以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を示す概略図である。遊技場A内には多数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して遊技装置2(入力手段)及び情報表示装置3(遊技情報提供手段)が設置されている。これら遊技機1及び遊技装置2並びに情報表示装置3は2台ずつ中継装置4(入力手段)に接続されており、中継装置4はLAN5を介して管理装置6(入力手段、配置管理手段、設定手段、問合せ手段、設定更新手段、設定区分手段、設定送信手段、判定手段、提出情報設定手段、報知手段、書類情報作成手段、遊技情報管理手段、送信手段、他店情報出力手段、複数店情報管理手段、他店情報管理手段)と接続されている。
遊技場A内にはPOSや残高精算機(いずれも図示せず)も設置されており、これらPOSや残高精算機もLAN5を介して管理装置6と接続されている。尚、図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となっている。
管理装置6は、遊技場A内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード7、モニタ8、プリンタ(図示せず)等が接続されている。管理装置6は、遊技機側(遊技機1、遊技装置2等)から出力される遊技信号を入力することで、遊技機1毎の遊技データ、会員登録された会員毎の個人データ、遊技機1や遊技装置2等の稼動状態等を管理する。
遊技場用システムでは、遊技場A内に設置されている遊技機1、遊技装置2、中継装置4、LAN5及び管理装置6等と同様の構成が別の遊技場(図1の例示では遊技場B)内にも設置されている。これらの各遊技場A、Bに設置されている各管理装置6は、それぞれインターネットやVPN接続等の公衆回線9を介して各遊技場A、Bとは別に設置されているサーバ10と接続されており、各種信号や各種情報を公衆回線9等を介してサーバ10(設定情報管理手段)と通信可能に構成されている。
図2は遊技機1の正面図である。遊技機1は所謂封入式のCR(カードリーダ)パチンコ機で、遊技者が所有する残金や持玉や貯玉を変換した遊技玉数を記憶しており、その遊技玉数を消費してパチンコ玉を発射するように構成されている。つまり、遊技機1が記憶している遊技玉数が残っていることを条件として内部のパチンコ玉を発射装置により盤面11に発射可能となる。遊技機1の下部には盤面11に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル12が設けられていると共に、盤面11の下方には、残高を遊技玉に変換するための貸出釦13、記録媒体発行用の返却釦14、残高を示す残高表示部15、遊技玉数を示す遊技玉表示部16、遊技玉を持玉へ変換するための計数釦17が並設され、さらにそれらの下方には装飾用パネル18が設けられている。盤面11には、普図表示部19、普図保留表示部20、特図表示部21、普図入賞口22、第1一般入賞口23、第2一般入賞口24、第1保留数表示部25、第2保留数表示部26、第1始動口27、第2始動口28、大入賞口29を有する。
遊技機1は以下のように動作する。
(1)第1始動口27は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)、第2始動口28は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)であり、各始動口27,28への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、抽選結果を特図表示部21にて行う図柄変動(単位遊技)にて報知し、その変動結果に応じて大当りや小当り(特定状態)となる。
(2)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。
(3)遊技機設定値(以下、モード)が6段階で設けられ、このモードにより、図3に示すモード別スペック値の通り大当り抽選の当選確率(大当り確率)を通常遊技状態(通常状態、通常)と確率変動状態(確変状態、確変)とを対象として調整可能である。また、大当り後に確変となる大当り(確変大当り)となる割合である確変率(例えば66%で全モード共通)も定められる。大当り確率をモードにより不変とする一方、確変率を調整可能とするように、通常と確変との大当り確率や確変率、及び後述するラウンド振分率等の少なくとも1つがモードにより調整可能であれば良い。
(4)大当りが発生すると対応するラウンド(R)分だけ大入賞口29を開放する。1Rの上限入賞数は10個、上限開放期間は30秒であり、上限入賞数または上限開放期間のいずれかが満たされた場合に1Rを終了する。対応するラウンドも大当り抽選と同様に抽選され、その振分率は第1始動口27に入賞した場合は4Rが10%で8Rが50%で15Rが40%だが、第2始動口28の場合は4Rが10%で15Rが90%となり、入賞に応じた図柄変動の保留消化優先順位は第1始動口27よりも第2始動口28の方が高く設定される。
(5)確変中は大当り確率が向上すると共に、第2始動口28の入賞率が高くなる時短状態(時短)になる。また、確変大当りでない大当り(通常大当り)が発生した場合は大当り後に確変でない時短(単独時短)となり、所定の時短回数(例えば100回)分の図柄変動を行うか大当りが発生するまで時短を継続し、大当りが発生せずに時短回数分の図柄変動を行うと通常状態に戻る。
(6)第2始動口28は普図入賞口22への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当りとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普図1回の変動期間は通常状態では30秒であり時短状態では3秒となる。また、開放期間は通常状態では0.3秒であり時短では5秒となる。即ち、時短では通常状態と比較して普図変動期間が短くなる一方、開放期間は長くなることで第2始動口28の入賞率が高くなる。
(7)大入賞口29や第2始動口28が盤面右側にあることから時短中や大当り中には盤面11の右側を狙って玉を打出す、所謂右打ちが行われる。
以上は機種Aを例にして説明したが、例示した値は例えば機種Bであればラウンドの振分が異なる等、機種に応じて様々な値となり、遊技性も異なる。
遊技機1及び当該遊技機1に付設された周辺機器は、遊技者による玉の打ち込みや各始動口27,28への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示す遊技信号を出力する。
アウト信号=遊技機1から出力される消費価値(アウト)を特定可能な信号(稼動信号)。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定。尚、封入式でない場合には消費玉を回収するアウトBOXから出力される信号でも良い。
セーフ信号=遊技機1から出力される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号。入賞に応じた払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。また、セーフ信号には、玉を実際に払出した際に出力される実セーフ信号と、入賞に応じて払出が予約された場合に出力される入賞セーフ信号とがある。
スタート信号=遊技機1から出力される始動入賞(S入賞)により変動(作動)する特図表示部21(役物)におけるスタート処理(図柄変動、役物作動、単位遊技)、及びスタート(スタート処理数)を特定可能な信号。図柄変動確定時に出力されるので信号入力に応じてスタート処理を特定。尚、各始動口27,28へ入賞したことを示すS入賞信号により代用しても良い。
大当り信号=遊技機1から出力される大当り期間を特定可能な信号。大当り中にレベル出力される状態信号なので大当り信号入力中を大当り中として特定する。
特別状態信号=遊技機1から出力される特別状態(甘中)を特定可能な信号。第2始動口28の入賞率が向上する特別状態中(時短中(確変時を含む))にレベル出力される状態信号なので、特別状態信号入力中を特別状態中として特定する。大当り中にも出力する信号でも良く、その場合は、特別状態信号は入力するが大当り信号は入力しない期間を甘中と判定すれば良い。尚、大当り確率が向上する確変中にレベル出力される状態信号(確変信号)であっても良い。また、大当り信号と特別状態信号のいずれも入力していない期間を通常状態として特定する。
ID信号=遊技機1から出力される遊技機固有の遊技機IDを特定可能な信号。パルス信号としても良いが、データ信号としても良く、例えば電源投入時に出力すれば良い。
上記信号はパルス信号や状態信号を例示しているが、一括した、或いは複数の遊技情報を例えば電文によりまとめたデータ信号としても良く、この場合、所定期間(例えば200ms)単位でデータを集計し、その集計したデータやその時点における状態を特定可能な電文によるデータ信号を送信対象としても良い。この場合、遊技機1と遊技装置2との間でデータ通信することで特定した遊技情報を中継装置4を介して管理装置6に送信するような構成とすることが望ましい。
遊技装置2は、遊技機1の遊技状態を示す状態表示灯30、貨幣(貨幣価値、有価価値)が投入される貨幣投入口31、遊技者識別用等のカメラ32(図1では保護カバーのみを図示)、遊技者からの操作入力を受付けると共に遊技の進行に伴って図柄変動回数(スタート回数)や大当り確率等の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部33、一般カードや会員カードの記録媒体が挿入されるカード挿入口34等を有する。
遊技装置2は以下のように動作する。
(1)貨幣を受付する(貨幣受付処理)と、遊技機1と遊技装置2との双方に入金額が残高に加算して表示され、残高がある状態で遊技機1の貸出釦13を押下げ(貸出操作、付与操作)すると貸出1単位(例えば125玉)分が貸出玉として遊技玉(対価付与価値、詳細は後述)に変換され(貸出処理、対価付与処理)、遊技レート(以下、レート)に応じた対価分が残高から引落とされる。尚、貨幣は複数回の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。
(2)対応する遊技機1は所謂封入式で、盤面11に打ち出された玉は循環し、入賞した場合であっても遊技機外には払出されない。上記した遊技玉を管理し、盤面11への玉の打出し(使用)に応じて遊技玉を減算し、入賞に応じて遊技玉を加算する(入賞付与処理)。一方で遊技装置2は持玉を管理しており、持玉は直接的には遊技に使用できないが、遊技釦の押下に応じて貸出1単位分の持玉が変換玉として遊技玉に変換する変換処理(対価付与処理)を行う。この場合、変換率を別途設けても良いが、本実施形態では1:1としている。以下の計数処理についても同様である。
(3)遊技に応じて遊技機1の遊技玉が増加した場合、遊技機1の計数釦17の押下に応じて遊技玉が計数玉として持玉に変換される(計数処理)。この場合、1回の押下に応じて1玉が変換対象となるが、押下した状態を継続させると連続的、且つ加速的に変換可能となる。この様にして遊技玉と持玉とが更新され、遊技装置2では残高や持玉が残存する状態で遊技機1の返却釦14を押下する等の発行操作を行うと、遊技装置2にストックされていた一般カードに残高や持玉を対応付けて発行する(発行処理)。尚、持玉の一部や残高のみを発行対象とする分割発行も可能とする。
(4)発行処理は遊技機1における遊技玉に応じた発行条件が設けられ、本実施形態では遊技玉が所定数(0)以下となることで発行条件が成立し発行処理が可能となる。よって、遊技機1と一定間隔(例えば200ms毎に)で通信(アウトやセーフ等の情報も含む)を行っており、遊技への使用や計数処理等により遊技玉が0になるとその旨が遊技装置2に通知され、発行条件が成立すると発行処理が許容される。遊技機1から遊技玉を特定可能な遊技玉信号を受信することで遊技玉を更新して発行条件が成立した旨を特定すれば良いが、遊技玉が0になった旨を示す信号を別途受信するような他の特定方法を採用しても良い。
(5)発行された一般カードにより特定可能な持玉はPOSにて景品との交換が許容され、残高は残高精算機にて貨幣に精算可能とする。尚、遊技装置2が受付ける貨幣を含め、貨幣価値としては現金が例示できるが、例えば電子マネーやクレジット決済といったように現金以外の貨幣価値を受付対象や精算対象としても良い。また、持玉や残高を一般カードに対応付けて発行処理を行うことを例示したが、例えば会員カードや遊技者の携帯電話等の他の記録媒体に対応付けた発行処理を行っても勿論良い。
(6)中継装置4とのシリアル通信により管理装置6にて貨幣受付処理や対価付与処理、残高や持玉、貸出玉数、変換玉数、入金額、計数玉数や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、及び記録媒体の受付や発行処理等の各種情報を特定可能とするが、これらをパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定可能としても良い。尚、遊技機1との通信は中継装置4を介さず、遊技機1と遊技装置2とで直接通信しても良いし、中継装置4を介して通信しても良い。
情報表示装置3は、中継装置4を介して遊技機1側から入力した遊技信号に基づいて遊技情報を管理して表示したり、管理装置6からの指示に応じて動作したりするもので、呼出表示中や特別状態中等にイルミネーション演出を行うイルミネーション部35、各種遊技情報を表示する表示部36、表示部36の表示内容を変更するような操作を受付ける各種操作釦37を有する。
管理装置6は、図4に示すように機種毎(図4では機種A)の素データを上記遊技信号により特定して遊技機IDに対応付けて管理しており、次の項目が定義されている。尚、「平均」は機種Aを対象とした遊技機平均である。
モード=遊技機に設定された遊技機設定値(別途操作入力等により特定)
アウト=アウト信号により特定される遊技機にて消費された遊技価値
セーフ=セーフ信号により特定される遊技機への入賞に応じて付与された遊技価値
スタート=スタート信号により特定される遊技機における役物の作動回数。尚、以下も含め「甘中」とは時短などの特別状態期間に対応した遊技情報を示す。
S入賞=S入賞信号により特定される始動入賞回数
売上玉=売上信号により特定される対応する貸出機にて貨幣価値を対価として付与された遊技価値(貸出玉数、対価付与価値)
大当り数=大当り信号により特定される大当り数。「通常」は通常時に発生した大当り数で所謂「初当たり」数。「特定」は特定の条件を満たす(例えばT1Yに対して設定される基準範囲(例えば1000~2000)内のT1Yとなった)大当りである特定大当りの発生回数。
Tアウト<Tセーフ>=T中(大当り中、及び甘中)のアウト<セーフ>
T1アウト<T1セーフ>=T1中(大当り中)のアウト<セーフ>
特T1アウト<特T1セーフ>=特定大当りのみを対象としたT1中のアウト<セーフ>
尚、本実施形態では説明の都合上、所謂貯玉に基づく再プレイシステムのない遊技場を前提としているが、再プレイシステムのある遊技場であれば、売上玉に再プレイ玉を含めて演算することが望ましい。
図4の集計は複数日を対象として記憶しているため、例えば12月1日から12月31日といったように期間を指定して、当該期間における遊技情報を加工して出力することを可能としている。
管理装置6は、図5に示すように、図4に示す素データに基づいて機種毎(図5では機種A)の遊技情報を管理しており、次の項目が定義されている。尚、「平均」は機種Aを対象とした遊技機平均(図4の「合計」の対応値)である。
ベース=状態(通常時、甘中)別の出率で、「通常」はBセーフ÷BO、「甘中」はBセーフA÷BOAの演算値を示す遊技情報。以下も含め通常中のアウトであるBOはアウト-Tアウト、通常中のセーフであるBセーフはセーフ-Tセーフ、甘中のアウトであるBOAをTアウト-T1アウト、甘中のセーフであるBセーフAをTセーフ-T1セーフにて特定しているが、BO、Bセーフ、BOA、BセーフAを素データとして求めても良い。尚、以下では通常中のベースを単にベース、甘中のベースをBAとも言う。
平均S=状態別のアウトに対する図柄変動数の割合で、通常(甘中)スタート÷BO(BOA)の演算値を示す遊技情報。
平均S入賞=状態別のアウトに対する始動入賞数の割合で、通常(甘中)S入賞÷BO(BOA)の演算値を示す遊技情報。尚、以下では通常中の平均SをS、平均S入賞をS1、甘中の平均SをSA、甘中の平均S入賞をS1Aとも言う。
有効率=始動入賞に対する図柄変動数の割合で、通常スタート÷通常S入賞の演算値を示す遊技情報。尚、通常だけでなく甘中の有効率を管理しても良い。
BY=図柄変動分を除いたベースで、通常(甘中)ベース-通常(甘中)平均S×始動賞球の演算値を示す遊技情報。尚、始動賞球は始動入賞1回当りのセーフで、3にて演算。
BYmin=BYminは始動入賞分を除いたベースで、通常(甘中)ベース-通常(甘中)平均S入賞×始動賞球の演算値を示す遊技情報。
T1Y=平均大当り中出玉数で、(T1セーフ-T1アウト)÷合計大当り数の演算値を示す遊技情報。尚、合計大当り数=通常大当り数+甘中大当り数である。
T1O=平均大当り中アウトで、T1アウト÷合計大当り数の演算値を示す遊技情報。
特T1Y=特定大当りを対象としたT1Yで、(特T1セーフ-特T1アウト)÷特定大当り数の演算値を示す遊技情報。
特T1O=特定大当りを対象としたT1Oで、特T1アウト÷特定大当り数の演算値を示す遊技情報。
出率=アウトに対するセーフの割合(払出率、付与率)で、セーフ÷アウトの演算値を示す遊技情報。
Bサ=通常時の差玉数で、BO-Bセーフの演算値を示す遊技情報。
客滞率=売上玉に対するBサの割合で、Bサ÷売上玉の演算値を示す遊技情報。
粗利=遊技に応じた遊技場側の営業利益で、売上額-獲得玉×貸単価×原価率の演算値を示す遊技情報。尚、獲得玉(獲得価値)=売上玉+セーフ-アウト、売上額=売上玉×貸単価、貸単価=4円、原価率=75%にて演算。
玉単価=アウト1当りの売上額で、売上額÷アウトの演算値を示す遊技情報。
玉粗利=アウト1当りの粗利で、粗利÷アウトの演算値を示す遊技情報。
営業割数=実際の売上額(売上玉)に対する遊技場側の損益額(損失玉)の割合で、獲得玉÷売上玉の演算値を示す遊技情報。
さて、遊技場では上述した遊技情報の管理や、遊技機における遊技のサポートを行うために、管理装置6にて遊技機に対して各種の設定情報を対応付ける設定処理を行っている。
図6は管理装置6にて設定処理により設定情報を設定する場合の代表的な設定項目を例示しており、設定項目に示す設定を、「引継」にて遊技機への対応付けを設定する設定情報(第1設定情報)か、遊技機の配置箇所に対応した台番(配置ID)への対応付けを設定する設定情報(第2設定情報)かのいずれかであるかを示している。
図6に示す例では、No.1及びNo.5はいずれも配線に関わる配線設定だが、遊技機の配線に関わる設定であるNo.1は遊技機に、周辺機器との配線に関わるNo.5は台番に対応付けている。
No.2は不正や異常に関わるセキュリティ設定であり、遊技機に対応付けられる。即ち、遊技機の遊技性に応じて不正や異常検知の基準値のような設定が設定されるため、遊技機に対応付けられる。
セキュリティ設定としては、台不正設定、台点検設定、台データ異常設定を例示することができる。
台不正設定の具体例としては、次の通りである。
(1)設定時間内に設定値以上のセーフ入力があった場合にセーフ計数不良を検出する検出条件を設定するセーフ不正。
(2)大当り中において設定値以上のカード売上が上がった場合や大当り外において設定時間内に設定値以上のカード売上があった場合に、カード売上の不正と判定する判定条件を設定するカード注意。
(3)カード売上同様に現金売上があった場合に現金売上の不正を検出する検出条件を設定する売上注意。
(4)ドアオープン状態で発生する不正な大当りを検出する検出条件を設定するドアデータ。
(5)前もってワイヤーロック解除操作がなくドアオープンや木枠ドアオープンを検知した場合に不正と判定する判定条件を設定する客ドア・木枠不正検知。
台点検設定の具体例としては、次の通りである。
(1)セーフ入力またはスタート入力が設定値に到達したにも関わらずアウト入力がない場合にアウト計数不良などを検出する検出条件を設定するアウト点検。
(2)単位時間当りに設定値以上のアウト入力があった場合にアウト信号異常やアウトボックス不良などを検出する検出条件を設定するアウト超過点検。
(3)大当り中に設定時間内にセーフの計数がない場合に大当り中のセーフ計数不良を検出する検出条件を設定するセーフT1点検。
(4)通常状態中のアウト(BO)におけるセーフが設定値以下の場合にセーフ信号異常を検出する検出条件を設定するセーフ点検。
(5)非稼動状態で単位時間のセーフが設定値以上の場合にセーフ信号異常やキャリー(計数機)の点検などを検出する検出条件を設定する非稼動セーフ点検。
(6)設定したBO毎のスタート回数をカウントし、設定回数以下の場合にスタート信号異常を検出する検出条件を設定するスタート点検。
(7)大当り外において、アウト信号の入力間隔が設定時間範囲内となるパターンが設定回数連続した場合に変則打ちを検出する検出条件(パチンコ遊技機の場合)を設定したり、1枚掛け、2枚掛けを設定ゲーム内に設定回数以上行った場合に変則打ちを検出する検出条件(パチスロの場合)を設定する変則打注意。
台データ異常設定の具体例としては、次の通りである。
(1)設定したBO毎のベースが設定値以上の場合に台の信号異常や不正の検出条件などの異常を検出する検出条件を設定するベース異常。
(2)設定した甘中のアウト(BOA)毎のベース(BA)が設定以上となった場合に台の信号異常や不正行為の検出条件などの異常を検出する検出条件を設定するベースA異常。
(3)スタート間のBOが設定値以下の場合に台の信号異常や不正行為などの異常を検出する検出条件を設定するスタート異常。
(4)甘中のスタート(SA)間のBOAが設定値以下の場合に台の信号異常や不正行為などの異常を検出する検出条件を設定するスタートA異常。
(5)大当り発生時に設定回数分の通常大当りを対象とした平均大当り間通常スタート(TS)を計算し、TSが設定値以下の場合に台の信号異常や不正行為などの異常を検出する検出条件を設定するTS異常。
(6)大当り発生時に設定回数分の全大当りを対象とした平均大当り間スタート(T1S)を計算し、そのT1Sが設定値以下の場合に台の信号異常や不正行為などの異常を検出する検出条件を設定するT1S異常。
(7)大当り発生毎に、その大当りが異常によるものか、正常な連続大当りかを判定する判定条件を設定する連続T1異常。
(8)大当り中の出玉(T1Y)が第1設定値以下の場合にパンクを検出する検出条件を設定するT1Yパンク、T1Yが第2設定値以上の場合に注意を検出する検出条件を設定するT1Y注意、T1Yが第3設定値以上の場合に警告を検出する検出条件を設定するT1Y警告。
(9)設定されたアウト毎の差玉を計算し、マイナスとなった差玉の絶対値が設定値以上になっている状態を設定回数連続で検知した場合に検出となる検出条件を設定する連続差玉マイナス発生。
図6に示すNo.3及びNo.6は情報表示装置3についてのランプ設定であるが、No.3は情報表示装置3における表示対象となる遊技情報やそのレイアウトに関わる設定(第1設定情報)で、このような設定も遊技機に応じて適切な遊技情報やレイアウトが異なるため遊技機に対応付けられる一方、No.6は島単位のイルミネーションに関わる設定(第2設定情報)なので台番に対応付けられる。また、イルミネーションについて、機種単位で統一したイルミネーションを希望する遊技場であれば台番ではなく遊技機に対応付ける必要がある。
No.3のランプ設定のレイアウトに関わる設定について補足する。情報表示装置3では機種に関連するキャラクタのような機種関連画像を背景として遊技情報を表示可能としており、この機種関連画像もNo.3の設定に含まれる。また、当然ではあるが、他も含め情報表示装置3の設定や上記の画像等は管理装置6にて配置替え等により更新された場合は、情報表示装置3にその情報がダウンロードされてその設定や画像等が反映される。
No.4及びNo.7はいずれも帳票の区分に関わる機種・台番カテゴリ設定で、No.4は機種を指定した帳票、No.7は台番を指定した帳票を示す。例えば、機種Aについて、台番1~32の島単位で設定される一方、台番135にてバラエティ(多機種を混合配置した遊技機グループ)の一部の遊技機として設定された場合、機種Aを指定した場合には台番1~32と135が抽出対象となるが、例えばバラエティが台番129~160が対象で、バラエティを選択した場合は機種Aの内、台番135だけが抽出対象となるといったような設定となる。
No.8は遊技者が休憩を希望する場合にどれぐらいの期間を食事休憩として許容するかを示す食事設定で、例えば稼動が高く見込まれる新台コーナーでは最短の20分とする一方、稼動が低く見込まれる機種コーナーでは最長の40分とするといったような設定となる。
図6ではNo.1~No.8の設定項目のみを例示しているが、その他の設定項目も遊技機と台番とのいずれに紐付けるか図6と同様に区分して設定する。例えば機種名は遊技機に対応付けられ、レートは台番に対応付けられる。
さて、管理装置6は、遊技機の配置替えが行われた旨を特定すると、「遊技機」に区分される設定情報を対象として設定情報の引継ぎを行う一方、「台番」に区分される設定情報は引継ぎ対象外とするようになっている。
図7は、遊技機ID「00001543」の遊技機が図7(a)に示す台番「1」から図7(b)のように台番「200」に配置替えされた場合に、図6に示す設定情報がどのように変更されるかを示している。ここで、図7に示すように配置替えされた場合には台番と遊技機IDとの対応付けが更新される。また、図7では入力した遊技機IDをそのまま台番と対応付けて管理している例を示しているが、例えば遊技機IDに対応する遊技機IDとは異なるID情報を対応付けて管理しても良い。
尚、図7ではAやB等のアルファベットを設定情報として示しているが、これは説明の都合上、同じアルファベットが同じ設定情報である旨を模式的に示しているだけで、実際に設定される設定情報を示している訳ではない。
管理装置6は、図7に示すように台番に対応付けて遊技機IDや各種設定情報を記憶しており、例えば台番「200」に着目して図7(a)から図7(b)のように遊技機側から出力される遊技機IDが異なる旨(遊技機ID「00535492」→「00001543」)を検知(配置替条件の成立)すると、まず、図7(a)のように既に遊技機ID「00001543」に対応付けられていた台番があるかを判定する。図7(a)の場合、台番「1」にて遊技機ID「00001543」が対応付けて記憶されていることから、図7(a)の台番「1」の設定情報を参照し、図6にて「引継」が「遊技機」に設定される設定項目を対象として配置替え前の設定情報を配置替え後の設定情報として有効化(設定更新処理)する一方、「引継」が「台番」に設定される設定項目については配置替え前の設定のまま更新しない。
以上のようにして、遊技機の配置替え時に図6の「遊技機」に区分される設定情報を対象として設定情報の引継ぎを行う一方、「台番」に区分される設定情報を対象として設定情報の引継ぎを行わないようにすることができる。
ところで、図6では図示していないが、セキュリティ設定にはレート調整情報が対応付けられており、このレート調整情報について説明する。レート調整情報は、例えばレートが4円の台番から1円の台番に配置替えするようなレート変更となる配置替えを行った場合に、配置替え前の設定情報を引継ぐのではなく、例えばタイプが同一であるといった類似条件が成立する他の機種である類似機種であって、1円のレートが既に採用されている機種の設定情報を配置替え前の設定情報に代えて更新するための設定情報である。
即ち、セキュリティ設定にレート調整情報が対応付けられる場合、配置替え前と配置替え後のレートを比較することでレート変更があったか否かを判定し、同一であれば配置替え前の設定情報を引継ぐ一方、同一でなければ配置替え後のレートが同一、或いは近似したレートが採用されている類似機種の設定情報により設定情報を更新(特別設定更新処理)する。尚、この場合も含み、設定を引継した場合は、その旨を示すような遊技場管理者に確認を促すための報知を行うことが望ましい。
更に、レート変更があった場合に、類似機種であるか否かに関わらず同一レートの他の機種の設定情報により設定情報を更新したり、設定情報の引継を行わないようにしたりしても良く、この場合もその旨を示す報知を行うことが望ましい。
上述したようにセキュリティ設定にレート調整情報を設けているのは、例えば4円のような高レートでは不正が行われた場合、遊技場の被害が大きくなる一方、1円のような低レートで不正が行われた場合には被害がそれほど大きくないという事情や、当該事情により高レートの方が不正のターゲットになり易いという事情がある一方、異常検出した場合には遊技場従業員が確認する必要があるため、上記事情を考慮して低レートについては異常検出し難い設定情報とすることで、遊技場従業員による確認作業の負担を低減することが可能となるからである。要するに、セキュリティ設定はレートに応じて変化させるのが望ましい設定であることから、レート変更があった場合はレート調整情報に基づいてセキュリティ設定を適切に変更するのである。
また、上述した通り、類似機種を特定するためには、例えばタイプや遊技機メーカー、或いはスペック等の予め設定される複数の類似条件を満たす機種に共通、つまり複数の類似機種が同一の範囲内に収まる類似条件を予め設定し、その類似条件により特定すれば良いが、単純に類似機種を指定してグループ化することで特定しても良い。更にセキュリティ設定以外の設定を対象としてレート調整情報を対応付けても良いし、セキュリティ設定における特定の設定内容についてのみレート設定情報を対応付けても良い。
ここで、管理装置6は、図7にて説明した設定情報を引継ぐ場合と同様に遊技情報も配置替え前後で対応付けて管理可能としており、例えば期間を指定し、当該期間における12月10日に配置替えがあった場合、当該配置替え前の12月10日以前については配置替え前の台番、配置替え後の12月11日以降は配置替え後の台番に対応付けられた遊技情報を抽出して遊技情報を出力可能としている。
さて、管理装置6は、新台が配置された場合は、当該新台に関する設定情報を持ち合わせていないのが一般的であることから、次のようにしてサーバ10に問合わせることで新台に関する設定情報をダウンロードして設定する。サーバ10は例えば管理装置6のメーカーや情報配信サービスを行う企業等が運営する設定サポートサービスを実行するためのサーバであり、当該サーバ10では機種に対応付けて対応する遊技機IDやおすすめの設定情報(以下、おすすめ設定)を管理している。
図7(b)に示すように台番「1」に例えば新台(遊技機ID「03541649」)が配置されると、図7(a)の配置替え前の状態では対応する遊技機IDがいずれの台番にも対応付けられておらず、いずれの遊技機IDにも対応しないID信号が入力することから新台と判定して、サーバ10におすすめ設定を問合せる(問合せ処理)。
このように管理装置6が遊技機IDを特定可能にサーバ10へ問い合わせることで、サーバ10にて遊技機IDに対応する機種が特定され、当該機種に対応したおすすめ設定が管理装置6に送信されるので、管理装置6は、サーバ10から受信した設定情報に基づき図6にて「引継」が「遊技機」に設定される設定項目を対象として設定情報を更新する(設定更新処理)。尚、遊技機IDとは異なるIDにて管理している場合には問合せ用に遊技機IDを変換して問合せれば良い。
また、「引継」が「台番」に設定される項目をサーバ10からの受信対象としても良いが、これは新店時のような最初の設定時に受信することが望ましく、「遊技機」に設定された設定項目と同様に新台の入替る毎に受信する必要はない。
同一機種に対する設定が行われているか否かによりサーバ10の設定情報により更新するか、管理装置6の同一機種であって他の遊技機の設定情報により更新するかを変更しても良い。即ち、前者は当該遊技場での全くの新台を想定し、後者は設置機種の増設を想定している。
前者の場合は上述の通りサーバ10から受信した設定情報を設定する一方、後者の場合は機種IDをサーバ10から受信し、当該機種IDに対応する機種IDが対応付けられた台番がある場合には当該台番に対応付けられた設定情報を優先して設定すれば良い。これは遊技場がサーバ10のおすすめ設定をそのまま採用せず、遊技場独自で変更した場合に、その独自で設定した設定内容を優先して増台した遊技機の設定情報として採用することを想定している。
ここで、遊技機から出力される遊技機IDが遊技機単体を識別可能なIDではなく上記のように機種を識別可能な機種ID(即ち、同一機種であれば同一のID)である場合は、配置替えの際は同一の機種IDが対応付けられた台番の設定情報を引継げば良いが、新台や増設の場合は、サーバ10への問合せ前に配置替え同様に同一の機種IDがあれば増設として配置替え同様の処理を行う一方、同一の機種IDがなければサーバ10へ問い合わせて新台として上記同様の処理を行えば良い。
サーバ10は図1では1つのみを例示しているが、例えばおすすめ設定を機種IDに対応付けて管理するサーバと、遊技機IDを機種IDに対応付けて管理するサーバとで構成するといったように複数のサーバで構成しても良く、この場合、後者の運営は例えば遊技機メーカーにより構成される組合にて運営されるサーバが想定可能である。
また、サーバ10のような遊技場外に設けられる設定情報管理手段に限らず、例えば管理装置6にて別途機種単位で設定情報を管理するように構成することでて遊技場内の管理装置6を設定情報管理手段としても良い。
さて、遊技場が遊技機を配置替えする場合は、配置替え状況を示す所定の書類を警察や公安委員会のような所轄機関に提出する必要がある。
図8は遊技機の配置替えを行う場合に所轄機関に提出する申請書類38の例示であり、このような申請書類38に関わる情報を管理装置6へ入力可能としている。尚、管理装置6へ情報を先に入力し、入力した情報により管理装置6にてこのような提出用の申請書類38を作成しても良い。
図8のような申請書類38を所轄機関に申請する場合、配置替え前の旧台番と、配置替え後の新台番とを申請すると共に、遊技盤番号等や主基板番号等(以下、代表して遊技盤番号等)を申請する必要がある。
そこで、遊技機を配置替えする前に管理装置6に対して申請書類38に記載されている情報(提出情報)を入力すると、管理装置6は、入力情報に基づいて配置替え前の旧台番(配置替え前の配置ID)に対応付けられた図7(a)に示す遊技機ID(対応ID信号)が配置替え後の新台番(設置先となる配置ID、配置替え後の配置ID)に対応した中継装置4や遊技装置2のような入力手段(対象入力手段)により入力されるかの判定(第1判定処理)、及び新台番以外(対象外入力手段)により配置替え対象の遊技機ID(対応ID信号)が入力されるかの判定(第2判定処理)の内、少なくとも一方を行い、その判定結果を報知する(報知処理)。尚、このような判定や報知等は、配置替えに限らず新台を設置する際にも適用可能である。
尚、遊技機側から出力される遊技機IDとして図8に示される遊技盤番号等が採用されていれば遊技盤番号等が配置替え後の新台番から入力されない場合や、新台番以外から入力される場合にその旨を報知すれば良い。
ここで、図8のような申請書類38は配置替え前に申請される場合が多いので、当該申請書類38に関わる情報を管理装置6に入力した場合、管理装置6は、旧台番のいずれからも対応する遊技機IDが出力される場合には配置替えが行われていないと判定する一方、図8の対象となる一部の遊技機にて新台番から対応する遊技機IDが出力された場合には配置替えが行われたと判定し、図8に示す他の新台番から対応する遊技機IDが出力されていないかを監視するようにしても良く、このようにすることで配置替えが行われたことを管理装置6が判定可能となる。
更に、図8には申請日付が含まれているので、同一の申請書類38に限らず、同一の申請日付、或いは近似する(例えば前後1週間以内といった一方に対応する日付が他方に対応する日付に対して予め設定される近似範囲に属する)申請日付が対応付けられた申請書類38における新台番についても対応する複数の遊技機をグループ化し、上記同様に配置替え特定後は新台番から対応する遊技機IDが出力されているかを監視しても良い。
また、配置替えの特定に関わらず、旧台番と新台番とのいずれとも異なる台番(特別対象外入力手段)から対応する遊技機IDが出力されたと判定(第2判定処理)した場合には、配置替え時に例えば最初の遊技機を異なる台番に配置した虞があるため、その旨を報知しても良い。
上記の通り、申請書類38は配置替え前に申請される場合が多いが、遊技場を新規出店する場合のように遊技機を設置した後に申請を行う場合もある。この場合、遊技機側から出力される遊技機IDと台番情報とにより、いずれの遊技機IDがいずれの台番に対応付けられているかを特定することで、図8と同様の申請書類38を作成するための情報(書類情報)を特定できるので、その情報を利用した申請書類38の作成が可能となる。尚、複数日間遊技場を休業して配置替えを行う場合にも対応可能であり、この場合は上述したように配置替えが行われた遊技機を遊技機IDにより特定して申請対象の遊技機とすれば良い。
この場合、遊技機IDが遊技盤番号等であればそのまま申請書類38を作成可能となるが、図7に示すような遊技盤番号等とは異なる遊技機IDが出力される場合には、遊技機IDをサーバ10に問合せることや、予め遊技機IDと遊技盤番号等とを紐付けるための情報を設定することで、遊技機IDに対応する遊技盤番号等を特定すれば良い。この場合の設定としては、操作入力に限らずサーバ10からの情報入力や記録媒体からの入力等も想定できる。
図9は、図8にて説明した様に配置替えを検出した場合や、操作に応じて配置替えが行われる旨を特定した場合に報知される配置替えの進捗状況を示す配置替えチェックを示している。
図8にて説明したように申請書類38に関わる情報に基づき特定した、新台番と旧台番とを示すと共に対応する遊技機IDを示し、対応する遊技機IDを新台番にて特定した場合には配置替えが終了したとして「状態」を「終了」に、旧台番にて特定した場合や新たな特定がない場合は「状態」を「対応前」に、異なる台番にて特定した場合には「状態」にその台番を示すことで誤って配置したことを示しており、各状態を異なる色(「終了」を青色(図中に左斜線で示す)、「対応前」を黄色(図中に右斜線で示す)、「台番」を赤色(図中に網掛線で示す))で示すように「状態」に応じて識別表示を行っている。尚、図9は一例であり、例えば配置替えが終了した場合や誤って配置した場合に履歴情報やポップアップによる管理装置6での報知や、情報表示装置3での判定結果の報知等、他の報知を採用しても良い。
このようにして配置替えの進捗状況を示すことで適切に配置替えをサポートできる。
さて、本実施形態では、上述したような同一の遊技場内のデータの送受信だけでなく、図1に示すように遊技場Aと遊技場Bといったように異なる遊技場間で通信可能であることから、遊技機IDにより問合せを行うことで他の遊技場から移設前の遊技情報(他店情報)の取得を可能としている。
即ち、図1のようにデータの送受信が可能な環境の遊技場間で例えば12月10日に遊技場Bから遊技場Aへ遊技機の移設が行われ、遊技場Aにて12月1日から12月31日の期間を指定して遊技情報を抽出する場合、12月1日から12月10日までの移設前の遊技情報を遊技場Bから受信し、移設後の12月11日以降の移設後の遊技情報は遊技場Aにて特定した該当する遊技機IDが対応付けられた台番の遊技情報を抽出して遊技情報を出力可能としている。尚、上記のように遊技情報を統合して出力するだけでなく移設前後の遊技情報を比較可能に出力しても勿論良い。
上記のような遊技情報の統合は例えばチェーン店間のような遊技情報を共有可能な遊技場間で行われることが想定されるが、本実施形態ではチェーン店のような関係性のある遊技場だけに限らず、そのような関係性のない遊技場間で遊技機が移設される場合であっても、移設前の遊技情報と移設後の遊技情報とを対応付ける処理が可能であり、以下に示す。これは例えば遊技機を中古で売買したケースを想定している。
図4に示す遊技情報は例えば営業終了時のような営業日単位の遊技情報を特定可能なようにサーバ10に送信され、サーバ10においても管理装置6と同様に遊技機IDに対応付けて遊技情報を管理する。そして、例えば図1に示す遊技場Aと遊技場Bとでチェーン店のような関係性がなくとも、例えば所在地の内、都道府県のような遊技場を特定不能な程度の属性情報を対応付けた上で遊技情報を公開することで各遊技場の遊技情報を閲覧可能としている。
そして、図7にて説明したように新台、或いは増設した場合に、中古機が対象となる場合もあるので、サーバ10上で対応する遊技機IDの遊技情報を管理していないかを問合せ、サーバ10にて対応する遊技機IDの遊技情報を管理している場合には当該遊技機IDの遊技情報を管理装置6に返信する。この場合、上記した設定情報と併せて問合せることが望ましい。
このような処理を実行することで、上記したチェーン店のような関係性がなくとも、チェーン店と同様に移設前の遊技情報を特定可能となり、その遊技情報を移設後の遊技情報と比較することや、統合した管理が可能となる。
また、他の遊技場やサーバ10から移設前の遊技情報を受信する場合、移設前の遊技情報があることを特定した際に受信することが望ましい。この場合、例えば管理装置6には例えば400日というような遊技情報の管理期間が予め設定されているので、その管理期間分を遡って遊技情報を取得することが望ましい。これは特に他の遊技場から遊技情報を取得する場合に、遊技場単位で保持期間が異なることや移設、即ち撤去したことにより遊技情報を削除、或いは保持期間を短縮して遊技情報を削除する虞があるためである。この場合、一括して受信することが望ましいが、双方の処理負担を考慮して管理期間が迫る最先の遊技情報(管理期間が迫る他店情報)を優先して徐々に(例えば1日に7日分ずつ)受信しても良いし、このような処理負担や管理期間等を考慮せず、遊技情報を参照する度に他店情報を問合せても良い。
上記処理は組合わせても良い。例えば移設後に移設前の遊技情報を取得したい場合、チェーン店のような遊技情報を取得できる遊技場への問合せを優先して行い、取得可能な遊技場がない場合にサーバ10への問合せにより遊技情報を取得しても良い。同様にサーバ10へ先に問合せを行い、サーバ10にてチェーン店の遊技機である旨を特定できた場合にはチェーン店に問合せても良いし、この問合せ先を予め指定した上で問合せても良く、チェーン店の場合、取合せ先を指定することも想定できる。
このようにサーバ10に優先して他の遊技場に問合せるのは、サーバ10にて公開できる遊技情報の種類よりも関係性のある遊技場間で公開できる遊技情報の種類の方が多いため、より多くの遊技情報を取得するためとなる。
また、チェーン店に問合せる場合はチェーン店間で遊技場単位のIDや暗証番号等の認証情報を管理し、認証情報が適合する場合に限り遊技情報を他店に提供することが望ましい。
尚、上記処理は操作入力に応じて行えば良いが、遊技場内の配置替えと同様に台番と遊技機IDとを比較した結果に基づき行っても良い。即ち、台番に対応する遊技機IDとは異なる遊技機IDを入力した場合に、遊技場内で遊技機IDに対応する台番があったか、即ち配置替えであるかを判定し、ない場合には移設としてサーバ10や他の遊技情報に上述の通り遊技情報を問合せることが想定される。
以上のような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
管理装置6は、サーバ10から得た基準設定情報により設定情報を更新するため、遊技機側から管理装置6にて設定更新対象となる全ての設定情報が送信されなくとも、設定情報の設定操作に係る負担や間違いを軽減可能とした上で適切に設定情報を更新可能となる。
新台を設置した場合のような遊技機から受信した遊技機IDがいずれの台番にも対応付けられていない場合にサーバ10から設定情報を受信するため、予め管理装置6にて設定情報を設定する負担を軽減した上で適切に設定情報を更新可能となる。
遊技機から受信したIDが既に設定されるか否かにより配置替えや増台であるかを判定し、配置替えや増台の場合は既存の設定情報を引継ぐため、基準設定情報とは異なる設定を遊技場が行っている場合であっても、配置替えや増台に対応した適切な設定情報の更新が可能となる。
サーバ10から受信する設定情報は引継が「遊技機」となっている設定情報であるため、設定更新毎に遊技機に対して設定される全ての設定情報を対象として問合せ処理や設定更新処理を行う必要性を低減できる。
引継が「台番」となっている設定情報もサーバ10から受信するが、「遊技機」と「台番」とのいずれを対象とするかの条件は異なるため、例えば遊技場を新店として開店する場合には「台番」も含んで受信する一方、遊技機の新台導入時には「台番」を含まずに受信するといったような状況に応じて適切な設定更新が可能となる。
引継が「台番」の設定情報は更新の対象外とする一方、引継が「遊技機」の設定情報は更新対象として配置替え時に更新し、配置替え前の台番に関連付けて設定されていた設定情報を、配置替え後の台番に対応する設定情報として更新するため、管理装置6にて管理する設定情報として配置替えに応じて更新すべき設定情報と更新すべきでない設定情報とがあり、遊技機から当該設定情報が受信できない場合であっても、遊技機に対応する設定情報の設定操作に係る負担や間違いを軽減可能となる。
情報表示装置3の設定情報についても、引継により配置替えに応じて更新対象とするのか更新の対象外とするかを区分できるため、例えば機種専用の背景に関わる設定情報については更新対象とする一方、遊技島単位のイルミネーションに関わる設定情報については更新の対象外とする等、配置替えに応じて適切に情報表示装置3に関する設定情報を更新可能となる。
セキュリティのような特定の設定情報について、レート変更とならない配置替えを行った場合は配置替え前の設定情報を引継ぐ一方、レート変更となる配置替えを行った場合は引継がないため、例えばレートに応じてセキュリティレベルを調整している遊技場において、設定情報の引継により意図しない設定状況となる虞を低減できる。
レート変更となる配置替えがあった場合、配置替え先と同レートの設定情報を引継ぐため、例えば上述したような遊技場のようにレートに応じてセキュリティレベルを調整している遊技場において、レートに応じたセキュリティレベルを維持した設定更新が可能となる。
配置替え先と同レートの設定情報を引継ぐ場合に、類似機種または同一機種の類似機種を引継ぐため、上記に示した遊技場において更に適切な設定更新が可能となる。
所轄機関への申請書類38に関わる情報を設定し、その情報により特定される配置替え後の台番またはそれ以外の台番から対応する遊技機IDを入力した場合にその旨を報知するため、所轄機関に提出する申請書類38に対応した配置状況となっているかを目視以外の方法により確認可能となり、申請内容と配置状況とが相反するような虞を低減できる。
申請書類38に記載される複数の遊技機をグループ化し、グループに一部の遊技機にて配置替え後の台番から遊技機IDを受信した場合に、グループ内の遊技機から遊技機IDを受信していないかを報知するため、配置替え中に申請内容とは異なる配置状況になっていないかを確認可能となる。
同一または近似日付の申請書類38に記載される複数の遊技機をグループ化するため、配置替えとなる遊技機を適切に特定可能となる。
申請書類38の配置替え前と配置替え後のいずれにも対応しない台番にて申請書類38に対応した遊技機IDを入力した場合に、その旨を報知するため、配置替えが適切に行われているかを確認可能となる。
遊技機の配置替えは申請書類38の申請後に行うことが一般的であるが、稀に遊技場が複数日休業して配置替えする場合もあり、この場合、配置替え後に申請書類38を作成することも想定される。同様に遊技場を新規に開店する場合にも遊技機を設置してから申請書類38を作成することが想定されるが、この場合、多くの遊技機が申請対象となり申請書類38の作成処理が煩雑となる虞がある。しかしながら、遊技機IDを入力することにより申請書類38を作成するための情報を特定するため、その作成処理に係る負担を軽減できる。
他店情報を移設後の遊技情報と統合して、或いは比較可能に出力するため、他店で設置されていた遊技機を移設する場合に、他店での遊技状況を考慮した上で当該遊技機の遊技状況を把握できるようになる。
他の遊技場の管理装置6から遊技情報を受信することで他の遊技場における遊技情報を引継ぐため、例えばチェーン店のような協力関係にありデータを提供可能な他の遊技場に設置されていた遊技機を移設した場合に、移設前の遊技情報を考慮した上で遊技機の遊技状況を把握できるようになる。
複数の遊技場における遊技情報を遊技機IDに対応付けて管理するサーバ10から、他の遊技場における遊技情報を引継ぐため、例えばチェーン店のような協力関係がなくデータを直接的に提供できない遊技場に設置されていた遊技機であっても、サーバ10に遊技情報を送信することで同意がとれているような遊技場であれば、その遊技場に設置されていた遊技機を中古機売買のような方法で移設した場合に対応可能となる。
他の遊技場及びサーバ10の双方に遊技機IDに基づく問合せが可能であり、他の遊技場からの遊技情報を優先して受信するため、例えばチェーン店間であれば詳細な遊技情報の送受信が見込める一方、サーバ10経由であれば詳細な遊技情報の送受信が見込めない場合に、詳細な遊技情報を優先して取得可能となる。
移設前の遊技情報を管理する他の遊技場の管理装置6やサーバ10等においても、その遊技情報に管理期間が設けられており、移設前の設置期間が長ければ、遊技情報の送受信にかかる情報量が多く全ての遊技情報の送受信が完了する前に管理期間が迫って消去される虞もあるが、管理期間が迫る遊技情報を優先して受信するため、そのような虞を低減できる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張しても良い。
封入式遊技機を例示したが、従来の遊技媒体を払出す遊技機を対象としても良い。この場合、各台計数機能だけでなく、所謂島端に設けられる島端計数機にて本発明を採用しても良い。
所轄機関への提出書類として配置替えする際の書類を例示したが、例えば新台導入時や撤去対象となる遊技機に関する提出書類を対象としても良い。
記録媒体としてはカードが想定できるが、コインや携帯メモリー、或いは紙等、どのような記録媒体を採用しても良い。また、遊技価値の対応付けとしては記録媒体に直接記録しても良いし、管理装置6にて記録媒体のIDと対応する遊技価値とを対応付ける等しても良く、記録媒体は対応する遊技価値を特定可能な情報が記録されていれば、どのような構成を採用しても良い。
各設定値は管理者が任意に操作入力により設定しても、予め管理装置6のメーカーにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部等)のサーバ10から設定情報をダウンロードして設定しても良い。尚、この場合もサーバ10にて操作入力により入力された設定値となる。また、過去の遊技情報を基準値として設定しても勿論良い。
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定しても良い。また、遊技信号としてパルス信号を例示したがシリアル通信等による信号入力としても良い。
機種としては、例えばレート別やフロア別に機種をグループ化する等、どのような区分により構成しても良い。
数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。また、出力としては印字、表示出力が少なくとも想定される。
対象となる遊技機としては例示したパチンコ遊技機以外のパチンコ遊技機や、スロットマシン等にも採用できる。尚、例示した封入式を考慮して遊技媒体は必要に応じて遊技価値と表現する。
管理装置6が行う処理の一部を中継装置4、情報表示装置3、或いは遊技装置2等にて行っても良い等、どの様に構成しても良い。更に例示した構成は変形例も含めて、どのように組合わせても良いし、適宜、採用しない構成を設けても良い。