JP2004049746A - 遊技場における情報管理装置 - Google Patents

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鈴村 康浩
Kazuya Takai
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Abstract

【課題】会員を適切に優遇できているか確認することができ、また、不正基板が取り付けられている遊技機の推定を、自動的に、且つより確実に行うことが可能な、遊技場における情報管理装置を提供する。
【解決手段】管理装置は、遊技履歴情報を、遊技した遊技者が少なくとも会員であることを認識したか否かを示す遊技者情報とともに記憶装置に記憶しており、少なくとも会員であることを認識した遊技履歴情報に基づいた会員遊技情報と、少なくとも会員であることを認識しなかった遊技履歴情報に基づいた非会員遊技情報と、会員であることの認識の有無にかかわらず全遊技者の遊技履歴情報に基づいた遊技者遊技情報との中から少なくとも2つの遊技情報を求め、求めた遊技情報を識別可能に表示する。そして、管理装置は、識別可能に表示した各遊技情報に基づいて、当該遊技情報に対応する遊技機の異常の有無を判定する。
【選択図】    図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技場の遊技者の遊技履歴を収集し、収集した遊技履歴を加工して出力する、遊技場における情報管理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、遊技場では会員制度を導入し、会員を他の遊技者より優遇することで(優良遊技機の情報提供等)固定客を増加させ、集客率を向上させている。
また、従来より、遊技場では、悪意のある遊技者により不正な遊技が行われることがしばしばある。悪意のある遊技者は、遊技場内の特定の遊技機の所定の電子基板等を、不正な遊技を行うための電子基板(以下、不正基板と記載する)と交換し、当該不正基板が取り付けられた遊技機で遊技することで、不正に遊技媒体等を獲得している場合もある。
ここで、不正基板には、以下に示す2通りのタイプがある。
(1)特定の操作(特定の順序で所定の入賞口に入賞させる打ち方等)を行った場合に、遊技媒体の獲得数が多くなるように動作するタイプ。このタイプでは、悪意のある遊技者本人(特定の打ち方等を知っている遊技者)が不正に遊技媒体を獲得できる。
(2)常時、遊技媒体の獲得数が多くなるように動作するタイプ。このタイプでは、悪意のある遊技者本人でなくとも、誰が遊技しても不正に遊技媒体を獲得できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来から、遊技場では各遊技機毎の遊技履歴を収集しており、営業状況の確認等に利用している。しかし、会員と非会員の遊技履歴を別々に集計していなかったために、会員を適切に優遇できていること確認することができなかった。
また、不正基板の発見に対し、遊技履歴を用いることで、遊技媒体の払出数が他の遊技機と比較して多すぎる遊技機は、上記(2)のタイプの不正基板が取り付けられていると推測し、上記(2)のタイプの不正基板が取り付けられているか否かチェックしている。
しかし、上記(1)のタイプの不正基板が取り付けられているほとんどの遊技機では、悪意のある遊技者が遊技した場合は遊技媒体の払出数が異常に多くなるが、他の遊技者が遊技した場合は遊技媒体の払出数が異常に少なくなり、全体として他の遊技機の払出数と大差がないように巧妙に動作する場合がある。このため、当該遊技機で悪意のある遊技者と、他の遊技者が入れ替わりながら1日の遊技が行われると、その日における当該遊技機の遊技履歴の払出数は、他の遊技機の払出数と大差がなくなり、上記(1)のタイプの不正基板が取り付けられていることを推測することは非常に困難な場合がある。
また、これらのほとんどの不正基板は、本来の正規の基板と同じ外観を有しており、遊技機の内部を係員等が視覚的に確認しても、その基板が不正基板であるか否かを判断することは非常に困難である。
【0004】
ここで、ほとんどの悪意のある遊技者は、遊技履歴に自己に関する情報が記録されることを避けるために、会員カード等を利用しない。このため、通常は、身元の判明が不可能な(会員カード等を用いずに遊技する)一般遊技者(非会員)の遊技履歴の中に、当該悪意のある遊技者の遊技履歴が含まれている。また、会員カード等を利用して、自己の身元を明確にして遊技する遊技者は、故意に不正を行うことは稀である。このため、身元の判明が可能な会員の遊技履歴の中には、故意に不正を行った遊技履歴は含まれることはほとんどないと考えられる。(「故意に」としているのは、(2)のタイプの不正基板の場合は、悪意のない会員が遊技しても不正な遊技となるためである)
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、会員を適切に優遇できているか確認することができ、また、不正基板が取り付けられている遊技機の推定を、自動的に、且つより確実に行うことが可能な、遊技場における情報管理装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりの遊技場における情報管理装置である。
請求項1に記載の遊技場における情報管理装置では、記憶装置に記憶されている遊技履歴情報の中から、(「故意に」不正を行っていない)会員の遊技履歴情報と、(「故意に」不正を行っている遊技者の遊技履歴情報を含んでいる可能性がある)非会員の遊技履歴情報とを分離して別々に集計等して、あるいは会員と非会員の両者の遊技履歴情報をまとめて集計等して、少なくとも2つ(集計等においても少なくとも2つでよい)を識別可能に表示する。
「会員の遊技履歴情報」と「非会員の遊技履歴情報」と「両者の遊技履歴情報」の少なくとも2つを識別可能に表示することで、会員を適切に優遇できているか確認(直接的に確認(会員の遊技履歴情報を含む場合)、あるいは間接的に確認(会員の遊技履歴情報を含まない場合))することができる。また、悪意のない遊技者のみの遊技履歴情報を集めた「会員の遊技履歴情報」と、悪意のある遊技者を含んでいる可能性がある遊技履歴情報を集めた「非会員の遊技履歴情報」と、「会員及び非会員の両者をまとめた遊技履歴情報」との中から少なくとも2つを視覚的に対比させながら確認することができるので、その違いをより明確に把握することができ、不正基板が取り付けられている遊技機の推定を、より確実に行うことができる。
ここで、「識別可能に表示する」とは、数字を並べた表形式による表示を行うことや、各種グラフを用いた表示等がある。
【0006】
また、本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりの遊技場における情報管理装置である。
請求項2に記載の遊技場における情報管理装置では、例えば、遊技履歴情報には、アウト数情報、セーフ数情報、始動数情報、特賞回数情報が含まれており、管理装置は、その中から始動数情報と特賞回数情報を選択して、会員における始動数情報/特賞回数情報と、非会員における始動数情報/特賞回数情報と、会員及び非会員の両者をまとめた始動数情報/特賞回数情報の中から少なくとも2つを演算し、各々の演算結果を同一座標軸のグラフ等に表示することで、識別可能に表示する。
このため、悪意のない遊技者のみの遊技履歴情報を集めた「会員の遊技履歴情報」と、悪意のある遊技者を含んでいる可能性がある遊技履歴情報を集めた「非会員の遊技履歴情報」と、「会員及び非会員の両者をまとめた遊技履歴情報」との中から少なくとも2つを適切な情報に基づいて演算し、その結果を視覚的に対比させながら確認することができるので、その違いをより明確に把握することができ、会員を適切に優遇できているか確認することができ、また、不正基板が取り付けられている遊技機の推定を、より確実に行うことができる。
【0007】
また、本発明の第3発明は、請求項3に記載されたとおりの遊技場における情報管理装置である。
請求項3に記載の遊技場における情報管理装置では、例えば、識別可能に表示した、悪意のない遊技者のみの遊技履歴情報を集めた「会員遊技情報」と、悪意のある遊技者を含んでいる可能性がある遊技履歴情報を集めた「非会員遊技情報」との差が第1の所定値以上である場合に、その遊技機には不正基板が取り付けられている可能性が高いと判断して、報知信号を出力する。
このため、不正基板(上記の場合、悪意のある遊技者が不正に遊技媒体等を獲得できるタイプの不正基板)が取り付けられている遊技機の推定を、自動的に、且つより確実に行うことができる。
【0008】
また、本発明の第4発明は、請求項4に記載されたとおりの遊技場における情報管理装置である。
請求項4に記載の遊技場における情報管理装置では、例えば、識別可能に表示した、悪意のない遊技者のみの遊技履歴情報を集めた「会員遊技情報」と、悪意のある遊技者を含んでいる可能性がある遊技履歴情報を集めた「非会員遊技情報」との差が第1の所定値未満である場合であっても、「会員遊技情報と複数遊技機遊技情報との差」あるいは「非会員遊技情報と複数遊技機遊技情報との差」が第2の所定値以上である場合は、その遊技機には不正基板が取り付けられている可能性が高いと判断して、報知信号を出力する。
このため、不正基板(上記の場合、悪意のある遊技者でなくとも、誰が遊技しても不正に遊技媒体等を獲得できるタイプの不正基板)が取り付けられている遊技機の推定を、自動的に、且つより確実に行うことができる。
【0009】
また、本発明の第5発明は、請求項5に記載されたとおりの遊技場における情報管理装置である。
請求項5に記載の遊技場における情報管理装置では、複数の遊技情報を識別可能に表示する際、グラフ形式で同一座標軸内に複数の遊技情報を識別可能に表示する、または、グラフ形式で各々の遊技情報を互いに等しい各々の座標軸で表示し且つ各々のグラフを並べて表示することで識別可能に表示するため、その違いを瞬時に把握することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の遊技場における情報管理装置の一実施の形態の概略構成図を示している。
●[全体構成(図1)]
遊技場1においては、管理装置10、島管理ユニット20、遊技機管理ユニット22、表示装置30、台端末装置40、遊技機50、プリペイドカード発行機60、計数機64等が設けられている。また、表示装置30及び台端末装置40は各遊技機50毎に設けられ、プリペイドカード発行機60及び計数機64は遊技場内の所定場所(島端や窓口カウンタ近傍等)に設けられている。
【0011】
遊技機50は、表示装置30及び遊技機管理ユニット22と、通信回線で接続されている。
表示装置30は、例えば遊技場内における遊技機番号を表示する表示手段を備えており、また、遊技機50の遊技状態(図柄の変動回数、特賞回数等)などを検出して表示する。また、表示装置30には所定の操作を行う操作部も備えており、遊技者(会員等)の操作に基づいた結果を表示手段に表示する。
遊技機管理ユニット22は、接続された遊技機50の遊技状態を検出し、検出した遊技状態を、島管理ユニット20を介して管理装置10に送信する。遊技機管理ユニット22は、例えば所定時間毎(10分毎等)に、遊技状態として、セーフ数(遊技媒体の払出数等)、アウト数(遊技媒体の投入数等)、特賞回数(入賞して特賞を引き当てた回数)等を、島管理ユニット20を介して管理装置10に送信する。
【0012】
台端末装置40は、管理装置10と通信回線で接続されており、会員識別情報受付手段42を備え、会員識別情報受付手段42に挿入された会員カードから会員識別情報を読み取り、読み取った会員識別情報を管理装置10に送信する。
プリペイドカード発行機60は、遊技場内の所定の場所(島端や窓口カウンタ近傍等)に設けられており、顧客が投入した金額及び当該利用者の操作(カード選択ボタンの操作)等に基づいて、所定のプリペイドカード及び差額を払い出す。また、プリペイドカード発行機60は、管理装置10と通信回線で接続されており、売上金額等を管理装置10に送信する。
計数機64は、投入された遊技媒体の数を計数し、例えば、計数結果を記録したレシートを発行する。また、計数機64は、管理装置10と通信回線で接続されており、投入された遊技媒体の数を管理装置10に送信する。
【0013】
管理装置10は、本体部12と、入力手段14と、表示手段16とで構成されている。また、本実施の形態を含む以下の実施の形態では、本体部12の内部に記憶手段(記憶装置)を備えている。なお、記憶手段(記憶装置)は、管理装置10からアクセス可能であれば、どこに配置されていてもよい。この管理装置10が、本発明の「遊技場における情報管理装置」に相当している。
【0014】
●[記憶手段に記憶されている遊技履歴情報(図2)]
次に、図2を用いて、記憶手段に記憶されている遊技履歴情報18の例を説明する。遊技履歴情報18は、例えば、遊技機毎に、且つ日毎に作成される。図2に示す遊技履歴情報18は、例えば150番遊技機における、6月1日の遊技履歴情報を示している。
【0015】
「時刻」には、遊技履歴情報18の各行の情報が、どの時点の情報であるかを示す時間(時間:分)が記憶されている。この例では、10分毎に遊技履歴情報を記憶しており、例えば、「10:20」の行の情報は、10:10〜10:20分の10分間における情報であることを示している。
「アウト数」には、当該「時刻」に対応する時間帯(例えば「時刻」が10:20の場合は、10:10〜10:20の時間帯)における、当該遊技機(この場合、150番遊技機)に投入された遊技媒体の数が記憶される。この例では、「時刻」10:20の時点では970個のアウト数があったことを示している。「セーフ数」には、当該「時刻」に対応する時間帯(例えば「時刻」が10:20の場合は、10:10〜10:20の時間帯)における、当該遊技機(この場合、150番遊技機)から払出された遊技媒体の数が記憶される。この例では、「時刻」10:20の時点では400個のセーフ数があったことを示している。
【0016】
「始動数」には、当該「時刻」に対応する時間帯(例えば「時刻」が10:20の場合は、10:10〜10:20の時間帯)において、入賞して遊技機(この場合、150番遊技機)の図柄が変動した回数が記憶される。この例では、「時刻」10:20の時点では40回の始動数があったことを示している。
「特賞回数」には、当該「時刻」に対応する時間帯(例えば「時刻」が10:40の場合は、10:30〜10:40の時間帯)において、当該遊技機(この場合、150番遊技機)において、図柄が変動して且つ特賞を引き当てた回数が記憶される。この例では、「時刻」10:40の時点では1回の特賞回数があったことを示している。
「確変回数」には、当該「時刻」に対応する時間帯(例えば「時刻」が10:40の場合は、10:30〜10:40の時間帯)において、当該遊技機(この場合、150番遊技機)において、特賞を引き当てて且つ確率変動を引き当てた回数が記憶される。この例では、「時刻」10:40の時点では1回の確変回数があったことを示している。
【0017】
「会員ID」には、当該「時刻」に対応する時間帯(例えば「時刻」が10:20の場合は、10:10〜10:20の時間帯)において、当該遊技機(この場合、150番遊技機)で遊技していた遊技者が、少なくとも会員であることを認識したか否かを示す遊技者情報が記憶される。会員であることを認識した場合(会員識別情報受付手段42に会員カードが挿入されていた場合)は、会員ID(この例では会員ID「AAA」)が記憶される。また、会員であることを認識しなかった場合(会員識別情報受付手段42に会員カードが挿入されていなかった場合)は、「−」等(会員IDでない記号、あるいは空欄等)が記憶される。この「会員ID」の項目により、各「時刻」における情報が、「会員の遊技履歴情報(会員遊技情報)」であるか、「非会員の遊技履歴情報(非会員遊技情報)」であるかを区別することができる。
【0018】
●[会員遊技情報と非会員遊技情報の識別可能表示(1)(図3)]
次に、図3(A)及び(B)を用いて、区別した「会員遊技情報」と「非会員遊技情報」とを識別可能に表示する例を説明する。図3の例は、悪意のある遊技者のみが不正に遊技媒体を獲得できる不正基板(以下、この不正基板を「タイプ(1)不正基板」と記載する)を判断する例である。
【0019】
図3(A)に示す例は、150番遊技機における、6月1日〜6月30日の、各遊技履歴情報18に対して、日毎に、「会員ID」欄が少なくとも会員であることを認識した「始動数」及び「特賞回数」を各々合計した値(図3(A)の19a、19b)及びその「始動数」/「特賞回数」の演算結果(図3(A)中の19c)を「会員遊技情報」として表している。また、日毎に、「会員ID」欄が少なくとも会員であることを認識しなかった「始動数」及び「特賞回数」を各々合計した値(図3(A)の19d、19e)及びその「始動数」/「特賞回数」の演算結果(図3(A)中の19f)を「非会員遊技情報」として表している。
なお、この例では、各時刻毎の集計ではデータ量が膨大になり、差を確認することが困難であるため、日毎のデータに集計して差の確認を容易にできるようにしている。
【0020】
管理装置10は、所定の操作が行われると(管理者等から所定の入力操作が行われると)、図3(A)の19に示すように、会員遊技情報と非会員遊技情報を、表形式で識別可能に表示する。そして、管理者等が、当該表(図3(A))を確認して、「会員遊技情報における始動数/特賞回数」と「非会員遊技情報における始動数/特賞回数」との差が第1の所定値以上(例えば300以上)である場合に、その遊技機に不正基板が取り付けられている可能性が高いと判断することができる。また、管理装置10に自動的に判定させることも可能である。
この例では、6/1では差が「576.7」であり、6/2では差が「532.6」であり、6/3では差が「562.1」である。このため、差が「300」以上であるため、その遊技機にタイプ(1)不正基板が取り付けられている可能性が高いと判断することができる。
【0021】
図3(B)は、図3(A)の結果をグラフ形式で表示した例である。グラフ形式で表示することで、「会員遊技情報」と「非会員遊技情報」との差をより直感的に認識することができる。
図3(B)の例では、グラフ中に「適正範囲(例えば、本来設定したはずである「始動数/特賞回数」の範囲であり、この例では200〜400としている)の表示と、当該遊技機(この場合、150番遊技機)において、会員であることの認識の有無にかかわらず全遊技者の「始動数/特賞回数」を示す「遊技者遊技情報」(会員及び非会員の区別なく、両者の平均等)の表示も追加している。なお、この場合、「適正範囲」と「遊技者遊技情報」の表示は省略してもよい。
【0022】
図3(B)に示す例では、当該遊技場内における「150番遊技機」においては、「遊技者遊技情報」が、「適正範囲」内に維持されているが、「非会員遊技情報」が「適正範囲」をはずれて下側(遊技媒体がより多く払い出される側)に位置しており、「会員遊技情報」が「適正範囲」をはずれて上側(遊技媒体がより少なく払い出される側)に位置していることを、容易に判断することができる。
これにより、150番遊技機においては、特定の打ち方を知っている遊技者(悪意のある遊技者)が、不正に遊技媒体を獲得している可能性が高いと推定できるため、タイプ(1)不正基板が取り付けられている可能性が高い、と判断することができる。
【0023】
以上の説明では、「会員遊技情報」と「非会員遊技情報」の2つの遊技情報を識別可能に表示して、その差が第1の所定値以上である場合に異常であると判定したが、「会員遊技情報」と「非会員遊技情報」と「遊技者遊技情報」の中から少なくとも2つの遊技情報を識別可能に表示して、識別可能に表示した少なくとも2つの遊技情報において、その差が第1の所定値以上である場合に異常と判定するようにしてもよい。
なお、本実施の形態で示した「会員遊技情報」と「非会員遊技情報」の2つの遊技情報を識別可能に表示すると、両者の差が最も顕著に表れるので好ましい。
【0024】
●[異常の報知(図4)]
次に、図4を用いて、不正基板が取り付けられている可能性が高いと判断された遊技機を、自動的に管理者等に報知する「異常報知」を行う例を示す。管理装置10が、上記に説明した不正基板の可能性を判定し、その結果を図4に示す異常報知画面16aに表示する。
例えば、管理装置10は、150番遊技機の「会員遊技情報」と「非会員遊技情報」との差が第1の所定値以上である場合、150番遊技機にタイプ(1)不正基板が取り付けられている可能性が高いと判断し、異常報知画面16aのテキスト報知部16cに「150番遊技機不正の可能性あり」と表示する。また、更に、異常報知画面16aの遊技機配置マップ部の16bで、該当する遊技機の位置(この例では150番遊技機)を示す。なお、異常報知画面16aに、更に、異常と判断した根拠となる表(図3(A))あるいはグラフ(図3(B))を追加するようにしてもよい。
これにより、管理者等は、閉店時間後に、当該遊技機(この場合、150番遊技機)の電子基板を正規の基板と交換し、不正基板が取り付けられた可能性の高い遊技機のみを適切に修理する等の不正に対する処置をとることができる。
【0025】
●[会員遊技情報と非会員遊技情報の識別可能表示(2)(図5)]
次に、図5(A)及び(B)を用いて、区別した「会員遊技情報」と「非会員遊技情報」とを識別可能に表示する例を説明する。図5の例は、悪意のある遊技者でなくとも、誰が遊技しても不正に遊技媒体を獲得できる不正基板(以下、この不正基板を「タイプ(2)不正基板」と記載する)を判断する例である。
図5(A)は、図3(A)と同様に求めた表であるので、説明を省略する。
【0026】
図5(A)の例では、6/1では「会員遊技情報」と「非会員遊技情報」との差が「3.4」であり、6/2では差が「3.0」であり、6/3では差が「−2.7」である。このため、差が「300」未満(第1の所定値未満)であるため、その遊技機(この場合、150番遊技機)に、タイプ(1)不正基板が取り付けられている可能性が高いと判断することはできない。しかし、タイプ(2)不正基板が取り付けられている可能性がある。
【0027】
そこで、「複数の同一遊技機種における、会員であることの認識の有無にかかわらず全遊技者の遊技履歴情報に基づいた(平均等)複数遊技機遊技情報」との差を確認することで、タイプ(2)不正基板が取り付けられている可能性が高いか否かを判断する。
図5(B)は、図5(A)の結果をグラフ形式で表示した例である(図3(B)と同様である)。
図5(B)の例では、グラフ中に「適正範囲(例えば、本来設定したはずである「始動数/特賞回数」の範囲)の表示と、複数の同一遊技機種における全遊技者の「始動数/特賞回数」を示す「複数遊技機遊技情報」(例えば、140〜149番遊技機(150番遊技機と同一機種)における全遊技者の平均等)の表示も追加している。なお、この場合、「適正範囲」及び「複数遊技機遊技情報」の少なくとも一方は表示する必要がある。
【0028】
図5(B)に示す例では、当該遊技場内における「複数遊技機遊技情報」は、「適正範囲」内に維持されているが、「150番遊技機」においては、「非会員遊技情報」も「会員遊技情報」もともに「適正範囲」をはずれて下側(遊技媒体がより多く払い出される側)に位置していることを、容易に判断することができる。
管理装置10は、所定の操作が行われると(管理者等から所定の入力操作が行われると)、図5(B)に示すように、会員遊技情報と非会員遊技情報を、グラフ形式で識別可能に表示する。そして、管理者等が、当該グラフ(図5(B))を確認して、「会員遊技情報における始動数/特賞回数」と「複数遊技機遊技情報」との差が第2の所定値以上(例えば、150以上)である場合、あるいは「非会員遊技情報における始動数/特賞回数」と「複数遊技機遊技情報」との差が第2の所定値以上(例えば、150以上)である場合、その遊技機にタイプ(2)不正基板が取り付けられている可能性が高いと判断することができる。また、管理装置10に自動的に判定させることも可能である。
【0029】
これにより、150番遊技機においては、どんな遊技者が遊技しても、不正に遊技媒体を獲得している可能性が高いと推定できるため、タイプ(2)不正基板が取り付けられている可能性が高い、と判断することができる。
以上の説明では、「会員遊技情報」と「非会員遊技情報」と「複数遊技機遊技情報」の3つの遊技情報を識別可能に表示して、「会員遊技情報と複数遊技機遊技情報との差」あるいは「非会員遊技情報と複数遊技機遊技情報との差」が第2の所定値以上である場合に異常であると判定したが、「会員遊技情報」と「非会員遊技情報」と「複数遊技機遊技情報」の中から少なくとも2つの遊技情報を識別可能に表示して異常の判定を行うこともできる。「複数遊技機遊技情報」を表示しない場合は、「複数遊技機遊技情報」の代わりに「適正範囲」内の適切な値を用いてもよい。
なお、本実施の形態で示した「会員遊技情報」と「非会員遊技情報」と「複数遊技機遊技情報」の3つの遊技情報を識別可能に表示すると、同一機種の平均と、特定の遊技機における会員と非会員との差が最も顕著に表れるので好ましい。以下、異常の報知、電子基板の交換等は、既に説明した内容と同様であるので、説明を省略する。
【0030】
●[会員の優遇度合いの確認(図6)]
以上の説明では、「会員遊技情報」と「非会員遊技情報」とを識別可能に表示することで不正基板の判定を行う例を説明したが、「会員遊技情報」と「非会員遊技情報」とを識別可能に表示することで会員の優遇度合い(会員の満足度等)の確認を行うこともできる。
次に、図6を用いて、「会員遊技情報」と「非会員遊技情報」とを識別可能に表示して、会員の優遇度合い(会員であることを認識しなかった遊技客と比べて、会員であることを認識した遊技客をどの程度優遇できているかという度合い)を確認する方法について説明する。
会員の優遇度合いを確認するには、種々の方法が考えられるが、図6では、出玉率(セーフ数/アウト数)で確認する例について説明する。
【0031】
図6(A)に示す例は、150番遊技機における、6月1日〜6月30日の、各遊技履歴情報18に対して、日毎に、「会員ID」欄が少なくとも会員であることを認識した「セーフ数」及び「アウト数」を各々合計した値(図6(A)の17a、17b)及びその「セーフ数」/「アウト数」の演算結果(図6(A)中の17c)を「会員遊技情報」として表している。また、日毎に、「会員ID」欄が少なくとも会員であることを認識しなかった「セーフ数」及び「アウト数」を各々合計した値(図6(A)の17d、17e)及びその「セーフ数」/「アウト数」の演算結果(図6(A)中の17f)を「非会員遊技情報」として表している。また、各々の値について、会員+非会員の合計を、図6(A)の17g、17h、17iに表している。
【0032】
管理装置10は、所定の操作が行われると(管理者等から所定の入力操作が行われると)、図6(A)の17に示すように、会員遊技情報と非会員遊技情報と合計(会員と非会員の合計に関する情報)を、表形式で識別可能に表示する。更に、管理装置10は、図6(B)に示すように、図6(A)の結果をグラフ形式で表示する。
セーフ数/アウト数は、当然「1.0」よりも大きい程、獲得遊技媒体の数の方が投入遊技媒体の数よりも多いため、遊技客は満足する。この値が、会員であることを認識しなかった遊技客よりも、会員であることを認識した遊技客の方が大きければ、適切に会員を優遇できていることになる。
なお、会員には各会員が保有している携帯電話にメールで優良遊技機の情報を提供したり、遊技場に設けられている情報端末装置で会員のみが閲覧できる情報として優良遊技機の情報を提供したりして、適切に会員を優遇することができる。
【0033】
以上の説明では、「会員遊技情報」と「非会員遊技情報」と「遊技者遊技情報」の3つの遊技情報を識別可能に表示して、当該3つの遊技情報の位置関係を見ることで会員の優遇度合いを判定したが、「会員遊技情報」と「非会員遊技情報」と「遊技者遊技情報」の中から少なくとも2つの遊技情報を識別可能に表示して会員の優遇度合いを判定することもできる。2つの遊技情報を識別可能に表示した場合、直接的に確認(会員の遊技履歴情報を含む場合)、あるいは間接的に確認(会員の遊技履歴情報を含まない場合))することができる。
なお、本実施の形態で示した「会員遊技情報」と「非会員遊技情報」と「遊技者遊技情報」の3つの遊技情報を識別可能に表示すると、会員と非会員と全体との位置関係が最も判り易く表れるので好ましい。
なお、適切に会員を優遇できていないと判断された場合は、「会員遊技情報」、「非会員遊技情報」、「会員に提供している優良遊技機の情報」等、様々な情報を種々の観点から分析し、原因を推定して対策を講じ、その結果を確認しながら会員の優遇度合いを向上させていくことに利用することができる。
【0034】
本発明の遊技場における情報管理装置は、本実施の形態で説明した構成、外観、接続、用途、動作等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
本実施の形態で説明した、遊技履歴情報18、会員遊技情報及び非会員遊技情報19、17等の、構成、項目、内容等は、これに限定されるものではない。
また、本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
本発明の異常報知装置は、遊技場に限定されず、種々の業種(会員と非会員が混在する小売店等)に適用することが可能である。
会員遊技情報と非会員遊技情報とを識別可能に表示する方法及び集計方法等は、図3、図5、図6に示す画面構成、項目等に限定されるものではない。
異常報知画面16aは、図4に示す画面構成、項目等に限定されるものではない。
本実施の形態では、不正基板の判定には「始動数/特賞回数」を用い、会員の優遇度合い(会員の満足度等)の判定には「セーフ数/アウト数」を用いたが、これらに限定されず、確変回数情報等の種々の情報を組み合わせて演算した結果を用いることが可能である。
本実施の形態では、遊技機1台に着目して分析しているが、遊技機の機種毎の平均を用いて分析することも可能である。
また、以上(≧)、以下(≦)、より大きい(>)、未満(<)等は、等号を含んでも含まなくてもよい。
本実施の形態では、識別可能に表示する際のグラフの表示において、同一座標軸内に複数のグラフを表示したが、複数のグラフを互いに等しい各々の座標軸で表示し且つ各々のグラフを並べて表示するようにしてもよい。識別可能に表示する方法は、本実施の形態で示した表示方法に限定されるものではない。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜5のいずれかに記載の遊技場における情報管理装置を用いれば、会員を適切に優遇できているか確認することができ、また、不正基板が取り付けられている遊技機の推定を、自動的に、且つより確実に行うことが可能な、遊技場における情報管理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遊技場における情報管理装置の一実施の形態の概略構成図である。
【図2】記憶手段に記憶されている遊技履歴情報18の例を説明する図である。
【図3】「会員遊技情報」と「非会員遊技情報」とを識別可能に表示する例を説明する図である。
【図4】不正基板が取り付けられている可能性が高いと判断された遊技機を、自動的に管理者等に報知する「異常報知」を行う例を説明する図である。
【図5】「会員遊技情報」と「非会員遊技情報」とを識別可能に表示する例を説明する図である。
【図6】「会員遊技情報」と「非会員遊技情報」とを識別可能に表示して、会員の優遇度合いを確認する方法について説明する図である。
【符号の説明】
10  管理装置
20  島管理ユニット
22  遊技機管理ユニット
30  表示装置
40  台端末装置
50  遊技機
60  プリペイドカード発行機
64  計数機

Claims (5)

  1. 管理装置と記憶装置とを備え、
    管理装置は、遊技履歴情報を、遊技した遊技者が少なくとも会員であることを認識したか否かを示す遊技者情報とともに記憶装置に記憶しており、
    管理装置は、更に、記憶されている遊技者情報が少なくとも会員であることを認識したことを示している遊技履歴情報に基づいた会員遊技情報と、記憶されている遊技者情報が少なくとも会員であることを認識しなかったことを示している遊技履歴情報に基づいた非会員遊技情報と、会員であることの認識の有無にかかわらず全遊技者の遊技履歴情報に基づいた遊技者遊技情報との中から少なくとも2つの遊技情報を求め、求めた少なくとも2つの遊技情報を識別可能に表示する、
    ことを特徴とする遊技場における情報管理装置。
  2. 請求項1に記載の遊技場における情報管理装置であって、
    記憶装置に記憶されている遊技履歴情報は各遊技機毎に記憶されており、当該遊技機に投入された遊技媒体に関する数を示すアウト数情報と、当該遊技機から払出された遊技媒体に関する数を示すセーフ数情報と、当該遊技機において図柄の変動に関する数を示す始動数情報と、当該遊技機において図柄の変動に対して引き当てた特賞に関する数を示す特賞回数情報と、当該遊技機で特賞を引き当てて更に確率変動を引き当てた数に関する確変回数情報との中から、少なくとも2つの情報が含まれており、
    管理装置は、各遊技機毎の遊技履歴情報に含まれている少なくとも2つの情報の中から選択した情報に基づいて、会員遊技情報と非会員遊技情報と遊技者遊技情報との中から少なくとも2つの遊技情報を演算し、演算した結果を各遊技情報として識別可能に表示する、
    ことを特徴とする遊技場における情報管理装置。
  3. 請求項2に記載の遊技場における情報管理装置であって、
    管理装置は、識別可能に表示した少なくとも2つの遊技情報に基づいて、当該遊技情報に対応する遊技機の異常の有無を判定し、異常有りと判定した場合には報知信号を出力する、
    ことを特徴とする遊技場における情報管理装置。
  4. 請求項2または3に記載の遊技場における情報管理装置であって、
    管理装置は、更に、複数の遊技機において会員であることの認識の有無にかかわらず全遊技者の遊技履歴情報に基づいた複数遊技機遊技情報を演算し、特定の遊技機における会員遊技情報及び非会員遊技情報と、複数の遊技機における複数遊技機遊技情報との中から少なくとも2つの遊技情報を識別可能に表示し、識別可能に表示した少なくとも2つの遊技情報に基づいて、前記特定の遊技機の異常の有無を判定し、異常有りと判定した場合には報知信号を出力する、
    ことを特徴とする遊技場における情報管理装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の遊技場における情報管理装置であって、
    管理装置が複数の遊技情報を識別可能に表示する際、グラフ形式で同一座標軸内に複数の遊技情報を識別可能に表示する、または、グラフ形式で各々の遊技情報を互いに等しい各々の座標軸で表示し且つ各々のグラフを並べて表示することで識別可能に表示する、
    ことを特徴とする遊技場における情報管理装置。
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