物の反応時間は、使用される該温度、該化学構造および/または使用される該アルコールの官能性などの要因に依存して変わり得る。例えば、一般に、反応時間は、1〜5時間、好ましくは、2〜4時間であり得る。
該アルコールの該無水物との反応は、当技術分野で公知のエステル化触媒を含んでもよい。該触媒としては、例えば、4−ジメチルアミノピリジン;ルイス酸;p−トルエンスルホン酸;プロトン酸;プロトン酸の金属塩;第四級ホスホニウム化合物;第四級アンモニウム化合物;ホスホニウム;フルオロホウ酸、フルオヒ酸(fluoarsenic acids)、フッ化アンチモン酸、フルオリン酸、過塩素酸、過臭素酸などの適切な非求核酸とのアルソニウム付加物または錯体;過ヨウ素酸;またはその組み合わせなどの塩基性化合物が挙げられ得る。使用されるとき、該触媒は、どのような順序でも、該アルコールおよび該無水物と混合され得る。
該半エステルの製造では、該アルコールおよび該無水物は、望ましくは、該無水物の無水物基の該アルコールのヒドロキシル基との反応により、該無水物の該半エステルへの最大の転化を達成するため、特定のモル比で混合される。半エステルの製造での該無水物の転化率は、理論的酸価(すなわち、使用される該無水物の酸価の50%)と得られた該半エステルの酸価間の差から、常法で算出され得る。該無水物の無水物基に対する該アルコールのヒドロキシル基のモル比は、望ましくは、1.4以下、好ましくは、1.3以下、より好ましくは、1.2以下であり得る。同時に、該無水物の無水物基に対する該アルコールのヒドロキシル基のモル比は、望ましくは、0.7以上、好ましくは、0.9以上、より好ましくは、1.0以上であり得る。もし、該モル比が、1,4より大きいならば、未反応アルコールは、得られた半エステルのポリグリシジルエーテルとの反応速度が、速く進行しすぎて制御できなくなる原因となり得る。
該半エステルの製造では、該アルコールのヒドロキシル基は、該無水物の無水物基と全体的にまたは部分的に反応して、エステル基を生成する。得られた該半エステルは、特に、使用される該アルコールが4以上の水酸基官能価を有するとき、少なくとも1個の未反応ヒドロキシル基を有する1つの半エステルを含む混合物であり得る。
本発明のエポキシ樹脂組成物を製造するため、上記半エステルは、アルキルアルコールの少なくとも1つの飽和ポリグリシジルエーテル、少なくとも1つの飽和脂環式ポリグリシジルエーテル、またはアルキルアルコールの少なくとも1つの飽和ポリグリシジルエーテルの少なくとも1つの飽和脂環式ポリグリシジルエーテルとの組み合わせと、さらに反応する。本明細書で、ポリグリシジルエーテルは、1つより多いエポキシ基(「オキシラン基」または「エポキシ官能性」または「グリシジルエーテル」としても知られている)を含む多官能性エポキシ樹脂を表す。該半エステルは、該ポリグリシジルエーテルの少なくとも1つのオキシラン環と反応して、得られた該エポキシ樹脂組成物中に2番目のエステル結合を生成するための少なくとも3つのカルボン酸基を提供し得る。
本発明のエポキシ樹脂組成物を製造するために適切なポリグリシジルエーテルは、1つより多いエポキシ基、例えば、2つ以上のエポキシ基、またはさらに3つ以上のエポキシ基を有する。2つ以上のポリグリシジルエーテルの混合物が、使用され得る。
本発明のエポキシ樹脂組成物を製造するために使用されるポリグリシジルエーテルは、アルコールのポリグリシジルエーテルであり得る。アルキルアルコールの2つ以上のポリグリシジルエーテルの混合物が、本発明で、使用され得る。これらのポリグリシジルエーテルは、一般に、アルカリ存在下、該アルキルアルコールとエピクロロヒドリンなどのエピハロヒドリンとのエステル化により製造され得る。該ポリグリシジルエーテルの製造に使用される適切なアルキルアルコールは、上記半エステルを製造するために使用されるアルキルアルコール(3〜10個のヒドロキシル基を有する)、2個以下のヒドロキシル基を有するアルキルアルコール、またはその混合物を含み得る。
本発明のエポキシ樹脂組成物を製造するために使用されるポリグリシジルエーテルは、飽和脂環式ポリグリシジルエーテルであり得る。本明細書で、脂環式ポリグリシジルエーテルは、環構造の脂肪族置換基に存在および/または直接該脂環式環に結合するグリシジルエーテル基を有する樹脂を表す。2つ以上の脂環式ポリグリシジルエーテルの混合物が、本発明で、使用され得る。適切な脂環式ポリグリシジルエーテルは、少なくとも1つの脂環式環(例えば、シクロヘキサン環またはシクロペンタン環)を有するアルキルアルコールのポリグリシジルエーテルを含む。好ましくは、シクロヘキサンジアルカノールジグリシジルエーテルが、本発明のエポキシ樹脂組成物を製造するために使用される。
本発明のエポキシ樹脂組成物を製造するために使用される適切なポリグリシジルエーテルの例としては、1,5−ペンタンジオールジグリシジルエーテル;1,2,6−ヘキサントリオールジグリシジルエーテル;ネオペンタングリコールジグリシジルエーテル;グリセロールジグリシジルエーテル;1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDGE);1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(HDDGE);2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンジグリシジルエーテル;4,4’−(プロパン−2,2−ジイル)ジシクロヘキシルジグリシジルエーテル;グリセロールのトリグリシジルエーテル;トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル;ソルビトールのテトラグリシジルエーテル;1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル;1,3trans−またはcis−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル;1,4trans−またはcis−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル;cis−1,4−シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテルおよびtrans−1,4−シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテルを含む混合物;1,3および1,4cis−およびtrans−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテルの混合物;または上記ポリグリシジルエーテルのいずれかの混合物が挙げられ得る。
好ましくは、本発明のエポキシ樹脂組成物を製造するために使用されるポリグリシジルエーテルは、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル;1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル;トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル;ネオペンタングリコールジグリシジルエーテル;シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル;4,4’−(プロパン−2,2−ジイル)ジシクロヘキシルジグリシジルエーテルまたはその混合物から選択される。
好ましくは、本発明のエポキシ樹脂組成物を製造するために使用される脂環式ジグリシジルエーテルは、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテルである。該シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテルは、cis−1,4−シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテル、trans−1,4−シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテル、またはその混合物を含み得る。該シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテルは、cis−1,3−シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテル、trans−1,3−シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテル、cis−1,4−シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテル、およびtrans−1,4−シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテルを含む混合生成物を含み得る。国際公開第WO2009/142901号(参照により本明細書に組み入れられる)は、脂環式ジグリシジルエーテルの例を含むエポキシ樹脂組成物;生成混合物;およびそれから高純度のジグリシジルエーテル(DGE)を単離する方法を記載している。適切な脂環式ポリグリシジルエーテルとしては、国際公開第WO2012/044442A1号(参照により本明細書に組み入れられる)に記載のものも挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を製造するとき、該半エステルおよび該ポリグリシジルエーテルを、一緒に混合して、90℃以上、好ましくは、100℃以上の温度で、反応し得る。同時に、該半エステルおよび該ポリグリシジルエーテルを、一緒に混合して、200℃以下、好ましくは、150℃以下の温度で、反応し得る。必要に応じて、該半エステルを、先ず、該ポリグリシジルエーテル中に溶解し得、例えば、40℃〜90℃に昇温してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物を製造するとき、該半エステルおよび該ポリグリシジルエーテルの反応は、任意におよび望ましくは、該半エステルのカルボン酸基と、該ポリグリシジルエーテルのエポキシ基との反応を促進する触媒の存在下、実行され得る。本発明で使用される該任意の触媒の例としては、塩基性無機試薬、ホスフィン類、第四級アンモニウム化合物、ホスホニウム化合物またはその混合物が挙げられる。該触媒を使用するとき、該触媒を、どのような順序でも、該半エステルおよび該ポリグリシジルエーテルと混合し得る。好ましくは、該半エステルを該ポリグリシジルエーテルと混合後、該触媒を、得られた混合物に添加し得る。
該半エステルおよび該ポリグリシジルエーテルの反応継続時間は、一般に、5時間〜20時間、好ましくは、7時間〜13時間であり得る。該反応時間は、得られた該エポキシ樹脂組成物の酸価の試験により決定され得る。得られた該エポキシ樹脂組成物の酸価が、1mgKOH/g以下、好ましくは、0.5mgKOH/g以下、より好ましくは、0であるとき、該反応を停止し得る。
本発明のエポキシ樹脂組成物を製造するとき、該半エステルのカルボン酸基に対する該ポリグリシジルエーテル樹脂のモル比は、一般に、1以上であり得る。本明細書で、モル比は、該半エステルのカルボン酸基のモル数に対する該ポリグリシジルエーテルのモル数(エポキシ基のモル数ではない)の比を表す。該半エステルのカルボン酸基に対する該ポリグリシジルエーテルのモル比は、望ましくは、5以下、好ましくは、3以下、より好ましくは、2以下、最も好ましくは1.3以下である。もし、該半エステルのカルボン酸基に対する該ポリグリシジルエーテルのモル比が、1より小さいならば、得られたエポキシ樹脂組成物は、ゲルを含む傾向があり得る。もし、該半エステルのカルボン酸基に対する該ポリグリシジルエーテルのモル比が、5より大きいならば、得られた該エポキシ樹脂組成物に残留する未反応ポリグリシジルエーテルが、得られたコーティング組成物の乾燥特性に悪影響を有し得る。
該エポキシ樹脂組成物の製造は、該エポキシ樹脂組成物の製造に使用してもよい有機溶媒がないか、または存在で実施され得る。該組成物中に存在するとき、該溶媒は、得られた製品の粘度を低下させ得る。存在するとき、該有機溶媒は、該半エステルの製造および/または該半エステルと上記該ポリグリシジルエーテルとの反応で使用され得、および/または該組成物に後添加され得る。適切な有機溶媒の例としては、例えば、ケトン類、エステル類、脂肪族エーテル類、環式エーテル類、脂肪族、脂環式および芳香族炭化水素類、またはその混合物が挙げられる。該溶媒の好ましい例としては、トルエン、酢酸ブチル、ペンタン、ヘキサン、オクタン,シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、二塩化エチレン、メチルクロロホルム、tert−ブチルエーテル、ジメチルエーテル、およびその混合物が挙げられる。
該溶媒を、該半エステルの製造および/または該半エステルと上記該ポリグリシジルエーテルとの反応を完結後、常法(例えば、真空蒸留)を用いて、除去し得る。あるいは、例えば、コーティングまたは膜製造で、後で使用され得る溶剤型エポキシ樹脂組成物を提供するため、該溶媒を、該エポキシ樹脂組成物中に残しておいてもよい。
該エポキシ樹脂組成物は、該エポキシ樹脂のエポキシ基と反応性のある活性基を有する硬化剤(curing agent)(硬化剤(hardener)または架橋剤とも呼ぶ)を用いて、硬化され得る。本発明で有用な適切な硬化剤の例としては、無水物類、アミン類およびその誘導体などの窒素含有化合物、酸素含有化合物、硫黄含有化合物およびその混合物が挙げられる。特に、脂肪族または脂環式硬化剤が、最適な風化耐性および/またはUV耐性を達成するために使用される。
本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化は、例えば、−10℃から約300℃まで、好ましくは、−5℃〜250℃、約20℃〜約220℃、より好ましくは、約21℃〜約25℃の範囲の温度で;および該エポキシ樹脂組成物、硬化剤、および、使用されるならば、触媒に依存して、数分から数時間までである所定の時間で、実行され得る。一般に、該エポキシ樹脂組成物を硬化または部分的硬化する時間は、2秒間から24日間、好ましくは、0.5時間〜7日間、より好ましくは、1時間〜24時間であり得る。本発明のエポキシ樹脂組成物を部分的に硬化して、それから、その後に、硬化処理を完結することも、操作可能である。有利に、該エポキシ樹脂組成物は、アミン硬化剤により、環境温度において硬化され得る。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、例えば、コーティング剤、接着剤、電気絶縁積層板、構造用積層品、構造用複合材料、フィラメント巻線、モールディング、キャスティング、被包、引抜き成形および風化耐性および/またはUV耐性が望ましいいずれもの用途を含む、様々な用途で使用され得る。
硬化性コーティング組成物
本発明の硬化性コーティング組成物は、上記エポキシ樹脂組成物およびアミン硬化剤を含む。該アミン硬化剤は、脂肪族アミンもしくはその付加物、脂環式アミンもしくはその付加物またはそのいずれもの組み合わせを含み得る。該アミンは、ジアミン類、ポリアミン類またはその混合物であり得る。
本発明の硬化性コーティング組成物は、上記エポキシ樹脂組成物およびアミン硬化剤を含む。該アミン硬化剤は、脂肪族アミンもしくはその付加物、脂環式アミンもしくはその付加物またはそのいずれもの組み合わせを含み得る。該アミンは、ジアミン類、ポリアミン類またはその混合物であり得る。
本発明で有用な該アミンの例としては、エチレンジアミン(EDA);ジエチレントリアミン(DETA);トリエチレンテトラミン(TETA);トリメチルヘキサンジアミン(TMDA);テトラエチレンペンタミン;ヘキサメチレンジアミン (HMDA);1,6−ヘキサンジアミン;N−(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン;N,N’−1,2−エタンジイルビス−1,3−プロパンジアミン;ジプロピレントリアミンなどの脂肪族アミン;イソホロンジアミン(IPDA);4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(PACM);1,2−ジアミノシクロヘキサン(DACH);1,4−シクロヘキサンジアミン;ビス(アミノエチル)ノルボルナンなどの脂環式アミン;ピペラジン、アミノエチルピペラジン(AEP)などの複素環式アミン;ビス(アミノプロピル)エーテルなどのポリエーテルアミン;ポリアミド;それらの付加物;およびその混合物が挙げられる。本発明で有用なアミンの好ましい例としては、アミノエチルピペラジン(AEP)またはその付加物;イソホロンジアミン(IPDA)またはその付加物;ジエチレントリアミン(DETA)またはその付加物;4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(PACM)またはその付加物;1,2−ジアミノシクロヘキサン(DACH)またはその付加物;ポリエーテルアミンまたはその付加物;ポリアミドまたはその付加物;またはその組み合わせが挙げられる。
該アミン硬化剤は、該脂肪族および/または脂環式アミンの1つ以上の付加物、例えば、IPDAおよびBDDGEの付加物、IPDAおよび脂肪酸の付加物、IPDAおよびシクロヘキサンジメタノール(CHDM)エポキシ樹脂の付加物、およびその混合物を含み得る。該アミン硬化剤は、望ましくは、本発明のエポキシ樹脂組成物と、脂肪族および/または脂環式アミンの付加物を含む。該アミン硬化剤は、1つ以上の促進剤および/または触媒を含んでもよい。促進剤および/または触媒の例としては、ベンジルアルコール、2,4,6−トリス−(N,N−ジメチル−アミノメチル)−フェノール、サリチル酸およびその混合物が挙げられる。
該アミン硬化剤は、該硬化性コーティング組成物を硬化させるに十分な量で使用され得る。該硬化性コーティング組成物中の該アミン硬化剤の全活性水素官能価に対する全エポキシ樹脂の全エポキシ官能価のモル比は、一般に、10:1以下、好ましくは、5:1以下、より好ましくは、4:1以下、最も好ましくは、2:1以下であり得る。同時に、該硬化性コーティング組成物中の該アミン硬化剤の全活性水素官能価に対する全エポキシ樹脂の全エポキシ官能価のモル比は、一般に、1:2以上、好ましくは、1:1.5以上、より好ましくは、1:1.25以上、最も好ましくは、1:0.9以上であり得る。
本発明の硬化性コーティング組成物は、無機増量剤および/または顔料を含んでもよい。該無機増量剤および/または顔料は、セラミック材料、半金属材料を含む金属材料であり得る。適切なセラミック材料としては、例えば、酸化亜鉛、二酸化チタンなどの金属酸化物、金属窒化物(例えば、窒化ボロン)、金属炭化物、金属硫化物(例えば、二硫化モリブデン、二硫化タンタル、二硫化タングステン、および硫化亜鉛)、金属ケイ酸塩(例えば、ケイ酸アルミニウムおよびバーミキュライトなどのケイ酸マグネシウム)、金属ホウ化物、金属炭酸塩およびその混合物が挙げられる。これらの無機粒子は、表面処理化または処理なしであり得る。該硬化性コーティング組成物中に存在するとき、該硬化性コーティング組成物中の該無機増量剤および/または顔料は、一般に、該硬化性コーティング組成物の総重量の5重量%〜60重量%、好ましくは、10重量%〜40重量%である。
前述の化合物に加えて、本発明の硬化性コーティング組成物は、次の添加剤:消泡剤、可塑剤、抗酸化剤、光安定剤、UV吸収剤、UV遮断化合物、流れ調整剤、触媒および促進剤のいずれか1つまたは1つ以上の組み合わせをさらに含み得るまたは含まない。もし、存在するならば、これらの添加剤は、一般に、0.001重量%〜10重量%、好ましくは、0.01重量%〜2重量%の量であり得る。該添加剤の重量%は、該硬化性コーティング組成物の総重量に基づく。
本発明の硬化性コーティング組成物中に存在する上記成分は、一般に、有機溶媒に溶解または分散され得る。該随意的有機溶媒は、上記有機溶媒;n−ブタノールなどのアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチルグリコールなどのグリコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;およびその混合物から選択され得る。該有機溶媒は、一般に、5重量%〜60重量%、好ましくは、8重量%〜20重量%の量で存在する。該有機溶媒の重量%は、該硬化性コーティング組成物の総重量に基づく。
本発明の硬化性コーティング組成物の製造は、好ましくは該有機溶媒に溶解した、該エポキシ樹脂組成物はおよび該アミン硬化剤の混合により達成される。例えば、無機増量剤および/または顔料を含む他の随意的成分および/または他の随意的添加剤も、上記のように、添加され得る。
該硬化性コーティング組成物中の成分は、本発明の硬化性コーティング組成物を提供するため、どのような順序でも、混合され得る。上記随意の成分のいすれかを、該組成物を生成するため、混合中または混合する前に、該組成物に添加もし得る。
本発明の硬化性コーティング組成物は、ASTM D5895により測定して、環境温度において、5時間以下の不粘着時間および24時間以下の硬化乾燥時間を有する。該硬化性コーティング組成物の不粘着時間は、望ましくは、環境温度において、4.5時間以下、好ましくは、4時間以下、より好ましくは、3.5時間以下であり得る。
本発明の硬化性コーティング組成物は、ブラッシング、浸漬、ロールおよび吹き付けを含む常法により、塗布され得る。該硬化性コーティング組成物は、好ましくは、吹き付けにより塗布される。噴霧およびベル型静電塗布などの静電スプレー用の標準スプレー技術および装置ならびに手動あるいは自動方法が使用され得る。
本発明の硬化性コーティング組成物は、様々な基材に塗布、および付着され得る。該硬化性コーティング組成物が塗布され得る基材の例としては、木材、金属類、プラスチック、エラストマー基材を含む発泡体、または自動車で見られる基材が挙げられる。該基材は、典型的には、プライマーコートを含む。該プライマーの例としては、エポキシプライマーおよびPUプライマーが挙げられる。
本発明の硬化性コーティング組成物は、船舶用塗装、保護塗装、自動車塗装、木材塗装、コイル被膜およびプラスチック被膜などの様々なコーティング用途に適切である。本発明の硬化性コーティング組成物は、特に、トップコート用途に適切である。
本発明の硬化性コーティング組成物は、該エポキシ樹脂組成物用の上記条件下、硬化され得る。好ましくは、該硬化性コーティング組成物は、環境温度で、硬化される。硬化のとき、本発明の硬化性コーティング組成物は、コーティング膜を形成する。該コーティング膜は、5℃以下の温度で塗布されるとき、現行PUトップコートより、エポキシプライマーに対して良好な接着力を有する。加えて、エポキシプライマーおよびトップコート組成物を塗布する間のオーバーコーティングの時間間隔は、該現行PUトップコートより短時間であり、待ち時間を減らして効率を上げ得る。
硬化のとき、本発明の硬化性コーティング組成物は、1つ以上の次の特性を提供する:
(1)ASTM G154−6により測定して、少なくとも400時間の試験後、30%より低い光沢度減少を達成する良好な風化耐性。好ましくは、該コーティング膜は、500時間以上の試験後、600時間以上の試験後、700時間以上の試験後、またはさらに900時間以上の試験後、30%より低い光沢度減少を達成する;
(2)現行PUトップコートに対して匹敵するUV耐性;
(3)5℃以下で塗布されるとき、現行PUトップコートより、エポキシプライマーに対して良好な接着力;
(4)ASTM D522により測定して、亀裂がない;
(5)ASTM2794試験により測定して、少なくとも226.8m・g(50cm・ポンド)、好ましくは、362.9m・g(80cm・ポンド)以上、より好ましくは、453.6m・g(100cm・ポンド)以上の衝撃強さ。
(1)ASTM G154−6により測定して、少なくとも400時間の試験後、30%より低い光沢度減少を達成する良好な風化耐性。好ましくは、該コーティング膜は、500時間以上の試験後、600時間以上の試験後、700時間以上の試験後、またはさらに900時間以上の試験後、30%より低い光沢度減少を達成する;
(2)現行PUトップコートに対して匹敵するUV耐性;
(3)5℃以下で塗布されるとき、現行PUトップコートより、エポキシプライマーに対して良好な接着力;
(4)ASTM D522により測定して、亀裂がない;
(5)ASTM2794試験により測定して、少なくとも226.8m・g(50cm・ポンド)、好ましくは、362.9m・g(80cm・ポンド)以上、より好ましくは、453.6m・g(100cm・ポンド)以上の衝撃強さ。
次の実施例は、本発明の実施形態を例示する。該実施例中の全ての部および%は、特に指定しない限り、重量によるものである。次の材料が、該実施例中で使用される。
メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(HMMPA)は、Changzhou Bolin Chemical Companyから入手可能である。
トリメチロールプロパン(TMP)は、Hubei Yihua Chemical Industry Co., Ltdから入手可能である。
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDGE)は、Anhui Hengyuan Chemical Co., Ltdから入手可能である。
イソホロンジアミン(IPDA)は、BASF社から入手可能である。
ジエチレントリアミン(DETA)は、ダウケミカル社から入手可能である。
アミノエチルピペラジン(AEP)は、ダウケミカル社から入手可能である。
DOWANOL(商標)PMグリコールエーテルは、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)であり、ダウケミカル社(DOWANOLは、ダウケミカル社の商標である)から入手可能である。
二酸化チタン(TiO2)は、デュポン社から入手可能である。
酢酸n−ブチルは、ダウケミカル社から入手可能である。
シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル(CHDM DGE)は、本明細書中、下記に記載の方法により、本明細書で使用のため準備される。
エチルトリフェニルホスホニウムヨウ化物(ETPPI)は、ダウケミカル社から市販の第四級ホスホニウム塩触媒である。
DESMOPHEN(商標)A365BA/X樹脂は、バイエル社から市販のヒドロキシル基含有ポリアクリレートである(DESMOPHENは、Bayer Aktiengesellschaft Corporationの商標である)。
キシレンは、Shanghai First Reagent Co.から入手可能である。
TINUVIN(商標)292光安定剤は、BASF社から入手可能である(TINUVINは、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社の商標である)。
DESMODUR(商標)N75ポリイソシアネートは、脂肪族ポリイソシアネートであり、バイエル社から入手可能である(DESMODURは、Bayer Aktiengesellschaft Joint Stock Companyの商標である)。
VORANOL(商標)CP260ポリオールは、255ダルトンの分子量および3の官能価を有する、ダウケミカル社から入手可能であるポリプロピレングリコールである(VORANOLは、ダウケミカル社の商標である)。
D.E.R.(商標)736樹脂は、約175〜205のエポキシ当量(epoxide equivalent weight)(EEW)を有する、ダウケミカル社から入手可能であるジプロピレングリコールのジグリシジルエーテルである。
D.E.R.樹脂は、約182〜192のEEWを有する、ダウケミカル社から入手可能であるビスフェノールAのジグリシジルエーテルである。
UNOXOL(商標)ジオールは、ダウケミカル社から市販のcis−,trans−1,3−および1,4−シクロヘキサンジメタノール混合物である。
次の標準分析装置および方法が、実施例で使用される。
酸価の測定
酸価を、GB/T2895−1982に従って測定する。樹脂の酸価は、変色指示薬としてチモールブルーを用いて簡便な滴定で、樹脂の中和に要する、樹脂グラム当たりのKOHグラム数として定義される。KOHは、便宜的に、0.1N(モル/リットル)エタノール溶液である。該樹脂を、トルエンとエタノール(容積で2:1)の混合溶媒中に溶解する。
酸価を、GB/T2895−1982に従って測定する。樹脂の酸価は、変色指示薬としてチモールブルーを用いて簡便な滴定で、樹脂の中和に要する、樹脂グラム当たりのKOHグラム数として定義される。KOHは、便宜的に、0.1N(モル/リットル)エタノール溶液である。該樹脂を、トルエンとエタノール(容積で2:1)の混合溶媒中に溶解する。
乾燥特性
BYK乾燥タイマーを、ASTM D5895に従って、コーティング組成物の不粘着時間および硬化乾燥時間を記録するため使用する。評価するコーティング組成物を、環境温度で乾燥するため、BYK乾燥タイマー上に塗布する。
BYK乾燥タイマーを、ASTM D5895に従って、コーティング組成物の不粘着時間および硬化乾燥時間を記録するため使用する。評価するコーティング組成物を、環境温度で乾燥するため、BYK乾燥タイマー上に塗布する。
接着試験
プライマーとトップコート間の接着力を、ASTM D3359に従って、クロスハッチにより評価する。
プライマーとトップコート間の接着力を、ASTM D3359に従って、クロスハッチにより評価する。
73.5重量部のD.E.R.331樹脂を、10重量部のキシレンに溶解し、それから、16.5重量部のIPDAと混合して、エポキシプライマー組成物を作成する。重量部は、該エポキシプライマー組成物の総重量に基づく。約10分間の撹拌後、該エポキシプライマー組成物を、噴霧法を用いて、噴射洗浄したプレート上にスプレーして、該プレート上にエポキシプライマーコートを形成する。1時間後、評価するエポキシまたはPUトップコーティング組成物を、該エポキシプライマーコート上にスプレーする。0℃で7日間の硬化または23℃で7日間の硬化後、該エポキシプライマーおよび該トップコートの間の接着力を試験する。該トップコートは、平均60ミクロンの厚さを有する。
QUV試験
73.5重量部のD.E.R.331樹脂を、10重量部のキシレンに溶解し、それから、16.5重量部のIPDAと混合して、エポキシプライマー組成物を作成する。重量部は、該プライマー組成物の総重量に基づく。約10分間の撹拌後、該エポキシプライマー組成物を、噴霧法を用いて、噴射洗浄したプレート上にスプレーして、該プレート上にエポキシプライマーコートを形成する。1日後、評価するエポキシまたはPUトップコーティング組成物を、該エポキシプライマーコート上にスプレーし、7日間、環境温度で硬化して、トップコートを形成する。それから、該プレートを、UVC電球を備えたQUV促進耐候性試験機(The Q−Panel Companyから市販)中に入れ、紫外線、波長254nmのUVCに曝露する。該トップコートは、平均60ミクロンの厚さを有する。
73.5重量部のD.E.R.331樹脂を、10重量部のキシレンに溶解し、それから、16.5重量部のIPDAと混合して、エポキシプライマー組成物を作成する。重量部は、該プライマー組成物の総重量に基づく。約10分間の撹拌後、該エポキシプライマー組成物を、噴霧法を用いて、噴射洗浄したプレート上にスプレーして、該プレート上にエポキシプライマーコートを形成する。1日後、評価するエポキシまたはPUトップコーティング組成物を、該エポキシプライマーコート上にスプレーし、7日間、環境温度で硬化して、トップコートを形成する。それから、該プレートを、UVC電球を備えたQUV促進耐候性試験機(The Q−Panel Companyから市販)中に入れ、紫外線、波長254nmのUVCに曝露する。該トップコートは、平均60ミクロンの厚さを有する。
光沢度
コーティング膜の光沢度を、ASTM D523に従って、BYKマイクロトリグロスメーターを用いて、測定する。
コーティング膜の光沢度を、ASTM D523に従って、BYKマイクロトリグロスメーターを用いて、測定する。
促進耐候性試験
促進耐候性試験を、ASTM G154−6に従って、実施する。該試験は、次の繰り返しサイクル:60℃で4時間のUV曝露、および50℃で4時間の結露を含む。
促進耐候性試験を、ASTM G154−6に従って、実施する。該試験は、次の繰り返しサイクル:60℃で4時間のUV曝露、および50℃で4時間の結露を含む。
73.5重量部のD.E.R.331樹脂を、10重量部のキシレンに溶解し、それから、16.5重量部のIPDAと混合して、エポキシプライマー組成物を作成する。重量部は、該エポキシプライマー組成物の総重量に基づく。約10分間の撹拌後、該エポキシプライマー組成物を、噴霧法を用いて、噴射洗浄したプレート上にスプレーして、該プレート上にエポキシプライマーコートを形成する。1日後、評価するエポキシまたはPUトップコーティング組成物を、該エポキシプライマーコート上にスプレーして、それから、7日間、環境温度で硬化して、促進耐候性試験用トップコートを形成する。該トップコートは、平均60ミクロンの厚さを有する。
たわみ性
円錐屈曲を、ASTM D522に従って、コーティング膜のクラック耐性能力を評価するために実施する。評価するコーティング組成物を、ブリキ板上に直接スプレーして、コーティング膜を形成する。該コーティング膜は、平均30ミクロンの厚さを有する。もし、試験後、該膜上に、亀裂が観察されないならば、該コーティング膜は、良好なたわみ性を有する。
円錐屈曲を、ASTM D522に従って、コーティング膜のクラック耐性能力を評価するために実施する。評価するコーティング組成物を、ブリキ板上に直接スプレーして、コーティング膜を形成する。該コーティング膜は、平均30ミクロンの厚さを有する。もし、試験後、該膜上に、亀裂が観察されないならば、該コーティング膜は、良好なたわみ性を有する。
衝撃耐性
コーティング膜の衝撃耐性を、ASTM2794に従って実施する。評価するコーティング組成物を、ブリキ板上に直接スプレーして、コーティング膜を形成する。該コーティング膜は、平均30ミクロンの厚さを有する。
コーティング膜の衝撃耐性を、ASTM2794に従って実施する。評価するコーティング組成物を、ブリキ板上に直接スプレーして、コーティング膜を形成する。該コーティング膜は、平均30ミクロンの厚さを有する。
エポキシ当量(EEW)分析
標準滴定法が、様々なエポキシ樹脂中のエポキシ%を測定するために使用される。使用される該滴定法は、Jay, R.R., ‘‘Direct Titration of Epoxy Compounds and Aziridines’’, Analytical Chemistry, 36, 3, 667−668 (March, 1964)に記載の方法と同様なものである。この方法の本適応では、慎重に計量した試料(試料重量は、0.17〜0.25グラム(g)の範囲である)を、ジクロロメタン(15mL)に溶解し、次いで、臭化テトラエチルアンモニウムの酢酸溶液(15mL)を添加する。得られた溶液を、3滴のクリスタルバイオレット指示薬(酢酸中0.1%wt/vol)で処理し、Metrohm665Dosimat滴定装置(ブリンクマン社)で、0.1N過塩素酸の酢酸溶液で滴定した。ジクロロメタン(15mL)および臭化テトラエチルアンモニウムの酢酸溶液(15mL)から成るブランクの滴定は、溶媒バックグラウンドの補正を提供した。エポキシド%およびEEWを、次式を用いて、算出した:
標準滴定法が、様々なエポキシ樹脂中のエポキシ%を測定するために使用される。使用される該滴定法は、Jay, R.R., ‘‘Direct Titration of Epoxy Compounds and Aziridines’’, Analytical Chemistry, 36, 3, 667−668 (March, 1964)に記載の方法と同様なものである。この方法の本適応では、慎重に計量した試料(試料重量は、0.17〜0.25グラム(g)の範囲である)を、ジクロロメタン(15mL)に溶解し、次いで、臭化テトラエチルアンモニウムの酢酸溶液(15mL)を添加する。得られた溶液を、3滴のクリスタルバイオレット指示薬(酢酸中0.1%wt/vol)で処理し、Metrohm665Dosimat滴定装置(ブリンクマン社)で、0.1N過塩素酸の酢酸溶液で滴定した。ジクロロメタン(15mL)および臭化テトラエチルアンモニウムの酢酸溶液(15mL)から成るブランクの滴定は、溶媒バックグラウンドの補正を提供した。エポキシド%およびEEWを、次式を用いて、算出した:
%エポキシド=[(mL滴定試料)−(mL滴定ブランク](0.4303)
(g滴定試料)
(g滴定試料)
EEW=43023
%エポキシド
%エポキシド
シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル(CHDM DGE)の製造
A.1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)のエポキシ化
5リットル(L)四つ口ガラス丸底反応器に、指示された順序で、cis−およびtrans−1,4−CHDM(432.63グラム(g)、3.0モル、6.0ヒドロキシル当量)、エピクロロヒドリン(1110.24g、12.0モル、2:1エピクロロヒドリン:cis−およびtrans−1,4−CHDMヒドロキシル当量比)、トルエン(1.5L)、および60%塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(54.53g、32.72g活性、0.1436モル)水溶液を投入した。該反応器は、加えて、冷却器(0℃を維持)、温度計、クライゼン型連結管、頭上式窒素入口(1リットル/分(LPM)N2使用)、および撹拌装置(テフロン(登録商標)パドル、ガラス棒、可変速モーター)を備えていた。脱塩(DI)水(360g)に溶解した水酸化ナトリウム(360.0g、9.0モル)を、該反応器に、滴下して添加した。30℃〜32.5℃の範囲に保持した該反応混合物の反応温度で、該添加を、250分間で行った。反応後950分後、該反応器の温度は、26.5℃に低下した。DI水(1000g)を、撹拌した反応器に添加して、沈殿した塩を溶解した。30分撹拌後、該二相の混合物を、分離した。回収した水飽和有機相は、2565.14gの重量であった。
A.1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)のエポキシ化
5リットル(L)四つ口ガラス丸底反応器に、指示された順序で、cis−およびtrans−1,4−CHDM(432.63グラム(g)、3.0モル、6.0ヒドロキシル当量)、エピクロロヒドリン(1110.24g、12.0モル、2:1エピクロロヒドリン:cis−およびtrans−1,4−CHDMヒドロキシル当量比)、トルエン(1.5L)、および60%塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(54.53g、32.72g活性、0.1436モル)水溶液を投入した。該反応器は、加えて、冷却器(0℃を維持)、温度計、クライゼン型連結管、頭上式窒素入口(1リットル/分(LPM)N2使用)、および撹拌装置(テフロン(登録商標)パドル、ガラス棒、可変速モーター)を備えていた。脱塩(DI)水(360g)に溶解した水酸化ナトリウム(360.0g、9.0モル)を、該反応器に、滴下して添加した。30℃〜32.5℃の範囲に保持した該反応混合物の反応温度で、該添加を、250分間で行った。反応後950分後、該反応器の温度は、26.5℃に低下した。DI水(1000g)を、撹拌した反応器に添加して、沈殿した塩を溶解した。30分撹拌後、該二相の混合物を、分離した。回収した水飽和有機相は、2565.14gの重量であった。
該有機層を、該反応器に、新鮮な60%塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(27.26g、16.36g活性、0.0718モル)水溶液に加えて、再投入した。水酸化ナトリウム(180g、4.5モル)DI水(180g)を、2時間に渡って、滴下した。反応後958時間後、DI水(453g)を、撹拌した反応器に添加して、沈殿した塩を溶解した。30分撹拌後、二相の混合物を分離した。回収した水飽和有機相は、2446.24gの重量であった。
該有機相を、該反応器に、新鮮な60%塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(13.64g、8.18g活性、0.0359モル)水溶液に加えて、再投入した。水酸化ナトリウム(90g、2.25モル)DI水(90g)を、100分に渡って、滴下した。反応後980時間後、DI水(185g)を、撹拌した反応器に添加して、沈殿した塩を溶解した。30分撹拌後、二相の混合物を分離した。回収した水飽和有機相は、2389.76gの重量であった。それから、該有機層を、DI水(各回、800mL)で、2回洗浄した。該濁った有機溶液を、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。揮発分を、最終的に、0.44mmHgの真空まで、ロータリーエバポレーター(100℃の浴温)により除去した。750.54gの黄色透明な1,4−シクロヘキサンジメタノール液状エポキシ樹脂生成物を、ロータリーエバポレーターによる蒸溜完了後、回収した。ガスクロマトグラフィー(GC)分析により、0.13面積%の軽質分、0.26面積%のcis−およびtrans−1,4−CHDM、3.85面積%のモノグリシジルエーテル(MGE)、0.23面積%のDGEピークと関連する3つの微量成分、74.98面積%のDGE、および20.55面積%のオリゴマーの存在が分かった。
B.CHDMエポキシ樹脂の真空分留
該ロータリーエバポレーターによる蒸溜から得られた生成物の部分を、真空で分留して、精製CHDM DGEを単離した。該蒸溜中、留分を、順次採取して、GCにより分析した。DGEを多く含む留分を合わせて、GCによる分析で、99.31面積%のCHDM DGEである試料を得た。
該ロータリーエバポレーターによる蒸溜から得られた生成物の部分を、真空で分留して、精製CHDM DGEを単離した。該蒸溜中、留分を、順次採取して、GCにより分析した。DGEを多く含む留分を合わせて、GCによる分析で、99.31面積%のCHDM DGEである試料を得た。
実施例1
3.0モルのHMMPAおよび1.0モルのTMPを、反応器に投入して、混合物を生成した。該混合物を、約3時間、撹拌しながら、130℃まで加熱した。該反応器中の該混合物を、様々な時間間隔で、断続的に、その酸価を決定するために試験した。該混合物の酸価が、約265mgKOH/gに近づいたとき、該反応器を、環境温度まで冷却して、半エステルを得た。それから、3.0モルのBDDGEを該反応器に投入した。該半エステルを、90℃で、BDDGE中に完全に溶解した後、300ppmのETPPIを添加した。該反応温度を、ゆっくりと、110℃まで上昇して、約6時間、110℃で維持した。得られた化合物の酸価が、1mgKOH/g以下に近づいたとき、該反応を停止した。上記手順から得られたエポキシ樹脂組成物は、540の平均EEWを有する。
3.0モルのHMMPAおよび1.0モルのTMPを、反応器に投入して、混合物を生成した。該混合物を、約3時間、撹拌しながら、130℃まで加熱した。該反応器中の該混合物を、様々な時間間隔で、断続的に、その酸価を決定するために試験した。該混合物の酸価が、約265mgKOH/gに近づいたとき、該反応器を、環境温度まで冷却して、半エステルを得た。それから、3.0モルのBDDGEを該反応器に投入した。該半エステルを、90℃で、BDDGE中に完全に溶解した後、300ppmのETPPIを添加した。該反応温度を、ゆっくりと、110℃まで上昇して、約6時間、110℃で維持した。得られた化合物の酸価が、1mgKOH/g以下に近づいたとき、該反応を停止した。上記手順から得られたエポキシ樹脂組成物は、540の平均EEWを有する。
実施例2
3.0モルのHMMPAおよび1.0モルのTMPを、反応器に投入して、混合物を生成した。該混合物を、約3時間、撹拌しながら、130℃まで加熱した。該混合物を、様々な時間間隔で、断続的に、その酸価を決定するために試験した。該混合物の酸価が、約265mgKOH/gに近づいたとき、該反応器を、冷却して、ヘミエステルを得た。それから、3.0モルのCHDM DGEを該反応器に投入した。該ヘミエステルを、90℃で、CHDM DGE中に完全に溶解した後、300ppmのETPPIを添加した。該反応温度を、110℃まで上昇して、約5時間、110℃で維持した。得られた化合物の酸価が、1mgKOH/g以下に近づいたとき、該反応を停止した。上記手順から得られたエポキシ樹脂組成物は、500の平均EEWを有する。
3.0モルのHMMPAおよび1.0モルのTMPを、反応器に投入して、混合物を生成した。該混合物を、約3時間、撹拌しながら、130℃まで加熱した。該混合物を、様々な時間間隔で、断続的に、その酸価を決定するために試験した。該混合物の酸価が、約265mgKOH/gに近づいたとき、該反応器を、冷却して、ヘミエステルを得た。それから、3.0モルのCHDM DGEを該反応器に投入した。該ヘミエステルを、90℃で、CHDM DGE中に完全に溶解した後、300ppmのETPPIを添加した。該反応温度を、110℃まで上昇して、約5時間、110℃で維持した。得られた化合物の酸価が、1mgKOH/g以下に近づいたとき、該反応を停止した。上記手順から得られたエポキシ樹脂組成物は、500の平均EEWを有する。
実施例3
100gの実施例1のエポキシ樹脂組成物を、10gのn−ブタノールおよび20gのプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)中に溶解した。それから、17gのTiO2顔料を、該エポキシ樹脂組成物中に分散して、パーツAを生成した。パーツBは、下記に示されるように、硬化剤処方物である。パーツBを、1:1の化学量論比で、パーツAと混合して、この実施例3のトップコーティング組成物を生成した。
100gの実施例1のエポキシ樹脂組成物を、10gのn−ブタノールおよび20gのプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)中に溶解した。それから、17gのTiO2顔料を、該エポキシ樹脂組成物中に分散して、パーツAを生成した。パーツBは、下記に示されるように、硬化剤処方物である。パーツBを、1:1の化学量論比で、パーツAと混合して、この実施例3のトップコーティング組成物を生成した。
[表]
実施例4
100gの実施例2のエポキシ樹脂組成物を、10gのn−ブタノールおよび20gのPGME中に溶解した。それから、17gのTiO2顔料を、該エポキシ樹脂組成物中に分散して、パーツAを生成した。パーツBは、70:30の重量比のAEPおよびPGMEのブレンドである硬化剤処方物である。パーツBを、1:1の化学量論比で、パーツAと混合して、この実施例4のトップコーティング組成物を生成した。
100gの実施例2のエポキシ樹脂組成物を、10gのn−ブタノールおよび20gのPGME中に溶解した。それから、17gのTiO2顔料を、該エポキシ樹脂組成物中に分散して、パーツAを生成した。パーツBは、70:30の重量比のAEPおよびPGMEのブレンドである硬化剤処方物である。パーツBを、1:1の化学量論比で、パーツAと混合して、この実施例4のトップコーティング組成物を生成した。
比較例A
下記に示された2液型PUコーティング組成物は、トップコートの製造のため、M&PC市場で広く使用され、高性能トップコートの基準を満足し得る。パーツAおよびパーツBを混合し、約30分間撹拌して、PUトップコーティング組成物を生成した。
下記に示された2液型PUコーティング組成物は、トップコートの製造のため、M&PC市場で広く使用され、高性能トップコートの基準を満足し得る。パーツAおよびパーツBを混合し、約30分間撹拌して、PUトップコーティング組成物を生成した。
[表]
比較例B
23.62gのHMMPAおよび17.8gのVORANOL CP260ポリオールを、反応器に投入して、130℃まで加熱した。130℃で3時間後、該酸価は、約190mgKOH/gに達し、ヘミエステルを得た。58.8gのD.E.R.736樹脂を、得られたヘミエステル中に投入した。該ヘミエステルを、90℃で、D.E.R.736樹脂中に完全に溶解した後、それから、1500ppmのETPPIを、該反応器に添加し、該反応温度を、ゆっくり、125℃まで上昇した。得られた化合物の酸価が、1mgKOH/gより低くなったとき、該反応を停止した。上記手順から得られたエポキシ樹脂組成物は、約590の平均EEWを有する。
23.62gのHMMPAおよび17.8gのVORANOL CP260ポリオールを、反応器に投入して、130℃まで加熱した。130℃で3時間後、該酸価は、約190mgKOH/gに達し、ヘミエステルを得た。58.8gのD.E.R.736樹脂を、得られたヘミエステル中に投入した。該ヘミエステルを、90℃で、D.E.R.736樹脂中に完全に溶解した後、それから、1500ppmのETPPIを、該反応器に添加し、該反応温度を、ゆっくり、125℃まで上昇した。得られた化合物の酸価が、1mgKOH/gより低くなったとき、該反応を停止した。上記手順から得られたエポキシ樹脂組成物は、約590の平均EEWを有する。
100gの得られたエポキシ樹脂組成物を、12gの酢酸n−ブチル中に溶解して、パーツAを生成した。パーツBは、70/30の重量比のAEPおよび酢酸n−ブチルのブレンドである硬化剤処方物であった。パーツBを、1:1の化学量論比で、パーツAと混合して、この比較例Bのコーティング組成物を生成した。
比較例C
2.0モルのHMMPAおよび1.0モルのUNOXIOL Diolを、反応器に投入して、130℃まで加熱した。該反応器中、得られた混合物を、約3時間、撹拌しながら、130℃まで加熱した。時間間隔で、該反応混合物を、該反応混合物の酸価を決定するために試験した。該酸価が約190mgKOH/gに近づいたとき、該反応器を冷却し、半エステルを得た。2.0モルのBDDGEを、得られた半エステル中に投入した。該半エステルを、90℃で、BDDGE中に完全に溶解した後、300ppmのETPPIを添加し、該反応温度を、ゆっくり、110℃まで上昇した。該酸価が1mgKOH/gより低くなったとき、該反応を停止した。上記手順から得られた比較エポキシ樹脂組成物は、約560g/当量の平均EEWを有した。
2.0モルのHMMPAおよび1.0モルのUNOXIOL Diolを、反応器に投入して、130℃まで加熱した。該反応器中、得られた混合物を、約3時間、撹拌しながら、130℃まで加熱した。時間間隔で、該反応混合物を、該反応混合物の酸価を決定するために試験した。該酸価が約190mgKOH/gに近づいたとき、該反応器を冷却し、半エステルを得た。2.0モルのBDDGEを、得られた半エステル中に投入した。該半エステルを、90℃で、BDDGE中に完全に溶解した後、300ppmのETPPIを添加し、該反応温度を、ゆっくり、110℃まで上昇した。該酸価が1mgKOH/gより低くなったとき、該反応を停止した。上記手順から得られた比較エポキシ樹脂組成物は、約560g/当量の平均EEWを有した。
100gの得られた比較エポキシ樹脂組成物を、12gの酢酸n−ブチル中に溶解して、パーツAを生成した。パーツBは、70/30の重量比のAEPおよび酢酸n−ブチルのブレンドである硬化剤処方物であった。パーツBを、1:1の化学量論比で、パーツAと混合して、この比較例Cのコーティング組成物を生成した。
上記コーティング組成物の乾燥特性および該コーティング組成物から形成したコーティング膜の特性を、上記試験方法に従って、評価した。
表1は、実施例3および4のコーティング組成物、ならびに比較例BおよびCのコーティング組成物の乾燥特性を示す。実施例3および4のコーティング組成物は、環境温度で、5時間未満の不粘着時間および24時間以内の硬化乾燥時間を有した。対照的に、比較例BおよびCのコーティング組成物は、本発明のコーティング組成物より、環境温度で、ずっと長い不粘着時間および硬化乾燥時間を示した。比較例BおよびCのコーティング組成物は、5時間未満の不粘着時間であり、24時間以内の硬化乾燥時間を有する工業的要件を満足できないことになる。
表2は、QUV試験後の硬化コーティングの光沢度レベルおよび光沢保持率を示す。表2に記載のように、実施例3および4から作成したエポキシトップコートは、比較例Aから作成したPUトップコートと匹敵する初期光沢度レベルを示した。約700時間以上の曝露後、該エポキシトップコートは、該PUトップコートより、有意に高い光沢度を示した。750時間曝露後、実施例3、実施例4および比較例Aから作成したトップコートの光沢保持率は、86.2%、82.4%および63.3%であった。960時間曝露後、実施例3から作成したエポキシトップコートの光沢保持率は、比較例Aから作成したPUトップコートの52%光沢保持率と比較して、まだ78%であった。本発明のコーティング組成物から作成したエポキシトップコートは、比較例Aから作成したPUトップコートより、良好なUV耐性を有することを示している。
表3は、促進耐候性試験中の実施例4から作成したトップコートの光沢度を示す。該トップコートの初期光沢度は、約90°であった。約995時間曝露後、該トップコートの光沢度減少は、約22%のみであった。特に、実施例4から作成したトップコートは、UV安定剤またはUV吸収剤の使用を必要としない風化耐性を達成した。
エポキシプライマーコートおよびトップコートの間のクロスハッチ接着力を、上記接着試験法に従って、評価した。上塗り間隔時間(すなわち、エポキシプライマーとトップコート組成物を塗布する間の時間)は、該接着力試験で1時間であった。塗装業では、エポキシプライマーは、通常、PUトップコート組成物塗布前、一夜放置する。該トップコート組成物を、2つの異なる条件で:0℃で7日間、または23℃で7日間、硬化した。
2つの異なる条件で硬化した比較例Aから作成したPUトップコートは、両方とも、接着試験で、0B等級を示した。0℃で7日間硬化したPUトップコートは、スクラップにより該エポキシプライマーコートから、容易に剥がれた。23℃で7日間硬化したPUトップコートは、シールテープにより、容易に剥がれた。対照的に、2つの異なる条件で硬化した実施例3および4から作成したエポキシトップコートは、両方とも、5B等級を示した。シールテープにより剥がしたとき、該エポキシトップコートでは、問題は観察されなかった。該接着試験結果は、本発明のコーティング組成物から作成したエポキシトップコートは、0℃で、比較例Aから作成したPUトップコートより、該エポキシプライマーに対して、良好な接着力を有することを示している。本発明のコーティング組成物は、該工業で、通常に、使用されるものより、短時間の上塗り時間を提供し得、待ち時間の短縮および効率を増進し得ることも示している。
さらに、実施例3および4のコーティング組成物から作成したコーティング膜は、ASTM D522により測定して、亀裂がなく、該コーティング膜が、良好なたわみ性を有することを示している。実施例3および4のコーティング組成物に基づくコーティング膜は、両方とも、453.6m・g(100cm・ポンド)より大きな衝撃強さおよび逆衝撃強さも有する。
Claims (16)
- 式(I):
- aが、0〜3の整数であり、xが、4〜12の整数であり、yが、5〜24の整数、bが、3〜6の整数であり、cが、1〜3である、請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
- R1が、C6〜C10シクロアルキレン基、およびR2が、C2〜C8脂肪族基またはC5〜C15脂環式基である、請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
- R2が、直鎖または分岐鎖−C2H4−、−C3H6−、−C4H8−、−C5H10−、−C6H12−、−C7H14−または−C8H16−基;シクロヘキシレン;1,2−シクロヘキサンジメチレン;1,3−シクロヘキサンジメチレン;1,4−シクロヘキサンジメチレン;4,4’−(プロパン−2,2−ジイル)ジシクロヘキシル;
- R1が、シクロヘキセン基およびメチルシクロヘキセン基から選択される二価基である、請求項1〜4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂組成物が、グラム当たり1ミリグラム水酸化カリウム以下の酸価を有する、請求項1〜5のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂組成物が、芳香族エポキシ樹脂を含まない、請求項1〜6のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
- (i)前記アルコールが、アルキルアルコールまたはその二量体であり、3〜10個のヒドロキシル基を有し、前記アルコールと、脂肪族または脂環式飽和カルボン酸またはその無水物との半エステルを準備する工程;および
(ii)前記半エステルを、アルキルアルコールの飽和ポリグリシジルエーテルおよび/または飽和脂環式ポリグリシジルエーテルと反応させて、前記半エステル中、前記カルボン酸基に対する前記ポリグリシジルエーテルのモル比が1以上である前記エポキシ樹脂組成物を生成する工程
を含む、請求項1〜7のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を製造する方法。 - 前記アルコールが、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジグリセロールまたはその混合物から選択される、請求項8記載の方法。
- 前記無水物が、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、またはその混合物から選択される、請求項8記載の方法。
- 前記ポリグリシジルエーテルが、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル;1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル;トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル;ネオペンタングリコールジグリシジルエーテル;シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル;4,4’−(プロパン−2,2−ジイル)ジシクロヘキシルジグリシジルエーテルまたはその混合物から選択される、請求項8記載の方法。
- 前記半エステルが、1.4:1〜1:1の範囲の前記無水物の無水物基に対する、前記アルコールのヒドロキシル基のモル比で、前記アルコールを、前記無水物と反応させることにより製造される、請求項8記載の方法。
- 前記半エステルの前記カルボン酸基に対する、前記ポリグリシジルエーテルのモル比が、3:1〜1:1の範囲である、請求項8記載の方法。
- 前記半エステルが、ホスフィン類、第四級アンモニウム化合物、ホスホニウム化合物またはその混合物から選択される触媒の存在下、前記ポリグリシジルエーテルと反応する、請求項8記載の方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物、および脂肪族アミンまたはその付加物、脂環式アミンまたはその付加物、およびその混合物から選択されるアミン硬化剤を含む硬化性コーティング組成物。
- 前記アミン硬化剤が、アミノエチルピペラジン;イソホロンジアミン;ジエチレントリアミン;4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン;1,2−ジアミノシクロヘキサン;ポリエーテルアミン;ポリアミド;およびその混合物から選択される、請求項15記載の硬化性コーティング組成物。
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