JP6770183B2 - エレベータ - Google Patents
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Description
本発明は、エレベータに関する。
現在、最も普及されているエレベータはトラクション式エレベータである。トラクション式エレベータにおいては、巻上機がロープを通じて乗りかごと釣合重り装置を駆動する。ロープの掛け方によって、エレベータの釣合重り装置にプーリが設けられることがある。一部の国家又は地域の安全基準によれば、作業員の指等の巻込みを防止するために、当該プーリをカバーなどによって覆うことが求められている。
特許文献1が公開した釣合重り装置においては、プーリが溝形鋼から形成された釣合重り枠の上枠部20と縦枠部18の溝の中に設けられている(該公報図1参照)。この構造では、上枠部20と縦枠部18がプーリの側面と上方部を覆うことができるので、作業員の指等がプーリに巻き込まれることを防ぐことができる。当該公報の図1に示されたように、この釣合重り装置においては、プーリの回転平面が上枠部20の長手方向と平行する。よって、プーリの厚さが上枠部20と縦枠部18の溝幅より小さければ、そのプーリを上枠部20と縦枠部18の溝の中に設置することができ、上枠部20と縦枠部18を安全カバーとして使うことができる。
ここにおいて、「回転平面」とは、プーリの回転軸から離れた点が回転時に描いた軌跡(円)が載る平面をいう。回転平面の法線はプーリの回転軸に平行する。一つのプーリには無数の回転平面があるが、これらの回転平面が互いに平行するので、プーリの回転平面の方向を検討するとき、そのうち何れか一つの回転平面について検討すればよい。
エレベータの昇降路が狭い場合、例えば機械室レスエレベータの昇降路において、狭い空間内で乗りかご、釣合重り装置、巻上機など各種装置を設置しなければならない。この場合、ロープの走行方向と角度などについて巧みに且つ合理的に設計し、ロープが通るプーリを使ってロープの走行方向と角度を調整する必要がある。したがって、場合によってプーリの回転平面が釣合重り枠の上枠部の長手方向と所定の角度を形成するようにプーリを設置しなければならない。このような場合には、上枠部の幅方向にプーリが占める空間が大きくなるので、プーリを上枠部と縦枠部の溝の中に設置することができなくなる。プーリのために専用の箱型の安全カバーを設ける考えもあるが、箱型になると安全カバーの水平投影が釣合重り装置の他の部分の水平投影から大きくはみだすことになる。そうなると、釣合重り装置が上下移動するとき、安全カバーと昇降路内の他の装置など(例えば、乗りかご)との間に必要隙間寸法を確保することができず、衝突しやすくなる。
そこで、本発明の目的は、作業員の指等がプーリに巻き込まれることを防止できると同時に、釣合重り装置と他の装置との間に必要隙間寸法を確保できるエレベータを提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明にかかるエレベータは、昇降路を昇降する乗りかごと、ロープを通じて前記乗りかごと繋がっている釣合重り装置と、前記ロープを通じて前記乗りかご及び前記釣合重り装置を駆動する巻上機と、を含むエレベータにおいて、前記釣合重り装置は、ブラケットをよって釣合重り枠の上枠に設けられ、回転平面が前記上枠の長手方向との間に所定の角度を有し、前記ロープが巻き掛けられるプーリと、縦方向で分離可能な複数の板状部分カバーによって構成され、前記ブラケットに固定され、前記プーリの側面を覆う巻込防止カバーであって、水平投影が前記ブラケットの水平投影から外側に向かって突出する各前記部分カバーの横の端部に折曲部を有し、前記折曲部の水平投影が前記ブラケットの水平投影に近接する巻込防止カバーと、を備える。
本発明にかかるエレベータが備える巻込防止カバーは、プーリの側面を覆い、作業員の指等がプーリに巻き込まれることを防止できる。当該巻込防止カバーの横の端部に、ブラケットに近接する折曲部があるので、巻込防止カバーがブラケットから外側(特に乗りかごの方向)に突出する張出量を低減して、巻込防止カバーと乗りかご又は他の機器との間に必要隙間寸法を確保することができ、衝突を防ぐことができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、図面に基づき発明の実施の形態を通じて本発明を説明する。
図1は本発明エレベータの一実施形態を概略的に示す模式図である。図1に示すように、エレベータ100は、昇降路102、乗りかご104、釣合重り装置106及び巻上機110を含む。エレベータ100は機械室レスエレベータであり、巻上機110が昇降路の中に設置されている。乗りかご104と釣合重り装置106は、ロープ108を通じて繋がっている。ロープ108は巻上機110の綱車に掛けられ、巻上機110はロープ108を通じて乗りかご104及び釣合重り装置106を駆動して、昇降路102内を昇降させる。
図2は本発明エレベータの釣合重り装置の構造を概略的に示す模式図である。図2は、左の正面図と右の右側面図から構成される。図示の通り、釣合重り装置106は、釣合重り枠202、重り204、プーリ206及び巻込防止カバー220を含む。釣合重り枠202は、主に二つの縦枠202a、上枠202b及び下枠202cによって構成される。釣合重り枠202の内側には、複数の重り204が載置されている。プーリ206は、複数のブラケットをよって上枠202bに設けられ、それにロープ108が巻き掛けられている。プーリ206の側面には、巻込防止カバー220が設けられている。
図3は図2に示したプーリ近傍構造の拡大模式図である。図4は図2に示した釣合重り装置の平面図である。釣合重り装置106とエレベータの他の部分との相対位置関係を説明するために、図4において乗りかご104及び最も近い昇降路壁102aも示している。なお、図4にはプーリ206の回転平面400も2点鎖線で表示している。また、巻込防止カバー220の形状及びプーリ206を固定するブラケットの構造を分かりやすくするために、図5は図2に示した釣合重り装置から巻込防止カバーを外した状態を概略的に示す。
図4に示すように、本実施形態において、プーリ206の回転平面400が上枠202bの長手方向との間に所定の角度θ(0°<θ<90°)を有する。角度θは、プーリ206によって設定すべきロープ108の走行方向と角度によって決められる。
図2から図5に示すように、プーリ206は複数のブラケットによって上枠202bに取付けられている。当該ブラケットは、第1ブラケット212、第2ブラケット214、第3ブラケット215、第3ブラケット216及び第4ブラケット218を含む。第1ブラケット212は、ベース板であり、アングル及びボルト等によって上枠202bに固定されている。第2ブラケット214は、溝形鋼であり、その開口部が上向きにして第1ブラケット212に固定されている。板状の第3ブラケット215及び第3ブラケット216は、それぞれ第2ブラケット214の二つ溝壁に縦に固定されている。プーリ206は、第3ブラケット215と第3ブラケット216との間に設けられ、第3ブラケット215と第3ブラケット216によってその回転軸がサポートされている。第4ブラケット218は、溝形鋼であり、プーリ206を跨って、上方から第3ブラケット215と第3ブラケット216を連結する。第4ブラケット218は、二つの第3ブラケットに対するサポートを強化するだけでなく、作業員の指等の巻込みを防止することもでき、カバーとなってプーリ206に落ちる埃を遮ることもできる。
図3及び図4に示すように、プーリ206の左右の縁部付近には、それぞれロープ外れ防止板232とロープ外れ防止板234が設けられている。プーリ206の左右の縁部は、それぞれロープ108がプーリ206の綱溝に進入する部位と綱溝を離れる部位である。これらの部位において、ロープ108がプーリ206の綱溝から外れしやすい。ロープ外れ防止板232とロープ外れ防止板234を設けることによって、ロープ108がプーリ206の綱溝から外れることを防ぐことができる。また、プーリ206に落ちる埃を遮るために、第4ブラケット218の左右両端部に、それぞれ防塵カバー236と防塵カバー238が設けられている。
本明細書において、構成要素の方位、位置等を表すときに使う「上」、「下」、「左」、「右」などの表現は、基本的に図面における構成要素間の相対的な方位、位置等を表すものであり、特に断らない限り絶対的な位置を示すことを意図したものではない。
図2と図3に示すように、本実施形態エレベータの釣合重り装置106の最大の特徴は、巻込防止カバー220が設けられていることである。巻込防止カバー220は、縦方向で分離可能な二つの部分カバー、すなわち上部カバー222と下部カバー224によって構成される。上部カバー222及び下部カバー224は板状である。上部カバー222及び下部カバー224はボルトによって第3ブラケット215に固定されており、プーリ206の一側面(乗りかご104に面する側面)を覆う。それによって、作業員の指等がプーリ206とロープ108の間に巻き込まれることを防ぐ。板状の巻込防止カバー220は、構造が簡単で、コストが低い。
本実施形態において、プーリ206のもう一方の側面が昇降路壁102aに面しており、なお釣合重り装置106と昇降路壁102aとの間隔が小さくて、作業員が釣合重り装置106と昇降路壁102aの間に入って作業することはないので、プーリ206の昇降路壁102aに面する側には巻込防止カバーを設けていない。
周知のとおり、エレベータの乗りかごと釣合重り装置が昇降路において上下に移動する。上下移動時に両者が衝突しないようにするためには、両者の水平投影の間には一定以上の間隔をあける必要がある。
図3と図4に示すように、水平投影が前述したブラケットの水平投影から外側に向かって突出する上部カバー222の横の端部に折曲部222aを有し、折曲部222aの水平投影が前述したブラケットの水平投影に近接する。
次に、図3と図4に基づいてこの部分の内容を具体的に説明する。図4は、平面図なので、エレベータ100の各部分の水平投影を表す。図4に示すように、前述したブラケット(第1ブラケット212、第2ブラケット214、第3ブラケット215、第3ブラケット216及び第4ブラケット218を含む)の水平投影の最大の輪郭は、主に第1ブラケット212の水平投影、及び第1ブラケット212の水平投影の範囲からはみ出した第4ブラケット218の一つの角(図4において下方に向く角)の水平投影から構成される。
上部カバー222は板材によって構成される。図3における上部カバー222の右側の横の端部の水平投影(図4参照)は、前述したブラケットの水平投影の最大輪郭からはみ出しており、すなわち「前述したブラケットの水平投影から外側に向かって突出する」。もし上部カバー222が平の板であれば、右側の横の端部が図4の破線で示した方向に延びることになる。そうなると、釣合重り装置106(上部カバー222)と乗りかご104との間隔が狭くなり、両者が衝突する危険性が高くなる。この問題を解決するために、本実施形態において、上部カバー222の右側の横の端部に折曲部222aが形成され、当該折曲部222aの水平投影が前述したブラケットの水平投影に近接する。
図4の矢印が示すように、折曲部222aの形成によって、上部カバー222の右側の横の端部は破線で示した位置から実線で示した位置に移動した。折曲部222aの水平投影も前述したブラケットの水平投影の最大輪郭から少しはみ出しているが、乗りかご104の方向に突出する上部カバー222の張出量が大幅に減少した。それによって、釣合重り装置106(上部カバー222)と乗りかご104との間に必要隙間寸法を確保することができ、衝突を防ぐことができる。
図3に示すように、水平投影が前述したブラケットの水平投影から外側に向かって突出する下部カバー224の右側の横の端部に折曲部224aを有し、折曲部224aの水平投影が前述したブラケットの水平投影に近接する。上部カバー222の折曲部222aの水平投影と下部カバー224の折曲部224aの水平投影が重なり合う。それは、下部カバー224の折曲部224aの水平投影が、実質的に上部カバー222の折曲部222aの水平投影と同じ形状の変化を有することをいう。例えば、実質的に同じ折曲角度又は同じカーブを有することをいう。下部カバー224の折曲部224aは、上部カバー222の折曲部222aと同じ効果を有する。すなわち、下部カバー224が乗りかご104の方向に突出する張出量を大幅に減らし、釣合重り装置106(下部カバー224)と乗りかご104との間に必要隙間寸法を確保することができ、衝突を防ぐことができる。
よって、昇降路が狭く、釣合重り装置のプーリの回転平面が上枠の長手方向との間に所定の角度θを有しても、釣合重り装置と乗りかごとの間に必要隙間寸法を確保しながら巻込防止カバーを設置して、作業員の指等がプーリに巻き込まれることを防ぐことができる。
なお、巻込防止カバー220が縦方向で上部カバー222と下部カバー224に分かれているので、巻込防止カバー220を取付けるときに、巻込防止カバー220とプーリ206との間隔の調整が容易にできる。具体的には、まず下部カバー224を取付けることができる。このとき、下部カバー224の上方から、下部カバー224の折曲部224aとプーリ206との間隔を直接見ることができるので、折曲部224aとプーリ206との間隔を容易に適切な間隔範囲に調整することができる。上部カバー222を取付ける場合には、上部カバー222の折曲部222aが下部カバー224の折曲部224aと実質的に同じ折曲角度又は同じカーブを有するので、上部カバー222の折曲部222aの外面を下部カバー224の折曲部224aの外面とほぼ同じ面になるように調整すれば、折曲部222aの内面も折曲部224aの内面に近づくことになる。それによって、上部カバー222の折曲部222aとプーリ206との間隔も容易に適切な間隔範囲にすることができる。また、エレベータ点検時に、上部カバー222を取り外すだけで、下部カバー224の折曲部224aとプーリ206との間隔を確認することができるので、その隙間寸法の点検が容易にできる。
巻込防止カバー220が縦方向で上部カバー222と下部カバー224に分かれているので、ロープ外れ防止板232とプーリ206との間隔を点検する場合、及びロープ外れ防止板234とプーリ206との間隔を点検する場合、上部カバー222を取り外すだけで、確認点検ができ、点検効率を高めることができる。なお、ロープ108を交換するとき、下部カバー224を取り外すだけで交換できるので、作業効率を高めることができる。取り外した下部カバー224を取付ける場合、下部カバー224の折曲部224aの外面を上部カバー222の折曲部222aの外面とほぼ同じ面になるように調整すれば、折曲部224aとプーリ206との間隔を容易に適切な間隔範囲にすることができる。
本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
100 エレベータ
102 昇降路
102a 昇降路壁
104 乗りかご
106 釣合重り装置
108 ロープ
110 巻上機
202 釣合重り枠
202a 縦枠
202b 上枠
202c 下枠
204 重り
206 プーリ
212 第1ブラケット
214 第2ブラケット
215 第3ブラケット
216 第3ブラケット
218 第4ブラケット
220 巻込防止カバー
222 上部カバー
222a 折曲部
224 下部カバー
224a 折曲部
232 ロープ外れ防止板
234 ロープ外れ防止板
236 防塵カバー
238 防塵カバー
400 回転平面
102 昇降路
102a 昇降路壁
104 乗りかご
106 釣合重り装置
108 ロープ
110 巻上機
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202a 縦枠
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234 ロープ外れ防止板
236 防塵カバー
238 防塵カバー
400 回転平面
Claims (2)
- 昇降路を昇降する乗りかごと、ロープを通じて前記乗りかごと繋がっている釣合重り装置と、前記ロープを通じて前記乗りかご及び前記釣合重り装置を駆動する巻上機と、を含むエレベータにおいて、
前記釣合重り装置は、
ブラケットをよって釣合重り枠の上枠に設けられ、回転平面が前記上枠の長手方向との間に所定の角度を有し、前記ロープが巻き掛けられるプーリと、
縦方向で分離可能な複数の板状部分カバーによって構成され、前記ブラケットに固定され、前記プーリの側面を覆う巻込防止カバーであって、水平投影が前記ブラケットの水平投影から外側に向かって突出する各前記部分カバーの横の端部に折曲部を有し、前記折曲部の水平投影が前記ブラケットの水平投影に近接する巻込防止カバーと、
を備える
ことを特徴とするエレベータ。 - 請求項1に記載のエレベータにおいて、
前記巻込防止カバーは、縦方向で分離可能な二つの前記部分カバーによって構成され、当該二つの前記部分カバーの折曲部の水平投影が重なり合う
ことを特徴とするエレベータ。
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