以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下においては、パチンコ機が設置された遊技店において、拾い玉を計数する不正行為を発見する場合を例に挙げて説明するが、パチスロ機が設置された遊技店において、拾いメダルを計数する不正行為を発見する場合にも本発明を同様に適用することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る玉計数システムを備えた遊技店の概略構成を示す図である。同図に示すように、この遊技店においては、遊技店全体を統括管理するホールコンピュータ200に複数の島コントローラ400、計数機100、および景品管理装置300が接続されている。また、各島コントローラ400には、それぞれ複数の玉貸出機500およびパチンコ機600が接続されている。
計数機100は、計数者によって投入された玉を計数し、計数結果が記載されたレシートを発行する。このレシートには、計数結果である玉数とともに、発行される個々のレシートを識別するためのレシートIDなどが記載されており、玉数およびレシートIDは、景品管理装置300によって読み取り可能なバーコードとしても記載されている。また、計数機100は、計数者によって投入された玉が所定数未満の場合、例えば図2に示すカメラ102によって計数者を撮像し、得られた画像をホールコンピュータ200へ送信する。この画像は、計数者が拾い玉計数の常習者であるか否かの判定に用いられる。この判定については、後に詳述する。
ホールコンピュータ200は、遊技店全体の機器を統括管理する。また、ホールコンピュータ200は、計数機100から送信される画像を用いて、画像の計数者が拾い玉計数の常習者であるか否かを判定する。この判定については、後に詳述する。
景品管理装置300は、計数機100から発行されたレシートを読み取り、レシートに記載されている玉数に対応する景品数を算出する。また、景品管理装置300は、レシートを持参した遊技客が拾い玉計数の常習者である場合は、その旨の警告を表示して、景品管理装置300の係員に報知する。この処理については、後に詳述する。
島コントローラ400は、島ごとに設けられ、各島の玉貸出機500およびパチンコ機600を管理・制御している。各玉貸出機500にはパチンコ機600が併設されており、遊技客は玉貸出機500に紙幣またはプリペイドカードなどを挿入することにより玉を借り受け、この玉を用いて併設されたパチンコ機600で遊技を行う。
このような遊技店においては、遊技客は、玉貸出機500から借り受けた玉を用いてパチンコ機600で遊技を行い、遊技によって獲得した獲得出玉を計数機100で計数し、レシートの発行を受ける。そして、遊技客は、発行されたレシートを景品管理装置300へ持参し、獲得出玉数に応じた景品を得る。
(実施の形態1)
図3は、本発明の実施の形態1に係る計数機100の要部構成を示すブロック図である。図3に示す計数機100は、カメラ102、計数部104、入力インタフェース(以下「入力I/F」と略記する)部106、判定部108、最低玉数設定部110、照合要求送信部112、およびレシート発行部114を有している。
カメラ102は、計数機100で玉を計数する計数者の顔を撮像可能な位置に設けられており、判定部108からの指示に応じて計数者を撮像する。具体的には、カメラ102は、計数者が最低玉数設定部110にて設定された最低玉数未満の玉を計数した場合に、計数者の顔を撮像する。
計数部104は、計数者が投入した玉を計数し、入力I/F部106から指示された時点で、計数結果として得られた玉数を判定部108へ通知する。入力I/F部106は、例えば押下可能なボタンなどから構成されており、計数者によって玉の投入完了の旨が入力されると、計数部104に対して、計数結果を判定部108へ通知するよう指示する。
判定部108は、計数部104から通知された計数結果の玉数と最低玉数設定部110によって設定された最低玉数とを比較し、計数結果の玉数が最低玉数未満である場合に、カメラ102に対して計数者を撮像するよう指示するとともに、この計数者に対して発行するレシートIDを決定し、照合要求送信部112およびレシート発行部114へ計数結果の玉数およびレシートIDを通知する。また、判定部108は、計数結果の玉数が最低玉数以上である場合は、カメラ102に対して撮像の指示を出さずに、計数者に対して発行するレシートIDを決定し、レシート発行部114のみへ計数結果の玉数およびレシートIDを通知する。
最低玉数設定部110は、遊技店員によって操作可能であり、計数者が投入した玉を拾い玉とみなす玉数を最低玉数として判定部108に設定する。ここで、計数者が拾い玉を計数する場合は、遊技による獲得出玉を計数する場合と異なり、計数される玉が少ないと考えられる。つまり、計数される玉が少ない場合は、計数者が投入した玉が拾い玉である可能性が高く、計数される玉が多い場合は、計数者が投入した玉が拾い玉である可能性が低い。そこで、遊技店員は、拾い玉である可能性が低いと考えられる最低の玉数を最低玉数として決定し、最低玉数設定部110に入力操作を行う。最低玉数設定部110は、遊技店員の入力操作を受け付け、最低玉数を判定部108に設定する。
照合要求送信部112は、計数結果の玉数が最低玉数未満である場合に、カメラ102によって得られた計数者の撮像画像と、この計数者に発行されるレシートのレシートIDと、計数結果の玉数とを含む照合要求をホールコンピュータ200へ送信する。この照合要求は、計数者の撮像画像が拾い玉計数の常習者の画像と一致するか否かの照合を要求するものである。
レシート発行部114は、判定部108によって決定されたレシートIDと計数結果の玉数とが記載されたレシートを発行する。レシートには、レシートIDおよび玉数を示すバーコードなども記載されており、景品管理装置300でレシートIDおよび玉数が読み取り可能となっている。なお、レシート発行部114は、紙にレシートIDおよび玉数が記載されたレシートではなく、例えば磁気カードやICカードにレシートIDおよび玉数が記憶されたレシートを発行しても良い。
図4は、本実施の形態に係るホールコンピュータ200の要部構成を示すブロック図である。図4に示すホールコンピュータ200は、照合要求受信部202、画像照合部204、少数計数データベース(以下「少数計数DB」と略記する)部206、登録件数判定部208、常習者データベース(以下「常習者DB」と略記する)部210、および照合結果送信部212を有している。
照合要求受信部202は、計数機100から送信される照合要求を受信し、照合要求に含まれる撮像画像、レシートID、および玉数を画像照合部204へ出力する。
画像照合部204は、常習者DB部210に記憶されている拾い玉計数の常習者の画像と撮像画像とを照合し、撮像画像に一致する常習者の画像があるか否かを判定する。そして、画像照合部204は、撮像画像に一致する常習者の画像がある場合は、「一致画像あり」の照合結果と今回の撮像画像およびレシートIDとを照合結果送信部212へ出力するとともに、今回の拾い玉計数の日時などのデータを常習者DB部210に追加登録する。また、画像照合部204は、撮像画像に一致する常習者の画像がない場合は、「一致画像なし」の照合結果を照合結果送信部212へ出力するとともに、撮像画像、レシートID、および玉数を少数計数DB部206に登録する。
少数計数DB部206は、計数機100において最低玉数未満の玉の計数を行った計数者の撮像画像、レシートID、玉数、および日時を関連付けて記憶している。そして、少数計数DB部206は、画像照合部204において「一致画像なし」の照合結果が得られた場合、今回の撮像画像、レシートID、玉数、および日時を関連付けて新たに記憶する。上述したように、拾い玉の計数が行われる場合は、玉数が比較的少なく、計数機100の判定部108に設定される最低玉数未満の計数が行われるため、少数計数が行われる度に計数者を記憶しておくことにより、少数計数を頻繁に繰り返す計数者を拾い玉計数の常習者と判断することができる。
登録件数判定部208は、少数計数DB部206に新たに撮像画像が登録されると、画像照合により、この撮像画像と同一の計数者の画像を少数計数DB部206から検出する。そして、登録件数判定部208は、検出された画像の登録件数を所定のしきい値と比較し、登録件数が所定のしきい値以上である場合、計数者を拾い玉計数の常習者であると判断し、計数者の画像、少数計数DB部206に登録された少数計数の計数回数、およびすべての少数計数の日時を常習者DB部210に登録する。
常習者DB部210は、拾い玉計数の常習者の画像、少数計数の計数回数、およびこの常習者によるすべての少数計数の日時を関連付けて記憶している。そして、常習者DB部210は、画像照合部204において「一致画像あり」の照合結果が得られた場合、この常習者の計数回数を1回増やし、新たに少数計数が行われた日時を追加する。また、常習者DB部210は、登録件数判定部208において登録件数が所定の閾値以上である場合、計数者の画像、少数計数の計数回数、およびこの計数者によるすべての少数計数の日時を新たに関連付けて記憶する。
照合結果送信部212は、画像照合部204から出力される「一致画像あり」または「一致画像なし」の照合結果を景品管理装置300へ送信する。なお、照合結果送信部212は、照合結果が「一致画像あり」の場合は、照合結果とともに常習者DB部210の画像と一致した計数者の撮像画像およびレシートIDを景品管理装置300へ送信する。
図5は、本実施の形態に係る景品管理装置300の要部構成を示すブロック図である。図5に示す景品管理装置300は、読取部302、景品数算出部304、照合結果受信部306、レシートID照合部308、警告報知部310、および表示部312を有している。
読取部302は、遊技客が持参するレシートに記載または記憶されているレシートIDおよび玉数を読み取り、玉数を景品数算出部304へ通知するとともに、レシートIDをレシートID照合部308へ通知する。
景品数算出部304は、読取部302から通知された玉数に応じた景品数を算出し、算出された景品数を表示部312へ出力する。照合結果受信部306は、ホールコンピュータ200から送信された照合結果を受信し、「一致画像あり」または「一致画像なし」の照合結果をレシートID照合部308へ通知し、照合結果が「一致画像あり」の場合は、照合結果とともに受信される計数者の撮像画像およびレシートIDをレシートID照合部308へ出力する。
レシートID照合部308は、「一致画像あり」の照合結果が受信された場合、この照合結果とともに受信されたレシートIDと読取部302によって読み取られたレシートIDとを照合し、2つのレシートIDが一致すると、その旨を計数者の撮像画像とともに警告報知部310へ出力する。
警告報知部310は、レシートIDが一致した旨が出力されると、景品管理装置300にレシートを持参した遊技客が拾い玉計数の常習者であることを示す警告を表示部312へ報知する。またこのとき、警告報知部310は、計数機100によって撮像された遊技客の撮像画像を表示部312へ出力する。
表示部312は、景品数算出部304によって算出された景品数を表示するとともに、警告報知部310から警告が報知された場合は、景品管理装置300の係員が目視可能な警告および遊技客の撮像画像を表示する。
次いで、上記のように構成された計数機100、ホールコンピュータ200、および景品管理装置300を有する玉計数システムの動作について、図6に示すフロー図を参照しながら説明する。なお、ここでは、拾い玉の計数と判断する基準となる最低玉数が係員によってあらかじめ決定されており、計数機100の最低玉数設定部110によって判定部108に設定されているものとする。
まず、計数機100に計数者が玉を投入すると(ステップS101)、計数部104によって玉が計数される(ステップS102)。計数者は、すべての玉の投入を完了すると、入力I/F部106に備えられたボタンを押下して、計数部104から判定部108へ計数結果を出力させる。
そして、判定部108によって、計数結果の玉数が最低玉数未満であるか否かが判定される(ステップS103)。この結果、玉数が最低玉数以上であれば(ステップS103否定)、計数者は拾い玉を計数していないと判断され、通常通りの処理が行われる。すなわち、レシート発行部114によってレシートが発行され、遊技客は、このレシートを景品管理装置300へ持参し、玉数に応じた景品を得る。
一方、判定部108による判定(ステップS103)の結果、玉数最低玉数未満であれば(ステップS103肯定)、計数者が拾い玉計数を行っている可能性があるため、カメラ102によって計数者が撮像される(ステップS104)。また、判定部108によって、レシートIDが決定され、レシートIDおよび玉数が照合要求送信部112へ出力され、カメラ102によって得られた撮像画像、レシートID、および玉数を含む照合要求が照合要求送信部112からホールコンピュータ200へ送信される。
送信された照合要求は、ホールコンピュータ200の照合要求受信部202によって受信され、照合要求に含まれる撮像画像、レシートID、および玉数が画像照合部204へ出力される。そして、画像照合部204によって、撮像画像と常習者DB部210に記憶されている画像とが照合され(ステップS105)、撮像画像に一致する画像が常習者DB部210に記憶されているか否かが判定される(ステップS106)。この結果、撮像画像に一致する画像が常習者DB部210に記憶されていなければ(ステップS106否定)、計数機100で計数した計数者は拾い玉計数の常習者ではないと判断され、計数機100および景品管理装置300では、通常通りの処理が行われる。すなわち、計数機100のレシート発行部114によってレシートが発行され、遊技客は、このレシートを景品管理装置300へ持参し、玉数に応じた景品を得る。
さらに、撮像画像に一致する画像が常習者DB部210に記憶されていない場合(ステップS106否定)、ホールコンピュータ200では、画像照合部204から撮像画像、レシートID、および玉数が少数計数DB部206へ出力され、今回の計数に関するこれらのデータと計数が行われた日時とが関連付けられて登録される(ステップS107)。そして、登録件数判定部208によって、新たに登録された撮像画像と同一人物の画像が少数計数DB部206に何件登録されているか画像照合により検出され、登録件数が所定のしきい値と比較される(ステップS108)。この結果、登録件数がしきい値未満であれば(ステップS108否定)、今回の少数計数を加えても、計数者が拾い玉計数の常習者とはならないと判断される。
また、登録件数判定部208による比較(ステップS108)の結果、登録件数がしきい値以上であれば(ステップS108肯定)、計数者が新たに拾い玉計数の常習者となったと判断され、この計数者の撮像画像、少数計数DB部206に登録されている登録件数、および各少数計数の日時が常習者DB部210へ出力され、新たな常習者のデータとして常習者DB部210に登録される(ステップS109)。
一方、画像照合部204による画像照合(ステップS106)の結果、撮像画像に一致する画像が常習者DB部210に記憶されていれば(ステップS106肯定)、計数機100で計数した計数者が拾い玉計数の常習者であると判断され、この計数者の画像に新たに今回の計数の日時や玉数が関連付けられて常習者DB部210が更新される(ステップS110)。さらに、計数者が拾い玉計数の常習者である旨の照合結果が、撮像画像およびレシートIDとともに照合結果送信部212から景品管理装置300へ送信される。
送信された照合結果、撮像画像、およびレシートIDは、景品管理装置300の照合結果受信部306によって受信され、レシートID照合部308へ出力される。また、計数機100では、レシート発行部114によってレシートIDおよび玉数が記載されたレシートが発行され、拾い玉計数の常習者である遊技客がレシートを景品管理装置300へ持参する。そして、係員が景品管理装置300を操作することにより、レシートに記載されたレシートIDおよび玉数が読取部302によって読み取られ、レシートIDはレシートID照合部308へ出力され、玉数は景品数算出部304へ出力される。
そして、レシートID照合部308によって、読取部302から出力されたレシートIDと照合結果受信部306から出力されたレシートIDとが照合され、2つのレシートIDが一致すると、レシートを持参した遊技客が拾い玉計数の常習者であることが判明し、このレシートIDとともに受信された撮像画像が警告報知部310へ出力される。そして、警告報知部310によって、レシートを持参した遊技客が拾い玉計数の常習者であることを示す警告が表示部312へ報知され、表示部312に警告と撮像画像が表示される(ステップS111)。同時に、景品数算出部304によって、玉数に対応する景品数が算出され、表示部312に景品数が表示される。
表示部312に警告および撮像画像が表示されることにより、景品管理装置300の係員は、レシートを持参した遊技客が拾い玉計数の常習者であることを確認し、注意・指導を行うことができる。
次に、拾い玉計数の常習者が計数機100において新たに拾い玉を計数する場合の計数機100、ホールコンピュータ200、および景品管理装置300の動作について、図7に示すシーケンス図を参照して、具体的に例を挙げながらまとめる。
まず、拾い玉計数の常習者が計数機100に玉を投入すると、計数部104によって玉が計数され(ステップS201)、判定部108によって玉数が最低玉数と比較される。ここでは、拾い玉計数の常習者が新たに拾い玉を計数しているので、玉数は最低玉数未満と判定される。このため、カメラ102によって計数者が撮像され(ステップS202)、この計数者に対して発行されるレシートのレシートIDおよび計数された玉数とともに撮像画像が照合要求送信部112からホールコンピュータ200へ送信される(ステップS203)。そして、計数機100においては、レシート発行部114によって、レシートIDおよび玉数が記載されたレシートが発行される(ステップS204)。発行されたレシートは、拾い玉計数の常習者である計数者が景品管理装置300へ持参する(ステップS205)。
計数機100から送信された撮像画像、レシートID、および玉数は、ホールコンピュータ200の照合要求受信部202を介して画像照合部204へ出力され、撮像画像と常習者DB部210に記憶された画像とが画像照合される(ステップS206)。撮像画像と同一人物の画像が常習者DB部210に記憶されていなければ、今回の小数計数のデータが例えば図8−1に示すような少数計数DB部206に記憶されるが、ここでは、計数者が拾い玉計数の常習者であるため、撮像画像と同一人物の画像が常習者DB部210に記憶されている。常習者DB部210は、例えば図8−2に示すようなデータを記憶しており、それぞれの拾い玉計数の常習者について、画像、少数計数を行った回数、日時などが関連付けられている。なお、図8−2においては、各常習者について1つの画像を図示しているが、すべての少数計数の際に撮像された画像を関連付けておいても良い。
本実施の形態においては、このような常習者DB部210が作成されるため、常習者DB部210に登録された画像を画像照合に用いる以外にも、常習者DB部210のデータを拾い玉計数の常習者のブラックリストとして遊技店員に配布しておき、拾い玉計数に対する警戒を強化するなどという対策を採ることもできる。
画像照合部204による画像照合の結果、撮像画像と同一人物の画像が常習者DB部210に記憶されているため、この撮像画像とレシートIDとが拾い玉計数の常習者であるという照合結果とともに照合結果送信部212から景品管理装置300へ送信される(ステップS207)。そして、今回の少数計数に関するデータが常習者DB部210に追加登録される(ステップS208)。具体的には、図8−2に示す常習者DB部210において、今回の撮像画像が追加され、少数計数の計数回数が1回増やされ、日時が追加される。
ここで、ホールコンピュータ200から照合結果が景品管理装置300へ送信されると、景品管理装置300には、計数者が持参したレシートのレシートIDと照合結果とともに送信されたレシートIDとが通知されることになる。すなわち、計数者が持参したレシートは、景品管理装置300の読取部302によって読み取られ(ステップS209)、レシートに記載されたレシートIDがレシートID照合部308へ出力される。また、照合結果とともに送信されたレシートIDは、照合結果受信部306によって受信され、撮像画像とともにレシートID照合部308へ出力される。
そして、レシートID照合部308によって、2つのレシートIDが照合される(ステップS210)。読取部302によって読み取られるレシートが、通常の遊技客が持参したものであれば、レシートID照合部308においてレシートIDが一致することはないが、ここでは、拾い玉計数の常習者である計数者が持参したレシートが読取部302によって読み取られているため、2つのレシートIDは一致する。
そこで、レシートID照合部308から警告報知部310へレシートIDとともに受信された撮像画像が出力され、この撮像画像とレシートを持参した計数者が拾い玉計数の常習者であることを示す警告とが表示部312に表示される(ステップS211)。また、読取部302によって読み取られたレシートに記載された玉数に対応する景品数が景品数算出部304によって算出されており、算出された景品数が表示部312に表示される。
以上のように、本実施の形態によれば、最低玉数未満の玉の計数が行われた場合に、計数機が計数者を撮像し、ホールコンピュータは撮像画像を少数計数の常習者が記憶されたデータベースの画像と照合し、撮像画像と同一人物がデータベースに登録されていれば、景品管理装置が警告を表示する。このため、少数計数を繰り返し、拾い玉計数の常習者である可能性が高い計数者を景品管理装置において確認することができ、拾い玉や拾いメダルの計数を繰り返す常習者を特定し、迅速に不正行為に対処することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の特徴は、ホールコンピュータに記憶される少数計数者のデータベースにおいて、拾い玉計数の常習者をフラグの有無によって区別する点である。本実施の形態に係る計数機100および景品管理装置300の構成は、実施の形態1(図3および図5)と同様であるため、その説明を省略する。
図9は、本実施の形態に係るホールコンピュータ200の要部構成を示すブロック図である。同図において、図4と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図9に示すホールコンピュータ200は、照合要求受信部202、少数計数DB部206a、照合結果送信部212、画像照合部252、一致件数判定部254、およびフラグ設定部256を有している。
少数計数DB部206aは、実施の形態1の少数計数DB部206に加えて、各計数者が拾い玉計数の常習者であるか否かを示すフラグを関連付けて記憶している。すなわち、少数計数DB部206aは、計数機100による計数者の撮像画像、レシートID、玉数、日時、およびフラグを関連付けて記憶している。そして、少数計数DB部206aは、照合要求が受信されると、受信された照合要求に含まれる撮像画像、レシートID、玉数、および日時を関連付けて新たに記憶する。
画像照合部252は、照合要求が受信されると、照合要求に含まれる撮像画像、レシートID、および玉数を日時と関連付けて少数計数DB部206aに登録するとともに、少数計数DB部206aに記憶されている画像と撮像画像とを照合し、撮像画像に一致する画像を検出する。さらに、画像照合部252は、撮像画像に一致する画像に関連付けられたフラグを参照し、撮像画像の被写体となった計数者が拾い玉計数の常習者であるか否かを判定する。そして、画像照合部252は、撮像画像に一致する画像のフラグが拾い玉計数の常習者であることを示す「有」である場合は、「常習者」の照合結果と今回の撮像画像およびレシートIDとを照合結果送信部212へ出力する。また、画像照合部252は、撮像画像に一致する画像が無いか、あっても画像に関連付けられたフラグが拾い玉計数の常習者ではないことを示す「無」である場合は、「非常習者」の照合結果を照合結果送信部212へ出力する。
一致件数判定部254は、画像照合部252によって検出された、撮像画像に一致する画像の件数を所定のしきい値と比較し、一致件数が所定のしきい値以上である場合、計数者を拾い玉計数の常習者であると判断し、その旨をフラグ設定部256へ通知する。
フラグ設定部256は、一致件数判定部254から計数者が拾い玉計数の常習者である旨が通知されると、この計数者に関する少数計数DB部206aに記憶されたデータのすべてについてフラグを「有」に設定する。
次いで、上記のように構成された計数機100、ホールコンピュータ200、および景品管理装置300を有する玉計数システムの動作について、図10に示すフロー図を参照しながら説明する。同図において、図6と同じ部分には同じ符号を付し、その詳しい説明を省略する。なお、ここでは、拾い玉の計数と判断する基準となる最低玉数が係員によってあらかじめ決定されており、計数機100の最低玉数設定部110によって判定部108に設定されているものとする。
まず、計数機100に計数者が玉を投入すると(ステップS101)、計数部104によって玉が計数され(ステップS102)、判定部108によって計数結果の玉数が最低玉数未満であるか否かが判定される(ステップS103)。この結果、玉数が最低玉数以上であれば(ステップS103否定)、計数者は拾い玉を計数していないと判断され、通常通りの処理が行われる。すなわち、レシート発行部114によってレシートが発行され、遊技客は、このレシートを景品管理装置300へ持参し、玉数に応じた景品を得る。
一方、判定部108による判定(ステップS103)の結果、玉数最低玉数未満であれば(ステップS103肯定)、計数者が拾い玉計数を行っている可能性があるため、カメラ102によって計数者が撮像される(ステップS104)。そして、カメラ102によって得られた撮像画像、レシートID、および玉数を含む照合要求が照合要求送信部112からホールコンピュータ200へ送信される。
送信された照合要求は、ホールコンピュータ200の照合要求受信部202によって受信され、照合要求に含まれる撮像画像、レシートID、および玉数が画像照合部252へ出力される。そして、画像照合部252によって、撮像画像、レシートID、および玉数が日時と関連付けられて少数計数DB部206aに登録される(ステップS301)。また、画像照合部252によって、撮像画像と少数計数DB部206aに記憶されている画像とが照合され(ステップS302)、撮像画像に一致する少数計数DB部206aの画像に関連付けられたフラグが「有」であるか否かが判定される(ステップS303)。この結果、撮像画像に一致する画像が少数計数DB部206aに記憶されていないか、記憶されていてもフラグが「無」であれば(ステップS303否定)、計数機100で計数した計数者は拾い玉計数の常習者ではないと判断され、計数機100および景品管理装置300では、通常通りの処理が行われる。すなわち、計数機100のレシート発行部114によってレシートが発行され、遊技客は、このレシートを景品管理装置300へ持参し、玉数に応じた景品を得る。
さらに、撮像画像に一致する画像に関連付けられたフラグが「無」である場合(ステップS303否定)、ホールコンピュータ200では、撮像画像との一致件数が所定のしきい値と比較される(ステップS304)。この結果、一致件数がしきい値未満であれば(ステップS304否定)、今回の少数計数を加えても、計数者が拾い玉計数の常習者とはならないと判断される。
また、一致件数判定部254による比較(ステップS304)の結果、一致件数がしきい値以上であれば(ステップS304肯定)、計数者が新たに拾い玉計数の常習者となったと判断され、フラグ設定部256によって、少数計数DB部206aにおけるこの計数者のデータすべてのフラグが「有」に設定される(ステップS305)。
一方、画像照合部252による画像照合(ステップS303)の結果、撮像画像に一致する少数計数DB部206aの画像のフラグが「有」であれば(ステップS303肯定)、計数機100で計数した計数者が拾い玉計数の常習者であると判断され、その旨の照合結果が、撮像画像およびレシートIDとともに照合結果送信部212から景品管理装置300へ送信される。
送信された照合結果、撮像画像、およびレシートIDは、景品管理装置300の照合結果受信部306によって受信され、レシートID照合部308へ出力される。また、計数機100では、レシート発行部114によってレシートIDおよび玉数が記載されたレシートが発行され、拾い玉計数の常習者である遊技客がレシートを景品管理装置300へ持参する。そして、係員が景品管理装置300を操作することにより、レシートに記載されたレシートIDおよび玉数が読取部302によって読み取られ、レシートIDはレシートID照合部308へ出力され、玉数は景品数算出部304へ出力される。
そして、レシートID照合部308によって、読取部302から出力されたレシートIDと照合結果受信部306から出力されたレシートIDとが照合され、2つのレシートIDが一致すると、レシートを持参した遊技客が拾い玉計数の常習者であることが判明し、このレシートIDとともに受信された撮像画像が警告報知部310へ出力される。そして、警告報知部310によって、レシートを持参した遊技客が拾い玉計数の常習者であることを示す警告が表示部312へ報知され、表示部312に警告と撮像画像が表示される(ステップS111)。同時に、景品数算出部304によって、玉数に対応する景品数が算出され、表示部312に景品数が表示される。
表示部312に警告および撮像画像が表示されることにより、景品管理装置300の係員は、レシートを持参した遊技客が拾い玉計数の常習者であることを確認し、注意・指導を行うことができる。
次に、拾い玉計数の常習者が計数機100において新たに拾い玉を計数する場合の計数機100、ホールコンピュータ200、および景品管理装置300の動作について、図11に示すシーケンス図を参照して、具体的に例を挙げながらまとめる。図11において、図7と同じ部分には同じ符号を付し、その詳しい説明を省略する。
まず、拾い玉計数の常習者が計数機100に玉を投入すると、計数部104によって玉が計数され(ステップS201)、判定部108によって玉数が最低玉数と比較される。ここでは、拾い玉計数の常習者が新たに拾い玉を計数しているので、玉数は最低玉数未満と判定される。このため、カメラ102によって計数者が撮像され(ステップS202)、この計数者に対して発行されるレシートのレシートIDおよび計数された玉数とともに撮像画像が照合要求送信部112からホールコンピュータ200へ送信される(ステップS203)。そして、計数機100においては、レシート発行部114によって、レシートIDおよび玉数が記載されたレシートが発行される(ステップS204)。発行されたレシートは、拾い玉計数の常習者である計数者が景品管理装置300へ持参する(ステップS205)。
計数機100から送信された撮像画像、レシートID、および玉数は、ホールコンピュータ200の照合要求受信部202を介して画像照合部252へ出力され、少数計数DB部206aに登録される(ステップS401)。また、画像照合部252によって、撮像画像と少数計数DB部206aに記憶された画像とが画像照合される(ステップS402)。撮像画像と同一人物の画像が少数計数DB部206aに記憶されていないか、または、記憶されていても例えば図12の最上段の人物のようにフラグが「無」であれば、計数者が拾い玉計数の常習者ではないと判断されるが、ここでは、計数者が拾い玉計数の常習者であるため、撮像画像と同一人物の画像が少数計数DB部206aに記憶されており、かつ、例えば図12の上から2〜3段目の人物のようにフラグが「有」となっている。
本実施の形態においては、このようにフラグによって拾い玉計数の常習者であるか否かを識別しているため、常習者のみのデータベースがなくても確実に拾い玉計数の常習者を管理することができる。これにより、実施の形態1とは異なり、常習者のみに関するデータベースを必要とすることがなく、ホールコンピュータ200における記憶容量の増大を抑制することができる。
画像照合部252による画像照合の結果、少数計数DB部206aに記憶された、撮像画像と同一人物の画像のフラグが「有」であるため、この撮像画像とレシートIDとが拾い玉計数の常習者であるという照合結果とともに照合結果送信部212から景品管理装置300へ送信される(ステップS207)。これにより、景品管理装置300には、計数者が持参したレシートのレシートIDと照合結果とともに送信されたレシートIDとが通知されることになる。すなわち、計数者が持参したレシートは、景品管理装置300の読取部302によって読み取られ(ステップS209)、レシートに記載されたレシートIDがレシートID照合部308へ出力される。また、照合結果とともに送信されたレシートIDは、照合結果受信部306によって受信され、撮像画像とともにレシートID照合部308へ出力される。
そして、レシートID照合部308によって、2つのレシートIDが照合される(ステップS210)。読取部302によって読み取られるレシートが、通常の遊技客が持参したものであれば、レシートID照合部308においてレシートIDが一致することはないが、ここでは、拾い玉計数の常習者である計数者が持参したレシートが読取部302によって読み取られているため、2つのレシートIDは一致する。
そこで、レシートID照合部308から警告報知部310へレシートIDとともに受信された撮像画像が出力され、この撮像画像とレシートを持参した計数者が拾い玉計数の常習者であることを示す警告とが表示部312に表示される(ステップS211)。また、読取部302によって読み取られたレシートに記載された玉数に対応する景品数が景品数算出部304によって算出されており、算出された景品数が表示部312に表示される。
以上のように、本実施の形態によれば、最低玉数未満の玉の計数が行われた場合に、計数機が計数者を撮像し、ホールコンピュータは撮像画像を少数計数の常習者にフラグが設定されているデータベースの画像と照合し、撮像画像と同一人物の画像にフラグが設定されていれば、景品管理装置が警告を表示する。このため、少数計数を繰り返し、拾い玉計数の常習者である可能性が高い計数者を景品管理装置において確認することができ、拾い玉や拾いメダルの計数を繰り返す常習者を特定し、迅速に不正行為に対処することができる。また、少数計数すべてに関するデータベースに常習者のフラグを設定するため、別途常習者のみに関するデータベースを必要とすることがなく、ホールコンピュータにおける記憶容量の増大を抑制することができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3の特徴は、拾い玉計数の常習者が特定された場合に、景品管理装置に警告を表示する代わりに、計数機から発行されるレシートを特殊なものにする点である。本実施の形態に係るホールコンピュータ200の構成は、実施の形態1(図4)と同様であるため、その説明を省略する。また、本実施の形態に係る景品管理装置300は、従来のものと同様であるため、その説明を省略する。
図13は、本実施の形態に係る計数機100の要部構成を示すブロック図である。同図において、図3と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図13に示す計数機100は、図3に示す計数機100のレシート発行部114に代えてレシート発行部114aを有し、照合結果受信部152を追加した構成を有している。
レシート発行部114aは、判定部108によって決定されたレシートIDと計数結果の玉数とが記載されたレシートを発行する。このとき、レシート発行部114aは、照合結果受信部152によって受信された照合結果が、計数者が拾い玉計数の常習者であることを示す場合は、通常とは異なる特殊なレシートを発行する。具体的には、レシート発行部114aは、計数者が拾い玉計数の常習者である場合は、特定のマークが付加されていたり、印字色・紙色が通常と異なっていたりするレシートを発行する。なお、レシート発行部114aが、例えば磁気カードやICカードにレシートIDおよび玉数が記憶されたレシートを発行する場合は、計数者が拾い玉計数の常習者であることを示す警告データを記憶させるようにしても良い。照合結果受信部152は、ホールコンピュータ200から送信された照合結果を受信し、計数者が拾い玉計数の常習者であるか否かをレシート発行部114aへ通知する。
次に、拾い玉計数の常習者が計数機100において新たに拾い玉を計数する場合の計数機100、ホールコンピュータ200、および景品管理装置300の動作について、図14に示すシーケンス図を参照してまとめる。図14において、図7と同じ部分には同じ符号を付し、その詳しい説明を省略する。
まず、拾い玉計数の常習者が計数機100に玉を投入すると、計数部104によって玉が計数され(ステップS201)、判定部108によって玉数が最低玉数と比較される。ここでは、拾い玉計数の常習者が新たに拾い玉を計数しているので、玉数は最低玉数未満と判定される。このため、カメラ102によって計数者が撮像され(ステップS202)、この計数者に対して発行されるレシートのレシートIDおよび計数された玉数とともに撮像画像が照合要求送信部112からホールコンピュータ200へ送信される(ステップS203)。
計数機100から送信された撮像画像、レシートID、および玉数は、ホールコンピュータ200の照合要求受信部202を介して画像照合部204へ出力され、撮像画像と常習者DB部210に記憶された画像とが画像照合される(ステップS206)。ここでは、計数者が拾い玉計数の常習者であるため、撮像画像と同一人物の画像が常習者DB部210に記憶されており、計数者が拾い玉計数の常習者であることを示す照合結果が照合結果送信部212から計数機100へ送信される(ステップS601)。そして、今回の少数計数に関するデータが常習者DB部210に追加登録される(ステップS208)。
ホールコンピュータ200から送信された照合結果は、計数機100の照合結果受信部152を介してレシート発行部114aへ出力される。この照合結果は、計数者が拾い玉計数の常習者であることを示すものであるため、レシート発行部114aによって、通常とは異なる特殊なレシートが発行される(ステップS602)。発行されたレシートは、拾い玉計数の常習者である計数者が景品管理装置300へ持参する(ステップS603)。そして、計数者が持参したレシートは、景品管理装置300によって読み取られるが(ステップS604)、このレシートは、通常のレシートとは異なっているため、景品管理装置300の係員は、レシートを持参した計数者が拾い玉計数の常習者であることを確認し、注意・指導を行うことができる。
以上のように、本実施の形態によれば、最低玉数未満の玉の計数が行われた場合に、計数機が計数者を撮像し、ホールコンピュータは撮像画像を少数計数の常習者が記憶されたデータベースの画像と照合し、撮像画像と同一人物がデータベースに登録されていれば、計数機が通常とは異なる特殊なレシートを発行する。このため、少数計数を繰り返し、拾い玉計数の常習者である可能性が高い計数者をレシートで識別することができ、拾い玉や拾いメダルの計数を繰り返す常習者を特定し、迅速に不正行為に対処することができる。また、レシートが通常とは異なる特殊なものになるので、レシートIDの照合などが必要なく、より簡易な処理で拾い玉や拾いメダルの計数を繰り返す常習者を特定することができる。
なお、上記実施の形態3においては、計数者が拾い玉計数の常習者である場合に、その旨のバーコードなどが印刷されたレシートが発行され、景品管理装置300にてレシートが読み取られる際に、このバーコードが検出されると景品管理装置300に警告が表示されるなどとしても良い。こうすることにより、計数者本人には、レシートが通常と異なることが知られることがない。
また、上記各実施の形態においては、ホールコンピュータ200の少数計数DB部206または少数計数DB部206aに同じ人物の画像が所定のしきい値以上登録されている場合に、この人物を拾い玉計数の常習者であるものとした。しかし、さらに確実に拾い玉計数の常習者のみを特定するためには、計数機100は、計数を行うすべての計数者を撮像し、ホールコンピュータ200は、すべての撮像画像、レシートID、および玉数を記憶し、同じ人物による少数計数の連続回数が所定のしきい値以上となる場合に、この人物を拾い玉計数の常習者と判断しても良い。通常の遊技によって得た獲得出玉を計数する遊技客は、少数計数の連続回数が多くなることはなく、例えば飲み物などとの交換を目的とした少数計数を稀に行うのみであるため、上述の処理によって、通常の遊技客が誤って拾い玉計数の常習者と判断される可能性を低下させることができる。