JP4581046B2 - 遊技台の異常検出装置 - Google Patents
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Description
遊技台の異常には、様々なものがあるが、遊技台データが、予め設定した範囲からはずれるような状況を異常という。例えば、特定の遊技台だけが、出玉率が高すぎたり、低すぎたりするとか、特賞の発生確率が高いといったようなことがある。その原因には、遊技台自体の故障や、遊技者が遊技台に何らかの細工をする不正行為などが考えられる。
もしも、遊技者の不正が行われていた場合に、遊技場としては、実際に不正が行われている時点で、それを発見したいはずである。そのため、上記異常検出装置は、営業中の遊技台データを取り込んで、そのデータから異常を判定するようにしていた。
なお、ここでは、不正による遊技台状況の変化や、その他、何らかの原因によって、通常状態と異なる状態が起こった場合は、全て遊技台の異常ということにする。
上記のような異常検出装置では、不正などの特定の異常状態を検出するために、遊技台データのうち、監視すべき監視項目を特定して、その監視項目に関するデータの回数や個数を計数し、その値が予め設定した条件になったときに不正などの異常と判定するようにしている。
例えば、出玉率が設定値以上になったとき、あるいは、設定値を超える状態が、設定時間以上続いたときや、特賞の発生確率が設定値以上の状態が続いたときに異常と判定するというように、異常を検出するためのデータの種類や、異常と判定するための条件などを、遊技場で設定できるようにしている。
例えば、過去の遊技台データの解析から、特定の遊技台の出玉率がいつも高く推移していることが分かった場合、この特定の遊技台について出玉率が高く推移する原因が、不正行為によって特賞回数を操作しているのではないかと考えることができる。このように推測したとき、異常検出装置に、上記出玉率が高く推移している特定の遊技台の特賞回数を監視させることは、不正発見のために意味がある。
そこで、上記の所定時間内の特賞発生回数というような特定の監視項目に注目して異常を検出する場合でも、注目すべき台を特定することが有効である。しかし、どの台に対して、どのような項目での監視を行うべきかという設定を、遊技場の従業員が個々に行うことは、手間が掛かって大変であるとともに、このような設定は、誰にでも間単にできるものではなく、ノウハウを必要とする作業であった。
第3の発明によれば、特定の監視項目についての判定基準が、妥当な基準であるかどうかを判断することができる。
特に、上記第2、第3の発明は、異常検出装置を新たに導入したときや、新たな注意項目や監視項目を利用しようとしたとき、また、遊技台の設定条件を大幅に変更したときなどに、予め設定されているチェック項目判定条件や、判定基準が妥当であるかどうかを、従業員などが判断するために有効である。そして、妥当なチェック項目判定条件や、判定基準が、設定されれば、遊技台の異常検出精度が上がることになる。
また、上記異常検出装置1の各構成要素は、一体化した装置内に設けられたものでなくてもかまわない。例えば、第1、第2処理部3,5として、別々のコンピュータを用い、各記憶部は、上記コンピュータの外部に設けるようにしてもよい。さらに、上記第1、第2処理部は、ハードウエアとして別々に構成したものであってもよいが、例えば同一コンピュータ内にソフト的に構成したものでもかまわない。
つまり、ある機種の全ての遊技台について、4月1日から、5月1日までの毎日のアウト数、セーフ数、始動数、特賞回数、売上げ、単位始動数、出玉率、特賞確率、稼動単価などを、1日ごとに合計した結果をその機種の遊技台数で割った平均値を示している。つまり、ここに示したデータは、この発明における遊技台グループごとの遊技台データの例である。
上記したように遊技台データには、遊技台から取り込んだそのままのデータの外に、それらを集計したり、加工したりしたものも含まれるが、遊技台データの種類は、上記のものに限らない。遊技台から収集できるデータならどのようなものでも遊技台データとすることができる。
なお、過去の遊技台データの集計処理は、第2処理部5で行うようにしてもよいし、図示しない他の演算部によって処理し、その結果を過去データ記憶部7に記憶させておくようにしてもよい。
監視項目記憶部4が記憶しているデータの例を図3の表10に示している。この監視項目記憶部4は、監視項目と、各監視項目に判定基準を対応付けて記憶している。
上記監視項目とは、上記現在データ記憶部2に記憶している遊技台データのうち、遊技台の異常を検出するために、第1処理部3が監視すべき項目のことであり、判定基準とは、上記監視項目の値を異常であると判定するための基準である。
そして、後で説明する手順によって第2処理部5が、第1処理部3に特定の監視項目を設定した場合、その監視項目について現在データ記憶部の遊技台データを監視する。例えば、No.1「総出玉率」を監視項目として設定した場合には、第1処理部3は、現在データ記憶部2のデータに基づいて、特定の遊技台の出玉率を演算し、その値を、上記判定基準、すなわち設定値A以上であるという基準(図3参照)に基づいて異常かどうか判定するようにしている。
さらに、上記第1処理部3が、設定された監視項目に対応するデータを演算するために必要な演算式も、各監視項目に対応付けて監視項目記憶部4に記憶させている。例えば、No.1の「総出玉率」の演算式は{セーフ数/アウト数}である。No.3「所定時間当たりの特賞回数」やNo.5「所定時間当たりの始動回数」を算出する際の所定時間も予め設定されている。
この注意項目記憶部6には、注意項目と、注意項目に対応させて、チェック項目、チェック項目判定条件、監視項目を記憶している。
上記注意項目は、過去データに基づいて、この異常判定装置によってチェック可能な、異常な遊技台状況を示す項目である。例えば、「釘を閉めているのに出玉率が高い」とか、「釘を閉めていないのに稼動率が上がらない」というものなどがある。
ただし、この第1実施例では、図4の表11に示した2つの注意項目のうち、「釘を閉めているのに出玉率が高い」を選択したことにする。
第2処理部5が自動的にチェック項目を選択する方法として、例えば、第2処理部5は、過去データ記憶部7に記憶されている全てのデータの、特定の項目について、予め設定された規準を満たしているかどうかを判定し、その基準を満たしていた場合には、対応する注意項目を特定すると言うものが考えられる。このようにして注意項目を特定するためには、注意項目に、過去データに関する特定の項目と、判定基準とを予め対応づけた情報を、上記第2処理部5に連係させた記憶部に記憶しておく必要がある。
次に、毎日の単位始動数から単位始動数の平均値を引いて、単位始動数の偏差Sとして算出する。この単位始動数の偏差Sがマイナスの値になっているのは、始動数が平均より少ないということである。そして、始動口に玉が入りにくいということは、釘が平均よりも閉まっていることを表していると考える。
また、出玉率についても、出玉率の平均値との差をとって、出玉率の偏差Tを算出する。出玉率の偏差がマイナスの値になっている場合、出玉率が平均より低く、プラスでは出玉率が高いことを表している。そして、上記2種類の偏差の積Xを算出する。
また、上記監視項目No.3が、この実施例におけるこの発明の要監視項目に相当する。
この第2実施例も、装置の構成は図1と同じであり、監視項目記憶部4および注意項目記憶部6に記憶しているデータも、第1実施例と同じなので、図1,図3,図4を、以下の説明にも用いる。
上記注意項目「釘を開けているのに稼働率が低い」に対応するチェック項目は、単位始動数の偏差Sと、アウト数の偏差Uである。また、チェック項目判定条件は、単位始動数の偏差Sの値が0以上であって、アウト数の偏差Uが{−0.9}以下である。そして、監視項目は、No.6「呼び出しランプの点灯時間」と、No.7「持ち玉数」である。
「釘を閉めていないのに稼働率が低い」理由として、従業員の対応に問題があることが考えられる。例えば、呼び出しランプを点灯させても、従業員がなかなか現れない場合、遊技者は不満になり、それが原因で稼働率が下がることが考えられる。本当にそのようなことが起こっているかどうかを検出するために、呼び出しランプの点灯時間を監視するという考えに基づいて、監視項目No.6「呼び出しランプの点灯時間」を対応づけている。
また、従業員の対応が原因ではなく、遊技台自体に飽きてしまって稼働率が落ちていることも想定できる。その場合、持ち玉数がある程度以上になると、その遊技台での遊技を止めてしまうことが考えて、監視項目No.7「持ち玉数」を対応づけている。
上記チェック項目判定条件の単位始動数の偏差Sが0以上であるということは、単位始動数が平均値以上ということで、釘を閉めていない状況と判断できる。また、アウト数の偏差Uが{−0.9}以下であるという条件は、アウト数が低い、つまり、稼働率が低い状態と判断できる。従って、上記チェック項目判定条件を満たしている遊技台は、「釘を閉めていないのに稼働率が低い」状態である。第2処理部5は、上記条件を満たすチェック項目に対応する遊技台を要監視遊技台として特定し、その遊技台特定情報と、要監視項目とを第1処理部3に設定する。
また、この第2実施例においても、上記第1実施例と同様に、上記要監視遊技台と、要監視項目とを第1処理部3に第2処理部5が設定するのではなく、第1処理部3が第2処理部5に設定すべき情報を取りに行くようにしてもよいし、他の記憶部を介して第1処理部3が必要な情報を取り込むようにしてもよい。
監視項目No.6「呼び出しランプの点灯時間」については、特定の遊技台の呼び出しランプの点灯時間を計測して、その値が、監視項目記憶部4の判定基準である設定値F以上(図3参照)となった時点で、異常と判定して、その結果を上記出力部8へ出力する。上記設定値Fの値は、稼働率が低くない状態での呼び出しランプの点灯時間の平均値などを基にして人が決めるようにする。
この第3実施例の異常検出装置の構成は、図1に示す上記第1実施例と同様なので、この第3実施例の説明にも、図1を用いる。
第2処理部5は、特定の注意項目に対応するチェック項目判定条件が妥当であるかどうかを確認するための処理を行うが、ここでは、上記特定の注意項目として「釘を閉めているのに出玉率が高い」という項目について説明する。つまり、この注意項目に対応するチェック項目判定条件「単位始動数の偏差S<0であってX(=S×T)≦{−0.02}」が妥当かどうかを確認することにする(図4参照)。
この表14で確認しようとしている判定基準は、監視項目No.3「単位時間当たりの特賞回数」についての「設定値C以上」である(図3参照)。
判定結果が、上記判定基準を満たしているという「○」が、判定結果欄14a,14b,14cのように、1日のうちに複数の時間帯で発生しているということから、特定の遊技台が、上記判定基準を満たすような特性を持った台であると推測することができ、そのような台を検出できる妥当な判定基準であると考えられる。
また、上記判定基準を満たす遊技台または遊技台グループがほとんどであったり、全くなかったりするような場合には、全ての遊技台が異常であるとか、ひとつも異常な遊技台が無いというよりも、判定基準が妥当でないと考えられる。
なお、この第3実施例では、第2処理部5が過去データ記憶部7の遊技台データにについて上記判定基準をあてはめて、この判定基準を満たすかどうかの判定を行ってその結果を出力するようにしているが、同じ処理を、第1処理部3が行うようにしてもかまわない。ただし、その場合には、第1処理部3は、過去の遊技台データを過去データ記憶部7から直接取り込むようにしてもよいし、第2処理部5を介して取り込むようにしてもかまわない。
ただし、厳密には、上記のような確認画面の表13,14から、上記チェック項目判定条件や、判断基準の妥当性を正確に判断することは難しい。その妥当性は、実際に、不正などの異常が起こっているかどうかを確認しなければ分からないことである。ただし、例えば、この発明の異常検出装置を、遊技場に新規に導入したときや、すでに設置済みの異常検出装置に新しい注意項目や監視項目を設定して使う時などに、予め設定されている条件や基準が、妥当かどうかを判断する目安にすることはできる。また、遊技台の設定条件を大幅に変更したときなどにも、異常の基準が変わるはずなので、上記のような方法で、チェック項目判定条件や、監視項目の判定基準を確認することが有効である。
また、第2処理部5と、注意項目記憶部6と、過去情報記憶部7とを本部に設け、現在データ記憶部2と第1処理部3と、監視項目記憶部4とを同一チェーンの各遊技場に設け、上記過去データ記憶部7に、各遊技場の遊技台データを記憶させておけば、遊技場ごとの要監視遊技台や要監視項目は、本部側で特定されることになる。そして、各チェック項目判定条件や、判定基準の妥当性を、本部で確認することもできる。
2 現在データ記憶部
3 第1処理部
4 監視項目記憶部
5 第2処理部
6 注意項目記憶部
7 過去データ記憶部
Claims (3)
- 営業中の遊技台データを記憶した現在データ記憶部と、上記現在データ記憶部に連係した第1処理部と、遊技台の過去の遊技台データを記憶した過去データ記憶部と、上記過去データ記憶部に連係した第2処理部と、上記第1処理部または第2処理部と連係し、上記現在データ記憶部が記憶している遊技台データの項目のうち、遊技台が異常と想定されることを判定するために監視すべき項目である監視項目および監視項目に対応づけた判定基準を記憶した監視項目記憶部と、上記第2処理部に連係し、上記過去データ記憶部が記憶している遊技台データに基づいて判定可能な、遊技台の異常と想定される状況を示す注意項目を記憶し、かつ、この注意項目に対応づけて、遊技台あるいは遊技台グループごとの遊技台データが上記注意項目に当たるかどうかをチェックするためのチェック項目、チェック項目判定条件および上記監視項目を記憶した注意項目記憶部とを有し、上記第2処理部は、特定された注意項目に対応したチェック項目を、上記過去データ記憶部に記憶された遊技台または遊技台グループごとの遊技台データから特定する機能と、特定したチェック項目が上記注意項目に対応するチェック項目判定条件を満足しているか否かを判定する機能と、上記チェック項目がチェック項目判定条件を満足していた場合に、そのチェック項目に対応する遊技台または遊技台グループの遊技台特定情報を要監視遊技台として特定する機能と、上記注意項目に対応する監視項目を要監視項目として特定する機能とを備え、上記第1処理部は、上記第2処理部が特定した要監視遊技台の営業中の遊技台データを上記現在データ記憶部から抽出する機能と、この抽出した遊技台データが、上記第2処理部が特定した要監視項目についての判定基準を満たしているか否かを判定する機能と、上記判定基準を満たしたとき、異常と判定した判定結果を出力する機能とを備えた遊技台の異常検出装置。
- 上記第2処理部は、過去データ記憶部に記憶された遊技台または遊技台グループごとの遊技台データが、特定の注意項目に対応したチェック項目のチェック項目判定条件を満たしているか否かを判定する機能と、上記判定結果を出力する機能とを備えた請求項1に記載の遊技台の異常検出装置。
- 上記第2処理部は、過去データ記憶部に記憶された遊技台または遊技台グループごとの遊技台データが、特定の監視項目に付いての判定基準を満たしているか否かを判定する機能と、その判定結果を出力する機能とを備えた請求項1または2に記載の遊技台の異常検出装置。
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