JP6776565B2 - 親撥材を用いたパターン形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は親撥材を用いたパターン形成方法に関する。
液晶ディスプレイ、携帯電話、タブレット等のモバイル情報機器、デジタルカメラ、有機ELディスプレイ、有機EL照明、センサー等の電子機器においては、小型化、薄型化に加え、更なる高性能化が求められている。これら電子機器をより安価に製造する方法として、配線を直接印刷するプリンテッドエレクトロニクスが注目されている。
薄膜トランジスタ及びそれを用いた電子回路は、半導体、絶縁体及び導電体などの各種薄膜を基板上に積層し、適宜フォトリソグラフィ技術により所定のパターンを形成して製造されている。フォトリソグラフィ技術とは、フォトマスクと呼ばれる透明な平板面上に光を通さない材料で形成した回路等のパターンを、光を利用して目的とする基板上に転写する技術であり、半導体集積回路等の製造工程において広く用いられている。
従来のフォトリソグラフィ技術を用いた製造工程では、フォトレジストと呼ばれる感光性の有機樹脂材料を用いて形成されるマスクパターンの取り扱いだけでも、露光、現像、焼成、剥離といった多段階の工程が必要になる。従って、フォトリソグラフィ工程の回数が増える程、製造コストは必然的に上がってしまう。このような問題点を改善するために、フォトリソグラフィ工程を削減して薄膜トランジスタを製造することが試みられている。
また、近年、基板の大面積化が益々進展し、それに伴いCVD装置等の真空装置の巨大化、装置価格の増大、消費電力の増大等が顕著となり、製造コストが増大する傾向にある。このような背景から、プロセスコストの低減等を目指し、非真空プロセスが注目を集めている。非真空プロセスにより、設備投資及び運転コストの削減、メンテナンスの簡便化、等に繋がるといった長所が挙げられる。
印刷法による電子部品の製造は、通常、露光、現像を含む多段工程や、蒸着法などの真空工程をスキップすることができ、大幅な工程の簡略化が期待されている。
インクジェットやスクリーン印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷などの印刷法は、基板上に直接所望パターンの配線を形成できることから、簡便で低コストなプロセスとして使用される。しかしながら所望パターンの配線を形成するにあたり、使用する膜形成材料が流動する結果、これらの濡れ広がりや滲みが生じ、直線性に優れる微細なパターンを有する配線を作製するには限界があった。
フォトリソグラフィ工程数を削減し、微細なパターンの形成が可能なパターン形成方法を提供することを目的とする。
本発明によるパターン形成方法は、基板上に、撥液性を有し、特定波長のエネルギーを照射することによって親液化する第1塗膜を形成することと、基板上の第1領域の第1塗膜を除去することと、基板上の第1領域を除く領域の少なくとも一部に配置された第2領域に凹パターンを形成することとを含み、第1領域の第1塗膜を特定の薬液に接触させ、第1領域の第1塗膜を除去することを含み、第2領域に凹パターンを形成することは、特定波長のエネルギーを照射して第2領域の第1塗膜の表面を親液化させることを含む。
本発明によるパターン形成方法は、基板上に、撥液性を有し、特定波長のエネルギーを照射することによって親液化する第1塗膜を形成することと、基板上の第1領域の第1塗膜を除去することと、基板上の第1領域に所定の材料を堆積することと、基板上の第1領域を除く領域の第1塗膜を除去することとを含み、第1塗膜を除去することは、特定波長のエネルギーを照射して第1塗膜を特定の薬液に接触させ、第1領域の第1塗膜を除去することを含み第1領域に所定の材料を堆積することは、第1塗膜上に所定の材料を含む溶液を塗布することにより、第1領域に所定の材料を堆積することを含む。
フォトリソグラフィ工程数を削減し、微細なパターンの形成が可能なパターン形成方法を提供できる。
本発明の一実施形態に係る配線形成方法によって形成された配線構造体の構成を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る配線形成方法を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る配線形成方法を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る配線形成方法を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る配線形成方法を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る配線形成方法を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る配線形成方法を説明する図である。 本発明の一実施形態の変形例に係る配線形成方法によって形成された配線構造体の構成を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る配線形成方法を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る配線形成方法を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る配線形成方法を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る配線形成方法によって形成された配線構造体の構成を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る配線形成方法を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る配線形成方法を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る配線形成方法を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る配線形成方法を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る配線形成方法によって形成された配線構造体の構成を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る配線形成方法を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る配線形成方法を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る配線形成方法を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る配線形成方法を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る配線形成方法によって形成された配線構造体の構成を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。なお、本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なる場合や、構成の一部が図面から省略される場合がある。
本発明者らは、膜形成インクの濡れ広がり、滲みを抑えて微細なパターンを形成することが可能な下地膜の材料を完成させた。後述する当該材料の性質から、本明細書においては当該材料を親撥材と呼ぶ。親撥材としては、熱により親水部と撥水部を形成でき、放射線の照射によっても親水部と撥水部を形成できる。放射線の照射によっても親水部と撥水部を形成できる親撥材を特に、感放射線性組成物と呼ぶ。本発明の感放射線性組成物は、酸解離性基を有する化合物および酸発生剤を含むことを特徴とする。
基板上に感放射線性組成物から成る溶液を塗布して塗膜を形成し、このような塗膜上に放射線を照射すると、酸解離性基が酸発生剤の効果により脱離し揮発する。その結果、放射線照射部の膜厚が放射線未照射部の膜厚に比べ薄くなり、凹パターンが形成される。このとき、酸解離性基がフッ素原子またはケイ素原子を有していれば、得られた塗膜および放射線未照射部は撥液性を示すが、放射線照射部は酸解離性基の消失に伴い、放射線未照射部に比べ親液性となる。
このように感放射線性組成物から成る溶液を基板に塗布することによって形成された絶縁層を、本願明細書においては親撥材と呼ぶ。
このような、放射線を照射して凹パターンが形成された親撥材上に液状の膜形成材料を塗布すると、凸部と凹部の膜厚差のため、塗膜表面の凹凸により凹部上に該材料が集まりやすくなるが、この塗膜表面形状の効果だけではなく、該表面の親液・撥液性により、凹部上に該材料が集まりやすくなり、より所望の形状の、具体的には微細なパターンを有する配線を形成しやすくなる。
このような親撥材の特質を利用することで、フォトリソグラフィ工程数を削減し、微細なパターンの形成が可能な配線形成方法を提供することができる。先ず、本発明に係る配線形成方法に用いられる感放射線性組成物について以下で説明する。
初めに、感放射線性組成物、特に、その成分として好適な本発明の実施形態の化合物について説明する。その後、本発明に係る配線構造体及びそれを形成するための配線形成方法を説明する。
<感放射線性樹脂組成物>
本発明の実施形態の感放射線性樹脂組成物(以下、単に、組成物と称することがある。)は、アセタール結合を有する基またはケイ素原子を含む基から選ばれる少なくとも一つの基を有する重合体([A]重合体とも言う)と酸発生剤とを成分として含有する。
アセタール結合を有する基は特にフッ素原子を含む基であることが特に好ましい。
本発明の実施形態の組成物は、上述した本発明の実施形態の親液部と撥液部を有する基材の製造方法に用いられて、親液部と撥液部を有する基材を製造することができる。
そして、本発明の実施形態の組成物において、アセタール結合を有する基またはケイ素原子を含む基から選ばれる少なくとも一つの基を有する重合体は、その基が酸解離性基であることが好ましい。本発明の実施形態の組成物は、上述した本発明の実施形態の親液部と撥液部を有する基材の製造方法における工程(1)および工程(2)、さらに工程(3)に適用され、親液部と撥液部を有する基材を製造することができる。
本実施形態の組成物は、[A]重合体のほか、溶剤、酸発生剤(以下、[B]酸発生剤と称することがある。)、[C][A]とは異なる化合物、酸発生剤の補助材料としてさらに増感剤(以下、[D]増感剤と称することがある。)、酸発生剤からの酸の拡散抑制材としてクエンチャー(以下、[E]クエンチャーと称することがある。)を含むことができる。
さらに、本実施形態の組成物は、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物(以下、[F]重合性化合物と称することがある。)を含有することができる。またさらに、本実施形態の組成物は、感放射線性重合開始剤(以下[G]感放射線性重合開始剤と称することがある)を含有することができる。
そして、本発明の実施形態の組成物は、本発明の効果を損なわない限り、その他の任意成分を含有することができる。
本発明の実施形態の組成物の粘度(温度:20℃、剪断速度:10sec-1)は、所望の塗布方法および形成したい塗膜の膜厚等によって調節することができる。
以下、本実施形態の組成物として用いることができる各成分について説明する。
<[A]重合体>
本実施形態の組成物の成分となる[A]アセタール結合を有する基またはケイ素原子を含む基から選ばれる少なくとも一つの基を有する重合体([A]重合体)である。
まず、アセタール結合を有する基を有する重合体について説明する。アセタール結合を有する基は、アセタール結合およびヘミアセタールエステル結合の群から選ばれる少なくとも1つの構造単位を含む基を有する。より具体的には下記式(1a−1)もしくは(1a−2)で示される構造単位から選ばれるすくなくとも一種を含むことが好ましい。
Figure 0006776565
(式(1a−1)および式(1a−2)中、R1aおよびR2aはそれぞれ独立して、水素原子またはメチル基を示し、Rfは独立して、フッ素原子で置換された有機基を示す。*は、結合部位を示す。)
アセタール結合を含む化合物は、アルコールと基CH2=C(R1a)−O−を有する化合物とを反応させることで得ることができ、ヘミアセタールエステル結合を含む化合物は、カルボン酸と基CH2=C(R1a)−O−を有する化合物とを反応させることで得ることができる。
前記Rfとしては、フッ素原子を有する有機基が挙げられる。 前記Rfとしては、下記式(1−1−1)〜(1−1−33)で示す基が好ましい。
Figure 0006776565
Figure 0006776565
Figure 0006776565
[A]重合体は、前駆体である水酸基を有する化合物の水酸基に、下記式(1D)で示されるビニルエーテル化合物(以下、「化合物(1D)」と称することがある。)に由来する保護基が導入されてなる構造を有することが好ましい。また、[A]重合体は、前駆体であるカルボキシル基を有する化合物のカルボキシル基に、化合物(1D)に由来する保護基が導入されてなる構造を有していてもよい。
Figure 0006776565
上記式(1D)中、R0は、水素原子またはメチル基を示す。上記式(1D)中、RAは独立して、メチレン基、炭素数2〜12のアルキレン基、炭素数2〜12のアルケニレン基、炭素数6〜13の置換または非置換の芳香族炭化水素基、炭素数4〜12の置換または非置換の脂環式炭化水素基、または、これらの基の1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換された基を示す。
上記式(1D)のRAにおける炭素数2〜12のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基等が挙げられる。
上記式(1D)のRAにおける炭素数2〜12のアルケニレン基としては、ビニレン基、エテン−1,2−ジイル基、2−ブテン−1,4−ジイル等が挙げられる。
上記式(1D)のRAにおける炭素数6〜13の置換または非置換の芳香族炭化水素基としては、フェニレン基、トリレン基、メシチレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基が挙げられる。
上記式(1D)のRAにおける炭素数4〜12の置換または非置換の脂環式炭化水素基としては、(シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、ビシクロへキシル基)が挙げられる。
上記式(1D)のRAにおける、メチレン基、炭素数2〜12のアルキレン基、炭素数6〜13の置換または非置換の芳香族炭化水素基または炭素数4〜12の置換または非置換の脂環式炭化水素基の1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換された基としては、前記で例示した基の1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換された基等が挙げられる。
上記式(1D)のRAとしては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、フェニレン基、ビニレン基が好ましい。これら基のうち、特に現像性の観点から、フェニレン基が好ましい。
上記式(1D)中、RBは、炭化水素基の1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換された基を示す。
上記式(1D)中、RBは、例えば、前記Rfにおける前記式(1−1−1)〜(1−1−33)で示す基、2,2,2−トリフルオロエチル基、4,4,5,5,6,6,6,−ヘプタフルオロへキシル基、1,2,2−トリフルオロビニル基が挙げられ、2,2,2−トリフルオロエチル基、前記式(1−1−1)の3,3,3−トリフルオロプロピル基、式(1−1−2)の4,4,4−トリフルオロブチル基、式(1−1−4)の3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル基、4,4,5,5,6,6,6−ヘプタフルオロヘキシル基、式(1−1−8)の3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル基、1,2,2−トリフルオロビニル基、式(1−1−29)の2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル基が好ましい。
上記アセタール結合を有する基を有する重合体としては、WO2014/178279号公報に記載を参考に重合体を用いることができる。
次いで、ケイ素原子を含む基について説明する。
ケイ素原子を含む基は、下記式(1−1)、下記式(1−2)、下記式(1−3)および下記式(1−4)で示される基の群から選ばれる少なくとも1つの基を有する。
Figure 0006776565
(式(1−1)および(1−2)中、R1およびR2はそれぞれ独立して、水素原子またはメチル基を示し、Rsは独立して、ケイ素原子を有する1価の有機基を示す。
式(1−3)および(1−4)中、R3は単結合または炭素数1〜12の2価の有機基を示し、R4、R5およびR6はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、脂環式炭化水素基、アリール基、これらの基が有する水素原子の一部または全部が置換基で置換された基、またはケイ素原子を有する1価の有機基を示す。式(1−1)、式(1−2)、式(1−3)および(1−4)中、*は結合部位を示す。)
上記式(1−1)および上記式(1−2)における好ましいRsの具体例として、次の各式で示される基を挙げることができる。尚、各式中、*は結合部位を示す。
Figure 0006776565
次に、上記式(1−3)および上記式(1−4)で示される基について説明する。
上記式(1−3)および上記式(1−4)中、R3は単結合または炭素数1〜12の2価の有機基を示し、R4、R5およびR6はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、脂環式炭化水素基、アリール基、これらの基が有する水素原子の一部または全部が置換基で置換された基、またはケイ素原子を有する1価の有機基を示す。
6は、式(1−1)および式(1−2)における好ましいRsの具体例と同様な基を用いることができる。
このようなケイ素原子を含む基は、アセタール結合を有する基を有する重合体と同様に、水酸基を有する重合体にケイ素原子を含むビニル化合物を反応させることで得られる。特願2014−157156号に記載の基を用いることができる。
[A]重合体は、前駆体である水酸基を有する化合物の水酸基に、ケイ素原子を含むビニルエーテル化合物に由来する保護基が導入されてなる構造を有することが好ましい。また、[A]重合体は、前駆体であるカルボキシル基を有する化合物のカルボキシル基に、ケイ素原子を含むビニルエーテル化合物に由来する保護基が導入されてなる構造を有していてもよい。
次に、[A]重合体を得るための方法について説明する。[A]重合体を得るための方法としては、前駆体となる化合物として重合体を用いる方法と、前駆体となる化合物としてモノマーを用いる方法の2つの方法が可能である。
前駆体となる化合物として重合体を用いる方法では、前駆体となる重合体が水酸基またはカルボキシル基を分子内に含有し、前駆体となる重合体の水酸基に前記化合物(1D)を反応させることで[A]重合体を得ることができる。
また、前駆体となる化合物としてモノマーを用いる方法では、前駆体となるモノマーが分子内に水酸基またはカルボキシル基を含有し、前駆体となるモノマーの水酸基またはカルボキシル基に前記化合物(1)を反応させた後、得られたモノマーを重合させることで[A]重合体を得ることができる。
[A]重合体を得る方法としては、WO2014/178279号公報、特願2014−157156号に記載の重合体の合成方法と同様にして、重合体を得ることができる。[A]重合体の好ましい例としては、下記式(2)〜(6)で示される構成単位よりなる群から選ばれる少なくとも1つを有する重合体を挙げることができる。
Figure 0006776565
式(2)〜(6)中、R3は独立して、水素原子またはメチル基を示す。R4は独立して、メチレン基、炭素数2〜12のアルキレン基、炭素数2〜12のアルケニレン基、炭素数6〜13の置換または非置換の芳香族炭化水素基、炭素数4〜12の置換または非置換の脂環式炭化水素基、または、これらの基の1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換された基を示す。R5は独立して、炭化水素基の1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換された基を示す。mは0または1を示す。nは独立して0〜12の整数を示す。
前記R4としては、前記RAで例示した基と同様の基等が挙げられる。
前記R5としては、前記RBで例示した基と同様の基等が挙げられる。
前記nとしては、0〜9の整数が好ましい。
[A]重合体は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい
上述した[A]重合体の前駆体となる化合物、特に前駆体として水酸基を有する化合物は、熱による保護基の脱離が生じ難いという性質を備え、一方で、放射線照射による保護基の脱離の制御ができるという性質を備えるため、[A]重合体を得るのに好適に使用できる。さらに、[A]重合体は、後述する[B]酸発生剤との組み合わせによって、放射線照射による、より高精度の保護基の脱離の制御が可能となるため好ましい。
本発明の実施形態の組成物は、以上の構造を備えた[A]重合体の含有し、上述した本発明の実施形態の親液部と撥液部を有する基材の製造方法に用いられる。そして、上述した工程(1)で形成される塗膜は、形成の直後、[A]重合体の有する上記式(1−1)、上記式(1−2)、上記式(1−3)および上記式(1−4)で示される基に由来する特性を示す。具体的には、本発明の実施形態の組成物を用いた場合、まず、上述の工程(1)において、フッ素原子またはケイ素原子に由来する撥液性の塗膜が形成される。次いで、上述の工程でこの塗膜に対して放射線を照射すると、露光部分では、上記式(1−1)、上記式(1−2)、上記式(1−3)および上記式(1−4)のいずれかで示される基であってそこに含まれるものが分解し、水酸基やカルボキシル基に対する保護基が脱離した状態が形成される。その結果、本発明の実施形態の組成物を用いた塗膜において、露光によって水酸基等の保護基が脱離した状態となった部分では、水酸基等が残されて、保護基に起因した撥液性が失われる。特に、保護基が脱離した際に、アルカリ現像液への溶解を促進する、フェノール性水酸基、カルボキシル基が生じることが好ましい。
<[B]酸発生剤>
[B]酸発生剤は、少なくとも放射線の照射によって酸を発生する化合物である。本発明の実施形態の組成物が、[B]酸発生剤を含有することで、[A]重合体から酸解離性基を脱離させることができる。
[B]酸発生剤としては、例えば、オキシムスルホネート化合物、オニウム塩、スルホンイミド化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾメタン化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、カルボン酸エステル化合物等が挙げられる。
本実施形態の組成物において、[B]酸発生剤は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
[オキシムスルホネート化合物]
上述のオキシムスルホネート化合物としては、下記式(2A)で表されるオキシムスルホネート基を含む化合物が好ましい。
Figure 0006776565
前記式(2A)中、R21は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のフルオロアルキル基、炭素数4〜12の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20のアリール基、あるいはこれらのアルキル基、脂環式炭化水素基およびアリール基が有する水素原子の一部または全部が置換基で置換された基である。
上述のR21で表されるアルキル基としては、炭素数1〜12の直鎖状または分岐状のアルキル基が好ましい。この炭素数1〜12の直鎖状または分岐状のアルキル基は置換基により置換されていてもよく、置換基としては、例えば、炭素数1〜10のアルコキシ基、7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニル基等の橋かけ環式脂環基を含む脂環式基等が挙げられる。炭素数1〜12のフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプチルフルオロプロピル基等が挙げられる。
上述のR21で表される炭素数4〜12の脂環式炭化水素基は置換基により置換されていてもよく、置換基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子が挙げられる。
上述のR21で表される炭素数6〜20のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基が好ましい。上述のアリール基は置換基により置換されていてもよく、置換基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子が挙げられる。
これらのオキシムエステル化合物の具体例としては、例えば、(5−プロピルスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−オクチルスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(カンファースルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−p−トルエンスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−オクチルスルフォニルオキシイミノ)−(4−メトキシフェニル)アセトニトリル等が挙げられる。
また、特開2011−227106号公報、特開2012−150494号公報に記載のオキシムエステル化合物を光酸発生剤として用いることができる。
[オニウム塩]
オニウム塩としては、ジフェニルヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム塩、スルホニウム塩、ベンゾチアゾニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩、スルホンイミド化合物等が挙げられる。
上述のスルホンイミド化合物としては、例えば、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−フルオロフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−ヒドロキシナフタルイミド−トリフルオロメタンスルホン酸エステル等が挙げられる。
その他の光酸発生剤としては、特開2011−215503号公報、WO2011/087011A1に記載の光酸発生剤を用いることができる。
本実施形態の組成物において、[B]酸発生剤の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部〜10質量部が好ましく、1質量部〜5質量部がより好ましい。[B]酸発生剤の含有量を上述の範囲とすることで、感放射線性組成物の感度を最適化できるため、上述した工程(1)〜(3)を経ることで高解像度な凹パターンを形成できる。
当該感放射線性樹脂組成物は、上記[A]、[B]成分以外にも、その他の成分として、[C]化合物を含有していてもよい。当該感放射線性樹脂組成物が[C]化合物を含有する場合等に、[A]重合体を、より効率的に膜表面に偏析させる効果を有するものである。当該感放射線性樹脂組成物にこの[C]化合物を含有させることで、[A]重合体の添加量を従来よりも少なくすることができる。以下[C]化合物について詳細に説明する。
<[C]化合物([A]重合体と異なる化合物)>
[A]重合体と異なる化合物(以下、[C]化合物ともいう)は、[A]重合体に比較して、撥液性が低い化合物であることが好ましい。[C]化合物は、低分子化合物でも重合体等の高分子化合物であってもよい。撥液性は化合物中の構成原子の違い、分子量、構成単位を与える化学種によって変わってくるものであり、特にフッ素原子、ケイ素原子の存在によって変わってくる。
[A]重合体は、フッ素原子またはケイ素原子の少なくとも一方を酸解離性基に含み、[C]化合物はフッ素原子またはケイ素原子を含まないか、もしくは酸解離性基を有する場合でもフッ素原子またはケイ素原子のいずれをも含まない酸解離性基を含む化合物であることが好ましい。

[C]化合物は、得られる膜の耐熱性等の向上の観点から重合体であることが好ましい。
[C]化合物は、[A]重合体と併用することで、得られる膜の耐熱性、耐溶剤性を向上できる。さらには[A]重合体と[C]重合体の混合比を適宜変更することで、例えば[A]重合体よる親撥機能を発現しつつ、露光部の凹形状の制御が可能となる。
また、[A]重合体と[C]化合物の種類、混合比を適宜変更することで、フッ素原子、ケイ素原子を有する[A]重合体が膜中の上部に、[C]化合物が下部にとなるような層分離膜を形成できる場合がある。
このような[C]化合物について、以下に説明する。[C]化合物としては、アクリル樹脂、ポリイミド及びポリイミド前駆体、ポリシロキサン、環状オレフィン系樹脂、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミドからなる群より選ばれる少なくとも1つの重合体であることが好ましい。重合体について説明する。
<アクリル樹脂>
アクリル樹脂としては、(メタ)アクリロイル基を有する不飽和単量体をラジカル重合して得られる重合体が挙げられる。このようなアルカリ樹脂であれば特に限定されない。現像性を有する工程に使用する場合は、カルボキシル基を有する構成単位を含む重合体であることが望ましい。
また得られる膜の耐熱性、耐溶剤性等の膜物性向上の観点から、重合性基とを含む樹脂はであることが望ましい。このような、重合性基としては、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等が挙げられる。
このようなエポキシ基を有する重合体としては、例えば、1分子内に2個以上のオキシラニル基、オキセタニル基、グリシジル基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシル基等を有する重合体が挙げられる。
カルボキシル基を有する構成単位と重合性基を有する構成単位とを含む樹脂である。
その場合、重合性基を有する構成単位とは、エポキシ基を有する構成単位および(メタ)アクリロイルオキシ基を有する構成単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構成単位であることが好ましい。上記特定の構成単位を含むことで、優れた表面硬化性および深部硬化性を有する硬化膜を形成することができる。
1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(a1)」という。)とエポキシ基を有する単量体等他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(a2)」という。)との共重合することで、エポキシ基とカルボキシル基を有する重合体を得ることができる。
上記不飽和単量体(a1)としては、例えば、飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸の無水物、多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル、両末端にカルボキシル基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート、カルボキシル基を有する不飽和多環式化合物およびその無水物等が挙げられる。
不飽和モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等、 不飽和ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等、不飽和ジカルボン酸の無水物としては、例えば、上記ジカルボン酸として例示した化合物の無水物等が挙げられる。不飽和単量体(a1)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
不飽和単量体(a1)と不飽和単量体(a2)の共重合体において、該重合体中の不飽和単量体(a1)の共重合割合は、好ましくは5〜50質量%、更に好ましくは10〜40質量%である。このような範囲で不飽和単量体(a1)を共重合させることにより、アルカリ現像性及び保存安定性に優れた組成物を得ることができる。
不飽和単量体(a2)のうち、エポキシ基を有する単量体としては、上述した(メタ)アクリル酸グリシジル、3−(メタ)アクリロイルオキシメチル−3−エチルオキセタン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
不飽和単量体(a1)と不飽和単量体(a2)の共重合体の具体例としては、例えば、特開平7−140654号公報、特開平8−259876号公報、特開平10−31308号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−174224号公報、特開平11−258415号公報、特開2000−56118号公報、特開2004−101728、特開平4−352101等に開示されている共重合体を挙げることができる。
また、本発明においては、重合性として(メタ)アクリロイル基を有する重合体としては、例えば、特開平5−19467号公報、特開平6−230212号公報、特開平7−207211号公報、特開平09−325494号公報、特開平11−140144号公報、特開2008−181095号公報等に開示されているように、側鎖に(メタ)アクリロイル基等の重合性不飽和結合を有するカルボキシル基含有重合体を使用することもできる。
上記アクリル樹脂は、その現像性の観点から酸発生剤から発生する酸によりアルカリ現像性が増大する基を含む構造単位を有することが望ましい。このような酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する基としてはラクトン環を有する基や酸解離性基等があげられる。
上記ラクトン環基としては、例えば、
ブチロラクトン環基、バレロラクトン環基等の単環のラクトン環基;
ノルボルナンラクトン環基、5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン環基等の多環のラクトン環基などが挙げられる。
上記ラクトン環基としては、無置換ノルボルナンラクトン環基よりもアルカリによる開環反応速度が大きいものが好ましい。ここで、「ラクトン環基のアルカリによる開環反応速度」とは、pH10の水溶液中におけるラクトン環基の開環反応の速度をいう。
また、上記ラクトン環基としては、単環のラクトン環基、電子求引性基で置換された多環のラクトン環基、ラクトン環以外の環中に酸素原子又は硫黄原子を含む多環のラクトン環基が好ましい。このようなラクトン環基は、通常、無置換ノルボルナンラクトン環基よりもアルカリによる開環反応速度が大きい。
ラクトン環基を置換する電子求引性基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、シアノ基、フッ素化アルキル基等のフッ素化炭化水素基等が挙げられる。これらの中で、フッ素原子、シアノ基、フッ素化アルキル基が好ましく、フッ素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、ヘキサフルオロイソプロピル基が好ましい。その他のこのような基としては特開2006−021023号公報記載のラクトン環基を有する構造単位を含むことができる。
酸解離性基を含む構造単位の具体例を以下に示す。「酸解離性基」とは、カルボキシ基、ヒドロキシ基又はスルホ基の水素原子を置換する基であって、酸の作用により解離する基をいう。酸解離性基を有することで、感放射線性樹脂組成物は、露光により生じた酸により露光部と未露光部とで現像液に対する溶解性に差異が生じ、その結果、アルカリ可溶性を向上することができる。
上記酸解離性基としては、アセタール構造を有する基が挙げられる。アセタール構造を有す基としては、例えば、1−メトキシエトキシ基、1−エトキシエトキシ基、1−n−プロポキシエトキシ基、1−i−プロポキシエトキシ基、1−n−ブトキシエトキシ基等が挙げられる。このようなアセタール構造を含む構成単位を形成することができる単量体としては、1−アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート、1−アルコキシアルコキシスチレン、テトラヒドロピラニルオキシスチレンが好ましく、1−アルコキシアルキル(メタ)アクリレート等が好ましい。また、下記式(1)で表される構造単位も挙げられる。
Figure 0006776565
上記式(1)中、R1は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Y1は、1価の酸解離性基である。
上記R1としては、単量体の共重合性の観点から、水素原子、メチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記Y1で表される1価の酸解離性基としては、下記式(Y−1)で表される基が好ましい。
Figure 0006776565
上記式(Y−1)中、Re1は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。Re2及びRe3は、それぞれ独立して炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基若しくは炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の脂環構造を表す。
上記炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記Re1、Re2及びRe3で表される炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基としては、例えば、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基等のアルキニル基等が挙げられる。
これらの中で、アルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、i−プロピル基がさらに好ましく、エチル基が特に好ましい。
上記Re1、Re2及びRe3で表される炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば、
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等の単環のシクロアルキル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の多環のシクロアルキル基;
シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の単環のシクロアルケニル基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基等の多環のシクロアルケニル基等が挙げられる。
これらの中で、単環のシクロアルキル基、多環のシクロアルキル基が好ましく、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基がより好ましい。
上記Re1で表される炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、
フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントリル基、メチルアントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、アントリルメチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
このような酸解離性基を含む構成単位を形成することができる単量体としては、t−ブトキシ(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。このほかの具体例としては、特開2006-021023号公報記載の化合物を適用することができうる。
<ポリイミド及びポリイミド前駆体>
ポリイミドは、重合体の構成単位中にアルカリ可溶性の基を有するポリイミドであることが好ましい。アルカリ可溶性の基としては、例えば、カルボキシル基を挙げることができる。構成単位中にアルカリ可溶性の基、例えば、カルボキシル基を有することでアルカリ現像性(アルカリ可溶性)を備え、アルカリ現像時に露光部のスカム発現を抑えることができる。同様に、ポリイミド前駆体も、例えば、カルボキシル基等のアルカリ可溶性の基を有してアルカリ可溶性を備えることができる。
また、ポリイミドは、構成単位中にフッ素原子を有すると、アルカリ水溶液で現像する際に、膜の界面に撥水性が付与され、界面のしみこみ等が抑えられるため好ましい。ポリイミド中のフッ素原子含有量は、界面のしみこみ防止効果を充分得るために10質量%以上が好ましく、また、アルカリ水溶液に対する溶解性の点から20質量%以下が好ましい。
本実施形態の組成物に用いられる[ポリイミドは、例えば、酸成分とアミン成分とを縮合して得られるポリイミドである。酸成分としてはテトラカルボン酸二無水物を選択することが好ましく、アミン成分には、ジアミンを選択することが好ましい。
ポリイミドの形成に用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物、9,9−ビス{4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}フルオレン二無水物または下記に示した構造の酸二無水物などが好ましい。これらを2種以上用いてもよい。
ポリイミドの形成に用いられるジアミンの具体的な例としては、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルヒド、3,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、4,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレンまたは下記に示した構造のジアミン等が好ましい。これらを2種以上用いてもよい。
このようなポリイミド及びポリイミド前駆体としては、例えば、特開2011−133699号公報、特開2009−258634号公報等に開示されている重合体を使用することもできる。また、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸のカルボキシル基に上述の酸解離性を有するポリイミド誘導体を好適に用いることもができる。
<ポリシロキサン>
ポリシロキサンは、シロキサン結合を有する化合物のポリマーである限りは特に限定されるものではない。このポリシロキサンは、通常、例えば、光酸発生剤から発生した酸や光塩基発生剤から発生した塩基を触媒として硬化する。
ポリシロキサンとしては、下記式(2B)で示される加水分解性シラン化合物の加水分解縮合物であることが好ましい。
Figure 0006776565
式(2B)中、R20は、炭素数1〜20の非加水分解性の有機基である。R21は、炭素数1〜4のアルキル基である。qは、0〜3の整数である。R20またはR21が複数の場合、これらは同一でも異なっていてもよい。
上記R20で表される炭素数1〜20の非加水分解性の有機基としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基等が挙げられる。これらは、直鎖状、分岐状、または環状であってよい。また、これらのアルキル基、アリール基およびアラルキル基が有する水素原子の一部または全部は、ビニル基、(メタ)アクリロイル基またはエポキシ基で置換されていてもよい。
上記R21で表される炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、ブチル基等が挙げられる。qは0〜3の整数であるが、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0および1であり、さらに好ましくは1である。qが、上記数値である場合、加水分解・縮合反応の進行がより容易となり、その結果、硬化反応の速度が大きくなり、得られる硬化膜の強度や密着性などを向上させることができる。
これらの上記式(2B)で表される加水分解性シラン化合物のうち、4個の加水分解性基で置換されたシラン化合物、および1個の非加水分解性基と3個の加水分解性基とで置換されたシラン化合物が好ましく、1個の非加水分解性基と3個の加水分解性基とで置換されたシラン化合物がより好ましい。好ましい加水分解性シラン化合物の具体例としては、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−i−プロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランおよび3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランが挙げられる。このような加水分解性シラン化合物は、1種単独で使用しても、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
してもよい。
上記式(2B)で表される加水分解性シラン化合物を加水分解縮合させる条件は、上記式(2B)で表される加水分解性シラン化合物の少なくとも一部を加水分解して、加水分解性基をシラノール基に変換し、縮合反応を起こさせるものである限り、特に限定されるものではないが、一例として以下のように実施することができる。
上記式(2B)で表される加水分解性シラン化合物の加水分解縮合に用いられる水は、逆浸透膜処理、イオン交換処理、蒸留等の方法により精製された水を使用することが好ましい。このような精製水を用いることによって、副反応を抑制し、加水分解の反応性を向上させることができる。
上記式(2B)で表される加水分解性シラン化合物の加水分解縮合に使用することができる溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピオン酸エステル類等が挙げられる。
ポリシロキサンとしては、例えば、特開2011−28225号公報、特開2006−178436号公報等に開示されているポリシロキサンを使用することもできる。
<環状オレフィン系樹脂>
環状オレフィン系樹脂としては、特に制限されず、環状オレフィン部位を含む樹脂であればよく、例えば、WO2013/054864号公報に記載されている環状オレフィン系樹脂を使用することができる。記載されている方法で合成することができる。
<ポリカーボネート>
ポリカーボネートとしては、特に制限されず、フルオレン部位を含むポリカーボネート樹脂であればよく、例えば、特開2008−163194号公報に記載されているポリカーボネートを使用することができる。
<ポリエステル>
ポリエステルとしては、特に制限されず、ウレタン結合部位を有するポリエステル、フルオレン部位を含むポリエステルが特に好ましく、例えば、特開2010−285505号公報や特開2011−197450号公報に記載されている方法で合成することができる。
<エポキシ樹脂>
エポキシ樹脂としては、特に制限されず、エポキシ基を有する化合物であればよく、以下に具体例を示す。
ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールADジグリシジルエーテルなどのビスフェノール型ジグリシジルエーテル類;
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルなどの多価アルコールのポリグリシジルエーテル類;
エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル類; フェノールノボラック型エポキシ樹脂;
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂; ポリフェノール型エポキシ樹脂; 脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル類;
高級脂肪酸のグリシジルエステル類; 脂肪族ポリグリシジルエーテル類; エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等が挙げられる。
<フェノール樹脂>
本実施形態の組成物に用いられる樹脂として好ましいフェノール樹脂としては、フェノール類をホルマリンなどのアルデヒド類で公知の方法で重縮合することにより得ることができるフェノール樹脂が好適に用いられ、ノボラック樹脂、レゾール樹脂のいずれも用いる。これらのうち、特に分子量の制御の観点から特にノボラック樹脂が好ましい。
<ポリアミド>
ポリアミドとしては、有機溶剤に溶解するポリアミドが好適に用いられ、このようなポリアミドとしては、例えば、特殊ポリアミド樹脂:PAシリーズ(株式会社T&K TOKA社製)等を用いることができる。
[C]化合物としては、アルカリ現像性の観点からアクリル樹脂、ポリイミド誘導体、フェノール樹脂が好ましい。
本実施形態の組成物において、[C]化合物の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して、1質量部〜10000質量部が好ましく、10質量部〜8500質量部がより好ましい。[C]化合物剤の含有量を上述の範囲とすることで、得られる膜の耐熱性、耐溶剤性、耐光性を向上できる。
<[D]増感剤>
本発明の実施形態の組成物は、[D]増感剤を含有することができる。[D]増感剤をさらに含有することで、その組成物の放射線感度をより向上することができる。[D]増感剤は、活性光線または放射線を吸収して電子励起状態となる化合物であることが好ましい。電子励起状態となった[D]増感剤は、[B]酸発生剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱等が生じ、これにより[B]酸発生剤は化学変化を起こして分解し酸を生成する。
[D]増感剤としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nm〜450nmの領域に吸収波長を有する化合物等が挙げられる。
[D]増感剤としては、多核芳香族類、アクリドン類、スチリル類、ベーススチリル類、クマリン類、キサントン類が好ましく、キサントン類がより好ましい。キサントン類の中でもジエチルチオキサントンおよびイソプロピルチオキサントンが特に好ましい。
本実施形態の組成物において、[D]増感剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
本実施形態の組成物において、[D]増感剤の含有量としては、[B]酸発生剤100質量部に対して、0.1質量部〜30質量部が好ましく、1質量部〜4質量部がより好ましい。[D]増感剤の含有量を上述の範囲とすることで、本実施形態の組成物は、感放射線性組成物としての感度を最適化できるため、高解像度な凹パターンを形成して親液部と撥液部を有する基材を製造することができる。
<[E]クエンチャー>
本発明の実施形態の組成物は、上述した[A]重合体、[B]酸発生剤、[C]化合物、[D]増感剤のほか、[E]クエンチャーを含有することができる。
[E]クエンチャーは、[B]酸発生剤からの酸の拡散を防止する酸拡散抑制材として機能する。[E]クエンチャーとしては、露光により感光し弱酸を発生する光崩壊性塩基を用いることができる。光崩壊性塩基は、露光部においては酸を発生する一方、未露光部ではアニオンによる高い酸捕捉機能が発揮されて、[C]酸発生剤からの酸を補足し、露光部から未露光部拡散する酸を失活させる。すなわち、未露光部のみにおいて酸を失活させるため、保護基の脱離反応のコントラストが向上し、結果として解像性をより向上させることができる。光崩壊性塩基の一例として、露光により分解して酸拡散制御性を失うオニウム塩化合物がある。
本実施形態の組成物において、[E]クエンチャーは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。本実施形態の組成物において、[E]クエンチャーの含有量としては、[B]酸発生剤100質量部に対して、0.001質量部〜5質量部が好ましく、0.005質量部〜3質量部がより好ましい。上述の範囲とすることで、本実施形態の組成物の反応性を最適化できるため、高解像度な凹パターンを形成して親液部と撥液部を有する基材を製造することができる。
<[F]重合性化合物>
本発明の実施形態の組成物は、[F]重合性化合物を含有することで、該組成物の硬化を行うことができる。
[F]重合性化合物は、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物である。このような重合性化合物としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、グリセリントリアクリレート、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの化合物は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
これらの化合物、特開2013−164471号公報、特開2012−212114号公報、特開2010−85929号公報、に記載の光重合開始剤を使用することができる。
本実施形態の組成物において、[F]重合性化合物の使用量は、[A]重合体100質量部に対して、1質量部〜9900質量部が好ましく、3質量部〜8000質量部がより好ましく、5質量部〜5000質量部がさらに好ましい。[F]重合性化合物の使用量を上述の範囲内とすることで、本実施形態の組成物から得られる塗膜の高度を高め、耐熱性をより良好とすることができる。
<[G]光ラジカル重合開始剤>
[G]光ラジカル重合開始剤は、放射線の照射を受けて、[F]重合性化合物の重合を促進する化合物である。したがって、本発明の実施形態の組成物が[F]重合性化合物を含有する場合、[G]光ラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。
光ラジカル重合開始剤は、放射線に感応して、重合性を備えた化合物の重合を開始し得るラジカル種を生じる成分である。重合性化合物の架橋反応を開始し、得られる膜の耐熱性、耐溶剤性を向上させることが可能となる。
このような光ラジカル重合開始剤としては、例えば、O−アシルオキシム化合物、アセトフェノン化合物、ビイミダゾール化合物等が挙げられる。これらの化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
O−アシルオキシム化合物としては、1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)またはエタノン−1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)が好ましい。
アセトフェノン化合物としては、例えば、α−アミノケトン化合物、α−ヒドロキシケトン化合物が挙げられる。
アセトフェノン化合物の中でも、α−アミノケトン化合物が好ましく、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)―ブタノン−1がより好ましい。
また、特開2013−164471号公報、特開2012−212114号公報、特開2010−85929号公報に記載の光ラジカル重合開始剤を使用することができる。
光ラジカル重合開始剤として例示した光重合開始剤の含有量は、[A]重合体100質量部に対して、好ましくは1質量部〜5000質量部であり、より好ましくは5質量部〜3000質量部である。光ラジカル重合開始剤の含有量を1質量部〜5000質量部とすることで、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、低露光量であっても、高い耐溶媒性、高い硬度および高い密着性を有する硬化膜を形成することができる。
各成分と非反応性であること、並びに塗膜形成の容易性の観点から、アルコール類、ジアルキルエーテル等のエーテル類、ジエチレングリコールアルキルエーテル類、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ケトン類およびエステル類が好ましく、特に、1−オクアタノール、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン等が好ましい。
<密着助剤>
本実施形態の感放射線性樹脂組成物においては、基板となる無機物、例えば、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン等のシリコン化合物、珪酸塩、石英等のガラス、および金、銅、アルミニウム等の金属と絶縁膜との接着性を向上させるため密着助剤を使用することが好ましい。このような密着助剤としては、官能性シランカップリング剤が好ましく使用される。官能性シランカップリング剤の例としては、カルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基(好ましくはオキシラニル基)、チオール基等の反応性置換基を有するシランカップリング剤等が挙げられる。
官能性シランカップリング剤の具体例としては、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらの中でも、γ−グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
<その他の任意成分>
本実施形態の組成物は、さらに、本発明の効果を損なわない限りその他の任意成分を含有することができる。その他の任意成分としては、界面活性剤、保存安定剤、耐熱性向上剤等を挙げることができる。本実施形態の組成物において、その他の任意成分は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
当該感放射線性樹脂組成物は、アルカリ現像液を用いるポジ型パターン形成用にも、有機溶媒を含有する現像液を用いるネガ型パターン形成用にも用いることができる。
<親撥材の調製例>
親撥材に用いる[A]重合体の合成例を以下に示す。
[合成例1]
冷却管および撹拌機を備えたフラスコに、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)8質量部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン2質量部、および、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200質量部を仕込んだ。引き続き4-ヒドロキシフェニルメタクリレート64質量部、メタクリル酸メチル36質量部を仕込み、窒素雰囲気下、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度を4時間保持して重合することにより、共重合体である重合体(A−1)を含有する溶液を得た(固形分濃度=34.7質量%、Mw=28000、Mw/Mn=2.4)。尚、固形分濃度は共重合体溶液の全質量に占める共重合体質量の割合を意味する。
次いで、得られた重合体[A−1]を含む溶液10質量部に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート11質量部、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−ビニルオキシオクタン5.3質量部を加え、十分に攪拌した後、トリフルオロ酢酸0.31質量部を加え、窒素雰囲気下、80℃で9時間反応させた。続いて反応溶液を室温まで冷却し、ピリジン0.43質量部を加え反応をクエンチした。得られた反応溶液を大過剰のメタノールに滴下することにより再沈殿精製を行い、続いて13質量部のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させた後、大過剰のヘキサンに滴下することにより再沈殿精製を行い、乾燥後、白色固形状の共重合体として重合体[A−1]が7.1質量部得られた。得られたて重合体[A−1]について1H−NMRを用いて分析を行い、アセタール化が進行していることを確認した(化学シフト:5.50ppm、アセタール基C−H)
上記合成例1で得られた[A]重合体(P−1)を100質量部、[B]酸発生剤としてN−ヒドロキシナフタルイミド−トリフルオロメタンスルホン酸エステルを2質量部、[D]増感剤として2,4−ジエチルチオキサントンを0.5質量部、および、[E]クエンチャーとして2−フェニルベンゾイミダゾールを0.1質量部混合し、界面活性剤としてポリフローNo95(共栄社化学(株)製)0.1質量部を加え、固形分濃度が18質量%となるように、それぞれ溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えた後、孔径0.5μmのミリポアフィルタでろ過することにより、感放射線性組成物を調製した。
<パターン構造体及びパターン形成方法>
上述した親撥材を用いたパターン形成方法及びそれによって形成されたパターン構造体について説明する。以下ではパターン構造体として、特に配線構造体について説明する。
<第1実施形態>
本実施形態に係る配線構造体100及び配線形成方法について説明する。
〔配線構造体〕
先ず、本実施形態に係る配線形成方法によって形成された配線構造体100の構成について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る配線形成方法によって形成された配線構造体100の構成を説明する図である。この図では、上段から、配線構造体100の上面図、A−A´に沿った断面図及びB−B´に沿った断面図を示している。尚、配線形成方法の説明において、以下で用いる図面についても同様である。
本実施形態に係る配線構造体100は、少なくとも、基板102と、第1塗膜104と、配線108とを備えている。
基板102は、互いに対向する第1面102a及び第2面102bを有している。また、基板102は、平面視において、第1領域R1及び第2領域R2を有している。第2領域R2は、第1領域R1を除く領域の少なくとも一部に配置されている。
本実施形態においては、第1領域R1は、基板102の周縁部に沿って配置されている。更に、第1領域R1及び第2領域R2は、互いに分離されておらず、互いに接触している。
使用することができる基板102の材質としては、例えば、ガラス、石英、シリコン、樹脂等を挙げることができる。樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリイミド、環状オレフィンの開環重合体(ROMPポリマー)およびその水素添加物が挙げられる。
また、基板102としては、本実施形態に係る配線形成方法で最終的に得られる配線構造体100をそのまま電子回路等に用いることが好ましいことから、従来より電子回路に用いられてきた、樹脂製基板、ガラス基板、半導体基板が好ましい。
第1塗膜104は、基板102の第1面102a上の、第1領域R1を除く領域に配置されている。換言すると、第1塗膜104が配置される領域を除く領域が第1領域R1である。本実施形態においては、第1塗膜104は、基板102の第1面102a上にアイランド状に配置されている。
第1塗膜104の材料としては上述した親撥材を成分として含む。第1塗膜104が配置される領域は第2領域R2を含み、第2領域R2において、少なくとも第1面102a側の表面において親液性を有する。本実施形態においては、第1塗膜104は、第2領域R2の表面及び内部において親液性を有し、第2領域R2を除く領域は撥液性を有する。更に、第1塗膜104は第2領域R2の膜厚が、第2領域R2を除く領域の膜厚に比較して薄くなっている。
配線108は、断面視においては、少なくとも第1塗膜104上に形成されている。また、配線108は、平面視においては、少なくとも第1塗膜104上の第2領域R2に形成されている。ここで、第2領域R2は親液性を有する領域である。配線108は、第1塗膜104上において、第2領域R2を除く領域には形成されない。つまり、配線108は、第1塗膜104上において、親液性を有する領域を除く領域には形成されない。本実施形態においては、配線108は更に、一部が基板102の第1領域R1に延長され、基板102の第1面102aに接触している。
尚、本実施形態においては、第1塗膜104及び配線108の層構造及び平面のパターン等について簡略化された例を用いているが、これは説明の簡略化のためであり、この例に限られず、多種多様な構成を採用することができる。
〔配線形成方法〕
次いで、本実施形態に係る配線構造体100を形成するための配線形成方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態に係る親撥材を用いた配線形成方法は、下記の工程(a)〜(c)をこの順で含む。
(a)基板102上に、第1塗膜104を形成する工程、
(b)基板102上の第1領域R1の第1塗膜104を除去する工程、
(c)基板102上の第2領域R2に導電材料106を堆積する工程。
以下、各工程について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[工程(a)]
工程(a)は、基板102上に、第1塗膜104を形成する工程である。第1塗膜104は、撥液性を有し、特定波長のエネルギーを照射することによって親液化する。第1塗膜104は、例えば上述した親撥材を含むことによってこのような性質が付与される。
図2Aは、本実施形態に係る配線形成方法において用いる基板102を準備した段階を説明する図である。
使用することができる基板102の材質としては、配線構造体100の構成の説明において述べたものを用いることができるため、ここでは詳細な説明は省略する。
図2Bは、基板102上に第1塗膜104を塗布した状態を模式的に説明する図である。
第1塗膜104の塗布方法としては、例えば、はけやブラシを用いた塗布法、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法、バー塗布法、フレキソ印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、ディスペンス法等の適宜の方法を採用することができる。これらの塗布方法の中でも、特にスリットダイ塗布法またはスピンコート法が好ましい。
塗布した後に、必要に応じて、塗膜中の溶媒を揮発させるため、プレベーク(PB)を行ってもよい。PB温度としては、通常60℃〜140℃であり、80℃〜120℃が好ましい。PB時間としては、通常5秒〜600秒であり、10秒〜300秒が好ましい。
工程(a)で塗布される第1塗膜104の膜厚としては、100nm〜10,000nmが好ましく、200nm〜5,000nmがより好ましい。
尚、基板102に第1塗膜104を塗布する前に、必要に応じて基板102表面を洗浄、粗面化、微少な凹凸面の付与等の前処理を施しておいてもよい。
[工程(b)]
工程(b)は、基板102上の第1領域R1の第1塗膜104を除去する工程である。工程(b)は、次の工程(b−1)と工程(b−2)とを含む。工程(b−1)は露光工程であり、第1領域R1の第1塗膜104に特定波長のエネルギーを照射する。これと同時に、第1領域R1の第1塗膜104の表面が親液化する。工程(b−2)は現像工程であり、当該特定の薬液に接触させ、第1領域R1の第1塗膜104を除去する。以下では、当該特定の薬液を現像液と呼称する。
図2Cは、基板102上の第1領域R1の第1塗膜104に特定波長のエネルギーを照射する工程を模式的に説明する図である。
工程(b−1)では、図2Cに示すように、基板102上の第1塗膜104の第1領域R1に特定波長のエネルギーが照射され、照射部104a(第1領域R1)と未照射部104bとを有する第1塗膜104が形成される。
工程(b−1)により、親撥材中の酸解離性基が酸発生剤の効果により脱離し揮発する。その結果、照射部104a(第1領域R1)の膜厚が未照射部104bの膜厚に比べ薄くなり、凹パターンが形成される。このとき、酸解離性基がフッ素原子を有していれば、工程(a)で得られた第1塗膜104及び未照射部104bは撥液性を示すが、照射部104a(第1領域R1)は酸解離性基の消失に伴い、未照射部104bに比べ親液性となる。
従って、工程(a)において、フッ素原子を有する酸解離性基を含有する化合物を含む組成物を用いる場合には、工程(b−1)により、基板102上に、撥液性の未照射部104bと、未照射部104bより親液性の凹パターンである照射部104a(第1領域R1)とを有する第1塗膜104が形成される。
工程(b−1)では、形成したい第1塗膜104のパターン形状と同様の形状の照射部104a(第1領域R1)が形成されるように、所定のパターンを有するフォトマスク、メタルマスク、遮光シール等114を用いて露光することができる。フォトマスクとしてはバイナリ―マスク、ハーフトーンマスクやグレートーンマスク等の多階調マスクを用いることができる。露光方式及び接触露光方式のいずれも適用することができる。または直描式露光装置を用いて所定のパターンを描画露光してもよい。
露光に使用される特定波長のエネルギーを有する放射線としては、目的とするパターンの線幅に応じて、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、極端紫外線(13.5nm、EUV)、X線、γ線等の電磁波;電子線、α線等の荷電粒子線などが挙げられる。これらの中でも、産業上一般的に用いられる紫外線、特に300nm以上の波長を含むg線、h線、i線の波長混合光や、i線単波長、375nm単波長などの放射線が好ましい。
工程(b−1)の後、第1塗膜104を加熱する工程を含んでもよい。工程(b−1)で得られた第1塗膜104を加熱することで、照射部104a(第1領域R1)であった部分に相当する凹部と、未照射部104bであった部分に相当する凸部とを有する第1塗膜104を形成する。
第1塗膜104を加熱する工程により、工程(b−1)の照射部104a(第1領域R1)において生じた、酸解離性基が酸発生剤の効果により脱離した成分を更に揮発させることができる。その結果、照射部104aにおける凹状のくぼみが更に深化し(凹部の膜厚が更に薄くなり)、凹部の膜厚が凸部の膜厚に対して10%以上薄い形状の第1塗膜104を形成することができる。
工程(a)において、フッ素原子を有する酸解離性基を含有する化合物を含む組成物を用いると、第1塗膜104を加熱することにより、基板102上に、撥液性の凸部と、該部分より親液性の凹部とを有する第1塗膜104が形成される。
詳細は後述するが、このような第1塗膜104上に液状の膜形成材料を塗布すると、凸部と凹部の膜厚差が大きいため、第1塗膜104表面の凹凸により凹部上に該材料が集まりやすくなるが、この第1塗膜104表面形状の効果だけではなく、該表面の親液・撥液性により、凹部上に該材料が集まりやすくなり、より所望の形状の、具体的には微細なパターンを有する配線を形成しやすくなる。
また、工程(a)において、フッ素原子を有する酸解離性基を含有する化合物を含む組成物を用いると、エネルギー照射により、フッ素原子を有する基が脱離することなる。この脱離基は比較的揮発し易いため、第1塗膜104を加熱する工程において、より簡便に、凸部と凹部の膜厚差の大きい第1塗膜104を形成することができる。
第1塗膜104を加熱する方法としては、例えば、第1塗膜104が塗布された基板102を、ホットプレート、バッチ式オーブンまたはコンベア式オーブンを用いて加熱する方法、ドライヤー等を用いて熱風乾燥する方法、真空ベークする方法が挙げられる。
前記加熱の条件は、工程(a)で用いる親撥材の組成や、工程(b−1)で得られた第1塗膜104の厚み等によっても異なるが、好ましくは60℃〜150℃で3分間〜30分間程度である。
図2Dは、基板102上の第1塗膜104の照射部104a(第1領域R1)を選択的に除去した状態を模式的に説明する図である。
工程(b−2)では、現像液を用い、工程(b−1)で、第1塗膜104に形成された照射部104a(第1領域R1)を選択的に除去する。これにより、所定の第1塗膜104のパターンが形成される。
上記現像液としては、例えば、アルカリ現像液、有機溶媒を含有する現像液等が挙げられる。現像液は、形成するパターン形状に応じて選択することができる。マスクパターンを露光により第1塗膜104上に投影した時に、光照射強度の強い領域をアルカリ性の水溶液で現像することにより、所定の閾値以上の露光部が溶解・除去されることによって第1塗膜104のパターンを形成することができる。つまり、親撥材を含む第1塗膜104は、ポジ型のレジストとして機能することができる。一方、マスクパターンを露光により第1塗膜104上に投影した時に光照射強度の弱い領域を、有機溶媒を含有する液で現像することにより、所定の閾値以下の露光部が溶解・除去されることによって第1塗膜104のパターンを形成することができる。つまり、親撥材を含む第1塗膜104は、ネガ型のレジストとして機能することもできる。所望する解像性やパターン形状に応じてこれらの現像液を組み合わせて現像することもできる。
上記アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ性水溶液等が挙げられる。
上記有機溶媒を含有する現像液に含有される有機溶媒としては、例えば、上述の感放射線性樹脂組成物の溶媒として列挙した溶媒の1種又は2種以上等が挙げられる。これらの中でも、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒が好ましい。エーテル系溶媒としては、芳香族含有エーテル系溶媒が好ましく、アニソールがより好ましい。エステル系溶媒としては、酢酸エステル系溶媒が好ましく、酢酸n−ブチルがより好ましい。ケトン系溶媒としては、鎖状ケトン系溶媒が好ましく、2−ヘプタノンがより好ましい。
現像液中の有機溶媒の含有量としては、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましく、99質量%以上が特に好ましい。現像液中の有機溶媒の含有量を上記範囲とすることで、露光部と未露光部とのコントラストを向上させることができ、その結果、より優れた焦点深度及び露光余裕度を発揮しつつ、LWR及びCDUがより小さいレジストパターンを形成することができる。なお、有機溶媒以外の成分としては、例えば、水、シリコンオイル等が挙げられる。
現像液には、必要に応じて界面活性剤を適当量添加することができる。界面活性剤としては例えば、イオン性や非イオン性のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤等を用いることができる。
現像方法としては、例えば現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液塗出ノズルをスキャンしながら現像液を塗出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)等が挙げられる。
上記現像後は、水、アルコール等のリンス液を用いてリンスした後、乾燥することが好ましい。上記リンスの方法としては、例えば一定速度で回転している基板上にリンス液を塗出しつづける方法(回転塗布法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)等が挙げられる。
[工程(c)]
工程(c)は、基板102上の第2領域R2に導電材料106を堆積する工程である。工程(c)は、次の工程(c−1)と、工程(c−2)とを含む。工程(c−1)は、特定波長のエネルギーを照射して第2領域R2の第1塗膜104の表面を親液化させる。工程(c−2)は、第1塗膜104上に導電材料106を含む溶液を塗布することにより、少なくとも第2領域R2に導電材料106を堆積する。
図2Eは、第1塗膜104の第2領域R2に特定波長のエネルギーを照射する工程を模式的に説明する図である。
工程(c−1)では、図2Eに示すように、基板102上に形成された第1塗膜104のパターン上の一部に特定波長のエネルギーが照射され、照射部104a(第2領域R2)と未照射部104bとを有する第1塗膜104が形成される。
ここで、工程(b−1)と同様の機構により、親撥材中の酸解離性基が酸発生剤の効果により脱離し揮発する。その結果、照射部104a(第2領域R2)の膜厚が未照射部104bの膜厚に比べ薄くなり、凹パターンが形成される。このとき、酸解離性基がフッ素原子を有していれば、工程(a)で得られた塗膜および未照射部104bは撥液性を示すが、照射部104a(第2領域R2)は酸解離性基の消失に伴い、未照射部104bに比べ親液性となる。
工程(c−1)においても工程(b−1)と同様に、形成したい第2領域R2のパターン形状と同様の形状の照射部104aが形成されるように、所定のパターンを有するフォトマスク、メタルマスク、遮光シール等114を介して露光することができる。または直描式露光装置を用いて所定のパターンを描画露光してもよい。
工程(c−1)の後、第1塗膜104を加熱する工程を含んでもよい。加熱する工程としては、工程(b)において説明した加熱する工程と同様の工程を用いることができる。工程(c−1)で得られた第1塗膜104を加熱することで、照射部104a(第2領域R2)であった部分に相当する凹部と、未照射部104bであった部分に相当する凸部とを有する第1塗膜104を形成する。
図2Fは、第1塗膜104上に導電材料106を含む溶液を塗布する工程を模式的に説明する図である。
工程(c−2)では、図2Fに示すように、第1塗膜104上に導電材料106を含む溶液を塗布することにより、少なくとも第2領域R2に導電材料106を堆積する。
前記塗布の方法としては、特に限定されず、例えば、はけやブラシを用いた塗布法、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法、バー塗布法、スキージ法、フレキソ印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、ディスペンス法等の適宜の方法を採用することができる。この中でも特にディッピング法、スプレー法、スピンコート法、スリットダイ塗布法、オフセット印刷法、インクジェット印刷、ディスペンス法が好ましい。
また、微細で厚みがあり、低抵抗で断線しにくい配線を形成する観点からは、ディッピング法、インクジェット法、ディスペンス法が好ましい。
導電材料106は、第1塗膜104が撥液性の凸部と、それより親液性の凹部(第2領域R2)とを有するため、液状の導電材料106を用いる場合には、前記いずれの方法を用いても、凸部では導電材料106がはじかれ、凹部に集まりやすいため、凹部に沿って導電材料106が堆積した状態となる。
以上説明した工程(c)により、配線108が形成される。以上の工程によって、図1に示す配線構造体100を形成することができる。
以上、本実施形態に係る配線形成方法について説明した。本実施形態に係る配線形成方法によれば、フォトリソグラフィ工程数を削減し、微細なパターンの形成が可能な配線形成方法を提供することができる。
尚、本実施形態おいては、上記工程(a)、工程(b)及び工程(c)をこの順で含む配線形成方法を説明した。しかし、工程の順及びそれぞれの回数はこれに限られず、当業者であれば、所望の配線構造体の構成に応じて上記工程の順及びそれぞれの回数を任意に変更することが可能であるため、そのような配線形成方法も本発明の技術的範囲に属すると解されるべきである。
また、本実施形態においては、パターン構造体及びその形成方法として、特に配線構造体およびその形成方法について説明した。しかし、これに限られず、本実施形態に係る親撥材を用いれば、他の多種多様な材料を用いたパターン構造を形成することができる。
つまり、上記工程(c)において、第1塗膜104上に所定の材料を含む溶液を塗布することにより、凹パターン上に当該所定の材料を堆積することができる。所定の材料としては、導電材料、絶縁材料、半導体材料、発光性材料等を用いることができる。
導電性材料としては、特開2011−34750号公報等記載の導電性材料含有インク、半導体材料としては、特開2007−150240号公報のPEDOT−PSS等の導電性高分子を含む導電性高分子溶液、発光性材料としては、特開2007−35647号公報、特開2004−39630号公報等に記載の公有機ELの発光層形成用の材料等を挙げることができる。
<変形例>
本実施形態の変形例に係る配線構造体150及びそれを形成するための配線形成方法について説明する。
〔配線構造体〕
先ず、本実施形態の変形例に係る配線形成方法によって形成された配線構造体150の構成について、図面を参照しながら説明する。
図3は、本実施形態の変形例に係る配線形成方法によって形成された配線構造体150の構成を説明する図である。この図では、上段から、配線構造体150の上面図、A−A´に沿った断面図及びB−B´に沿った断面図を示している。尚、配線形成方法の説明において、以下で用いる図面についても同様である。
本実施形態に係る配線構造体150は、第1実施形態に係る配線構造体100と比較すると、第1領域R1のパターンのみが異なっている。
本実施形態においては、第1領域R1は、基板102面内の2箇所に設けられている。2箇所の第1領域R1は、互いに分離されている。
配線108は、互いに分離された2箇所の第1領域R1において、基板102の第1面102aと接触している。配線108は、2箇所の第1領域R1の各々が両端部となり、第1塗膜104上の第2領域R2を介して接続されている。
〔配線形成方法〕
次いで、本実施形態の変形例に係る配線形成方法について、前述した配線形成方法との相違点に絞り説明する。
本実施形態に係る配線形成方法は、前述の工程(a)〜(c)をこの順で含む。
[工程(a)]
工程(a)は、基板102上に、第1塗膜104を形成する工程である。第1塗膜104は、撥液性を有し、特定波長のエネルギーを照射することによって親液化する。第1塗膜104は、例えば上述した親撥材を含むことによってこのような性質が付与される。工程(a)は、図2A及び図2Bを用いた前述の工程(a)と同様であるため、説明は省略する。
[工程(b)]
工程(b)は、基板102上の第1領域R1の第1塗膜104を除去する工程である。工程(b)は、次の工程(b−1)と工程(b−2)とを含む。工程(b−1)は露光工程であり、第1領域R1の第1塗膜104に特定波長のエネルギーを照射する。これと同時に、第1領域R1の第1塗膜104の表面が親液化する。工程(b−2)は現像工程であり、当該特定の薬液に接触させ、第1領域R1の第1塗膜104を除去する。当該特定の薬液としては、前述した現像液を含む。
図4Aは、基板102上の第1塗膜104に特定波長のエネルギーを照射する工程を模式的に説明する図である。
工程(b−1)では、図4Aに示すように、基板102上の第1塗膜104の第1領域R1に特定波長のエネルギーが照射され、照射部104a(第1領域R1)と未照射部104bとを有する第1塗膜104が形成される。
本実施形態においては、第1領域R1は、基板102面内の2箇所に設けられている。2箇所の第1領域R1は、互いに分離されている。
図4Bは、基板102上の第1塗膜104の照射部104a(第1領域R1)を選択的に除去した状態を模式的に説明する図である。
工程(b−2)では、現像液を用い、工程(b−1)で、第1塗膜104に形成された照射部104a(第1領域R1)を選択的に除去する。これにより、所定の第1塗膜104のパターンが形成される。本実施形態においては、第1塗膜104の2箇所に、開口部が形成される。
[工程(c)]
工程(c)は、基板102上の第2領域R2に導電材料106を堆積する工程である。工程(c)は、次の工程(c−1)と、工程(c−2)とを含む。工程(c−1)は、特定波長のエネルギーを照射して第2領域R2の第1塗膜104の表面を親液化させる。工程(c−2)は、第1塗膜104上に導電材料106を含む溶液を塗布することにより、少なくとも第2領域R2に導電材料106を堆積する。
図4Cは、第1塗膜104の第2領域R2に特定波長のエネルギーを照射する工程を模式的に説明する図である。
工程(c−1)では、図4Cに示すように、基板102上に形成された第1塗膜104のパターン上の一部に特定波長のエネルギーが照射され、照射部104a(第2領域R2)と未照射部104bとを有する第1塗膜104が形成される。
工程(c−2)では、図2Fと同様に、第1塗膜104上に導電材料106を含む溶液を塗布することにより、少なくとも第2領域R2に導電材料106を堆積する。
導電材料106は、第1塗膜104が撥液性の凸部と、それより親液性の凹部(第2領域R2)とを有するため、液状の導電材料106を用いる場合には、前記いずれの方法を用いても、凸部では導電材料106がはじかれ、凹部に集まりやすいため、凹部に沿って導電材料106が堆積した状態となる。
以上説明した工程(c)により、配線108が形成される。以上の工程によって、図3に示す配線構造体150を形成することができる。
以上、本実施形態の変形例に係る配線形成方法について説明した。本実施形態の変形例に係る配線形成方法によれば、フォトリソグラフィ工程数を削減し、微細なパターンの形成が可能な配線形成方法を提供することができる。
<変形例2>
他の変形例として、本実施形態で使用される親撥材において、前述の[C]化合物の含有量を調整する変形例について説明する。本実施形態に係る配線構造体の構成においては、特定波長のエネルギーを第1塗膜104に照射して照射部104aを親液化する際、第1塗膜104の内部まで親液化させず、第1塗膜104の表面近傍のみを親液化させれば足りる。
そこで、以下で説明するように[C]化合物を適切に調整することによって、効率的に表面に親撥材を偏析させた第1塗膜104を形成することができる。
[C]化合物は、[A]重合体と併用することで、得られる膜の耐熱性、耐溶剤性を向上できる。さらには[A]重合体と[A]重合体の混合比を適宜変更することで、例えば[A]重合体よる親撥機能を発現しつつ、露光部の凹形状の制御が可能となる。
また、[A]重合体と[C]化合物の種類、混合比を適宜変更することで、フッ素原子、ケイ素原子を有する[A]重合体が膜中の上部に、[C]化合物が下部にとなるような層分離膜を形成が可能となる。
以下に詳細を説明する。
以下に[C]化合物の合成例を示す。
[合成例2]
冷却管および攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7質量部、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル200質量部を仕込んだ。引き続きメタクリル酸5質量部、テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルメタクリレート40質量部、スチレン5質量部、メタクリル酸グリシジル40質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10質量部およびα−メチルスチレンダイマー3質量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し、共重合体である重合体[C−1]を含む重合体溶液を得た。重合体[C−1]のポリスチレン換算質量平均分子量(Mw)は9000であった。また、ここで得られた重合体溶液の固形分濃度は、31.3質量%であった。
上記合成例1で得られた重合体[A−1]を5質量部、合成例2で得られた重合体[C−1]を95質量部、[B]酸発生剤としてN−ヒドロキシナフタルイミド−トリフルオロメタンスルホン酸エステルを2質量部、[D]増感剤として2−イソプロピルチオキサントンを0.5質量部、および、[E]クエンチャーとして2−フェニルベンゾイミダゾール0.1質量部を混合し、密着助剤としてγ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランを2重量部加え、固形分濃度が18質量%となるように、それぞれ溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと1−オクタノールを90:10の割合で加えた後、孔径0.5μmのミリポアフィルタでろ過することにより、感放射線性組成物を調製した。
以上のように[C]化合物を含む親撥材の調整を行うことによって、効率的に第1塗膜104の表面に親撥材を偏析させることができる。
以上、本実施形態の変形例に係る配線形成方法について説明した。本実施形態の変形例に係る配線形成方法によれば、使用する親撥材の分量を低減することができ、脱保護によるアウトガス量を低減することが出来る。
<第2実施形態>
本実施形態に係る配線構造体200及び配線形成方法について説明する。
〔配線構造体〕
先ず、本実施形態に係る配線形成方法によって形成された配線構造体200の構成について、図面を参照しながら説明する。
図5は、本実施形態に係る配線形成方法によって形成された配線構造体200の構成を説明する図である。この図では、上段から、配線構造体200の上面図、A−A´に沿った断面図及びB−B´に沿った断面図を示している。尚、配線形成方法の説明において、以下で用いる図面についても同様である。
本実施形態に係る配線構造体200は、少なくとも、基板102と、配線108とを備えている。
基板102は、互いに対向する第1面102a及び第2面102bを有している。また、基板102は、平面視において、第1領域R1及び第2領域R2を有している。第2領域R2は、第1領域R1を除く領域に相当する。後述するが、第2領域R2は、配線108を形成するために導電材料106が堆積される領域である。
使用することができる基板102の材質としては、配線構造体100の構成の説明において述べたものを用いることができるため、ここでは詳細な説明は省略する。
配線108は、第2領域R2に形成され、第1領域R1には形成されない。
尚、本実施形態においては、第1塗膜104及び配線108の層構造及び平面のパターン等について簡略化された例を用いているが、これは説明の簡略化のためであり、この例に限られず、多種多様な構成を採用することができる。
〔配線形成方法〕
次いで、本実施形態に係る配線構造体200を形成するための配線形成方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態に係る親撥材を用いた配線形成方法は、下記の工程(a)〜(d)をこの順で含む。
(a)基板102上に、親撥材を含む第1塗膜104を形成する工程、
(b)基板102上の第2領域R2の第1塗膜104を除去する工程、
(c)基板102上の第2領域R2に導電材料106を堆積する工程、
(d)基板102上の第1領域R1の第1塗膜104を除去する工程。
以下、各工程について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[工程(a)]
工程(a)は、基板102上に、親撥材を含む第1塗膜104を形成する工程である。工程(a)は、図2A及び図2Bを用いた前述の工程(a)と同様であるため、説明は省略する。
[工程(b)]
工程(b)は、基板102上の第2領域R2の第1塗膜104を除去する工程である。工程(b)は、次の工程(b−1)と工程(b−2)とを含む。工程(b−1)は露光工程であり、第2領域R2の第1塗膜104に特定波長のエネルギーを照射する。これと同時に、第2領域R2の第1塗膜104の表面が親液化する。工程(b−2)は現像工程であり、当該特定の薬液に接触させ、第2領域R2の第1塗膜104を除去する。当該特定の薬液としては、前述した現像液を含む。
図6Aは、第1塗膜104の第2領域R2に特定波長のエネルギーを照射する工程を模式的に説明する図である。
工程(b−1)では、図6Aに示すように、基板102上に形成された第1塗膜104の第2領域R2に特定波長のエネルギーが照射され、照射部104a(第2領域R2)と未照射部104bとを有する第1塗膜104が形成される。
図6Bは、基板102上の第1塗膜104の照射部104a(第2領域R2)を選択的に除去した状態を模式的に説明する図である。
工程(b−2)では、現像液を用い、工程(b−1)で、第1塗膜104に形成された照射部104a(第2領域R2)を選択的に除去する。これにより、所定の第1塗膜104のパターンを有する開口部が形成される。
[工程(c)]
工程(c)は、基板102上の第2領域R2に導電材料106を堆積する工程である。
工程(c)では、基板102の第1面102a側に導電材料106を含む溶液を塗布することにより、第2領域R2に導電材料106を堆積し、配線108を形成する。
図6Cは、基板102上の第2領域R2に配線108を形成した状態を模式的に説明する図である。
導電材料106は、撥液性の第1塗膜104と、それより親液性の開口部(第2領域R2)とを有するため、液状の導電材料106を用いる場合には、前記いずれの方法を用いても、第1塗膜104では導電材料106がはじかれ、開口部に集まりやすいため、開口部に沿って導電材料106が堆積した状態となる。
[工程(d)]
工程(d)は、基板102上の第1領域R1の第1塗膜104を除去する工程である。工程(d)は、次の工程(d−1)と工程(d−2)とを含む。工程(d−1)は露光工程であり、特定波長のエネルギーを照射する。これと同時に、第1領域R1の第1塗膜104の表面が親液化する。ここでは、基板102の全面に特定波長のエネルギーを照射する。工程(d−2)は現像工程であり、当該特定の薬液に接触させ、第1領域R1の第1塗膜104を除去する。当該特定の薬液としては、後述する現像液を含む。
図6Dは、基板102上の第1領域R1の第1塗膜104を親液化させた状態を模式的に説明する図である。この状態で、現像液に浸漬することによって、工程(a)で塗布した第1塗膜104が全て除去される。
以上の工程によって、図5に示す配線構造体200を製造することができる。
以上、本実施形態に係る配線形成方法について説明した。本実施形態に係る配線形成方法によれば、フォトリソグラフィ工程数を削減し、微細なパターンの形成が可能な配線形成方法を提供することができる。
<第3実施形態>
本実施形態に係る配線構造体300及び配線形成方法について説明する。
〔配線構造体〕
先ず、本実施形態に係る配線形成方法によって形成された配線構造体300の構成について、図面を参照しながら説明する。
図7は、本実施形態に係る配線形成方法によって形成された配線構造体300の構成を説明する図である。この図では、上段から、配線構造体300の上面図、A−A´に沿った断面図及びB−B´に沿った断面図を示している。尚、配線形成方法の説明において、以下で用いる図面についても同様である。
本実施形態に係る配線構造体300は、第1実施形態に係る配線構造体100と比較すると、配線108のパターンのみが異なっている。
本実施形態においては、アイランド状の第1塗膜104上のみならず、第1塗膜104の外部にも配線108のパターンが形成されている。尚、以下の説明において、基板上のアイランド状の第1塗膜104が配置された領域を除く領域を第1領域R1と呼ぶ。
尚、本実施形態においては、第1塗膜104及び配線108の層構造及び平面のパターン等について簡略化された例を用いているが、これは説明の簡略化のためであり、この例に限られず、多種多様な構成を採用することができる。
〔配線形成方法〕
次いで、本実施形態に係る配線構造体300を形成するための配線形成方法について、前述した配線形成方法との相違点に絞り説明する。
本実施形態に係る親撥材を用いた配線形成方法は、下記の工程(a)〜(d)をこの順で含む。
(a)基板102上に、第1塗膜104を形成する工程、
(b)基板102上の第3領域R3の第1塗膜104を除去する工程、
(c)基板102上の第2領域R2及び第3領域R3に導電材料106を堆積する工程、
(d)基板102上の第1領域R1の第1塗膜104を除去する工程。
[工程(a)]
工程(a)は、基板102上に、第1塗膜104を形成する工程である。第1塗膜104は、撥液性を有し、特定波長のエネルギーを照射することによって親液化する。工程(a)は、図2A及び図2Bを用いた前述の工程(a)と同様であるため、説明は省略する。
[工程(b)]
工程(b)は、基板102上の第3領域R3の第1塗膜104を除去する工程である。工程(b)は、次の工程(b−1)と工程(b−2)とを含む。工程(b−1)は露光工程であり、第3領域R3の第1塗膜104に特定波長のエネルギーを照射する。これと同時に、第3領域R3の第1塗膜104の表面が親液化する。工程(b−2)は現像工程であり、当該特定の薬液に接触させ、第3領域R3の第1塗膜104を除去する。当該特定の薬液としては、後述する現像液を含む。
図8Aは、基板102上の第1塗膜104に特定波長のエネルギーを照射する工程を模式的に説明する図である。
工程(b−1)では、図8Aに示すように、基板102上の第1塗膜104の第3領域R3に特定波長のエネルギーが照射され、照射部104a(第3領域R3)と未照射部104bとを有する第1塗膜104が形成される。
本実施形態においては、第3領域R3は、基板102面内の2箇所に設けられている。2箇所の第3領域R3は溝状の形状を有し、互いに分離されている。
図8Bは、基板102上の第1塗膜104の照射部104a(第3領域R3)を選択的に除去する工程を模式的に説明する図である。
工程(b−2)では、現像液を用い、工程(b−1)で、第1塗膜104に形成された照射部104a(第3領域R3)を選択的に除去する。これにより、所定の第1塗膜104のパターンが形成される。本実施形態においては、第1塗膜104の2箇所に、溝状の開口部が形成される。
[工程(c)]
工程(c)は、基板102上の第2領域R2及び第3領域R3に導電材料106を堆積する工程である。工程(c)は、次の工程(c−1)と、工程(c−2)とを含む。工程(c−1)は、特定波長のエネルギーを照射して第2領域R2の第1塗膜104の表面を親液化させる。工程(c−2)は、第1塗膜104上に導電材料106を含む溶液を塗布することにより、少なくとも第2領域R2及び第3領域R3に導電材料106を堆積する。
図8Cは、第1塗膜104の第2領域R2に特定波長のエネルギーを照射する工程を模式的に説明する図である。
工程(c−1)では、図8Cに示すように、基板102上に形成された第1塗膜104のパターン上の一部に特定波長のエネルギーが照射され、照射部104a(第2領域R2)と未照射部104bとを有する第1塗膜104が形成される。
工程(c−2)では、図2Fと同様に、第1塗膜104上に導電材料106を含む溶液を塗布することにより、少なくとも第2領域R2及び第3領域R3に導電材料106を堆積する。
導電材料106は、第1塗膜104が撥液性の凸部と、それより親液性の凹部(第2領域R2)とを有するため、液状の導電材料106を用いる場合には、前記いずれの方法を用いても、凸部では導電材料106がはじかれ、凹部に集まりやすいため、凹部に沿って導電材料106が堆積した状態となる。
工程(d)は、基板102上の第1領域R1の第1塗膜104を除去する工程である。工程(d)は、次の工程(d−1)と工程(d−2)とを含む。工程(d−1)は露光工程であり、第1領域R1の第1塗膜104に特定波長のエネルギーを照射する。これと同時に、第1領域R1の第1塗膜104の表面が親液化する。工程(d−2)は現像工程であり、当該特定の薬液に接触させ、第1領域R1の第1塗膜を除去する。当該特定の薬液としては、前述した現像液を含む。
以上説明した工程(d)により、第1領域R1の第1塗膜が除去される。以上の工程によって、図7に示す配線構造体300を製造することができる。
以上、本実施形態に係る配線形成方法について説明した。本実施形態に係る配線形成方法によれば、フォトリソグラフィ工程数を削減し、微細なパターンの形成が可能な配線形成方法を提供することができる。
<第4実施形態>
本実施形態に係る配線構造体400及び配線形成方法について説明する。
〔配線構造体〕
先ず、本実施形態に係る配線形成方法によって形成された配線構造体400の構成について、図面を参照しながら説明する。
図9は、本実施形態に係る配線形成方法によって形成された配線構造体400の構成を説明する図である。この図では、上段から、配線構造体400の上面図、A−A´に沿った断面図及びB−B´に沿った断面図を示している。
本実施形態に係る配線構造体400は、基板102と、第1塗膜104と、第1配線108aと、第2配線108bとを備えている。
本実施形態に係る配線構造体400は、第1実施形態の変形例に係る配線構造体150と、第2実施形態に係る配線構造体200とを組み合わせた構成を有している。
つまり、本実施形態に係る配線構造体400の、基板102と、第1配線108aとに係る部分の構成は、第2実施形態に係る配線構造体200の構成に一致する。そして、第2実施形態に係る配線構造体200の構成に、第1実施形態の変形例に係る配線構造体150の、第1塗膜104と、配線とに係る部分の構成を積層すれば、本実施形態に係る配線構造体400の構成に一致する。
本実施形態に係る配線構造体400は、第1配線108a及び第2配線108bが接続されている。つまり、本発明の実施形態に係る配線構造体を組み合わせることによって、複数層の配線を有する配線構造体を形成することができる。
〔配線形成方法〕
次いで、本実施形態に係る配線構造体400を形成するための配線形成方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態に係る親撥材を用いた配線形成方法は、下記の工程(a)〜(g)をこの順で含む。
(a)基板102上に、親撥材を含む第1塗膜104を形成する工程、
(b)基板102上の第2領域R2の第1塗膜104を除去する工程、
(c)基板102上の第2領域R2に導電材料106を堆積する工程、
(d)基板102上の第1領域R1の第1塗膜104を除去する工程、
(e)基板102上に、親撥材を含む第1塗膜104を形成する工程、
(f)基板102上の第3領域R3の第1塗膜104を除去する工程、
(g)基板102上の第4領域R4に導電材料106を堆積する工程。
ここで、上記の工程(a)〜(d)は、第2実施形態に係る配線形成方法にそのまま対応する。更に、上記の工程(e)〜(g)は、「第3領域」及び「第4領域」をそれぞれ「第1領域」及び「第2領域」と置き替えれば、第1実施形態の変形例に係る配線形成方法にそのまま対応する。上記のそれぞれの工程の詳細な説明は、前述の説明を参照すればよいため省略する。
以上、本実施形態に係る配線形成方法について説明した。本実施形態に係る配線形成方法によれば、フォトリソグラフィ工程数を削減し、微細なパターンの形成が可能な配線形成方法を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態による配線形成方法について説明した。しかし、これらは単なる例示に過ぎず、本発明の技術的範囲はそれらには限定されない。実際、当業者であれば、特許請求の範囲において請求されている本発明の要旨を逸脱することなく、種々の変更が可能であろう。よって、それらの変更も当然に、本発明の技術的範囲に属すると解されるべきである。
100、150、200、300、400:配線構造体
102:基板
102a:第1面
102b:第2面
104:第1塗膜
104a:照射部
104b:未照射部
106:導電材料
108:配線
108a:第1配線
108b:第2配線
114:フォトマスク
R1:第1領域
R2:第2領域
R3:第3領域
R4:第4領域

Claims (4)

  1. 基板上に、撥水性を有し、特定波長のエネルギーを照射することによって親水化する第1塗膜を形成し、
    前記基板の第1領域に特定波長のエネルギーを照射し、前記第1領域の前記第1塗膜を特定の薬液に接触させて前記第1領域の前記第1塗膜を除去し、
    前記基板上の前記第1領域を除く第2領域に残存する前記第1塗膜の一部の領域に特定波長のエネルギーを照射し、前記一部の領域の表面を親水化させ、かつ前記一部の領域の膜厚を薄くして凹パターンを形成することを含むパターン形成方法。
  2. 前記凹パターンを形成した後、前記第1塗膜上に所定の材料を含む溶液を塗布することにより、親水化された前記凹パターン上に前記所定の材料を堆積することを含む請求項1に記載のパターン形成方法。
  3. 前記第1領域及び前記第2領域は、互いに隣接することを特徴とする請求項3に記載のパターン形成方法。
  4. 前記所定の材料として、導電性材料を含む溶液を用いることを特徴とする請求項2に記載のパターン形成方法。
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