JP6765730B2 - 水性組成物および粉体組成物 - Google Patents

水性組成物および粉体組成物 Download PDF

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Description

本発明は、抗菌、消臭、防カビ、抗ウイルス、帯電防止などの多機能性を備えた水性組成物および粉体組成物に関するものである。
抗菌、消臭、防カビ等の機能を有する組成物に関する先行技術文献として、本願の出願人は下記の特許文献1〜5を把握している。
特許第5507787号公報 特開2015−6987号公報 特表2015−513306号公報 国際公開第2009/110233号パンフレット 特開2015−51387号公報
〔特許文献1〕
上記特許文献1は、金属組成物を含有する水性組成物に関するもので、つぎの記載がある。
[請求項1]鉄、アルミニウム、カリウムおよびチタンを含む金属組成物を含有する水性組成物からなる消臭剤であって、鉄の含有量が16〜40ppm、アルミニウムの含有量が40〜50ppm、カリウムの含有量が0.20〜0.45ppm、チタンの含有量が0.1〜27.2ppmであって、銀イオンを含まず、対象物に固着させて使用するための消臭剤。
[0023]本発明者が提唱する金属組成物による消臭、抗菌および防カビの効果発現のための必須金属成分は、アルミニウム、鉄とカリウムである。
〔特許文献2〕
上記特許文献2は、水系分散液を用いた膜の製造方法に関するもので、つぎの記載がある。
[0012]本発明の目的は、分散性に優れ、長期間沈殿しにくい水系分散液を用いた膜の製造方法を提供することにある。
[0013]本発明の態様に係る膜の製造方法は、酸化タングステン微粒子および酸化タングステン複合材微粒子から選ばれる少なくとも1種の微粒子と、水を含む分散媒とを含有する水系分散液を用意する工程と、前記水系分散液を基材に塗布し、前記微粒子を含有する膜を形成する工程を具備する膜の製造方法であって、前記水系分散液における前記微粒子の平均一次粒子径(D50)が1nm以上400nm以下の範囲であり、前記水系分散液における前記微粒子の濃度が0.1質量%以上40質量%以下の範囲であり、かつ前記水系分散液のpHが1.5以上6.5以下の範囲であることを特徴としている。本発明の膜の製造方法において、酸化タングステン複合材は、遷移金属元素およびAlから選ばれる少なくとも1種の金属元素、または前記金属元素を含む化合物を、前記金属元素の量として0.001質量%以上50質量%以下の範囲で含み、残部が酸化タングステンからなる。
〔特許文献3〕
上記特許文献3は、透明光触媒コーティングに関するもので、つぎの記載がある。
[0003]光触媒と助触媒とを含む光触媒組成物は、様々な光触媒用途に有用であり得る。加えて、助触媒は、光触媒の光触媒活性を向上させることができるので、光触媒と助触媒の併用は、光触媒単独より活性が高い。さらに、光触媒材料・助触媒の光触媒コーティングへの組み込みは、そのコーティング材料の透明性および光触媒活性の向上に役立つだろう。
[0005]一部の実施形態において、前記光触媒は、W系であり得る。一部の実施形態において、前記光触媒は、可視光応答性であり得る。一部の実施形態において、前記光触媒は、酸化タングステン、ドープされた酸化タングステン粉末、または酸化タングステン複合材料粉末であり得る。
〔特許文献4〕
上記特許文献4は、抗菌性材料とそれを用いた抗菌性膜および抗菌性部材に関するもので、つぎの記載がある。
[0007]本発明の目的は、光の照射の有無に関わりなく、実用的な抗菌性能を示す抗菌性材料とそれを用いた抗菌性膜および抗菌性部材を提供することにある。
[0008]本発明の態様に係る抗菌性材料は、酸化タングステン微粒子および酸化タングステン複合材微粒子から選ばれる少なくとも1種の微粒子を具備する抗菌性材料であって、前記微粒子は、JIS−Z−2801(2000)の抗菌加工製品−抗菌性試験方法に準じた方法で、0.02mg/cm2以上40mg/cm2以下の範囲で前記微粒子を付着させた試験片に、黄色ブドウ球菌、大腸菌、肺炎桿菌、緑膿菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、および腸管出血性大腸菌から選ばれる少なくとも1種の菌を接種し、24時間保存した後の生菌数を評価する抗菌性評価試験を行ったとき、
R=log(B1/C1)
(式中、B1は無加工試験片を24時間保存した後の生菌数の平均値(個)、C1は前記微粒子を塗布した前記試験片を24時間保存した後の生菌数の平均値(個)である)
で表される抗菌活性値Rが0.1以上であることを特徴としている。
〔特許文献5〕
上記特許文献5は、光触媒に関するもので、つぎの記載がある。
[0008]本発明の課題は、光触媒材と正孔捕集材との接触抵抗を低減して、光触媒材で生成される正孔を正孔捕集材からなる酸化サイトへ移動させやすくし、光触媒活性を向上させることである。
[0009]本発明は、可視光応答性の光触媒材と、該光触媒材と融合する正孔捕集材と、電子捕集材とを含有する光触媒である。好ましくは、光触媒材として酸化タングステンが、正孔捕集材として酸化チタンが含有される。電子捕集材としては、少なくともプラチナ、ロジウム、ルテニウム、銅、ニッケル、鉄、マグネシウム、金、銀等のいずれか一つ以上が用いられることが好ましい。光触媒材と正孔捕集材とは、原子レベルで密接に結合し、または傾斜配勾的に結合する。または共晶となる。本発明は、可視光応答性の光触媒材と、正孔捕集材と、電子捕集材とを熱プラズマ法により原子レベルで融合させる工程を含む上記光触媒材の製造方法を包含する。
上述したように、抗菌、消臭、防カビの効果を謳う水性組成物が、特許文献1に記載されている。
このような抗菌、消臭、防カビの効果をもった組成物や加工剤は、市場に数多く出まわっており、さらに抗ウイルスや帯電防止等の効果を持った組成物や加工剤の開発が望まれている。
本発明は、上記のような事情に鑑み、つぎの目的をもってなされたものである。
抗菌、消臭、防カビの効果に加え、さらに抗ウイルス、帯電防止の効果を併せもった多機能な水性組成物および粉体組成物を提供する。
上記目的を達成するため、請求項1記載の水性組成物は、つぎの構成を採用した。
イオンと、アルミニウムイオンと、酸化タングステンと、芳香族1価スルホン酸が水性溶媒中に存在している。
上記目的を達成するため、請求項記載の粉体組成物は、つぎの構成を採用した。
と、アルミニウムと、酸化タングステンと、芳香族1価スルホン酸が含有されている。
請求項1記載の発明は、鉄イオンと、アルミニウムイオンと、酸化タングステンと、芳香族1価スルホン酸が水性溶媒中に存在している。これにより、高い抗菌効果、高い消臭効果、高い防カビ効果を発揮する。加えて、優れた抗ウイルス効果、優れた帯電防止効果を併せて発揮する。
また、請求項1記載の発明は、特に繊維との親和性に優れ、繊維製品に対して抗菌効果、消臭効果、防カビ効果、抗ウイルス効果、帯電防止効果を付与するための加工剤として使用することができる。
請求項記載の発明は、鉄と、アルミニウムと、酸化タングステンと、芳香族1価スルホン酸が含有されている。これにより、高い抗菌効果、高い消臭効果、高い防カビ効果を発揮する。加えて、優れた抗ウイルス効果、優れた帯電防止効果を併せて発揮する。
また、請求項記載の発明は、特に、水の浸透性が低い繊維・樹脂製品・フィルム・インク・塗料等に対して抗菌効果、消臭効果、防カビ効果、抗ウイルス効果、帯電防止効果を付与するための加工剤として使用することができる。
つぎに、本発明を実施するための形態を説明する。
〔概要〕
本実施形態の水性組成物は、鉄と、アルミニウムと、酸化タングステンと、スルホン酸が水性溶媒中に存在している。
本実施形態の粉体組成物は、鉄と、アルミニウムと、酸化タングステンと、スルホン酸が含有されている。この粉体組成物は、上記水性組成物から水分を除去して得ることができる。
本実施形態の組成物では、炭酸アルミニウム等を加え、粘稠液・固体・粉末にすることもできる。
上記水性組成物および粉体組成物は、例えば繊維製品や皮革等の表面加工剤として使用することができる。
上記水性組成物を、繊維製品や皮革等に浸漬浸透させたり表面に塗布し、乾燥させて水分を除去する。これにより、処理対象物である繊維製品や皮革等に対し、抗菌効果、消臭効果、防カビ効果、抗ウイルス効果、帯電防止効果を付与することができる。
上記粉体組成物を、水の浸透性が低い繊維・樹脂製品・フィルム等の表面に塗布や印刷をし、繊維原料・樹脂原料・インク・塗料等に練り込むことにより、処理対象物である繊維製品や皮革・樹脂製品・フィルム・インク・塗料等に対し、抗菌効果、消臭効果、防カビ効果、抗ウイルス効果、帯電防止効果を付与することができる。
〔鉄〕
上記鉄は、水性溶媒中に鉄塩を溶解させることにより、上記水性組成物中に鉄イオンとして存在させることができる。上記鉄塩として具体的には、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、硫酸鉄(II)、硫酸鉄(III)、硝酸鉄(II)、硝酸鉄(III)などをあげることができる。
上記鉄は、水性組成物中において、鉄イオン(II)、鉄イオン(III)として存在することができる。これら以外に、鉄イオン(IV)として存在することもある。
上記水性組成物中に鉄イオンとして存在した鉄は、スルホン酸の添加により、主として上述した各種のスルホン酸鉄塩に置き換えられる。
上記鉄は、フェントン反応や酸化反応に関与する元素である。本実施形態の水性組成物および粉体組成物を表面加工剤として使用すると、例えば繊維製品や皮革等の加工対象物の表面では、空気中に存在する水分や酸素とともに作用して、加工対象物の表面に付着する生体分子や有機化合物を酸化的に破壊し、抗菌効果、消臭効果、防カビ効果、抗ウイルス効果を発揮する。
上記水性組成物中の鉄の含有量は0.00003質量%〜0.0867質量%が好ましく、最も好ましいのは0.0026質量%である。
上記粉体組成物中の鉄の含有量は0.09質量%〜0.16質量%が好ましく、最も好ましいのは0.1001質量%である。
〔アルミニウム〕
上記アルミニウムは、水性溶媒中にアルミニウム塩を溶解させることにより、上記水性組成物中にアルミニウムイオンとして存在させることができる。上記アルミニウム塩として具体的には、硫酸アルミニウムや炭酸アルミニウムなどをあげることができる。
上記アルミニウムは、水性組成物中において、アルミニウムイオン(III)として存在する。
上記アルミニウムは、本実施形態の水性組成物および粉体組成物を表面加工剤あるいは練り込み加工剤として使用すると、例えば繊維製品や皮革等の加工対象物の表面では、空気中に存在する水分や酸素とともに作用して、加工対象物の表面に付着するアンモニア系物質を中和吸着し、また酢酸・イソ吉草酸等の酸系物質を分解し、鉄イオンの抗菌効果、消臭効果、防カビ効果、抗ウイルス効果を補完する。
上記水性組成物中のアルミニウムの含有量は、0.002質量%〜6.66質量%が好ましく、最も好ましいのは0.2質量%である。
上記粉体組成物中のアルミニウムの含有量は、6.925質量%〜12.01質量%が好ましく、最も好ましいのは7.6947質量%である。
〔酸化タングステン〕
上記酸化タングステンは、水性溶媒中に粉末を分散させることにより、上記水性組成物中に存在させる。また、粉体組成物中には、粉末を混入させて存在させる。
上記酸化タングステンは、光触媒として機能することにより、上述した鉄による酸化反応において、相手物質が酸化されやすい方向に平衡を移動させる。これにより、抗菌効果、消臭効果、防カビ効果、抗ウイルス効果を増大させる。
上記水性組成物中の酸化タングステンの含有量は、0.000001質量%〜0.0026質量%が好ましく、最も好ましいのは、0.0001質量%である。
上記粉体組成物中の酸化タングステンの含有量は、0.00274質量%〜0.006質量%が好ましく、最も好ましいのは、0.003質量%である。
〔スルホン酸〕
上記スルホン酸は、水性組成物中において、スルホン酸イオンとして存在することができる。
上記水性組成物中のスルホン酸イオンは、主として後述する各種のスルホン酸塩として存在する。
上記スルホン酸としてはp−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸およびp−フェノールスルホン酸などの芳香族1価スルホン酸などを用いることができる。
スルホン酸を好適に用いた理由は、金属塩を主材とした商品は存在するが、金属塩とスルホン酸を主材として組み合わせた先行事例は見当たらず、機能面で本目的を十分に達成し、多機能向上ができるからである。これらのなかでも、p−トルエンスルホン酸をもっとも好適に用いることができる。その理由は、性状がよく知られていて安全性が高いこと、機能面で本目的を十分に達成すること、費用面で高コストにならないこと、などをあげることができる。
上記水性組成物中のスルホン酸の含有量は、0.00011質量%〜0.3667質量%が好ましく、最も好ましいのは、0.011質量%である。
上記粉体組成物中のスルホン酸の含有量は、0.3813質量%〜0.6011質量%が好ましく、最も好ましいのは、0.4236質量%である。
本実施形態の組成物において、鉄とアルミニウムの存在比率は、鉄1.3%:アルミニウム98.7%が好ましい。金属(鉄+アルミニウム)に対するスルホン酸の存在比率は、金属(鉄+アルミニウム)94.2%:スルホン酸5.2%が好ましい。鉄に対する酸化タングステンの存在比率は、鉄96%:酸化タングステン4%が好ましい。
〔製法〕
本実施形態の水性組成物は、上述したように、鉄塩、アルミニウム塩、酸化タングステン粉末、スルホン酸を水性溶媒中に投入し、適宜攪拌することにより得ることができる。このとき、鉄塩、アルミニウム塩、スルホン酸は水性溶媒に溶解し、酸化タングステン粉末は水性溶媒中に分散する。
本実施形態の粉体組成物は、上記水性組成物から水分を除去することにより得ることができる。また、炭酸アルミニウム等を加え、粘稠液・固体・粉末にすることもできる。
〔使用方法の一例〕
上記水性組成物および粉体組成物は、例えば繊維製品や皮革等の表面加工剤として使用することができる。
上記水性組成物を、繊維製品や皮革等の表面に浸漬浸透させたり塗布し、乾燥させて水分を除去する。これにより、処理対象物である繊維製品や皮革等に対し、抗菌効果、消臭効果、防カビ効果、抗ウイルス効果、帯電防止効果を付与することができる。
上記粉体組成物を、水の浸透性が低い繊維・樹脂製品・フィルム等の表面に塗布や印刷をし、繊維原料・樹脂原料・インク・塗料等に練り込むことにより、処理対象物である繊維製品や皮革・樹脂製品・フィルム・インク・塗料等に対し、抗菌効果、消臭効果、防カビ効果、抗ウイルス効果、帯電防止効果を付与することができる。
つぎに、実施例について説明する。なお、本発明を以下の実施例に限定する趣旨ではない。
実施例の水性組成物をつぎのとおりに調整した。
◆試験液の調整
純水中に鉄塩とアルミニウム塩を溶解し、0.0026質量%の鉄イオン、0.2質量%のアルミニウムイオンを存在させた。上記溶液に、p−トルエンスルホン酸を溶解して0.011質量%存在させた。さらに、酸化タングステン粉末を0.0001質量%分散させ、原液とした。上記原液を、純水により50倍〜100倍に希釈して実施例の試験液とした。
上記試験液を浸漬し、ロールで絞り、乾燥させた実施例の布サンプルについて、(1)抗菌性試験、(2)消臭性試験、(3)抗カビ性試験、(4)抗ウイルス性試験、(5)帯電性試験の各試験を行ない、それぞれ効果の確認を行った。
(1)抗菌性試験
◆試験方法:JIS L 1902:2008に基づく定量試験(菌液吸収法)による。
ただし、洗濯方法はJIS L 0217 103号の試験方法による。
生菌数の測定方法は、混釈平板培養法
◆評価方法
・標準綿布の生菌数の常用対数値を測定する。接種直後をMa,18時間後をMbとする。
・実施例の布サンプルについて、生菌数の常用対数値を測定する。洗濯0回のものと、洗濯を10回実施したものと、それぞれ測定した。接種直後をMo,18時間後をMcとする。
・殺菌活性値、静菌活性値をつぎのように算出して評価した。
殺菌活性値=Ma−Mc
静菌活性値=(Mb−Ma)−(Mc−Mo)
◆結果
黄色ぶどう球菌、肺炎桿菌、MRSA、緑膿菌、大腸菌、モラクセラ菌をそれぞれ試験菌株としたときの結果を、それぞれ下記の表1〜表6に示す。それぞれ良好な抗菌性能を示した。
Figure 0006765730
Figure 0006765730
Figure 0006765730
Figure 0006765730
Figure 0006765730
Figure 0006765730
(2)消臭性試験
◆試験方法:
(一社)繊維評価技術協議会 SEKマーク繊維製品認証基準 準用
21.消臭性試験(検知管法、ガスクロマトグラフ法)
ただし、洗濯処理方法はJIS L 0217 103号、10回繰り返し、吊り干しによる。
洗濯使用洗剤は、JAFET標準配合洗剤を使用した。
◆評価方法
ガス初発濃度はつぎのとおりとし、2時間後の成分濃度を測定し、その減少率で評価した。
アンモニア : 100ppm
酢酸 : 30ppm
イソ吉草酸 :約38ppm
ノネナール :約14ppm
トリメチルアミン: 28ppm
ピリジン : 12ppm
ホルムアルデヒド: 15ppm
インドール :約33ppm
◆結果
それぞれの結果を下記の表7に示す。それぞれ良好な消臭性能を示した。
Figure 0006765730
(3)抗カビ性試験
◆試験方法:
約18mm角の滅菌済み資料(0.2g分)に、1/20サブローデキストロース培地にて約10mLに調整した胞子懸濁液を0.2mL接種し、25℃で42時間培養した。培養後、試料上の胞子のATP濃度を発光測定法にて測定した。
洗濯方法はJIS L 0217 103号の試験方法による(洗剤はJAFET標準配合洗剤を使用)。
◆評価方法
・標準綿布のATP量を測定する。接種直後をAa,42時間後をFbとする。
・実施例の布サンプルについて、ATP量を測定する。洗濯0回のものと、洗濯を10回実施したものと、それぞれ測定した。接種直後をFo,42時間後をMcとする。
・発育値、抗かび活性値をつぎのように算出して評価した。
発育値=Fb−Fa
静菌活性値=(Fb−Fa)−(Fc−Fo)
◆結果
クロカビ、白癬菌をそれぞれ試験菌株としたときの結果を、それぞれ下記の表8〜表9に示す。それぞれ良好な抗かび性能を示した。
Figure 0006765730
Figure 0006765730
(4)抗ウイルス性試験
◆試験方法:
ISO18184Textiles−Determination of antiviral activity of textile productsによる。
ただし、洗濯方法はJIS L 0217 103号による(洗剤はJAFET標準配合洗剤を使用)。
ウイルス感染価の測定方法:Plaque assay
◆評価方法
標準綿布の接種直後で感染価を測定した。同じく標準綿布の接種2時間後で感染価を測定し、Vbとした。実施例も同様に接種2時間後で感染価を測定し、Vcとした。実施例は洗濯0回と洗濯10回について測定を行った。
抗ウイルス活性値を下記の式で算出した。
抗ウイルス活性値=Vb−Vc
◆結果
◇インフルエンザウイルス Influenza A virus(H3N2):ATCC VR−1679
結果を下記の表10に示す。良好な結果を示した。
Figure 0006765730
◇ネコカリシウイルス Feline calicivirus:ATCC VR−782
結果を下記の表11に示す。良好な結果を示した。
Figure 0006765730
(5)帯電性試験
◆試験方法:
JIS L 1094 により、半減期の測定と摩擦帯電圧の測定を行った。試験布措としてポリエステル生地を用いた。
いずれも試験室の環境は、室温20℃、湿度40%である。
◆評価方法
◇半減期
10kVの印加電圧で帯電させたあと、この帯電圧が1/2に減衰するまでの時間(秒)を測定した。
◇摩擦帯電圧
試験片を取り付けたドラムを回転させながら摩擦布(綿/毛)で摩擦し、摩擦開始から60秒後の帯電圧(V)を測定した。
◆結果
◇半減期
実施例は、帯電圧が微小のために測定できなかった。比較例とした未加工品は、120秒以上であった。
◇摩擦帯電圧
結果を下記の表12に示す。極めて良好な性能を示した。
Figure 0006765730
〔実施形態の作用効果〕
本実施形態では、つぎの作用効果を奏する。
本実施形態は、鉄イオンと、アルミニウムイオンと、酸化タングステンと、芳香族1価スルホン酸が水性溶媒中に存在している。これにより、高い抗菌効果、高い消臭効果、高い防カビ効果を発揮する。加えて、優れた抗ウイルス効果、優れた帯電防止効果を併せて発揮する。
水性組成物では、特に繊維との親和性に優れ、繊維製品に対して抗菌効果、消臭効果、防カビ効果、抗ウイルス効果、帯電防止効果を付与するための加工剤として使用することができる。
粉体組成物では、特に、繊維・樹脂製品・フィルム・インク・塗料等、水性組成物の浸透性が低い素材に対して抗菌効果、消臭効果、防カビ効果、抗ウイルス効果、帯電防止効果を付与するための加工剤として使用することができる。
〔変形例〕
本発明の水性組成物および粉体組成物は、使用場所や使用条件などに応じて、含有量を調整したり、他剤と配合したり、あるいは適切な添加剤を添加したりすることができる。これらの他剤や添加剤として、たとえば、他の消臭剤、抗菌剤または防カビ剤、帯電防止剤、抗ウイルス剤などと配合し、その効果を相加的または相乗的に増強することができる。
〔まとめ〕
本発明の水性組成物および粉体組成物は、安全性が高く、取り扱いも簡便であることから、多用途に使用することができる。繊維製品に対してのみならず、例えば各種樹脂製品・フィルム・インク・塗料・金属等への使用も可能であり、また家具類・空調フィルターやダクト・建物室内や車両室内・車内等に対する噴霧施工等にも使用できる。
具体的には、水性組成物は、主として繊維(糸、生地、製品)への加工剤として使用でき、また、室内の壁、天井、床をはじめ、その他吹付け可能な場所(例えば、車内、電車の車輌内、航空機の機内等)に使用できる。
粉体組成物は、水性が使用できない対象物、例えば樹脂等への練り込み、インキや塗料への混合、フィルムや金属への塗布等に使用できる。

Claims (13)

  1. 鉄イオンと、アルミニウムイオンと、酸化タングステンと、芳香族1価スルホン酸とが水性溶媒中に存在していることを特徴とする水性組成物。
  2. 鉄イオンを、前記水性組成物に対して0.00003質量%〜0.0867質量%含有する、請求項1に記載の水性組成物。
  3. アルミニウムイオンを、前記水性組成物に対して0.002質量%〜6.66質量%含有する、請求項1又は2に記載の水性組成物。
  4. 酸化タングステンを、前記水性組成物に対して0.000001質量%〜0.0026質量%含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性組成物。
  5. 芳香族一価スルホン酸を、前記水性組成物に対して0.00011質量%〜0.3667質量%含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の水性組成物。
  6. 鉄塩と、アルミニウム塩と、酸化タングステンと、芳香族1価スルホン酸とを含む、粉体組成物。
  7. 物品の表面加工方法であって:
    前記物品に請求項1〜5のいずれか一項に記載の水性組成物を適用する工程;及び
    前記水性組成物から水分を除去する工程
    を含む、方法。
  8. 前記物品が、繊維及び/又は皮革を表面に有する物品である、請求項7に記載の方法。
  9. 請求項6に記載の粉体組成物を含有する物品の製造方法であって、請求項1〜5のいずれか一項に記載の水性組成物又は請求項6に記載の粉体組成物を含有するインク又は塗料を前記物品に適用する工程を含む、方法。
  10. 前記物品が、繊維、皮革、及び樹脂からなる群より選択される少なくとも一種を表面に有する物品である、請求項9に記載の方法。
  11. 請求項6に記載の粉体組成物を表面に含む、物品。
  12. 繊維、皮革、及び樹脂からなる群より選択される少なくとも一種を表面に有する物品である、請求項11に記載の物品。
  13. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の水性組成物又は請求項6に記載の粉体組成物を含有する、インク又は塗料。
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