JP6775041B2 - 難燃性マスターバッチの製造方法、及び難燃性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
[1]ポリオレフィン系樹脂、ホスファゼン化合物、並びにシリカ及び/又はタルクを含有する難燃性マスターバッチ。
[2]さらに相溶化剤を含有する前記[1]に記載の難燃性マスターバッチ。
[3]前記ホスファゼン化合物100質量部に対して、前記ポリオレフィン系樹脂100〜500質量部、前記シリカ及び/又はタルク10〜100質量部、並びに前記相溶化剤10〜150質量部を含有する前記[2]に記載の難燃性マスターバッチ。
[4]前記ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン系樹脂である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の難燃性マスターバッチ。
[5]前記シリカを含有し、前記シリカのJIS K5101に準じて測定される吸油量が100〜400mL/gである前記[1]〜[4]のいずれかに記載の難燃性マスターバッチ。
[6]繊維状樹脂の成形に用いられる前記[1]〜[5]のいずれかに記載の難燃性マスターバッチ。
[7]熱可塑性樹脂と、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の難燃性マスターバッチとを含有する難燃性樹脂組成物。
[8]ポリオレフィン系樹脂、ホスファゼン化合物、並びにシリカ及び/又はタルクを含有する難燃性樹脂組成物。
本発明の一実施形態に係る難燃性マスターバッチ(以下、単に「マスターバッチ」と記載することがある。)は、ポリオレフィン系樹脂、ホスファゼン化合物、並びにシリカ及び/又はタルクを含有する。この難燃性マスターバッチは、ポリオレフィン系樹脂を含有する点で、難燃性の樹脂組成物ともいえるが、本明細書では、マスターバッチとして使用可能であるという観点と、後記難燃性樹脂組成物と区別する観点から、マスターバッチと称する。
本発明の一実施形態に係る難燃性樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」と記載することがある。)は、ポリオレフィン系樹脂、ホスファゼン化合物、並びにシリカ及び/又はタルクを含有する。この樹脂組成物は、前記マスターバッチを用いなくても得ることが可能であるが、溶融混練等の製造上の作業性に優れることから、前記マスターバッチを使用して得ることが好ましい。この場合、樹脂組成物は、難燃性を付与する対象となる熱可塑性樹脂と前記マスターバッチとを含有する難燃性樹脂組成物とすることができ、熱可塑性樹脂としてはマスターバッチに含有させるポリオレフィン系樹脂と同様のものを用いることが好ましい。なお、本明細書において、難燃性樹脂組成物には、その樹脂組成物を構成する各成分が配合されただけの成形前の組成物、並びにペレット状、フレーク状、及び繊維状等の各種形態に成形された後の組成物が含まれる。
ポリオレフィン系樹脂は、オレフィン系単量体を単量体成分の主成分として重合された単独重合体又は共重合体である。ここで、樹脂(重合体)を構成する主成分とは、重合体を構成する全単量体成分中、50質量%以上である成分をいう。ポリオレフィン系樹脂は、オレフィン系単量体を全単量体成分中、好ましくは60〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは80〜100質量%含んでなる単独重合体又は共重合体である。
本実施形態に係るマスターバッチ及び樹脂組成物は、難燃剤としてホスファゼン化合物を含有する。ホスファゼン化合物は、分子中に−P=N−結合、及び芳香族基を有する化合物である。
本実施形態に係るマスターバッチ及び樹脂組成物は、シリカ及びタルクからなる群から選ばれる1種又は2種以上を含有する。マスターバッチ及び樹脂組成物を製造する際にポリオレフィン系樹脂及びホスファゼン化合物を溶融混練すると、ホスファゼン化合物がせん断等を受けると固まりやすい性質を有することから、溶融物が混練装置のスクリュー等の部品に固着して巻き付き、操業性が低下する場合がある。この問題は、ホスファゼン化合物を多く含有させることから特にマスターバッチの製造において生じる。これに対して、マスターバッチ及び樹脂組成物の成分としてシリカ及び/又はタルクを用いることで、各成分を溶融混練する際に、溶融物が混練装置のスクリュー等に固着し難くなり、操業性が低下する問題を回避することが可能となる。この効果は、シリカの方がタルクに比べて少量でも得られやすいことから、シリカを用いることがより好ましい。
本実施形態に係るマスターバッチ及び樹脂組成物は、さらに相溶化剤を含有することが好ましい。この相溶化剤は、ポリオレフィン系樹脂とホスファゼン化合物との相溶性を向上させるための成分であるが、相溶化剤によりポリオレフィン系樹脂とホスファゼン化合物とが完全に相溶することまでは要しない。
本実施形態に係るマスターバッチ及び樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない限り、必要に応じて、上述した成分以外にその他の成分として、難燃助剤、機械物性等の諸特性を向上させるための充填材、及びその他の添加剤等を含有してもよい。難燃助剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、及び水酸化カルシウム等の金属水酸化物を挙げることができる。充填材としては、例えば、シリカ、タルク、クレー、マイカ、酸化チタン、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラス繊維、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、チタン酸カリウム、硼酸アルミニウム、硼酸マグネシウム、炭素繊維等を挙げることができる。その他の添加剤としては、例えば、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、硬化剤、硬化促進剤、帯電防止剤、導電性付与剤、離型剤、潤滑剤、染料、及び顔料等を挙げることができる。これらのその他の成分は、1種又は2種以上が含有されていてもよい。
本実施形態のマスターバッチは、前述のポリオレフィン系樹脂、ホスファゼン化合物、シリカ及び/又はタルク、並びに必要に応じて添加される相溶化剤及びその他の成分を溶融混練して得ることができる。溶融混練の方法は特に限定されず、公知の溶融混練方法をとることができる。具体例を挙げると、各成分を例えばタンブラーやヘンシェルミキサーとして知られた高速ミキサー等の各種混合機を用いて予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、プラストグラフ、単軸押出機、二軸押出機、及びニーダー等の混練装置で溶融混練する方法が挙げられる。これらの中でも、生産効率がよいことから、押出機を用いて溶融混練する製造方法がより好ましく、二軸押出機を用いる製造方法がさらに好ましい。押出機を使用して各成分を溶融混練し、混練物をストランド状に押し出した後、ストランド状に押し出した混練物をペレット状やフレーク状等の形態に加工することができる。
このような利点があることから、本実施形態のマスターバッチは、難燃性を付与する対象となる熱可塑性樹脂に配合され、その配合物を押出機等で紡糸し、繊維状樹脂に成形する用途に特に好適である。
次に、難燃性マスターバッチを構成する各成分の好ましい含有量について説明する。なお、各成分の含有量は、その成分が2種以上用いられる場合は、2種以上の合計の含有量を意味する。
また、マスターバッチにおいて、ホスファゼン化合物100質量部に対して、ポリオレフィン系樹脂の含有量は、100〜500質量部であることが好ましく、100〜400質量部であることがより好ましく、200〜400質量部であることがさらに好ましい。
また、ホスファゼン化合物100質量部に対して、シリカ及び/又はタルクの含有量は、10〜100質量部であることが好ましい。
また、ホスファゼン化合物100質量部に対して、相溶化剤の含有量は、10〜150質量部であることが好ましく、より好ましくは10〜100質量部である。
本実施形態の樹脂組成物は、樹脂組成物を構成する各成分をドライブレンドし、前述の押出機等の混練装置で溶融混練して成形することもできるが、混練時や成形時の作業性に優れることから、前述のマスターバッチを含有する樹脂組成物とすることが好ましい。また、難燃性を付与する対象の熱可塑性樹脂とマスターバッチとを含有する樹脂組成物とすることで、マスターバッチにはすでに難燃剤等が含有されていることから、マスターバッチを用いずに各成分を混練する場合に比べて、難燃剤のブリードアウトを生じ難くすることができる。
マスターバッチと配合する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂のほか、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスチレン、ABS、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、ポリフェニレンエーテル等を挙げることができる。熱可塑性樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
熱可塑性樹脂としては、前述のマスターバッチとの相溶性が良好であることから、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、ポリオレフィン系樹脂のうち、マスターバッチに含有されているポリオレフィン系樹脂と同じものがより好ましい。
次に、難燃性を付与する対象となる熱可塑性樹脂としてポリオレフィン系樹脂を用いた場合の難燃性樹脂組成物を構成する各成分の好ましい含有量について説明する。なお、各成分の含有量は、その成分が2種以上用いられる場合は、2種以上の合計の含有量を意味する。
樹脂組成物中のホスファゼン化合物の含有量は、ポリオレフィン系樹脂に難燃性を付与する観点から、樹脂組成物の全質量を基準として、0.5〜10質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましい。
樹脂組成物中のシリカ及び/又はタルクの含有量は、樹脂組成物の全質量を基準として、0.1〜5.0質量%であることが好ましく、0.1〜2.0質量%であることがより好ましい。
樹脂組成物中の相溶化剤の含有量は、樹脂組成物の全質量を基準として、0.1〜5.0質量%であることが好ましく、0.1〜2.0質量%であることがより好ましい。
(実施例1)
難燃剤として環状ホスファゼン化合物(大塚化学社製、商品名「SPS−100」)20部、ポリプロピレン(プライムポリマー社製、商品名「J105P J106」)55部(ホスファゼン化合物100部に対して275部)、不定形のシリカ(水澤化学工業社製、商品名「ミズカシルP705」、平均粒子径:3μm、吸油量:250mL/100g、比表面積:300m2/g)5部(ホスファゼン化合物100部に対して25部)、相溶化剤(日油社製、商品名「モディパーA1401」)20部(ホスファゼン化合物100部に対して100部)を、ヘンシェルミキサーを用いて十分に混合した。なお、使用した環状ホスファゼン化合物は、前記一般式(1)中のnが3である環状フェノキシホスファゼン化合物を、他の環状フェノキシホスファゼン化合物よりも多く含有する、環状フェノキシホスファゼン化合物の混合物である(以下の実施例において同じである)。また、使用した相溶化剤は、主鎖にポリエチレンの構造を有し、その主鎖に側鎖としてスチレン−アクリロニトリル共重合体の構造が結合したグラフト共重合体である。配合した混合物を、二軸押出機を用いて210〜230℃で混練し、円柱状ペレットのマスターバッチ1を得た。
難燃剤として環状ホスファゼン化合物(大塚化学社製、商品名「SPS−100」)20部、ポリプロピレン(プライムポリマー社製、商品名「J105P J106」)50部(ホスファゼン化合物100部に対して250部)、球状のシリカ(水澤化学工業社製、商品名「ミズパールK−300」、平均粒子径:2.8μm、吸油量:126mL/100g、比表面積:256m2/g)10部(ホスファゼン化合物100部に対して50部)、相溶化剤(日油社製、商品名「モディパーA1401」)20部(ホスファゼン化合物100部に対して100部)を、ヘンシェルミキサーを用いて十分に混合した。配合した混合物を、二軸押出機を用いて210〜230℃で混練し、円柱状ペレットのマスターバッチ2を得た。
難燃剤として環状ホスファゼン化合物(大塚化学社製、商品名「SPS−100」)20部、ポリプロピレン(プライムポリマー社製、商品名「J105P J106」)45部(ホスファゼン化合物100部に対して225部)、タルク(浅田製粉社製、商品名「FFR」、平均粒子径:3.9μm以下)15部(ホスファゼン化合物100部に対して75部)、相溶化剤(日油社製、商品名「モディパーA1401」)20部(ホスファゼン化合物100部に対して100部)を、ヘンシェルミキサーを用いて十分に混合した。配合した混合物を、二軸押出機を用いて210〜230℃で混練し、円柱状ペレットのマスターバッチ3を得た。
難燃剤として環状ホスファゼン化合物(大塚化学社製、商品名「SPS−100」)20部、ポリプロピレン(プライムポリマー社製、商品名「J105P J106」)75部(ホスファゼン化合物100部に対して375部)、不定形のシリカ(水澤化学工業社製、商品名「ミズカシルP705」、平均粒子径:3μm、吸油量:250mL/100g、比表面積:300m2/g)5部(ホスファゼン化合物100部に対して25部)を、ヘンシェルミキサーを用いて十分に混合した。配合した混合物を、二軸押出機を用いて210〜230℃で混練し、円柱状ペレットのマスターバッチ4を得た。
難燃剤として環状ホスファゼン化合物(大塚化学社製、商品名「SPS−100」)20部、ポリプロピレン(プライムポリマー社製、商品名「J105P J106」)50部(ホスファゼン化合物100部に対して250部)、球状のシリカ(水澤化学工業社製、商品名「ミズパールK−300」、平均粒子径:2.8μm、吸油量:126mL/100g、比表面積:256m2/g)10部(ホスファゼン化合物100部に対して50部)、相溶化剤(日油社製、商品名「モディパーA1100」)20部(ホスファゼン化合物100部に対して100部)を、ヘンシェルミキサーを用いて十分に混合した。なお、使用した相溶化剤は、主鎖にポリエチレンの構造を有し、その主鎖に側鎖としてポリスチレンの構造が結合したグラフト共重合体である。配合した混合物を、二軸押出機を用いて210〜230℃で混練し、円柱状ペレットのマスターバッチ5を得た。
難燃剤として環状ホスファゼン化合物(大塚化学社製、商品名「SPS−100」)20部、ポリプロピレン(プライムポリマー社製、商品名「J105P J106」)70部(ホスファゼン化合物100部に対して350部)、不定形のシリカ(水澤化学工業社製、商品名「ミズカシルP705」、平均粒子径:3μm、吸油量:250mL/100g、比表面積:300m2/g)5部(ホスファゼン化合物100部に対して25部)、相溶化剤として立体障害性アミンエーテル系化合物であるN−アルコキシヒンダードアミン(BASF社製、商品名「Flamestab NOR 116」)5部(ホスファゼン化合物100部に対して25部)を、ヘンシェルミキサーを用いて十分に混合した。配合した混合物を、二軸押出機を用いて190〜210℃で混練し、円柱状ペレットのマスターバッチ6を得た。
難燃剤として立体障害性アミンエーテル系化合物であるN−アルコキシヒンダードアミン(BASF社、商品名「Flamestab NOR 116」)20部、ポリプロピレン(プライムポリマー社製、商品名「J105P J106」)80部(難燃剤100部に対して400部)を、ヘンシェルミキサーを用いて十分に混合した。配合した混合物を、二軸押出機を用いて190〜210℃で混練し、円柱状ペレットの参考マスターバッチ1を得た。
難燃剤として環状ホスファゼン化合物(大塚化学製、商品名「SPS−100」)20部、ポリプロピレン(プライムポリマー社製、商品名「J105P J106」)40部(ホスファゼン化合物100部に対して200部)、水酸化マグネシウム(神島化学工業社製、商品名「マグシーズN−4」、平均粒子径:1.1μm、比表面積:4.7m2/g)20部、相溶化剤(日油社製、商品名「モディパーA1401」)20部を、ヘンシェルミキサーを用いて十分に混合した。配合した混合物を、二軸押出機を用いて210〜230℃で混練し、円柱状ペレットの比較マスターバッチ1を得た。
難燃剤として環状ホスファゼン化合物(大塚化学製、商品名「SPS−100」)20部、ポリプロピレン(プライムポリマー社製、商品名「J105P J106」)40部(ホスファゼン化合物100部に対して200部)、硫酸バリウム(堺工業社製、商品名「バリエースB−55」、平均粒子径:0.6μm、比表面積:5.4m2/g)20部、相溶化剤(日油社製、商品名「モディパーA1401」)20部を、ヘンシェルミキサーを用いて十分に混合した。配合した混合物を、二軸押出機を用いて210〜230℃で混練し、円柱状ペレットの比較マスターバッチ2を得た。
(マスターバッチの作製過程における異臭の発生)
各マスターバッチを作製した際の異臭の発生について、次の評価基準に従って評価した。
A:異臭はほとんど感じられなかった。
B:わずかに異臭の発生を感じたが、作業困難となるほどの異臭は感じられなかった。
C:はっきりと感じられる異臭が発生した。
各マスターバッチを作製した際に、二軸押出機のスクリューへの溶融物の固着の発生状況による、二軸押出機の操業性について、次の評価基準に従って評価した。
A:二軸押出機のスクリューに溶融物がほとんど固着することなく、二軸押出機を良好に操業できた。
B:二軸押出機のスクリューに若干の溶融物の固着が確認されたが、マスターバッチを作製することができた。
C:二軸押出機のスクリューに溶融物が固着して巻き付き、二軸押出機の操業が困難であった。
各マスターバッチを作製した際に、二軸押出機のノズルからの材料の吐出安定性について、次の評価基準に従って評価した。
A:二軸押出機のノズルから混練物が安定して吐出された。
B:二軸押出機のノズルから混練物が時折細く吐出された。
C:二軸押出機のノズルから混練物が細く吐出されたり、途切れて吐出されたりと、不安定な吐出であった。
実施例2、5及び6で作製したマスターバッチ2、5及び6をそれぞれ用いて、難燃性樹脂組成物を作製した。具体的には、実施例1等で使用したポリプロピレン100部、及びマスターバッチ5部を、ヘンシェルミキサーを用いて十分に混合し、その混合物を二軸押出機で押出し、押出物を延伸して紡糸し、繊維状樹脂を得た。この繊維状樹脂の作製を、マスターバッチ2、5及び6のそれぞれについて行った。その結果、マスターバッチ5を用いた場合では、繊維状樹脂の作製において、難燃剤のブリードアウトが僅かに確認されたが、マスターバッチ2及び6を用いた場合では、繊維状樹脂の作製において、難燃剤のブリードアウトは確認されなかった。また、マスターバッチ2、5及び6をそれぞれ用いて作製した各繊維状樹脂は、JIS L1091:1999の「繊維製品の燃焼性試験方法」で規定される「D法(接炎試験)」に準じて測定した接炎回数がいずれも3回以上であった。
Claims (10)
- ポリオレフィン系樹脂と、
ホスファゼン化合物と、
シリカ及びタルクからなる群から選ばれる1種又は2種以上と、
を含む混合物を溶融混練する難燃性マスターバッチの製造方法。 - 前記混合物は、さらに相溶化剤を含む請求項1に記載の難燃性マスターバッチの製造方法。
- 前記混合物は、前記ホスファゼン化合物100質量部に対して、前記ポリオレフィン系樹脂を100〜500質量部、前記シリカ及びタルクからなる群から選ばれる1種又は2種以上を10〜100質量部、並びに前記相溶化剤を10〜150質量部含む請求項2に記載の難燃性マスターバッチの製造方法。
- 前記相溶化剤は、主鎖にポリオレフィン系ポリマーの構造を有するとともにその主鎖に側鎖としてビニル系ポリマーの構造が結合したグラフト共重合体、及び立体障害性アミンエーテル系化合物からなる群から選ばれる1種又は2種以上を含む請求項2又は3に記載の難燃性マスターバッチの製造方法。
- 前記ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン系樹脂である請求項1〜4のいずれか1項に記載の難燃性マスターバッチの製造方法。
- 前記混合物は、前記シリカを含み、そのシリカのJIS K5101に準じて測定される吸油量が100〜400mL/gである請求項1〜5のいずれか1項に記載の難燃性マスターバッチの製造方法。
- 繊維状樹脂の成形に用いられる請求項1〜6のいずれか1項に記載の難燃性マスターバッチの製造方法。
- 難燃性を付与する対象となる熱可塑性樹脂に、難燃性マスターバッチを配合して、難燃性樹脂組成物を製造する方法であって、
前記難燃性マスターバッチは、ポリオレフィン系樹脂と、ホスファゼン化合物と、シリカ及びタルクからなる群から選ばれる1種又は2種以上と、を含有する、難燃性樹脂組成物の製造方法。 - 前記熱可塑性樹脂と、前記難燃性マスターバッチとの配合物を溶融混練する請求項8に記載の難燃性樹脂組成物の製造方法。
- 前記熱可塑性樹脂100質量部に対して、前記難燃性マスターバッチを1〜20質量部使用する請求項8又は9に記載の難燃性樹脂組成物の製造方法。
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