JP6768541B2 - スタッドレスタイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、氷上性能および耐摩耗性を改良するスタッドレスタイヤ用ゴム組成物に関する。
スタッドレスタイヤの氷上性能を向上させるため、トレッドゴムの表面粗さ(凹凸)を大きくすることが知られている。表面粗さを大きくすると、凹部が氷上に存在する水膜を取り込み凸部が氷上面と接触することで、平滑な表面を備えたトレッドゴムより氷上面との接触面積を大きくする効果があると考えられる。このためトレッドゴムに発泡剤や熱膨張性マイクロカプセルなどを配合することでゴム全体の粗さを増加させる手法が一般的である。しかしながら、表面粗さが大きいゴムは水膜を取り込むが、一方で氷上面と接触可能な面積が減少するため、表面粗さによる氷上性能を改良する効果には限界があるといえる。また、発泡剤や熱膨張性マイクロカプセルなどを配合すると、トレッドゴムの耐摩耗性が低下するといった課題がある。
表面粗さを大きくする以外の改良方法として、特許文献1は、ジエン系ゴム成分100質量部に、ウレタンフォームを粉砕して得られた平均粒子径100〜300μmの粉末を1〜20質量部配合してなるトレッド用ゴム組成物が、耐摩耗性を維持しながら氷雪路面での摩擦力を高くすることを記載する。
しかしスタッドレスタイヤにおける氷上性能および耐摩耗性の向上を求める需要者の期待はより高いものであり更なる改良が求められていた。
特開2007−31521号公報
本発明の目的は、氷上性能および耐摩耗性を改良するスタッドレスタイヤ用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部、カーボンブラックおよび/または白色充填剤30〜100質量部、および樹脂粒子0.5〜30質量部を含み、前記樹脂粒子の平均粒子径が3〜70μm、10%圧縮強度が0.001〜0.5MPa、ガラス転移温度が−30℃以下であることを特徴とする。
本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、平均粒子径が3〜70μm、10%圧縮強度が0.001〜0.5MPa、ガラス転移温度が−30℃以下である樹脂粒子を配合するようにしたので、氷上性能および耐摩耗性を従来レベル以上に向上することができる。また前記樹脂粒子として、アクリル系樹脂粒子が好ましい。
本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物を組成するジエン系ゴムは、特に限定されるものではなく、例えば天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等が挙げられる。なかでも天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴムが好ましく、天然ゴム、ブタジエンゴムがより好ましい。これらジエン系ゴムは、その分子鎖の末端および/または側鎖がエポキシ基、カルボキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シリル基、アミド基等により、変性された変性ジエン系ゴムでもよい。
上述したジエン系ゴムの平均ガラス転移温度は−50℃以下であることが好ましく、更に好ましくは−100℃〜−60℃であると良い。ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度を−50℃以下にすることにより、低温下でのゴムコンパウンドのしなやかさを維持し、氷面に対する凝着力を高くするので、スタッドレスタイヤのトレッド部に好適に使用することができる。なおガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により20℃/分の昇温速度条件によりサーモグラムを測定し、転移域の中点の温度とする。また、ジエン系ゴムが油展品であるときは、油展成分(オイル)を含まない状態におけるジエン系ゴムのガラス転移温度とする。また、平均ガラス転移温度とは、各ジエン系ゴムのガラス転移温度に各ジエン系ゴムの質量分率を乗じた合計(ガラス転移温度の加重平均値)である。なお、すべてのジエン系ゴムの質量分率の合計を1とする。
本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、カーボンブラックおよび/または白色充填剤を含有する。カーボンブラックおよび/または白色充填剤の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、カーボンブラックおよび白色充填剤の合計で30〜100質量部、好ましくは40〜90質量部、より好ましくは45〜80質量部である。カーボンブラックおよび白色充填剤の配合量を30質量部以上にすることによりゴム組成物の機械的特性を改良し耐摩耗性を向上することができる。またカーボンブラックおよび白色充填剤の配合量を100質量部以下にすることにより、ゴム組成物のしなやかさを維持し氷上性能を確保することができる。またタイヤにしたとき重量の増加を抑制することができる。
カーボンブラックとしては、例えばSAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、HMF、SRF等のファーネスカーボンブラックが挙げられ、これらを単独または2種以上を組合わせて使用してもよい。カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、特に制限されるものではないが、好ましくは70〜240m2/g、より好ましくは90〜200m2/gであるとよい。カーボンブラックの窒素吸着比表面積を70m2/g以上にすることにより、ゴム組成物の機械的特性および耐摩耗性を確保することができる。またカーボンブラックの窒素吸着比表面積を240m2/g以下にすることにより、氷上性能を良好にすることができる。本明細書において、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217−2に準拠して、測定するものとする。
白色充填剤として、例えばシリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、クレー、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸カルシウムを挙げることができる。これらを単独または2種以上を組合わせて使用してもよい。なかでもシリカが好ましく氷上性能をより優れたものにすることができる。
シリカとしては、例えば湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられ、これらを単独または2種以上を組合わせて使用してもよい。シリカのCTAB吸着比表面積は、特に制限されるものではないが、好ましくは80〜260m2/g、より好ましくは140〜200m2/gであるとよい。シリカのCTAB吸着比表面積を80m2/g以上にすることにより、ゴム組成物の耐摩耗性を確保することができる。またシリカのCTAB吸着比表面積を200m2/g以下にすることにより、ウェット性能および低転がり抵抗性を良好にすることができる。本明細書において、シリカのCTAB比表面積は、ISO 5794により測定された値とする。
本発明では、シリカと共にシランカップリング剤を配合するとよい。シランカップリング剤を配合することにより、ジエン系ゴムに対するシリカの分散性を向上し、耐摩耗性および氷上性能のバランスをより高くすることができる。
シランカップリング剤の種類は、シリカ配合のゴム組成物に使用可能なものであれば特に制限されるものではないが、例えば、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジサルファイド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラサルファイド、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン等の硫黄含有シランカップリング剤を例示することができる。
シランカップリング剤の配合量は、シリカの重量に対し、好ましくは3〜15質量%を配合すると良く、より好ましくは5〜10質量%にすると良い。シランカップリング剤の配合量がシリカ配合量の3質量%未満であるとシリカの分散を十分に改良することができない虞がある。シランカップリング剤の配合量がシリカ配合量の15質量%を超えるとシランカップリング剤同士が縮合し、ゴム組成物における所望の硬度や強度を得ることができない。
本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、特定の性状を有する樹脂粒子を配合することにより、氷上性能および耐摩耗性を改良する。特定の性状を有する樹脂粒子は、例えば架橋性モノマーの存在下、非架橋性モノマーを懸濁重合、シード重合または分散重合により重合させて調製することができる。また、特定の性状を有する樹脂粒子が、ジエン系ゴムに相溶しない樹脂粒子であると好ましい。ここで、「ジエン系ゴムに相溶しない」とは、ジエン系ゴムに包含される全ての種類のゴム成分に対し非相溶という意味ではなく、スタッドレスタイヤ用ゴム組成物に含有された具体的なジエン系ゴムに対し非相溶であればよい。ジエン系ゴムに相溶しない特定の樹脂粒子が、ジエン系ゴムと相分離構造を形成することにより、氷上性能を優れたものにすることができる。
本発明において、樹脂粒子は、平均粒子径が3〜70μm、10%圧縮強度が0.001〜0.5MPa、ガラス転移温度が−30℃以下であるという特定された性状を有する。
樹脂粒子の平均粒子径は3〜70μm、好ましくは5〜70μm、より好ましくは8〜60μmである。樹脂粒子の平均粒子径が3μm以上であると氷上面の微小な凹凸に対応するようにトレッドゴムの表面を変形させ氷上性能を改良することができる。しかし樹脂粒子の平均粒子径が70μmを超えると、樹脂粒子がトレッドゴムの表面から抜け落ち耐摩耗性が悪化する。本明細書において、樹脂粒子の平均粒子径は、1000〜5000倍で撮像した顕微鏡観察画像から、少なくとも100個の樹脂粒子の粒子径を測定した平均値である。なお樹脂粒子の画像が円形でないとき、その投影面積から求められる円相当径を粒子径にすることができる。
樹脂粒子の10%圧縮強度は0.001〜0.5MPa、好ましくは0.01〜0.2MPa、より好ましくは0.02〜0.1MPaである。樹脂粒子の10%圧縮強度は非常に低く、上述したジエン系ゴムの10%圧縮強度よりも低い。このため、トレッド表面が、氷上面の微小な凹凸に接すると、その形状に追従するように変形するので氷上性能を向上することができる。樹脂粒子の10%圧縮強度を0.5MPa以下にすることにより、氷上性能を効果的に改良することができる。しかし樹脂粒子の10%圧縮強度が0.001MPa未満であると耐摩耗性が低下し、氷上性能を改良することができない。本明細書において、樹脂粒子の10%圧縮強度は、(株)エリオニクス製のナノインデンテーション試験機ENT−2100を使用して測定した値である。すなわち、樹脂粒子1個を一定の負荷速度で9.8mNの荷重まで圧縮試験を行った場合に、粒子径の10%変形時の荷重と荷重をかける前の樹脂粒子の粒子径とから下記式によって算出される値である。
10%圧縮強度(MPa)=2.8×荷重(N)/{π×粒子径(mm)×粒子径(mm)}
なお、10%圧縮強度は、試験温度25℃において、試験用圧子として直径100μmの平面圧子を使用し、負荷速度0.71mN/秒の条件で測定したときの値とする。
樹脂粒子の復元率は、好ましくは15〜70%、より好ましくは20〜55%であるとよい。樹脂粒子の復元率を15%以上にすることにより、氷上面の微小な凹凸に追従し易くなり氷上性能を一層改良することができる。また樹脂粒子の復元率を70%以下にすることにより、耐摩耗性を確保することができる。本明細書において、樹脂粒子の復元率は、(株)エリオニクス製のナノインデンテーション試験機ENT−2100を使用して測定した値である。すなわち、樹脂粒子1個を一定の負荷速度で9.8mNの荷重まで圧縮し、その後1.96mNまで減少させた時の変位(粒子径の変位)の復元量を測定し、測定した復元量と、荷重をかける前の樹脂粒子の粒子径とから下記式によって算出される値である。
復元率(%)=[復元量(μm)/粒子径(μm)]×100
なお、復元率は、試験温度25℃において、試験用圧子として直径100μmの平面圧子を使用し、負荷速度0.71mN/秒の条件で測定したときの値とする。
樹脂粒子のガラス転移温度は−30℃以下、好ましくは−80℃〜−30℃、より好ましくは−70℃〜−35℃、特に好ましくは−60℃〜−40℃である。樹脂粒子のガラス転移温度を−30℃以下にすることにより、低温下でのゴムコンパウンドのしなやかさを維持し、氷面に対する凝着力を高くするので、スタッドレスタイヤのトレッド部に好適に使用することができる。なおガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により20℃/分の昇温速度条件によりサーモグラムを測定し、転移域の中点の温度とする。
樹脂粒子を形成する材料として、ガラス転移温度が−30℃以下、かつ10%圧縮強度が0.001〜0.5MPaという特性を満たすのであれば特に制限されないが、好ましくは(メタ)アクリル系樹脂が挙げられ、より好ましくはアクリル系樹脂がよい。
樹脂粒子を形成する(メタ)アクリル系樹脂としては、架橋性モノマーおよび(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを重合してなる架橋(メタ)アクリル系樹脂が好ましく、架橋アクリル系樹脂がより好ましい。架橋(メタ)アクリル系樹脂は、架橋性モノマーおよび(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを含むモノマー混合物を、常法により重合して得ることができる。架橋性モノマーとしては、ビニル基を複数個有するものであれば特に限定されず、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。なかでもエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートが好ましく、エチレングリコールジメタクリレートがより好ましい。これらの架橋性モノマーは、それぞれ単独で、または2種以上を組合わせて使用することができる。樹脂粒子に所期の10%圧縮強度を付与するという観点から、架橋性モノマーの使用割合は、モノマー混合物中、0.5〜15質量%であると好ましく、1〜7.5質量%であるとより好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとしては、分子中にただ1つの重合性二重結合を有する(メタ)アクリル酸エステルであれば特に限定されないが、(メタ)アクリル酸とエステル結合を形成する置換基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸エステル系モノマーが好ましい。具体的には、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート等のアクリル酸エステル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート等のメタクリル酸エステル等が挙げられる。なかでも、アクリル酸とエステル結合を形成する置換基の炭素数が4〜8のアクリル酸エステルが好ましい。これらの(メタ)アクリル酸エステル系モノマーは、それぞれ単独で、または2種以上を組合わせて使用することができる。(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの使用割合は、モノマー混合物中、好ましくは85〜99.5質量%、より好ましくは92.5〜99質量%である。樹脂粒子のガラス転移温度を−30℃以下にするという観点から、アクリル酸とエステル結合を形成する置換基の炭素数が4〜8のアクリル酸エステルの使用割合は、モノマー混合物中、好ましくは70〜99.5質量%である。
なお、得られる樹脂粒子のガラス転移温度が−30℃以下、かつ10%圧縮強度が0.001〜0.5MPaという特性を満たすのであれば、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーと共重合可能なモノマー、例えばスチレン、酢酸ビニル等のビニル基を有する他のモノマーを一種以上併用してもよい。
樹脂粒子は従来公知の方法を用いて製造することができ、例えば懸濁重合法によれば、モノマー混合物を水性分散媒中に分散させて重合させることにより簡便に樹脂粒子を製造することができる。懸濁重合の際、必要に応じて、重合開始剤、電解質、分散剤、界面活性剤等が使用される。
重合開始剤としては、油溶性の過酸化物又はアゾ化合物が好ましく、具体的には、例えばジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジラウロイルパーオキサイド等の油溶性過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等の油溶性アゾ化合物が挙げられる。電解質としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム等が挙げられる。分散剤としては、コロイダルシリカ、リン酸カルシウム、水酸化マグネシウム、ピロリン酸マグネシウム等の難水溶性無機化合物、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子が挙げられる。界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アジピン酸−ジエタノールアミン縮合物等のノニオン界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の両性界面活性剤を挙げることができる。上記の重合開始剤、電解質、分散剤および界面活性剤は、それぞれ単独で、または2種以上を組合わせて使用することができる。
重合反応は、所定粒子径の球状油滴が調製されるようにモノマー混合物を水性分散媒中に分散させた後、攪拌しながら昇温して行われる。モノマー混合物を水性分散媒中に分散させる方法としては、例えばホモミキサー、スタティックミキサー等の乳化分散機を使用して分散させる方法、超音波分散機を用いて分散させる方法、膜乳化法を利用する方法等が挙げられる。重合温度は40〜100℃が好ましく、重合時間は1〜20時間が好ましい。
本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、加硫又は架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤、可塑剤、加工助剤、液状ポリマー、テルペン系樹脂、熱硬化性樹脂などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を、本発明の目的を阻害しない範囲内で配合することができる。またかかる添加剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、通常のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、スタッドレスタイヤのトレッド部を形成するのに好適である。本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物でトレッドゴムを構成したスタッドレスタイヤは、氷上性能および耐摩耗性を従来レベル以上に向上することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
樹脂粒子(樹脂粒子−B〜−E)の調製
樹脂粒子-B
イオン交換水200質量部に、塩化ナトリウム50質量部、ポリビニルピロリドン0.3質量部、シリカ有効成分20質量%であるコロイダルシリカ30質量部およびエチレンジアミン四酢酸・4Na塩を0.02質量部を加えて混合した後、pHを2.8〜3.2に調整することで水性分散媒を調製した。
これとは別にn‐ブチルアクリレート92.5質量部、エチルアクリレート5質量部、エチレングリコールジメタクリレート2.5質量部、有効成分70%のジ‐2‐エチルヘキシルパーオキシジカーボネート3質量部を混合、溶解し油性混合物とした。
上記で得られた水性分散媒および油性混合物をTKホモミキサー2.5型(プライミクス社製)で攪拌(8000rpm×1min)して懸濁液を調製した。この懸濁液を容量1.5リットルの加圧反応器に移して窒素置換をしてから反応初期圧0.2MPaにし、80rpmで攪拌しつつ重合温度65℃で15時間重合を行い、樹脂粒子を含む水性分散液を得た。得られた樹脂粒子を含む水性分散液を濾過、乾燥して、樹脂粒子‐Bを得た。
得られた樹脂粒子‐Bは、真球状の粒子であり、平均粒径13μm、10%圧縮強度0.04MPa、復元率23%、ガラス転移温度−37℃であった。
樹脂粒子-C
シリカ有効成分20質量%であるコロイダルシリカの量を5質量部に変更し、エチレングリコールジメタクリレートをトリメチロールプロパントリメタクリレートに変更する以外は、樹脂粒子‐Bと同様に調製して、樹脂粒子-Cを得た。
得られた樹脂粒子-Cは、真球状の粒子であり、平均粒径70μm、10%圧縮強度0.03MPa、復元率58%、ガラス転移温度−34℃であった。
樹脂粒子-D
イオン交換水200質量部に、塩化ナトリウム50質量部、低分子ノニオン界面活性剤であるアジピン酸‐ジエタノールアミン縮合物(濃度50質量%)0.5質量部、シリカ有効成分20質量%であるコロイダルシリカ20質量部を加えて混合した後、pHを2.8〜3.2に調整することで水性分散媒を調製した。
これとは別にn‐ブチルアクリレート97.5質量部、エチレングリコールジメタクリレート2.5質量部、2,2’‐アゾビス(2,4‐ジメチルバレロニトリル)0.5質量部を混合、溶解し油性混合物とした。
上記で得られた水性分散媒および油性混合物を用いる以外は、樹脂粒子‐Bと同様にして、樹脂粒子‐Dを得た。
得られた樹脂粒子‐Dは、真球状の粒子であり、平均粒径25μm、10%圧縮強度0.02MPa、復元率55%、ガラス転移温度−45℃であった。
樹脂粒子-E
イオン交換水200質量部に、塩化ナトリウム50質量部、低分子ノニオン界面活性剤であるアジピン酸‐ジエタノールアミン縮合物(濃度50質量%)0.5質量部、シリカ有効成分20質量%であるコロイダルシリカ20質量部を加えて混合した後、pHを2.8〜3.2に調整することで水性分散媒を調製した。
これとは別にn−ブチルアクリレート80質量部、エチレングリコールジメタクリレート20質量部、2,2’‐アゾビス(2,4‐ジメチルバレロニトリル)0.5質量部を混合、溶解し油性混合物とした。
上記で得られた水性分散媒および油性混合物を用いる以外は、樹脂粒子‐Bと同様にして、樹脂粒子‐Eを得た。
得られた樹脂粒子‐Eは、真球状の粒子であり、平均粒径25μm、10%圧縮強度9.3MPa、復元率10%、ガラス転移温度−33℃であった。
スタッドレスタイヤ用ゴム組成物の調製および評価
表2に記載の共通組成を有し、表1に記載の樹脂粒子を配合した10種類のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物(実施例1〜6、標準例、比較例1〜3)を調製するにあたり、硫黄、加硫促進剤、熱膨張性マイクロカプセルおよび樹脂粒子を除く成分を1.7Lのバンバリーミキサーで5分間混練し、145℃に達したとき放出しマスターバッチとした。得られたマスターバッチに、硫黄、加硫促進剤、熱膨張性マイクロカプセルおよび樹脂粒子を加えて70℃のオープンロールで混練することにより、10種類のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物を得た。なお、表1に記載の樹脂粒子の配合量は、表2に記載のジエン系ゴム100質量部に対する質量部として表されている。
得られたスタッドレスタイヤ用ゴム組成物を、所定形状の金型(内寸;長さ150mm、幅150mm、厚さ2mm)を用いて170℃、10分間加硫し、加硫ゴム試験片を作成した。得られた加硫ゴム試験片を使用して、以下に示す試験方法で氷上摩擦性能および耐摩耗性を測定した。
氷上摩擦性能
得られた加硫ゴム試験片を偏平円柱状の台ゴムに貼り付け、インサイドドラム型氷上摩擦試験機を用いて、測定温度−1.5℃、荷重5.5kg/cm2、ドラム回転速度25km/hの条件で氷上摩擦係数を測定した。得られた氷上摩擦係数を、標準例の値を100とする指数にして、「氷上性能」の欄に示した。この指数値が大きいほど氷上摩擦係数が大きく氷上性能が優れることを意味する。
耐摩耗性
得られた加硫ゴム試験片をJIS K6264に準拠して、ランボーン摩耗試験機(岩本製作所社製)を使用して、温度20℃、荷重39N、スリップ率30%、時間4分の条件で摩耗量を測定した。得られた結果は標準例の逆数を100にする指数とし、「耐摩耗性」の欄に示した。この指数が大きいほど耐摩耗性が優れることを意味し、指数が95以上であれば実用することができる。
Figure 0006768541
なお、表1において使用した原材料の種類を下記に示す。
・樹脂粒子−A:松本油脂製薬(株)製「マツモトマイクロスフェアーM‐305」(メタクリル酸メチルクロスポリマー(架橋PMMA)、真球状、平均粒径10μm、10%圧縮強度13.93MPa、復元率5%、ガラス転移温度135℃
・樹脂粒子−B〜E:上述した調製方法により得た樹脂微粒子
Figure 0006768541
なお、表2において使用した原材料の種類を下記に示す。
・天然ゴム:RSS#3
・ブタジエンゴム:日本ゼオン(株)製ポリブタジエンゴムNipol BR1220
・カーボンブラック:東海カーボン(株)製カーボンブラックシースト6、窒素吸着比表面積が115m2/g
・シリカ:日本シリカ工業(株)製Nipsil AQ
・カップリング剤:硫黄含有シランカップリング剤、デクサ社製Si69
・酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
・ステアリン酸:NOF社製ビーズステアリン酸
・老化防止剤:フレキシス社製6PPD
・アロマオイル:富士興産(株)製アロマオイル
・マイクロカプセル:熱膨張性マイクロカプセル、松本油脂製薬(株)製マツモトマイクロスフェアーF−100
・硫黄:鶴見化学工業(株)製金華印油入微粉硫黄
・加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製ノクセラー CZ−G
表1から明らかなように実施例1〜6のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、氷上性能および耐摩耗性を従来レベル以上に改良することが確認された。
比較例1のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、樹脂粒子-Aの10%圧縮強度が0.5MPaを超え、ガラス転移温度が−30℃を超えるので、氷上性能が劣る。
比較例2のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、樹脂粒子-Bの配合量が30質量部を超えるので、耐摩耗性が劣る。
比較例3のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、樹脂粒子-Eの10%圧縮強度が0.5MPaを超えるので、氷上性能が劣る。

Claims (3)

  1. ジエン系ゴム100質量部、カーボンブラックおよび/または白色充填剤30〜100質量部、および樹脂粒子0.5〜30質量部を含み、前記樹脂粒子の平均粒子径が3〜70μm、10%圧縮強度が0.001〜0.5MPa、ガラス転移温度が−30℃以下であることを特徴とするスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記樹脂粒子がアクリル系樹脂粒子であることを特徴とする請求項1に記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
  3. 請求項1または2に記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物からなるトレッド部を有するスタッドレスタイヤ。
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