JP2004083469A - 銀系無機抗菌剤分散液 - Google Patents
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Abstract
【課題】銀系無機抗菌剤の有する抗菌性能を十分に発揮することができる分散性および保存安定性に優れる銀系無機抗菌剤分散液、およびこの銀系無機抗菌剤分散液を用いて加工した抗菌性加工製品の提供するものである。
【解決手段】銀系無機抗菌剤、変色防止剤、増粘剤、分散剤および分散媒を含有する銀系無機抗菌剤分散液であって、当該分散液において銀系無機抗菌剤が5〜60質量部、増粘剤が銀系無機抗菌剤100質量部に対して0.1〜10質量部であるもの。また、変色防止剤にイミダゾール系化合物または/およびベンゾトリアゾール系化合物を使用し、増粘剤に多糖類を使用することにより、耐変色性に優れ、保存安定性に優れる銀系無機抗菌剤分散液が得られる。さらに、本発明の銀系無機抗菌剤分散液を用いて加工した抗菌加工製品は物性不良がなく、優れた抗菌性能を発現することが可能となった。
【選択図】なし
【解決手段】銀系無機抗菌剤、変色防止剤、増粘剤、分散剤および分散媒を含有する銀系無機抗菌剤分散液であって、当該分散液において銀系無機抗菌剤が5〜60質量部、増粘剤が銀系無機抗菌剤100質量部に対して0.1〜10質量部であるもの。また、変色防止剤にイミダゾール系化合物または/およびベンゾトリアゾール系化合物を使用し、増粘剤に多糖類を使用することにより、耐変色性に優れ、保存安定性に優れる銀系無機抗菌剤分散液が得られる。さらに、本発明の銀系無機抗菌剤分散液を用いて加工した抗菌加工製品は物性不良がなく、優れた抗菌性能を発現することが可能となった。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
分散性および保存安定性に優れた銀系無機抗菌剤の分散液、および銀系無機抗菌剤分散液を用いて加工した抗菌加工製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
銀イオンが抗菌・防カビ性を持つことは古くから知られており、銀イオンを各種の無機物質に担持した銀系無機抗菌剤について種々の提案がなされている。銀系無機抗菌剤は、有機系の抗菌剤と比較して、安全性が高いうえ、揮発および分解しないため抗菌効果の持続性が長く、しかも耐熱性にすぐれる特徴を有している。そのため、これらの抗菌剤と各種高分子化合物とを混合して得られた抗菌性樹脂組成物を用いて、繊維状、フィルム状または各種成形体などに加工した抗菌加工製品として、各種用途に用いられている。
【0003】
一方、これら抗菌剤を水系バインダーや塗料、溶剤などに分散させた加工液により繊維、不織布、フィルター、フィルムなどにディッピングやコーティングにより添着したり、あるいは繊維の湿式紡糸などのように、抗菌剤を添加する加工工程が液状である場合も少なくない。この場合、抗菌剤を水、溶剤などに分散させる必要があるが、一般に無機粉末を分散させようとすると、粉体が凝集するため分散が不十分となり加工不良が起こったり、抗菌加工製品の抗菌性能にばらつきが生じることがあった。
これらの問題を解決するため、予め銀系無機抗菌剤を高濃度で水、溶剤または塗料などに均一に分散させた抗菌剤分散液を調製し、これを水、溶剤または塗料などに適宜希釈する方法が提案されている。例えば、特許第3063019号、特開平11−104218などに記載されている。
【0004】
また、上記特許中にも記載されているように、銀系無機抗菌剤を水、溶剤または塗料などに添加する際に分散剤を併用するのは一般的な手法である。しかし、分散剤の添加によって分散不良は改善できても、無機系の抗菌剤は比重が大きいため、分散液を保存しておくとやがて沈降してしまい、さらに沈降した抗菌剤が固まって再分散が難しくなるという問題があった。特開平11−104218には界面活性剤である分散剤に沈降防止効果があるという記述もあるが、一般に本発明に類する分散液の必要性能としては最低1ヶ月以上の長期保存安定性が必要とされるため、界面活性剤では長期保存時の沈降防止は防ぐことが困難である。また、分散剤は銀イオンと反応する場合が多く、銀系無機抗菌剤に分散剤を併用する場合には、銀系無機抗菌剤が反応により変色を発生したり、抗菌性能を低下させる問題もあった。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明は、銀系無機抗菌剤の有する抗菌性能を十分に発揮することができる分散性および保存安定性に優れる銀系無機抗菌剤分散液、およびこの銀系無機抗菌剤分散液を用いて加工した抗菌性加工製品の提供を課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、銀系無機抗菌剤、変色防止剤、増粘剤、分散剤および分散媒を含有する銀系無機抗菌剤分散液であって、当該分散液100質量部において銀系無機抗菌剤が5〜60質量部、増粘剤が銀系無機抗菌剤100質量部に対して0.1〜10質量部であるものは、分散性および保存安定性に優れることを見出し、本発明を完成させた。また、変色防止剤にはイミダゾール系化合物または/およびベンゾトリアゾール系化合物を使用することにより、耐変色性に極めて優れる銀系無機抗菌剤分散液が得られること、増粘剤に多糖類を使用することにより保存安定性に極めて優れる銀系無機抗菌剤分散液が得られることも見出し本発明を完成させた。さらに、本発明の銀系無機抗菌剤分散液を用いて加工した抗菌加工製品は物性不良がなく、優れた抗菌性能を発現することが可能となった。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
【0008】
○銀系無機抗菌剤
本発明で用いられる銀系無機抗菌剤は、抗菌活性成分として銀イオンを含む無機化合物であり、好ましくは最大粒径が10μm以下、より好ましくは最大粒径が5μm以下のものが使用される。銀系無機抗菌剤の最大粒径が10μmを超える粗粒物が存在する場合は、本発明の分散液を用いて加工された抗菌加工製品の表面平滑性が損なわれたり、沈殿物の発生や塗料などへの分散が不均一となる場合があるので好ましくない。銀系無機抗菌剤の平均粒径は特に制限されないが、好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.5〜2μmの範囲である。平均粒径が0.1μm未満では、銀系無機抗菌剤粒子が再凝集しやすく、取扱いが困難であるため好ましくない。
【0009】
銀系無機抗菌剤の具体例としては、抗菌性ゼオライト、抗菌性無定型アルミノ珪酸塩、抗菌性層間化合物、抗菌性溶解性ガラス、抗菌性リン酸塩などが例示される。
【0010】
上記抗菌性ゼオライトとしては、例えば特公昭63−54013号公報、特開昭60−181002号公報、特開昭63−265809号公報、特開平2−111709号公報、特開平3−145410号公報などに記載されているような、ゼオライト中のイオン交換可能なイオンを銀イオンで置換したゼオライトなどを使用することができる。また上記抗菌性無定型アルミノ珪酸塩としては、特開昭62−70221号公報および特開平1−167212号などに記載されているゼオライト中のイオン交換可能なイオンを銀イオンで置換した無定型アルミノ珪酸塩などが使用することができる。また、抗菌性層間化合物としては、特開平1−2213034号公報などに記載されている、銀錯塩を無機層状化合物に担持させた層間化合物などを使用することができる。さらに、抗菌性溶解性ガラスとしては、特開昭62−158202号公報、特開昭62−21098号公報、特開昭63−48366号公報、特開平1−213410号公報などに記載されている銀イオンを含む抗菌性溶解性ガラスを使用することができる。また、抗菌性リン酸塩としては、特開平1−221304号公報、特開平3−83905号公報に記載されているような銀イオン含有リン酸塩系化合物などが使用できる。
【0011】
これらの銀系無機抗菌剤の中でも、抗菌性ゼオライトや抗菌性リン酸塩は粒径制御が容易であることから好ましく、特に抗菌性リン酸塩は耐変色性に優れることからより好ましく使用することができる。
【0012】
本発明の銀系無機抗菌剤分散液100質量部中の銀系無機抗菌剤は5〜60質量部であり、好ましくは10〜50質量部である。銀系無機抗菌剤が5質量部より少ないと、抗菌剤と分散媒とが分離しやすく保存安定性が悪くなることがあり、また抗菌効果に対し不利となるため好ましくない。また、銀系無機抗菌剤が60質量部を超えると、分散液の粘度が高くなりすぎて製造が難しく、製品のハンドリング性も悪くなる。
【0013】
○変色防止剤
本発明に用いる変色防止剤は、本発明の銀系無機抗菌剤分散液の保存時または加工時における変色を防止するものである。また、本発明の銀系無機抗菌剤分散液を用いて加工された抗菌加工製品の銀系無機抗菌剤による変色を防止するものである。
本発明に用いる変色防止剤は、銀に起因する変色を防止する効果があるものであれば特に制限はない。例えば、銀(イオン)と結合して無色および/または白色の化合物(錯体)になるものであり、酸、アルカリの存在下でも安定なものが好ましく、具体例として以下の化合物が例示される。即ち、メチルベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾールのカリウム塩などのベンゾトリアゾール系化合物、α−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル−エタノールなどのトリアゾール系化合物、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、2−メチルイミダゾールなどのイミダゾール系化合物、シアヌル酸、イソシアヌル酸などのシアヌル系酸化合物、メラミンなどのトリアジン系化合物、ポリリン酸アンモニウムなどのアンモニウム塩類、ポリリン酸アミドなどの含窒素系化合物、オキザリックアシッドアニリド系化合物、サリチル酸系化合物、ヒンダートアミン系化合物、ヒンダートフェノール系化合物などである。また、これらの化合物を2種類以上併用しても良い。
変色防止剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物または/およびイミダゾール系化合物が好ましく、特にベンゾトリアゾール系化合物とイミダゾール系化合物との併用が好ましい。
【0014】
本発明の銀系無機抗菌剤分散液中における変色防止剤の配合量は、銀系無機抗菌剤100質量部に対して0.5〜20質量部、好ましくは2〜10質量部である。変色防止剤の配合量が0.5質量部より少ないと変色防止効果が十分に発揮できない恐れがあり、20質量部を超えると過剰な量の変色防止剤が抗菌性やその他の分散液の物性に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0015】
○増粘剤
本発明に用いる増粘剤は、銀系無機抗菌剤分散液を保存中に、銀無機抗菌剤粒子が沈降することにより部分的に抗菌剤濃度の偏りを生じることを防止したり、沈降した抗菌剤が凝集したり、固化して分散性が低下することを防止するものである。
増粘剤の具体例としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系増粘剤、キサンタンガム、アラビアガム、トランガンガム、グアーガム、タマリンドガム、カラギーナンなどの多糖類、各種ポリアクリルアミド系ポリマー、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、粘土などがある。
これら増粘剤の中でも、酸、アルカリ下でも安定した粘度を示すことから多糖類が好ましく、より好ましくはキサンタンガムである。
【0016】
本発明の銀系無機抗菌剤分散液中における増粘剤の配合量は、銀系無機抗菌剤100質量部に対して、0.1〜10質量部であり、好ましくは1〜5質量部である。増粘剤の配合量が0.1質量部より少ないと、抗菌剤の沈降防止効果が殆どないため再分散が難しくなり、10質量部より多いと分散液の粘度が高くなりすぎて製造が難しく、製品のハンドリング性も悪くなる。
【0017】
○分散剤
本発明で使用する分散剤に特に制限はないが、アルケニルコハク酸塩,アルキルベンゼンスルホン酸塩,アルキルナフタレンスルホン酸塩,アルキル硫酸エステル塩,高級アルコール硫酸エステル塩,ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩,ジアルキルスルホサクシネート塩,アルキルリン酸エステル塩,リン酸エステル系共重合体,ポリカルボン酸型高分子界面活性剤などのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル,有機変性オルガノポリシロキサンなどのノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、第四アンモニウム塩などのカチオン性界面活性剤、アルキルベタイン,アミドベタインなどのベタイン型両性界面活性剤、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、トリエタノ−ネアミンなどのポリアミンなどが例示できる。
好ましくは酸性官能基を含む共重合体(樹脂)を含む高分子系分散剤であり、基本骨格はエステル連鎖、ビニル連鎖、アクリル連鎖、エーテル連鎖およびウレタン連鎖などで構成されているものがより好ましく、分子中の水素原子の一部がハロゲン原子で置換されていてもよい。これらの中でもアクリル樹脂、ポリエステル樹脂およびアルキド樹脂が好ましく、特にアクリル樹脂とポリエステル樹脂が好適である。
【0018】
本発明の銀系無機抗菌剤分散液中における分散剤の配合量は、銀系無機抗菌剤100質量部に対して、0.1〜15質量部、好ましくは1〜10質量部である。配合量が0.1質量部より少ないと、分散効果が不十分となり、凝集しやすくなる。一方、15質量部より多いと過剰な分散剤の影響で分散性が逆に低下したり、抗菌性が低下する傾向もある。
【0019】
○分散媒
本発明における分散媒は水溶液または水溶性、親水性を有するものが好ましい。具体的にはプロトン性溶媒としては水、アルコール、非プロトン性溶媒としてはジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド、テトラヒドロフラン、アセトンなどが挙げられる。使用する分散媒は、本発明の分散液を希釈、混合する溶剤や塗料などの種類や本分散液を用いて加工する抗菌加工製品の物性により適宜選定することができ、また、複数の溶媒を用いることもできる。
【0020】
本発明の銀系無機抗菌剤分散液中における分散媒は、銀系無機抗菌剤、変色防止剤、増粘剤および分散剤とを加えて銀系無機抗菌剤分散液が100質量部となるように添加すればよい。
【0021】
○バインダー樹脂
本発明の銀系無機抗菌剤分散液には、アクリル酸系やウレタン系などの繊維、不織布、シートなどの表面処理に通常使用されているバインダー樹脂を混合することも可能である。銀系無機抗菌剤とバインダー樹脂との混合比は、銀系無機抗菌剤分散液中の銀系無機抗菌剤100質量部に対し、バインダー樹脂10〜300質量部が好ましい。バインダー樹脂が10質量部より少ないと、バインダー樹脂を配合した銀系無機抗菌剤分散液を用いて、繊維、不織布、シートなどに抗菌剤を添着させる際、固着力が十分ではないため、抗菌剤が脱落し抗菌性能が低下するため好ましくなく、また、バインダー樹脂が300質量部を超えると、分散液の保存安定性が低下したり、繊維、不織布、シートなどに加工した際に、抗菌剤が樹脂で覆われ抗菌性能が十分発現しないため好ましくない。
【0022】
○銀系無機抗菌剤分散液の製造方法
本発明の銀系無機抗菌剤分散液の製造は、通常無機粉末の分散液を作製する方法のいずれも用いることができる。例えば、銀系無機抗菌剤、変色防止剤、沈降防止剤、分散剤および分散媒をサンドミル、ディスパー、ボールミルなどにより攪拌混合し、分散させればよい。なお、混合順序に制限はないが、分散媒に分散または溶解しにくいものは予め少量の溶媒に分散または可溶性溶媒に溶解後配合することが好ましい。また、分散終了後に、異物や凝集物を取り除くため、細かいメッシュを通すとさらによい。また、所望により分散液に消泡剤、防腐剤、防カビ剤、防錆剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光剤、金属粉、充填剤、顔料や染料などの着色剤、難燃剤、消臭剤、銀系以外の無機抗菌剤や有機系抗菌剤、柔軟剤などを配合してもよい。例えば、消泡剤は破泡性、抑泡性、脱泡性のものがあるがいずれのものを用いてもよく、例えば破泡性の例としてはポリシロキサン溶液、非シリコーン系の破泡性ポリマーと疎水性粒子混合物などが挙げられる。
【0023】
○用途
本発明の銀系無機抗菌剤分散液は抗菌性の付与が求められる様々な製品に利用可能である。例えば、繊維、不織布、シートなどは、本発明の分散液を水や水系エマルションなどで添加、希釈した加工液中に浸漬することにより抗菌剤を添着することが可能である。アクリル繊維などのように湿式紡糸法によって製造する繊維には、紡糸液や溶剤に本発明の分散液を添加することにより抗菌剤が練り込まれた繊維に加工することができる。また水性塗料に本発明の銀系無機抗菌剤分散液を混合することで抗菌性を有する塗料とすることができ、これを塗布することで様々な材料に簡単に抗菌性を付与することができる塗料となる。さらに、本分散液を水や各種水溶液などに希釈することで消毒剤やスプレーとすることも可能である。
分散液の添加量または希釈率は、必要とする性能により適宜選定することが必要である。例えば、繊維製品や塗料などに加工する場合は、銀系無機抗菌剤が0.01〜1g/m2が加工製品に付着するように分散液を添加、希釈すればよい。湿式紡糸やウレタンスポンジなどのように樹脂中に銀系無機抗菌剤が練りこまれる場合には、樹脂固形分100質量部に対して本発明の銀系無機抗菌剤分散液を0.1〜5質量部となるよう添加、希釈すればよい。
具体的な用途としては、肌着、ストッキング、シャツ、靴下、布団、布団カバー、座布団、毛布、じゅうたん、カーテン、ソファー、カーシート、エアーフィルター、壁紙などの各種繊維、不織布、紙製品、スポンジ、塗料、床用ワックスなどが挙げられる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を更に具体的に説明する。
抗菌剤組成物の調製方法と得られたサンプルの各種評価試験方法およびその結果は以下のとおりである。
【0025】
○銀系無機抗菌剤分散液の作製
実施例および比較例で用いた化合物を下記に記載する。
抗菌剤:東亞合成(株)製ノバロンAG300(銀担持リン酸ジルコニウム)
変色防止剤(A):イミダゾール、
変色防止剤(B):メチルベンゾトリアゾール
分散剤:ビッグケミー・ジャパン(株)製BYK−180(リン酸基を含むブロック共重合体のアルキルアンモニウム塩、酸価94mgKOH/g、アミン価94mgKOH/g、平均分子量1000)
増粘剤(ア):大日本製薬(株)製エコーガムT(キサンタンガム)
増粘剤(イ):信越化学工業(株)製メトロースSH15000(ヒドロキシプロピルセルロース)
消泡剤:ビッグケミー・ジャパン(株)製BYK−011(破泡性ポリマーと疎水性粒子混合物(非シリコーン系)
【0026】
<実施例1>
表1に示すように銀系無機抗菌剤を40質量部、分散剤を1.8質量部、変色防止剤(A)を2.4質量部、増粘剤(ア)を0.2質量部(銀系無機抗菌剤100質量部に対して0.5質量部)、消泡剤を0.1質量部、分散媒として水を55.5質量部添加し、サンドミルにて2000rpmで1時間攪拌して銀系無機抗菌剤分散液を作製した。
【0027】
<実施例2>
変色防止剤(A)に替え変色防止剤(B)を1.0質量部、分散剤として水を57質量部用い、消泡剤を用いなかった以外は実施例1と同様にして銀系無機抗菌剤分散液を作製した。
【0028】
<実施例3>
変色防止剤(A)を1.2質量部、変色防止剤(B)を0.5質量部、分散剤として水を56.2質量部用いた以外は実施例1と同様にして銀系無機抗菌剤分散液を作製した。
【0029】
<比較例1>
変色防止剤を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして比較例用の銀系無機抗菌剤分散液を作製した。
【0030】
<比較例2>
増粘剤を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして比較例用の銀系無機抗菌剤分散液を作製した。
【0031】
<比較例3>
分散剤を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして比較例用の銀系無機抗菌剤分散液を作製した。
【0032】
<比較例4>
増粘剤(ア)を0.02質量部(銀系無機抗菌剤100質量部に対して0.05質量部)用いた以外は実施例1と同様にして比較例用の銀系無機抗菌剤分散液を作製した。
【0033】
<比較例5>
増粘剤(イ)を0.2質量部(銀系無機抗菌剤100質量部に対して0.5質量部)用いた以外は実施例1と同様にして比較例用の銀系無機抗菌剤分散液を作製した。
【0034】
<比較例6>
銀系無機抗菌剤を70質量部用いた以外は実施例1と同様にして銀系無機抗菌剤分散液の調製、および増粘剤を5質量部用いた以外は実施例1と同様にして銀系無機抗菌剤分散液の調製を試みたが両方とも粘度が極めて高く分散性が良好な分散液はできなかった。
【0035】
【表1】
【0036】
○各種銀系無機抗菌剤分散液の安定性評価
実施例1〜3および比較例1〜5の銀系無機抗菌剤分散液の分散性について、目視で観察した結果を表2に示した。評価は、分散性が良く沈降しないものを「良好」、沈降があるものを「沈降物あり」、凝集物があるものを「凝集物あり」とした。
実施例1〜3および比較例1〜5の銀系無機抗菌剤分散液を1Lのポリ瓶に入れ、30℃で2ヶ月間静置保存した。その後、上澄み液の高さを測り沈降性を評価した結果も表2に示した。
【0037】
【表2】
【0038】
<実施例4>
○銀系無機抗菌剤分散液を塗料に添加して作製した塗膜の評価
水系UV塗料(アクリル系)99.5質量部に対して実施例1〜3および比較例1〜5の銀系無機抗菌剤分散液を0.5質量部(銀系無機抗菌剤として0.2質量部)添加し、良く攪拌して分散させた。この分散液を20cm×10cmのOHPフィルムに5gのせ、バーコーダー(#60)を用いて均一な塗膜を作製した。塗膜を50℃、10分乾燥して、紫外線を照射し(80W、10m/min、光源からの距離:10cm、3回通過)て塗膜を硬化させ、各抗菌剤添加塗膜を作製した(塗膜1〜3、比較塗膜1〜5)。
また、銀系無機抗菌剤分散液を使用せずに同様の操作を行って、比較対照塗膜を作製した(比較対照塗膜1)。
【0039】
作製した塗膜を5.0cm×5.0cmに切り取り、塗膜の状態、耐光変色性、抗菌力を評価した。その結果を表3に示した。
○塗膜の状態
塗膜の状態は、目視で凝集物などがないかを観察し、凝集物がないものを「良好」、凝集物があるものを「凝集物有り」とした。
【0040】
○耐光変色性評価
耐光変色性はサンシャインウェザーメーター(サンシャインカーボンアーク灯式 JISB 7753)に200時間曝露し、耐光試験前後の色差を測定することにより評価した。
色差(ΔE)は色差計(日本電色工業株式会社製色彩色差計SZ−80)を用いて、耐光試験前の色彩(L1,a1,b1)および試験後の色彩(L2,a2,b2)を測定し、これらの測定値から下式[1]により色差(ΔE)を算出した。
ΔE=[((L1−L2)2+(a1−a2)2+(b1−b2)2)]1/2 [1]
【0041】
○抗菌力試験
抗菌力はJIS Z2801に準拠して評価した。
被検菌には大腸菌を用い、滅菌水を用いて普通ブイヨン培地を500分の1に希釈した溶液に菌数が2.5〜10×105個/mlとなるように調整したものを菌液として用いた。菌液0.4mlを検体表面に滴下し、その上から4.0cm×4.0cmのポリエチレンフィルムを被せ、表面に一様に接触させ、温度35℃、湿度95RH%で24時間保存した。保存開始から0時間後(理論添加菌数)および24時間保存した後に、菌数測定用培地(SCDLP液体培地)10mlで検体上の生残菌を洗い出し、この洗液について、標準寒天培地を用いる混釈平板培養法(37℃2日間)により生菌数を測定して、検体1枚当りの生菌数に換算した。
【0042】
【表3】
【0043】
塗膜3の色差の結果から分かるように、変色防止剤を複数用いたものの方が、単独で用いたものより良好な結果を与えている。
【0044】
<実施例5>
○銀系無機抗菌剤分散液を用いて加工した綿生地の評価
純水100質量部に対して実施例1〜3および比較例1〜5で作製した銀系無機抗菌剤分散液を10質量部(抗菌剤として4質量部含有)、アクリル系バインダー(KB−4900 固形分45%、東亞合成(株)製)を6.7質量部添加した各懸濁液を作成した。この各懸濁液に対し綿100%の生地(生地量100g/m2)をディッピングし、絞り率70%でピックアップし、150℃で乾燥し、試験布(試験布1〜3、比較布1〜5)を得た。
【0045】
○風合い評価
試験布1〜3、比較布1〜5の風合い、色などを手触り、目視で評価した。
変色および肌触りにざらつきのないものを「良好」、変色したものを「変色有り」、肌触りにざらつきまたは目視で凝集物があるものを「凝集物有り」とした。
○洗濯試験
また、洗濯を10回行い、抗菌性を評価した。結果を表4に示す。尚、抗菌性の評価はJIS L 1902−1998の定量試験により評価し、黄色ブドウ球菌で試験した。静菌活性値が2.2以上のものを抗菌性ありとした。洗濯はJISL 0217、103号(但し、JAFFET標準洗剤を使用)に従って行った。
【0046】
【表4】
【0047】
全ての結果を纏めたものを、表5に示す。これによると実施例1〜3の銀系無機抗菌剤分散液は、分散液の安定性、塗装板、繊維に添加したときの全ての面において優れていることが分かる。一方、比較例の分散液はいずれかの項目で不良なところがある。
【0048】
【表5】
【0049】
【発明の効果】
上記の本発明の銀系無機抗菌剤分散液を用いて加工した塗装板および繊維の各評価結果から明らかなように、本発明の銀系無機抗菌剤分散液は、塗料添加時、生地加工時などにおける分散性が良好であるために加工性に優れたものであり、均一な加工が可能である。また、本発明の銀系無機抗菌剤分散液を用いて加工した塗膜、生地などの抗菌性加工製品は優れた抗菌性能を持っている。また、上記の保存安定性評価から本発明の銀系無機抗菌剤分散液は長期保存しても沈降が少なく安定である。
【発明の属する技術分野】
分散性および保存安定性に優れた銀系無機抗菌剤の分散液、および銀系無機抗菌剤分散液を用いて加工した抗菌加工製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
銀イオンが抗菌・防カビ性を持つことは古くから知られており、銀イオンを各種の無機物質に担持した銀系無機抗菌剤について種々の提案がなされている。銀系無機抗菌剤は、有機系の抗菌剤と比較して、安全性が高いうえ、揮発および分解しないため抗菌効果の持続性が長く、しかも耐熱性にすぐれる特徴を有している。そのため、これらの抗菌剤と各種高分子化合物とを混合して得られた抗菌性樹脂組成物を用いて、繊維状、フィルム状または各種成形体などに加工した抗菌加工製品として、各種用途に用いられている。
【0003】
一方、これら抗菌剤を水系バインダーや塗料、溶剤などに分散させた加工液により繊維、不織布、フィルター、フィルムなどにディッピングやコーティングにより添着したり、あるいは繊維の湿式紡糸などのように、抗菌剤を添加する加工工程が液状である場合も少なくない。この場合、抗菌剤を水、溶剤などに分散させる必要があるが、一般に無機粉末を分散させようとすると、粉体が凝集するため分散が不十分となり加工不良が起こったり、抗菌加工製品の抗菌性能にばらつきが生じることがあった。
これらの問題を解決するため、予め銀系無機抗菌剤を高濃度で水、溶剤または塗料などに均一に分散させた抗菌剤分散液を調製し、これを水、溶剤または塗料などに適宜希釈する方法が提案されている。例えば、特許第3063019号、特開平11−104218などに記載されている。
【0004】
また、上記特許中にも記載されているように、銀系無機抗菌剤を水、溶剤または塗料などに添加する際に分散剤を併用するのは一般的な手法である。しかし、分散剤の添加によって分散不良は改善できても、無機系の抗菌剤は比重が大きいため、分散液を保存しておくとやがて沈降してしまい、さらに沈降した抗菌剤が固まって再分散が難しくなるという問題があった。特開平11−104218には界面活性剤である分散剤に沈降防止効果があるという記述もあるが、一般に本発明に類する分散液の必要性能としては最低1ヶ月以上の長期保存安定性が必要とされるため、界面活性剤では長期保存時の沈降防止は防ぐことが困難である。また、分散剤は銀イオンと反応する場合が多く、銀系無機抗菌剤に分散剤を併用する場合には、銀系無機抗菌剤が反応により変色を発生したり、抗菌性能を低下させる問題もあった。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明は、銀系無機抗菌剤の有する抗菌性能を十分に発揮することができる分散性および保存安定性に優れる銀系無機抗菌剤分散液、およびこの銀系無機抗菌剤分散液を用いて加工した抗菌性加工製品の提供を課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、銀系無機抗菌剤、変色防止剤、増粘剤、分散剤および分散媒を含有する銀系無機抗菌剤分散液であって、当該分散液100質量部において銀系無機抗菌剤が5〜60質量部、増粘剤が銀系無機抗菌剤100質量部に対して0.1〜10質量部であるものは、分散性および保存安定性に優れることを見出し、本発明を完成させた。また、変色防止剤にはイミダゾール系化合物または/およびベンゾトリアゾール系化合物を使用することにより、耐変色性に極めて優れる銀系無機抗菌剤分散液が得られること、増粘剤に多糖類を使用することにより保存安定性に極めて優れる銀系無機抗菌剤分散液が得られることも見出し本発明を完成させた。さらに、本発明の銀系無機抗菌剤分散液を用いて加工した抗菌加工製品は物性不良がなく、優れた抗菌性能を発現することが可能となった。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
【0008】
○銀系無機抗菌剤
本発明で用いられる銀系無機抗菌剤は、抗菌活性成分として銀イオンを含む無機化合物であり、好ましくは最大粒径が10μm以下、より好ましくは最大粒径が5μm以下のものが使用される。銀系無機抗菌剤の最大粒径が10μmを超える粗粒物が存在する場合は、本発明の分散液を用いて加工された抗菌加工製品の表面平滑性が損なわれたり、沈殿物の発生や塗料などへの分散が不均一となる場合があるので好ましくない。銀系無機抗菌剤の平均粒径は特に制限されないが、好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.5〜2μmの範囲である。平均粒径が0.1μm未満では、銀系無機抗菌剤粒子が再凝集しやすく、取扱いが困難であるため好ましくない。
【0009】
銀系無機抗菌剤の具体例としては、抗菌性ゼオライト、抗菌性無定型アルミノ珪酸塩、抗菌性層間化合物、抗菌性溶解性ガラス、抗菌性リン酸塩などが例示される。
【0010】
上記抗菌性ゼオライトとしては、例えば特公昭63−54013号公報、特開昭60−181002号公報、特開昭63−265809号公報、特開平2−111709号公報、特開平3−145410号公報などに記載されているような、ゼオライト中のイオン交換可能なイオンを銀イオンで置換したゼオライトなどを使用することができる。また上記抗菌性無定型アルミノ珪酸塩としては、特開昭62−70221号公報および特開平1−167212号などに記載されているゼオライト中のイオン交換可能なイオンを銀イオンで置換した無定型アルミノ珪酸塩などが使用することができる。また、抗菌性層間化合物としては、特開平1−2213034号公報などに記載されている、銀錯塩を無機層状化合物に担持させた層間化合物などを使用することができる。さらに、抗菌性溶解性ガラスとしては、特開昭62−158202号公報、特開昭62−21098号公報、特開昭63−48366号公報、特開平1−213410号公報などに記載されている銀イオンを含む抗菌性溶解性ガラスを使用することができる。また、抗菌性リン酸塩としては、特開平1−221304号公報、特開平3−83905号公報に記載されているような銀イオン含有リン酸塩系化合物などが使用できる。
【0011】
これらの銀系無機抗菌剤の中でも、抗菌性ゼオライトや抗菌性リン酸塩は粒径制御が容易であることから好ましく、特に抗菌性リン酸塩は耐変色性に優れることからより好ましく使用することができる。
【0012】
本発明の銀系無機抗菌剤分散液100質量部中の銀系無機抗菌剤は5〜60質量部であり、好ましくは10〜50質量部である。銀系無機抗菌剤が5質量部より少ないと、抗菌剤と分散媒とが分離しやすく保存安定性が悪くなることがあり、また抗菌効果に対し不利となるため好ましくない。また、銀系無機抗菌剤が60質量部を超えると、分散液の粘度が高くなりすぎて製造が難しく、製品のハンドリング性も悪くなる。
【0013】
○変色防止剤
本発明に用いる変色防止剤は、本発明の銀系無機抗菌剤分散液の保存時または加工時における変色を防止するものである。また、本発明の銀系無機抗菌剤分散液を用いて加工された抗菌加工製品の銀系無機抗菌剤による変色を防止するものである。
本発明に用いる変色防止剤は、銀に起因する変色を防止する効果があるものであれば特に制限はない。例えば、銀(イオン)と結合して無色および/または白色の化合物(錯体)になるものであり、酸、アルカリの存在下でも安定なものが好ましく、具体例として以下の化合物が例示される。即ち、メチルベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾールのカリウム塩などのベンゾトリアゾール系化合物、α−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル−エタノールなどのトリアゾール系化合物、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、2−メチルイミダゾールなどのイミダゾール系化合物、シアヌル酸、イソシアヌル酸などのシアヌル系酸化合物、メラミンなどのトリアジン系化合物、ポリリン酸アンモニウムなどのアンモニウム塩類、ポリリン酸アミドなどの含窒素系化合物、オキザリックアシッドアニリド系化合物、サリチル酸系化合物、ヒンダートアミン系化合物、ヒンダートフェノール系化合物などである。また、これらの化合物を2種類以上併用しても良い。
変色防止剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物または/およびイミダゾール系化合物が好ましく、特にベンゾトリアゾール系化合物とイミダゾール系化合物との併用が好ましい。
【0014】
本発明の銀系無機抗菌剤分散液中における変色防止剤の配合量は、銀系無機抗菌剤100質量部に対して0.5〜20質量部、好ましくは2〜10質量部である。変色防止剤の配合量が0.5質量部より少ないと変色防止効果が十分に発揮できない恐れがあり、20質量部を超えると過剰な量の変色防止剤が抗菌性やその他の分散液の物性に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0015】
○増粘剤
本発明に用いる増粘剤は、銀系無機抗菌剤分散液を保存中に、銀無機抗菌剤粒子が沈降することにより部分的に抗菌剤濃度の偏りを生じることを防止したり、沈降した抗菌剤が凝集したり、固化して分散性が低下することを防止するものである。
増粘剤の具体例としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系増粘剤、キサンタンガム、アラビアガム、トランガンガム、グアーガム、タマリンドガム、カラギーナンなどの多糖類、各種ポリアクリルアミド系ポリマー、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、粘土などがある。
これら増粘剤の中でも、酸、アルカリ下でも安定した粘度を示すことから多糖類が好ましく、より好ましくはキサンタンガムである。
【0016】
本発明の銀系無機抗菌剤分散液中における増粘剤の配合量は、銀系無機抗菌剤100質量部に対して、0.1〜10質量部であり、好ましくは1〜5質量部である。増粘剤の配合量が0.1質量部より少ないと、抗菌剤の沈降防止効果が殆どないため再分散が難しくなり、10質量部より多いと分散液の粘度が高くなりすぎて製造が難しく、製品のハンドリング性も悪くなる。
【0017】
○分散剤
本発明で使用する分散剤に特に制限はないが、アルケニルコハク酸塩,アルキルベンゼンスルホン酸塩,アルキルナフタレンスルホン酸塩,アルキル硫酸エステル塩,高級アルコール硫酸エステル塩,ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩,ジアルキルスルホサクシネート塩,アルキルリン酸エステル塩,リン酸エステル系共重合体,ポリカルボン酸型高分子界面活性剤などのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル,有機変性オルガノポリシロキサンなどのノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、第四アンモニウム塩などのカチオン性界面活性剤、アルキルベタイン,アミドベタインなどのベタイン型両性界面活性剤、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、トリエタノ−ネアミンなどのポリアミンなどが例示できる。
好ましくは酸性官能基を含む共重合体(樹脂)を含む高分子系分散剤であり、基本骨格はエステル連鎖、ビニル連鎖、アクリル連鎖、エーテル連鎖およびウレタン連鎖などで構成されているものがより好ましく、分子中の水素原子の一部がハロゲン原子で置換されていてもよい。これらの中でもアクリル樹脂、ポリエステル樹脂およびアルキド樹脂が好ましく、特にアクリル樹脂とポリエステル樹脂が好適である。
【0018】
本発明の銀系無機抗菌剤分散液中における分散剤の配合量は、銀系無機抗菌剤100質量部に対して、0.1〜15質量部、好ましくは1〜10質量部である。配合量が0.1質量部より少ないと、分散効果が不十分となり、凝集しやすくなる。一方、15質量部より多いと過剰な分散剤の影響で分散性が逆に低下したり、抗菌性が低下する傾向もある。
【0019】
○分散媒
本発明における分散媒は水溶液または水溶性、親水性を有するものが好ましい。具体的にはプロトン性溶媒としては水、アルコール、非プロトン性溶媒としてはジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド、テトラヒドロフラン、アセトンなどが挙げられる。使用する分散媒は、本発明の分散液を希釈、混合する溶剤や塗料などの種類や本分散液を用いて加工する抗菌加工製品の物性により適宜選定することができ、また、複数の溶媒を用いることもできる。
【0020】
本発明の銀系無機抗菌剤分散液中における分散媒は、銀系無機抗菌剤、変色防止剤、増粘剤および分散剤とを加えて銀系無機抗菌剤分散液が100質量部となるように添加すればよい。
【0021】
○バインダー樹脂
本発明の銀系無機抗菌剤分散液には、アクリル酸系やウレタン系などの繊維、不織布、シートなどの表面処理に通常使用されているバインダー樹脂を混合することも可能である。銀系無機抗菌剤とバインダー樹脂との混合比は、銀系無機抗菌剤分散液中の銀系無機抗菌剤100質量部に対し、バインダー樹脂10〜300質量部が好ましい。バインダー樹脂が10質量部より少ないと、バインダー樹脂を配合した銀系無機抗菌剤分散液を用いて、繊維、不織布、シートなどに抗菌剤を添着させる際、固着力が十分ではないため、抗菌剤が脱落し抗菌性能が低下するため好ましくなく、また、バインダー樹脂が300質量部を超えると、分散液の保存安定性が低下したり、繊維、不織布、シートなどに加工した際に、抗菌剤が樹脂で覆われ抗菌性能が十分発現しないため好ましくない。
【0022】
○銀系無機抗菌剤分散液の製造方法
本発明の銀系無機抗菌剤分散液の製造は、通常無機粉末の分散液を作製する方法のいずれも用いることができる。例えば、銀系無機抗菌剤、変色防止剤、沈降防止剤、分散剤および分散媒をサンドミル、ディスパー、ボールミルなどにより攪拌混合し、分散させればよい。なお、混合順序に制限はないが、分散媒に分散または溶解しにくいものは予め少量の溶媒に分散または可溶性溶媒に溶解後配合することが好ましい。また、分散終了後に、異物や凝集物を取り除くため、細かいメッシュを通すとさらによい。また、所望により分散液に消泡剤、防腐剤、防カビ剤、防錆剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光剤、金属粉、充填剤、顔料や染料などの着色剤、難燃剤、消臭剤、銀系以外の無機抗菌剤や有機系抗菌剤、柔軟剤などを配合してもよい。例えば、消泡剤は破泡性、抑泡性、脱泡性のものがあるがいずれのものを用いてもよく、例えば破泡性の例としてはポリシロキサン溶液、非シリコーン系の破泡性ポリマーと疎水性粒子混合物などが挙げられる。
【0023】
○用途
本発明の銀系無機抗菌剤分散液は抗菌性の付与が求められる様々な製品に利用可能である。例えば、繊維、不織布、シートなどは、本発明の分散液を水や水系エマルションなどで添加、希釈した加工液中に浸漬することにより抗菌剤を添着することが可能である。アクリル繊維などのように湿式紡糸法によって製造する繊維には、紡糸液や溶剤に本発明の分散液を添加することにより抗菌剤が練り込まれた繊維に加工することができる。また水性塗料に本発明の銀系無機抗菌剤分散液を混合することで抗菌性を有する塗料とすることができ、これを塗布することで様々な材料に簡単に抗菌性を付与することができる塗料となる。さらに、本分散液を水や各種水溶液などに希釈することで消毒剤やスプレーとすることも可能である。
分散液の添加量または希釈率は、必要とする性能により適宜選定することが必要である。例えば、繊維製品や塗料などに加工する場合は、銀系無機抗菌剤が0.01〜1g/m2が加工製品に付着するように分散液を添加、希釈すればよい。湿式紡糸やウレタンスポンジなどのように樹脂中に銀系無機抗菌剤が練りこまれる場合には、樹脂固形分100質量部に対して本発明の銀系無機抗菌剤分散液を0.1〜5質量部となるよう添加、希釈すればよい。
具体的な用途としては、肌着、ストッキング、シャツ、靴下、布団、布団カバー、座布団、毛布、じゅうたん、カーテン、ソファー、カーシート、エアーフィルター、壁紙などの各種繊維、不織布、紙製品、スポンジ、塗料、床用ワックスなどが挙げられる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を更に具体的に説明する。
抗菌剤組成物の調製方法と得られたサンプルの各種評価試験方法およびその結果は以下のとおりである。
【0025】
○銀系無機抗菌剤分散液の作製
実施例および比較例で用いた化合物を下記に記載する。
抗菌剤:東亞合成(株)製ノバロンAG300(銀担持リン酸ジルコニウム)
変色防止剤(A):イミダゾール、
変色防止剤(B):メチルベンゾトリアゾール
分散剤:ビッグケミー・ジャパン(株)製BYK−180(リン酸基を含むブロック共重合体のアルキルアンモニウム塩、酸価94mgKOH/g、アミン価94mgKOH/g、平均分子量1000)
増粘剤(ア):大日本製薬(株)製エコーガムT(キサンタンガム)
増粘剤(イ):信越化学工業(株)製メトロースSH15000(ヒドロキシプロピルセルロース)
消泡剤:ビッグケミー・ジャパン(株)製BYK−011(破泡性ポリマーと疎水性粒子混合物(非シリコーン系)
【0026】
<実施例1>
表1に示すように銀系無機抗菌剤を40質量部、分散剤を1.8質量部、変色防止剤(A)を2.4質量部、増粘剤(ア)を0.2質量部(銀系無機抗菌剤100質量部に対して0.5質量部)、消泡剤を0.1質量部、分散媒として水を55.5質量部添加し、サンドミルにて2000rpmで1時間攪拌して銀系無機抗菌剤分散液を作製した。
【0027】
<実施例2>
変色防止剤(A)に替え変色防止剤(B)を1.0質量部、分散剤として水を57質量部用い、消泡剤を用いなかった以外は実施例1と同様にして銀系無機抗菌剤分散液を作製した。
【0028】
<実施例3>
変色防止剤(A)を1.2質量部、変色防止剤(B)を0.5質量部、分散剤として水を56.2質量部用いた以外は実施例1と同様にして銀系無機抗菌剤分散液を作製した。
【0029】
<比較例1>
変色防止剤を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして比較例用の銀系無機抗菌剤分散液を作製した。
【0030】
<比較例2>
増粘剤を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして比較例用の銀系無機抗菌剤分散液を作製した。
【0031】
<比較例3>
分散剤を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして比較例用の銀系無機抗菌剤分散液を作製した。
【0032】
<比較例4>
増粘剤(ア)を0.02質量部(銀系無機抗菌剤100質量部に対して0.05質量部)用いた以外は実施例1と同様にして比較例用の銀系無機抗菌剤分散液を作製した。
【0033】
<比較例5>
増粘剤(イ)を0.2質量部(銀系無機抗菌剤100質量部に対して0.5質量部)用いた以外は実施例1と同様にして比較例用の銀系無機抗菌剤分散液を作製した。
【0034】
<比較例6>
銀系無機抗菌剤を70質量部用いた以外は実施例1と同様にして銀系無機抗菌剤分散液の調製、および増粘剤を5質量部用いた以外は実施例1と同様にして銀系無機抗菌剤分散液の調製を試みたが両方とも粘度が極めて高く分散性が良好な分散液はできなかった。
【0035】
【表1】
【0036】
○各種銀系無機抗菌剤分散液の安定性評価
実施例1〜3および比較例1〜5の銀系無機抗菌剤分散液の分散性について、目視で観察した結果を表2に示した。評価は、分散性が良く沈降しないものを「良好」、沈降があるものを「沈降物あり」、凝集物があるものを「凝集物あり」とした。
実施例1〜3および比較例1〜5の銀系無機抗菌剤分散液を1Lのポリ瓶に入れ、30℃で2ヶ月間静置保存した。その後、上澄み液の高さを測り沈降性を評価した結果も表2に示した。
【0037】
【表2】
【0038】
<実施例4>
○銀系無機抗菌剤分散液を塗料に添加して作製した塗膜の評価
水系UV塗料(アクリル系)99.5質量部に対して実施例1〜3および比較例1〜5の銀系無機抗菌剤分散液を0.5質量部(銀系無機抗菌剤として0.2質量部)添加し、良く攪拌して分散させた。この分散液を20cm×10cmのOHPフィルムに5gのせ、バーコーダー(#60)を用いて均一な塗膜を作製した。塗膜を50℃、10分乾燥して、紫外線を照射し(80W、10m/min、光源からの距離:10cm、3回通過)て塗膜を硬化させ、各抗菌剤添加塗膜を作製した(塗膜1〜3、比較塗膜1〜5)。
また、銀系無機抗菌剤分散液を使用せずに同様の操作を行って、比較対照塗膜を作製した(比較対照塗膜1)。
【0039】
作製した塗膜を5.0cm×5.0cmに切り取り、塗膜の状態、耐光変色性、抗菌力を評価した。その結果を表3に示した。
○塗膜の状態
塗膜の状態は、目視で凝集物などがないかを観察し、凝集物がないものを「良好」、凝集物があるものを「凝集物有り」とした。
【0040】
○耐光変色性評価
耐光変色性はサンシャインウェザーメーター(サンシャインカーボンアーク灯式 JISB 7753)に200時間曝露し、耐光試験前後の色差を測定することにより評価した。
色差(ΔE)は色差計(日本電色工業株式会社製色彩色差計SZ−80)を用いて、耐光試験前の色彩(L1,a1,b1)および試験後の色彩(L2,a2,b2)を測定し、これらの測定値から下式[1]により色差(ΔE)を算出した。
ΔE=[((L1−L2)2+(a1−a2)2+(b1−b2)2)]1/2 [1]
【0041】
○抗菌力試験
抗菌力はJIS Z2801に準拠して評価した。
被検菌には大腸菌を用い、滅菌水を用いて普通ブイヨン培地を500分の1に希釈した溶液に菌数が2.5〜10×105個/mlとなるように調整したものを菌液として用いた。菌液0.4mlを検体表面に滴下し、その上から4.0cm×4.0cmのポリエチレンフィルムを被せ、表面に一様に接触させ、温度35℃、湿度95RH%で24時間保存した。保存開始から0時間後(理論添加菌数)および24時間保存した後に、菌数測定用培地(SCDLP液体培地)10mlで検体上の生残菌を洗い出し、この洗液について、標準寒天培地を用いる混釈平板培養法(37℃2日間)により生菌数を測定して、検体1枚当りの生菌数に換算した。
【0042】
【表3】
【0043】
塗膜3の色差の結果から分かるように、変色防止剤を複数用いたものの方が、単独で用いたものより良好な結果を与えている。
【0044】
<実施例5>
○銀系無機抗菌剤分散液を用いて加工した綿生地の評価
純水100質量部に対して実施例1〜3および比較例1〜5で作製した銀系無機抗菌剤分散液を10質量部(抗菌剤として4質量部含有)、アクリル系バインダー(KB−4900 固形分45%、東亞合成(株)製)を6.7質量部添加した各懸濁液を作成した。この各懸濁液に対し綿100%の生地(生地量100g/m2)をディッピングし、絞り率70%でピックアップし、150℃で乾燥し、試験布(試験布1〜3、比較布1〜5)を得た。
【0045】
○風合い評価
試験布1〜3、比較布1〜5の風合い、色などを手触り、目視で評価した。
変色および肌触りにざらつきのないものを「良好」、変色したものを「変色有り」、肌触りにざらつきまたは目視で凝集物があるものを「凝集物有り」とした。
○洗濯試験
また、洗濯を10回行い、抗菌性を評価した。結果を表4に示す。尚、抗菌性の評価はJIS L 1902−1998の定量試験により評価し、黄色ブドウ球菌で試験した。静菌活性値が2.2以上のものを抗菌性ありとした。洗濯はJISL 0217、103号(但し、JAFFET標準洗剤を使用)に従って行った。
【0046】
【表4】
【0047】
全ての結果を纏めたものを、表5に示す。これによると実施例1〜3の銀系無機抗菌剤分散液は、分散液の安定性、塗装板、繊維に添加したときの全ての面において優れていることが分かる。一方、比較例の分散液はいずれかの項目で不良なところがある。
【0048】
【表5】
【0049】
【発明の効果】
上記の本発明の銀系無機抗菌剤分散液を用いて加工した塗装板および繊維の各評価結果から明らかなように、本発明の銀系無機抗菌剤分散液は、塗料添加時、生地加工時などにおける分散性が良好であるために加工性に優れたものであり、均一な加工が可能である。また、本発明の銀系無機抗菌剤分散液を用いて加工した塗膜、生地などの抗菌性加工製品は優れた抗菌性能を持っている。また、上記の保存安定性評価から本発明の銀系無機抗菌剤分散液は長期保存しても沈降が少なく安定である。
Claims (4)
- 銀系無機抗菌剤、変色防止剤、増粘剤、分散剤および分散媒を含有とする銀系無機抗菌剤分散液であって、銀系無機抗菌剤が銀系無機抗菌剤分散液100質量部に対し5〜60質量部、増粘剤が銀系無機抗菌剤100質量部に対して0.1〜10質量部であることを特徴とする銀系無機抗菌剤分散液。
- 変色防止剤がイミダゾール系化合物または/およびベンゾトリアゾール系化合物とを併用してなることを特徴とする請求項1記載の銀系無機抗菌剤分散液。
- 増粘剤が多糖類であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の銀系無機抗菌剤分散液。
- 請求項1から請求項3それぞれ記載の銀系無機抗菌剤分散液を用いて加工した抗菌加工製品。
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JP2002245923A Pending JP2004083469A (ja) | 2002-08-26 | 2002-08-26 | 銀系無機抗菌剤分散液 |
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---|---|
JP (1) | JP2004083469A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005070212A1 (ja) * | 2004-01-26 | 2005-08-04 | Toagosei Co., Ltd. | 銀系無機抗菌剤分散液 |
JP2007223917A (ja) * | 2006-02-21 | 2007-09-06 | Nippon Chem Ind Co Ltd | 抗菌剤 |
JP2008050276A (ja) * | 2006-08-22 | 2008-03-06 | Nippon Chem Ind Co Ltd | 抗菌剤 |
CN107365721A (zh) * | 2017-06-30 | 2017-11-21 | 陈�峰 | 一种中药发酵剂及其制备方法 |
KR20200031775A (ko) * | 2018-09-17 | 2020-03-25 | 풍림유화공업(주) | 다운용 무기계 항균소취제의 제조방법 및 이를 이용하여 제조되는 무기계 항균소취제 |
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2002
- 2002-08-26 JP JP2002245923A patent/JP2004083469A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005070212A1 (ja) * | 2004-01-26 | 2005-08-04 | Toagosei Co., Ltd. | 銀系無機抗菌剤分散液 |
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KR102112860B1 (ko) * | 2018-09-17 | 2020-05-19 | 풍림유화공업(주) | 다운용 무기계 항균소취제의 제조방법 및 이를 이용하여 제조되는 무기계 항균소취제 |
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