以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、遊技場用システムの全体構成を示す概略図である。同図に示す遊技場α内には、遊技機1(例えばスロットマシン)が設置されており、各遊技機1には遊技装置2が付設されている。これら遊技機1及び遊技装置2は、中継装置3に接続されている。この中継装置3は、LAN4を介して管理装置5に接続されており、遊技機1や遊技装置2等から出力される遊技信号を管理装置5に送信する。
管理装置5は、遊技場α内の例えば事務所等に設置されており、モニタ5m、キーボード5k、プリンタ(図示略)等が接続されている。管理装置5は、遊技場α内における遊技機側、つまり遊技機1や遊技装置2、中継装置3等から送信される遊技信号や後述する操作入力等に基づいて、その遊技に係る各種情報(遊技情報)を管理する。遊技場内には、所謂パチンコ機も含めて例えば数100台の遊技機1が設置され、それら遊技機1や遊技装置2等を管理装置5の管理対象としている。また、本実施形態の遊技機1がスロットマシンの場合、遊技媒体はメダルであり、遊技機がパチンコ機の場合、遊技媒体はパチンコ玉である。
遊技機1は、図2に示すように、表示窓7、スタートレバー8、ストップ釦9a〜9c、液晶表示部10、スピーカ11、メダル投入口12、MAXBET釦13、クレジット精算釦14、クレジット数表示部15、払出数表示部16等が設けられている。遊技者は、表示窓7を通じて内部に設けられたリール17a〜17cの図柄を視認可能となっている。各図柄は、左リール17a、中リール17b及び右リール17cの円周面に描かれており、各リール17a〜17cが停止した状態では、表示窓7の上段、中段及び下段に対応して停止表示される。即ち、遊技機1には、各リール17a〜17c夫々について3図柄ずつ、合計9図柄分の図柄表示領域が形成されている。遊技機1は、遊技者によってメダルを投入口12から投入し、或いはMAXBET釦13を操作することによりクレジットメダル(遊技価値)が所定枚数(例えば通常状態では3枚)投入された状態でスタートレバー8が操作される。これによりゲームが開始されると、内部抽選を実行すると共にリール17a〜17cの変動を開始させ、ストップ釦9a〜9cが操作されることによって所謂引込制御(予め規定された引込範囲、例えば4図柄までにある図柄を後述する有効ライン上に引込んで停止表示させる制御)によりリール17a〜17cの変動を停止する。
図3は、遊技機1に設定されている役と出率との関係を示している。遊技機1には、所謂ボーナス役としてのBB(ビッグボーナス)役及びRB(レギュラーボーナス)役、小役及びリプレイ役が設けられている。遊技機1には、図2の破線で示す、合計5本(表示窓7の上段、中段、下段に対応した横方向に1本ずつの3本及び斜め方向の2本)の有効ラインが設けられている。遊技者によるストップ釦9a〜9cの操作によってこれらの有効ラインのうち何れかの有効ライン上に内部当選役に対応する図柄が揃ったとき、即ち、有効ライン上に停止表示された図柄の組み合わせが内部当選役に対応する図柄の組み合わせと一致したとき、入賞となる。入賞となった場合には、BB状態やRB状態の発生、或いは、対応する枚数のメダルの払い出しが行われる。BB状態やRB状態では小役の入賞率が高まり、BB状態やRB状態は、夫々所定の払い出し枚数に達することで終了する。
遊技機1には、例えば6段階で役の内部当選確率を設定するための遊技機設定値(図3の「1」〜「6」参照)が与えられている。各遊技機設定値には、夫々理論上の出率が対応し、上記したボーナス役の内部当選確率等により調節される。つまり、遊技機設定値が大きいほどボーナス役当選確率が高くなり、それに伴って理論上の出率が大きくなる。小役確率については、全設定共通である。尚、上記は単なる例示であり、例示した数値等のスペックは、機種に応じて異なる数値等が採用され、例えば後述するART等の特別状態を発生可能な機種等を対象としてもよい。
遊技機設定値(モード)は、遊技場αの管理者の設定変更操作により、6段階のうちの何れかのモードが有効化される。具体的には、モードを変更する場合、遊技機1内部の電源スイッチにて電源をOFFし、設定キーにて設定モード切替部を「遊技」から「設定」に切換えた状態で電源をONすると設定変更可能状態へと移行する。設定変更可能状態では、クレジット数表示部15にて現在設定されているモードを表示し、設定釦の操作に応じて表示されるモードが「1」〜「6」の順に切り替わり、クレジット数表示部15に変更したいモードが表示されているときにスタートレバー8を操作するとモードが確定する。こうして、複数設けられるモードのいずれか(つまり「1」〜「6」の内の一つ)を設定することにより遊技者の有利度合いの調整が可能となる。
遊技機側からは次の遊技信号が出力される。
アウト信号=遊技機1から出力される。開始操作に応じてベット状態のメダルを消費したとしてベット状態のメダル数(3枚)分がパルス出力されるので、アウト信号数×1がアウト(消費価値、使用媒体数)となる。尚、リプレイ時にも対応分が出力される。
セーフ信号=遊技機1から出力される。メダルが1枚払出される毎に1パルス出力されるので、セーフ信号数×1がセーフ(入賞獲得価値、払出媒体数)となる。尚、リプレイ役入賞時にも、そのゲームに使用されたメダル分が出力される。
BB及びRB信号=遊技機1から出力される。対応するボーナス状態(BB、RB)にてレベル出力されるので、信号入力期間はボーナス状態として特定される。
図1に示す遊技装置2は、貨幣投入口18、カード挿入口19、貸出釦20a、払出釦20b、返却釦21、表示部22、払出ノズル23、投入口24、計数部を備えている。また、遊技装置2において、マイクロコンピュータを主体に構成された制御部は、CPU、ROMやRAM等の記憶部、I/Oを有し(何れも図示略)、以下の動作を行う。
即ち、遊技装置2は、所謂貸出機能を搭載しており、貨幣投入口18への貨幣の投入、或いは後述するICカードの受付けにより遊技者が所有する貨幣を受付け(貨幣受付処理)、その残高を表示部22に表示し、貸出釦20aが押下(貸出操作、付与操作)されると、払出単位(例えば1000円)分のメダル(対価付与価値)を払出ノズル23から払出し(対価付与処理)、その対価分を残高から引き落とす。この場合、遊技装置2において受付可能な貨幣は、対価付与処理の複数回分に対応する金額(例えば1万円まで)とする。
また、遊技装置2は、所謂各台計数機能を搭載しており、投入口24へのメダルの投入、或いはICカードの受付けにより遊技者が獲得したメダルを受付け可能で、投入口24へ投入されたメダルを前記計数部で計数し、当該計数値を持玉(計数メダル数)として記憶部に記憶する。こうして、遊技装置2は、受付けたメダルを持玉として管理し、遊技者が払出釦20bを操作すると、当該持玉の範囲内でメダルを払出ノズル23から遊技機1側へ払出す払戻処理(価値付与処理)を可能とし、その対価分つまり払出数を現在の持玉から差引いて持玉を減算更新する。
遊技装置2は、残高や持玉が残存する状態で返却釦21が押下されると(発行操作を受け付けると)、残高や持玉を特定可能なICカードである一般カードをカード挿入口19から発行する。尚、一般カードを受付けた場合、その残高や持玉を引継ぐ。
遊技装置2は、中継装置3との間でのシリアル通信により送信する売上信号によって、管理装置5にて上記した貨幣受付処理、対価付与処理、価値付与処理、一般カードの受付や発行処理、並びに入金額、残高、持玉、貸出数、貸出の対価となる売上額、払戻数、計数メダル数等の各種情報を特定可能であるが、例えば入金1000円毎に1パルス出力したり、売上メダル5枚(100円相当)毎に1パルス出力するようなパルス信号を出力対象として、それら各種情報を特定してもよい。
管理装置5の制御部は、マイクロコンピュータを主体に構成され、ROM、RAM、HDD等からなる記憶部、I/O等を備えており、その不揮発性の記憶部に記憶された制御プログラムに従い動作する。
管理装置5は、遊技機側等から出力される遊技信号或いは操作入力に基づき特定される遊技情報ついての管理・集計を行う。ここで、操作入力とは、モニタ5m、キーボード5k、マウス等を利用した所定の入力操作による管理装置5の制御部(以下適宜、管理装置5と略す)への入力であり、例えばタッチパネル式のモニタ5mであればタッチ操作による入力操作を行うことができる。また、詳しくは後述するように、管理装置5は、遊技情報の集計を遊技機1単位、営業日単位で行い(図4参照)、その集計値を所定期間(例えば400日間)記憶部に保持すると共に、当該集計値や操作入力した設定等の情報をモニタ5mに出力する。
詳しい図示は省略するが、図1の店舗β並びに店舗γでも、上記した遊技場αと同様、遊技機1、遊技装置2、中継装置3、管理装置5等が設置されている。遊技場α、β、γに夫々対応して設けられている管理装置5(以下、管理装置5A,5B,5Cとする)は、例えばインターネット回線等の公衆回線6を介して、遊技情報サーバ(以下、単にサーバ50と称す)と接続可能に構成されている。サーバ50は、各遊技場α〜γの管理装置5A〜5Cとの間で、公衆回線6を介した遊技情報の送受信を行う。サーバ50の制御部(以下適宜、サーバ50と略す)は、マイクロコンピュータを主体に構成され、ROM、RAM、HDD等からなる記憶部、I/O、モニタ50m、キーボード50k等を備えており、その不揮発性の記憶部に記憶された制御プログラムに従い動作する。サーバ50は、各管理装置5A〜5Cにてモード1〜6に対応付けて集計された遊技情報(複数店舗α〜γにおける遊技情報)を受信して全体の集計を行い、モード1〜6に対応付けた遊技情報として機種別に管理し、各遊技場α〜γの管理装置5A〜5Cへ当該遊技情報を配信する。
このように、遊技場α〜γでは、夫々遊技情報に係る同様の遊技場用システムが構築されており、上記した管理装置5A〜5C及びサーバ50は、複数設けられるモード1〜6のいずれかが設定されることにより、遊技機の遊技情報を、機種により区分して設定されたモード単位で管理する管理手段として構成されている。この場合、管理手段は、対応する遊技場α〜γに設置される遊技機1の遊技情報を管理対象とする管理装置5A〜5C(第1管理手段)と、複数の管理装置5A〜5Cにより管理される遊技情報に基づき複数の遊技場α〜γに設置される遊技機1の遊技情報を管理対象とするサーバ50(第2管理手段)とに区分される。
そして、管理装置5A〜5Cは、従来技術で述べたシミュレートについて、モード別の実績値を利用して行う場合、サーバ50によって管理される遊技情報をも利用する等して、より適切なシミュレート処理を行うようになっている。以下では、その具体的な管理内容や処理内容について、「1.管理装置で集計した実績値とシミュレート値」、「2.サーバで集計したモード別集計値」、「3.管理装置での採用条件の設定」、「4.出率優先順と玉単価優先順」、「5.採用基準値」の順に管理装置5Aを中心に説明する。尚、上記した遊技場α〜γについては、それら3つの店舗α〜γの数に限るものではない。
[1.管理装置で集計した実績値とシミュレート値]
管理装置5Aは、遊技機側から入力される遊技信号やサーバ50から配信される遊技情報に基づき、図4に示す各種の遊技情報についての実績値やシミュレート値を求めてモニタ5mに表示する。図4では、遊技場αにおける営業日単位且つ機種単位で集計・演算された、遊技情報の一部(台番「1」〜「5」参照)を例示している。
台番、モード = 台番は遊技機ID、モードは遊技機設定値であり、操作入力により設定される。
アウト、セーフ = アウトは消費価値、セーフは入賞獲得価値であり、いずれも遊技信号により特定される。
売上、出率 = 売上は対応する遊技装置2における売上額(遊技信号により特定)、出率は付与率(セーフ÷アウト)で出玉率と表現する場合もある。尚、以降も含め、玉とは遊技価値の略称を示す。
基準出率 = 出率の基準値。図6の設定値に基づきサーバ50から受信する等して特定した遊技情報であり、詳しくは後述する。
補正セーフ = アウトに対応するセーフの相当値であり、アウト×基準出率で演算されるシミュレート値である。
基準玉単価 = 玉単価(売上額÷アウト)の基準値。基準出率と同様に、図6の設定値に基づき特定した遊技情報である。
補正売上 = モードに対応する売上の相当値であり、アウト×基準玉単価で演算されるシミュレート値である。
補台粗利 = モードに対応する台粗利(売上額−(売上玉−差玉)×交換単価)の相当値であり、補正売上−(補正売上玉−補正差玉)×交換単価で演算されるシミュレート値である。尚、売上玉=売上額÷貸単価、差玉=アウト−セーフ、補正売上玉=補正売上÷貸単価、補正差玉=(アウト−補正セーフ)、貸単価=20円、交換単価=18円にて演算。
補正玉粗利 = モードに対応する玉粗利(粗利額÷アウト)の相当値であり、補台粗利÷アウトで演算されるシミュレート値である。
機械割 = 売上玉(売上額)に対する景品玉(景品額)の割合、所謂営業割数((売上玉−差玉)÷売上玉)である。
上記したシミュレート値は、管理装置5Aにより管理される遊技情報と、基準出率や基準玉単価といった基準値とを演算対象としたミュレート処理を当該装置5A(シミュレート手段)により実行することで求められる(演算される)。尚、管理装置5Aは、図4の集計結果(演算結果)と共に表される期間の指定欄(図示略)において、任意の期間を指定する操作入力が行われることで、その指定期間に応じた遊技情報の集計・演算及び表示が可能とされている。
[2.サーバで集計したモード別集計値]
サーバ50は、図4のようにモードに対応付けて集計された各遊技場α〜γの遊技情報を受信し、モードに対応付けて機種単位で集計・管理する。図5は、係るサーバ50による集計結果を、モニタ50mに表示出力させた例(同図では機種Iの例)を示している。このうち、図5(a)は、管理装置5A〜5Cが設けられる遊技場α〜γにおけるレートを考慮しない全損益分岐を対象としてモード別に遊技情報を集計した例であり、同図(b)〜(d)は、各遊技場α〜γのレートをグループ分けした上で同図(a)と同様に遊技情報を集計した例である。そして、サーバ50は、同図(b)の「10割」、(c)の「11割」というようにレートにより区分される基準情報である「玉単価(区分基準情報)」と、そのレートにより区分されない基準情報である同図(a)の「玉単価(全基準情報)」とを特定可能な遊技情報をモード単位で管理する。
具体的には、本実施形態において、レート別つまり損益分岐別の遊技情報は、例えば4グループに区分している。損益分岐は、遊技場α〜γにおける交換レート(交換単価)に対する貸出レート(貸出単価)の割合を示し、例えば図4で説明したように貸出単価が20円で交換単価が18円の場合、20÷18=1.11、即ち11割1分(111%)にて示される。従って、図4の「機械割」がこの損益分岐となった場合に、粗利が0となるような遊技情報であるということができる。
グループ分けは、損益分岐が11割に達していない図5(b)の「10割」のグループと、損益分岐が11割に達しており且つ12割に達していない図5(c)の11割のグループと、損益分岐が12割に達しており且つ13割に達していない図示しない12割のグループと、損益分岐が13割に達している図5(d)の13割〜のグループとで区分している。サーバ50は、遊技場α〜γの遊技情報を、送信されたレートにより示される損益分岐により区分して集計する。上記した図4の例では、損益分岐が11割1分なので図5(c)の11割のグループに区分され、全てのグループの合計は、図5(a)の全損益分岐の遊技情報として集計対象となる。
また、サーバ50は、係る遊技情報の集計に関し例えば、全機種を対象として毎週更新する週間データを第1基準情報とし、特定の機種(新台や注目機種等の速報値が望まれる機種)を対象として毎日更新する速報データを第2基準情報として区分する。ここで、週間データや速報データとして対象となる遊技情報は、出率と玉単価(基準情報)との2種類である。このように、基準情報は例えば、週単位(第1所定期間単位)で複数の機種を対象として更新される週間データと、その第1所定期間よりも短い日単位(第2所定期間単位)で、第1基準情報の対象となる機種よりも少ない機種を対象として更新される速報データとに区分される。尚、週間データは、サーバ管理者が異常値を確認して排除する等の精査が行われるといったように週間データの方が補正程度をより高くしている。
図5(a)の「出率」は、全損益分岐を作成対象としており、対応するアウトの「合計」(合計アウト)について、2百万に達している(2百万〜)か、百万に達しており且つ2百万に達していない(百万〜2百万)か、百万に達していない(〜百万)かをモード別に対応付けて区分する。つまり図5(a)の例において、モード「1」〜「3」では。合計アウトが2百万以上の区分にあり、モード「4」では、合計アウトが百万以上2百万未満の区分にあり、モード「5」と「6」では、合計アウトが百万未満の区分にある。これらの区分は、後述する補助情報として、出率に対応付けられる。
「玉単価」は、図5(a)〜(d)に示すように、全損益分岐と損益分岐別との夫々が作成対象となり、出率と同様に、合計アウトの区分が対応付けられる。この場合、上記した図示しないグループを含めて損益分岐別に4グループあることから、サーバ50での集計において、それら4グループの夫々の玉単価(区分基準情報)と全損益分岐の玉単価(全基準情報)との合計5つの玉単価について、夫々の合計アウトの区分が対応付けられる。
こうして、サーバ50は、損益分岐別に区分して遊技情報を管理する(図5(b)〜(d)参照)と共に、それらの合計(全損益分岐)を示す遊技情報を管理し(図5(a)参照)、夫々の遊技情報について、全機種を対象とした週間データと特定機種を対象とした速報データとを特定し、各遊技場α〜γの管理装置5A〜5Cへ配信する。配信対象は、管理装置5A〜5Cにて図4の補正台粗利等のシミュレート値(補正データ)を特定するための基準値(基準出率や基準玉単価)に対応した遊技情報(基準値の候補)である出率や玉単価等(基準情報)であるが、配信時には対応する合計アウトに係る情報(補助情報)と共に配信される。このように、サーバ50は管理対象となる遊技情報により基準値に対応した基準情報をモード単位で特定すると共に(基準情報特定手段)、当該基準情報に対応した遊技情報により当該基準情報の信頼性を示す補助情報を特定する(補助情報特定手段)。
なお、サーバ50では、上記した週間データ速報データとは別に、出率についてはメーカ発表値(図6の「メーカ値」参照)、玉単価についてはサーバ管理者の操作入力や過去の他の遊技機の遊技情報等で推測され或いは推奨される推奨値(以下、推測値とする(図6参照))が設定される。これらの値は、いずれも設定基準情報に相当し、出率は全損益分岐、玉単価は各損益分岐に対応付けて設定される。
[3.管理装置での採用条件の設定]
管理装置5Aは、図4に示した基準出率や基準玉単価を、サーバ50から配信される週間データ等に基づき特定するようになっており、又、その特定方法たる採用条件を図6のように設定可能としている。ここで、図6は、基準出率及び基準玉単価の夫々の基準値を特定するための管理装置5Aにおける設定画面を、機種Iについて例示している。
即ち、管理装置5Aでは、図6で上半部の「出率」と下半部の「玉単価」について、右欄の「項目」のいずれかが選択された場合に採用する夫々の基準値をモード単位で表す設定画面を表示出力する。この設定画面の「項目」は、上記した合計アウトの区分等に対する条件であって、対応する出率と玉単価の夫々についてシミュレート処理の演算対象となる基準値として採用するための条件である採用条件を設定するためのものであり、「選択」欄にて選択される。係る採用条件としての項目は、その候補となる候補条件「正規」〜「手入力」が予め複数(出率及び玉単価で6ずつ)設定されている。
具体的には、「正規」「百万」「速報」は、対応する合計アウト等により基準値として採用する基準情報を制限する範囲を設定する項目である。「メーカ値」と「推測値」は、上記したメーカ発表値と推測値を設定する項目である。また、「店舗実績」は各店舗α〜γの実績値を優先して設定する項目であり、「手入力」は操作入力した値を優先して設定する項目である。図6の「選択」欄では、項目に対応するチェックボックスにて遊技場管理者が任意に選択する操作入力を行うことで、出率については「速報」が、玉単価については「手入力」がチェックされた例を示している。これにより、管理装置5Aは設定手段として採用条件を「速報」と「手入力」に設定する。
図6において「1」〜「6」のモードに対応付けられた各数値は、「速報」や「手入力」といった項目が設定された際に採用される基準値を表す。同図において、係る基準値は属性等により夫々の数字の色(文字色)と背景の欄の色(背景色)とが色分けされているが、詳細は後述する(図7、図8の「文字色」「背景色」参照)。
管理装置5Aでは、「正規」〜「手入力」の項目(候補条件)の内から、自身5Aが判定対象とする採用条件を、図6の「選択」欄でチェックする選択操作の操作入力を受付けることで採用条件を変更可能である。例えば、「メーカ値」や「推測値」の項目を選択する操作入力を受付けた場合、管理装置5Aは、図5にて説明したサーバ50から配信された値を、そのまま採用することで、採用条件を変更する設定を行う。この設定画面において、管理装置5Aは、「手入力」等の候補条件を選択することにより採用条件とした場合に採用される基準値を、複数の候補条件(「正規」〜「手入力」)を対象としてモード単位で比較可能に提示する(図6参照)。
こうした、モード単位での基準値を含む設定画面等の提示は、モニタ5mでの表示出力に限らず、プリンタによる印字出力等で行うことができ、係るモニタ5mやプリンタを備える管理装置5Aは提示手段に相当する。尚、「正規」「百万」「速報」「店舗実績」「手入力」の項目については、次の「出率優先順と玉単価優先順」で説明する。
[4.出率優先順と玉単価優先順]
図7及び図8は、上記した図6の採用条件に係る設定が行われた場合に、「出率」及び「玉単価」の夫々に対して、基準値を採用する優先順位を例示している。そして、管理装置5Aは、出率や玉単価について、図7や図8に規定される「データの種類」等に応じた背景色と、特定した合計アウトの区分に応じた文字色とで、図6の設定画面を色分け表示する。
即ち先ず、図7の出率に関して、「データ種類」には、対応する「更新時期」と「背景色」が規定されると共に、その週間データや速報データに対応付けられた合計アウトの区分(「備考」欄の区分)は、対応する「文字色」が規定されている。同図の例では「背景色」について、週間データは黄緑、速報データは薄桃とし、「文字色」について、「合計アウト2百万〜」は黒、「合計アウト百万〜2百万」は茶、「合計アウト〜百万」は灰とされている。
これにより、図6の出率は、管理装置5Aにより背景色と文字色とで色分けした表示出力が行われることで、データ種類や合計アウトの区分等を視認できる。例えば、図6の「出率」について、「速報」の項目におけるモード「6」の基準値(111.9%)は、背景色が「薄桃」で文字色が「灰」であるため、百万未満の合計アウトに対応する速報データであることを把握できる。このような色分けは、図6だけでなく図9等の基準値の属性を把握する必要のある他の画面においても反映される。
また、出率は、全損益分岐の週間データ等を対象(損益分岐に応じて異なる値とならないデータを対象)として基準値が特定されるが、その特定は図7に示すように「正規」〜「手入力」の夫々について予め規定された優先順に従うものとされており、例えば「正規」の項目が設定された場合、基準値の優先順を、黒の文字色の週間データ、メーカ値の順としている。
具体的には、2百万以上の合計アウトに対応する週間データを「正規」としており、図6の「正規」の項目が設定された場合、同項目において対応する背景色(黄緑)及び文字色(黒)のモード「1」〜「3」の出率を基準値として採用し、その他のモード「4」〜「6」の基準値は、背景色及び文字色が対応していない(対応する合計アウトが2百万に達していない等の)ためメーカ値の出率を採用する。換言すれば、管理装置5A(判定手段)は、週間データであること及び2百万以上の合計アウトであること(つまり合計アウトの区分)により「正規」の採用条件(候補条件)が成立するか否かをモード単位で判定しており、その判定結果に応じてモード単位で、該当するモード1〜3の出率を基準値として採用する。一方、係る判定結果に応じてモード単位で、該当しないモード4〜6の出率を基準値として採用しない場合には、予め設定される基準値に対応したメーカ値(サーバから配信された設定値(設定基準情報))の出率を基準値として採用する。
こうした管理装置5Aの判定は、以下も含めモード別に行うものとする。また、以下では、説明の便宜上、適宜、週間データを「週間」、速報データを「速報」と略し、合計アウトの値を区分に応じて「黒」、「茶」、「灰」と称し、例えば百万〜2百万の合計アウトに対応する速報データを「速報茶」と略して説明する。
図6の「百万」の項目が設定された場合、合計アウトが百万以上、つまり、黒や茶で特定された出率を基準値として採用し、その特定された出率以外の出率はメーカ値を基準値として採用して、基準値の優先順を、高い方から週間黒→速報黒→速報茶→週間茶→メーカ値としている。ここで、速報茶を週間茶より優先するのは、週間は週単位で更新される一方、速報は毎日更新されるので、より合計アウトの大きいデータが得られるためである。このように、管理装置5Aは、週間と速報とが特定される機種Iについて、当該速報を優先して基準値として採用する。従って例えば、図6であればモード1〜3は週間黒を特定できるが、モード4は週間黒または速報黒を特定できないものの速報茶を特定きるため、その特定できる出率を基準値として採用し、モード5,6は週間黒〜週間茶までのいずれも特定できないため出率のメーカ値を基準値として採用する。尚、週間黒については信頼性が高いと共に、週間が速報よりも精査された正規データであるため、特定できるのであれば速報黒に優先して採用される。玉単価等も同様である。
図6の「速報」の項目が設定された場合、週間と速報の全てについて合計アウトの区分に応じて特定された出率を基準値として採用し、その特定された出率以外の出率はメーカ値の基準値を採用して、基準値の優先順を、週間黒→速報黒→速報茶→速報灰→週間茶→週間灰→メーカ値としている。ここで、速報灰を週間茶より優先するのは、速報は週間よりも合計アウトが大きいため、速報灰を特定できる場合に週間茶を特定できないが、対象機種が特定機種でなく速報を特定できない場合には速報灰も特定できないため、週間茶や週間灰を特定して基準値を採用するためである。例えば図6であれば、モード1〜3は週間黒が特定できるが、モード4は週間黒または速報黒を特定できないものの速報茶を特定でき、モード5,6は週間黒→速報黒→速報茶のいずれも特定できないが速報灰は特定できるため、夫々特定できる出率を基準値として採用する。
図6の「店舗実績」の項目が設定された場合、図4の実績値を示す管理装置5A、即ち自店舗αのみを対象とした過去の当該機種Iにおける実績値を採用するが、該当するモードを設定したことがない等、特定できなければ、週間黒→メーカ値の優先順で基準値を採用する。例えば図6であれば、モード4とモード6は、実績値を特定できず(白の背景色で表されていない)、週間黒も特定できないことから出率のメーカ値を基準値として採用する。
図6の「手入力」の項目が設定された場合、手入力値(操作入力による入力値)→週間黒→メーカ値の優先順で、特定された出率を基準値として採用する。例えば図6であれば、モード4とモード6は、白の背景色で表された手入力値を特定できるため、手入力値を基準値として採用する。一方、白の背景色で表されていないモード1〜3は週間黒を特定できるので週間黒の出率を基準値として採用し、モード5は週間黒を特定できないためメーカ値を基準値として採用する。ここで、手入力値については「手入力」の項目を設定せずとも、図6の値をキーボード5kのテンキー等を利用した入力操作を受付け、その操作入力によりモード単位で変更することが可能とされている。このような変更をした場合、手入力値の操作入力をした当日のみ「手入力」を設定した場合と同じ優先順で基準値を採用するが、その翌日以降は設定されている項目に応じた優先順で基準値を採用する。尚、手入力値が他の基準値と同値であった場合、手入力値の背景色や文字色はその基準値と同じ色に設定され(従って優先順も当該色に従う)、手入力値がいずれの基準値とも異なる場合には手入力に対応した背景色や文字色に設定される。
こうして、管理装置5において、キーボード5kのテンキー等により入力した基準値(手入力値)が受付けられたモードは、当該受付けられた基準値を採用する一方、基準値が受付けられていないモードは、前記の判定結果に応じて出率を基準値として採用する。係る入力操作に供されるキーボード5k、マウス等を備える管理装置5は、基準値の入力操作をモード単位で受付ける受付手段に相当する。
尚、上記した出率について、「メーカ値」の項目以外のいずれの項目が設定された場合でも、その設定された項目に応じて優先的に採用すべき基準値を特定できないときには、最終的にメーカ値を基準値として採用する(図7参照)。
図8は、玉単価に係る基準値の優先順位を表す図7相当図であり、既述した出率に関する記載と実質的に重複する記載を省略して、出率に係る基準値と異なるところを説明する。
玉単価は、損益分岐別の基準値を優先するが、損益分岐別の基準値がない場合には全損益分岐別の基準値を採用する。また、玉単価は、損益分岐別のデータが作成される(損益分岐に応じて異なる値となる)ため、自店αの損益分岐、例えば図4や図5(c)に示したような11割に対応した週間或いは速報が損益分岐別のデータとなる。以下では、対応する損益分岐である11割に対応した週間を「緑」、速報を「濃桃」の背景色で表し(図8参照)、それら損益分岐別のデータを「別」と略す。また、全損益分岐に対応した週間を「黄緑」、速報を「薄桃」の背景色で表し(図8参照)、それら全損益分岐のデータを「全」と略す。従って例えば、2百万以上の合計アウトに対応する週間の損益分岐別のデータであれば「別週間黒」と略し、「緑」の背景色で表すものとする。
図6の「正規」の項目が設定された場合、基準値の優先順を、別週間黒→全週間黒→推測値としている。このように、玉単価では全よりも別を優先し、メーカ値の代わりに推測値を参照する点で出率と異なる。
図6の「百万」の項目が設定された場合、別週間黒→別速報黒→別速報茶→別週間茶→全週間黒→全速報黒→全速報茶→全週間茶→推測値の優先順で基準値を採用する。例えば図6であれば、モード1〜3は別週間黒を特定でき、モード4は別週間黒〜全速報黒まで特定できないものの全速報茶を特定できるため、その特定できる玉単価を基準値として採用し、モード5,6は別週間黒〜全週間茶まで特定できないため玉単価の推測値を基準値として採用する。
図6の「速報」の項目が設定された場合、別週間黒→別速報黒→別速報茶→別速報灰→別週間茶→別週間灰→全週間黒→全速報黒→全速報茶→全速報灰→全週間茶→全週間灰→推測値の優先順で基準値を採用する。例えば図6であれば、モード1〜3は別週間黒を特定でき、モード4〜6は別週間黒〜別速報茶まで特定できないものの別速報灰を特定できるため、その特定できる玉単価を基準値として採用する。
図6の「店舗実績」の項目が設定され場合は、店舗実績→別週間黒→全週間黒→推測値の優先順で基準値を採用する。例えば図6であれば、モード4とモード6は、実績値を特定できず、別週間黒と全週間黒とのいずれも特定できないことから玉単価の推測値を基準値として採用する。
図6の「手入力」の項目が設定された場合、手入力値→別週間黒→全週間黒→推測値の優先順で、特定された玉単価を基準値として採用する。例えば図6であれば、モード3〜5は、白の背景色で表された手入力値を特定できるために、手入力値を基準値として採用する。一方、白の背景色で表されていないモード1,2は別週間黒が特定できるため、その玉単価を基準値として採用し、モード6は別週間黒と全週間黒とのいずれも特定できないことから玉単価の推測値を基準値として採用する。
管理装置5Aは、上記したように「別」と「全」とに相応する玉単価の区分基準情報と全基準情報とを特定し、「正規」〜「手入力」の項目(推測値の項目を除く)が設定された場合、その遊技場αのレートに応じた区分基準情報を全基準情報に優先して基準値として採用する一方、当該区分基準情報を採用しない場合には全基準情報を基準値として採用する優先順を規定している(図8参照)。また、係る優先順の規定は、「正規」〜「手入力」の項目が設定された場合、その設定された項目に応じて「別」と「全」との順で優先的に採用すべき基準値を特定できないときには、最終的に推測値を基準値として採用する。
[5.採用基準値]
図9は、図6の設定画面での各機種の基準値の設定により、それら複数機種において採用される出率及び玉単価の基準値を機種名に対応付けて表す採用基準値の一覧画面である。管理装置5Aは提示手段として、当該一覧画面における「機種名」の欄で遊技場α内の全機種の識別情報であるA〜の各機種名(機種識別情報)を提示し、夫々の基準値についてモード1〜6別に提示する。尚、この一覧画面は、採用基準値の一部を示しており、上下方向のスクロールバー5mSや左右方向のスクロールバー(図示略)の操作により、出率のモード1や玉単価のモード6のような全機種A〜の各モード1〜6での基準値を表示させることができる。また、機種A〜のいずれかの欄を選択すると、その操作入力に伴い図6の設定画面に遷移する。以下では、図9中の括弧で括った数字(1)〜(9)の箇所の特徴を説明する。
(1)の箇所:導入前の新台の場合の表示例
機種Jについては、ホール導入前の新台で速報値が全くなく、その速報や週間のデータがサーバ50で管理されていない。このため、出率はメーカ値、玉単価は推測値を基準値として採用し、夫々の背景色を薄灰、文字色を黒で表示している。尚、図9では説明の便宜上、背景色や文字色について、図6〜図8で示したようなハッチング等での色分けを省略しているが、それらの図と同じ色分けによりデータ種類等の識別可能な表示態様で表されるものとする。
(2)の箇所:速報マークの表示例
機種D,H,Iについては、その機種名と左右に並ぶようにして「速報」マークを付している。速報マークは、出率や玉単価に速報の基準値が1つ以上採用される場合、該当する機種名に合わせて、その基準値が速報のデータを用いていることを識別可能に表すマーク(例えば「速報」を赤の文字色で表す識別マーク)である。また、詳しい図示は省略するが、速報マークを表示する上限の期間となる基準期間(例えば1か月)が予め設定されており、当該機種の導入日からの経過期間が1か月に達している場合には、当該速報マークを表示しない。この場合、基準期間に達した旨を文字等で表したり、速報マークの文字色を赤以外の色に変更してもよい。
このように、管理装置5Aは、速報のデータを基準値として採用したモードを含む機種の各機種名を提示する場合に当該速報のデータを採用した旨のマークを一覧画面で示すが、当該機種の導入期間に対応した経過期間が、基準期間に達している場合には、当該採用した旨のマークを示さない、或いは基準期間に達した旨を文字等で示す表示出力を行う。
(3)〜(7)の箇所:背景色や文字色の表示例
図9では、上記したようにハッチング等を省略しているが、実際には図7や図8で規定されている背景色と文字色の色分けがなされている。例えば図6のように設定された機種Iについて、図9の(3)の箇所は、図6の「速報」のモード2,3に相応する黄緑の背景色と黒の文字色で出率の基準値が表されている。同様に(4)及び(5)の箇所は、図6の「速報」のモード4〜6に相応する薄桃の背景色と茶及び灰の文字色で出率の基準値が表されている。また、(6)及び(7)の箇所は、図6の「手入力」のモード1〜5に相応する緑及び白の背景色と黒の文字色で玉単価の基準値が表されている。
尚、(8)の箇所は、機種Lについて速報のデータを基準値として採用しておらず、週間のデータに対応する黄緑や緑の背景色と、2百万以上の合計アウトに対応する黒の文字色とで、出率や玉単価の基準値が表されている。
(9)の箇所:モードが存在しない場合の表示例
機種Cについては、モード3,4が存在しないため、当該モード3,4の基準値は、その箇所(9)の背景色を、上記箇所(1)と同様の(グレー系の)濃い灰とし、黒の文字色で「0.00」を表している。
以上のように管理装置5Aは各機種A〜について特定した、基準出率たる出率の基準値及び基準玉単価たる玉単価の基準値を採用して、図4に示す補正セーフや補正台粗利等のような各モードに対応した基準となる補正データのシミュレート処理を実行することで、補正データの精度を高めることが可能となる。
また、このような基準値は、特定された実際の遊技情報を演算対象とするシミュレート処理を実行する場合だけでなく、翌日以降の未来の遊技情報を演算対象とするシミュレート処理を実行する場合も採用可能である。後者の場合、出率と玉単価だけでなく、アウトについても基準値等を特定する必要があり、操作入力に基づき特定される遊技情報としての当該アウトと基準値とをシミュレート処理の演算対象とすべく、当該アウトをモード単位で特定するための入力をキーボード5k等で行う。この場合のアウトは、玉単価と同様に損益分岐を考慮する必要があるが、出率のように損益分岐を考慮する必要のない基準値もあるので、必要に応じて損益分岐を考慮するか否かを特定すればよい。更に、シミュレート処理の演算対象は、上記した遊技情報に限らず、通常時の差玉と売上玉との比率を示す所謂客滞率等の他の遊技情報を基準値として採用してもよい。
上記した実施形態によれば、モード単位で週間データ等を基準値として採用するため、合計アウトにより信頼性を確保できないモードの週間データ等については採用しない一方、信頼性を確保できるモードの週間データは採用するというように、遊技機1の導入期間が短い場合等、全モードの週間データ等について信頼性を確保できない場合でも、より適切に信頼性の高いシミュレートが可能となる。
週間データ等の信頼性を確保できない場合にはメーカ値や推奨値(推測値)を採用するので、このような場合でもシミュレート可能となる。
週間データと速報データとが特定される機種については、更新頻度の高い速報データを優先して採用するので、導入期間が短い場合でもより信頼性の高いシミュレートが可能となる。
遊技場管理者等が自身の想定する基準値を入力した場合、その入力したモードについては入力した基準値を採用する一方、入力していないモードは週間データ等を採用するため、一部のモードだけを手入力する場合でも、週間データ等の実績データに基づく信頼性の高いシミュレートが可能となる。
損益分岐別の基準値を採用できる場合には損益分岐別の基準値を採用する一方、採用できない場合でも全損益分岐の基準値を採用することで、週間データ等の実績データに基づく信頼性の高いシミュレートが可能となる。
合計アウトの許容値を正規や百万等と変更可能にすることで、シミュレート処理を行いたい遊技場管理者等の判断で、例えば少しでも早く速報データ等を採用したい場合には速報等により合計アウトに応じて基準値として採用する一方、一定の信頼性を確保できるまでは速報データ等を採用しない等、遊技場管理者等のニーズに応じた基準値を提供可能となる。
図6のように基準値の採用条件を選択する場合に、採用条件の候補単位でモード別の基準値を提示するため、いずれの採用条件を選択した場合に、どのような基準値となるのかを把握した上で採用条件を選択できる。
速報マークを提示することで、対応する機種が速報データの対象機種である旨や、速報データが採用されることで他の機種よりもいち早く実績データを採用している旨を把握できるが、モードの中にはモード5,6等のように設置比率が低いことから合計アウトが基準値に達せず、いつまでも速報データを採用されるモードもあり、このようなモードによりいつまでも速報マークを提示していると、当該機種よりも導入期間は短いが速報データの対象とならない他の機種に速報マークが提示されないことから違和感が生ずる虞もあるが、所定期間に達した場合に速報マークを提示しない等の処理を行うことで、そのような違和感を払拭できる。
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
合計アウトによる対応付けを2百万以上、百万〜2百万、百万迄の3区分としたが、2区分や4区分とする等どのような区分としてもよい。また、基準値に対応付けて合計アウトを送信対象とし、基準値を採用する際に合計アウトに対する基準値を設定し、その設定値以上の合計アウトが対応付けられた基準値を採用するようにしてもよく、対応する合計アウトに応じて基準値を採用するか否かを特定するのであれば、どのように特定してもよい。
基準値の信頼性を示す補助情報としてアウトにより区分を示したが、信頼性を示せば上記のように合計アウトそのものや、ボーナス数やゲーム数等、他の遊技情報にて代用しても勿論よい。
図6のような採用する基準値に対する設定を機種単位で行うことを例示したが、全機種A〜に対して一括した設定としてもよいし、全機種一括の設定と図6のような機種単位の設定とを夫々可能としてもよい。また、図6のように全モードに共通した採用条件を選択的に設定する構成を例示したが、モード別に、或いは上述したように任意の基準となる合計アウトを設定する等の非選択的に採用条件を設定してもよい。
週間データについて、対応する合計アウトが例えば一千万に達した場合、それ以上の集計を行っても余り変動しないため、そのようなモードや機種についてはデータの特定を打ち切り、合計アウトが一千万となった時点のデータを基準値として配信するようにしてもよい。このようなデータの特定や配信は、速報データについても同様に行うことができる。
基準情報として週間データと速報データとの双方を採用することを例示したが、いずれか一方のみを採用してもよい。
基準値としてサーバ50にて管理される複数店舗α〜γを対象とした遊技情報を採用することを例示したが、サーバ50を設けることなく管理装置5Aにて管理される自店舗αのみを対象として集計した遊技情報を基準値とする場合に、合計アウトに応じて基準値として採用するか否かを特定してもよい。
基準値として少なくともメーカ値等の設定基準情報が採用されることを例示したが、週間データ等の基準値が採用できないモードについては、シミュレーションを断念する等して、基準値を採用しないようにしてもよく、必ずしも設定基準情報を設定しなくともよい。
機種識別情報として機種名A〜を例示したが、機種を識別できれば、例えば機種に対応する機種番号等、どのような識別情報を採用してもよい。
各設定値(設定情報)は遊技場管理者等が任意に操作入力により設定しても、予め管理装置5Aの製造メーカにて設定してもよい。又、例えばチェーン店本部等の外部のサーバから設定情報をダウンロードして設定してもよい。
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定してもよく、モードも操作入力だけでなく遊技機1からモードを特定可能な遊技信号が出力されるのであればその遊技信号により特定しても勿論よい。また、機種としては、メーカ単位やスペック単位等、遊技機1の種類を示せばどのような区分としてもよい。
数値、桁数、項目等は例示であり、例えば第1所定期間及び第2所定期間の日数(数値)は、第2所定期間が第1所定期間よりも短い関係にあれば、夫々の期間を長く或いは短い期間の数値とする等、どのような数値を採用してもよい。また、管理装置5Aにおいて、上記した各種情報を識別可能に出力する出力態様や提示態様についても、例示したマーク以外の識別記号を用いる等、どのような態様としてもよく、例えば少なくとも表示出力と印字出力とのいずれか一方の出力が可能な構成としてもよい。
以上と超過はどちらを採用しても良く、「達した」等の表現は以上となった或いは超過した、のいずれにも対応する表現となる。以下と未満についても同様で、「達していない」等の表現は双方に対応する表現となる。
対象となる遊技機1はモードによる調整が可能であれば、スロットマシンだけでなくパチンコ機を対象としてもよい。また、モードに応じて入賞率が高くなることで出率が高くなる遊技機1を例示したが、モードに応じた出率となるように制御する遊技機や例えばART等の入賞頻度を調整対象とした遊技機を管理対象としても勿論よく、どのように遊技者の有利度合いを調整してもよい。更に遊技媒体をデータのみで管理する所謂封入式等の例示した遊技機1以外の遊技機等も採用できる。尚、所謂封入式を考慮して遊技媒体は必要に応じて遊技価値と表現する。
管理装置5Aが行う処理の一部を中継装置3、或いは遊技装置2等にて行ってもよい。また、サーバ50で行う処理を管理装置5Aで行ったり、管理装置5Aで行う処理をサーバ50にて行ったり、上記のようにサーバ50を設けずに管理装置5Aのみで集計データ等を特定することにより補正出率を特定する等、どのように構成してもよい。更に例示した構成は変形例も含めて、どのように組合せてもよいし、適宜、採用しない構成を設けてもよい。