JP2003003077A - 無機物含有重合体組成物 - Google Patents

無機物含有重合体組成物

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JP2003003077A JP2001189928A JP2001189928A JP2003003077A JP 2003003077 A JP2003003077 A JP 2003003077A JP 2001189928 A JP2001189928 A JP 2001189928A JP 2001189928 A JP2001189928 A JP 2001189928A JP 2003003077 A JP2003003077 A JP 2003003077A
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Hajime Nishihara
一 西原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的強度、難燃性及び押出安定性(品質安
定性)に優れた重合体組成物を提供すること。 【解決手段】 (A)珪素含有化合物で表面被覆された
無機系化合物、(B)機能付与剤、及び(C)重合体と
からなる重合体組成物において、(A)の無機系化合物
の平均粒子径が1nm以上で1000nm未満であるこ
とを特徴とする重合体組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機物含有重合体
組成物に関するものである。更に詳しくは、機械的強
度、難燃性及び押出安定性(品質安定性)に優れた重合
体組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性重合体等の重合体は、成形性に
優れることに加え、耐衝撃性、可とう性に優れているこ
とから、自動車用材料、電気材料、住宅材料を始めとす
る多岐の分野で使用されている。近年かかる分野で材料
の難燃性を改良するために無機系フィラーを添加するこ
とが行なわれているが、高度の難燃性を付与するために
は、多量の無機系フィラーを添加する必要があるため
に、重合体の機械的強度の低下を招くという問題があっ
た。
【0003】この問題に対しては、シリカとポリジオル
ガノシロキサンからなる平均粒子径1〜1000μmの
シリコーンポリマーパウダーを含んだ樹脂組成物(米国
特許5, 391, 594号明細書)、熱可塑性樹脂にシ
リコーン及び無機物との混合物が添加された難燃性樹脂
組成物(特開平11ー140329号公報)、ポリジオ
ルガノシロキサンガムとシリカからなる平均粒度が1〜
1000μmのシリコーンゴム粉末とポリフェニレンエ
ーテルとの樹脂組成物(特開平5ー230362号公
報)、ポリフェニレンエーテルと液体ポリジオルガノシ
ロキサンと充填剤とからなる難燃性ポリフェニレンエー
テル組成物(特開平5ー262977号公報)、ポリフ
ェニレンエーテル、形状異方性フィラー、リン酸エステ
ル系難燃剤、及びポリジオルガノシロキサンとシリカか
らなるシリコーンポリマー粉末からなる熱可塑性樹脂組
成物(特開平10ー46025号公報)が開示されてい
る。しかしながら、上記公報において用いられている無
機系化合物の粒子径は大きいために難燃性と機械的強度
が劣り、実用的使用に耐えうる難燃性重合体組成物が求
められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑み、上記のような問題点のない、即ち機械的強
度、難燃性及び押出安定性(品質安定性)に優れた重合
体組成物を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は機械的強度と
難燃性に優れた重合体組成物を鋭意検討した結果、特定
の無機系化合物を用いることにより、驚くべきことに機
械的強度だけでなく、押出安定性及び難燃性をも飛躍的
に向上せしめることを見出し、本発明を完成した。即
ち、本発明は、(A)珪素含有化合物で表面被覆された
無機系化合物(以下、単に(A)ということがあ
る。)、(B)機能付与剤(以下、単に(B)というこ
とがある。)、及び(C)重合体(以下、単に(C)と
いうことがある。)とからなる重合体組成物において、
(A)の無機系化合物の平均粒子径が1nm以上で10
00nm未満であることを特徴とする重合体組成物、及
び(A)に(B)が担持されていることを特徴とする重
合体組成物を提供するものである。
【0006】以下、本発明に関して詳しく述べる。本発
明の組成物は、(A)特定の無機系化合物、(B)機能
付与剤、及び(C)重合体とからなる重合体組成物であ
る。ここで、(A)の無機系化合物は珪素含有化合物で
表面被覆され、かつ平均粒子径が1以上で1000nm
未満であることが必須であり、好ましくは1〜900n
m、さらに好ましくは1〜700nm、最も好ましくは
1〜500nmであり、極めて好ましくは1〜100n
mである。上記要件を満足することにより、(A)の
(C)重合体中での分散性が向上すると同時に、(A)
の表面被覆の珪素含有化合物(例えば、後述するポリオ
ルガノシロキサン及び/又はシランカップリング剤等の
場合は、(A)の無機系化合物表面に化学結合した被膜
を形成する。)と(B)が親和性があると、(A)に
(B)が吸着し結果として(B)の分散性も飛躍的に向
上するため、機械的強度、難燃性及び押出安定性が向上
することを見出し、本発明を完成した。
【0007】以下に本発明の各成分について詳細に説明
する。本発明における(A)の無機系化合物は珪素含有
化合物での表面被覆と平均粒子径の要件を満足しておれ
ば特に制限されない。例えば、酸化珪素または酸化アル
ミニウム等である。(A)の無機系化合物は、中でも酸
化珪素が好ましい。酸化珪素は合成シリカとも言われ、
大別すると、湿式法と乾式法の2通りの合成法がある。
前者は、ケイ酸ソーダと鉱酸との反応により合成される
もの、アルコキシシランの加水分解によるもの等があ
る。後者には、ハロゲン化ケイ素の酸水素炎中での高温
加水分解により合成されるもの等がある。このような合
成シリカは非晶質であることが好ましい。前記好ましい
非晶質シリカは、水とアルカリ金属シリケートの混合物
に60ー90℃で酸を添加することにより製造される。
水及び/またはシリケートは別々に加熱してもよいし、
同時に混合して加熱してもよい。アルカリ金属シリケー
トは、メタまたはジシリケートのアルカリ金属またはア
ルカリ土類金属塩等であり、特に制限されない。また反
応媒体として硫酸ナトリウム等の電解質を用いることが
好ましい。
【0008】前記好ましいもう一つの非晶質シリカとし
て、ヒュームドシリカと称される、親水性または疎水性
ヒュームドシリカが挙げられ、特に疎水性ヒュームドシ
リカが好ましい。このようなヒュームドシリカは特開2
000ー86227号公報に記載の方法により製造さ
れ、4塩化珪素と水素、酸素、水を用いて、高温加水分
解する乾式法により製造することができる。例えば、揮
発性珪素化合物を原料とし、これを可燃ガス及び酸素を
含有する混合ガスと共にバーナーに供給して燃焼させた
火炎中で1000〜2100℃の高温で加熱分解するこ
とにより得られる。原料となる揮発性珪素化合物として
は、例えば揮発性のハロゲン化珪素化合物が好ましく、
SiH4,SiCl4,CH3SiCl3,CH3SiHCl2,HSiCl3,(CH3)2SiCl2,
(CH3)3SiCl,(CH3)2SiH2,(CH3)3SiH, アルコキシシラン
類等が挙げられる。また可燃ガス及び酸素を含有する混
合ガスは水を生成さうるもにが好ましく、水素やメタ
ン、ブタン等が適当であり、酸素含有ガスとして酸素、
空気等が用いられる。
【0009】揮発性珪素化合物と混合ガスの量比は、揮
発性珪素化合物のモル当量を1モル当量として、酸素及
び可燃性ガスである水素を含む混合ガス中の酸素のモル
当量2.5〜3.5及び水素のモル当量を1.5〜3.
5の範囲に調整する。尚、ここで酸素と水素についての
モル当量とは、各原料化合物(揮発性珪素化合物)と反
応する化学量論的な当量を指している。また、メタン等
の炭化水素燃料を用いる場合は、水素換算のモル当量を
指す。シリカの平均粒子径を小さくするには、揮発性珪
素化合物1モルに対して、水素、酸素を過剰量用いるこ
とにより、反応混合物中の固体(シリカ)/気体(酸
素、水素)の比を小さくし、これにより固体粒子間の衝
突を少なくして溶融による粒子成長を抑制することによ
り達成することができる。
【0010】これらのシリカは、珪素含有化合物で表面
処理、例えばポリオルガノシロキサン(後述する(B)
としてのポリオルガノシロキサンであって良い。)及び
/又はシランカップリング剤(後述する(B)としての
シランカップリング剤であって良い。)等で表面処理さ
れ、該シリカ表面に珪素含有化合物が結合される。
(A)を芳香族基を含有する重合体(C)に配合する場
合は、特に芳香族基を有する珪素含有化合物で表面処理
することが好ましい。これらのシリカは、例えばジメチ
ルシリコーンオイル処理、メチルフェニルシリコーンオ
イル処理及び/又はジメチルジクロロシラン処理、ヘキ
サメチルジシラザン処理、オクチルシラン処理、メタク
リロキシシラン処理、アミノシラン、ヘキサメチルジシ
ラザン処理したものが好適に用いることができる。中で
もジメチルシリコーンオイル処理、メチルフェニルシリ
コーンオイル処理等のジオルガノシリコーン処理したも
のが最も好ましい。表面処理は例えば、特開平9ー31
0027、同9ー59533、同6ー87609号公報
に記載された方法で行い、具体的には、ヘンシェルミキ
サー等の攪拌装置を備えた容器に、シリカを入れ、攪拌
しながら各種表面処理剤を添加し、望ましくはスプレー
により散布して均一に混合することにより行なうことが
できる。
【0011】(A)の表面被覆剤の珪素含有化合物は、
無機系化合物100重量部に対し0.01〜100重量
部、好ましくは0.1〜80重量部、より好ましくは1
〜50重量部用いられる。(A)の量は、(C)100
重量部に対して、0. 001〜200重量部であり、好
ましくは0.01〜100重量部、より好ましくは0.
1〜50重量部、更に好ましくは0.1〜20重量部、
最も好ましくは1〜10重量部である。
【0012】本発明において、(B)は重合体に難燃性
を始めとする各種の機能を付与するための成分であり、
例えば難燃剤、分散剤、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、
着色剤、発泡剤、滑剤、香料、発煙抑制剤、粘着付与
剤、防腐剤、保温剤、耐衝撃性向上剤、忌避剤、湿潤
剤、界面活性剤、乳化剤、不安定化剤、凝固剤、消泡
剤、凍結防止剤、クリーミング剤、増粘剤、感熱剤、起
泡剤等添加剤である。これらの中で難燃剤、分散剤、可
塑剤、熱安定剤、光安定剤が好ましい。上記(B)成分
として使用する難燃剤は、ポリオルガノシロキサン、有
機金属塩系、有機ハロゲン系、有機リン系、有機窒素系
または有機繊維状難燃剤等から選ばれる一種以上の難燃
剤が挙げられる。
【0013】上記(B)ポリオルガノシロキサンは、シ
リコーンまたは有機シリケート等で代表される。上記ポ
リオルガノシロキサンは、性状からオイル、樹脂、ゴム
に分類される。オイルは直鎖状または環状のポリジオル
ガノシロキサンであり、樹脂は単官能のR3 SiO1/2
で表されるM単位、二官能のR2 SiO1.0 で表される
D単位、三官能のRSiO3/2 で表されるT単位、四官
能のSiO2 で表されるQ単位、アルコキシまたはアリ
ーロキシを含有したR(RO)SiO2.0 (X単位)、
(RO)2 SiO3.0 (Y単位)の構造単位を組み合わ
せてできる、分岐構造を含有した直鎖状ポリオルガノシ
ロキサンまたは三次元網状構造を有するシリコーン樹脂
であり、ゴムは高分子量タイプのガム状直鎖状のポリジ
オルガノシロキサンの加硫体等である。ここで、Rは炭
素数1〜20の炭化水素であり、メチル基、エチル基、
ブチル基、フェニル基、ベンジル基が好ましく、特にメ
チル基とフェニル基を含有するものが好ましい。
【0014】その他のポリオルガノシロキサンとして
は、エポキシ、アミノ、メルカプト、メタクリル基等で
変性した変性ポリオルガノシロキサン、またはポリカー
ボネート(PC)ーシリコーン共重合体、アクリルゴム
ーシリコーン複合体等がある。本発明において、好まし
いポリオルガノシロキサンの一つの直鎖状または環状の
ポリジオルガノシロキサンは、中でも芳香族基を含有
し、JIS−K2410規定の25℃における動粘度が
10センチストークス以上であることが好ましく、より
好ましくは100センチストークス以上、更に好ましく
は1000センチストークス以上である。
【0015】本発明において、もう一つの好ましいポリ
オルガノシロキサンは、分岐構造を含有した直鎖状また
は環状ポリオルガノシロキサン(分岐シリコーン)また
は三次元網状構造を有するシリコーン樹脂(架橋シリコ
ーン樹脂)である。このようなシリコーンは、RSiO
1.5 (T単位)及び/またはR2 SiO1.0 (D単位)
からなり、必要に応じて、R3 SiO0.5 (M単位)、
SiO2.0 (Q単位)、R(RO)SiO2.0 (X単
位)、(RO)2 SiO3.0 (Y単位)を含有しても良
い。ここで、Rは炭素数1〜20の炭化水素であり、メ
チル基、エチル基、ブチル基、フェニル基、ベンジル基
が好ましく、特にメチル基とフェニル基を含有するもの
が好ましい。フェニル基が10重量%以上含有する場合
には、耐水性、熱安定性、芳香族系樹脂との相溶性が向
上する。
【0016】本発明において最も好ましい(B)として
の難燃剤は、直鎖状ポリオルガノシロキサンであって、
分子中に少なくとも1つの芳香族基を有し、重量平均分
子量が500〜5000、より好ましくは500〜20
00である。(B)の量は、(A)100重量部に対し
て、0. 01〜200重量部であり、好ましくは0.1
〜100重量部、より好ましくは1〜50重量部、更に
好ましくは1〜20重量部、最も好ましくは1〜10重
量部である。前記(B)としての難燃剤は、他に有機金
属塩系、有機ハロゲン系、有機リン系、有機窒素系また
は有機繊維状難燃剤から選ばれる一種以上の難燃剤があ
る。
【0017】上記難燃剤としての有機金属塩系難燃剤
は、例えば、トリクロロベンゼンスルフォン酸カリウ
ム、パーフルオロブタンスルフォン酸カリウム、ジフェ
ニルスルフォンー3ースルフォン酸カリウム等の有機ス
ルフォン酸金属塩、芳香族スルフォンイミド金属塩、あ
るいはスチレン系重合体、ポリフェニレンエーテル等の
芳香族基含有重合体の芳香環に、スルフォン酸金属塩、
硫酸金属塩、リン酸金属塩、ホウ酸金属塩が結合した、
ポリスチレンスルフォン酸アルカリ金属塩等の金属塩系
難燃剤である。このような金属塩系難燃剤は、特に
(C)重合体がポリカーボネートの場合には、燃焼時に
脱炭酸反応を促進して難燃性を向上させる。更にポリス
チレンスルフォン酸アルカリ金属塩では、自らスルフォ
ン酸金属塩が燃焼時に架橋点となり炭化被膜形成に大き
く寄与する。
【0018】上記難燃剤としての有機ハロゲン系難燃剤
は、ハロゲン化ビスフェノ−ル、芳香族ハロゲン化合
物、ハロゲン化ポリカーボネート、ハロゲン化芳香族ビ
ニル系重合体、ハロゲン化シアヌレート樹脂、ハロゲン
化ポリフェニレンエーテル等が挙げられ、好ましくはデ
カブロモジフェニルオキサイド、テトラブロムビスフェ
ノールA、テトラブロムビスフェノールAのオリゴマ
ー、ブロム化ビスフェノール系フェノキシ樹脂、ブロム
化ビスフェノール系ポリカ−ボネ−ト、ブロム化ポリス
チレン、ブロム化架橋ポリスチレン、ブロム化ポリフェ
ニレンオキサイド、ポリジブロムフェニレンオキサイ
ド、デカブロムジフェニルオキサイドビスフェノール縮
合物、含ハロゲンリン酸エステル及びフッ素系樹脂等で
ある。
【0019】上記難燃剤としての有機リン系難燃剤とし
ては、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ビホスフィ
ン、ホスホニウム塩、ホスフィン酸塩、リン酸エステ
ル、亜リン酸エステル等である。より具体的には、トリ
フェニルフォスフェート、メチルネオぺンチルフォスフ
ァイト、ぺンタエリスリトールジエチルジフォスファイ
ト、メチルネオペンチルフォスフォネート、フェニルネ
オペンチルフォスフェート、ペンタエリスリトールジフ
ェニルジフォスフェート、ジシクロペンチルハイポジフ
ォスフェート、ジネオペンチルハイポフォスファイト、
フェニルピロカテコールフォスファイト、エチルピロカ
テコールフォスフェート、ジピロカテコールハイポジフ
ォスフェートである。ここで、特に有機リン系難燃剤と
して、芳香族系リン酸エステル単量体、芳香族系リン酸
エステル縮合体が好ましい。
【0020】上記難燃剤としての有機窒素系難燃剤は、
トリアジン骨格含有化合物が代表的であり、有機リン系
難燃剤の難燃助剤として一層の難燃性を向上させるため
の成分である。その具体例としては、メラミン、メラ
ム、メレム、メロン(600°C以上でメレム3分子か
ら3分子の脱アンモニアによる生成物)、メラミンシア
ヌレ−ト、リン酸メラミン、サクシノグアナミン、アジ
ポグアナミン、メチルグルタログアナミン、メラミン樹
脂、BTレジン を挙げることができるが、低揮発性の
観点から特にメラミンシアヌレ−トが好ましい。上記難
燃剤としての有機繊維状難燃剤は、火種の滴下防止のた
めに用いられる難燃剤であり、添加時もしくは加工時に
繊維状となる。その具体例として、アラミド繊維、ポリ
アクリロニトリル繊維、フッ素系樹脂等が上げられる。
【0021】上記(B)の1種として挙げた分散剤は、
(A)の分散性を向上させるための成分であり、例えば
ビニルメトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン、
フェニルメトキシシラン等のアリーロキシアルコキシシ
ランのようなシランカップリング剤、またはその他の有
機珪素化合物を挙げることができる。前記(B)の1種
として挙げた可塑剤の例としては、フタル酸ジメチル、
フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル等のフタル酸
エステル、フタル酸ブチルベンジルエステル等のフタル
酸混基エステル、コハク酸ジイソデシル、アジピン酸ジ
オクチル等の脂肪族2塩基酸エステル、ジエチレングリ
コ−ルジベンゾエ−ト等のグリコ−ルエステル、オレイ
ン酸ブチル、アセチルリシノ−ル酸メチル等の脂肪族酸
エステル、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等の
エポキシ可塑剤であり、その他、トリメリット酸トリオ
クチル、エチルフタリルエチルグリコレ−ト、ブチルフ
タリルブチルグリコレ−ト、アセチルクエン酸トリブチ
ル、塩素化パラフィン、ポリプロピレンアジペ−ト、ポ
リエチレンセバケ−ト、トリアセチン、トリブチリン、
トルエンスルホンアミド、アルキルベンゼン、ビフェニ
ル、部分水添タ−フェニル、ショウノウ等を挙げること
ができる。
【0022】前記(B)としての熱安定剤の例として
は、金属石ケン、鉛安定剤、有機錫安定剤、複合安定
剤、エポキシ化合物等を挙げることができる。前記
(B)としての光安定剤は、紫外線吸収剤、ヒンダ−ド
アミン系光安定剤、酸化防止剤、活性種捕促剤、遮光
剤、金属不活性剤、または消光剤等から選ばれる光安定
剤である。前記(B)としての発泡剤の例としては、ア
ゾ系発泡剤、N−ニトロソ系発泡剤、スルフォニルヒド
ラジド等を挙げることができる。前記(B)としての滑
剤の例としては、流動パラフィン等の炭化水素系滑剤、
脂肪酸系滑剤、脂肪酸アミド系滑剤、アルコ−ル系滑
剤、金属石ケン類等を挙げることができる。
【0023】本発明における前記(C)成分は、ゴム状
重合体、熱可塑性樹脂、または熱硬化性樹脂等の重合体
であるが、その中でも熱可塑性樹脂が好ましい。本発明
において(C)の中のでも最も好ましい重合体である熱
可塑性樹脂は、例えば、ポリ芳香族ビニル系、ポリカー
ボネート系、ポリフェニレンエーテル系、ポリオレフィ
ン系、ポリ塩化ビニル系、ポリアミド系、ポリエステル
系、ポリフェニレンスルフィド系、ポリメタクリレート
系重合体等の単独もしくは二種以上を混合したものを使
用することができる。特にポリ芳香族ビニル系、ポリカ
ーボネート系、ポリフェニレンエーテル系の熱可塑性重
合体が好ましい。中でも芳香族ポリカーボネート単独ま
たは芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂が極めて
好ましく、例えば芳香族ポリカーボネートと芳香族ビニ
ル系重合体からなるブレンド体、または芳香族ポリカー
ボネート、芳香族ビニル系重合体、及びポリフェニレン
エーテルからなるブレンド体が最も好ましい。
【0024】本発明において(C)成分として使用する
芳香族ポリカーボネートは、芳香族ホモポリカーボネー
トと芳香族コポリカーボネートより選ぶことができる。
製造方法としては、2官能フェノール系化合物に苛性ア
ルカリ及び溶剤の存在下でホスゲンを吹き込むホスゲン
法、あるいは、例えば、二官能フェノール系化合物と炭
酸ジエチルとを触媒の存在下でエステル交換させるエス
テル交換法を挙げることができる。該芳香族ポリカーボ
ネートは粘度平均分子量が1万〜10万の範囲が好適で
ある。ここで、上記2官能フェノール系化合物は、2,
2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,
2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニ
ル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジフェ
ニル)ブタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジプロピルフェニル)プロパン、1,1’−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1−フェ
ニル−1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン等であり、特に2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン〔ビスフェノールA〕が好ましい。本発
明において、2官能フェノール系化合物は、単独で用い
てもよいし、あるいはそれらを併用してもよい。
【0025】本発明における上記(C)成分の芳香族ビ
ニル系重合体は、ゴム変性芳香族ビニル系樹脂、ゴム非
変性芳香族ビニル系樹脂、芳香族ビニル系熱可塑性エラ
ストマーから選ばれる一種以上の芳香族ビニル系重合体
である。上記ゴム変性芳香族ビニル系樹脂は、芳香族ビ
ニル系樹脂のマトリックス及びその中に分散したゴム粒
子よりなり、該芳香族ビニル系樹脂は、ゴム状重合体の
存在下に芳香族ビニル単量体及び所望ならばこれと共重
合可能なビニル単量体を加えて、単量体(又はその混合
物)を公知の塊状重合法、塊状懸濁重合法、溶液重合
法、または乳化重合法により、ゴム状重合体にグラフト
重合することにより得ることができる。このような重合
体の例としては、耐衝撃性ポリスチレン、ABS樹脂
(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリルゴム−
スチレン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル−
エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体)等が挙げ
られる。
【0026】ここで、前記ゴム状重合体は、ガラス転移
温度(Tg)が−30℃以下であることが必要であり、
−30℃を越えると耐衝撃性が低下する。このようなゴ
ム状重合体の例としては、ポリブタジエン、ポリ(スチ
レン−ブタジエン)、ポリ(アクリロニトリル−ブタジ
エン)等のジエン系ゴム及び上記ジエンゴムを水素添加
した飽和ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ポ
リアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴム及びエチレン−
プロピレン−ジエンモノマー三元共重合体(EPDM)
等を挙げることができ、特にジエン系ゴムが好ましい。
上記のゴム状重合体の存在下に重合させるグラフト重合
可能な単量体混合物中の必須成分の芳香族ビニル単量体
は、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチ
ルスチレン等であり、スチレンが最も好ましいが、スチ
レンを主体に上記他の芳香族ビニル単量体を共重合して
もよい。
【0027】また、(C)の中のゴム変性芳香族ビニル
系樹脂の成分として必要に応じて、芳香族ビニル単量体
に共重合可能な単量体成分を一種以上導入することがで
きる。耐油性を高める必要のある場合は、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル単量体を
用いることができる。そして、ブレンド時の溶融粘度を
低下させる必要のある場合は、炭素数が1〜8のアルキ
ル基からなるアクリル酸エステルを用いることができ
る。また更に、樹脂組成物の耐熱性を更に高める必要の
ある場合は、α−メチルスチレン、アクリル酸、メタク
リル酸、無水マレイン酸、N−置換マレイミド等の単量
体を共重合してもよい。単量体混合物中に占める上記ビ
ニル芳香族単量体と共重合可能なビニル単量体の含量は
0〜40重量%である。
【0028】ゴム変性芳香族ビニル系樹脂におけるゴム
状重合体は、好ましくは5〜80重量%、特に好ましく
は10〜50重量%、グラフト重合可能な単量体混合物
は、好ましくは95〜20重量%、更に好ましくは90
〜50重量%の範囲にある。この範囲内では、目的とす
る樹脂組成物の耐衝撃性と剛性のバランスが向上する。
更には、スチレン系重合体のゴム粒子径は、0.1〜
5.0μmが好ましく、特に0.2〜3.0μmが好適
である。上記範囲内では、特に耐衝撃性が向上する。ゴ
ム変性芳香族ビニル系樹脂の分子量の尺度である樹脂部
分の還元粘度ηsp/c(0.5g/dl、30℃測
定:マトリックス樹脂がポリスチレンの場合はトルエン
溶液、マトリックス樹脂が不飽和ニトリル−芳香族ビニ
ル共重合体の場合はメチルエチルケトン)は、0.30
〜0.80dl/gの範囲にあることが好ましく、0.
40〜0.60dl/gの範囲にあることがより好まし
い。ゴム変性スチレン系樹脂の還元粘度ηsp/cに関
する上記要件を満たすための手段としては、重合開始剤
量、重合温度、連鎖移動剤量の調整等を挙げることがで
きる。
【0029】ゴム変性芳香族ビニル系樹脂の製造方法と
しては、特に、ゴム状重合体、単量体(又は単量体混合
物)、及び重合溶媒よりなる均一な重合原液を撹はん機
付き連続多段式塊状重合反応機に供給し、連続的に重
合、脱揮する塊状重合法が好ましい。塊状重合法により
ゴム変性スチレン重合体を製造する場合、還元粘度ηsp
/cの制御は、重合温度、開始剤種と量、溶剤、及び連鎖
移動剤量により行なうことができる。又、単量体混合物
を用いる場合、共重合組成の制御は、仕込み単量体組成
により行なうことができる。そして、ゴム粒子径の制御
は、撹はん回転数で行なうことができる。即ち、小粒子
化は回転数を上げ、大粒子化は回転数を下げることによ
り達成できる。
【0030】本発明において用いられる(C)としての
芳香族ビニル系熱可塑性エラストマ−は、芳香族ビニル
単位と共役ジエン単位からなるブロック共重合体、また
は上記共役ジエン単位部分が部分的に水素添加されたブ
ロック共重合体である。上記ブロック共重合体を構成す
る芳香族ビニル単量体は、例えば、スチレン、α−メチ
ルスチレン、パラメチルスチレン、p−クロロスチレ
ン、p−ブロモスチレン、2,4,5−トリブロモスチ
レン等であり、スチレンが最も好ましいが、スチレンを
主体に上記他の芳香族ビニル単量体を共重合してもよ
い。また、上記ブロック共重合体を構成する共役ジエン
単量体は、1,3−ブタジエン、イソプレン等を挙げる
ことができる。
【0031】そして、ブロック共重合体のブロック構造
は、芳香族ビニル単位からなる重合体ブロックをSで表
示し、共役ジエン及び/またはその部分的に水素添加さ
れた単位からなる重合体ブロックをBで表示する場合、
SB、S(BS)n、(但し、nは1〜3の整数)、S
(BSB)n、(但し、nは1〜2の整数)のリニア−
ブロック共重合体や、(SB)nX(但し、nは3〜6
の整数。Xは四塩化ケイ素、四塩化スズ、ポリエポキシ
化合物等のカップリング剤残基。)で表示される、B部
分を結合中心とする星状(スタ−)ブロック共重合体で
あることが好ましい。なかでもSBの2型、SBSの3
型、SBSBの4型のリニア−ブロック共重合体が好ま
しい。
【0032】本発明において(C)成分の一つのポリフ
ェニレンエーテルは、主鎖に芳香環を有し、それらがエ
ーテル結合で結合された単独重合体及び/又は共重合体
であり、具体的には、ポリ(2,6−ジメチル−1,4
−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノール
と2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体等が
好ましく、中でもポリ(2,6−ジメチル−1,4−フ
ェニレンエーテル)が好ましい。かかるポリフェニレン
エ−テルの製造方法は特に限定されるものではなく、例
えば、米国特許第3,306,874号明細書記載の方
法による第一銅塩とアミンのコンプレックスを触媒とし
て用い、例えば2,6キシレノールを酸化重合すること
により容易に製造でき、そのほかにも米国特許第3,3
06,875号明細書、米国特許第3,257,357
号明細書、米国特許3,257,358号明細書、及び
特公昭52−17880号公報、特開昭50−5119
7号公報に記載された方法で容易に製造できる。本発明
にて用いる上記ポリフェニレンエ−テルの還元粘度ηs
p/c(0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃測
定)は、0.20〜0.70dl/gの範囲にあること
が好ましく、0.30〜0.60dl/gの範囲にある
ことがより好ましい。ポリフェニレンエ−テルの還元粘
度ηsp/cに関する上記要件を満たすための手段とし
ては、前記ポリフェニレンエ−テルの製造の際の触媒量
の調整などを挙げることができる。
【0033】本発明の重合体組成物を製造する際に
(A)に(B)を担持せしめることができる。担持する
方法として、前もって(A)に(B)を含浸させて担持
してから、(C)と溶融混合してもよいし、あるいは
(A)(B)(C)を同時に溶融混合して、混合の過程
で(B)が(A)に担持されても良い。また、本発明の
組成物には、その特徴を損ねない範囲で、上記(A)、
(B)以外の常用の添加剤を含有することが可能であ
る。
【0034】本発明の組成物の製造には、通常の樹脂組
成物、ゴム組成物の製造に用いられるバンバリーミキサ
ー、ニーダー、単軸押出機、2軸押出機、等の一般的な
方法を採用することが可能であるが、2軸押出機が好ま
しく用いられる。2軸押出機は、(A)、(B)及び
(C)とを均一かつ微細に分散させ、さらに他の成分を
添加させて、本発明の組成物を連続的に製造するのに、
より適している。本発明の組成物は、まず本発明の要件
の平均粒子径を有する(A)を(B)中で、前もって製
造した後に、それを用いて溶融押出してもよいし、ある
いは(A)、(B)、(C)を同時に溶融押出しなが
ら、(A)が同時に本発明の要件の平均粒子径を有する
ように製造してもよく、製造法は特に制限されない。
【0035】また特に好ましい溶融押出法としては、原
料添加部を基点としてダイ方向に長さLを有し、かつL
/Dが5から100(但しDはバレル直径)である二軸
押出機を用いる場合である。二軸押出機は、その先端部
からの距離を異にするメインフィ−ド部とサイドフィ−
ド部の複数箇所の供給用部を有し、複数の上記供給用部
の間及び上記先端部と上記先端部から近い距離の供給用
部との間にニ−ディング部分を有し、上記ニ−ディング
部分の長さが、それぞれ3D〜10Dであることが好ま
しい。こうして得られた組成物は任意の成形方法で各種
成形品の製造が可能である。射出成形、押出成形、圧縮
成形、ブロー成形、カレンダー成形、発泡成形等が好ま
しく用いられる。本発明において、(A)、(B)、
(C)を同時に溶融混合し、又は(A)、(B)、
(C)からなる一種のマスターバッチを先ず成形し、こ
れを(C)に加え溶融混合して重合体組成物を成形し、
これを加工することにより、該成形加工品に難燃性、分
散性、吸油性、安定性等の各種機能を付与することがで
きる。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例により更に詳
細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。なお、これら実施例および比較例において、各種
物性の評価に用いた試験法は以下の通りである。 (1)無機系化合物の平均粒子径 無機系化合物の粒子径は、組成物の超薄切片法により撮
影した透過型電子顕微鏡写真中の500個の無機系化合
物の各粒子を以下の方法で算出する事により得られる。
すなわち、各粒子の粒子径は各粒子の面積Sを求め、S
を用いて、(4S/ π)0.5 を各粒子の粒子径とし、数
平均により平均粒子径を算出した。
【0037】(2)難燃性 UL−94に準拠したVB(Vertical Bur
ning)法により、自己消火性の評価を行った。(1
/8インチ厚み試験片) ◎:20秒未満に自己消火性 ○:20以上40秒未満で自己消火性 △:40秒以上で自己消火性 ×:全焼 (3)アイゾット衝撃強度 ASTMーD256に準拠した方法で測定した。(23
℃、Vノッチ付き1/4インチ厚み試験片) (4)押出安定性(品質安定性) 溶融押出機を用い、樹脂組成物を10時間連続溶融押出
しを行い、1時間毎に得られた組成物のアイゾット衝撃
強度を測定し、その平均強度に対する最大変化率(%)
から連続生産性(品質の安定性)を評価した。
【0038】実施例、比較例で用いる各成分は以下のも
のを用いた。 (イ)表面被覆無機系化合物 特開2000ー86227号公報に記載された方法で、
4塩化ケイ素の酸水素炎中での高温加水分解により合成
し、平均粒子径の異なったシリカを製造した。具体的に
は、4塩化珪素1.0モル当量を、60℃に予熱した酸
素と水素との混合ガス(酸素2.69モル当量、水素
1.60モル当量)と共にバーナーに供給し、燃焼(1
600℃)させて微粒子状のシリカを製造した。平均粒
子径の制御は4塩化珪素1.0モル当量に対する酸素と
水素のモル当量比を変更することにより行った。
【0039】次いで、各種表面処理剤で表面を被覆し
た。表面処理方法は例えば、特開平9ー310027、
同9ー59533、同6ー87609号公報に記載され
た方法で行い、例えば、上記シリカを密閉型ヘンシェル
ミキサーに入れ、容器内を窒素ガスで置換した後に、攪
拌しながら各種処理剤をシリカ100重量部に対して2
0重量部噴霧混合した。その後、250℃で30分加熱
攪拌を続け、室温まで冷却して表面処理シリカを製造し
た。ここでジメチルシリコーンで表面被覆する場合に
は、ポリエーテル変性ジメチルシリコーン(信越化学工
業社製、商品名:KF618)を、メチルフェニルシリ
コーンで表面被覆する場合には、25℃における動粘度
が100センチストークスのメチルフェニルシリコーン
を用いた。下記の表1〜3に上記各種シリカ(A)を記
載した。
【0040】(ロ)難燃剤 1)ポリオルガノシロキサン(表1〜3中の(B)) 公知の技術、例えば『シリコーンハンドブック』〔日刊
工業新聞社 伊藤邦雄編集(1990)〕の第17章
シリコーン製造法に従って、二官能のR 2 SiOで表さ
れるD単位、三官能のRSiO3/2 で表されるT単位の
量比、メチル基、フェニル基の量比の異なったシリコー
ンを製造した。具体的には、攪拌装置、冷却装置、温度
計が設置された反応器に水25モルとトルエンを仕込
み、内温度80℃まで昇温し、ジフェニルジクロロシラ
ン(D型)0.4モル、メチルフェニルジクロロシラン
(D型)0.3モル、ジメチルジクロロシラン(D型)
0.3モルを仕込み、攪拌下に80℃で1時間反応させ
た。次いで、室温まで冷却し、静置して水相を除去し、
トルエン相の水洗を中性になるまで繰り返した。引き続
き減圧蒸留によりトルエンを除去してポリオルガノシロ
キサン(D型、メチルフェニルシリコーン)を得た。T
型をポリオルガノシロキサンに導入する場合はフェニル
トリクロロシラン(T型)を上記D型の成分の一部また
は全量置き換えることにより行うことができる。 2)有機スルフォン酸塩 パーフルオロブタンースルフォン酸カリウム塩(大日本
インキ化学工業(株)製、SFと称する) 3)ポリテトラフルオロエチレン ダイキン工業(株)製、(PTFEと称する)
【0041】(ハ)重合体(表1〜3中の(C)) 1)芳香族ポリカーボネート(PC) 住友ダウ(株)製 〔ビスフェノールA型 商品名 カ
リバー13(PCと称する)〕 2)ゴム変性ポリスチレン(HIPS) 旭化成(株)製〔ポリブタジエン/ポリスチレン(10
/90:重量比)商品名 スタイロン(HIPSと称す
る)〕 3)ABS樹脂(ABS) 旭化成(株)製〔アクリロニトリル/ポリブタジエン/
スチレン(24/20/56:重量比)商品名 スタイ
ラックABS(ABSと称する)〕 4)スチレンーエチレンーブチレンースチレン共重合体
(SEBS) 5)スチレンーブタジエン共重合体(SB) 旭化成(株)製〔商品名 タフプレン(SBと称す
る)〕
【0042】6)ポリフェニレンエーテル(PPE) 旭化成(株)製〔商品名 ザイロン(PPEと称す
る)〕 7)ポリプロピレン(PP) 日本ポリケム(株)製(PPと称する) 8)エチレンーオクテン共重合体(EO) デュポンダウエラストマー製〔商品名 エンゲージ(E
Oと称する)〕 9)EO−PP架橋体(TPV) EO/PP=50/50(重量比)に有機過酸化物とジ
ビニルベンゼンを用いて二軸押出機で動的に架橋された
熱可塑性ポリプロピレンを用いた。(TPVと称する) 10)ポリエチレンテレフタレート(PET) 東洋紡績(株)製(PETと称する) 11)ポリアミド6(PA6) 東レ(株)製(PA6と称する)
【0043】(実施例1〜29)、(比較例 1〜5) ヘンシェルミキサーで、表1〜3記載の(A)、
(B)、(C)を混合し、引き続きバレル中央部に注入
口を有した二軸押出機(40mmφ、L/D=47)を
用いて、250℃の温度条件で10時間連続溶融押出を
行った。スクリューとしては注入口の前後に混練部を有
した2条スクリューを用いた。この際、(A)、
(B)、(C)の混合は、まず(A)に(B)を室温で
吸着または吸収させてから(C)または残りの成分(S
F、PTFE)を混合した。但し、実施例8は(A)、
(B)、(C)を同時に混合した。このようにして得ら
れた組成物からシリンダー設定温度250℃、金型温度
80℃にて射出成形により成形体を作製し、評価を行っ
た。その結果を次の表1〜3に記載した。表1〜3の結
果から、特に(A)に(B)を担持、即ち(A)の無機
系化合物の表面に被覆され結合された珪素含有化合物に
(B)が事前に吸収または吸着されることにより、
(A)とともに(B)の分散性が向上する結果として、
難燃性、アイゾット衝撃強度、及び押出安定性が向上す
ることが分かる。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【発明の効果】本発明の無機物含有重合体組成物は、卓
越した機械的強度、難燃性及び押出安定性(品質安定
性)に優れている。本発明の組成物は、VTR、分電
盤、テレビ、オ−ディオプレ−ヤ−、コンデンサ、家庭
用コンセント、ラジカセ、ビデオカセット、ビデオディ
スクプレイヤ−、エアコンディショナ−、加湿機、電気
温風機械等の家電ハウジング、シャ−シまたは部品、C
D−ROMのメインフレ−ム(メカシャ−シ)、プリン
タ−、ファックス、PPC、CRT、ワ−プロ複写機、
電子式金銭登録機、オフィスコンピュ−タ−システム、
フロッピ−(登録商標)ディスクドライブ、キ−ボ−
ド、タイプ、ECR、電卓、トナ−カ−トリッジ、電話
等のOA機器ハウジング、シャ−シまたは部品、コネク
タ、コイルボビン、スイッチ、リレ−、リレ−ソケッ
ト、LED、バリコン、ACアダップタ−、FBT高圧
ボビン、FBTケ−ス、IFTコイルボビン、ジャッ
ク、ボリュウムシャフト、モ−タ−部品等の電子・電気
材料、そして、インスツルメントパネル、ラジエ−タ−
グリル、クラスタ−、スピ−カ−グリル、ル−バ−、コ
ンソ−ルボックス、デフロスタ−ガ−ニッシュ、オ−ナ
メント、ヒュ−ズボックス、リレ−ケ−ス、コネクタシ
フトテ−プ等の自動車材料等に好適であり、これら産業
界に果たす役割は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 14:04 C04B 14:04 C 14:30 14:30) 111:28 111:28

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)珪素含有化合物で表面被覆された
    無機系化合物、(B)機能付与剤、及び(C)重合体と
    からなる重合体組成物において、(A)の無機系化合物
    の平均粒子径が1nm以上で1000nm未満であるこ
    とを特徴とする重合体組成物。
  2. 【請求項2】 上記珪素含有化合物がポリオルガノシロ
    キサン及び/又はシランカップリング剤であることを特
    徴とする請求項1記載の重合体組成物。
  3. 【請求項3】 上記無機系化合物が酸化珪素及び/また
    は酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の重合体組成物。
  4. 【請求項4】 上記酸化珪素が湿式法で製造された非晶
    質酸化珪素及び/または乾式法で製造された非晶質ヒュ
    ームド酸化珪素であることを特徴とする請求項3に記載
    の重合体組成物。
  5. 【請求項5】 (C)重合体が熱可塑性樹脂であること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の重合体組
    成物。
  6. 【請求項6】 上記熱可塑性樹脂が芳香族ポリカーボネ
    ート単独または芳香族ポリカーボネートを主体とする樹
    脂であることを特徴とする請求項5に記載の熱可塑性重
    合体組成物。
  7. 【請求項7】 (A)に(B)が担持されていることを
    特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の重合体組成
    物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の難燃性
    重合体組成物。
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