JP2003238740A - ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ

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JP2003238740A JP2002039276A JP2002039276A JP2003238740A JP 2003238740 A JP2003238740 A JP 2003238740A JP 2002039276 A JP2002039276 A JP 2002039276A JP 2002039276 A JP2002039276 A JP 2002039276A JP 2003238740 A JP2003238740 A JP 2003238740A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】補強用充填材としてシリカを含み、低発熱性に
優れ、かつ良好な破壊特性、耐摩耗性、加工性を有する
上、帯電防止性などを付与したゴム組成物を提供するこ
と。 【解決手段】(A)(a)エチレン性不飽和ニトリル単
量体単位と、(b)芳香族ビニル単量体単位と、(c)
共役ジエン単量体単位とを有し、かつ上記(a)、
(b)及び(c)単位の合計量に基づき、(a)単位5
〜45重量%を含有する共役ジエン系共重合体ゴムを含
むゴム成分と、その100重量部当たり、(B)シリカ
10〜85重量部と、(C)界面活性剤又は(C´)特
定のアミン類0.2〜20重量部を含むゴム組成物であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム組成物及びそ
れを用いた空気入りタイヤに関する。さらに詳しくは、
本発明は、ゴム成分として、シリカなどの補強用充填材
との親和性を向上させたニトリル基をもつ共役ジエン系
共重合体ゴムを用いてなる、低発熱性(低燃費性)に優
れると共に、良好な破壊特性、耐摩耗性、加工性を有す
る上、帯電防止性、シランカップリング剤からのアルコ
ールの発生防止性などを付与したゴム組成物、及びこの
ゴム組成物を用いた空気入りタイヤに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギーの社会的な要請及び
環境問題への関心の高まりに伴う世界的な二酸化炭素排
出規制の動きに関連して、自動車の低燃費化に対する要
求はより過酷なものとなりつつある。このような要求に
対応するため、タイヤ性能についても転がり抵抗の減少
が求められてきている。タイヤの転がり抵抗を下げる手
法としては、タイヤ構造の最適化による手法についても
検討されてきたものの、ゴム組成物としてより発熱性の
低い材料を用いることが最も一般的な手法として行われ
ている。
【0003】このような発熱性の低いゴム組成物を得る
ために、これまで、ゴム組成物に使用する充填材の分散
性を高める技術開発が数多くなされてきた。その中でも
特に、有機リチウム化合物を用いたアニオン重合で得ら
れるジエン系変性重合体の重合活性末端を充填材と相互
作用を持つ官能基にて修飾する方法が、最も一般的にな
りつつある。ところで、近年、自動車の安全性への関心
の高まりに伴い、低燃費性能のみならず、湿潤路面での
性能(以下ウェット性能という)、特に、制動性能につ
いても要求が高まってきた。このため、タイヤトレッド
のゴム組成物に対する性能要求は、単なる転がり抵抗の
低減に止まらず、ウェット性能と低燃費性能を高度に両
立するものが必要とされている。
【0004】このような、良好な低燃費性と良好なウェ
ット性能とを同時にタイヤに与えるゴム組成物を得る方
法として、補強用充填材として、これまで一般的に用い
られてきたカーボンブラックに変えてシリカを用いる方
法がすでに行われている。しかしながら、シリカは、そ
の表面官能基であるシラノール基の水素結合により粒子
同士が凝集する傾向にあり、ゴム中へのシリカ粒子の分
散を良くするために混練時間を長くする必要がある。
【0005】また、前記ジエン系変性重合体を用いる場
合にも、重合体末端官能基とシリカとの強い相互作用に
より、シリカ粒子の分散が不十分なためゴム組成物のム
ーニー粘度が高くなり、押し出しなどの加工性に劣るな
どの欠点を有していた。これらの欠点を改良するため
に、シランカップリング剤が開発されたが、依然とし
て、シリカの分散は十分なレベルに達しておらず、特
に、工業的に良好なシリカ分散を得ることは困難であっ
た。その上、シランカップリング剤が加水分解し、発生
したアルコールが十分に揮発せず、押出時に気化するこ
とによるブリスター発生の問題もあった。
【0006】また、特開平5−51484号公報には、
シリカの分散性を改良するために、シリル化剤を配合す
ることが開示されているが、混練中という短い時間でシ
リカとシリル化剤を反応させなければならないため、反
応効率が十分ではなく、さらに、これらシリル化剤は沸
点が低く、混練中に揮発し、反応が十分行われないとい
う欠点を有していた。さらに、特公昭63−2886号
公報及び特開平6−157825号公報には、疎水性沈
降ケイ酸を用いることが開示されているが、完全疎水化
処理をした沈降ケイ酸を用いているため、シランカップ
リング剤が反応する表面シラノール基が存在しなくな
り、その結果、ゴムの補強が十分にとれないという欠点
を有していた。
【0007】一方、ウェット性能および低燃費性能に優
れたトレッド、特にはシリカ含有トレッドを備えたタイ
ヤは電気抵抗値が高く、導電性が低いため、車体やタイ
ヤで発生した静電気がトレッドを通して地表に逸散しに
くく、そのため、ラジオノイズの問題や、電気ショッ
ク、スパーク等による問題があった。このような問題を
解決するために、例えば(1)導電性に優れたカーボン
ブラックを配合したトレッドゴムを用いる方法、(2)
タイヤ製造時のトレッド押出し時にトレッド表面に導電
性物質、例えば水をベースとしたゴム組成物に導電性の
カーボンブラックを配合したセメントなどをコーティン
グする方法(特開平8−120120号公報)、(3)
薄い導電性ゴムシートをトレッドショルダーからサイド
内側へ挟み込む方法(米国特許第5518055号明細
書)などが試みられている。
【0008】しかしながら、前記(1)の方法において
は、タイヤのウェット性能、低燃費性、耐摩耗性などが
低下するという問題があり、また、(2)の方法におい
ては、セメント自体の経時安定性が悪く、相分離するお
それがあり、また、塗布時の発泡を防止するために種々
の安定剤を必要とし、その結果、ゴム組成物の耐久性を
低下させたり、加硫時のモールド汚染の原因となる。さ
らに、(3)の方法においては、走行初期にはその効果
は維持されるが、長期間走行すると導電ゴムシートの摩
耗促進により、通電経路が遮断され、帯電防止効果が消
失してしまうという問題があった。
【0009】したがって、低燃費性、ウェット性能、耐
摩耗性などを損なうことなく、長期間帯電防止性能を維
持するタイヤを与えるゴム組成物の開発が望まれてい
た。他方、ブタジエンとアクリロニトリル、あるいはブ
タジエンとスチレンとアクリロニトリルとの共重合体か
ら共役ジエン系ゴムは、共重合体中の比較的極性の弱い
アクリロニトリル単位のニトリル基とシリカ表面のシラ
ノール基との相互作用により、補強性及びシリカの分散
性を向上させることが知られている(特開平9−118
783号公報)。また、上記の共役ジエン系ゴムは、極
性をもつアクリロニトリル単位を有することから、ブタ
ジエンゴムやスチレンブタジエンゴムなどに比べて体積
抵抗率が低く、帯電防止性を付与するのに有利なゴム成
分であることも知られている(特開平10−26460
6号公報)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、補強用充填材としてシリカを用いたゴム組成
物であって、該シリカの分散性がよく、低発熱性に優れ
ると共に、良好な破壊特性、耐摩耗性、加工性を有する
上、帯電防止性、シランカップリング剤からのアルコー
ルの発生防止性などを付与したゴム組成物、及びこのゴ
ム組成物を用いた空気入りタイヤを提供することを目的
とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、比較的極性が
弱いエチレン性不飽和ニトリル単位をある範囲で含有す
る特定の共役ジエン系共重合体ゴムを含むゴム成分とシ
リカとの混合系に、特定の化合物を所定の割合で配合す
ることにより、その目的を達成し得ることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
【0012】すなわち、本発明は、(1)(A)(a)
エチレン性不飽和ニトリル単量体単位と、(b)芳香族
ビニル単量体単位と、(c)共役ジエン単量体単位とを
有し、かつ上記(a)、(b)及び(c)単位の合計量
に基づき、(a)単位5〜45重量%を含有する共役ジ
エン系共重合体ゴムを含むゴム成分と、その100重量
部当たり、(B)シリカ10〜85重量部と、(C)界
面活性剤0.2〜20重量部を含むことを特徴とするゴ
ム組成物、(2)前記(A)成分と、その100重量部
当たり、(B)シリカ10〜85重量部と、(C)
(イ)一般式(I)
【0013】
【化3】
【0014】(式中、R1 は炭素数10〜30のアルキ
ル基、アルケニル基又はアラルキル基、R2 及びR
3 は、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基を示し、該R
2 とR3 はたがいに同一でも異なっていてもよく、ま
た、たがいに結合して環構造を形成していてもよい。)
で表される第三級アミン及びその脂肪酸塩、並びに
(ロ)一般式(II)
【0015】
【化4】
【0016】(式中、R4 及びR5 は、それぞれ炭素数
6〜8のアルキル基、シクロアルキル基又はアラルキル
基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよ
く、また、たがいに結合して環構造を形成していてもよ
い。)で表される第二級アミンの中から選ばれる少なく
とも一種のアミン類0.2〜20重量部を含むことを特
徴とするゴム組成物、及び(3)前記ゴム組成物をトレ
ッドゴムとして用いたことを特徴とする空気入りタイ
ヤ、を提供するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明のゴム組成物においては、
(A)成分として、以下に示す共役ジエン系共重合体ゴ
ムを含むゴム成分が用いられる。当該共役ジエン系共重
合体ゴムは、(A)(a)エチレン性不飽和ニトリル単
量体単位と、(b)芳香族ビニル単量体単位と、(c)
共役ジエン単量体単位とを有し、かつ上記(a)、
(b)及び(c)単位の合計量に基づき、(a)単位5
〜45重量%を含有するものである。
【0018】(a)単位であるエチレン性不飽和ニトリ
ル単位の含有量が5重量%未満ではシリカ分散性が不良
となり、耐摩耗性、低発熱性、破壊特性が充分に向上せ
ず、また、所望の帯電防止性が得られない場合がある。
一方、この含有量が45重量%を超えると共役ジエン系
共重合体ゴムのガラス転移点(Tg)が高くなりすぎ、
ゴム弾性体としての性質が失われる。このエチレン性不
飽和ニトリル単位の好ましい含有量は、8〜35重量%
であり、特に9〜20重量%が好ましい。
【0019】また、(b)単位である芳香族ビニル単量
体単位の含有量としては、5〜50重量%が好ましい。
この含有量が5重量%未満では得られる加硫ゴムの耐摩
耗性が不充分となるおそれがあり、一方、50重量%を
超えると得られる加硫ゴムの反発弾性が小さくなり、t
anδが大きくなりやすい。この芳香族ビニル単量体単
位のより好ましい含有量は10〜40重量%である。前
記エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を形成する単量
体としては、例えばアクリロニトリルやメタクリロニト
リルなどが挙げられるが、これらのうち、アクリロニト
リルが好ましい。これらの単量体は1種のみを用いても
よいし、2種以上を併用することもできる。また、前記
芳香族ビニル単量体単位を形成する単量体としては、例
えばスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレ
ン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4
−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレ
ン、4−tert−ブチルスチレン及びtert−ブト
キシスチレン等が挙げられるが、これらのうち、スチレ
ンが特に好ましい。これらの単量体は1種のみを用いて
もよいし、2種以上を併用することもできる。
【0020】さらに、共役ジエン単量体単位を形成する
単量体としては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、及びクロ
ロプレンなどが挙げられるが、これらのうち、1,3−
ブタジエン、イソプレンが特に好ましい。これらの単量
体は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用するこ
ともできる。当該共役ジエン系共重合体ゴムは、必要に
応じ、前記の各単量体の他に、各種のエステル系単量体
が共重合したものとすることができる。
【0021】このエステル系単量体としては、例えばメ
チル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル
(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレー
ト、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)
アクリレート等の(メタ)アクリレート類、及び酢酸ビ
ニル等のビニルエステル類が挙げられる。これらのエス
テル系単量体から形成される単量体単位の含有量は、共
役ジエン系共重合体ゴムの特性を損なわない範囲の量比
とすることができるが、単量体単位全量に対して20重
量%以下とすることが好ましい。本発明の共役ジエン系
共重合体ゴムとしては、アクリロニトリル−ブタジエン
−スチレン共重合体などが挙げられる。
【0022】当該共役ジエン系共重合体ゴムのガラス転
移点は、用いる単量体の組成比によって変化するが、A
STM D3418−82(Peapproved 1
988)に準じて示差走査熱量計(DSC)により測定
した場合に、−70〜0℃が好ましく、さらに−60〜
−10℃であることが好ましい。更に、ガラス転移の外
挿開始温度と外挿終了温度との差は20℃以下が好まし
く、より好ましくは18℃以下、さらに好ましくは15
℃以下、特に好ましくは13℃以下である。尚、下限は
通常、5℃である。この温度差が20℃を超えると、得
られる加硫ゴムのウェットスキッド抵抗が低下し、ta
nδも大きくなり、好ましくない。また、上記(a)単
量体単位の含有量が9〜20重量%、且つガラス転移の
外挿開始温度と外挿終了温度との差が13℃以下、特に
10℃以下であることが好ましい。
【0023】ここで、ガラス転移の外挿開始温度及び外
挿終了温度はASTM D3418−82(Peapp
roved 1988)に準じて示差走査熱量計(DS
C)により、以下のようにして測定される。すなわち、
外挿開始温度は、図1に示すDSCの昇温曲線におい
て、低温側のベースラインを延長した直線と、低温側の
変曲点P1 と高温側の変曲点P2 との間のほぼ直線部分
Lを延長した直線とが交わる点における温度として求
め、外挿終了温度は、図1に示すDSCの昇温曲線にお
いて、高温側のベースラインを延長した直線と、直線部
分Lを延長した直線とが交わる点における温度として求
める。
【0024】本発明で用いる共役ジエン系共重合体ゴム
のムーニー粘度[ML1+4 (100℃)]は20〜20
0が好ましく、30〜150であることがより好まし
い。このムーニー粘度が20未満であると、得られる加
硫ゴムの耐摩耗性が低下するおそれがあり、一方、20
0を超えると、この共役ジエン系共重合体ゴムを含有す
るゴム組成物の加工性が低下する場合がある。また、当
該共役ジエン系共重合体ゴムのGPC(ゲルパーミエー
ションクロマトグラフ)法により測定したポリスチレン
換算の重量平均分子量は好ましくは100,000以上
であり、特に好ましくは100,000〜2,000,
000である。この重量平均分子量が100,000未
満であると、得られる加硫ゴムの耐摩耗性が低下する傾
向にあり、tanδが大きくなることもある。一方、
2,000,000を超えると、この共役ジエン系共重
合体ゴムを含有するゴム組成物の加工性が低下すること
がある。この重量平均分子量は、重合時、ラジカル重合
において一般に使用されるアルキルメルカプタンに代表
される連鎖移動剤を用いることにより制御することがで
きる。
【0025】当該共役ジエン系共重合体ゴムは、水系媒
体において、前述の各種必須単量体及び必要に応じてエ
ステル系単量体をラジカル重合開始剤を用いて重合させ
ることにより、製造することができる。重合方法は特に
制限されないが、通常、乳化重合が好ましい。乳化重合
は一般的な方法であればよく、例えば所定の単量体を乳
化剤の存在下に水系媒体において乳化させ、ラジカル重
合開始剤により重合を開始し、所定の重合転化率となっ
た時点で重合停止剤により重合を停止する方法が挙げら
れる。
【0026】本発明においては、前述のエチレン性不飽
和ニトリル単量体の仕込み方法が重要であり、重合系に
分割して添加することが好ましい。当該単量体の一部を
重合開始前に投入し、残部を重合過程において重合系に
間欠的に、あるいは連続的に添加することが好ましい。
また、重合途中で測定される全単量体仕込み分の重合転
化率が10〜95%、好ましくは20〜80%となった
後に、当該単量体の残部を一括して又は分割して、ある
いは連続的に添加することが好ましい。尚、当該単量体
の全量を重合開始前に重合系に投入して共重合させた場
合、共重合体ゴムのガラス転移の開始温度と終了温度と
の差が20℃を超えて大きくなる傾向にあり、好ましく
ない。また、重合開始前の当該単量体の初期仕込み量
は、使用する当該単量体全量に対して、好ましくは20
〜95重量%、より好ましくは20〜90重量%、更に
好ましくは30〜85重量%である。
【0027】乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、
ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性
界面活性剤が挙げられる。また、フッ素系の界面活性剤
を使用することもできる。これらの乳化剤としては、ア
ニオン性界面活性剤が多用され、例えばカプリン酸、ラ
ウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、
ステアリン酸等の炭素数10以上の長鎖脂肪酸のカリウ
ム塩又はナトリウム塩等の他、ロジン酸塩等を使用する
ことができる。
【0028】ラジカル重合開始剤としては、ベンゾイル
パーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert
−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキ
サイド、パラメンタンヒドロパーオキサイド、ジ−te
rt−ブチルヒドロパーオキサイド及びジクミルパーオ
キサイド等の有機過酸化物を使用することができる。ま
た、アゾビスイソブチロニトリルにより代表されるアゾ
化合物、過硫酸カリウムにより代表される無機過酸化
物、及びこれら過酸化物と硫酸第一鉄との組み合わせに
より代表されるレドックス系触媒等を用いることもでき
る。これらのラジカル重合開始剤は1種のみ用いてもよ
いし、2種以上を併用することもできる。
【0029】また、共役ジエン系共重合体ゴムの分子量
を調節するため、連鎖移動剤として、tert−ドデシ
ルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のアルキ
ルメルカプタン類、四塩化炭素、チオグリコール類、ジ
テルペン、ターピノーレン及びν−テルピネン類等の連
鎖移動剤を使用することもできる。重合は酸素を除去し
た反応器を用いて0〜100℃で行うことができ、重合
温度は0〜80℃であることが特に好ましい。重合方式
は連続式でもよいし、回分式であってもよく、重合温度
等、あるいは撹拌等の操作条件等を反応途中で適宜変更
することもできる。尚、重合転化率が高くなるとゲル化
する傾向があるため、重合転化率は80%以下に抑える
ことが好ましい。重合は所定の重合転化率に達した時点
で、重合停止剤を添加することにより停止することがで
きる。この重合停止剤としては、ヒドロキシルアミン、
ジエチルヒドロキシルアミン等のアミン化合物、又はヒ
ドロキノン等のキノン化合物等を用いることができる。
【0030】重合停止後、生成した共役ジエン系共重合
体ゴムラテックスから、必要に応じて、水蒸気蒸留等の
方法により未反応の単量体を除去した後、塩化ナトリウ
ム、塩化カリウム、塩化カルシウム等の塩、及び必要で
あれば、塩酸、硝酸、硫酸等を更に添加し、共役ジエン
系共重合体ゴムをクラムとして凝固させることができ
る。このクラムを洗浄し、脱水した後、ドライヤー等に
より乾燥することにより、共役ジエン系共重合体ゴムと
することができる。
【0031】さらに、上記共役ジエン系共重合体ゴム
は、伸展油を含有したものとすることができ、この場
合、伸展油の含有量は、当該共役ジエン系共重合体ゴム
100重量部に対して、通常10〜60重量部、好まし
くは20〜50重量部である。伸展油が10重量部未満
であると、加工性が十分に向上せず、60重量部を超え
ると、ゴム組成物の調製時に所要の加工性等に応じて配
合される伸展油の量比が制限されるため好ましくない。
得られる油展ゴムのムーニー粘度[ML1+4 (100
℃)]は好ましくは20〜180、特に好ましくは30
〜150である。また、伸展油としては特に限定され
ず、例えば芳香族系油、ナフテン系油、パラフィン系油
などを挙げることができる。これらは1種のみを用いて
もよいし、2種以上を併用してもよい。また、これらの
うち、芳香族系の伸展油が特に好ましい。
【0032】本発明のゴム組成物においては、(A)成
分のゴム成分として、前記共役ジエン系共重合体ゴムを
少なくとも30重量%含むものが好ましく用いられる。
この含有量が30重量%未満では所望の物性を有するゴ
ム組成物が得られず、本発明の目的が達せられない。ゴ
ム成分中の該共役ジエン系共重合体ゴムの好ましい含有
量は35重量%以上であり、特に40〜100重量%が
好適である。当該共役ジエン系共重合体ゴムと併用され
るゴム成分としては、天然ゴム及びジエン系合成ゴムが
挙げられ、ジエン系合成ゴムとしては、例えばスチレン
−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリブタジエン(B
R)、ポリイソプレン(IR)、ブチルゴム(II
R)、エチレン−プロピレン共重合体及びこれらの混合
物等が挙げられる。また、その一部が多官能型変性剤、
例えば四塩化スズのような変性剤を用いることにより分
岐構造を有しているものでもよい。
【0033】本発明のゴム組成物においては、(B)成
分としてシリカが用いられる。このシリカとしては特に
制限はなく、従来ゴムの補強用充填材として慣用されて
いるものの中から任意に選択して用いることができる。
このシリカとしては、例えば湿式シリカ(含水ケイ
酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、
ケイ酸アルミニウム等が挙げられるが、中でも破壊特性
の改良効果並びにウェットグリップ性及び低転がり抵抗
性の両立効果が最も顕著である湿式シリカが好ましい。
【0034】本発明においては、この(B)成分のシリ
カは、前記(A)成分のゴム成分100重量部に対し、
10〜85重量部の範囲で配合される。この量が10重
量部未満では補強性や他の物性の改良効果が充分に発揮
されず、また85重量部を超えると加工性などが低下す
る。補強性や他の物性及び加工性などを考慮すると、こ
のシリカの配合量は20〜60重量部の範囲が好まし
い。本発明のゴム組成物においては、所望により、貯蔵
弾性率や補強性などを向上させる目的で、上記シリカと
共に、(D)成分としてカーボンブラックを用いること
ができる。このカーボンブラックとしては特に制限はな
く、従来ゴムの補強用充填材として慣用されているもの
の中から任意のものを選択して用いることができる。こ
のカーボンブラックとしては、例えばFEF,SRF,
HAF,ISAF,SAF等が挙げられる。好ましくは
ヨウ素吸着量(IA)が60mg/g以上で、かつ、ジ
ブチルフタレート吸油量(DBP)が80ミリリットル
/100g以上のカーボンブラックである。このカーボ
ンブラックを用いることにより、諸物性の改良効果は大
きくなるが、特に、耐摩耗性に優れるHAF,ISA
F,SAFが好ましい。
【0035】本発明においては、この所望により用いら
れる(D)成分のカーボンブラックの配合量は、前記
(A)成分100重量部に対し、80重量部以下の範囲
になるように、かつ前記(B)成分のシリカとの合計量
が120重量部以下になるように選ぶのがよい。このカ
ーボンブラックの配合量が80重量部を超えたり、
(B)成分との合計量が120重量部を超えると所望の
物性を有するゴム組成物が得られにくく、本発明の目的
が達せられないおそれがある。配合効果及び物性などの
面から、この(D)成分の好ましい配合量は、5〜70
重量部の範囲であり、かつ(B)成分との合計配合量は
100重量部以下が好ましい。
【0036】本発明のゴム組成物には、2つの態様があ
る。すなわち、第1の態様は、前記の(A)成分、
(B)成分及び所望により用いられる(D)成分と共
に、(C)成分として界面活性剤を含む組成物であり、
第2の態様は、前記の(A)成分、(B)成分及び所望
により用いられる(D)成分と共に、(C′)成分とし
て、後で説明するアミン類を含む組成物である。まず、
(C)成分として用いられる界面活性剤について説明す
る。
【0037】この界面活性剤は、シリカの分散性をよく
し、耐摩耗性や破壊特性を低下させることなく、加工性
及び低発熱性を向上させると共に、帯電防止性及びシラ
ンカップリング剤からのアルコールの発生防止性などを
付与する作用を有している。該界面活性剤としては、特
に制限はなく、様々な種類のものを用いることができ
る。
【0038】該界面活性剤としては、例えば、以下の
(a)〜(w)を挙げることができる。(a)炭素数8
〜12の飽和又は不飽和脂肪酸の金属塩及びエステルか
らなる群から選ばれる少なくとも1種。この場合、該飽
和又は不飽和脂肪酸として、ステアリン酸、オレイン
酸、ラウリン酸、リシノール酸、パルミチン酸などを挙
げることができる。また、その金属塩となる構成金属と
して、Ba、Ca、Mg及びZnなどを挙げることがで
きる。 (b)炭素数3〜10の飽和または不飽和脂肪族ジカル
ボン酸と炭素数1〜22の飽和または不飽和アルコール
とのジエステル類から選ばれる少なくとも1種。例え
ば、ジエステルとして、アジピン酸ジオレイル等を挙げ
ることができる。 (c)炭素数3〜10の飽和または不飽和脂肪族ジカル
ボン酸と、炭素数1〜22の飽和または不飽和アルコー
ルまたはポリオキシアルキレンアルコールとのモノエス
テル類から選ばれる少なくとも1種。例えば、モノエス
テルとして、アジピン酸モノステアリル、アジピン酸モ
ノオレイル等を挙げることができる。 (d)芳香族カルボン酸、その金属塩、およびそのエス
テルのうち少なくとも1種。例えば、芳香族カルボン酸
として、安息香酸及びフタル酸を挙げることができる。
また、その金属塩となる構成金属として、アルカリ金
属;Ba、Ca及びMgなどのアルカリ土類金属;及び
Znなどを挙げることができる。 (e)芳香族ジカルボン酸と、炭素数1〜22の飽和ま
たは不飽和アルコールまたはポリオキシアルキレンアル
コールとのモノエステル類から選ばれる少なくとも1
種。この場合、モノエステルとして、フタル酸モノステ
アリル、フタル酸モノオレイル等を挙げることができ
る。 (f)芳香族ジカルボン酸のモノエステル類の金属塩か
ら選ばれる1種。例えば、フタル酸モノ亜鉛塩モノステ
アリルなどを挙げることができる。 (g)フタル酸と、炭素数1〜18の飽和または不飽和
脂肪族アルコールおよび炭素数1〜18のアルキルアリ
ールアルコールのうち少なくとも1種とのジエステル
類、即ちフタル酸ジエステルから選ばれる1種。例え
ば、フタル酸ジ−2−エチルへキシル、フタル酸ジブチ
ルなどを挙げることができる。 (h)また、フタル酸モノ(トリオキシエチレンラウリ
ル)エステルを挙げることができる。 (i)アルキレングリコールと高級脂肪酸からなるジエ
ステルRO(OC)−X−(CO)OR(式中、Xは炭
素数2〜8のアルキレン基、Rは炭素数12〜22の飽和又
は不飽和脂肪族炭化水素をそれぞれ表す)のうちの1
種。例えば、エチレングリコールジオレート、ブチレン
グリコールジリノレート、エチレングリコールジリノレ
ート、エチレングリコールジステアレートなどを挙げる
ことができる。 (j)3個以上のOH基を有する多価アルコールのエス
テル類の1種。例えば、3個以上のOH基を有する多価
アルコールとして、グリセリン及びソルビトール等を挙
げることができる。また、該多価アルコールのエステル
として、ソルビタンモノオレエート、ステアリン酸モノ
グリセリド及びオレイン酸モノグリセリドなどを挙げる
ことができる。
【0039】(k)植物油の1種。該植物油として、ヒ
マシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、パーム油及びヤ
シ油など、並びに黒サブ、白サブ及び飴サブ等のサブを
挙げることができる。 (l)12−ヒドロキシステアリン酸、その塩、およびそ
の重合体のうち少なくとも1種。12−ヒドロキシステア
リン酸の金属塩を構成する金属として、Znを挙げるこ
とができる。 (m)炭素数12〜 22 の脂肪酸アミド類の1種。例え
ば、ステアロアミド及びオレイルアミドなどを挙げるこ
とができる。 (n)反応性シリコーンオイルの1種。例えば、メチル
水素シリコーンオイル及びメチルエトキシシリコーンオ
イルなどを挙げることができる。 (o)カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、
およびリン酸エステル塩のうち少なくとも1種のアニオ
ン系界面活性剤。例えば、ステアリン酸ナトリウム、ア
ルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナ
トリウム及びオレイルリン酸ナトリウムなどを挙げるこ
とができる。 (p)四級アンモニウム塩のカチオン系界面活性剤。例
えば、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライドな
どを挙げることができる。 (q)ノニオン系界面活性剤。例えば、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル及びポリエチレングリコール脂肪酸エス
テル等を挙げることができ、具体的には、ポリオキシエ
チレンラウリルエーテル及びポリエチレングリコールジ
ステアレートを挙げることができる。
【0040】(r)また、置換アミン又はその塩とし
て、ステアリルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジ
メチルフェニルアミン及びトリステアリルアミンなどを
挙げることができ、その塩として、これらのオレイン酸
塩、ステアリン酸塩、フタル酸塩及び安息香酸等を挙げ
ることができる。 (s)メタクリレート類の1種として、例えば、メトキ
シポリエチレングリコールメタクリレート及び2−メタ
クリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸などを挙げ
ることができる。 (t)アクリレートの1種として、例えば、2−ヒドロ
キシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、PEG#
400ジアクリレート等を挙げることができる。 (u)ノニオン系界面活性剤と脂肪酸エステルとの溶融
混合物。例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル
とオクチルオレエートとの溶融混合物を挙げることがで
きる。 (v)エタノールアミン脂肪酸塩の1種。例えば、エタ
ノールアミンステアリン酸塩を挙げることができる。 (w) 分子中にカルボキシル基を少なくとも1つ有す
る、脂肪族多価カルボン酸と(ポリ)オキシアルキレン
誘導体とのエステルとして、例えばアジピン酸モノステ
アリル、及びモノ[ポリオキシエチレン(3)ラウリル
エーテル]マレイン酸エステルなどを挙げることができ
る。さらに、さらに前記界面活性剤として、アニオン系
の帯電防止剤が挙げられる。具体的には、ジアルキルス
ルホコハク酸ナトリウム、アルキルエーテルサルフェー
トナトリウム塩、アルキルスルホン酸ナトリウム塩、ア
ルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩などが挙げられ
る。これらの中でジアルキルスルホコハク酸ナトリウム
が帯電防止が高く、好ましい。
【0041】次に、(C′)成分として用いられるアミ
ン類について説明する。この(C′)成分のアミン類
は、シリカの分散性をよくし、耐摩耗性や破壊特性を低
下させることなく、加工性及び低発熱性を向上させる作
用を有している。該(C′)成分のアミン類としては、
(イ)一般式(I)
【0042】
【化5】
【0043】で表される第三級アミン及びその脂肪酸
塩、並びに(ロ)一般式(II)
【0044】
【化6】
【0045】で表される第二級アミンの中から選ばれる
少なくとも一種が用いられる。上記一般式(I)におい
て、R1 は炭素数10〜30のアルキル基、アルケニル
基又はアラルキル基が挙げられる。炭素数10〜30の
アルキル基及びアルケニル基は、直鎖状、枝分かれ状の
いずれであってもよく、その例としては、ノルマル又は
イソのデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサ
デシル基、オクタデシル基、イコシル基、ドコシル基、
デセニル基、ドデセニル基、オクタデセニル基などが挙
げられる。また、炭素数10〜30のアラルキル基は、
芳香環上にアルキル基やアルケニル基などの炭化水素基
が一つ以上導入されていてもよく、その例としては、フ
ェニルブチル基、フェニルオクチル基、フェニルデシル
基、フェニルドデシル基、プロピルベンジル基、オクチ
ルベンジル基、ドデシルベンジル基などが挙げられる。
このR1 としては、炭素数10〜30アルキル基が好適
である。
【0046】R2 及びR3 は、それぞれ炭素数1〜3の
アルキル基、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロ
ピル基及びイソプロピル基である。このR2 とR3 は、
たがいに同一であっても、異なっていてもよく、また、
たがいに結合して環構造を形成していてもよい。この環
構造としては、R2 及びR3 が結合している窒素原子を
ヘテロ原子とする複素環式基、例えば1−ピロリジニル
基、ピペリジノ基(1−ピペリジル基)などが挙げられ
る。
【0047】このような一般式(I)で表される第三級
アミンの例としては、N ,N −ジメチルラウリルアミ
ン;N,N−ジメチルミリスチルアミン;N,N−ジメ
チルパルミチルアミン;N,N−ジメチルステアリルア
ミン;N,N−ジメチルオレイルアミン;N,N−ジエ
チルラウリルアミン;N,N−ジエチルミリスチルアミ
ン;N,N−ジエチルパルミチルアミン;N,N−ジエ
チルステアリルアミン;N,N−ジエチルオレイルアミ
ン;N,N−ジプロピルラウリルアミン;N,N−ジプ
ロピルミリスチルアミン;N,N−ジプロピルパルミチ
ルアミン;N,N−ジプロピルステアリルアミン;N,
N−ジプロピルオレイルアミン;N−エチル−N−メチ
ルステアリルアミン;N−エチル−N−プロピルステア
リルアミン;N−メチル−N−プロピルステアリルアミ
ン;N−ラウリルピロリジン;N−ミリスチルピロリジ
ン;N−パルミチルピロリジン;N−ステアリルピロリ
ジン;N−オレイルピロリジン;N−ラウリルピペリジ
ン;N−ミリスチルピペリジン;N−パルミチルピペリ
ジン;N−ステアリルピペリジン;N−オレイルピペリ
ジンなどが挙げられる。また、一般式(I)で表される
第三級アミンの脂肪酸塩としては、例えば前記例示の各
第三級アミンと脂肪酸との付加塩を挙げることができ
る。ここで、該脂肪酸としては特に制限はないが、炭素
数8〜24の飽和又は不飽和の脂肪酸を好ましく挙げる
ことができる。
【0048】一方、前記一般式(II)において、R4
びR5 は、それぞれ炭素数6〜8のアルキル基,シクロ
アルキル基又はアラルキル基を示す。炭素数6〜8のア
ルキル基は直鎖状,枝分かれ状のいずれであってもよ
く、具体的には、n−ヘキシル基,イソヘキシル基,n
−ヘプチル基,イソヘプチル基,n−オクチル基,イソ
オクチル基(例えば2−エチルヘキシル基)が挙げられ
る。炭素数6〜8のシクロアルキル基としては、例えば
メチルシクロペンチル基,エチルシクロペンチル基,シ
クロヘキシル基,メチルシクロヘキシル基,シクロオク
チル基などが挙げられる。また、炭素数6〜8のアラル
キル基の例としては、ベンジル基,メチルベンジル基,
フェネチル基などが挙げられる。このR4 とR5 は、た
がいに同一であっても、異なっていてもよく、また、た
がいに結合して環構造を形成していてもよい。このよう
な一般式(II)で表される第二級アミンの例としては、
ジ−2−エチルヘキシルアミン,ジシクロヘキシルアミ
ン,ジベンジルアミン,シクロヘキシル−2−エチルヘ
キシルアミン,ベンジルシクロヘキシルアミン,ベンジ
ル−2−エチルヘキシルアミン,ドデカメチレンイミ
ン,テトラデカメチレンイミン,ヘキサデカメチレンイ
ミンなどが挙げられる。これらの中で、ジシクロヘキシ
ルアミン,シクロヘキシル−2−エチルヘキシルアミン
及びベンジルシクロヘキシルアミンが好適である。
【0049】本発明においては、この(C´)成分のア
ミン類として、前記の第三級アミンを1種用いてもよ
く、2種以上組み合わせて用いてもよいし、また、前記
第二級アミンを1種用いてもよく、2種以上組み合わせ
て用いてもよい。あるいは、該第三級アミン1種以上と
二級アミン1種以上を組み合わせて用いてもよい。本発
明においては、前記の(C)成分である界面活性剤又は
(C´)成分であるアミン類の配合量は、前記(A)成
分のゴム成分100重量部に対し、0.2〜20重量部
の範囲で選定される。この配合量が0.2重量部未満で
は所望の物性を有するゴム組成物が得られず、本発明の
目的が達せられない。また、20重量部を超えると耐摩
耗性や破壊特性が低下する原因となる。この(C)成分
又は(C´)成分の好ましい配合量は0.5〜15重量
部の範囲であり、特に1〜10重量部の範囲が好まし
い。
【0050】また、本発明においては、前記の(C)成
分と(C´)成分を併用することができるがこの場合、
(C)成分と(C´)成分との合計量が、上記範囲の量
になるように選定される。本発明のゴム組成物において
は、所望により、(E)成分として、シランカップリン
グ剤を配合することができる。このシランカップリング
剤としては、特に制限はなく、従来ゴム組成物に使用さ
れている公知のもの、例えばビス(3−トリエトキシシ
リルプロピル)ポリスルフィド,γ−メルカプトプロピ
ルトリエトキシシラン,γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン,N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン,N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシランなどを用いることができる。こ
の所望により用いられるシランカップリング剤の配合量
は、前記(B)成分のシリカに対して、通常1〜20重
量%の範囲で選定される。この量が1重量%未満ではカ
ップリング剤としての効果が充分に発揮されにくく、ま
た、20重量%を超えるとゴム成分のゲル化を引き起こ
すおそれがある。カップリング剤としての効果及びゲル
化防止などの点から、このシランカップリング剤の好ま
しい配合量は、5〜15重量%の範囲である。
【0051】本発明のゴム組成物には、本発明の目的が
損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用
いられる各種薬品、例えば加硫剤,加硫促進剤,プロセ
ス油,老化防止剤,スコーチ防止剤,亜鉛華,ステアリ
ン酸などを含有させることができる。本発明のゴム組成
物は、ロール、インターナルミキサー等の混練り機を用
いて混練りすることによって得られ、成形加工後、加硫
を行い、タイヤトレッド,アンダートレッド,カーカ
ス,サイドウォール,ビード部分等のタイヤ用途を始
め、防振ゴム,ベルト,ホースその他の工業品等の用途
にも用いることができるが、特にタイヤトレッド用ゴム
として好適に使用される。
【0052】本発明の空気入りタイヤは、本発明のゴム
組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわ
ち、必要に応じて、上記のように各種薬品を含有させた
本発明のゴム組成物が未加硫の段階でトレッド用部材に
押出し加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼
り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤ
を加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。このよ
うにして得られた本発明の空気入りタイヤは、低燃費
性、破壊特性及び耐摩耗性に優れており、しかも該ゴム
組成物の加工性が良好であるので、生産性にも優れてい
る。
【0053】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。なお、重合体の物性は、下記の方法
に従って測定した。 <重合体の物性>重合体の重量平均分子量(Mw)の測
定はゲルパーミエーションクロマトグラフィ[GPC;
東ソー製HLC−8020、カラム;東ソー製GMH−
XL(2本直列)]により行い、示差屈折率(R1)を
用いて、単分散ポリスチレンを標準としてポリスチレン
換算で行った。重合体のムーニー粘度は東洋精機社製の
RLM−01型テスターを用いて、100℃で測定し
た。重合体中のアクリロニトリル単位含有量は、元素分
析による窒素含有量から算出した。重合体中のスチレン
単位含有量は1 H−NMRスペクトルの積分比より算出
した。重合体のガラス転移点(Tg)はパーキンエルマ
ー社製の示差走査熱分析機(DSC)7型装置を用い、
−100℃まで冷却した後に10℃/minで昇温する
条件で測定した。重合体のガラス転移の外挿開始温度と
外挿終了温度の差は、明細書本文記載の方法により測定
した。また、加硫ゴムの物性を下記の方法で測定すると
共に、ゴム組成物のムーニー粘度を下記のようにして測
定した。
【0054】<加硫ゴムの物性> (1)低発熱性 粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温
度50℃、歪み5%、周波数15Hzでtanδ(50
℃)を測定した。tanδ(50℃)が小さい程、低発
熱性である。 (2)破壊特性 切断時の強力(Tb)をJISK6301−1995に
従って測定した。 (3)耐摩耗性 ランボーン型摩耗試験機を用い、室温におけるスリップ
率60%の摩耗量を測定し、コントロールの耐摩耗性を
100として、耐摩耗指数として指数表示した。指数が
大きい方が良好となる。 (4)帯電防止性(体積抵抗) アドバンテスト社製の絶縁抵抗測定箱と超絶縁抵抗計と
を用いて、測定電圧500Vで体積抵抗率(Ω・cm)
を測定した。小さいほど導電性が良いため、静電気が発
生しにくいことを示す。 <ゴム組成物のムーニー粘度>JIS K6300−1
994に準じ、130℃にてムーニー粘度[ML1+4
130℃]を測定した。
【0055】製造例1(NSBR−A:油展共役ジエン
系ゴム) 重合用容器に、水を200重量部、ロジン酸石鹸を4.
5重量部、ブタジエンを66重量部、スチレンを26重
量部、及びアクリロニトリルを5重量部仕込んだ。その
後、重合用容器の温度を5℃に設定し、ラジカル重合開
始剤としてp−メンタンハイドロパーオキサイドを0.
03重量部、エチレンジアミン4酢酸ナトリウムを0.
02重量部、硫酸第1鉄7水和物を0.01重量部、及
びソジウムホルムアルデヒドスルホキシレートを0.0
3重量部添加して重合を開始した。重合転化率が30%
に達した時点で、アクリロニトリルを3重量部更に添加
し、重合転化率が60%に達した時点で、ジエチルヒド
ロキシルアミンを添加して重合を停止させた。次いで、
スチームストリッピングにより未反応単量体を回収し、
共役ジエン系ゴムラテックスを得た。その後、このラテ
ックスに含有される固形分100重量部に対して37.
5重量部のアロマオイル(富士興産株式会社製、商品名
「フッコール・アロマックス#3」)を含む乳化物を配
合し、これを硫酸と塩化ナトリウムにより凝固させてク
ラムとした。次いで、このクラムを熱風乾燥機により乾
燥させ、アロマオイルで油展された共役ジエン系ゴム
(NSBR)Aを得た。ラテックスに含まれる共役ジエ
ン系ゴムのムーニー粘度は127、アクリロニトリル単
位含有量は10重量%、スチレン単位含有量は20重量
%、重量平均分子量は640,000、ガラス転移点は
−43℃であり、ガラス転移の外挿開始温度と外挿終了
温度との差は11℃であった。また、油展共役ジエン系
ゴム(NSBR)Aのムーニー粘度は49であった。
【0056】製造例2(NSBR−B:油展共役ジエン
系ゴム) 重合用容器に、水を200重量部、ロジン酸石鹸を4.
5重量部、ブタジエンを66重量部、スチレンを19重
量部、及びアクリロニトリルを7重量部仕込んだ。その
後、重合用容器の温度を5℃に設定し、ラジカル重合開
始剤としてp−メンタンハイドロパーオキサイドを0.
03重量部、エチレンジアミン4酢酸ナトリウムを0.
02重量部、硫酸第1鉄7水和物を0.01重量部、及
びソジウムホルムアルデヒドスルホキシレートを0.0
3重量部添加して重合を開始した。重合転化率が30%
に達した時点で、アクリロニトリルを5重量部さらに添
加し、重合転化率が60%に達した時点で、ジエチルヒ
ドロキシルアミンを添加して重合を停止させた。次い
で、製造例1の場合と同様にしてアロマオイルで油展さ
れた共役ジエン系ゴム(NSBR)Bを得た。ラテック
スに含まれる共役ジエン系ゴムのムーニー粘度は13
2、アクリロニトリル単位含有量は14重量%、スチレ
ン単位含有量は15重量%、重量平均分子量は640,
000、ガラス転移点は−45℃であり、ガラス転移の
外挿開始温度と外挿終了温度との差は12℃であった。
また、油展共役ジエン系ゴム(NSBR)Bのムーニー
粘度は45であった。
【0057】製造例3(NSBR−C:油展共役ジエン
系ゴム) 重合用容器に、水を200重量部、ロジン酸石鹸を4.
5重量部、ブタジエンを66重量部、スチレンを26重
量部、及びアクリロニトリルを8重量部仕込んだ。その
後、重合用容器の温度を5℃に設定し、ラジカル重合開
始剤としてp−メンタンハイドロパーオキサイドを0.
03重量部、エチレンジアミン4酢酸ナトリウムを0.
02重量部、硫酸第1鉄7水和物を0.01重量部、及
びソジウムホルムアルデヒドスルホキシレートを0.0
3重量部添加して重合を開始した。重合転化率が60%
に達した時点で、ジエチルヒドロキシルアミンを添加し
て重合を停止させた。次いで、製造例1の場合と同様に
してアロマオイルで油展された共役ジエン系ゴム(NS
BR)Cを得た。ラテックスに含まれる共役ジエン系ゴ
ムのムーニー粘度は125、アクリロニトリル単位含有
量は10重量%、スチレン単位含有量は20重量%、重
量平均分子量は640,000、ガラス転移点は−41
℃であり、ガラス転移の外挿開始温度と外挿終了温度と
の差は25℃であった。また、油展共役ジエン系ゴム
(NSBR)Cのムーニー粘度は47であった。
【0058】製造例4(SBR−D:油展共役ジエン系
ゴム) 重合用容器に、水を200重量部、ロジン酸石鹸を4.
5重量部、ブタジエンを58重量部、スチレンを42重
量部仕込んだ。その後、重合用容器の温度を5℃に設定
し、ラジカル重合開始剤としてp−メンタンハイドロパ
ーオキサイドを0.03重量部、エチレンジアミン4酢
酸ナトリウムを0.02重量部、硫酸第1鉄7水和物を
0.01重量部、及びソジウムホルムアルデヒドスルホ
キシレートを0.03重量部添加して重合を開始した。
重合転化率が60%に達した時点で、ジエチルヒドロキ
シルアミンを添加して重合を停止させた。次いで、製造
例1の場合と同様にしてアロマオイルで油展された共役
ジエン系ゴム(SBR)Dを得た。ラテックスに含まれ
る共役ジエン系ゴムのムーニー粘度は126、スチレン
単位含有量は35重量%、重量平均分子量は760,0
00、ガラス転移点は−40℃であった。また、油展共
役ジエン系ゴム(SBR)Dのムーニー粘度は47であ
った。
【0059】製造例5(NSBR−E:非油展共役ジエ
ン系ゴム) 重合用容器に水を200重量部、ロジン酸石鹸を4.5
重量部、ブタジエンを80重量部、スチレンを12重量
部、及びアクリロニトリルを5重量部仕込んだ。その
後、重合用容器の温度を5℃に設定し、ラジカル重合開
始剤としてp−メンタンハイドロパーオキサイドを0.
03重量部、エチレンジアミン4酢酸ナトリウムを0.
02重量部、硫酸第1鉄7水和物を0.01重量部、及
びソジウムホルムアルデヒドスルホキシレートを0.0
3重量部添加して重合を開始した。重合転化率が30%
に達した時点でアクリロニトリルを3重量部更に添加
し、重合転化率が60%に達した時点で、ジエチルヒド
ロキシルアミンを添加して重合を停止させた。次いで、
スチームストリッピングにより未反応単量体を回収し、
共役ジエン系ゴムラテックスを得た。その後、アロマオ
イルを配合しなかったこと以外は、製造例1と同様にし
て非油展共役ジエン系ゴム(NSBR)Eを得た。ラテ
ックスに含まれる共役ジエン系ゴムのムーニー粘度は5
0、アクリロニトリル単位含有量は10重量%、スチレ
ン単位含有量は11重量%、重量平均分子量は450,
000、ガラス転移点は−60℃であり、ガラス転移の
外挿開始温度と外挿終了温度との差は12℃であった。
【0060】製造例6(SBR−F:非油展共役ジエン
系ゴム) 重合用容器に水を200重量部、ロジン酸石鹸を4.5
重量部、ブタジエンを72重量部、スチレンを28重量
部仕込んだ。その後、重合用容器の温度を5℃に設定
し、ラジカル重合開始剤としてp−メンタンハイドロパ
ーオキサイドを0.03重量部、エチレンジアミン4酢
酸ナトリウムを0.02重量部、硫酸第1鉄7水和物を
0.01重量部、及びソジウムホルムアルデヒドスルホ
キシレートを0.03重量部添加して重合を開始した。
重合転化率が60%に達した時点で、ジエチルヒドロキ
シルアミンを添加して重合を停止させた。次いで、スチ
ームストリッピングにより未反応単量体を回収し、共役
ジエン系ゴムラテックスを得た。その後アロマオイルを
配合しなかったこと以外は、製造例1と同様にして非油
展共役ジエン系ゴム(SBR )F を得た。ラテックスに含
まれる共役ジエン系ゴムのムーニー粘度は49、スチレ
ン単位含有量は23.5重量%、重量平均分子量44
0,000、ガラス転移点は−61℃であった。上記で
得られた各共役ジエン系ゴムの性状を第1表に示す。な
お、製造例1 〜4のNSBR−A〜NSBR−C及びS
BR−Dは、共役ジエン系ゴム100重量部に対してオ
イル37.5重量部を加えた油展ゴムであるが、製造例
5,6のNSBR−E及びSBR−Fはオイルを加えて
いない非油展ゴムである。
【0061】
【表1】
【0062】実施例1〜12及び比較例1 〜12 製造例で得られた第2 表に示す種類の油展ゴム137.
5重量部(オイル含量37.5重量部)に対し、カーボ
ンブラック[東海カーボン(株)製、商標:シーストK
H(N339)]20重量部、シリカ[日本シリカ工業
(株)製、商標:ニプシルAQ]60重量部、シランカ
ップリング剤[デグサ社製、商標:Si69,ビス(3
−トリエトキシシリルプロビル)テトラスルフィド]6
重量部、第2 表に示す種類と量の添加剤、ステアリン酸
2重量部、老化防止剤6C[N−(1,3−ジメチルブ
チル)−N´−フェニル−p−フェニレンジアミン]1
重量部を配合してマスターバッチを調製し、さらに亜鉛
華3重量部、加硫促進剤DPG(ジフェニルグアニジ
ン)1 重量部、加硫促進剤DM(ジベンゾチアジルジス
ルフィド)1重量部、加硫促進剤NS(N−t−ブチル
−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)1重量部及び
硫黄1.5重量部を配合してゴム組成物を調製した。ゴ
ム組成物のム−ニ−粘度を測定すると共に、160℃、
15分間の条件で加硫し、加硫ゴムの物性を測定した。
その結果を第2表に示す。
【0063】
【表2】
【表3】
【表4】
【0064】
【表5】
【0065】[注] 1)添加剤の種類 :N,N−ジメチルステアリルアミン :ジシクロヘキシルアミン :N,N−ジメチルステアリルアミン・ステアリン酸
塩 :ポリオキシエチレンラウリルエーテル( 花王社製
「エマルゲン108」) :ポリエチレングリコールジステアレート( 花王社製
「エマーノン3299」) :ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム( 日本油脂社
製「ラピゾールB90」、有効成分量90重量%) :ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム( 日本油脂
社製「ニューレックスソフト60」、有効成分量60重
量%) :ステアリン酸亜鉛 2)耐摩耗指数は、比較例4のものを100とした値で
ある。 上記の結果は、充填材をシリカ/カーボンブラック混合
系として評価したもので、NSBRに添加剤を配合した
実施例では、対応するNSBRに添加剤を配合しない比
較例に比べて、耐摩耗性及び破壊特性をあまり損なうこ
となく、加工性及び低発熱性の向上が認められる。ま
た、SBRに添加剤を配合した比較例では、SBRに添
加剤を配合しない比較例に比べて、加工性は向上する
が、耐摩耗性の低下が大きい。さらに帯電防止性ついて
はさらなる改良効果が認められる。
【0066】実施例13〜14及び比較例13〜16 製造例で得られた第3表に示す種類の非油展ゴム100
重量部に対し、シリカ( 前出) 55重量部,シランカッ
プリング剤「Si69」( 前出) 5.5重量部,第3表
に示す種類と量の添加剤,アロマオイル10重量部,ス
テアリン酸2重量部,老化防止剤6C( 前出) 1重量部
を配合してマスターバッチを調製し、さらに亜鉛華3重
量部,加硫促進剤DPG( 前出) 1重量部,加硫促進剤
DM(前出)1重量部,加硫促進剤NS(前出)1重量
部及び硫黄1.5重量部を配合してゴム組成物を調製し
た。ゴム組成物のムーニー粘度を測定すると共に、16
0℃、15分間の条件で加硫し、加硫ゴムの物性を測定
した。その結果を第3表に示す。
【0067】
【表6】
【0068】[注] 1)添加剤の種類 及びは、第2表の脚注と同じである。 2)耐摩耗指数は、比較例14のものを100とした値
である。 上記の結果は充填材をシリカ単独系として評価したもの
で、NSBRに添加剤を配合した実施例では、対応する
NSBRに添加剤を配合しない比較例に比べて、耐摩耗
性及び破壊特性をあまり損なうことなく、加工性及び低
発熱性の向上が認められる。また、SBRに添加剤を配
合した比較例では、SBRに添加剤を配合しない比較例
に比べて、加工性は向上するが、耐摩耗性の低下が大き
い。さらに、帯電防止性についてはさらなる改良効果が
認められる。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、ゴム成分として、シリ
カなどの補強用充填材との親和性を向上させたニトリル
基をもつ共役ジエン系共重合体ゴムを用い、かつある種
の化合物を配合することにより、低発熱性に優れると共
に、良好な破壊特性、耐摩耗性、加工性を有する上、帯
電防止性、シランカップリング剤からのアルコールの発
生防止性などを付与したゴム組成物を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における共役ジエン系共重合体ゴムのガ
ラス転移の外挿開始温度と外挿終了温度の求め方を示す
DSCのチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/541 C08K 5/54 (72)発明者 但木 稔弘 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 4J002 AC021 AC032 AC062 AC071 AC081 AC082 BB152 BB182 DA037 DJ016 EG038 EH038 EH048 EN029 FD318 GN01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(a)エチレン性不飽和ニトリル
    単量体単位と、(b)芳香族ビニル単量体単位と、
    (c)共役ジエン単量体単位とを有し、かつ上記
    (a)、(b)及び(c)単位の合計量に基づき、
    (a)単位5〜45重量%を含有する共役ジエン系共重
    合体ゴムを含むゴム成分と、その100重量部当たり、
    (B)シリカ10〜85重量部と、(C)界面活性剤
    0.2〜20重量部を含むことを特徴とするゴム組成
    物。
  2. 【請求項2】 (C)成分の界面活性剤が、アニオン性
    界面活性剤及び/又は非イオン性界面活性剤である請求
    項1記載のゴム組成物。
  3. 【請求項3】 (A)(a)エチレン性不飽和ニトリル
    単量体単位と、(b)芳香族ビニル単量体単位と、
    (c)共役ジエン単量体単位とを有し、かつ上記
    (a)、(b)及び(c)単位の合計量に基づき、
    (a)単位5〜45重量%を含有する共役ジエン系共重
    合体ゴムを含むゴム成分と、その100重量部当たり、
    (B)シリカ10〜85重量部と、(C′)(イ)一般
    式(I) 【化1】 (式中、R1 は炭素数10〜30のアルキル基、アルケ
    ニル基又はアラルキル基、R2 及びR3 は、それぞれ炭
    素数1〜3のアルキル基を示し、該R2 とR3 はたがい
    に同一でも異なっていてもよく、また、たがいに結合し
    て環構造を形成していてもよい。)で表される第三級ア
    ミン及びその脂肪酸塩、並びに(ロ)一般式(II) 【化2】 (式中、R4 及びR5 は、それぞれ炭素数6〜8のアル
    キル基、シクロアルキル基又はアラルキル基を示し、そ
    れらはたがいに同一でも異なっていてもよく、また、た
    がいに結合して環構造を形成していてもよい。)で表さ
    れる第二級アミンの中から選ばれる少なくとも一種のア
    ミン類0.2〜20重量部を含むことを特徴とするゴム
    組成物。
  4. 【請求項4】 共役ジエン系共重合体ゴムが、(a)、
    (b)及び(c)単位の合計量に基づき、(b)単位5
    〜50重量%を含有する請求項1、2又は3記載のゴム
    組成物。
  5. 【請求項5】 共役ジエン系共重合体ゴムが、ガラス転
    移温度−70〜0℃及びムーニー粘度[ML1+4 (10
    0℃)]20〜200のものである請求項1ないし4の
    いずれかに記載のゴム組成物。
  6. 【請求項6】 共役ジエン系重合体ゴムが、ガラス転移
    の外挿開始温度と外挿終了温度との差が20℃以下のも
    のである請求項1ないし5のいずれかに記載のゴム組成
    物。
  7. 【請求項7】 共役ジエン系共重合体ゴムが、アクリロ
    ニトリルとスチレンとブタジエンとの共重合体である請
    求項1ないし6のいずれかに記載のゴム組成物。
  8. 【請求項8】 (A)成分が、共役ジエン系共重合体ゴ
    ム30重量%以上を含む請求項1ないし7のいずれかに
    記載のゴム組成物。
  9. 【請求項9】 さらに、(A)成分100重量部当た
    り、(D)カーボンブラック80重量部以下を含む請求
    項1ないし8のいずれかに記載のゴム組成物。
  10. 【請求項10】 さらに、(B)成分のシリカに対し、
    (E)シランカップリング剤1〜20重量%を含む請求
    項1ないし9のいずれかに記載のゴム組成物。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし10のいずれかに記載
    のゴム組成物をトレッドゴムとして用いたことを特徴と
    する空気入りタイヤ。
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