JP2003082238A - 優れた難燃性重合体組成物 - Google Patents

優れた難燃性重合体組成物

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JP2003082238A
JP2003082238A JP2001275556A JP2001275556A JP2003082238A JP 2003082238 A JP2003082238 A JP 2003082238A JP 2001275556 A JP2001275556 A JP 2001275556A JP 2001275556 A JP2001275556 A JP 2001275556A JP 2003082238 A JP2003082238 A JP 2003082238A
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polymer
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retardant
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JP2001275556A
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Hajime Nishihara
一 西原
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Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F1/00General methods for the manufacture of artificial filaments or the like
    • D01F1/02Addition of substances to the spinning solution or to the melt
    • D01F1/07Addition of substances to the spinning solution or to the melt for making fire- or flame-proof filaments

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  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた機械的強度、難燃性、耐傷つき性及び
押出安定性(品質安定性)を有する重合体組成物の提
供。 【解決手段】 (A)重合体、(B)難燃剤、(C)無
機系化合物からなる難燃性重合体組成物において、
(C)の平均粒子径が1nm以上で1000nm未満で
あることを特徴とする難燃性重合体組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性重合体組成
物に関するものである。更に詳しくは、優れた機械的強
度、難燃性、耐傷つき性及び押出安定性(品質安定性)
を有する優れた難燃性重合体組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性重合体等の重合体は、成形性に
優れることに加え、耐衝撃性、可とう性に優れているこ
とから、自動車用材料、電気材料、住宅材料を始めとす
る多岐の分野で使用されている。近年かかる分野で材料
の難燃性を改良するために無機系フィラーを添加するこ
とが行なわれているが、高度の難燃性を付与するために
は、多量の無機系フィラーを添加する必要があるため
に、重合体の機械的強度の低下を招くという問題があっ
た。
【0003】この問題に対しては、シリカとポリジオル
ガノシロキサンからなる平均粒子径1〜1000μmの
シリコーンポリマーパウダーを含んだ樹脂組成物(米国
特許第5, 391, 594号明細書)、熱可塑性樹脂に
シリコーン及び無機物との混合物が添加された難燃性樹
脂組成物(特開平11ー140329号公報)、ポリジ
オルガノシロキサンガムとシリカからなる平均粒度が1
〜1000μmのシリコーンゴム粉末とポリフェニレン
エーテルとの樹脂組成物(特開平5ー230362号公
報)、ポリフェニレンエーテルと液体ポリジオルガノシ
ロキサンと充填剤とからなる難燃性ポリフェニレンエー
テル組成物(特開平5ー262977号公報)、ポリフ
ェニレンエーテル、形状異方性フィラー、リン酸エステ
ル系難燃剤、及びポリジオルガノシロキサンとシリカか
らなるシリコーンポリマー粉末からなる熱可塑性樹脂組
成物(特開平10ー46025号公報)が開示されてい
る。しかしながら、上記公報において用いられている無
機系化合物の粒子径は大きいために難燃性と機械的強度
が劣り、実用的使用に耐えうる難燃性重合体組成物が求
められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑み、上記のような問題点のない、即ち優れた機
械的強度、難燃性、耐傷つき性及び押出安定性(品質安
定性)を有する優れた難燃性重合体組成物を提供するこ
とを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は優れた機械的
強度と難燃性に優れた重合体組成物を鋭意検討した結
果、難燃剤と特定の無機系化合物を用いることにより、
驚くべきことに機械的強度だけでなく、押出安定性、耐
傷つき性及び難燃性を飛躍的に向上せしめることを見出
し、本発明を完成した。即ち、本発明は、(A)重合
体、(B)難燃剤、(C)無機系化合物からなる難燃性
重合体組成物において、(C)の平均粒子径が1nm以
上で1000nm未満であることを特徴とする難燃性重
合体組成物を提供するものである。
【0006】以下、本発明に関して詳しく述べる。本発
明は(A)重合体、(B)難燃剤、(C)特定の無機系
化合物(以下、夫々を単に(A)、(B)、(C)とい
うことがある。)からなる難燃性重合体組成物に関す
る。ここで、(C)の無機系化合物は、平均粒子径が1
以上で1000nm未満であることが必須であり、好ま
しくは1〜900nm、さらに好ましくは1〜700n
m、よりさらに好ましくは1〜500nmであり、極め
て好ましくは1〜100nmであり、最も好ましくは1
0〜100nmである。上記要件を満足することによ
り、(A)重合体中で(B)と共に(C)の分散性が向
上する。そして、(C)が珪素含有化合物、芳香族基を
含有する化合物、重合体から選ばれる1種以上の化合物
で表面被覆されている場合には、(A)中での(B)、
(C)の分散性が飛躍的に改良される結果、機械的強
度、難燃性、耐傷つき性及び押出安定性が向上すること
を見出し、本発明を完成した。
【0007】以下に本発明の各成分について詳細に説明
する。本発明における上記(A)成分は、ゴム状重合
体、熱可塑性樹脂、または熱硬化性樹脂等の重合体であ
るが、その中でも熱可塑性樹脂が好ましい。本発明にお
いて(A)の中で最も好ましい重合体である熱可塑性樹
脂は、例えば、ポリ芳香族ビニル系、ポリカーボネート
系、ポリフェニレンエーテル系、ポリオレフィン系、ポ
リ塩化ビニル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリ
フェニレンスルフィド系、ポリメタクリレート系等の単
独もしくは二種以上を混合したものを使用することがで
きる。特にポリ芳香族ビニル系、ポリカーボネート系、
ポリフェニレンエーテル系の熱可塑性重合体が好まし
い。中でもポリ芳香族ビニル系熱可塑性重合体あるい
は、芳香族ポリカーボネート単独または芳香族ポリカー
ボネートを主体とする樹脂が極めて好ましい。
【0008】本発明における上記(A)成分のポリ芳香
族ビニル系重合体は、ゴム変性芳香族ビニル系樹脂、ゴ
ム非変性芳香族ビニル系樹脂、芳香族ビニル系熱可塑性
エラストマーから選ばれる一種以上の芳香族ビニル系重
合体である。上記ゴム変性芳香族ビニル系樹脂は、芳香
族ビニル系樹脂のマトリックス及びその中に分散したゴ
ム粒子よりなり、該芳香族ビニル系樹脂は、ゴム状重合
体の存在下に芳香族ビニル単量体及び所望ならばこれと
共重合可能なビニル単量体を加えて、単量体(又はその
混合物)を公知の塊状重合法、塊状懸濁重合法、溶液重
合法、または乳化重合法により、ゴム状重合体にグラフ
ト重合することにより得ることができる。
【0009】このような重合体の例としては、耐衝撃性
ポリスチレン、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジ
エン−スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニト
リル−アクリルゴム−スチレン共重合体)、AES樹脂
(アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレ
ン共重合体)等が挙げられる。ここで、前記ゴム状重合
体は、ガラス転移温度(Tg)が−30℃以下であるこ
とが必要であり、−30℃を越えると耐衝撃性が低下す
る。このようなゴム状重合体の例としては、ポリブタジ
エン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(アクリロ
ニトリル−ブタジエン)等のジエン系ゴム及び上記ジエ
ンゴムを水素添加した飽和ゴム、イソプレンゴム、クロ
ロプレンゴム、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴ
ム及びエチレン−プロピレン−ジエンモノマー三元共重
合体(EPDM)等を挙げることができ、特にジエン系
ゴムが好ましい。
【0010】上記のゴム状重合体の存在下に重合させる
グラフト重合可能な単量体混合物中の必須成分の芳香族
ビニル単量体は、例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン、パラメチルスチレン等であり、スチレンが最も好ま
しいが、スチレンを主体に上記他の芳香族ビニル単量体
を共重合してもよい。また、(A)の中のゴム変性芳香
族ビニル系樹脂の成分として必要に応じて、芳香族ビニ
ル単量体に共重合可能な単量体成分を一種以上導入する
ことができる。耐油性を高める必要のある場合は、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル
単量体を用いることができる。
【0011】そして、ブレンド時の溶融粘度を低下させ
る必要のある場合は、炭素数が1〜8のアルキル基から
なるアクリル酸エステルを用いることができる。また更
に、樹脂組成物の耐熱性を更に高める必要のある場合
は、α−メチルスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、
無水マレイン酸、N−置換マレイミド等の単量体を共重
合してもよい。単量体混合物中に占める上記ビニル芳香
族単量体と共重合可能なビニル単量体の含量は0〜40
重量%である。ゴム変性芳香族ビニル系樹脂におけるゴ
ム状重合体は、好ましくは5〜80重量%、特に好まし
くは10〜50重量%、グラフト重合可能な単量体混合
物は、好ましくは95〜20重量%、更に好ましくは9
0〜50重量%の範囲にある。この範囲内では、目的と
する樹脂組成物の耐衝撃性と剛性のバランスが向上す
る。更には、スチレン系重合体のゴム粒子径は、0.1
〜5.0μmが好ましく、特に0.2〜3.0μmが好
適である。上記範囲内では、特に耐衝撃性が向上する。
【0012】ゴム変性芳香族ビニル系樹脂の分子量の尺
度である樹脂部分の還元粘度ηsp/c(0.5g/d
l、30℃測定:マトリックス樹脂がポリスチレンの場
合はトルエン溶液、マトリックス樹脂が不飽和ニトリル
−芳香族ビニル共重合体の場合はメチルエチルケトン)
は、0.30〜0.80dl/gの範囲にあることが好
ましく、0.40〜0.60dl/gの範囲にあること
がより好ましい。ゴム変性スチレン系樹脂の還元粘度η
sp/cに関する上記要件を満たすための手段として
は、重合開始剤量、重合温度、連鎖移動剤量の調整等を
挙げることができる。
【0013】ゴム変性芳香族ビニル系樹脂の製造方法と
しては、特に、ゴム状重合体、単量体(又は単量体混合
物)、及び重合溶媒よりなる均一な重合原液を撹はん機
付き連続多段式塊状重合反応機に供給し、連続的に重
合、脱揮する塊状重合法が好ましい。塊状重合法により
ゴム変性スチレン重合体を製造する場合、還元粘度ηsp
/cの制御は、重合温度、開始剤種と量、溶剤、及び連鎖
移動剤量により行なうことができる。又、単量体混合物
を用いる場合、共重合組成の制御は、仕込み単量体組成
により行なうことができる。そして、ゴム粒子径の制御
は、撹はん回転数で行なうことができる。即ち、小粒子
化は回転数を上げ、大粒子化は回転数を下げることによ
り達成できる。
【0014】本発明において用いられる(A)としての
芳香族ビニル系熱可塑性エラストマ−は、芳香族ビニル
単位と共役ジエン単位からなるブロック共重合体、また
は上記共役ジエン単位部分が部分的に水素添加されたブ
ロック共重合体である。上記ブロック共重合体を構成す
る芳香族ビニル単量体は、例えば、スチレン、α−メチ
ルスチレン、パラメチルスチレン、p−クロロスチレ
ン、p−ブロモスチレン、2,4,5−トリブロモスチ
レン等であり、スチレンが最も好ましいが、スチレンを
主体に上記他の芳香族ビニル単量体を共重合してもよ
い。
【0015】また、上記ブロック共重合体を構成する共
役ジエン単量体は、1,3−ブタジエン、イソプレン等
を挙げることができる。そして、ブロック共重合体のブ
ロック構造は、芳香族ビニル単位からなる重合体ブロッ
クをSで表示し、共役ジエン及び/またはその部分的に
水素添加された単位からなる重合体ブロックをBで表示
する場合、SB、S(BS)n、(但し、nは1〜3の
整数)、S(BSB)n、(但し、nは1〜2の整数)
のリニア−ブロック共重合体や、(SB)nX(但し、
nは3〜6の整数。Xは四塩化ケイ素、四塩化スズ、ポ
リエポキシ化合物等のカップリング剤残基。)で表示さ
れる、B部分を結合中心とする星状(スタ−)ブロック
共重合体であることが好ましい。なかでもSBの2型、
SBSの3型、SBSBの4型のリニア−ブロック共重
合体が好ましい。
【0016】本発明において(A)成分として使用する
芳香族ポリカーボネートは、芳香族ホモポリカーボネー
トと芳香族コポリカーボネートより選ぶことができる。
製造方法としては、2官能フェノール系化合物に苛性ア
ルカリ及び溶剤の存在下でホスゲンを吹き込むホスゲン
法、あるいは、例えば、二官能フェノール系化合物と炭
酸ジエチルとを触媒の存在下でエステル交換させるエス
テル交換法を挙げることができる。該芳香族ポリカーボ
ネートは粘度平均分子量が1万〜10万の範囲が好適で
ある。ここで、上記2官能フェノール系化合物は、2,
2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,
2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニ
ル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジフェ
ニル)ブタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジプロピルフェニル)プロパン、1,1’−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1−フェ
ニル−1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン等であり、特に2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン〔ビスフェノールA〕が好ましい。本発
明において、2官能フェノール系化合物は、単独で用い
てもよいし、あるいはそれらを併用してもよい。
【0017】本発明において(A)成分の一つのポリフ
ェニレンエーテルは、主鎖に芳香環を有し、それらがエ
ーテル結合で結合された単独重合体及び/又は共重合体
であり、具体的には、ポリ(2,6−ジメチル−1,4
−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノール
と2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体等が
好ましく、中でもポリ(2,6−ジメチル−1,4−フ
ェニレンエーテル)が好ましい。かかるポリフェニレン
エ−テルの製造方法は特に限定されるものではなく、例
えば、米国特許第3,306,874号明細書記載の方
法による第一銅塩とアミンのコンプレックスを触媒とし
て用い、例えば2,6キシレノールを酸化重合すること
により容易に製造でき、そのほかにも米国特許第3,3
06,875号明細書、米国特許第3,257,357
号明細書、米国特許3,257,358号明細書、及び
特公昭52−17880号公報、特開昭50−5119
7号公報に記載された方法で容易に製造できる。本発明
にて用いる上記ポリフェニレンエ−テルの還元粘度ηs
p/c(0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃測
定)は、0.20〜0.70dl/gの範囲にあること
が好ましく、0.30〜0.60dl/gの範囲にある
ことがより好ましい。ポリフェニレンエ−テルの還元粘
度ηsp/cに関する上記要件を満たすための手段とし
ては、前記ポリフェニレンエ−テルの製造の際の触媒量
の調整などを挙げることができる。
【0018】本発明における(B)は、ハロゲン、リ
ン、窒素、硫黄系難燃剤、(C)以外の無機系難燃剤、
繊維状難燃剤等である。上記ハロゲン系難燃剤として、
ハロゲン化ビスフェノ−ル、芳香族ハロゲン化合物、ハ
ロゲン化ポリカーボネート、ハロゲン化芳香族ビニル系
重合体、ハロゲン化シアヌレート樹脂、ハロゲン化ポリ
フェニレンエーテル等が挙げられ、好ましくはデカブロ
モジフェニルオキサイド、テトラブロムビスフェノール
A、テトラブロムビスフェノールAのオリゴマー、ブロ
ム化ビスフェノール系フェノキシ樹脂、ブロム化ビスフ
ェノール系ポリカ−ボネ−ト、ブロム化ポリスチレン、
ブロム化架橋ポリスチレン、ブロム化ポリフェニレンオ
キサイド、ポリジブロムフェニレンオキサイド、デカブ
ロムジフェニルオキサイドビスフェノール縮合物、含ハ
ロゲンリン酸エステル及びフッ素系樹脂等を挙げること
ができる。上記リン系難燃剤として、有機リン系、赤リ
ン系、無機リン系難燃剤を挙げることができる。
【0019】本発明における(B)のリン系難燃剤の有
機リン系難燃剤の例としては、ホスフィン、ホスフィン
オキシド、ビホスフィン、ホスホニウム塩、ホスフィン
酸塩、リン酸エステル、亜リン酸エステル等である。よ
り具体的には、トリフェニルフォスフェート、メチルネ
オペンチルフォスファイト、ペンタエリスリトールジエ
チルジフォスファイト、メチルネオペンチルフォスフォ
ネート、フェニルネオペンチルフォスフェート、ペンタ
エリスリトールジフェニルジフォスフェート、ジシクロ
ペンチルハイポジフォスフェート、ジネオペンチルハイ
ポフォスファイト、フェニルピロカテコールフォスファ
イト、エチルピロカテコールフォスフェート、ジピロカ
テコールハイポジフォスフェートである。ここで、特に
有機リン化合物として、芳香族系リン酸エステル単量
体、芳香族系リン酸エステル縮合体が好ましい。
【0020】前記(B)において、リン系難燃剤の一つ
の赤リンは、一般の赤リンの他に、その表面をあらかじ
め、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化
亜鉛、水酸化チタンよりえらばれる金属水酸化物の被膜
で被覆処理されたもの、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化亜鉛、水酸化チタンより選ばれる金
属水酸化物及び熱硬化性樹脂よりなる被膜で被覆処理さ
れたもの、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、
水酸化亜鉛、水酸化チタンより選ばれる金属水酸化物の
被膜の上に熱硬化性樹脂の被膜で二重に被覆処理された
ものなどである。
【0021】前記(B)において、リン系難燃剤の一つ
の無機リン系難燃剤は、ポリリン酸アンモニウムまたは
それと窒素化合物との複合難燃剤、または、フォスファ
ゼン系化合物であり、特に芳香族基を有する、リン原子
と窒素原子が二重結合で結ばれた構造を有する化合物で
あることが好ましく、例えば環状フォスファゼンまたは
直鎖状フォスファゼンが挙げられる。フォスファゼンの
中でも、芳香族ポリカーボネートとの相溶性の観点か
ら、置換基としてフェニル基、クレジル基、キシリル
基、ビスフェニル基等の芳香族基を含有する。具体的に
は、フェノキシプロポキシフォスファゼン、ジフェノキ
シフォスファゼン、フェノキシアミノフォスファゼン、
フェノキシフルオロアルキルフォスファゼン等であり、
これらのフォスファゼン化合物はクロロフォスファゼン
をアルコール類またはフェノール類で置換することによ
り製造される。
【0022】前記(B)としての窒素系難燃剤は、トリ
アジン骨格含有化合物が代表的であり、リン系難燃剤の
難燃助剤として一層の難燃性を向上させるための成分で
ある。その具体例としては、メラミン、メラム、メレ
ム、メロン(600°C以上でメレム3分子から3分子
の脱アンモニアによる生成物)、メラミンシアヌレ−
ト、リン酸メラミン、サクシノグアナミン、アジポグア
ナミン、メチルグルタログアナミン、メラミン樹脂、B
Tレジン を挙げることができるが、低揮発性の観点か
ら特にメラミンシアヌレ−トが好ましい。
【0023】前記(B)としての硫黄系難燃剤は、例え
ば、トリクロロベンゼンスルフォン酸カリウム、パーフ
ルオロブタンスルフォン酸カリウム、ジフェニルスルフ
ォンー3ースルフォン酸カリウム等の有機スルフォン酸
金属塩、芳香族スルフォンイミド金属塩、あるいはスチ
レン系重合体、ポリフェニレンエーテル等の芳香族基含
有重合体の芳香環に、スルフォン酸金属塩、硫酸金属
塩、リン酸金属塩、ホウ酸金属塩あるいは上記酸のアン
モニウム塩、フォスフォニウム塩等が結合した、ポリス
チレンスルフォン酸アルカリ金属塩等の硫黄系難燃剤で
ある。このような硫黄系難燃剤は、特に重合体としてポ
リカーボネートの場合には、燃焼時に脱炭酸反応を促進
して難燃性を向上させる。更にポリスチレンスルフォン
酸アルカリ金属塩では、自らスルフォン酸金属塩が燃焼
時に架橋点となり炭化被膜形成に大きく寄与する。そし
て、前記(B)としての無機系難燃剤は、シリコーンま
たは有機シリケート等で代表されるポリオルガノシロキ
サン等の有機珪素系化合物、水酸化アルミニウム、水酸
化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水
酸化カルシウム、水酸化バリウム、塩基性炭酸マグネシ
ウム、水酸化ジルコニウム、酸化スズの水和物等の無機
金属化合物の水和物等である。
【0024】前記繊維状難燃剤は、火種の滴下防止のた
めに用いられる難燃剤であり、添加時もしくは加工時に
繊維状となる。その具体例として、アラミド繊維、ポリ
アクリロニトリル繊維、フッ素系樹脂等が上げられる。
上記アラミド繊維は、平均直径が1〜500μmで平均
繊維長が0.1〜10mmであることが好ましく、イソ
フタルアミド、またはポリパラフェニレンテレフタルア
ミドをアミド系極性溶媒または硫酸に溶解し、湿式また
は乾式法で溶液紡糸することにより製造することができ
る。
【0025】前記繊維状難燃剤としてのポリアクリロニ
トリル繊維は、平均直径が1〜500μmで平均繊維長
が0.1〜10mmであることが好ましく、ジメチルホ
ルムアミド等の溶媒に重合体を溶解し、400°Cの空
気流中に乾式紡糸する乾式紡糸、または硝酸等の溶媒に
重合体を溶解し水中に湿式紡糸する湿式紡糸法により製
造される。前記繊維状難燃剤としてのフッ素系樹脂は、
樹脂中にフッ素原子を含有する樹脂である。その具体例
として、ポリモノフルオロエチレン、ポリジフルオロエ
チレン、ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオ
ロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロ
プロピレン共重合体等を挙げることができる。また、必
要に応じて上記含フッ素モノマ−と共重合可能なモノマ
−とを併用してもよい。
【0026】本発明において(B)は、(A)100重
量部に対して、0. 01〜200重量部が好ましく、更
に好ましくは0. 01〜100重量部であり、最も好ま
しくは0. 1〜50重量部、極めて好ましくは1〜20
重量部である。本発明における(C)無機系化合物は本
発明の平均粒子径の要件を満足しておれば特に制限され
ない。例えば、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化鉄、
酸化セシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化イットリウ
ム、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化銅、酸化マグネシ
ウム、酸化マンガン、酸化モリブデン、モリブデン酸カ
ルシウム亜鉛、モリブデン酸亜鉛、リン酸亜鉛、酸化ホ
ルミウム、コバルトブルー(CoO ・Al2O3)等の金属酸化
物またはAl2O3/MgO 等の複合酸化物、鉄、珪素、タング
ステン、マンガン、ニッケル、白金等の金属、炭素、グ
ラファイト等の非金属、炭化珪素、炭化ホウ素、炭化ジ
ルコニウム等の炭化金属が挙げられ、中でも金属酸化物
が好ましく、特に酸化珪素、酸化アルミニウムが好まし
い。
【0027】(C)の中で好ましい金属酸化物は液相法
または気相法で製造されるが、分散性の点で気相法が好
ましく、米国特許第5460701号明細書(対応日本
特許公開2000ー24493号公報)等に開示されて
いる。このような金属酸化物は例えば米国ナノフェーズ
テクノロジー社が超微粒子ナノテックとして販売してい
る。また米国Sherwin-Williams社のモリブデン酸金属塩
も好適に用いることができる。
【0028】(C)の化合物の中でも酸化珪素が極めて
好ましい。酸化珪素は合成シリカとも言われ、大別する
と、湿式法と乾式法の2通りの合成法がある。前者は、
ケイ酸ソーダと鉱酸との反応により合成されるもの、ア
ルコキシシランの加水分解によるもの等がある。後者に
は、ハロゲン化ケイ素の酸水素炎中での高温加水分解に
より合成されるもの等がある。このような合成シリカは
非晶質であることが好ましい。(C)の非晶質シリカ
は、水とアルカリ金属シリケートの混合物に60ー90
℃で酸を添加することにより製造される。水及び/また
はシリケートは別々に加熱してもよいし、同時に混合し
て加熱してもよい。アルカリ金属シリケートは、メタま
たはジシリケートのアルカリ金属またはアルカリ土類金
属塩等であり、特に制限されない。また反応媒体として
硫酸ナトリウム等の電解質を用いることが好ましい。
【0029】前記好ましいもう一つの合成シリカとし
て、ヒュームドシリカと称される、親水性または疎水性
ヒュームドシリカが挙げられ、特に疎水性ヒュームドシ
リカが好ましい。このようなヒュームドシリカは特開2
000ー86227号公報に記載の方法により製造さ
れ、4塩化珪素と水素、酸素、水を用いて、高温加水分
解する乾式法により製造することができる。例えば、揮
発性珪素化合物を原料とし、これを可燃ガス及び酸素を
含有する混合ガスと共にバーナーに供給して燃焼させた
火炎中で1000〜2100℃の高温で加熱分解するこ
とにより得られる。
【0030】原料となる揮発性珪素化合物としては、例
えば揮発性のハロゲン化珪素化合物が好ましく、SiH4,S
iCl4,CH3SiCl3,CH3SiHCl2,HSiCl3,(CH3)2SiCl2,(CH3)3S
iCl,(CH3)2SiH2,(CH3)3SiH, アルコキシシラン類等が挙
げられる。また可燃ガス及び酸素を含有する混合ガスは
水を生成さうるもにが好ましく、水素やメタン、ブタン
等が適当であり、酸素含有ガスとして酸素、空気等が用
いられる。揮発性珪素化合物と混合ガスの量比は、揮発
性珪素化合物のモル当量を1モル当量として、酸素及び
可燃性ガスである水素を含む混合ガス中の酸素のモル当
量2.5〜3.5及び水素のモル当量を1.5〜3.5
の範囲に調整する。尚、ここで酸素と水素についてのモ
ル当量とは、各原料化合物(揮発性珪素化合物)と反応
する化学量論的な当量を指している。また、メタン等の
炭化水素燃料を用いる場合は、水素換算のモル当量を指
す。
【0031】シリカの平均粒子径を小さくするには、揮
発性珪素化合物1モルに対して、水素、酸素を過剰量用
いることにより、反応混合物中の固体(シリカ)/気体
(酸素、水素)の比を小さくし、これにより固体粒子間
の衝突を少なくして溶融による粒子成長を抑制すること
により達成することができる。前記好ましい更にもう一
つの合成シリカは、上述の気相法で製造された米国ナノ
フェーズテクノロジー社が製造した合成シリカである。
そして、前記好ましい合成シリカの一つは、米国Hybrid
Plastics 社が製造しているPolyhedral Oligomeric Si
lsesquioxane(POSS)であり、有機ー無機ハイブリッド法
により製造されている。
【0032】(C)化合物の表面処理方法については、
特に制限されないが、無機系化合物と反応または相互作
用可能な官能基を有する表面処理剤を用いることが好ま
しい。例えば、(C)は珪素含有化合物、芳香族基含有
化合物、とりわけ芳香族基と珪素を含有した化合物、重
合体から選ばれる1種以上の化合物で表面被覆される。
例えば、(C)として最も好ましい合成シリカの場合、
シリカのシラノール基と反応可能な官能基を有する重合
体またはシランカップリング剤等でシリカを表面処理
し、結合を形成する方法を挙げることができる。
【0033】上記シリカのシラノール基と反応可能な官
能基を有する重合体は、(A)に記載されたゴム状重合
体、熱可塑性樹脂、または熱硬化性樹脂等の重合体に官
能基が結合した重合体であり、重合体自体は特に制限さ
れないが、例えば(A)と同一または相容または相互作
用を有する重合体が好ましい。シラノール基と反応可能
な官能基として、エポキシ基、水酸基、イソシアネート
基、マレイン酸エステル等のエステル基、アミノ基、カ
ルボン酸基、マレイン酸基等が挙げられる。好ましい表
面処理剤の一つは、(A)としてスチレン系重合体を用
いる場合は、エポキシ変性スチレン系重合体である。
【0034】前記シリカのシラノール基と反応可能なも
う一つの表面処理剤として、シランカップリング剤等が
挙げられる。例えばジメチルジクロロシラン処理、ヘキ
サメチルジシラザン処理、オクチルシラン処理、メタク
リロキシシラン処理、アミノシラン、ヘキサメチルジシ
ラザン処理、及びジメチルシリコーンオイル処理、ジフ
ェニルジクロロシラン処理、メチルフェニルジクロロシ
ラン処理、ヘキサフェニルジシラザン処理、フェニルア
ルキルシラン処理、フェニルメタクリロキシシラン処
理、フェニルアミノシラン、及びフェニル基含有シリコ
ーンオイル処理したものが好適に用いることができる。
中でもジメチルシリコーンオイル処理、メチルフェニル
シリコーン処理等のジオルガノシリコーン処理またはジ
メチルジクロロシラン処理等のジアルキルジハロシラン
処理、ジフェニルシリコーンオイル処理、メチルフェニ
ルシリコーン処理等の芳香族基含有オルガノシリコーン
処理またはジフェニルジクロロシラン処理、フェニルア
ルキルジクロロシランシラン処理等の芳香族基含有ジハ
ロシラン処理が最も好ましい。
【0035】表面処理は例えば、特開平9ー31002
7、同9ー59533、同6ー87609号公報に記載
された方法で行い、ヘンシェルミキサー等の攪拌装置を
備えた容器に、シリカを入れ、攪拌しながら各種表面処
理剤を添加し、望ましくはスプレーにより散布して均一
に混合することにより行なうことができる。重合体によ
る表面処理を行う場合は、シリカの存在下にスチレン等
の重合性単量体をラジカル開始剤または光増感剤と共に
熱処理または光照射してシリカ表面をポリスチレン等の
重合体で被覆する。具体的な方法は、Y.Shirai,Journal
ofPolymer Science:Part A:Polymer Chemistry,vol.3
9,2157-2163(2001);N.Tsubokawa,同上,vol.30,2241-224
6(1992) に開示されている。
【0036】前記米国Hybrid Plastics 社が製造してい
るPOSSには、低分子化合物または重合体で表面被覆され
た合成シリカを含んでおり、例えば、アルコール、フェ
ノール、アミン、クロロシラン、エポキシ、エステル、
フルオロアルキル、ハライド、イソシアネート、メタク
リレート、アクリレート、シリコーン、ニトリル、ノル
ボルレニル、オレフィン、フォスフィン、シラン、チオ
ール、ポリスチレン等の各種重合体で表面被覆されてい
る。(C)の量は、(A)100重量部に対して、0.
001〜200重量部であり、好ましくは0.01〜1
00重量部、より好ましくは0.1〜50重量部、更に
好ましくは0.1〜20重量部、最も好ましくは1〜1
0重量部である。また、本発明の重合体組成物には、そ
の特徴を損ねない程度に添加剤を含有することが可能で
ある。ここで用いる添加剤としては、例えば、ポリエチ
レングリコール、ジオクチルフタレート(DOP)等の
フタル酸エステル等の可塑剤、有機・無機顔料、熱安定
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、アンチブロ
ッキング剤、発泡剤、帯電防止剤、抗菌剤等も好適に使
用される。
【0037】本発明の難燃性重合体組成物の製造には、
通常の樹脂組成物、ゴム組成物の製造に用いられるバン
バリーミキサー、ニーダー、単軸押出機、2軸押出機、
等の一般的な方法を採用することが可能であるが、2軸
押出機が好ましく用いられる。2軸押出機は、(A)、
(B)及び(C)とを均一かつ微細に分散させ、さらに
他の成分を添加させて、本発明の組成物を連続的に製造
するのに、より適している。
【0038】本発明の組成物は、まず本願の要件の平均
粒子径に分散させた(C)を(A)中または(A)、
(B)中で、前もって製造した後に、それを用いて溶融
押出してもよいし、あるいは(A)(B)(C)を同時
に溶融押出しながら、(C)が同時に本願要件の平均粒
子に到達することにより製造してもよく、製造法は特に
制限されない。また特に好ましい溶融押出法としては、
原料添加部を基点としてダイ方向に長さLを有し、かつ
L/Dが5から100(但しDはバレル直径)である二
軸押出機を用いる場合である。二軸押出機は、その先端
部からの距離を異にするメインフィ−ド部とサイドフィ
−ド部の複数箇所の供給用部を有し、複数の上記供給用
部の間及び上記先端部と上記先端部から近い距離の供給
用部との間にニ−ディング部分を有し、上記ニ−ディン
グ部分の長さが、それぞれ3D〜10Dであることが好
ましい。こうして得られた組成物は任意の成形方法で各
種成形品の製造が可能である。射出成形、押出成形、圧
縮成形、ブロー成形、カレンダー成形、発泡成形等が好
ましく用いられる。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例により更に詳
細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。なお、これら実施例および比較例において、各種
物性の評価に用いた試験法は以下の通りである。 (1)無機系化合物の平均粒子径 無機系化合物の粒子径は、組成物の超薄切片法により撮
影した透過型電子顕微鏡写真中の500個のゴム状重合
体の各粒子を以下の方法で算出する事により得られる。
すなわち、各粒子の粒子径は各粒子の面積Sを求め、S
を用いて、(4S/ π)0.5 を各粒子の粒子径とし、数
平均により平均粒子径を算出した。 (2)難燃性 UL−94に準拠したVB(Vertical Bur
ning)法により、自己消火性の評価を行った。(1
/8インチ厚み試験片) ◎:20秒未満に自己消火性 ○:20以上40秒未満で自己消火性 △:40秒以上で自己消火性 ×:全焼
【0040】(3)アイゾット衝撃強度 ASTMーD256に準拠した方法で測定した。(23
℃、Vノッチ付き1/8インチ厚み試験片) (4)押出安定性(品質安定性) 溶融押出機を用い、樹脂組成物を10時間連続溶融押出
しを行い、1時間毎に得られた組成物のアイゾット衝撃
強度を測定し、その平均強度に対する最大変化率(%)
から連続生産性(品質の安定性)を評価した。 (5)耐傷つき性 先端が長さ10mm、幅1mm の長方形で、重さが700gの
くさびを高さ5cmから成形体に落下させてできた、成
形体の傷をレーザー光で走査して傷深さを測定した。数
値が大きいほど耐傷つき性が劣ることを示す。
【0041】実施例、比較例で用いる各成分は以下のも
のを用いた。 (イ)重合体 以下のように括弧内に略記した。 ビスフェノールA型ポリカーボネート(PC)、ナイロ
ン6(PA6)、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ゴム変
性ポリスチレン(HIPS)、ABS樹脂(ABS)、
スチレンーエチレンーブチレンースチレン共重合体(S
EBS)、スチレンーブタジエン共重合体(SB)、ポ
リフェニレンエーテル(PPE)、ポリプロピレン(P
P)、エチレンーオクテン共重合体(EO)、EO−P
P架橋体(TPV) 但し、上記TPVはEO/PP=50/50(重量比)
に有機過酸化物とトリアリルイソシアヌレートを用いて
二軸押出機で動的に架橋された熱可塑性ポリプロピレン
である。
【0042】(ロ)難燃剤 (1)有機スルフォン酸金属塩 大日本インキ化学工業(株)製、パーフルオロブタンス
ルフォン酸カリウム(S1と称する) (2)ビスフェノールA ビス(ジフェニルホスフェー
ト) 大八化学工業(株)製、[商品名 CR741(P1と
称する)] (3)1, 3ーフェニレン ビス(ジフェニルホスフェ
ート) 大八化学工業(株)製、レゾルシン由来の芳香族縮合リ
ン酸エステル[商品名 CR733S(P2と称す
る)] (4)1, 3ーフェニレン ビス(ジキシリルホスフェ
ート) 大八化学工業(株)製、[商品名 PX200(P3と
称する)] (5)赤リン 燐化学工業(株)製、[商品名 ノーバエクセル(P4
と称する)] (6)ポリリン酸アンモニウム チッソ(株)製、[商品名 テラージュ(P5と称す
る)] (7)フェノキシフォスファゼン(P6) (8)水酸化マグネシウム 協和化学工業(株)製、商品名 キスマ(MOHと称す
る) (9)メラミンシアヌレート 日産化学工業(株)製、[商品名 MC610(M1と
称する)] (10)ポリテトラフルオロエチレン ダイキン工業(株)製、(PTFEと称する)
【0043】(ハ)無機系化合物 特開2000ー86227号公報に記載された方法で、
4塩化ケイ素の酸水素炎中での高温加水分解により合成
し、平均粒子径の異なったシリカを製造した。具体的に
は、4塩化珪素1.0モル当量を、60℃に予熱した酸
素と水素との混合ガス(酸素2.69モル当量、水素
1.60モル当量)と共にバーナーに供給し、燃焼(1
600℃)させて微粒子状のシリカを製造した。平均粒
子径の制御は4塩化珪素1.0モル当量に対する酸素と
水素のモル当量比を変更することにより行った。
【0044】またシリカ以外の金属酸化物は、米国特許
第5460701号明細書(対応日本特許公開2000
ー24493号公報)に開示されている気相法によって
製造した。具体的には、直径1/8〜3インチ(0.3
2〜7.62cm)の純度99〜99.99%のTi、
Al、Zr、Y、Fe、Cr、V、Cu、Si、Sn又
はZnの各種金属ロッドをアノードとし、2%トリウム
化−W電極をカソードとし、このアノード、カソード間
に100〜750アンペアの範囲のアークの電流を流
し、アークを発生させてアノード金属を蒸発させるとと
ともに、カソードの近傍に5〜100%窒素及び/又は
5〜50%水素と組み合わせたアルゴン気体25〜10
0cfhを供給して、カソードを遮蔽するとともにプラ
ズマガス炎(長さ1〜4インチ(2.54〜10.16
cm))を発生させる。このプラズマガス炎には1〜2
00g/時のアノード金属蒸気が注入されるようにし、
そしてそのプラズマガス炎に10〜1000cfhの酸
素を注入し、アノード金属の酸化物を形成させる。その
後、空気又は空気の成分(O2 、N2 、H2 、H2 O、
CO2 )の急冷気体(1〜1000cfm)を添加し、
10〜100nmの微粒子を生成する。この際、生成さ
れる微粒子の粒径はプラズマガス炎に供給される酸素の
量及び/又は酸素のプラズマガス炎への供給位置を調節
することにより制御することができる。また、酸素に代
えて窒素ガスをプラズマガス炎に供給すればアノード金
属の窒化物微粒子を生成することができる。
【0045】次いで、各種表面処理剤で表面を被覆し
た。表面処理方法は例えば、特開平9ー310027、
同9ー59533、同6ー87609号公報に記載され
た方法で行い、例えば、上記シリカを密閉型ヘンシェル
ミキサーに入れ、容器内を窒素ガスで置換した後に、攪
拌しながら各種処理剤をシリカに対して20重量部噴霧
混合した。その後、250℃で30分加熱攪拌を続け、
室温まで冷却して表面処理シリカを製造した。ジメチル
シリコーンで表面被覆する場合には、ポリエーテル変性
ジメチルシリコーン(信越化学工業社製、商品名:KF
618)を用いた。同様にジメチルジクロロシラン処
理、ヘキサメチルジシラザン処理、メタクリロキシシラ
ン処理、ジフェニルジクロロシラン処理、メチルフェニ
ルジクロロシラン処理を行った。また重合体で表面被覆
する場合は、重合性単量体を、Y.Shirai,Journal of Po
lymer Science:Part A:Polymer Chemistry,vol.39,2157
-2163(2001);N.Tsubokawa,同上,vol.30,2241-2246(199
2) に開示されている方法でグラフト重合を行うことに
より行った。その他の表面被覆については、米国Hybrid
Plastics 社が製造しているPolyhedral Oligomeric Si
lsesquioxane(POSS)を用いた。
【0046】表1〜7に上記各種無機化合物を記載し
た。 (実施例1〜67)、(比較例1〜3) ヘンシェルミキサーで、表1〜7記載の組成物(量は重
量部単位である。)を混合し、引き続きバレル中央部に
注入口を有した二軸押出機(40mmφ、L/D=4
7)を用いて、250℃の温度条件で10時間連続溶融
押出を行った。スクリューとしては注入口の前後に混練
部を有した2条スクリューを用いた。 このようにして
得られた組成物からシリンダー設定温度250℃、金型
温度80℃にて射出成形により成形体を作製し、評価を
行った。その結果を表1〜7に記載した。表1〜7から
本願の組成物は、優れた難燃性、アイゾット衝撃強度、
耐傷つき性、及び押出安定性を有していることが分か
る。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】
【表6】
【0053】
【表7】
【0054】
【発明の効果】本発明の重合体組成物は、優れた機械的
強度、難燃性、耐傷つき性及び押出安定性(品質安定
性)を有している。本発明の組成物は、VTR、分電
盤、テレビ、オ−ディオプレ−ヤ−、コンデンサ、家庭
用コンセント、ラジカセ、ビデオカセット、ビデオディ
スクプレイヤ−、エアコンディショナ−、加湿機、電気
温風機械等の家電ハウジング、シャ−シまたは部品、C
D−ROMのメインフレ−ム(メカシャ−シ)、プリン
タ−、ファックス、PPC、CRT、ワ−プロ複写機、
電子式金銭登録機、オフィスコンピュ−タ−システム、
フロッピ−ディスクドライブ、キ−ボ−ド、タイプ、E
CR、電卓、トナ−カ−トリッジ、電話等のOA機器ハ
ウジング、シャ−シまたは部品、コネクタ、コイルボビ
ン、スイッチ、リレ−、リレ−ソケット、LED、バリ
コン、ACアダップタ−、FBT高圧ボビン、FBTケ
−ス、IFTコイルボビン、ジャック、ボリュウムシャ
フト、モ−タ−部品等の電子・電気材料、そして、イン
スツルメントパネル、ラジエ−タ−グリル、クラスタ
−、スピ−カ−グリル、ル−バ−、コンソ−ルボック
ス、デフロスタ−ガ−ニッシュ、オ−ナメント、ヒュ−
ズボックス、リレ−ケ−ス、コネクタシフトテ−プ等の
自動車材料等に好適であり、これら産業界に果たす役割
は大きい。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BB011 BC112 BC122 BD031 BD122 BD152 BD162 BG051 BG092 BN061 BN121 BN141 BN151 BP011 CC182 CF001 CG011 CG032 CH071 CH072 CL001 CL062 CM022 CN011 DA017 DA027 DA056 DA087 DA117 DB017 DE066 DE076 DE077 DE086 DE096 DE097 DE107 DE117 DE137 DE146 DE147 DE187 DE236 DE266 DE286 DH047 DH056 DJ007 DJ017 EC046 ED076 EU186 EV256 EV266 EW046 EW066 EW126 EW136 EW146 EW156 FA042 FD017 FD132 FD136

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)重合体、(B)難燃剤、(C)無
    機系化合物からなる難燃性重合体組成物において、
    (C)無機系化合物の平均粒子径が1nm以上で100
    0nm未満であることを特徴とする難燃性重合体組成
    物。
  2. 【請求項2】 (C)無機系化合物が珪素含有化合物、
    芳香族基を含有する化合物、重合体から選ばれる1種以
    上の化合物で表面被覆されていることを特徴とする請求
    項1記載の難燃性重合体組成物。
  3. 【請求項3】 (C)無機系化合物が芳香族基含有重合
    体で表面被覆されていることを特徴とする請求項1また
    は請求項2に記載の難燃性重合体組成物。
  4. 【請求項4】 (C)無機系化合物がポリオルガノシロ
    キサンで表面被覆されていることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか1項に記載の難燃性重合体組成物。
  5. 【請求項5】 (C)無機系化合物が金属酸化物である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    難燃性重合体組成物。
  6. 【請求項6】 (C)無機系化合物が酸化珪素及び/ま
    たは酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項1
    〜5のいずれか1項に記載の難燃性重合体組成物。
  7. 【請求項7】 (A)重合体がスチレン系重合体である
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の
    難燃性重合体組成物。
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