JP5132909B2 - 遊技場用管理システム - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機の異常を判定するための遊技場用管理システムに関する。
従来より、スロットマシンやパチンコ機等の遊技機を複数設置した遊技場がある。このような遊技場においては、内部配線ミス、ハード異常、ソフト不具合等の機械的なトラブルや、人為的な不正行為等に起因して遊技機の異常が発生する場合がある。このような異常は、多くの場合、遊技機の入賞数の異常として顕在化するおそれがある。入賞数が過大となったり過小となったりすると、遊技媒体1単位(パチンコ機であればパチンコ玉1個、スロットマシンであればメダル1枚。)当たりの入賞確率が高くなりすぎたり低くなりすぎたりする。
例えば、パチンコ機等の遊技機は、通常、複数の入賞口を有している。そのため、入賞数を把握するには、全ての入賞口に入賞検知センサを設ける必要があり、コスト的に困難であるおそれがある。また、仮に、入賞数を全て把握できたとしても入賞毎の遊技媒体の払出数量が適正でないなどのハード異常等、全ての異常を検知することは困難である。そこで、例えば、使用遊技媒体数(パチンコ機では打込玉数、スロットマシンでは投入枚数。)に対する払出遊技媒体数(パチンコ機では払出玉数、スロットマシンでは払出枚数。)の割合である出玉率を利用して遊技機の異常を検知するように構成した遊技場用管理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この遊技場用管理システムでは、例えば、30%の基準出玉率に対して±10%の上限あるいは下限の閾値出玉率を設定し、実測した出玉率との比較を行うことにより遊技機の異常を検知しようとしている。
一方、上記入賞確率は、上記出玉率が一定であっても、入賞毎に払い出される遊技媒体数である単位払出遊技媒体数に応じて変動し得る。例えば、使用遊技媒体1000単位に対して払出遊技媒体300単位を期待し得る出玉率30%は、単位払出遊技媒体が3単位の場合には使用遊技媒体1000単位に対して100回の入賞が期待できることを意味しており、単位払出遊技媒体が6単位の場合には50回の入賞が期待できることを意味している。すなわち、単位払出遊技媒体が3単位の場合の入賞確率10%、及び単位払出遊技媒体が6単位の場合の入賞確率5%は、いずれも出玉率30%を意味しており、当該出玉率と入賞確率との関係は単位払出遊技媒体数に依存して変動し得る。
したがって、上記従来の遊技場用管理システムでは、次のような問題がある。すなわち、上記遊技機からの遊技媒体の払出は入賞に応じたものであるため、払出遊技媒体数は上記単位払出遊技媒体数毎に増加する。それ故、単位払出遊技媒体数が異なれば、同一の出玉率を得るための入賞数が異なってくる。つまり、出玉率の変動幅は、入賞数の変動幅に起因する。しかし、上記従来の遊技場用管理システムでは、出玉率を得るための入賞数を考慮せず、上記単位払出媒体数に応じて上記閾値出玉率のしきい値を設定していないため、上記単位払出遊技媒体数によっては適切に上記閾値出玉率の異常を判定できなくなるおそれがあるという問題がある。さらに、遊技機が払い出す遊技媒体数に関するしきい値判断により異常を判定しようとした場合についても、上記と同様の問題が発生するおそれがある。
特開2003−334369号公報
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、遊技機の出玉率あるいは遊技媒体の払出数に基づいて異常を検知する遊技場用管理システムであって、遊技機の仕様、特に単位払出遊技媒体数の違いによらず幅広く適用し得る汎用性の高い遊技場用管理システムを提供しようとするものである。
本発明は、通常遊技状態における検知対象の遊技期間である検知期間を設定する検知期間設定手段と、
上記検知期間に渡って遊技機を遊技した場合の基準となる遊技媒体数である基準払出遊技媒体数を設定する基準払出数設定手段と、
上記遊技機の入賞のうち、特定入賞1回当たりに上記遊技機が払い出す遊技媒体数である単位払出遊技媒体数を設定する単位払出数設定手段と、
上記単位払出遊技媒体数により上記基準払出遊技媒体数を除算することにより基準入賞数を算出する基準入賞数算出手段と、
上記基準入賞数に対して許容偏差を加算した上限入賞数、及び上記基準入賞数から上記許容偏差を減算した下限入賞数のうちの少なくともいずれか一方を閾値入賞数として設定する閾値入賞数設定手段と、
上記閾値入賞数に対して上記単位払出遊技媒体数を乗じた閾値払出数、及び上記検知期間に渡って上記遊技機を遊技した場合に使用が想定される遊技媒体数である想定使用遊技媒体数に対する上記閾値払出数の割合である閾値出玉率のうちの少なくともいずれか一方を、異常判定しきい値として設定する異常判定閾値設定手段と、
当該異常判定閾値設定手段が設定した上記異常判定しきい値を出力する異常判定閾値出力手段とを備えたことを特徴とする遊技場用管理システムにある(請求項1)。
本発明の遊技場用管理システムは、上記基準払出数設定手段を用いて設定した上記基準払出遊技媒体数に対応する上記基準入賞数を算出する上記基準入賞数算出手段と、上記基準入賞数を基にして上記閾値入賞数を設定する上記閾値入賞数設定手段と、上記閾値入賞数に対応する上記閾値払出数あるいは上記閾値出玉率を上記異常判定しきい値として設定する上記異常判定閾値設定手段と、を備えている。
上記遊技場用管理システムでは、上記基準入賞数算出手段が上記基準払出遊技媒体数を上記基準入賞数に変換し、上記閾値入賞数設定手段が当該基準入賞数を基にして上記閾値入賞数を設定する。さらに、上記遊技場用管理システムでは、上記異常判定閾値設定手段が上記閾値入賞数に対応する上記閾値払出数あるいは上記閾値出玉率を上記異常判定しきい値として設定し、上記異常判定閾値出力手段が当該異常判定しきい値を出力する。
上記遊技場用管理システムが出力する上記異常判定しきい値を利用すれば、例えば、上記検知期間において上記遊技機が実際に払い出した遊技媒体数と上記閾値払出数との比較、あるいは上記検知期間における上記遊技機の実際の出玉率と上記閾値出玉率との比較による異常判定が可能となる。ここで、上記遊技場用管理システムが上記異常判定しきい値として出力する上記閾値払出数あるいは上記閾値出玉率は、上記基準入賞数に基づいて設定した上記閾値入賞数に対応するものである。それ故、上記閾値払出数あるいは上記閾値出玉率を上記異常判定しきい値として利用すれば、実質的には、その判定処理の過程において設定した上記閾値入賞数に基づいて上記遊技機の異常を判定することができるようになる。
つまり、上記遊技場用管理システムが上記異常判定しきい値として出力する上記閾値払出数あるいは上記閾値出玉率に基づけば、上記遊技機の実際の出玉率あるいは上記遊技機が実際に払い出した遊技媒体数に関するしきい値判断を介して、上記遊技機の入賞数の異常を精度高く判定することが可能となる。そして、このように上記遊技機の入賞数の異常を精度高く判定すれば、上記遊技機の異常を判定する際に生じるおそれがある上記単位払出遊技媒体数の違いによる影響等を抑制できる。
また、上記遊技場用管理システムが出力する上記閾値出玉率あるいは上記閾値払出数に基づけば、上記単位払出遊技媒体数に応じて変動し得る出玉率や遊技媒体の払出数等の正常な範囲を把握することも可能である。上記遊技場用管理システムは、上記遊技機の実際の払い出し状況に即して、出玉率等の正常な範囲を提示し得る優れたシステムである。
以上のように本発明の遊技場用管理システムによれば、上記単位払出遊技媒体数の違いによる影響を抑制し得る上記異常判定しきい値を出力することができる。上記単位払出遊技媒体数が違うと同じ遊技媒体数の払い出しを受けるために必要となる上記特定入賞の入賞数が異なってくるが、本発明の遊技場用管理システムが上記異常判定しきい値として出力する上記閾値払出数あるいは上記閾値出玉率は、上記のように上記特定入賞の入賞数が異なる場合についても、その影響を極力抑制したものとなり得る。
本発明の遊技場用管理システムを用いて異常を判定する対象の上記遊技機としては、パチンコ機やスロットマシン等がある。さらに、スロットマシンとしては、上記遊技媒体であるメダルを採用したもののほか、パチンコ玉を上記遊技媒体として採用したパロット(R)であっても良い。
また、例えば、上記基準入賞数を算出するなど、「算出する」とは、演算することを意味しており、算出した数値等については表示あるいは印字等の出力を必要としない。
また、パチンコ機よりなる上記遊技機については、通常の遊技状態下で他の入賞口よりも入賞確率が高くなるよう、あるいは入賞に伴う総払出数が多くなるように釘調整される特定入賞口への入賞等を、上記特定入賞として設定することができる。なお、入賞1回当たりの払い出される遊技媒体数が同数であれば、複数の入賞口を特定入賞口として設定することも良い。さらに、入賞1回当たりに払い出される遊技媒体数が異なる複数の入賞口を同時に特定入賞口として設定する場合には、その入賞比率や、入賞による総払出比率に応じて入賞1回当たりの払出数を按分、あるいは平均化した値を上記単位払出遊技媒体数として設定するのが良い。
さらに、スロットマシンよりなる上記遊技機については、入賞確率の最も高い小役、あるいは検知期間における払出枚数が最も多くなると期待される小役の入賞等を、上記特定入賞として設定することができる。
上記遊技場用管理システムは、例えば、遊技機を複数設置した遊技場を管理する遊技場用管理装置を利用して構成することもできる。さらに、例えば、インターネット回線を利用して上記遊技場用管理システムを構成することも可能である。この場合には、各遊技場がインターネット回線を介して上記異常判定しきい値を受信可能なように、上記遊技場用管理システムを構成しておくことも良い。
また、上記遊技機に対して基準出玉率を設定する基準出玉率設定手段を有し、上記基準払出数設定手段は、上記想定使用遊技媒体数に上記基準出玉率を乗じて算出した遊技媒体数を上記基準払出遊技媒体数として設定するように構成してあることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記基準払出数設定手段は、上記基準出玉率に対応する上記基準払出遊技媒体数を設定できるようになる。
また、上記閾値入賞数設定手段は、上記遊技機における上記検知期間内の入賞数に関する標準偏差に所定値を乗じた値、あるいは上記基準入賞数の所定の割合に相当する値を上記許容偏差として設定するように構成してあることが好ましい(請求項3)。
上記入賞数の標準偏差に基づく上記許容偏差を設定する場合には、所定のばらつき範囲から外れる入賞数を呈する遊技機を異常と判定できるようになる。上記基準入賞数の所定の割合に相当する値を上記許容偏差として設定する場合には、上記基準入賞数からの偏差が上記所定の割合に相当する値以上の入賞数を呈する遊技機を異常と判定できるようになる。
また、上記検知期間内に上記遊技機に使用された遊技媒体数である実測使用遊技媒体数を検知する使用数検知手段と、上記検知期間内に上記遊技機が払い出した遊技媒体数である実測払出遊技媒体数を検知する払出数検知手段と、上記検知期間設定手段が設定した上記検知期間が経過する毎に異常を判定し、異常と判定した場合には異常である旨を報知する異常報知手段とを備え、
上記異常報知手段は、上記実測払出遊技媒体数と上記基準払出遊技媒体数との間の数値的な範囲内に上記閾値払出数が属するか、あるいは上記実測使用遊技媒体数に対する上記実測払出遊技媒体数の割合である実測出玉率と上記基準出玉率との間の数値的な範囲内に上記閾値出玉率が属したとき、異常と判定するように構成してあることが好ましい(請求項4)。
この場合には、上記遊技場用管理システムに対して上記実測使用遊技媒体数及び上記実測払出遊技媒体数を入力する必要性を省略でき、一層、容易に上記遊技機の異常を検知できるようになる。
なお、上記使用数検知手段としては、例えば、上記遊技機に上記遊技媒体を投入する毎に上記遊技機が出力する投入信号の取込回数をもって上記実測使用遊技媒体数として検知することができる。さらに、所定数の上記遊技媒体の払い出し毎に出力される上記投入信号である場合には、上記取込回数に対して上記所定数を掛け合わせて求めた乗算値を上記実測使用遊技媒体数として検知することができる。
またなお、上記払出数検知手段としては、例えば、上記遊技媒体の払い出し毎に上記遊技機が出力する払出信号の取込回数をもって上記実測払出遊技媒体数として検知することができる。さらに、所定数の上記遊技媒体の払い出し毎に出力される上記払出信号である場合には、上記取込回数に対して上記所定数を掛け合わせて求めた乗算値を上記実測払出遊技媒体数として検知することもできる。
さらにまた、上記使用数検知手段あるいは上記払出数検知手段としては、上記遊技機自体、あるいは遊技場を管理する管理装置と遊技機との間に介設した中継装置が集計した上記取込回数を読み出すことにより上記実測使用遊技媒体数あるいは上記実測払出遊技媒体数を検知するものであっても良い。
さらには、例えば、上記遊技場用管理システムが出力する上記閾値払出数あるいは上記閾値出玉率を上記異常判定しきい値として設定可能なよう、遊技機毎に設置した台ランプ等を構成すると共に、上記使用数検知手段及び上記払出数検知手段を具備させることも良い。この場合には、上記遊技場用管理装置で設定した上記閾値払出数等を利用して、上記台ランプにおいて異常判定ができるようになる。そして、上記台ランプによる異常判定の結果については、上記遊技場用管理システムに出力しても良く、上記台ランプ自体が異常を報知しても良い。
(実施例1)
本例は、遊技機の異常を検知する遊技場用管理システム1に関する例である。この内容について、図1〜図6を用いて説明する。
本例の遊技場用管理システム1は、図1及び図2に示すごとく、検知対象の遊技期間である検知期間を設定する検知期間設定手段11と、遊技機2に対して基準出玉率を設定する基準出玉率設定手段15と、検知期間に渡って遊技機2を遊技した場合の基準となる遊技媒体数である基準払出遊技媒体数を設定する基準払出数設定手段14と、遊技機2の入賞のうち、特定入賞1回当たりに遊技機2が払い出す単位払出遊技媒体数を設定する単位払出数設定手段140と、単位払出遊技媒体数により基準払出遊技媒体数を除算することにより基準入賞数を算出する基準入賞数算出手段16と、基準入賞数に対して許容偏差を加算した上限入賞数、及び上記基準入賞数から許容偏差を減算した下限入賞数のうちの少なくともいずれか一方を閾値入賞数として設定する閾値入賞数設定手段17と、閾値入賞数に対して単位払出遊技媒体数を乗じた閾値払出数を、異常判定しきい値として設定する異常判定閾値設定手段19と、この異常判定閾値設定手段19が設定した異常判定しきい値を出力する異常判定閾値出力手段190と、を備えたものである。
以下に、この内容について詳しく説明する。
本例の遊技場用管理システム1は、図1及び図2に示すごとく、遊技場を管理するための遊技場用管理装置3(以下、管理装置3という。)を利用して構成したものである。遊技場用管理システム1は、図1及び図2に示すごとく、管理装置3のほか、複数の遊技機2、遊技機2毎に設置した台ランプ22、遊技機2毎に設置した玉貸機(図示略)及び共用の計数機(図示略)等を含むシステムである。遊技場用管理システム1では、通信ネットワーク10を介して通信可能な状態で、遊技機2及び台ランプ22等が管理装置3に接続されている。
本例の遊技場用管理システム1では、遊技機2及び台ランプ22が、中継器23を介して通信ネットワーク10に接続されている。管理装置3は、内蔵する通信ポート(図示略)を介して通信ネットワーク10に接続してある。なお、図1では、玉貸機及び計数機に加えて、台ランプ22及び中継器23を省略してある。
本例の遊技場用管理システム1では、図1及び図2に示すごとく、通信ネットワーク10としてCAN(Controller Area Network)を採用している。なお、通信ネットワーク10としては、本例のCANに代えて、MOSTやイーサネット(R)などのLAN規格等、様々な仕様のものを採用することができる。
本例の遊技機2は、図1及び図2に示すごとく、いわゆるセブン機と呼ばれるパチンコ機である。この遊技機2は、払出玉10玉ごとのセーフ信号、役物動作(本例のごとく特定の入賞口への入賞に応じて大当たり抽選を実施し、その大当たり抽選に基づいて図柄変動を行うセブン機が管理対象であれば、特定の入賞口への入賞に伴う大当たり抽選、あるいは図柄変動等。)を行ったことを表す役物動作信号、大当たり状態(本例のセブン機では、大当たり図柄が表示されると共に特定の入賞口を開放し、出玉率が高くなる遊技状態。)であることを表す大当たり信号等を遊技信号として出力するように構成してある。遊技信号の1つであるアウト信号は、遊技機2に対応して設置した玉回収装置(図示略。)が出力する信号である。玉回収装置は、遊技に使用されて回収された回収玉10玉毎にアウト信号を1回ずつ出力するように構成してある。
なお、本例の遊技機2に代えて、遊技者が打ち込みした玉数を示すアウト信号を直接出力する遊技機2を採用することもできる。この場合には、上記玉回収装置を省略することができる。さらになお、上記遊技機2としては、本例のパチンコ機に限定されるものではなく、スロットマシン等の遊技機であっても良い。
台ランプ22は、図2に示すごとく、各遊技機2の鉛直方向上方に配設した表示装置である。本例の台ランプ22は、各種情報を表示するデータ表示部220を中央に配設してなる。
中継器23は、遊技機2側から取り込むアウト信号や、セーフ信号や、遊技機2毎の玉貸機の売上信号等の遊技信号を通信ネットワーク10上の通信データに変換する装置である。この中継器23は、各遊技機2を特定する遊技機IDを関連付けした状態で、上記遊技信号等を通信ネットワーク10に向けて送信するように構成してある。
管理装置3は、図1及び図2に示すごとく、液晶ディスプレイよりなる表示手段302と、各種の演算処理を実行する装置本体301と、キーボード及びマウスを含む入力手段303とを備えている。装置本体301は、演算処理を実行するCPUのほか、遊技データ等を記憶するハードディスクドライブを備えている。
管理装置3は、図1を用いて上記したごとく、検知期間設定手段11、基準出玉率設定手段15、基準払出数設定手段14、単位払出数設定手段140、基準入賞数算出手段16、閾値入賞数設定手段17、異常判定閾値設定手段19及び異常判定閾値出力手段190を備えている。さらに、本例の管理装置3は、上記の構成に加えて、遊技機2に使用した実測使用遊技媒体数を検知する使用数検知手段13と、遊技機2が払い出した実測払出遊技媒体数を検知する払出数検知手段12と、異常を判定して報知する異常報知手段18とを備えている。以下、管理装置3が備える各手段の内容について、詳しく説明する。
まず、検知期間設定手段11は、図1及び図2に示すごとく、異常を検知する対象の検知期間を設定する手段である。本例では、入力手段303を介して遊技場の管理者等が各遊技機2毎に入力した検知期間を設定した。具体的には、本例では、上記使用数検知手段13による実測使用遊技媒体数の検知に基づき、通常遊技状態下で1000玉の遊技媒体が使用された遊技期間を上記検知期間として設定した。なお、本例では、上記大当たり信号の受信中であるか否かによって、各遊技機2の通常遊技状態を判断した。
なお、通常遊技状態を判断する方法としては、本例に代えて、特定の入賞口への入賞確率が高くなる、いわゆる時短状態等、大当たり状態以外の特定遊技状態を表す特定遊技状態信号を受信したか否かの判断を組み合わせて通常遊技状態を判定することも良い。さらになお、特定遊技状態下の遊技機2を対象として異常を判定することもできる。
またなお、上記検知期間としては、遊技機2の機種毎あるいは遊技場全体に対して、一律の期間を設定することができる。さらに、本例に代えて、半日、2時間、1時間等、時間的に区分した検知期間を設定することもできる。
上記基準出玉率設定手段15は、図1及び図2に示すごとく、異常を判定する対象の遊技機2について、基準となる出玉率を設定する手段である。本例では、基準出玉率として、図3に示すごとく、総出玉率100%に対応する通常遊技状態の出玉率(図3中、通常中出玉率として示す。)のシミュレーション値である30%を設定した。これに代えて、粗利が0円となる出玉率のシミュレーション値や、特定の入賞口への入賞確率が所定値となる出玉率のシミュレーション値等、他のシミュレーション値を採用しても良く、さらには、過去の遊技データの平均の出玉率を、上記基準出玉率として設定することもできる。
また、本例では、上記のごとく入力手段303を介して管理者等が入力した出玉率のシミュレーション値を基準出玉率として設定したが、これに代えて、遊技データのシミュレーション結果、あるいは過去の遊技データの統計処理に基づいて自動的に上記基準出玉率が設定されるよう、管理装置3のソフトウェアプログラムを構成しておくことも良い。
ここで、図3について説明しておく。同図は、「大当たり確率」や「払出単位」のような遊技機2のスペック値や、「大当たり中平均出玉」や「大当たり中平均打込玉」等、「通常中出玉率」に関わりの低い釘調整による遊技情報を固定入力値としたうえ、入力した総出玉率を得るための「通常中出玉率」をシミュレート計算したものである。
なお、本例では、上記のごとく総出玉率100%となる通常中出玉率を基準出玉率として設定したが、これに代えて、実際の通常中出玉率を想定し、その通常中出玉率を基準出玉率として設定することもできる。例えば、総出玉率を106%とするためには、通常中出玉率を32%とするように釘調整するので、当該32%を基準出玉率として設定することができる。さらに、例えば、過去の通常中出玉率が28%であることから、過去と同様に通常中出玉率を28%とするように釘調整を実施し、当該通常中出玉率を基準出玉率として設定すること等も可能である。
上記使用数検知手段13は、図1及び図2に示すごとく、遊技機2側から受信したアウト信号に基づいて遊技機2に実際に使用した実測使用遊技媒体数を検知する手段である。使用数検知手段13は、管理装置3の通信ポート(図示略)を介して、遊技機2側からアウト信号を受信する。上記のごとくアウト信号は、遊技に使用されて回収された回収玉10玉毎に1回ずつ出力される信号である。使用数検知手段13は、上記検知期間内のアウト信号の受信回数(取込回数)を積算し、これを10倍することで実測使用遊技媒体数を検知する。
上記払出数検知手段12は、図1及び図2に示すごとく、遊技機2側から受信したセーフ信号に基づいて遊技機2が払い出した実測払出遊技媒体数を検知する手段である。払出数検知手段12は、管理装置3の通信ポート(図示略)を介して、遊技機2側からセーフ信号を受信する。上記のごとくセーフ信号は、遊技機の払出玉10玉毎に1回ずつ出力される信号である。払出数検知手段12は、上記検知期間内のセーフ信号の受信回数(取込回数)を積算し、これを10倍することで実測払出遊技媒体数を検知する。
上記基準払出数設定手段14は、図1に示すごとく、基準となる払出数である基準払出遊技媒体数を設定する手段である。本例の基準払出数設定手段14は、上記検知期間設定手段11により設定した検知期間において使用されると想定される想定使用遊技媒体数(本例であれば1000玉。)に対して、上記基準出玉率設定手段15により設定された基準出玉率(本例であれば30%。)を乗ずることで基準払出遊技媒体数(本例では1000玉×30%=300玉。)を算出している。
上記単位払出数設定手段140は、図1に示すごとく、特定入賞1回当たりに遊技機2が払い出す単位払出遊技媒体数を設定する手段である。なお、本例では、通常の遊技状態下で他の入賞口よりも入賞確率が高くなるよう、あるいは入賞に伴う総払出数が多くなるように釘調整される特定入賞口(例えば、通常状態における入賞数、あるいは入賞に伴う総払出数が90%以上を占める入賞口。)への入賞を、上記特定入賞として設定している。そして、この特定入賞口への特定入賞毎(入賞1回当たり)の払出数(本例では、図3から知られるように6玉。)を上記単位払出遊技媒体数として設定している。
なお、入賞1回当たりの払出数が同数であれば、複数の入賞口を特定入賞口として設定しても良い。さらに、入賞1回当たりの払出数が異なる複数の入賞口を同時に特定入賞口として設定する必要がある場合は、その入賞比率や、入賞による総払出比率に応じて入賞1回当たりの払出数を按分、あるいは平均化した値を単位払出遊技媒体数として設定することもできる。
本例の単位払出数設定手段140は、遊技場の管理者等が入力する値を上記単位払出遊技媒体数として設定するように構成したものである。単位払出数設定手段140としては、この構成に代えて、遊技機2側から出力される値や、遊技機の製造メーカ等がインターネット等の通信回線を介して配信する遊技機2のスペック値等を取り込み、上記単位払出遊技媒体数として設定することも可能である。
上記基準入賞数算出手段16は、図1に示すごとく、上記単位払出数設定手段140を利用して設定した単位払出遊技媒体数により基準払出遊技媒体数を除算することで、当該基準払出遊技媒体数に対応する基準入賞数を算出する手段である。
本例の基準入賞数算出手段16は、上記基準払出数設定手段14により設定された基準払出遊技媒体数が全て上記特定入賞口への特定入賞によるものであると仮定し、基準払出遊技媒体数(本例では300玉。)を単位払出遊技媒体数(本例では6玉。)により除算することで基準入賞数(本例では、300玉÷6玉=50回。)を算出する手段である。なお、セブン機である本例の遊技機2の場合、通常の遊技状態について、図柄変動の契機となる契機入賞口の入賞確率が最高となるように釘調整が行われるのが一般的である。そこで、本例では、契機入賞口を特定入賞口として設定し、特定入賞1回当たりの払出数を上記単位払出遊技媒体数として設定している。
上記閾値入賞数設定手段17は、図1に示すごとく、上限入賞数及び下限入賞数を閾値入賞数として設定する手段である。本例では、閾値入賞数を設定するに当たって、まず、上記検知期間設定手段11により設定された検知期間において想定される想定使用遊技媒体数(本例では1000玉)を使用して遊技した場合の入賞数の標準偏差σを求めている。本例では、基準入賞数算出手段16が算出した基準入賞数(本例では50回。)を得られると仮定して、上記想定使用遊技媒体数に対する入賞確率(本例では50回÷1000玉=5%。)を求め、上記標準偏差σを求めている(本例では、後述する算出式より、1000玉×5%×(100%−5%)の平方根、すなわち50玉×95%=47.5の平方根である6.89。)。そして、閾値入賞数設定手段17は、上記許容偏差として、標準偏差の2倍である2σ(2×6.89=13.78)を設定している。上記上限入賞数である閾値入賞数は、基準入賞数(本例であれば50回。)に上記許容偏差2σを加算したもの(本例であれば50回+13.78回=63.78回。)である。上記下限入賞数である閾値入賞数は、基準入賞数から上記許容偏差を減算したものである。
検知期間内の入賞数が基準入賞数を中心として正規分布をなすと仮定すれば、上記基準入賞数(本例であれば50回)を中心とし、上記閾値入賞数63.78回を上限に、上記閾値入賞数36.22回を下限に設定した範囲内に実測の入賞数が属する確率は95.4%となる。それ故、上記のように閾値入賞数を設定すれば、出現率がおよそ5%未満の異常な入賞数が発生した遊技機2を異常として判定することが可能になる。なお、許容偏差としては、標準偏差の1倍以上3倍以下に設定するのが好ましい。許容偏差を標準偏差の1倍とした場合には、およそ出現率32%未満の入賞数を発生した遊技機2を判定できる。また、許容偏差を標準偏差の3倍とした場合には、およそ出現率0.3%未満の入賞数を発生した遊技機2を判定できる。
なお、本例では、次式により入賞数の標準偏差σを求めている。すなわち、
σ=((想定使用遊技媒体数)×(入賞確率)×(1−入賞確率))の平方根
なる計算式により、入賞数の標準偏差σを求めている。
ここで、入賞確率は、使用した遊技媒体1玉当たりの入賞確率であり、基準入賞数を想定使用遊技媒体数で除算することにより算出される確率である。
なお、基準入賞数に基づいて閾値入賞数を設定するのであれば、標準偏差σの算出式は上記の算出式に限定されない。また、本例のごとく標準偏差に基づいて閾値入賞数を設定するのに代えて、上記基準入賞数の所定の割合(例えば、20%等。)に当たる値を上記許容偏差として設定する等、他の方法により閾値入賞数を設定することもできる。さらには、例えば、20回等の所定値を加算、あるいは減算して閾値入賞数を設定することもできる。すなわち、許容偏差はどのような方法で設定しても良い。
上記異常判定閾値設定手段19は、図1に示すごとく、異常判定しきい値を設定するための手段である。本例の異常判定閾値設定手段19は、上記上限入賞数である閾値入賞数(本例では63.78回。)に対して単位払出遊技媒体数(本例では6玉。)を乗じることで上限値である閾値払出数を算出(本例では382.68玉。)し、この閾値払出数を異常判定しきい値として設定する。また、上記下限入賞数である閾値入賞数(本例では36.22玉。)に対して単位払出遊技媒体数(6玉)を乗じることで下限値である閾値払出数を算出(本例では217.30玉。)し、この閾値払出数を異常判定しきい値として設定する。
上記異常判定閾値出力手段190は、図1に示すごとく、異常判定閾値設定手段19が設定した異常判定しきい値である上限値及び下限値の閾値払出数を出力する手段である。本例の異常判定閾値出力手段190は、後述の異常報知手段18に対して上記異常判定しきい値を出力する。
上記異常報知手段18は、図1に示すごとく、上記検知期間が経過する毎(本例であれば実測使用遊技媒体数が1000玉となる毎。)に異常を判定してその旨を報知する手段である。本例の異常報知手段18は、実測払出遊技媒体数と基準払出遊技媒体数との間の数値的な範囲内に閾値払出数が属する場合に異常と判定する。すなわち、異常報知手段18は、実測払出遊技媒体数が下限値である閾値払出数よりも小さい場合、あるいは実測払出遊技媒体数が上限値である閾値払出数よりも大きい場合に異常と判定する。そして、異常報知手段18は、異常と判定した場合には、表示手段302である液晶ディスプレイを介して異常の発生を報知する画面(図示略)を表示するように構成してある。
以上のように構成した管理装置3による異常報知処理の流れについて、図4及び図5を用いて説明する。図4は、管理装置3による異常報知処理の大まかな流れを示している。図5は、閾値払出数を算出する閾値払出数算出処理P1の流れを示している。
まず、管理装置3による異常報知処理の概略について、図4を用いて説明する。ここでは、まず、ステップS100のごとく判定対象の遊技機2の単位払出遊技媒体数を設定すると共に、ステップS101のごとく検知期間を設定する。本例では、上記のごとく、この検知期間として、使用媒体数1000玉の遊技期間を設定した。検知期間を設定した後、図5に示す閾値払出数算出処理P1を実施し、上限値である閾値払出数及び下限値である閾値払出数を算出する。
続くステップS102では、対象の遊技機2が出力する遊技信号に基づいて遊技情報を集計する。遊技機2の異常を判定するに当たっては、少なくとも、遊技機2に使用した実測使用遊技媒体数、及び遊技機2が払い出した実測払出遊技媒体数が、上記遊技情報として必要である。実測使用遊技媒体数が検知期間として設定した1000玉に到達したらステップS103に示すごとく、異常判定を実施する。ここでは、閾値払出数算出処理P1で算出した閾値払出数と、実測払出遊技媒体数との比較に基づいて、遊技機2の異常を判定する。その後、ステップS104のごとく異常と判定されたか否かを判断し、異常である場合にはステップS105のごとく異常を報知する。
次に、閾値払出数算出処理P1の処理の流れについて、図5を用いて説明する。ここでは、まず、ステップS201のごとく設定された検知期間(ステップS101参照。)を参照すると共に、ステップS202のごとく管理者等が入力した基準出玉率を設定する。ステップS203では、検知期間として設定された1000玉の想定使用遊技媒体数に対して、基準出玉率を掛け合わせることで基準払出数を算出する。
そして、ステップS204のごとく、遊技機2の特定入賞口への特定入賞1回当たりに払い出される遊技媒体数である単位払出遊技媒体数により基準払出数を除算することで、当該基準払出数に対応する基準入賞数を算出する。ステップS205では、当該基準入賞数が対象とする機種の平均の入賞数であると仮定して標準偏差を算出すると共に、この標準偏差に基づく許容偏差を算出する。本例では、標準偏差の2倍である2σを許容偏差として設定している。
その後、ステップS206のごとく、基準入賞数に許容偏差を加算した上限入賞数である閾値入賞数、及び基準入賞数から許容偏差を減算した下限入賞数である閾値入賞数を設定する。そして、ステップS207のごとく、閾値入賞数と単位払出遊技媒体数とを掛け合わせることで閾値払出数を算出する。
ここで、閾値払出数算出処理P1による閾値払出数の算出例について、図6を用いて説明する。同図は、検知期間として、想定使用遊技媒体数1000玉の遊技期間を設定した例である。同図では、機種A〜機種Fの各機種について、管理者等が入力する単位払出遊技媒体数(同図中では単位払出玉数と表記。)及び基準出玉率に基づいて算出される各パラメータ値を例示してある。
図6に例示するパラメータ値としては、基準払出玉数と表記した基準払出遊技媒体数、基準入賞数、入賞確率、入賞数の標準偏差σ、下限入賞数である閾値入賞数から上限入賞数である閾値入賞数までの範囲に含まれる入賞数許容値、下限の閾値払出数から上限の閾値払出数までの範囲に含まれる実測払出遊技媒体数の許容値(同図中、払出玉数許容値。)、下限の閾値出玉率から上限の閾値出玉率までの範囲に含まれる実測出玉率の許容値(同図中、出玉率許容値。)がある。なお、本例において上記のごとく説明した数値は、機種Cの遊技機2を対象とした例である。
なお、同図中の出玉率許容値は、閾値出玉率を下限値あるいは上限値として設定したものである。閾値出玉率は、上記検知期間において使用されると想定される想定使用遊技媒体数により閾値払出数を除算することにより算出可能である。この閾値出玉率を異常判定のためのしきい値として設定し、異常を判定することもできる。この場合には、しきい値である閾値出玉率と比較するべき実測出玉率としては、実測使用遊技媒体数に対する実測払出遊技媒体数の割合として算出することができる。
以上のように、管理装置3を利用して構成した本例の遊技場用管理システム1では、通常遊技状態における正常な払出遊技媒体数の範囲、すなわち払出玉数許容値を設定するに当たって、特定入賞口(本例では、契機入賞口。)への入賞数の正常な範囲内のばらつき(許容偏差)を考慮している。それ故、本例の遊技場用管理システムによれば、特定入賞口への特定入賞による単位払出遊技媒体数に依存せず、信頼性高く異常判定を実施し得る。
なお、異常判定の対象とする遊技機2はスロットマシンであっても良い。スロットマシンを対象とした場合には、例えば、入賞確率の最も高い小役、あるいは検知期間における払出枚数が最も多くなると期待される小役により、全遊技媒体の払い出しが行われると仮定することができる。このような仮定に基づけば、当該特定小役の入賞1回当たりの払出数を上記単位払出遊技媒体数として設定し得る。
例えば、各役の内部当選確率が、それぞれ、2枚役25%、10枚役10%、15枚役5%のスロットマシンについて100ゲームに渡る検知期間を設定した場合では、当該検知期間内において、2枚役は25回の入賞で50枚、10枚役は10回の入賞で100枚、15枚役は5回の入賞で75枚の払い出しを期待し得る。したがって、入賞確率の最も高い小役を上記特定小役として設定する場合には、上記2枚役が特定小役となる。一方、払出枚数が最も多くなると期待される小役を上記特定小役として設定する場合には、上記10枚役が特定小役となる。このように特定小役を設定し、上記単位払出遊技媒体数を規定すれば、本例のパチンコ機である遊技機と同様の考え方を適用してスロットマシンの異常判定が可能になる。
なお、本例では、閾値払出数の上限入賞数及び下限入賞数を上記異常判定しきい値として設定したが、これに代えて、上限入賞数及び下限入賞数のどちらか一方のみからなる閾値払出数を上記異常判定しきい値として設定することも良い。
また、本例では、上記のごとく、基準出玉率設定手段15を介して設定した基準出玉率に基づいて基準払出遊技媒体数を設定している。これに代えて、基準出玉率を設定することなく、遊技場の管理者等が入力した基準払出遊技媒体数を設定することもできる。
(実施例2)
本例は、実施例1の遊技場用管理システムを基にして、中継器23が異常判定を実施するように構成した例である。この内容について、図1及び図2を用いて説明する。
本例の管理装置は、図1に示す実施例1の管理装置3から払出数検知手段12、使用数検知手段13及び異常報知手段18を省略したものである。本例では、管理装置3から省略した上記の3手段を、中継器23が備えている。
すなわち、中継器23では、管理装置3が算出した閾値払出数を取り込み、異常判定のためのしきい値として設定する。中継器23は、使用数検知手段13で集計した実測使用遊技媒体数が1000玉に達するまでの検知期間を設定し、当該検知期間内の実測払出遊技媒体数を集計する。中継器23は、この実測払出遊技媒体数と、上記閾値払出遊技媒体数との比較に基づいて、実施例1と同様に異常判定を実施する。
中継器23は、異常を判定した場合では、特定の点灯パターンにより台ランプ22を点灯させることにより異常の発生を報知する。なお、台ランプ22による異常報知に代えて、あるいはこれに加えて、異常発生の旨を管理装置3に送信するようにしても良い。この場合には、管理装置3の表示手段302を介して、異常の発生を報知することができる。
なお、その他の構成及び作用効果については、実施例1と同様である。
(実施例3)
本例は、実施例1の遊技場管理システムを基にして、インターネット回線101を使用したシステムに変更した例である。この内容について、図7を用いて説明する。
本例の遊技場管理システム1は、各遊技場に設置された管理装置3と、遊技場とは異なる場所に設置された遊技場管理サーバ100とをインターネット回線101を介して通信可能な状態で接続したものである。なお、インターネット回線101に代えて、専用回線によるネットワークを採用することも良い。
遊技場管理サーバ100は、基準出玉率設定手段15、検知期間設定手段11、異常判定閾値出力手段190、基準払出数設定手段14、単位払出数設定手段140、基準入賞数算出手段16、閾値入賞数設定手段17及び異常判定閾値設定手段19を備えたサーバ端末である。ここで、基準払出数設定手段14、基準入賞数算出手段16、閾値入賞数設定手段17及び異常判定閾値設定手段19は、実施例1と全く同様のものである。
本例の基準出玉率設定手段15、単位払出数設定手段140及び検知期間設定手段11は、インターネット回線101を介して各遊技場側から送信されてくる基準出玉率あるいは単位払出遊技媒体数あるいは検知期間を受信して設定するように構成してある。また、本例の異常判定閾値出力手段19は、インターネット回線101を介して各遊技場に異常判定しきい値を送信するように構成してある。
本例の管理装置3は、検知期間入力手段31、基準出玉率入力手段32、単位払出数入力手段33、払出数検知手段12、使用数検知手段13及び異常報知手段18とを備えている。ここで、払出数検知手段12及び使用数検知手段13は、実施例1と同様のものである。検知期間入力手段31、単位払出数入力手段33及び基準出玉率入力手段32は、遊技場の管理者等が検知期間あるいは単位払出遊技媒体数あるいは基準出玉率を入力するための手段である。
本例の管理装置3は、検知期間入力手段31あるいは単位払出数入力手段33あるいは基準出玉率入力手段32を介して取り込みした検知期間あるいは単位払出遊技媒体数あるいは基準出玉率を、インターネット回線101を介して遊技場管理サーバ100に向けて送信するように構成してある。さらに、本例の管理装置3は、遊技場管理サーバ100から異常判定しきい値を受信し、異常報知手段18に設定するように構成してある。
なお、その他の構成及び作用効果については、実施例1と同様である。
実施例1における、遊技場用管理システムの機能的な構成を示すブロック図。 実施例1における、遊技場用管理システムのシステム構成を示すシステム図。 実施例1における、通常遊技状態における出玉率のシミュレーション結果を説明する説明図。 実施例1における、管理装置による異常報知処理の流れを示すフロー図。 実施例1における、閾値払出数算出処理の流れを示すフロー図。 実施例1における、機種毎の払出玉数及び出玉率の許容値を示す説明図。 実施例3における、遊技場用管理システムの機能的な構成を示すブロック図。
符号の説明
1 遊技場用管理システム
10 通信ネットワーク
101 インターネット回線
100 遊技場管理サーバ
11 検知期間設定手段
12 払出数検知手段
13 使用数検知手段
14 基準払出数設定手段
140 単位払出数設定手段
15 基準出玉率設定手段
16 基準入賞数算出手段
17 閾値入賞数設定手段
18 異常報知手段
19 異常判定閾値設定手段
190 異常判定閾値出力手段
2 遊技機
22 台ランプ
23 中継器
3 遊技場用管理装置
33 単位払出数入力手段
301 装置本体
302 表示手段
303 入力手段

Claims (4)

  1. 通常遊技状態における検知対象の遊技期間である検知期間を設定する検知期間設定手段と、
    上記検知期間に渡って遊技機を遊技した場合の基準となる遊技媒体数である基準払出遊技媒体数を設定する基準払出数設定手段と、
    上記遊技機の入賞のうち、特定入賞1回当たりに上記遊技機が払い出す遊技媒体数である単位払出遊技媒体数を設定する単位払出数設定手段と、
    上記単位払出遊技媒体数により上記基準払出遊技媒体数を除算することにより基準入賞数を算出する基準入賞数算出手段と、
    上記基準入賞数に対して許容偏差を加算した上限入賞数、及び上記基準入賞数から上記許容偏差を減算した下限入賞数のうちの少なくともいずれか一方を閾値入賞数として設定する閾値入賞数設定手段と、
    上記閾値入賞数に対して上記単位払出遊技媒体数を乗じた閾値払出数、及び上記検知期間に渡って上記遊技機を遊技した場合に使用が想定される遊技媒体数である想定使用遊技媒体数に対する上記閾値払出数の割合である閾値出玉率のうちの少なくともいずれか一方を、異常判定しきい値として設定する異常判定閾値設定手段と、
    当該異常判定閾値設定手段が設定した上記異常判定しきい値を出力する異常判定閾値出力手段とを備えたことを特徴とする遊技場用管理システム。
  2. 請求項1において、上記遊技機に対して基準出玉率を設定する基準出玉率設定手段を有し、上記基準払出数設定手段は、上記想定使用遊技媒体数に上記基準出玉率を乗じて算出した遊技媒体数を上記基準払出遊技媒体数として設定するように構成してあることを特徴とする遊技場用管理システム。
  3. 請求項1又は2において、上記閾値入賞数設定手段は、上記遊技機における上記検知期間内の入賞数に関する標準偏差に所定値を乗じた値、あるいは上記基準入賞数の所定の割合に相当する値を上記許容偏差として設定するように構成してあることを特徴とする遊技場用管理システム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、上記検知期間内に上記遊技機に使用された遊技媒体数である実測使用遊技媒体数を検知する使用数検知手段と、上記検知期間内に上記遊技機が払い出した遊技媒体数である実測払出遊技媒体数を検知する払出数検知手段と、上記検知期間設定手段が設定した上記検知期間が経過する毎に異常を判定し、異常と判定した場合には異常である旨を報知する異常報知手段とを備え、
    上記異常報知手段は、上記実測払出遊技媒体数と上記基準払出遊技媒体数との間の数値的な範囲内に上記閾値払出数が属するか、あるいは上記実測使用遊技媒体数に対する上記実測払出遊技媒体数の割合である実測出玉率と上記基準出玉率との間の数値的な範囲内に上記閾値出玉率が属したとき、異常と判定するように構成してあることを特徴とする遊技場用管理システム。
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