JP2011195483A - トリエポキシエチルシクロヘキサン及びエポキシ樹脂の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】トリビニルシクロヘキサンからトリエポキシエチルシクロヘキサンを高収率かつ簡便に得ることができる製造方法を提供する。
【解決手段】トリビニルシクロヘキサンを、過酸化水素を用いてエポキシ化するに当たり、炭酸カリウム等の塩基触媒及びアセトニトリル等のニトリル化合物の存在下にエポキシ化反応を行うことを特徴とするトリエポキシエチルシクロヘキサン又はトリエポキシエチルシクロヘキサンを含有するエポキシ樹脂の製造方法である。
【選択図】なし
【解決手段】トリビニルシクロヘキサンを、過酸化水素を用いてエポキシ化するに当たり、炭酸カリウム等の塩基触媒及びアセトニトリル等のニトリル化合物の存在下にエポキシ化反応を行うことを特徴とするトリエポキシエチルシクロヘキサン又はトリエポキシエチルシクロヘキサンを含有するエポキシ樹脂の製造方法である。
【選択図】なし
Description
本発明は低粘度性に優れるとともに、耐熱性、低熱膨張性等に優れた硬化物を与える電気・電子部品等の封止、コーティング材料、積層材料、複合材料等の用途として有用なエポキシ樹脂の製造方法に関するものである。
エポキシ樹脂は工業的に幅広い用途で使用されてきているが、その要求性能は近年ますます高度化している。例えば、エポキシ樹脂を主剤とする樹脂組成物の代表的分野に半導体封止材料があるが、近年、半導体素子の集積度の向上に伴い、パッケージサイズが大面積化、薄型化に向かうとともに、実装方式も表面実装化への移行が進展しており、より半田耐熱性に優れた材料の開発が望まれている。
また最近では、高集積化、高密度実装化の技術動向により、従来の金型を利用したトランスファー成形によるパッケージに代わり、ハイブリッドIC、チップオンボード、テープキャリアパッケージ、プラスチックピングリッドアレイ、プラスチックボールグリッドアレイ等の金型を使用しないで液状材料を用いて封止し、実装する方式が増えてきている。しかし、一般に液状材料はトランスファー成形に用いる固形材料に比べて信頼性が低い欠点がある。これは、液状材料に粘度上の限界があり、用いる樹脂、硬化剤、充填剤等に制約があるからである。
また、炭素繊維強化複合材料のマトリックス樹脂としては、成形性、耐熱性、機械特性等に優れるエポキシ樹脂が望まれている。特に、近年では、自動車部品、鉄道車両、航空機等の用途において低粘度化及び高耐熱化の両立といった要求が高まってきている。
これまでに、低粘度エポキシ樹脂としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等が一般に広く知られているが、低粘度性及び耐熱性の点で充分ではない。また、低粘度性に優れたエポキシ樹脂として、特許文献1には、シクロヘキサン骨格にオキシメチレン鎖を有するエポキシ樹脂が提案されている。シクロヘキサン骨格にオキシメチレン鎖を有するエポキシ樹脂は、芳香族環を有するエポキシ樹脂に比べ、透明性、耐候性に優れるが、耐熱性の点で充分ではなかった。
一方、特許文献2には、トリエポキシエチルシクロヘキサンが記載されている。このトリエポキシエチルシクロヘキサンは、オキシメチレン鎖を有さないことから、上記シクロヘキサン骨格にオキシメチレン鎖を有するエポキシ樹脂と比較して耐熱性が向上すると考えられる。しかし、エポキシ樹脂用硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物の例は示されておらず、その反応性や、エポキシ樹脂硬化物とした場合の詳細な物性検討はなされておらず、実用物性上の性能は知られていなかった。
また、特許文献2及び特許文献3では、トリビニルシクロヘキサンのエポキシ化によりトリエポキシエチルシクロヘキサンを製造しているが、いずれもモノエポキシエチルジビニルシクロヘキサン又はジエポキシビニルシクロヘキサンを経由した多段階の反応によって1,2,4-トリエポキシエチルシクロヘキサンを製造している。
また、特許文献4では、トリビニルシクロヘキサンのエポキシ化によりトリエポキシエチルシクロヘキサンが1段階反応により得られているが、得られたトリエポキシエチルシクロヘキサンは蒸留残渣に含まれるものであり、反応収率は6%程度と極めて低い。
従って、本発明の目的はトリエポキシエチルシクロヘキサンの高収率かつ簡便な製造方法の提供にある。本発明者は、こうした実情に鑑み、低粘度性に優れ、かつ耐熱性、低熱膨張性等に優れた硬化物を与えるトリエポキシエチルシクロヘキサンの、高収率かつ簡便な製造方法を求めて鋭意研究した結果、これらの要求を満たす製造方法を見出した。
すなわち、本発明は、トリビニルシクロヘキサンを、過酸化水素を用いてエポキシ化するに当たり、塩基触媒及びニトリル化合物の存在下にエポキシ化反応を行うことを特徴とするトリエポキシエチルシクロヘキサンの製造方法である。また、本発明はトリビニルシクロヘキサンを、過酸化水素を用いてエポキシ化するに当たり、塩基触媒及びニトリル化合物の存在下にエポキシ化反応を行うことを特徴とするトリエポキシエチルシクロヘキサンを含有するエポキシ樹脂の製造方法である。
好ましいトリビニルシクロヘキサンとしては、1,2,4-トリビニルシクロヘキサンがあり、これからは1,2,4-トリエポキシエチルシクロヘキサン又はこれを含むエポキシ樹脂が得られる。
上記エポキシ化反応に使用する塩基触媒がアルカリ金属塩であることが好ましく、アルカリ金属炭酸塩であることがより好ましい。また、上記ニトリル化合物がアセトニトリルであることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂の製造方法は、低粘度性に優れ、耐熱性及び低熱膨張性等に優れた硬化物の原料であるエポキシ化合物又はエポキシ樹脂を、高収率かつ簡便に与えることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のトリエポキシエチルシクロヘキサン又はこれを含むエポキシ樹脂の製造方法は、トリビニルシクロヘキサンを原料とし、過酸化水素を用いてビニル基を酸化させエポキシ化反応を行なうが、この際、塩基触媒、及びニトリル化合物を存在させる。反応条件又は精製条件によって、高い純度のトリエポキシエチルシクロヘキサンを得ることができる他、トリエポキシエチルシクロヘキサンを含むエポキシ樹脂を得ることができる。ここで、トリエポキシエチルシクロヘキサンを含むエポキシ樹脂は、ビニル基の一部がエポキシ化されずに残った部分エポキシ化物を含むものである。
本発明のトリエポキシエチルシクロヘキサン又はこれを含むエポキシ樹脂の製造方法は、トリビニルシクロヘキサンを原料とし、過酸化水素を用いてビニル基を酸化させエポキシ化反応を行なうが、この際、塩基触媒、及びニトリル化合物を存在させる。反応条件又は精製条件によって、高い純度のトリエポキシエチルシクロヘキサンを得ることができる他、トリエポキシエチルシクロヘキサンを含むエポキシ樹脂を得ることができる。ここで、トリエポキシエチルシクロヘキサンを含むエポキシ樹脂は、ビニル基の一部がエポキシ化されずに残った部分エポキシ化物を含むものである。
上記エポキシ化反応において、一般的には過酸化水素の代わりに、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、過プロピオン酸、m−クロロ安息香酸等の有機過酸が用いられる。
しかし、これらの有機過酸を用いた場合、副反応として、生成したエポキシ化物の加水分解反応、エステル化反応が進行してしまうという問題点があった。特許文献2においても、過酢酸、過蟻酸又は過安息香酸を用いてエポキシ化反応を行っているが、上述のようにトリエポキシエチルシクロヘキサンの収率は低い。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、トリビニルシクロヘキサンと過酸化水素をニトリル化合物及び塩基触媒の存在下に反応させると、当該反応が効率良く行なわれ、上式(1)で表されるトリエポキシエチルシクロヘキサン又はこれを含むエポキシ樹脂が高収率で得られることを見出した。
本製造方法に用いる過酸化水素は、通常は水溶液の形で市販されており、入手の容易な30〜50%水溶液を用いるのが好ましい。
過酸化水素の使用量はビニル基1モルに対して、1〜50モルとすることが好ましく、1〜2モルとすることがより好ましい。
ニトリル化合物としては脂肪族ニトリル化合物、芳香族ニトリル化合物及びアラルキルニトリル化合物から選択される少なくとも1種のニトリル化合物が用いられる。
脂肪族ニトリル化合物としては、シアノ基の炭素を除く炭素の数が1〜6個の脂肪族ニトリル化合物またはハロゲン置換脂肪族ニトリル化合物が好ましく、その具体例としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、n−ブチロニトリル、イソブチロニトリルなどやモノクロロ、ジクロロまたはトリクロロアセトニトリルなどが挙げられる。
芳香族ニトリル化合物としては、シアノ基の炭素を除く炭素の数が6〜10個の芳香族ニトリル化合物またはハロゲン置換芳香族ニトリル化合物が好ましく、その具体例としては、ベンゾニトリル、トルニトリルなどやクロロベンゾニトリル、ジクロロベンゾニトリル、フルオロベンゾニトリルなどが挙げられる。
アラルキルニトリル化合物としては、シアノ基の炭素を除く炭素の数が7〜10個のアラルキルニトリル化合物が好ましく、その具体例としてはベンジルニトリルなどが挙げられる。
上記ニトリル化合物のうち、アセトニトリルが特に好ましい。
ニトリル化合物の使用量は、ビニル基1モルに対して、1〜50モルとするのが好ましく、1〜20モルとするのがより好ましい。
なお、後述するようにニトリル化合物のうち、比較的低沸点のニトリル化合物(例えばアセトニトリルなど)は、溶媒としての機能を果すことができる。ニトリル化合物に溶媒を兼ねさせる場合には、ニトリル化合物をトリビニルシクロヘキサンに対して50モル倍以下であって、原料が完全に溶解するに足りる量を使用するのが好ましい。
本発明の製造方法において、トリビニルシクロヘキサンと過酸化水素の反応をニトリル化合物及び塩基触媒の存在下で行なうと、上式(1)で表されるエポキシ化合物又はエポキシ樹脂が高収率で得られる理由は、過酸化水素によりニトリル化合物の過酸化物が生成し、その生成した過酸化物がビニル基を酸化することにより、エポキシ化が進行するが、反応系がアルカリ性であるため、副反応である加水分解が抑制されることによるものと推定される。
本発明の製造方法は、上記ニトリル化合物とともに塩基触媒の存在下に実施する。
塩基触媒としては、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等が使用されるが、これらの中でもアルカリ金属塩が好ましく使用される。
アルカリ金属塩の具体例としては、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、二リン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウムなどやこれらの水和物などのリン酸のアルカリ金属塩;炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭素ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸のアルカリ金属塩;酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどの有機酸のアルカリ金属塩;硫酸ナトリウムなどの硫酸のアルカリ金属塩が挙げられる。上記アルカリ金属塩のうち、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭素ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸のアルカリ金属塩が特に好ましい。これらのアルカリ金属塩は単独で用いても良く2種以上を併用しても良い。また上記アルカリ金属塩に水酸化ナトリウムなどの水酸化アルカリ化合物を加えてもよい。アルカリ金属塩に水酸化アルカリ化合物を添加する場合、前者1当量対して後者を0〜50当量とするのが好ましく、0〜1当量とするのがより好ましい。
塩基触媒の量はトリビニルシクロヘキサン1モルに対して0.01〜20モルとするのが好ましく、0.1〜5モルとするのがより好ましい。
上述のように本発明の方法においては、上記ニトリル化合物を溶媒としての機能を兼ねさせることができるので、溶媒の使用は必須ではないが、必要に応じて極性溶媒を用いることにより、反応を円滑に進めることができる。
このような極性溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノールなどの炭素数1〜4のアルコール;トルエンなどの芳香族炭化水素;クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロメタンなどの塩素化炭化水素;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン;N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリルなどが挙げられる。極性溶媒のうち、アルコールを用いるのが特に好ましい。
溶媒の量はトリビニルシクロヘキサン1重量部に対して1〜500重量部とするのが好ましく、10〜300重量部とするのが特に好ましい。
本発明の製造方法においては、トリビニルシクロヘキサン、過酸化水素およびニトリル化合物が存在させて行うが、この場合、これらの添加順序や方法は特に限定されない。一例として、トリビニルシクロヘキサンとニトリル化合物を必要に応じて溶媒とともに混合した後、これにアルカリ金属塩を加え、次いで過酸化水素水溶液を添加する方法が好ましい。またアルカリ金属塩を過酸化水素水溶液に加えることもできる。過酸化水素水溶液を添加後、所定の反応温度で所定の反応時間撹拌して目的とする式(I)で表されるエポキシ化合物又はこれを含むエポキシ樹脂を得ることができる。反応温度は特に限定されないが、10℃から溶媒の沸点程度で行なうのが好ましく、20℃程度から65℃程度が特に好ましい。反応時間も特に限定されないが、1〜100時間が好ましい。
また、本発明の製造方法で用いられるトリビニルシクロヘキサンにおいては、シクロヘキサン骨格に対するビニル基の置換位置は特に限定されないが、物質の安定性及び入手のし易さから、1,2,4-トリビニルシクロヘキサンが好ましく使用される。この場合、本発明の方法で得られる上式(1)で表されるエポキシ化合物は、1,2,4-トリエポキシエチルシクロヘキサンである。
また、本発明の製造方法で用いられるトリビニルシクロヘキサンは、1価の置換基を有してもよい。トリビニルシクロヘキサンが1価の置換基を有する場合は、置換基の数は特に限定されない。また、全てが同一でも異なっていても良い。
本発明の製造方法では、トリビニルシクロヘキサンのビニル基を完全にエポキシ化してもよいが、副反応が増大する場合は、一部のビニル基の一部がエポキシ化されずに残った部分エポキシ化物を含む状態で反応を停止し、その後トリエポキシエチルシクロヘキサンを分離することが好ましい。トリエポキシエチルシクロヘキサンと、未反応物、及びジエポキシ化物又はモノエポキシ化物等の中間体とは蒸留で分離可能である。トリエポキシエチルシクロヘキサン又はこれを含む留分はエポキシ樹脂となる。また、部分エポキシ化物を含むトリエポキシエチルシクロヘキサン混合物も同様にエポキシ樹脂となる。当然であるが、トリエポキシエチルシクロヘキサンは、エポキシ樹脂以外の用途に使用可能である。
次に本発明の特徴を更に明確にするため実施例を挙げて具体的に説明する。なお、文中の「部」、「%」は全て重量基準を示すものである。
実施例1
1,2,4-トリビニルシクロヘキサン80g(0.49mol)、アセトニトリル323g(7.87mol)、メタノール560g(17.5mol)炭酸カリウム175g(1.27mol)、を温度計、冷却管、窒素導入管、攪拌翼の付いた2Lの五つ口セパラブルフラスコに投入した。窒素置換後、内温を20〜25℃の間に調整し、30%の過酸化水素水630g(5.55mol)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、内温を25〜45℃の間に保ちながら5時間反応を行った。反応終了後、反応液中の残存過酸化物を10%の亜硫酸ナトリウム水溶液186.6g(0.15mol)を用いて分解した。トルエン600g(6.51mol)を添加し、水層と有機層の分離を行った。分離後、有機層を3回水洗し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。エバポレータを用いて、有機層(トルエン層)の留去後、蒸留により分離精製した。純度(ガスクロ面積%)99.8%のモノエポキシ体、8.74g(0.049mol、収率10%)、純度99.8%(ガスクロ面積%)ジエポキシ体、27.22g(0.140mol、29%)、純度(ガスクロ面積%)99.7%の1,2,4-トリエポキシシクロヘキサン29.87g(0.142mol、収率29%)を得た。この1,2,4-トリエポキシシクロヘキサンのエポキシ当量は93g/eq、粘度は115 mPa・s (25℃)であった。
1,2,4-トリビニルシクロヘキサン80g(0.49mol)、アセトニトリル323g(7.87mol)、メタノール560g(17.5mol)炭酸カリウム175g(1.27mol)、を温度計、冷却管、窒素導入管、攪拌翼の付いた2Lの五つ口セパラブルフラスコに投入した。窒素置換後、内温を20〜25℃の間に調整し、30%の過酸化水素水630g(5.55mol)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、内温を25〜45℃の間に保ちながら5時間反応を行った。反応終了後、反応液中の残存過酸化物を10%の亜硫酸ナトリウム水溶液186.6g(0.15mol)を用いて分解した。トルエン600g(6.51mol)を添加し、水層と有機層の分離を行った。分離後、有機層を3回水洗し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。エバポレータを用いて、有機層(トルエン層)の留去後、蒸留により分離精製した。純度(ガスクロ面積%)99.8%のモノエポキシ体、8.74g(0.049mol、収率10%)、純度99.8%(ガスクロ面積%)ジエポキシ体、27.22g(0.140mol、29%)、純度(ガスクロ面積%)99.7%の1,2,4-トリエポキシシクロヘキサン29.87g(0.142mol、収率29%)を得た。この1,2,4-トリエポキシシクロヘキサンのエポキシ当量は93g/eq、粘度は115 mPa・s (25℃)であった。
実施例2
実施例1における炭酸カリウムの代わりに、炭酸水素カリウム127g(1.27mol)を用いたことと反応時間10時間にした以外は、実施例1と同様の操作を行った。純度99.8%(ガスクロ面積%)のモノエポキシ体、9.74g(0.055mol、収率11%)、純度99.8%(ガスクロ面積%)のジエポキシ体、29.32g(0.151mol、31%)、純度99.8%(ガスクロ面積%)1,2,4-トリエポキシシクロヘキサンを31.90g(0.152mol、収率31%)得た。エポキシ当量と粘度も実施例1と同等であった。
実施例1における炭酸カリウムの代わりに、炭酸水素カリウム127g(1.27mol)を用いたことと反応時間10時間にした以外は、実施例1と同様の操作を行った。純度99.8%(ガスクロ面積%)のモノエポキシ体、9.74g(0.055mol、収率11%)、純度99.8%(ガスクロ面積%)のジエポキシ体、29.32g(0.151mol、31%)、純度99.8%(ガスクロ面積%)1,2,4-トリエポキシシクロヘキサンを31.90g(0.152mol、収率31%)得た。エポキシ当量と粘度も実施例1と同等であった。
比較例1
100mL三角フラスコ中に45%過酸化水素9.5g、硫酸125mgを入れ、室温で攪拌しながら2時間かけて無水酢酸29gを滴下した。そのまま1時間攪拌した後の過酢酸濃度は3.67mol/lであった。この過酢酸溶液11.4mLを1,2,4−トリビニルシクロヘキサン1.6g、クロロホルム10mLを仕込んだ温度計、冷却管、窒素導入管、攪拌翼のついた100mLの三口フラスコ中に1時間かけて滴下した。3時間後の反応溶液のガスクロマトグラム分析を行った結果、GC面積%比率は、モノエポキシ体5%、ジエポキシ体15%、トリエポキシ体2%、モノエポキシ体のアセチル化物54%、その他24%であった。
100mL三角フラスコ中に45%過酸化水素9.5g、硫酸125mgを入れ、室温で攪拌しながら2時間かけて無水酢酸29gを滴下した。そのまま1時間攪拌した後の過酢酸濃度は3.67mol/lであった。この過酢酸溶液11.4mLを1,2,4−トリビニルシクロヘキサン1.6g、クロロホルム10mLを仕込んだ温度計、冷却管、窒素導入管、攪拌翼のついた100mLの三口フラスコ中に1時間かけて滴下した。3時間後の反応溶液のガスクロマトグラム分析を行った結果、GC面積%比率は、モノエポキシ体5%、ジエポキシ体15%、トリエポキシ体2%、モノエポキシ体のアセチル化物54%、その他24%であった。
Claims (7)
- トリビニルシクロヘキサンを、過酸化水素を用いてエポキシ化するに当たり、塩基触媒及びニトリル化合物の存在下にエポキシ化反応を行うことを特徴とするトリエポキシエチルシクロヘキサンを含有するエポキシ樹脂の製造方法。
- トリビニルシクロヘキサンが1,2,4-トリビニルシクロヘキサンである請求項2に記載のエポキシ樹脂の製造方法。
- 塩基触媒がアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項2又は3に記載のエポキシ樹脂の製造方法。
- 塩基触媒がアルカリ金属炭酸塩であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のエポキシ樹脂の製造方法。
- ニトリル化合物がアセトニトリルであることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のエポキシ樹脂の製造方法。
- 塩基触媒がアルカリ金属塩であり、ニトリル化合物がアセトニトリルであることを特徴とする請求項1に記載のトリエポキシエチルシクロヘキサンの製造方法。
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