JP6765631B2 - 非水系電解質コイン型電池用正極の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に代表される非水系電解質電池の開発において、正極などの構成要素の評価に使用されるコイン型電池に関し、そのコイン型電池用正極の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池は高いエネルギー密度をもつため、近年小型化や軽量化を要求される携帯電話やノートパソコンのような携帯電子機器に広く使用されており、また自動車用途ではクリーンなエネルギー源として開発が盛んであり、小型、軽量、高容量、高出力などの高性能化や低コスト化が求められている。
このリチウムイオン二次電池に使用される各材料に対する要求、とりわけ正極材料、例えばLiCoO、LiNiOまたはLiMnなどに対する高性能化の開発要求はますます高まっている。これらの開発を迅速かつ低コストで進めるためには評価手段が重要な一つであり、リチウムイオン二次電池正極材の開発における評価方法の重要性は益々高まっている。
具体的な評価方法としては、組成分析やXRD、SEM EDX、XPSなどのいわゆる分析評価方法があるが、電池を実際に作製し電池特性の評価を行ういわゆる電池評価が不可欠である。その中でも特に充放電容量特性は最も重要である。
ところで、リチウムイオン二次電池の基本的な構造は、中央にセパレータを配置し、正極および負極でセパレータを挟みこむように配置し、電解質を満たした電池ケースに収納される構成を有している。リチウムイオン二次電池においては、LiCoOやLiNiO等からなる電極活物質とカーボンブラック等からなる導電材とを含む正極膜が集電体上に形成された正極と、負極活物質を集電体上に形成した負極が用いられている。このリチウムイオン二次電池で充放電を行った場合、電極活物質からLiイオンが吸蔵・放出されるのと同時に、電子が導電材を通して移動することにより、電極反応が進行して充放電が行われる。
また、リチウムイオン二次電池の正極を構成する正極膜の一般的な製造方法は、正極活物質、導電材などをバインダーおよび溶媒と混練してスラリー化した後、前記スラリーを集電体上に塗布した後に乾燥する方法などが用いられている。
このようなリチウムイオン二次電池の充放電測定の際に、二次電池を得るためには、前記正極膜の構造を多孔質にし、正極活物質の電解液に接触する面積を大きくし、Liイオンの拡散性を向上させることと、電極活物質の表面に導電材が均一付着し、導電材が連続的に配置されることで導電ネットワークを形成し、電子伝導性を高めることが重要であり、このような混合状態によって電極活物質と導電材と電解液の接触する領域が多量に存在することになり、電極表面の反応抵抗を低減させて正極材料の特性を引き出す充放電測定を行うことができる。
しかしながら、上記のような正極膜構成物質を混合する際には、一般的には結着剤には、例えば、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)を溶媒のNMP(N−メチル−2−ピロリドン)で溶かしたものなどを使用するため、正極膜構成物質をスラリー化して湿式混練をする必要がある。
この湿式混練は、一般的には撹拌羽根を回転させる混練機などを用いるため、その設計上の理由で混練される物量が、電極膜を作製するために必要な量の数十倍以上が必要になる。さらには混練機の羽根の掃除などのハンドリング時間、そして後工程に混練したスラリーの塗工および乾燥工程などが必要となる。
このため正極材の開発のために迅速に多数の材料評価を行う目的に対して上記正極膜形成方法は費用的にも時間的にも適切とは言えない。少量のサンプルで迅速なハンドリングで正極膜を形成することを目的とする場合は乾式混合することが望ましい。しかし、従来の乳鉢混合やブレードを回転させる混合機を用いた正極膜材料の混合の場合は、導電材の飛散やブレードへの付着による組成ずれを原因とした測定精度の問題があった。
また、従来のボールミルやビーズミルを用いた正極膜材料の混合の場合は、混合後に正極膜構成材料とボールやビーズを篩分けするための工程が増えるだけでなく、正極膜材料がボールや篩へ付着するため、篩下の回収物の混合比がズレるなどの問題を招いていた。
これらの上記問題に対して、特許文献1では、正極活物質と導電材の混合作業性に優れ、かつ正極中における導電材の分散性に優れる非水系電解質二次電池の製造方法として、正極活物質と導電材の混合時の雰囲気を制御することで正極中における導電材の分散性が改善され、その正極を用いた電池の特性も改善される、ことが開示されている。詳しくは、混合工程において、気温25℃における相対湿度40%RH以上の雰囲気中で乾式混合することが提案されており、上記雰囲気として、乾式ボールミル、乾式ビーズミル、ブレード遊星運動型の混合器、容器回転型の遊星運動混合器、擂潰機、ホモジナイザーなどの装置を用いて乾式混合を行い、正極合材を得ることが開示されており、さらに、混合工程で得られた当該正極合材に、溶媒およびバインダーを加えて混練し、正極合材ペーストとする混練工程を加えることができ、混練工程においても、前工程の混合工程で正極材料が均一に良好な分散状態で混合されているため、用いる正極合材では正極材料の凝集が生じることなく、容易に高い分散性を有する状態まで混練することが可能であることが開示されている。
しかし、開発のために迅速に多数の正極材料等の材料評価を行う目的に対して、上記正極膜形成方法ではまだ十分とは言えず、従来のボールミルやビーズミルを用いた正極膜材料の混合の場合は、混合後に正極膜構成材料とボールやビーズ等の媒体を篩分けするための工程が増えるだけでなく、正極膜材料がボールや篩へ付着するため、篩下の回収物の混合比がズレるなどの問題や、ボールやビーズ等の媒体による結着剤の変形が発生する場合があり、その正極を用いた非水系電解質二次電池では、電池特性である放電容量及び正極抵抗が不安定となり、電池間の特性バラツキが現れ、迅速で安定した性能評価が行えない場合があった。
特開2014−103107号公報
そこで、本発明では、正極材等の開発のために迅速に多数の材料評価を行う目的で、少量の正極活物質と、導電材、結着剤を扱う場合の混合作業性に優れ、かつ導電材、結着剤の分散性および混合物の回収性にも優れ、さらに充放電容量測定精度に優れる、非水系電解質コイン型電池用正極の製造方法を提供するものである。
本発明者は、上記課題を解決するために、リチウムイオン二次電池の正極材料の特性評価を目的として、2032型等コイン電池で電池特性評価を行うために、上記コイン型電池用正極を製造する際に、正極膜構成材料を乾式混合して正極合材を得る混合工程で、容器回転型の遊星運動混合機を用い、前記容器に、前記正極活物質と、導電材、結着剤より選ばれた1種以上の材料を投入し、媒体を介在させず、溶媒を添加させずに、乾式混合を行うことによって正極膜構成材料の均一分散性及び得られる正極合材の回収性に優れ、ばらつきの少ない電池特性評価が可能であることを見出し、本発明を完成したものである。
本発明の第1発明は、リチウム遷移金属複合酸化物からなる正極活物質を含む非水系電解質コイン型電池用正極の製造方法であって、その正極活物質と、導電材、結着剤より選ばれた1種以上の助剤からなる正極膜構成材料を、乾式混合して正極合材を得る混合工程と、その正極合材を正極膜に形成する正極膜形成工程とを含み、その混合工程が、遊星運動混合機を用い、容量Vの混合容器にv/Vが2.0〜40.0%の範囲となる体積vの正極活物質と、導電材、結着剤より選ばれた1種以上の助剤からなる正極膜構成材料を投入し、媒体を介在させず、溶媒を添加させずに封入して密封容器を作製した後、その密封容器の公転速度を760rpm以上1000rpm以下とし、その公転速度を1としたときの自転速度が0.44以上、1.00以下の公転自転速度比で表される遊星運動を用いて、乾式混合を行う工程であり、その正極膜形成工程が、正極合材のみを用いてシート状に加工後、正極膜形状に裁断する工程であることを特徴とする非水系電解質コイン型電池用正極の製造方法である。
本発明の第2の発明は、第1の発明における混合工程が、容量Vの容器にv/Vが2.0〜4.0%の範囲となる体積vの前記正極材料を封入して密封容器を作製した後、前記密封容器に対して遊星運動を供する乾式混合を行うことを特徴とする非水系電解質コイン型電池用正極の製造方法である。
本発明の第3の発明は、第1及び第2の発明の遊星運動における自転運動の自転半径が、20〜40mmで、公転運動の公転半径が、50〜150mmであることを特徴とする非水系電解質コイン型電池用正極の製造方法である。
本発明の第4の発明は、第1から第3の発明における非水系電解質コイン型電池が、2032型、あるいは、2016型コイン電池であることを特徴とする非水系電解質コイン型電池用正極の製造方法である。
本発明の非水系電解質コイン型電池用正極の製造方法によれば、正極膜構成材料を乾式混合して正極合材を得る混合工程において、容器回転型の遊星運動混合機を用い、前記容器に、前記正極活物質と、導電材、結着剤より選ばれた1種以上の材料を投入し、媒体を介在させず、溶媒を添加させずに、乾式混合を行うことにより、正極活物質と、導電材、結着剤より選ばれた1種以上の助剤からなる正極膜構成材料分散性が改善され、そのため正極膜中に良好な導電ネットワーク形成が可能であり、正極膜構成材料の分散性が良好なことから導電材や結着剤の凝集体が少なく、極めて表面平滑性に優れた正極を得ることができる。
さらに、媒体を介在させずに混合を行うため、媒体による結着剤の変形が抑制されるため、得られた正極を用いた非水系電解質コイン型電池では、電池特性である放電容量及び正極抵抗等を安定して測定することができ、作製された電池間の特性バラツキが少ない安定した性能を有している。
また、本発明の製造方法によれば、導電材の配合を増加させた場合であっても、正極活物質と導電材の混合作業性に優れることから、正極構成材料の構成条件を替えて、多様な観点から電池特性を評価でき、リチウムイオン二次電池に代表される非水系電解質二次電池の開発に適用可能であり、工業的価値が極めて高いものである。
2032型コイン電池の断面図である。 インピーダンス評価の測定例(ナイキストプロット)と解析に使用した等価回路の概略説明図である。
本発明に係る非水系電解質コイン型電池用正極の製造方法は、リチウム遷移金属複合酸化物からなる正極活物質を含む非水系電解質コイン型電池用正極の製造方法であって、正極活物質と、導電材、結着剤より選ばれた1種以上の助剤からなる正極膜構成材料を乾式混合して正極合材を得る混合工程と、得られた正極合材を正極膜に形成する正極膜形成工程とを含み、上記混合工程では、容器回転型の遊星運動混合機を用い、前記容器に、前記正極活物質と、導電材、結着剤より選ばれた1種以上の材料を投入し、媒体を介在させず、溶媒を添加させずに、乾式混合を行うことを特徴とするものである。
以下、本発明の実施の形態について、(1)正極活物質、(2)導電材、(3)結着剤(バインダー)、(4)負極材料、(5)セパレータ、(6)非水系電解液、(7)非水系電解質コイン型電池、(8)非水系電解質コイン型電池用正極の製造方法、(9)非水系電解質コイン型電池を用いた電池特性評価方法、の順に詳細に説明する。
(1).正極活物質
本発明の電池特性評価に用いる非水系電解質コイン型電池では、評価に用いる正極活物質としては、一般的な非水系電解質二次電池で使用されている正極活物質であればよく、リチウムをドープ・脱ドープする事が可能なリチウム含有遷移金属酸化物が用いられる。例えば、そのようなリチウム含有遷移金属酸化物としては、リチウム含有マンガン酸化物(LiMn等)、リチウム含有コバルト酸化物(LiCoO等)、リチウム含有ニッケル酸化物(LiNiO等)の他、リチウム含有鉄酸化物、リチウム含有クロム酸化物、リチウム含有バナジウム酸化物等、また、これら遷移金属よりなる群から選ばれた少なくとも2種の遷移金属を含有するリチウム含有遷移金属複合酸化物(LiNiCo1−X等、0<x<1)が例示される。また、リチウム以外のアルカリ金属(周期律表の第IA、第IIAの元素)、半金属のAl、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi等を混合しても良い。
非水系電解質二次電池で使用されている正極活物質の公知の技術を用いて、成分組成、粒度、表面性状などの正極活物質の特性に影響する各因子を考慮して作製した正極活物質を適宜用いる。
正極としては、正極活物質の他に、導電材や結着剤(バインダー)より選ばれた1種以上の助剤を混合した正極合材を構成して用いられる。
非水系電解質コイン型電池を用いて正極活物質等の評価を行うにも、これらの助材の影響を受けることから適正なものを適宜選択して評価用電池を作製する必要がある。
(2)導電材
本発明の電池特性評価に用いる非水系電解質コイン型電池で用いる導電材は、正極活物質粒子間の電気伝導性を高め、正極の充放電反応を効率的に行うためのものであり、一般的な非水系電解質二次電池で使用されている導電材であればよく、例えば、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛など)やアセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)などのカーボンブラック系材料などの炭素材料を単体、もしくは複合して用いることができる。
(3)結着剤(バインダー)
本発明の電池特性評価に用いる非水系電解質コイン型電池で用いる結着剤(バインダー)としては、正極活物質粒子をつなぎ止める役割を果たすもので、一般的な非水系電解質二次電池で使用されているものであればよく、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ素ゴムなどの含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの熱加塑性樹脂、エチレンプロプレンジエンゴム、スチレンブタジエン、セルロース系樹脂、ポリアクリル酸などを用いることができる。
(4)負極材料
本発明の電池特性評価方法に用いる非水系電解質コイン型電池を構成する際には、負極材料として、金属リチウム、リチウムを主成分とする合金等を使用することが好ましい。上記金属リチウム、あるいは、リチウムを主成分とする合金箔を、打ち抜くことで負極膜を得ることができる。
(5)セパレータ
本発明の電池特性評価方法に用いる非水系電解質コイン型電池を構成する際には、正極となる正極膜と負極となる負極膜との間にセパレータを挟み込んで配置し、電解質を満たした電池ケースに収納される。
上記セパレータは、正極と負極とを分離し電解質を保持するものであり、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの薄い樹脂膜で、微小な穴を多数有する樹脂膜を用いることができる。ただ、これらの樹脂膜は撥油性が高いため抵抗評価結果のばらつき原因となる。
この問題に対しては、電解液の吸液性が高いガラス繊維を用いることで、その厚みは樹脂膜より厚いが、短時間に電極内部または電極間に十分な電解質の供給が可能となり、安定した電池評価をすることができるため好ましい。
またセパレータの厚みが厚くなると、正極と負極の間の距離が広くなるため、20〜1000μmであることが好ましく、50〜800μmであることがより好ましい。
(6)非水系電解液
本発明の電池特性評価方法に用いる非水系電解質コイン型電池を構成する際には、非水系電解液としては、支持塩としてのリチウム塩を有機溶媒に溶解したものを用いることが好ましい。
有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート等の環状カーボネート、また、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート、さらにテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル化合物、エチルメチルスルホン、ブタンスルトン等の硫黄化合物、リン酸トリエチル、リン酸トリオクチル等のリン化合物等から選ばれる1種を単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。
支持塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiN(CFSO等、およびそれらの複合塩を用いることができる。さらに非水系電解液は、ラジカル補足剤、界面活性剤および難燃剤等を含んでいてもよい。
(7)非水系電解質コイン型電池
以上説明してきた正極活物質、導電材、結着剤より選ばれた1種以上の助剤から構成される正極、負極、セパレータ及び非水系電解液で構成される本発明に係わる非水系電解質コイン型電池の形状は、2032型、あるいは、2016型コイン電池であることが、作製の容易さ、評価の再現性などから望ましい。
図1には2032型コイン電池の断面図を示す。図1に示すように、2032型コイン型は、中空かつ一端が開口された正極缶6と、この正極缶6の開口部に配置される負極缶7により形成される電池筐体の内部空間に収容された正極1、セパレータ3、負極2の順に並ぶように積層された電極部8と、その電極部8に含浸されている所定の非水系電解液から構成されている。この電極部8は、正極缶6の内面に正極1の集電体部が接触し、負極缶7の内面にウェーブワッシャー5を介して負極2の集電体部が接触するように、電池筐体に収容されている。なお、正極1及び負極2は、膜径φの正極膜、膜径φの負極膜の各々の片面に集電体を備えた構造となっている。
さらに、正極缶6と負極缶7は、組み合わせて電池筐体を形成する際に、外周端部に備えられるガスケット4によって、正極缶6と負極缶7との間が非接触の状態を維持するように相対的な移動が固定されている。また、ガスケット4は、正極缶6と負極缶7との隙間を密封して電池筐体内と外部との間を気密液密に遮断する機能も有している。
(8)非水系電解質コイン型電池用正極の製造方法
これまで説明してきた電池特性評価に用いる非水系電解質コイン型電池の作製方法についてさらに詳しく説明する。
本発明における作製方法は、少なくとも正極作製工程と、負極作製工程と、電極部形成工程と、電池組み立て工程を含み、その他公知の非水系電解質コイン型二次電池の作製工程に準拠して行われる。
[正極作製工程]
正極作製工程は、正極活物質と、導電材や結着剤より選ばれた1種以上の助材を均質に混ぜ合わせて、正極膜の基材となる正極活物質や助材が均質に分散した状態の正極合材を作製する混合処理を行う。
この混合処理には、乾式混合方式を用い、混合装置として遊星運動型混合機を使用することが必要である。遊星運動型混合機としては、ブレード遊星運動型の混合機、容器回転型の遊星運動混合機、などの遊星運動できるものである、特に容器回転型の遊星運動混合機を用いることが均質な正極合材を得る上で好ましい。
この容器回転型の遊星運動混合機は、短時間で均一な混合が可能であり、容器の遊星運動においては、公転速度および自転速度を調整可能なものが好ましく、この公転自転速度比を調整することにより、高い生産性で均一な混合物を得られることができる。
前記遊星運動型混合機を用いて行う乾式混合において、前記混合容器の公転速度を760rpm以上1000rpm以下とし、前記公転速度を1としたときの自転速度が0.44以上1.00以下の公転自転速度比で表される遊星運動を用いることが好ましい。760rpmより回転数を下げると均一な撹拌混合に時間を要し、安定した電池特性を得られない。1000rpmより回転数を上げると正極合材の混じり合いが難しくなる。
また、公転半径は50〜150mm、一方自転半径は20mm以上40mm以下の範囲において、上記公転速度、自転速度と相まって、良好な混合を供するものである。
この方法で得られた正極合材を用いてコイン型電池を作製すれば、当該コイン型電池で評価する電池特性を精度よく安定して得ることができる。
その理由としては、混合容器に投入された正極膜を構成する材料はそれぞれの性状が異なるが、これらの全体を容器の中で動きを持たせて均一に混合し、なおかつ容器の壁と投入材料の接触部においてせん断力を得ることにより嵩高く凝集しやすい導電材(例えばカーボン粉末)及び凝集しやすい結着剤粉末を均一に分散させることができるからと考えられる。
特に粉末結着剤を用いる場合にビーズやボールなどの媒体を用いる場合は、媒体による結着剤の変形により凝集が顕著となり、また混合後に媒体と混合物を分けるための篩工程が必要となり作業効率が低下し、さらにはこれらの物体への付着によって混合比のズレが生じる危険性が高くなるため、好ましくない。
ビーズやボールなどの媒体を用いないで混合機が公転運動だけの場合は正極膜を構成する材料が回転運動の外側方向に位置する容器内壁に遠心力で押し付けられた状態になり、材料の動きはわずかとなり、せん断力も働きにくくなり材料同士が混ざり難くなる。また自転運動だけの場合は内壁と接触する部分の材料にせん断力が与えられるが、投入した材料全体の動きはわずかであり均一に混合する事は難しい。
そこで、本発明では、作業効率を向上させるため遊星運動型混合機を用いることで、ビーズやボールなどの媒体を使用しなくても、嵩高く凝集しやすいカーボン粉末や結着剤と活物質を一様に混合することができ、特に上記の遊星運動は条件を適切に選ぶことで効果的に混合を実施することができる。
遊星運動の各回転数に関しては、先ず公転数(公転速度)が大きすぎる場合は、遠心力による回転外側向きへの押し付けが大きくなり混ざりが悪くなり、混ざりを良くするために自転数(自転速度)を大きくしてせん断を加えると、結着剤の変形が大きくなり部分的な凝集をもたらし、さらには導電材にアセチレンブラックなどの2次粒子形状をもつ粉末を使用する際にはその2次粒子構造を切断し、正極膜の電子電導性や多孔質構造を破壊し正極の抵抗が高くなってしまう。
一方で公転数(公転速度)が低すぎる場合や自転数(自転速度)が低すぎる場合は、前述の公転運動のみや自転運動のみの混合について記載したのと同様の結果となり好ましくない。
さらに、容器の容量Vと正極材料の体積vの関係も良好な正極合材を得るには重要で、容器容量Vに対する正極材料の体積vの割合(v/V)は、2.0〜40.0%の範囲、より望ましくは2.0〜4.0%の範囲で正極材料を容器に密封することが望ましく、その2.0%未満及び40.0%を超える範囲では要求される特性の全てを満足した正極合材の混合物が得られないためである。
この混合方法によって、導電材の凝集を抑え、更には、結着剤の変形や凝集をも抑え、良好な均一性、分散性を得ることができる。
さらに、正極合材を作製した後、プレス機により板状とし、打ち抜いて正極膜を作製して正極とすることが簡便で好ましい。また、評価用電池として、2032型コイン電池を作製する場合には、正極の大きさは、直径8〜14mm、0.3〜0.8mm程度の厚みが好ましく、負極より面積が小さいものが好ましい。その重さは65〜85mg程度のものを用いることが好ましい。
上記正極合材に溶媒を加えて混練し正極合材ペーストとする混練工程を加えることもできる。
付加される混練工程で用いられる溶媒は、バインダーを溶解するとともにペースト化する作用を有するものであり、一般的な非水系電解質二次電池で使用されているものであればよく、例えば、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)、メチルエチルケトン、トルエン等の有機溶媒を用いることができる。
さらに、前記混合工程と同様に、電池性能を向上させ、あるいは安定化させるため、必要に応じてその他の材料を追加することができる。
このような電池性能を改善する材料は、混合工程および混練工程のいずれで添加してもよく、各工程における作業性を考慮して添加すればよい。
混練工程における各材料の配合比は、後工程である正極膜形成工程における塗布性や電池の使用適性に応じて任意に調整することが可能であるが、溶媒を除いたペースト中の固形分の全質量を100質量%とした構成比率は、正極活物質が60〜96質量%、導電材が2〜20質量%、バインダーが1〜20質量%とすることが好ましい。このような配合比は正極合材から直接、正極を形成する際にも好ましく用いられる。
また、混練時に用いる溶媒の含有量は、バインダー中に含まれる溶媒分と合わせて全ペーストに対して30〜50質量%とすることが好ましい。その際のペースト粘度は、25℃において、10000cP以下とすることが好ましく、2000〜5000cPとすることがより好ましい。これにより、ペースト中において電極活物質および導電材を均一に分散させることができるとともに、ペーストを塗布することによって得られる正極の厚みを均一にできる。
混練工程に用いられる混練装置は、一般的な非水系電解質二次電池の正極の製造で使用されているものであればよく、例えば、ブレード遊星運動型の混練機、容器回転型の遊星運動混練機、ホモジナイザー、などが挙げられる。
前記混合工程で得られた正極合材、あるいはさらに付加された混練工程を経て得られた正極合材ペーストを、正極膜形成工程に提供することにより正極が形成される。
前記正極合材を用いて正極を成形する際には、シート状に加工されるが、必要に応じ、電極密度を高めるべくロールプレス等により加圧してもよい。シート状の正極は、目的とする電池に応じて適当な大きさに裁断等し、電池の作製に供することができる。
このようにして得られる正極膜は、その作製が簡易且つ迅速であり、迅速な電池作製が求められる評価用電池の作製に好適である。その際には、正極膜中に含まれる正極活物質を負極と対向する正極面積あたり、50〜60mg/cmの範囲で制御することが好ましい。
[負極作製工程]
負極作製工程では、上記した、負極に用いる、金属リチウム箔、あるいは、リチウムを主成分とする合金箔を、打ち抜くことで負極を得ることが好ましい。
[電極部作製工程]
電極部作製工程では、セパレータを介して正極膜と負極膜を、前記正極膜が負極膜の外周からはみ出ないように対向配置し、正極とセパレータと負極とからなる電極部を形成する工程である。
これらの正極作製工程及び負極作製工程で作製される正極膜、負極膜は、その両者が対向配置された場合の向き合う各面の形状が、円形若しくは回転対称軸を有する平面形状で、その正極膜径(φ)と負極膜径(φ)との寸法比(φ/φ)を、0.80〜0.90の範囲となるように関連付けられて作製、組み合わされることが好ましい。
この正極膜と負極膜の電極サイズ比を、0.80〜0.90の範囲内で制御することにより、交流インピーダンス測定で得られる正極反応抵抗の円弧と負極反応抵抗の円弧の分離が可能で、正極だけの反応抵抗値を得ることができる。また、正極膜のサイズを小さくした方が組立の配置ズレを抑制することができる。
正極膜と負極膜の電極サイズ比が、0.80未満になると、正極膜サイズが小さくなることから組立の配置ズレが生じにくくなるが、インピーダンス測定で得られる正極反応抵抗及び負極反応抵抗が1つの円弧となり、正極だけの反応抵抗値の分離ができない問題が発生する。
また正極膜と負極膜の電極サイズ比が0.90を超えると、インピーダンス測定で得られる反応抵抗の分離はできるが、正極膜と負極膜のサイズがほぼ同じ径となり、組立の配置ズレが生じやすくなり、抵抗のバラつきが大きくなる。
さらに、その電極サイズ比による効果を十分に得るには、電池の電極部として組み込まれた時に、セパレータを介して対向配置される正極膜と負極膜の各対向面の形状も影響を与えることを見出している。即ち、各対向面は相似形であり、円形が望ましく、さらに回転対称軸を有する平面形でも良い。
このように各対向面の形状を限定することにより、電極部(図1、符号8)を構成した際に正極膜と負極膜の対向面での配置ズレの抑制ができ、且つ正極膜が負極膜からはみ出ないように配置することが容易になり、反応抵抗のバラツキを抑える効果を示す。
また、正極膜は負極膜からはみ出ないように配置することが望ましい。なお、向き合う各面は相似形であることが電極部の作製には容易であり好ましいが、正極膜が負極膜の外周からはみ出さないという条件を満たしていれば異形であっても良い。
[電池組み立て工程]
電池組み立て工程は、図1に示すように電池筐体を構成する凹形の断面を有する正極缶6の凹形底部に、電極部8を配置する電極部設置処理を有している。
この電極部設置処理は、先の正極膜径(φ)と負極膜径(φ)との寸法比(φ/φ)と共に、本発明の特性評価用コイン型電池の特性を満たす上で重要な条件である。
本発明においては、正極膜径(φ)と、その具体的な間隔である正極膜とガスケット4壁との空隙量(電極/筐体空隙量:B)との比(φ/B)が、1.5〜2.3の範囲であれば、上記他の特徴と相まって電池間のバラツキを抑制する効果をもたらすものである。なお、正極缶内側の空間形状は、上記関係から正極膜、負極膜の対向面形状と相似形を成す形状であることが望ましいが、円形(即ち、空間形状が円筒形形状)でも良い。
(9)非水系電解質コイン型電池を用いた電池特性評価方法
上記非水系電解質コイン型電池の製造方法により得られた非水系電解質コイン型電池を用いて、以下の方法で電池特性評価ができるが、測定条件を限定するものではない。
[初期充放電容量]
初期放電容量の測定には,マルチチャンネル電圧/電流発生器(株式会社アドバンテスト製、R6741A)を用いる。
まず、コイン型電池を作製してから12時間以上放置する。開回路電圧OCV(Open Circuit Voltage)が安定した後、正極に対する電流密度を0.4mA/cm2としてカットオフ電圧4.3Vまで充電し、1時間の休止後、カットオフ電圧3.0Vまで定電流放電させる。そして、カットオフ電圧3.0Vまで放電させたときの容量を初期放電容量とする。
[交流インピーダンス測定]
正極抵抗は、以下の方法で算出する。
まず、コイン型電池を充電電位4.0Vで充電して、1.6mA−0.2mAの電流で定電流定電圧充電をおこなった。
その後、周波数応答アナライザおよびポテンショガルバノスタット(ソーラトロン製、1255B)を使用して交流インピーダンス法により測定し、図2に示すナイキストプロットを得る。
この図2に示すナイキストプロットは、溶液抵抗、負極抵抗とその容量、および、正極抵抗とその容量を示す特性曲線の和として表しているため、このナイキストプロットに基づく等価回路を用いてフィッティング計算を行い、正極反応抵抗の値を算出する。なお、正極抵抗は充電直後の交流抵抗値を1.00とした相対値を評価値とする。
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
1.正極膜の作製
正極活物質として粒径10μmのLiNiOを0.700g、導電材となるカーボン粉末としてアセチレンブラック粉末を、結着剤であるポリテトラフルオロエチレンと、重量比2対1に混ぜ合わせたもの0.300gを、ポリエチレンの円筒型容器(内径57mm、容量V:150cm)に投入して中蓋を閉めて密閉した。その時のv/Vは3.8%であった。その後遊星混合機に取り付けて混合した。
使用した遊星混合機は、倉敷紡織株式会社製「KK−250S」(公転半径:80mm、自転半径28.5mm)を用い、公転速度を760rpm、自転速度を334rpm、60秒の混合時間の条件で、混合を実施した。
混合後、形成した混合物を回収し、その回収重量を秤量した後に、混合物を70mg秤量して直径12mmの正極膜に加工した。
2.負極の作製
負極板として、厚み1.0mmの金属リチウムを、直径14mmに打ち抜いた円形板を用いた。
3.コイン電池の作製
上記の材料を用いて露点−30℃未満のグローブボックス中で、2032型コイン電池を作製した。セパレータにはポリプロピレン製の多孔質樹脂膜を用いた。電解液は、電解質LiPFを1モル/L含有するエチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)の等量混合液(容積比でEC/EMC/DMC=3/4/3)を用いた。
4.評価
(混合性評価)
混合工程の作業負荷、ビーズと混合物の篩分け作業や容器や篩そしてビーズなどの洗浄工程の有無などを考慮した総合的な混合作業全体の負荷を評価した。
(混合物回収率)
正極膜構成物質の混合後に容器から混合物を回収した重量から回収率を求めた。
(電池特性評価)
上記の材料を用いた2032型コイン型電池の電池特性を評価した。
充放電測定条件は、1mAの電流で4.2Vの電圧までの定電圧充電を行い、4.2Vで低電圧充電(電流値が0.1mAで充電終了)した後、1mAの定電流で3.0Vまで放電を行った。
正極抵抗は、コイン型電池を充電電位4.1Vで充電して、周波数応答アナライザおよびポテンショガルバノスタット(ソーラトロン製、1255B)を使用した交流インピーダンス法による測定により、ナイキストプロットが得られた。このナイキストプロットは、溶液抵抗、負極抵抗とその容量、および、正極抵抗とその容量を示す特性曲線の和として表しているため、このナイキストプロットに基づき等価回路を用いてフィッティング計算を行い、正極抵抗の値を算出した。なお正極抵抗は実施例1を100とした相対値を評価値とした。
評価結果は表1にまとめた。
正極膜の構成物質を遊星混合機で混合する際に公転速度を760rpm、自転速度を760rpm、で実施したことを除いて実施例1と同等である。
正極膜の構成物質を遊星混合機で混合する際に公転速度を1000rpm、自転速度を550rpm、で実施したことを除いて実施例1と同等である。
正極膜の構成物質を遊星混合機で混合する際に公転速度を1000rpm、自転速度を1000rpm、で実施したことを除いて実施例1と同等である。
正極膜の構成物質の量を実施例1の10倍にしたことを除いて実施例1と同等である。
(比較例1)
正極膜の構成物質を遊星混合機で混合する際に公転速度を640rpm、自転速度を352rpm、で実施したことを除いて実施例1と同等である。
(比較例2)
正極膜の構成物質を遊星混合機で混合する際に公転速度を640rpm、自転速度を640rpm、で実施したことを除いて実施例1と同等である。
(比較例3)
正極膜の構成物質を遊星混合機で混合する際に公転速度を1240rpm、自転速度を682rpm、で実施したことを除いて実施例1と同等である。
(比較例4)
正極膜の構成物質を遊星混合機で混合する際に公転速度を1240rpm、自転速度を1240rpm、で実施したことを除いて実施例1と同等である。
(比較例5)
正極膜の構成物質を遊星混合機で混合する際に公転速度を760rpm、自転速度を251rpm、で実施したことを除いて実施例1と同等である。
(比較例6)
正極膜の構成物質を混合する際に、乳鉢上で該構成物質を配置し、乳棒を用いて600秒間混合したことを除いて実施例1と同等である。
(比較例7)
正極膜の構成物質を混合する際に、該構成物質をステンレス製のビーカーに入れ、続いて該ビーカーへジルコニア製の直径2mmのビーズを15g投入し、ステンレス製の薬匙を用いて180秒間混合し、篩を用いて正極材構成物質をビーズから分離し、該材料を回収したことを除いて実施例1と同等である。
(比較例8)
正極膜の構成物質を混合する際に、ジルコニア製の直径2mmのビーズを15gと一緒に円筒型容器に投入し中蓋をしめ密閉し遊星混合機に取り付けて撹拌混合した。
遊星混合機は公転速度を760rpm、自転速度を334rpm、混合時間を60秒で実施した。混合後に篩を用いて正極材構成物質をビーズから分離し、該材料を回収したことを除いて実施例1と同等である。
表1の結果から、本発明の実施例1〜5では、ビーズやボールを使用しなくても、混合時間を短縮し、混合性を示す電池特性評価で良好な結果を得ることができた。
一方、公転速度や公転と自転の速度比が本発明の範囲から外れると、電池特性評価が悪化したり、混合時間、作業性が悪化するため見劣りした。また、比較例8では、遊星運動を用いた乾式混合をしているが、媒体を使用しているため回収率が悪化し、電池特性のばらつきが大きくなっている。
Figure 0006765631
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 ガスケット
5 ウェーブワッシャー
6 正極缶
7 負極缶
8 電極部
φ 正極膜径
φ 負極膜径
電極/筐体空隙量(正極膜とガスケット壁との空隙量)

Claims (4)

  1. リチウム遷移金属複合酸化物からなる正極活物質を含む非水系電解質コイン型電池用正極の製造方法であって、
    前記正極活物質と、導電材、結着剤より選ばれた1種以上の助剤からなる正極膜構成材料を、乾式混合して正極合材を得る混合工程と、
    前記正極合材を正極膜に形成する正極膜形成工程とを含み、
    前記混合工程が、遊星運動混合機を用い、容量Vの混合容器にv/Vが2.0〜40.0%の範囲となる体積vの前記正極活物質と、導電材、結着剤より選ばれた1種以上の助剤からなる正極膜構成材料を投入し、媒体を介在させず、溶媒を添加させずに封入して密封容器を作製した後、前記密封容器の公転速度を760rpm以上1000rpm以下とし、前記公転速度を1としたときの自転速度が0.44以上、1.00以下の公転自転速度比で表される遊星運動を用いて、乾式混合を行う工程であり、
    前記正極膜形成工程が、前記正極合材のみを用いてシート状に加工後、前記正極膜形状に裁断する工程であることを特徴とする非水系電解質コイン型電池用正極の製造方法。
  2. 前記混合工程が、容量Vの容器にv/Vが2.0〜4.0%の範囲となる体積vの前記正極材料を封入して密封容器を作製した後、前記密封容器に対して遊星運動を供する乾式混合を行うことを特徴とする請求項1に記載の非水系電解質コイン型電池用正極の製造方法。
  3. 前記遊星運動の自転運動の自転半径が、20〜40mmで、
    前記公転運動の公転半径が、50〜150mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の非水系電解質コイン型電池用正極の製造方法。
  4. 前記非水系電解質コイン型電池が、2032型、あるいは、2016型コイン電池であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水系電解質コイン型電池用正極の製造方法。
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