JP3619193B2 - 難燃性ポリカーボネート系樹脂組成物成形体 - Google Patents
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Description
本発明は難燃性ポリカーボネート系樹脂組成物の成形体に関する。更に詳しくは、本発明は、芳香族ポリカーボネートのみからなる、または芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂成分(A)と、非ハロゲン難燃剤(B)とを包含する難燃性ポリカーボネート系樹脂組成物を溶融して成形することによって得られる成形体であって、成形体中に分散した大きさが50μm以上の粒子の数が限定されていることを特徴とする成形体に関する。本発明の成形体は、難燃性だけでなく外観、耐衝撃性及び品質安定性に優れているので、自動車部品、家電部品、OA機器部品を始めとする多くの分野で使用することができる。
従来技術
芳香族ポリカーボネート系樹脂は、ガラス、金属に比較して成形性及び耐衝撃性に優れているので、芳香族ポリカーボネート系樹脂の成形品は、自動車部品、家電部品、OA機器部品を始めとする多くの分野で使用されている。しかし、芳香族ポリカーボネート系樹脂は易燃性であるため、その用途が制限されている。
そのため、芳香族ポリカーボネート系樹脂に難燃剤を添加することによって芳香族ポリカーボネート系樹脂を難燃化することが試みられている。難燃剤の例としては、ハロゲン系、リン系、無機系、珪素系を挙げることができる。これらの難燃剤のうち、珪素系難燃剤が最も効果的である。これらの難燃剤を添加することによって芳香族ポリカーボネート系樹脂はある程度難燃化される。即ち、これらの難燃剤を含有する芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物の成形体はある程度の難燃性を有する。
しかしながら、この方法では、近年とみに高まっている、火災に対する安全性の要求を満たすほどの難燃性は得られない。しかも、ハロゲン系の難燃剤を用いた場合には環境上の問題を生ずるし、リン系、無機系の難燃剤を用いた場合には成形体の強度は不十分である。また、珪素系難燃剤を用いた場合には、ハロゲン系、リン系、無機系の難燃剤を用いた場合よりは成形体の難燃性を向上させる効果があるとはいえ、珪素系難燃剤は芳香族ポリカーボネートとの相溶性に劣るので、珪素系難燃剤を含有する芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物の成形体の用途は制限されてしまう。
難燃剤を含有する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の成形体が優れた難燃性を有するためには、成形品体の各成分の分散状態が良好でなければならない、特に難燃剤に由来する成分が成形体中によく分散していなければならないと考えられる。しかし、各成分の分散状態についてどのような制御がされていれば優れた難燃性を有する成形体が得られるのかについては、これまで全然知られていない。従来の方法のように、難燃剤を添加した芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物の各成分の分散状態の制御がなされていないときには、良好な物性を有する成形体は得られないのである。
また、成形体の分散不良は、芳香族ポリカーボネートの溶融粘度が高いことに起因する。即ち、芳香族ポリカーボネートは溶融粘度が高いために、難燃剤を添加して得られる芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物は成形時に著しく発熱する。この発熱が難燃剤または芳香族ポリカーボネートの分解を促進するために、得られた成形体における成分の分散状態は不良になる。このために結局、成形体における難燃性は不十分となる。
なお、成形時の著しい発熱は、また、芳香族ポリカーボネートの分解を促進するため、成形体の強度は不十分となる。
従来、難燃剤を含有する芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物の溶融粘度を低下させる方法は、知られておらず、難燃剤を含有しない芳香族ポリカーボネート系樹脂の溶融粘度を低下させる方法が、知られているだけである。
たとえば、WO98/52734には、二酸化炭素を芳香族ポリカーボネート系樹脂の射出成形時に吹き込むことによって芳香族ポリカーボネートの溶融粘度を低下させるという方法が開示されている。
また、米国特許4,999,595号公報では、超臨界ガス存在下で芳香族ポリカーボネート系樹脂を溶融し、これによって芳香族ポリカーボネートのせん断溶融粘度を少なくとも10%低下させている。
しかしながら、上記両公報においては、難燃剤を含有する芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物の溶融粘度を低下させる方法については何の記載も示唆もない。そもそも、難燃剤を含有しない芳香族ポリカーボネート系樹脂と、難燃剤を含有する芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物とは、成分の分散状態が異なるのであるから、上記両公報から、難燃剤を含有する芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物の溶融粘度を低下させ、これによって成形体における成分の分散状態を向上させる方法については何らの示唆をも得ることはできないのである。
さらに、上記両公報においては、難燃剤を含有する芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物の成形体についての記載は全然なく、成分の分散状態についてどのような制御をすれば優れた難燃性を有する成形体になるのかについての示唆を得ることは到底できないのである。
発明の概要
このような状況の下で、本発明者らは、難燃性ポリカーボネート系樹脂組成物を溶融して成形することによって得られる成形体が、成分の分散状態についてどのような制御をすれば優れた難燃性を示すかについて、鋭意研究を重ねた。また、優れた難燃性をもたらすのに有効な成分の分散状態を有する難燃性ポリカーボネート系樹脂組成物の成形体をどのようにして製造することができるかについても鋭意研究を重ねた。
その結果、芳香族ポリカーボネートのみからなる、または芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂成分(A)と、非ハロゲン難燃剤(B)とを包含する難燃性ポリカーボネート系樹脂組成物を溶融して成形することによって得られる成形体であって、成形体中の分散した大きさが50μm以上の粒子の数が、該成形体から切り出された平板試験片について測定したときに0〜100/mm2である成形体が、難燃性だけでなく外観、耐衝撃性及び品質安定性に優れていることを意外にも知見した。さらに、該成形体が、該樹脂組成物を溶融して成形する方法において、成形されつつある該溶融樹脂組成物が二酸化炭素を溶融含有しており、該溶融樹脂組成物の示すせん断溶融粘度が、二酸化炭素を溶解含有していないときの該樹脂組成物より低くなっているようにすることによって製造できることを知見した。これらの知見に基づいて、本発明を完成した。
したがって、本発明の1つの主たる目的は、成分の分散状態が良好に制御されていて、難燃性だけでなく外観、耐衝撃性及び品質安定性に優れた成形体を提供することである。
本発明の上記及びその他の諸目的、諸特徴ならびに諸利益は、以下の詳細な説明の記載から明らかになる。
発明の詳細な説明
本発明によれば、芳香族ポリカーボネートのみからなる、または芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂成分(A)と、非ハロゲン難燃剤(B)とを包含する難燃性ポリカーボネート系樹脂組成物を溶融して成形することによって得られる成形体であって、該成形体中に分散した大きさが50μm以上の粒子の数が、該成形体から切り出された平板試験片の表面について測定したときに0〜100/mm2であることを特徴とする成形体が、提供される。
本発明の理解を容易にするために、以下、本発明の基本的特徴及び好ましい諸態様を列挙する。
1.芳香族ポリカーボネートのみからなる、または芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂成分(A)と、非ハロゲン難燃剤(B)とを包含する難燃性ポリカーボネート系樹脂組成物を溶融して成形することによって得られる成形体であって、該成形体中に分散した大きさが50μm以上の粒子の数が、該成形体から切り出された平板試験片の表面について測定したときに0〜100/mm2であることを特徴とする成形体。
2.成形されつつある該溶融樹脂組成物が二酸化炭素を溶融含有しており、該溶融樹脂組成物の示すせん断溶融粘度が、二酸化炭素を溶解含有していないときの該樹脂組成物より低くなっていることを特徴とする、前項1に記載の成形体。
3.二酸化炭素を溶解含有している該溶融樹脂組成物が、二酸化炭素を溶解させていないときに比べて10%以上低いせん断溶融粘度を示すことを特徴とする、前項2に記載の成形体。
4.二酸化炭素を溶解含有している該溶融樹脂組成物を、該溶融樹脂組成物のフローフロントで発泡が起きない圧力に二酸化炭素ガスで加圧してある金型キャビティに射出して成形することによって製造されることを特徴とする、前項2または3に記載の成形体。
5.該非ハロゲン難燃剤が、有機系難燃剤及び無機系難燃剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの難燃剤であることを特徴とする、前項1〜4のいずれかに記載の成形体。
6.該有機系難燃剤が、珪素系難燃剤、硫黄系難燃剤及びリン系難燃剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの難燃剤であることを特徴とする、前項5に記載の成形体。
7.該珪素系難燃剤が、式R3SiO0.5で表されるM単位、式R2SiO1.0で表されるD単位、式RSiO1.5で表されるT単位、及び、式SiO2.0で表されるQ単位(ただし、Rは各々独立に炭素数1〜20の炭化水素基を表す)からなる群から選ばれる少なくとも1つの単位を含有するポリオルガノシロキサンであることを特徴とする、前項6に記載の成形体。
8.ペレットである、前項1〜7のいずれかに記載の成形体。
9.実用品である、前項1〜7のいずれかに記載の成形体。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の成形体を構成する樹脂組成物は、芳香族ポリカーボネートのみからなる、または芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂成分(A)と、非ハロゲン難燃剤(B)とを包含する難燃性ポリカーボネート系樹脂組成物である。
樹脂成分(A)は、芳香族ポリカーボネートを必須成分として含有し、場合によってはさらに、芳香族ポリカーボネート以外の重合体を含有する。樹脂成分(A)の成分となりうる、芳香族ポリカーボネート以外の重合体の例として、ゴム状重合体、芳香族ポリカーボネート以外の熱可塑性樹脂、及び熱硬化性樹脂を挙げることができる。これらのうち、ゴム状重合体、熱可塑性樹脂が好ましく、熱可塑性樹脂が最も好ましい。
樹脂成分(A)における、芳香族ポリカーボネートと他の成分との配合比は、通常50/50〜100/0であり、好ましくは60/40〜100/0であり、さらに好ましくは70/30〜100/0である。
以下、樹脂成分(A)の成分となり得る芳香族ポリカーボネート、ゴム状重合体、芳香族ポリカーボネート以外の熱可塑性樹脂について、例を挙げて説明する。
まず、樹脂成分(A)の必須成分である芳香族ポリカーボネートについて説明する。
芳香族ポリカーボネートは、単独重合体であっても共重合体であってもよい。芳香族ポリカーボネートは、粘度平均分子量が1万〜10万の範囲にあることが好ましい。
芳香族ポリカーボネートの製造方法としては、苛性アルカリ及び溶剤の存在下で2官能フェノール系化合物にホスゲンを吹き込むホスゲン法、あるいは、例えば、2官能フェノール系化合物と炭酸ジエチルとを触媒の存在下でエステル交換させるエステル交換法を挙げることができる。
上記の2官能フェノール系化合物の例として、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジフェニル)ブタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジプロピルフェニル)プロパン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1−フェニル−1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンを挙げることができる。これらのうち、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕が好ましい。これらの2官能フェノール系化合物は、単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
次に、樹脂成分(A)の成分となりうるゴム状重合体について説明する。
ゴム状重合体は、ガラス転移温度(Tg)が−30℃以下であることが好ましい。−30℃を越えると成形体の耐衝撃性が低下する傾向にある。
ゴム状重合体の例としては、次の2種類を挙げることができる:
(i)ポリブタジエン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(アクリロニトリル−ブタジエン)等のジエン系ゴム及び上記ジエンゴムを水素添加した飽和ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴム及びエチレン/プロピレン共重合体ゴム、エチレン/プロピレン/ジエンモノマー三元共重合体ゴム(EPDM)、エチレン/オクテン共重合体ゴム等のゴム(これらは架橋ゴムでも非架橋ゴムでもよい);
(ii)上記項目(i)で挙げたゴム成分を含有する熱可塑性エラストマー。
上記項目(ii)の熱可塑性エラストマーの中では、ポリスチレン系熱可塑性エラストマーが特に好ましい。ポリスチレン系熱可塑性エラストマーの例として、芳香族ビニル単量体と共役ジエンとのブロック共重合体、及び、上記ブロック共重合体において共役ジエン部分が部分的に水素添加またはエポキシ変性されたブロック共重合体を挙げることができる。
芳香族ビニル単量体の例として、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、2,4,5−トリブロモスチレンを挙げることができる。これらのうちスチレンが最も好ましい。また、これらは、スチレンを主成分として、混合して用いてもよい。
共役ジエンの例として、1,3−ブタジエン、イソプレンを挙げることができる。
上記ブロック共重合体は次のようなものが好ましい(以下、芳香族ビニル単位からなる重合体ブロックをSで表示し、共役ジエン及び/またはその部分的に水素添加された単位からなる重合体ブロックをBで表示する):
(1)SB、S(BS)n、S(BSB)m、(但し、nは1〜3の整数、mは1〜2の整数)というブロック構造の線状ブロック共重合体、
(2)(SB)kX(但し、kは3〜6の整数。Xは四塩化ケイ素、四塩化スズ、ポリエポキシ化合物等のカップリング剤残基。)のブロック構造を有し、B部分を結合中心とする星状(スター)ブロック共重合体。
上記ブロック共重合体のうち、SBの2型、SBSの3型、SBSBの4型の線状ブロック共重合体がさらに好ましい。
上記熱可塑性エラストマーを樹脂成分(A)に含有させることによって、樹脂組成物を厚肉成形体とした場合でも衝撃強度の低下を防ぐことができる。その際、更に相溶化剤として後述のスチレン系共重合体を配合することにより、卓越した衝撃強度が発現する。
次に、樹脂成分(A)の成分となり得る熱可塑性樹脂について説明する。
熱可塑性樹脂は、非ハロゲン難燃剤(B)と相溶もしくは均一分散し得るものである限り特に制限はない。熱可塑性樹脂の例として、ポリスチレン系、ポリフェニレンエーテル系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリフェニレンスルフィド系、ポリメタクリレート系の熱可塑性樹脂を挙げることができる。これらのうち、ポリスチレン系、ポリフェニレンエーテル系、ポリオレフィン系の熱可塑性樹脂が極めて好ましい。これらの熱可塑性樹脂は単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
以下、ポリスチレン系、ポリフェニレンエーテル系、ポリオレフィン系の熱可塑性樹脂について、例を挙げて説明する。
まず、ポリスチレン系樹脂について説明する。
ポリスチレン系樹脂の例として、ゴム変性スチレン系樹脂及び/またはゴム非変性スチレン系樹脂を挙げることができる。これらのうち、ゴム変性スチレン系樹脂単独のもの、及び、ゴム変性スチレン系樹脂とゴム非変性スチレン系樹脂とからなるものが好ましい。
ゴム変性スチレン系樹脂とは、ビニル芳香族系重合体よりなるマトリックス中にゴム状重合体が粒子状に分散してなる樹脂を意味する。ゴム変性スチレン系樹脂は、ゴム状重合体に、芳香族ビニル単量体、及び必要に応じ、これと共重合可能な他のビニル単量体を、公知の重合方法(塊状重合、乳化重合、懸濁重合等)でグラフト重合させることによって得られる。
ゴム変性スチレン系樹脂の例としては、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ABS樹脂(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリル/アクリルゴム/スチレン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル/エチレンプロピレンゴム/スチレン共重合体)を挙げることができる。これらのうち、HIPS、ABS樹脂が好ましい。
ゴム変性スチレン系樹脂の成分であるゴム状重合体は、ガラス転移温度(Tg)が−30℃以下であることが好ましい。−30℃を越えると成形体の耐衝撃性が低下する傾向にある。
ゴム変性スチレン系樹脂の成分であるゴム状重合体の例としては、ポリブタジエン、ポリ(スチレン/ブタジエン)、ポリ(アクリロニトリル/ブタジエン)等のジエン系ゴム及び上記ジエン系ゴムを水素添加した飽和ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴム及びエチレン/プロピレン共重合体ゴム、エチレン/プロピレンン/ジエンモノマー三元共重合体ゴム(EPDM)、エチレン/オクテン共重合体ゴムを挙げることができる。これらのうち、ジエン系ゴムが好ましい。
上記のゴム状重合体にグラフト重合させる芳香族ビニル単量体の例として、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレンを挙げることができる。これらのうち、スチレンが最も好ましい。また、スチレンを主体に上記他の芳香族ビニル化合物を混合して用いてもよい。
上記のゴム状重合体の存在下に必要に応じて重合させる、芳香族ビニル単量体と共重合可能な他のビニル単量体の例として、不飽和ニトリル(アクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、アクリル酸アルキルエステル(ただし、アルキル基は炭素数は1〜8である)、α−メチルスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、N−置換マレイミドを挙げることができる。
不飽和ニトリルは、たとえば成形体の耐油性を高める必要のある場合に用いられる。アクリル酸アルキルエステルは、たとえば、樹脂成分(A)と難燃剤(B)とのブレンド時の溶融粘度を低下させる必要のある場合に用いられる。α−メチルスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、N−置換マレイミドは、たとえば、成形体の耐熱性を更に高める必要のある場合に用いられる。
ビニル芳香族単量体と、これと共重合可能な他のビニル単量体とを混合して用いる場合、ビニル単量体の重量はビニル芳香族単量体と他のビニル単量体との合計重量の40%以下である。
ゴム変性スチレン系樹脂中における、ゴム状重合体と、ビニル芳香族単量体及びビニル単量体の合計との重量比は、好ましくは5/95〜80/20、特に好ましくは10/90〜50/50である。重量比がこの範囲にある場合、成形体の耐衝撃性と剛性とのバランスが向上する。
また、ゴム変性スチレン系樹脂のゴム粒子径は、好ましくは0.1〜5.0μm、特に好ましくは0.2〜3.0μmである。ゴム粒子径がこの範囲にある場合、特に成形体の耐衝撃性が向上する。
ゴム変性スチレン系樹脂の分子量の尺度である、ゴム部分を除いた樹脂部分の還元粘度ηsp/c(0.5g/dl、30℃測定:マトリックス樹脂がポリスチレンの場合はトルエン溶液として測定、マトリックスが不飽和ニトリル/芳香族ビニル共重合体の場合はメチルエチルケトン溶液として測定)は、0.30〜0.80dl/gの範囲にあることが好ましく、0.40〜0.60dl/gの範囲にあることがより好ましい。ゴム変性スチレン系樹脂の、ゴム部分を除いた樹脂部分の還元粘度ηsp/cは、重合開始剤量、重合温度、連鎖移動剤量などによって調整することができる。
上記のゴム変性スチレン系樹脂の中でも、特に成形品の耐熱性、耐油性が要求される場合は、結晶性のスチレン系重合体であるシンジオタクチックスチレン系重合体が好ましい。
HIPSを用いる場合は、芳香族ポリカーボネートとの相溶性の観点から、スチレン系共重合体を相溶化剤として用いることが好ましい。その相溶化剤の例として、WO95/35346号公報に記載されている相溶化剤を挙げることができる。この相溶化剤は、次の成分(a)(b):
(a)芳香族ビニル単量体、及びこれと共重合可能な単量体からなる共重合体;及び
(b)ガラス転移温度(Tg)が−30℃以下のゴム状重合体と、該ゴム状重合体にグラフトされた芳香族ビニル単量体(M1)、及び芳香族ビニル化合物(M1)と共重合可能な単量体(M2)とからなるグラフト共重合体(ただし、上記単量体(M1)と(M2)はそれぞれ単独で重合していてもよいし、互いに共重合していてもよい)からなる群からなる選ばれる少なくとも1つを包含するスチレン系共重合体である。相溶化剤としての上記共重合体は、それを構成する単量体成分の比例に関して不均一な分布を有するため、該共重合体は溶解性パラメーター(SP)値の異なる共重合体分子を有し、最大のSP値を有する共重合体分子と最小のSP値を有する共重合体分子との間のSP値の差が0.3〜1.0〔(cal/cm3)1/2〕であり、かつ該共重合体の平均SP値が10.6〜11.2〔(cal/cm3)1/2〕となっている。
次に、樹脂成分(A)の成分となりうる熱可塑性樹脂の1種であるポリフェニレンエーテル系樹脂(即ち、主鎖に芳香環を有するポリエーテル)について説明する。
ポリフェニレンエーテル系樹脂の好ましい具体例として、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体を挙げることができる。これらの中で、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)が特に好ましい。
ポリフェニレンエーテル系樹脂の還元粘度ηsp/c(0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃測定)は、0.20〜0.70dl/gの範囲にあることが好ましく、0.30〜0.60dl/gの範囲にあることがより好ましい。ポリフェニレンエーテル系樹脂の還元粘度ηsp/cは、ポリフェニレンエーテル系樹脂の製造の際の触媒量などによって調整することができる。
次に、樹脂成分(A)の成分となりうる熱可塑性樹脂の1種であるポリオレフィン系樹脂について説明する。
ポリオレフィン系樹脂の例として、架橋性ゴム状重合体とポリオレフィンとからなる、部分的または完全に架橋された熱可塑性樹脂を挙げることができる。このような熱可塑性樹脂は、架橋剤、架橋助剤の存在下で動的に架橋することにより製造することができる。
上記架橋性ゴム状重合体は、エチレン/α−オレフィン共重合体が好ましい。この共重合体は、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体であることが好ましく、メタロセン触媒を用いて製造された、エチレンと炭素数6〜12のα−オレフィンとの共重合体であることがさらに好ましい。
上記ポリオレフィンとして、ポリプロピレンが好ましい。ポリプロピレンの例として、ホモのアイソタクチックポリプロピレン、プロピレンとエチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1等の他のα−オレフィンとのアイソタクチック共重合体(ブロック、ランダムを含む)を挙げることができる。
本発明における非ハロゲン難燃剤(B)とは、フッ素以外のハロゲン元素を含まない難燃剤を意味する。つまり、非ハロゲン難燃剤(B)は、塩素、臭素、ヨウ素を含まないが、フッ素は含んでいてもよい。
非ハロゲン難燃剤(B)の例として、珪素系難燃剤、硫黄系難燃剤、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、これら以外の無機系難燃剤、繊維状難燃剤、チャー形成性難燃剤を挙げることができる。これらの難燃剤のうち、珪素系難燃剤、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、これら以外の無機系難燃剤が好ましく、珪素系難燃剤、硫黄系難燃剤がさらに好ましく、珪素系難燃剤がさらに好ましい。
本発明において、難燃剤は、単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
本発明において、非ハロゲン難燃剤(B)は、樹脂成分(A)100重量部に対して、好ましくは0.001〜100重量部、更に好ましくは0.1〜50重量部、最も好ましくは1〜20重量部添加される。
以下、珪素系難燃剤、硫黄系難燃剤、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、これら以外の無機系難燃剤、繊維状難燃剤、チャー形成性難燃剤について説明する。
珪素系難燃剤としては、有機珪素系化合物が好ましい。有機珪素系化合物のなかでは、シリコーンまたは有機シリケート等で代表されるポリオルガノシロキサンがさらに好ましい。
ポリオルガノシロキサンは、性状からオイル、樹脂、ゴムに分類される。
オイル状のポリオルガノシロキサンの例として、直鎖状のポリジオルガノシロキサンを挙げることができる。直鎖状のポリジオルガノシロキサンは、芳香族基を含有することが好ましい。直鎖状のポリジオルガノシロキサンは、また、JIS−K2410規定の25℃における動粘度が10センチストークス以上であることが好ましく、100センチストークス以上であることがさらに好ましく、1,000センチストークス以上であることがさらに好ましい。
樹脂状のポリオルガノシロキサンの例として、単官能の式R3SiO0.5で表されるM単位、二官能のR2SiOで表されるD単位、三官能のRSiO1.5で表されるT単位、四官能のSiO2.0で表されるQ単位、アルコキシまたはアリーロキシを含有したR(RO)SiO2.0(X単位)、及び(RO)2SiO3.0(Y単位)からなる群から選ばれる少なくとも1つの単位を有する分岐構造を有するポリオルガノシロキサンまたは三次元網状構造を有するシリコーン樹脂を挙げることができる。上記の式において、Rは炭素数1〜20の炭化水素基を表す。Rとしてはメチル基、エチル基、ブチル基、フェニル基、ベンジル基が好ましく、特にメチル基とフェニル基とを含有するものが好ましい。フェニル基がポリオルガノシロキサンの10モル%以上を占める場合には、耐水性、熱安定性、芳香族系樹脂との相溶性が向上する。
ゴムのポリオルガノシロキサンの例として、高分子量タイプのガム状直鎖状のポリジオルガノシロキサンの加硫体を挙げることができる。
変性ポリオルガノシロキサンを用いてもよい。変性ポリオルガノシロキサンの例として、エポキシ、アミノ、メルカプト、メタクリル等から選ばれる少なくとも1種の基で変性した変性ポリオルガノシロキサン、またはポリカーボネート(PC)/シリコーン共重合体、アクリルゴム/シリコーン複合体を挙げることができる。
上記のポリオルガノシロキサンのうち、式R3SiO0.5で表されるM単位、式R2SiO1.0で表されるD単位、式RSiO1.5で表されるT単位、及び、式SiO2.0で表されるQ単位(ただし、Rは各々独立に炭素数1〜20の炭化水素基を表す)からなる群から選ばれる少なくとも1つの単位を含有するポリオルガノシロキサンが、特に好ましい。
硫黄系難燃剤の例として、トリフルオロベンゼンスルフォン酸カリウム、パーフルオロブタンスルフォン酸カリウム、ジフェニルスルフォン−3−スルフォン酸カリウム等の有機スルフォン酸金属塩、芳香族スルフォンイミド金属塩、あるいはスチレン系重合体、ポリフェニレンエーテル等の芳香族基含有重合体の芳香環に、スルフォン酸金属塩、硫酸金属塩、リン酸金属塩、ホウ酸金属塩あるいは上記の酸のアンモニウム塩、フォスフォニウム塩等が結合した、ポリスチレンスルフォン酸アルカリ金属塩等の硫黄系難燃剤を挙げることができる。
このような硫黄系難燃剤は、特に燃焼時にポリカーボネートの脱炭酸反応を促進して難燃性を向上させる。更に、硫黄系難燃剤としてポリスチレンスルフォン酸アルカリ金属塩を用いた場合には、自らスルフォン酸金属塩が燃焼時に架橋点となり炭化被膜形成に大きく寄与する。
リン系難燃剤の例として、有機リン系、赤リン系、無機リン系難燃剤を挙げることができる。
有機リン系難燃剤の例として、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ビホスフィン、ホスホニウム塩、ホスフィン酸塩、リン酸エステル、亜リン酸エステルを挙げることができる。より具体的には、トリフェニルフォスフェート、メチルネオベンチルフォスファイト、ヘンタエリスリトールジエチルジフォスファイト、メチルネオペンチルフォスフォネート、フェニルネオペンチルフォスフェート、ペンタエリスリトールジフェニルジフォスフェート、ジシクロペンチルハイポジフォスフェート、ジネオペンチルハイポフォスファイト、フェニルピロカテコールフォスファイト、エチルピロカテコールフォスフェート、ジピロカテコールハイポジフォスフェートを挙げることができる。これらのうち、特に、芳香族系リン酸エステル単量体、芳香族系リン酸エステル縮合体オリゴマーであるものが好ましい。
赤リン系難燃剤の例として、一般の赤リンの他に、(i)その表面をあらかじめ、水素化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化チタンなどの金属水酸化物の被膜で被覆処理されたもの、(ii)水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化チタンなどの金属水酸化物と熱硬化性樹脂とからなる被膜で被覆処理されたもの、(iii)水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化チタンなどの金属水酸化物の被膜の上に熱硬化性樹脂の被膜を有する二重に被覆処理されたもの、を挙げることができる。
無機リン系難燃剤として、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウムと窒素化合物との複合難燃剤、フォスファゼン系化合物を挙げることができる。特に芳香族基を有する、リン原子と窒素原子が二重結合で結ばれた構造を有する化合物であることが好ましい。このような例として、環状フォスファゼン、直鎖状フォスファゼンを挙げることができる。フォスファゼンの中でも、芳香族ポリカーボネートとの相溶性の観点から、置換基としてフェニル基、クレジル基、キシリル基、ビスフェニル基等の芳香族基を含有するものが好ましい。具体的には、フェノキシプロポキシフォスファゼン、ジフェノキシフォスファゼン、フェノキシアミノフォスファゼン、フェノキシフルオロアルキルフォスファゼン等であり、これらのフォスファゼン化合物はクロロフォスファゼンをアルコール類またはフェノール類で置換することにより製造することができる。
窒素系難燃剤は、通常、リン系難燃剤の難燃助剤として一層の難燃性を向上させるために用いられる。窒素系難燃剤の代表例としてトリアジン骨格含有化合物を挙げることができる。その具体例としては、メラミン、メラム、メレム、メロン(600℃以上でメレム3分子から3分子の脱アンモニアによる生成物)、メラミンシアヌレート、リン酸メラミン、サクシノグアナミン、アジポグアナミン、メチルグルタログアナミン、メラミン樹脂、BTレジンを挙げることができる。これらのうち、低揮発性の観点から特にメラミンシアヌレートが好ましい。
珪素系難燃剤、硫黄系難燃剤、リン系難燃剤、窒素系難燃剤以外の無機系難燃剤の例として、シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化ジルコニウム、酸化スズの水和物等の無機金属化合物の水和物、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステン等の金属酸化物、アルミニウム、鉄、チタン、マンガン、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、ニッケル、銅、タングステン、スズ、アンチモン等の金属粉、そしてホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムを挙げることができる。これらの中で特に、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトが、難燃効果が良いだけでなく経済的にも有利であるので、好ましい。
繊維状難燃剤は、火種の滴下防止のために用いられる難燃剤であり、添加時もしくは加工時に繊維状となる。繊維状難燃剤の例として、アラミド繊維、ポリアクリロニトリル繊維、フッ素系繊維樹脂を挙げることができる。
上記アラミド繊維は、平均直径が1〜500μmで平均繊維長が0.1〜10mmであることが好ましく、イソフタルアミド、またはポリパラフェニレンテレフタルアミドをアミド系極性溶媒または硫酸に溶解し、湿式または乾式法で溶液紡糸することにより製造することができる。
上記ポリアクリロニトリル繊維は、平均直径が1〜500μmで平均繊維長が0.1〜10mmであることが好ましく、ジメチルホルムアミド等の溶媒に重合体を溶解し、400℃の空気流中に乾式紡糸する乾式紡糸法、または硝酸等の溶媒に重合体を溶解し水中に湿式紡糸する湿式紡糸法により製造される。
上記フッ素系繊維樹脂は、樹脂中にフッ素原子を含有する樹脂である。その具体例として、ポリモノフルオロエチレン、ポリジフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体を挙げることができる。また、必要に応じて上記含フッ素モノマーと共重合可能なモノマーを併用してもよい。
チャー形成性難燃剤としては、ノボラック樹脂等が好ましく、フェノール類とアルデヒド類を硫酸または塩酸のような酸触媒の存在下で縮合して得られるフェノールノボラック樹脂が特に好ましい。
本発明において、樹脂成分(A)と非ハロゲン難燃剤(B)とから、本発明の成形体を構成する樹脂組成物を製造する方法については、特に制限はない。その例として、樹脂(A)と非ハロゲン難燃剤(B)とを直接混合し押出機で溶融混練する方法;樹脂(A)をまず溶融し、次いで非ハロゲン難燃剤(B)を添加し、同一押出機で溶融混練する方法;非ハロゲン難燃剤(B)を配合したマスターバッチを製造した後、このマスターバッチと樹脂(A)とを溶融混練する方法を挙げることができる。
本発明の成形体を構成する樹脂組成物に対し、必要に応じて、離型剤または流動性向上剤としての加工助剤を配合してもよい。加工助剤の例として、脂肪族炭化水素、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪族アルコール、金属石鹸、オルガノシロキサン系ワックス、ポリオレフィンワックス、ポリカプロラクトンを挙げることができる。これらの加工助剤は、単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
上記加工助剤の量は、樹脂成分(A)100重量部に対して、好ましくは0.01〜20重量部、更に好ましくは、0.5〜10重量部、最も好ましくは、1〜5重量部である。
本発明の成形体を構成する樹脂組成物に対し、耐光性を高めるために、耐光性改良剤を配合してもよい。耐光性改良剤の例として、紫外線吸収済、ヒンダードアミン系光安定剤、酸化防止剤、活性種捕捉剤、遮光剤、金属不活性剤、消光剤を挙げることができる。これらの耐光性改良剤は、単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
耐光性改良剤の量は、樹脂成分(A)100重量部に対し、好ましくは0.05〜20重量部、更に好ましくは、0.1〜10重量部、最も好ましくは1〜5重量部である。
本発明において成形体とは、樹脂組成物を溶融して成形して得られる定形体を意味する。溶融及び成形の方法や得られる定形体の形状・大きさについては特に限定されない。また、成形体は、ペレットのような半製品であってもよいし、家電またはOA機器のハウジング、シャーシなどの最終製品であってもよい。
本発明においてペレットとは、樹脂組成物を押出機等で溶融混練して米粒状の形に成形したものを意味する。ペレットを得る方法として、溶融混練した後水等で冷却することによって樹脂組成物を固化した後に切断する方法、溶融混練した後水中で冷却して樹脂組成物を半溶融状態にして切断する方法などがある。ペレットは、通常、米粒程度の大きさである。
本発明の、芳香族ポリカーボネートのみからなる、または芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂成分(A)と、非ハロゲン難燃剤(B)とを包含する難燃性ポリカーボネート系樹脂組成物を溶融して成形して得られる成形体においては、該成形体中に分散した大きさが50μm以上の粒子の数が、該成形体から切り出された平板試験片の表面について測定したときに0〜100/mm2であることが必要である。
ここで、「成形体から切り出された平板試験片」とは、成形体から切り出された平らな薄片を意味し、通常、超薄切片法(ultramicrotomy)[「化学大辞典」(日本国東京化学同人発行、1989年)1436頁参照]によって成形体から切り出すことによって得られる。平板試験片の大きさは、後で述べる顕微鏡による観察に通常用いられる大きさである限り、特に限定されない。倒立型金属顕微鏡を用いて観察する場合は、0.5mm角で厚さが1μm程度であるものを用いることが多い。
「成形体中に分散した大きさが50μm以上の粒子」とは、顕微鏡によって識別することのできる、大きさが50μm以上の平板試験片中の粒子を意味する。粒子の「大きさ」とは、平板試験片の真上から撮った顕微鏡写真に写った、該粒子を表す平面図形の2点間の距離の最大値を意味する。
なお、上記粒子の形状に特に限定はない。
「平板試験片の表面について測定」するとは、平板試験片の真上から撮った顕微鏡写真に写っている大きさが50μm以上の粒子の数を数えることを意味する。顕微鏡として、電子顕微鏡、光学顕微鏡などを用いることができる。
本発明の成形体においては、上記の大きさが50μm以上の粒子の数は、好ましくは50個/mm2以下、さらに好ましくは30個/mm2以下、最も好ましくは10個/mm2以下である。
上記の粒子は何に由来するものであってもよい。通常、上記の粒子は難燃剤(B)に由来するものが大部分である。
本発明の成形体は上記のように成分の分散状態(特に、難燃剤の分散状態)に優れているので、優れた難燃性を示すだけでなく、優れた外観、耐衝撃性及び品質安定性を示す。
本発明の成形体は、芳香族ポリカーボネートのみからなる、または芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂成分(A)と、非ハロゲン難燃剤(B)とを包含する難燃性ポリカーボネート系樹脂組成物を溶融して成形することによって得られる成形体であるが、成形されつつある該溶融樹脂組成物が、二酸化炭素を溶解含有しており、該溶融樹脂組成物の示すせん断溶融粘度が、二酸化炭素を溶解含有していないときの該樹脂組成物より低くなっていることが好ましい。
この場合さらに、二酸化炭素を溶解含有している、成形されつつある該溶融樹脂組成物は、二酸化炭素を溶解含有していないときに比べてせん断溶融粘度を10%以上低下させていることが好ましく、20%以上低下させていることがさらに好ましく、30%以上低下させていることがさらに好ましい。
二酸化炭素を溶解含有している該溶融樹脂組成物を成形することによって、成分の分散状態に優れた本発明の成形体が得られる理由は、次のように説明できる。二酸化炭素の導入によって、難燃性ポリカーボネート系樹脂組成物の溶融粘度が低下する。樹脂組成物の溶融粘度の低下により、樹脂組成物の成形性が高まり、樹脂組成物の成形体の成分の分散状態(特に、難燃剤の分散状態)が良好となる。
なお、樹脂組成物の溶融粘度の低下により、成形時の発熱を抑制することができるので、芳香族ポリカーボネートの分解が抑制され、その結果、成形体の強度は向上する。
溶融樹脂組成物中に吸収された二酸化炭素は、溶融樹脂組成物が固化した後に成形体を大気中に放置すれば徐々に大気中に放散する。放散により成形品に気泡を生じることはない。したがって、二酸化炭素の放散後の成形体は、樹脂組成物本来の性能を維持する。
本発明においては、成形されつつある該溶融樹脂組成物が二酸化炭素を溶解含有しており、該溶融樹脂組成物の示すせん断溶融粘度が、二酸化炭素を溶解含有していないときの該樹脂組成物より低くなっていることが好ましいが、樹脂組成物にいつ二酸化炭素を導入するかについては、特に限定はない。つまり、二酸化炭素を樹脂組成物に導入するのは、固体状態のときであってもよいし、溶融するときであってもよいし、溶融状態にあるときでもよい。また、樹脂組成物に導入する二酸化炭素としては、通常は二酸化炭素ガスを用いる。
気体の二酸化炭素を樹脂組成物に導入するための好ましい方法の例として、次の二つの方法を挙げることができる。
第1は、粒状または粉状の樹脂組成物を二酸化炭素雰囲気中に置いて二酸化炭素を吸収させる方法である。二酸化炭素雰囲気の圧力、吸収させる時間などにより吸収量が決まる。二酸化炭素雰囲気の圧力は通例0.09MPa程度、吸収させる時間は通例24時間程度である。この方法で樹脂組成物に二酸化炭素を吸収させてから成形する場合、二酸化炭素を吸収した粒状または粉状の樹脂組成物が成形機に供給され、溶融時に樹脂組成物が加熱されるに従って樹脂組成物中の二酸化炭素の一部が揮散するため、溶融樹脂組成物中の二酸化炭素量はあらかじめ吸収させた量よりも少なくなる。このため、成形機のホッパーなど樹脂組成物の供給経路も二酸化炭素雰囲気にすることが好ましい。この場合の成形機として、射出成形機を用いるのが好ましい。
第2の方法は、成形機のシリンダー内で樹脂組成物を溶融するとき、または溶融した樹脂組成物に二酸化炭素を溶解させる方法である。この方法を用いる場合、通常、成形機のホッパー付近を二酸化炭素雰囲気にしたり、スクリューやシリンダーの中間部または先端から二酸化炭素ガスを注入する。スクリューやシリンダーの中間部から二酸化炭素ガスを注入する場合には、注入部付近のスクリュー溝深さを深くして、シリンダー内の樹脂組成物圧力を低くすることが好ましい。また、二酸化炭素ガスを注入後、樹脂組成物中に均一に溶解、分散させるため、スクリューにダルメージや混練ピンなどのミキシング機構を付けたり、樹脂組成物の流路にスタティックミキサーを設けたりすることが好ましい。
第2の方法で二酸化炭素を樹脂組成物に溶解させてから成形する場合、射出成形を用いるのが好ましい。その場合、インラインスクリュー方式でもスクリュープリプランジャー方式でも使用できるが、スクリュープリプランジャー方式は、樹脂組成物を溶融する押出し機部分のスクリューデザインや二酸化炭素の注入位置の変更が容易であることから、特に好ましい。
二酸化炭素を溶解含有している樹脂組成物を成形する好ましい1つの方法として、二酸化炭素ガスを溶解含有している該溶融樹脂組成物を、カウンターガスとして二酸化炭素ガスを用いて該溶融樹脂組成物のフローフロントで発泡が起きない圧力に加圧してある金型キャビティに射出して成形する方法を挙げることができる。
この方法では、二酸化炭素ガスの導入によって加圧された金型キャビティの圧力は、該溶融樹脂組成物のフローフロントで発泡が起きない、即ち、成形体表面に発泡模様が生じない最低圧力であることが必要である。一方、一工程(1つの成形体を製造する工程)に使用する二酸化炭素ガスの量を最小限に押さえ、金型キャビティのシールやガス供給装置の構造を簡単にするために、加圧された金型キャビティの圧力は低い方が好ましい。したがって、加圧された金型キャビティのガス圧力は、上記最低圧力であることが、最も好ましい。加圧された金型キャビティのガス圧力が15MPaを越えると、金型を開こうとする力が無視できなくなったり、金型キャビティのシールが難しくなったりするなどの問題が生じやすい。
また、金型キャビティに圧入するカウンターガスとして二酸化炭素以外のガスを用いる方法もある。例えば、樹脂組成物に対して不活性な各種ガス(空気、窒素等)の単体あるいは混合物を使用する方法もある。しかし、熱可塑性樹脂への溶解度の高い二酸化炭素は、金型表面状態の成形品への転写性を向上させる効果が高いので、特に好ましい。
なお、樹脂組成物中の樹脂成分として非晶性樹脂を用い、金型キャビティを二酸化炭素で加圧する場合、日本国特願平9−236763号、日本国特願平10−46903号明細書に記されているように、金型キャビティ内ガス圧力を高めた方が、転写性が高くなる。したがって、高度な転写性が要求される場合には、成形機の型締め力や金型のシール性能に応じ、可能な限りガス圧力を高めることが望ましい。この場合、金型キャビティ内のガスの二酸化炭素含有量は高い方が好ましく、80容量%以上であることが特に好ましい。ガスは各種温度のガスが使用できる。大気温度のガスは勿論、加熱ガス(通常、室温を越え、300℃以下の温度)も良好に使用できる。加熱ガスの場合、二酸化炭素を溶解し易い液体の気化物と二酸化炭素との混合ガスは良好に使用できる。
二酸化炭素ガスを溶解含有している該溶融樹脂組成物を、カウンターガスとして二酸化炭素ガスを用いて該溶融樹脂組成物のフローフロントで発泡が起きない圧力に加圧してある金型キャビティに射出して成形するという上記の方法を応用することにより、樹脂成分(A)と非ハロゲン難燃剤(B)とを包含する難燃性ポリカーボネート系樹脂組成物を内核とし、該樹脂組成物とは別の熱可塑性樹脂(C)の均一な表層とからなる、複合射出成形品を得ることができる。特に好ましい方法として、二酸化炭素を0.2〜3重量%溶解した難燃性ポリカーボネート系樹脂組成物と、熱可塑性樹脂(C)とを逐次または同時に金型キャビティに射出して成形する方法;二酸化炭素を0.2〜3重量%溶解した難燃性ポリカーボネート系樹脂組成物金型キャビティに射出し、次いで二酸化炭素を含有しない熱可塑性樹脂(C)を金型キャビティに射出して成形する方法を挙げることができる。熱可塑性樹脂(C)は、難燃性ポリカーボネート系樹脂組成物の樹脂成分(A)と同種類であることもあるし別種類であることもある。熱可塑性樹脂(C)は、難燃性ポリカーボネート系樹脂組成物の樹脂成分(A)と分子量が同じである場合と異なる場合とがある。この組み合わせは適宜選択できる。
熱可塑性樹脂(C)として耐熱性、耐化学薬品性、物理的性質などに優れた熱可塑性樹脂を使用することで、表層を他の熱可塑性樹脂で被覆し、成形品性能を向上させることができる。
本発明の成形体は、難燃性だけでなく外観、耐衝撃性及び品質安定性に優れているので、自動車部品、家電部品、OA機器部品を始めとする多くの分野で使用することができる。
本発明の成形体は、具体的には、VTR、分電盤、テレビ、オーディオプレーヤー、コンデンサ、家庭用コンセント、ラジカセ、ビデオカセット、ビデオディスクプレイヤー、エアコンディショナー、加湿機、電気温風機械等の家電ハウジング、シャーシまたは部品、CD−ROMのメインフレーム(メカシャーシ)、プリンター、ファックス、PPC、CRT、ワープロ複写機、電子式金銭登録機、オフィスコンピューターシステム、フロッピーディスクドライブ、キーボード、タイプ、ECR、電卓、トナーカートリッジ、電話等のOA機器ハウジング、シャーシまたは部品、コネクタ、コイルボビン、スイッチ、リレー、リレーソケット、LED、バリコン、ACアダップター、FBT高圧ボビン、FBTケース、IFTコイルボビン、ジャック、ボリュウムシャフト、モーター部品等の電子・電気材料、そして、インスツルメントパネル、ラジエーターグリル、クラスター、スピーカーグリル、ルーバー、コンソールボックス、デフロスターガーニッシュ、オーナメント、ヒューズボックス、リレーケース、コネクタシフトテープ等の自動車材料等に好適で用いることができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、実施例及び比較例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定を受けるものではない。
実施例及び比較例における測定及び評価は以下の方法で行った。
(1)成形体中に分散した大きさが50μm以上の粒子数/mm2
成形体表面から無作為に10カ所を選び、超薄切片法(ultramicrotomy)[「化学大辞典」(日本国東京化学同人発行、1989年)1436頁参照]により0.5角で厚さ1μmの平板試験片を切り出す。これら10個の平板試験片の面をダイヤモンドナイフを用いて切削して仕上げる。その後、これら10個の平板試験片の各々について、倒立型金属顕微鏡(日本国OLYMPUS(株)製、PEN3)で真上から写真を撮り、写真に写っている大きさが50μm以上の粒子数の1mm2あたりの数を数える。10枚の写真について数えた数の平均値を、成形体中に分散した大きさが50μm以上の粒子数/mm2とした。
(2)溶融樹脂組成物中の二酸化炭素重量
二酸化炭素を溶解含有した溶融樹脂組成物から得た成形体の成形直後における重量と、ガラス転移温度よりも約30℃低い熱風乾燥機中に成形品を24時間以上放置し、成形品中に含まれていた二酸化炭素が放散して重量が一定になった後の成形品の重量との差を、溶融樹脂組成物中の二酸化炭素量とした。
(3)樹脂組成物のせん断溶融粘度の低下率
二酸化炭素を溶解含有していない樹脂組成物については、キャピラリーレオメーター(スイス国ROSAND社製)を用い、溶融温度250℃、せん断速度1000sec-1の条件でせん断溶融粘度(Pa・s)を求め、流動性の尺度とした。
テスト条件:
ロングダイ長 16mm ロングダイ直径 1mm
ショートダイ長 0.25mm ショートダイ直径 1mm
ダイエントリー角 180deg
また、二酸化炭素を溶解含有した樹脂組成物については、射出成形機ノズルの穴を直径1mm、長さ5mmとし、せん断速度が約1,000sec-1となるフリーパージをおこない、フリーパージに必要なシリンダ内樹脂組成物圧力からせん断溶融粘度を求めた。
せん断溶融粘度の低下率は、次の式で与えられる:
せん断溶融粘度の低下率(%)={1−(二酸化炭素を含む樹脂組成物のせん断溶融粘度)/(二酸化炭素を含まない樹脂組成物のせん断溶融粘度)}×100
(4)難燃性
UL−94に準拠したVB(Vertical Burning)法により、以下の基準で自己消火性の評価を行った。
(1/8インチ厚み試験片)
◎: 20秒未満で自己消火
○: 20秒以上40秒未満で自己消火
△: 40秒以上で自己消火
×: 全焼
(5)アイゾット衝撃強度
ASTMーD256に準拠した方法で測定した。(23℃、Vノッチ付き1/4インチ厚み試験片)
(6)アイゾット衝撃強度の変化率
射出成形機を用い、二酸化炭素を溶解含有した樹脂組成物の10時間連続溶融押出しを行い、1時間毎に樹脂組成物のアイゾット衝撃強度を測定し、その平均強度に対する変化率(%)を算出した。成形体の品質の安定性は、アイゾット衝撃強度の変化率で評価される。
(7)成形体の外観
成形体の外観は、以下の評価基準で目視により評価した。
◎ 平滑で極めて良好
○ 良好
△ やや凝集体が見られ、平滑性が劣る。
× 分散不良のために表面がザラザラである。
実施例及び比較例では、樹脂成分(A)の必須成分である芳香族ポリカーボネートとして、ビスフェノールA型ポリカーボネート(日本国住友ダウ(株)製、商品名 カリバー)(PCと称する)を用いた。
また、樹脂成分(A)の選択成分である、芳香族ポリカーボネート以外の重合体として、次のものを用いた(括弧内に略称を記す)。
ナイロン6,6(PA66)、ナイロン6(PA6)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、熱可塑性エポキシ樹脂:エピクロルヒドリン/ビスフェノールA縮合体(EP)、ゴム変性ポリスチレン(HIPS)、ABS樹脂(ABS)、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン共重合体(SEBS)、スチレン/ブタジエン共重合体(SB)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン/オクテン共重合体(EO)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、EO/PP架橋体(TPV)。
但し、上記TPVは、EOとPPとの共重合体(EOとPPとの重量比は50/50)を、有機過酸化物とトリアリルイソシアヌレートとで、二軸押出機を用いて動的に架橋した熱可塑性ポリプロピレンである。
実施例及び比較例において非ハロゲン難燃剤(B)として用いた難燃剤は、次の通りである。
1)ポリオルガノシロキサン
直鎖(D型)メチルフェニルシリコーン(S1と称する);
分岐・架橋型(D/T型)メチルフェニルシリコーン(S2と称する);
分岐・架橋型(T型)メチルフェニルシリコーン(S3と称する);及び
メチルフェニルシリコーンゴム(S4と称する)。
ただし、上記のS1〜S4は『シリコーンハンドブック』〔日本国日刊工業新聞社 伊藤邦雄編集(1990)〕の第17章に記載された方法に従って製造した。なお、S1〜S3のJIS−K2410規定の25℃における動粘度は500cSである。また、S1〜S4においてメチル基とフェニル基とのモル比は50/50である。
2)有機スルフォン酸塩
日本国UCB日本(株)製、ジフェニルスルフォン−3−スルフォン酸カリウム塩(SF1と称する);
日本国大日本インキ化学工業(株)製、パーフルオロブタン−スルフォン酸カリウム塩(SF2と称する);及び
ポリスチレンスルフォン酸テトラブチルホスホニウム塩(SF3と称する)。
ただし、上記のSF3は日本国特開平11−263902号公報に記載された方法にしたがって製造した。
3)1,3−フェニレン ビス(ジフェニルホスフェート)
日本国大八化学工業(株)製、レゾルシン由来の芳香族縮合リン酸エステル(商品名 CR733S)(P1と称する)
4)ビスフェノールA ビス(ジフェニルホスフェート)
日本国大八化学工業(株)製(商品名 CR741)(P2と称する)。
5)1,3−フェニレン ビス(ジキシリルホスフェート)
日本国大八化学工業(株)製、商品名 PX200(P3と称する)
6)赤リン
日本国燐化学工業(株)製、商品名 ノーバエクセル(P4と称する)
7)ポリリン酸アンモニウム
日本国チッソ(株)製、商品名 テラージュ(P5と称する)
8)フェノキシフォスファゼン(P6)
9)水酸化マグネシウム
日本国協和化学工業(株)製、商品名 キスマ(MOHと称する)
10)メラミンシアヌレート
日本国日産化学工業(株)製、商品名 MC610(M1と称する)
11)ポリテトラフルオロエチレン
日本国ダイキン工業(株)製(PTFEと称する)
なお、比較例3及び比較例4においては、非ハロゲン難燃剤(B)に加えて、ハロゲン系難燃剤として米国アルベマール社製のデカブロモジフェニルオキサイド(DBDと称する)を用いた。
実施例及び比較例で用いた射出成形機、金型、カウンターガス供給装置は次の通りである。
(射出成形機)
射出成形機として日本国住友重機械工業製SG125M−HPを使用し、スクリューはL/D24、直径32mmの2ステージベントタイプとした。ノズルにはニードルタイプのシャットオフタイプのノズルを使用した。
(金型)
金型として、正方形平板金型を用いた。
正方形平板金型の製品部は縦横各100mm、厚み2mmである。また、正方形平板金型については、金型キャビティ表面を鏡面とし、成形品中心に直径8mmのダイレクトゲートを設け、スプルーの長さを58mm、ノズルタッチ部の直径を3.5mmとした。金型キャビティの外周には、ガスの供給・開放のための深さ0.05mmのベントスリット、ベント、およびベントから金型外に通じる穴を設け、カウンターガス供給装置と接続した。ベントスリットと穴の外周にガスシールのためにOリングを設け、金型キャビティを気密構造とした。
(金型キャビティの加圧のためのカウンターガス供給装置)
液化二酸化炭素を充填し、35℃に保温してあるボンベを二酸化炭素ガス供給源として用いた。液化二酸化炭素は、ボンベより加温器を通り、減圧弁にて所定圧力に調圧されてガス状態となった後、約40℃に保温された内容量1,000cm3のガス溜に溜められる。金型キャビティへのガス供給は、ガス溜の下流にある供給用電磁弁を開け、同時に解放用電磁弁を閉じることで行われる。樹脂組成物の金型キャビティへの充填中はガス溜と金型キャビティとはつながっている。樹脂組成物の金型キャビティへの充填が終了すると同時に、供給用電磁弁を閉じ、解放用電磁弁を開けることにより、二酸化炭素ガスを金型外に解放する。
実施例1
ヘンシェルミキサーを用いて混合することによって、表1に示す組成を有する樹脂組成物を得た。この樹脂組成物をバレル中央部に注入口を有した二軸押出機(40mmφ、L/D=47)(ドイツ国 Werner Pfleiderer社製ZSK−25)にかけて、240℃の温度条件で10時間連続溶融押出を行った。スクリューとしては注入口の前後に混練部を有した2条スクリューを用いた。
このようにして得られた溶融樹脂組成物を、熱風乾燥機中で120℃で5時間乾燥した。乾燥した樹脂組成物を、シリンダー設定温度250℃で、次のように射出成形した。
ベント部分を二酸化炭素ガスで加圧し(ベント部分の二酸化炭素圧力を5MPaにする)、スクリュー回転数150rpmで樹脂組成物を溶融することにより、二酸化炭素ガスを溶解含有した溶融樹脂組成物を得た。そして、この溶融樹脂組成物を、カウンターガス供給装置から供給された二酸化炭素ガスによって加圧状態にしてある金型キャビティに導入した。金型表面温度80℃の正方形平板金型で、二酸化炭素を用いたカウンタープレッシャ成形をして、樹脂組成物の金型キャビティへの充填に必要な成形機シリンダ内樹脂組成物圧力を測定した。樹脂組成物充填時間0.5秒、カウンター圧力1MPaの場合、充填必要圧力は211MPaであった。樹脂組成物充填後、シリンダー内樹脂組成物圧力190MPaで5秒間保圧し、20秒間冷却した後に成形体を取り出した。溶融樹脂組成物中の二酸化炭素量は0.4重量%であった。
測定及び評価の結果を表1に示す。
表1から分かるように、二酸化炭素を溶解含有させることによって溶融粘度を10%以上低下させた、樹脂成分(A)と非ハロゲン難燃剤(B)とを包含する樹脂組成物を溶融して成形することによって得られた成形体については、成形体に分散した大きさが50μm以上の粒子の数が0〜100/mm2となり、成形体は優れた難燃性、耐衝撃性、品質安定性、及び外観を示す。
比較例1
ベント部分に二酸化炭素ガスを供給せず、また、二酸化炭素ガスによる金型キャビティの加圧を行わないこと以外は実施例1と同様にして、成形体を製造した。樹脂組成物充填に必要な成形機シリンダー内樹脂組成物圧力を測定した。充填必要圧力は235MPaであった。
測定及び評価の結果を表1に示す。
表1から分かるように、二酸化炭素を溶解含有せず、したがって溶融粘度の低下していない、樹脂成分(A)と非ハロゲン難燃剤(B)とを包含する樹脂組成物を溶融して成形しても、得られた成形体については、成形体に分散した大きさが50μm以上の粒子の数が100/mm2を越え、成形体は優れた難燃性、耐衝撃性、品質安定性、及び外観を示さない。
実施例2〜3、比較例2〜4
実施例2〜3、比較例4においては、樹脂組成物の組成比を表2のように変更し、かつ二酸化炭素の導入量を制御して溶融粘度の低下率を変更すること以外は実施例1と同様にして、成形体を製造した。
比較例2〜3においては、樹脂組成物の組成比を表2のように変更すること以外は比較例1と同様にして、成形体を製造した。
測定及び評価の結果を表2に示す。
表2から分かるように、二酸化炭素を溶解含有させることによって溶融粘度を10%以上低下させた、樹脂成分(A)と非ハロゲン難燃剤(B)とを包含する樹脂組成物を溶融して成形することによって得られた成形体については、成形体に分散した大きさが50μm以上の粒子の数が0〜100/mm2となり、成形体は優れた難燃性、耐衝撃性、品質安定性、及び外観を示す。また、二酸化炭素を溶解含有せず、したがって溶融粘度の低下していない、樹脂成分(A)と非ハロゲン難燃剤(B)とを包含する樹脂組成物を溶融して成形しても、得られた成形体については、成形体に分散した大きさが50μm以上の粒子の数が100/mm2を越え、成形体は優れた難燃性、耐衝撃性、品質安定性、及び外観を示さない。
さらに、樹脂組成物が非ハロゲン難燃剤ではなくハロゲン難燃剤を含有している場合(比較例4)は、二酸化炭素を溶解させることによって溶融粘度を低下させた該樹脂組成物を溶融して成形しても、得られた成形体については、成形体に分散した大きさが50μm以上の粒子の数が100/mm2を越え、成形体は優れた難燃性、耐衝撃性、品質安定性、及び外観を示さない。
実施例4〜49 比較例5
実施例4〜49においては、樹脂組成物の組成比を表3のように変更すること以外は実施例1と同様にして、成形体を製造した。
比較例5においては、樹脂組成物の組成比を表3のように変更すること以外は比較例1と同様にして、成形体を製造した。
測定及び評価の結果を表3に示す。
表3における実施例7の結果が示すように、二酸化炭素を溶解含有させることによって溶融粘度を9%低下させた、樹脂成分(A)と非ハロゲン難燃剤(B)とを包含する樹脂組成物を溶融して成形することによって得られた成形体についても、成形体に分散した大きさが50μm以上の粒子の数が0〜100/mm2となることがある。この場合、成形体は優れた難燃性、耐衝撃性、品質安定性、及び外観を示す。
産業上の利用可能性
本発明の成形体は、難燃性だけでなく外観、耐衝撃性及び品質安定性に優れているので、VTR、分電盤、テレビ、オーディオプレーヤー、コンデンサ、家庭用コンセント、ラジカセ、ビデオカセット、ビデオディスクプレイヤー、エアコンディショナー、加湿機、電気温風機械等の家電ハウジング、シャーシまたは部品、CD−ROMのメインフレーム(メカシャーシ)、プリンター、ファックス、PPC、CRT、ワープロ複写機、電子式金銭登録機、オフィスコンピューターシステム、フロッピーディスクドライブ、キーボード、タイプ、ECR、電卓、トナーカートリッジ、電話等のOA機器ハウジング、シャーシまたは部品、コネクタ、コイルボビン、スイッチ、リレー、リレーソケット、LED、バリコン、ACアダップター、FBT高圧ボビン、FBTケース、IFTコイルボビン、ジャック、ボリュウムシャフト、モーター部品等の電子・電気材料、そして、インスツルメントパネル、ラジエーターグリル、クラスター、スピーカーグリル、ルーバー、コンソールボックス、デフロスターガーニッシュ、オーナメント、ヒューズボックス、リレーケース、コネクタシフトテープ等の自動車材料等に好適で用いることができる。
Claims (8)
- 芳香族ポリカーボネートのみからなる、または芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂成分(A)と、非ハロゲン難燃剤(B)とを包含する難熱性ポリカーボネート系樹脂組成物を溶融して成形することによって得られる成形体であって、該成形体中に分散した大きさが50μm以上の粒子の数が、該成形体から切り出された平板試験片の表面について測定したときに0〜100/mm 2 であり、成形されつつある該溶融樹脂組成物が二酸化炭素を溶融含有しており、該溶融樹脂組成物の示すせん断溶融粘度が、二酸化炭素を溶融含有していないときの該樹脂組成物より低くなってることを特徴とする成形体。
- 二酸化炭素を溶解含有している該溶融樹脂組成物が、二酸化炭素を溶解させていないときに比べて10%以上低いせん断溶融粘度を示すことを特徴とする、請求項1に記載の成形体。
- 二酸化炭素を溶解含有している該溶融樹脂組成物を、該溶融樹脂組成物のフローフロントで発泡が起きない圧力に二酸化炭素ガスで加圧してある金型キャビティに射出して成形することによって製造されることを特徴とする請求項1または2に記載の成形体。
- 該非ハロゲン難燃剤が、有機系難燃剤及び無機系難燃剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの難燃剤であること特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の成形体。
- 該有機系難燃剤が、珪素系難燃剤、硫黄系難燃剤及びりん系難燃剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの難燃剤であることを特徴とする、請求項4に記載の成形体。
- 該珪素系難燃剤が、式R3SiO0.5で表されるM単位、式R2SiO1.0で表されるD単位、式RSiO1.5で表されるT単位、及び、式SiO2.0で表されるQ単位(ただし、Rは各々独立に炭素数1〜20の炭化水素基を表す)からなる群から選ばれる少なくとも1つの単位を含有するポリオルガノシロキサンであることを特徴とする、請求項5に記載の成形体。
- ペレットである、請求項1〜6のいずれかに記載の成形体。
- 実用品である、請求項1〜6のいずれかに記載の成形体。
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