JP6759538B2 - 駐車支援装置及び駐車支援方法 - Google Patents
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Description
したがって、電動パワーステアリングの舵角と実際のタイヤ角との間の応答遅れが生じると、破線で示す目標経路RTXRに対して実線で示す実経路(移動経路RTXRP)となり、本来であれば不要な切り返しが増えてしまうという虞があった。
上記構成によれば、電動パワーステアリングの舵角と実際のタイヤ角との間の応答遅れに起因する目標経路と実経路との間のずれを抑制し、確実に駐車支援を行える。
上記構成によれば、車体速度に対応する路面−タイヤ間トルクに従って最適な目標経路と実経路との間のずれを抑制できる。
上記構成によれば、電動パワーステアリングの舵角と実際のタイヤ角との間の応答遅れに起因する目標経路と実経路との間のずれを抑制し、確実に駐車支援を行える。
図2は、実施形態の車両の例示的な平面図(俯瞰図)である。
図1に例示されるように、車体2は、不図示の乗員が乗車する車室2aを構成している。車室2a内には、乗員としてのドライバーの座席2bに臨む状態で、操舵部4や、加速操作部5、制動操作部6、変速操作部7等が設けられている。
操舵部4は、例えば、ダッシュボード24から突出したステアリングホイールであり、加速操作部5は、例えば、ドライバーの足下に位置されたアクセルペダルであり、制動操作部6は、例えば、ドライバーの足下に位置されたブレーキペダルであり、変速操作部7は、例えば、センターコンソールから突出したシフトレバーである。なお、操舵部4や、加速操作部5、制動操作部6、変速操作部7等は、これらには限定されない。
また、車室2a内には、表示装置8とは別の表示装置12(図3参照)が設けられている。
図3に例示されるように、表示装置12は、例えば、ダッシュボード24の計器盤部25に設けられ、計器盤部25の略中央で、速度表示部25aと回転数表示部25bとの間に位置されている。表示装置12の画面の大きさは、表示装置8の画面(図1)の大きさよりも小さい。この表示装置12には、主として車両1の駐車支援に関する情報を示す画像が表示されうる。表示装置12で表示される情報量は、表示装置8で表示される情報量より少なくてもよい。表示装置12は、例えば、LCDや、OELD等である。なお、表示装置8に、表示装置12で表示される情報が表示されてもよい。
図4に例示されるように、車両1は、少なくとも二つの車輪3を操舵する電動パワーステアリングシステム(以下、単にEPSという)13を有している。EPS13は、アクチュエータ13aと、トルクセンサ13bとを有する。EPS13は、ECU14(electronic control unit)等によって電気的に制御されて、アクチュエータ13aを動作させる。以下の説明においては、EPS13は、電動パワーステアリングシステムや、SBW(steer by wire)システム等である。EPS13は、アクチュエータ13aによって操舵部4にトルク、すなわちアシストトルクを付加して操舵力を補ったり、アクチュエータ13aによって車輪3を転舵したりする。この場合、アクチュエータ13aは、一つの車輪3を転舵してもよいし、複数の車輪3を転舵してもよい。また、トルクセンサ13bは、例えば、ドライバーが操舵部4に与えるトルクを検出する。
車内ネットワーク23は、例えば、CAN(controller area network)として構成されている。ECU14は、車内ネットワーク23を通じて制御信号を送ることで、EPS13、ブレーキシステム18等を制御することができる。また、ECU14は、車内ネットワーク23を介して、トルクセンサ13b、ブレーキセンサ18b、舵角センサ19、測距部16、測距部17、アクセルセンサ20、シフトセンサ21、車輪速センサ22等の検出結果や、操作入力部10等の操作信号等を、受け取ることができる。
図5は、第1実施形態のECUにおけるEPS制御機能の機能構成ブロック図である。
第1実施形態のECU14におけるEPS制御機能200は、図5に示すように、駐車支援時における車体速度CV、車体加速度CA及び走行距離(駐車支援中の車両の移動距離)CLを出力する自車位置推定部201と、車体速度CV及び車体加速度CAに基づいてEPS13の動作タイムラグに起因するEPS遅れ分の移動距離不足量MEを算出するEPS遅れ分移動距離算出部202と、車体速度CVに基づいてタイヤの向き変更の動作タイムラグに起因するタイヤ遅れ分の移動距離不足量MTを算出するタイヤ遅れ分移動距離算出部203と、移動距離CLに移動距離不足量ME及び移動距離不足量MTを加算して経路補正フィードフォワードデータRFFを出力する第1加算部204と、を備えている。
図6は、実施形態の概要処理フローチャートである。
本第1実施形態の動作説明においては、前進誘導並列後退入庫を例として説明する。
まず、ECU14は、駐車可能領域検出(障害物検出)を行う(ステップS11)。
図7は、駐車可能領域検出の説明図である。
図8は、障害物の反射部の説明図である。
ここでは、理解の容易のため、車両1の左側方における駐車可能領域301の検出方法について説明する。
ECU14は、障害物に対応する出力データが第一の所定長さに相当する期間以上出力され、且つ、その後、車両1が駐車可能な領域として必要な最小幅に相当する第二の所定長さ以上の期間、障害物が存在しない(障害物までの距離が、車両の駐車に必要な車両前後方向の長さ以上の場合を含む)場合に対応する出力データが出力された場合、駐車可能領域301が存在すると判断する。
ステップS12の判別において、未だ操作部14gを介して駐車支援モードへの移行指示がなされていない場合には(ステップS12;No)、待機状態となる。
ステップS12の判別において、操作部14gを介して駐車支援モードへの移行指示がなされた場合には(ステップS12;Yes)、ECU14は、経路計画部206として機能し、車両1の移動目標位置(駐車目標位置)305を決定する(ステップS13)。
続いて、ECU14は、経路計画部206として機能し、車両1の移動目標位置305への目標経路RTXを設定して設定移動経路データSRを第1経路補正部207及び第2経路補正部210に出力する(ステップS14)。
図10においては、説明の簡略化のため、操舵部4としてのステアリングホイールの切り返し位置が一カ所の移動経路である場合について説明する。
そして、例えば、後輪3Rの車軸の中点位置が、移動目標位置(駐車目標位置)305内の移動目標地点P3に至るように制御される。
続いてECU14は、EPS遅れ分移動距離算出部202として機能し、車体速度CV及び車体加速度CAに基づいてEPS13の動作タイムラグに起因するEPS遅れ分の移動距離不足量MEを算出する。
図11は、路面とタイヤとの間のトルクの説明図である。
したがって、路面−タイヤ間トルクTRTは、図10に示すように、車体速度が高くなるに従って、U字形状をなして変化することとなる。
そこで、本実施形態においては、路面とタイヤとの間に発生する路面−タイヤ間トルクTRTと、タイヤの応答遅れ分の移動量と、の間に相関があるとして、タイヤ遅れ分の移動距離不足量MTは、例えば、図12に示すように、車体速度=28cm/s以下においては、タイヤ遅れ分の移動距離不足量MT=50mmとし、車体速度=140cm/s以上においては、タイヤ遅れ分の移動距離不足量MT=30mmとし、車体速度=28〜140cmの範囲においては、車体速度に比例する距離とし、例えば、車体速度84cm/sでは、タイヤ遅れ分の移動距離不足量MT=40mmとなるようにしている。
このようにすることにより、タイヤ遅れ分の移動距離については、実効的にキャンセル可能となっている。
さらにECU14は、第2加算部205として機能し、移動距離CLに移動距離不足量MTを加算して経路補正フィードバックデータRFBとして出力する。
そして、ECU14は、PI制御部214として機能し、算出した偏差SBに基づいて舵角データWAのPI(比例積分)制御を行うためのフィードバックデータFBを生成し出力する。
図13に示すように、EPS制御データECは、経路計画部206が生成し、出力した駐車支援時の車両1の目標経路RTX(図10参照)に相当する設定移動経路データSRに対応する舵角変化カーブ(目標舵角変化カーブ)に対して、EPS13の応答遅れ分及びタイヤ角の応答遅れ分を見越した時間tf(=可変値)だけ早く出力される舵角変化カーブ(先出し目標舵角変化カーブ)に相当するものとなっている。
まず、ECU14は、車両1が移動経路に沿って移動目標位置である駐車目標位置へ移動するよう、車両1の各部を制御するために、自動操舵を行う自動操舵モードを開始する(ステップS21)。
続いて、移動制御部145は、自車位置を検出する(ステップS22)。
具体的には、ECU14による自車位置の検出は、舵角センサ19により検出された操舵部4の操舵量及び車輪速センサ22により検出された車速に基づいて初期位置P1からの移動量である距離及び方向を算出して検出することとなる。
表示装置12の表示画面は、大別すると、駐車支援に関する各種情報を表示する駐車支援情報表示領域12Aと、予め選択された各種情報を表示する選択情報表示領域12Bと、オドメータあるいはトリップメータの情報を表示可能な走行距離情報表示領域12Cと、を備えている。
図16に示すように、第1実施形態によれば、駐車支援を行う場合に、設定した目標経路RTXに対応する車両1の実際の移動経路RTXRは、EPS13の応答遅れが存在したり、路面状況等により上述した路面とタイヤとの間に発生する路面−タイヤ間トルクTRT等が変化したりしても、実質的に目標経路RTXに等しくなり、従来技術における実際の移動経路RTXRPのように駐車位置がずれてしまうことはなく、確実に移動目標位置305内に駐車を行うことができる。
すなわち、EPS13の舵角と実際のタイヤ角との間の応答遅れに起因する目標経路と実経路との間のずれを抑制し、確実に駐車支援を行うことができる。
図17は、第2実施形態のECUにおけるEPS制御機能の機能構成ブロック図である。
図17において、図5の第1実施形態と異なる点は、EPS13の応答遅れに関するフィードフォワード処理を行っていない点である。
図17において、図5と同様の部分には、同一の符号を付すものとする。
第2実施形態のECU14におけるEPS制御機能200Aは、図17に示すように、駐車支援時における車体速度CV及び移動距離(駐車支援中の車両の移動距離)CLを出力する自車位置推定部201Aと、車体速度CVに基づいてタイヤの向き変更の動作タイムラグに起因するタイヤ遅れ分の移動距離不足量MTを算出するタイヤ遅れ分移動距離算出部203と、移動距離CLに移動距離不足量MTを加算して経路補正フィードフォワードデータRFFAを出力する第1加算部204Aと、を備えている。
図18は、第3実施形態のECUにおけるEPS制御機能の機能構成ブロック図である。
図18において、図5の第1実施形態と異なる点は、タイヤの向き変更の動作タイムラグに起因するタイヤ遅れに関するフィードフォワード処理及びフィードバック処理を行っていない点である。
図18において、図5と同様の部分には、同一の符号を付すものとする。
第3実施形態のECU14におけるEPS制御機能200Bは、図18に示すように、駐車支援時における車体速度CV、車体加速度CA及び移動距離CLを出力する自車位置推定部201と、車体速度CV及び車体加速度CAに基づいてEPS13の動作タイムラグに起因するEPS遅れ分の移動距離不足量MEを算出するEPS遅れ分移動距離算出部202と、移動距離CLにEPS13の動作タイムラグに起因するEPS遅れ分の移動距離不足量MEを加算して経路補正フィードフォワードデータRFFBを出力する第1加算部204Bと、を備えている。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図19は、並列後退入庫における駐車支援の説明図である。
図20は、縦列後退入庫における駐車支援の説明図である。
図21は、縦列前進出庫における出庫支援の説明図である。
例えば、図19に示した並列後退入庫、図20に示した縦列後退入庫及び図21に示した縦列前進出庫の場合であっても、適用が可能である。
、206…経路計画部、207、207A…第1経路補正部、208…舵角マップ、209…なまし処理部、210…第2経路補正部、211…舵角マップ、212…なまし処理部、213…減算部、214…PI制御部、215…第3加算部、216…変化量調整部、ME…移動距離不足量、MT…移動距離不足量、RTX…目標経路、RTXR…移動経路。
Claims (6)
- 電動パワーステアリングを備えた車両の駐車支援時に前記車両の移動経路を設定する設定部と、
前記設定された移動経路に基づいて、前記電動パワーステアリングの出力舵角と実際のタイヤ角に対するタイヤの応答遅れを予め考慮した舵角変化カーブに相当する制御データを生成する生成部と、
前記制御データに基づいて、前記電動パワーステアリングの制御を行う制御部と、を備え、
前記生成部は、前記電動パワーステアリングの応答遅れに起因する前記車両の移動距離不足量を算出する第1算出部と、
タイヤ角に対するタイヤの応答遅れに起因する前記車両の移動距離不足量を算出する第2算出部と、
前記第1算出部が算出した前記車両の移動距離不足量に対応する第1経路補正データに基づいて前記移動経路の補正を行う第1経路補正部と、
前記第2算出部が算出した前記車両の移動距離不足量に対応する第2経路補正データに基づいて前記移動経路の補正を行う第2経路補正部と、を有し、
前記第1経路補正部が補正した移動経路及び前記第2経路補正部が補正した移動経路に基づいて舵角変化カーブに相当する前記制御データを生成する、
駐車支援装置。 - 前記第2算出部は、前記車両の車体速度に基づいて、前記タイヤ角の応答遅れに起因する前記車両の移動距離不足量を算出し、
さらに、前記設定された移動経路、前記駐車支援による前記車両の移動を開始してからの前記車両の移動距離及び前記タイヤ角の応答遅れに起因する前記車両の移動距離不足量に基づいて前記第2経路補正データを生成するデータ生成部を備えた、
請求項1記載の駐車支援装置。 - 前記第1算出部は、前記車両の車体速度及び前記車両の加速度に基づいて、前記電動パワーステアリングの応答遅れに起因する前記車両の移動距離不足量を算出し、
前記データ生成部は、前記設定された移動経路、前記駐車支援による前記車両の移動を開始してからの前記車両の移動距離、前記電動パワーステアリングの応答遅れに起因する前記車両の移動距離不足量及び前記タイヤ角の応答遅れに起因する前記車両の移動距離不足量に基づいて前記第1経路補正データを生成する、
請求項2記載の駐車支援装置。 - 電動パワーステアリングを備えた車両の駐車支援時に前記車両の移動経路を設定する設定部と、
前記設定された移動経路に基づいて、前記電動パワーステアリングの出力舵角と実際のタイヤ角に対するタイヤの応答遅れを予め考慮した舵角変化カーブに相当する制御データを生成するに際し、前記車両の走行状態が同一の状態における前記電動パワーステアリングの応答遅れに起因する前記車両の移動距離不足量に対応する第1補正経路及び前記タイヤ角に対するタイヤの応答遅れに起因する前記車両の移動距離不足量に対応する第2補正経路を用いて、前記制御データを生成する生成部と、
前記制御データに基づいて、前記電動パワーステアリングの制御を行う制御部と、
を備えた駐車支援装置。 - 前記生成部は、路面とタイヤとの間に発生する路面−タイヤ間トルクと、タイヤの応答遅れ分の移動距離不足量と、の間の相関関係に基づいて、前記タイヤ角の応答遅れに起因する前記車両の移動距離不足量を算出する、
請求項2乃至請求項4のいずれか一項記載の駐車支援装置。 - 電動パワーステアリングを備えた車両の駐車支援を行う駐車支援装置で実行される駐車支援方法であって、
電動パワーステアリングを備えた車両の駐車支援時に前記車両の移動経路を設定する過程と、
前記設定された移動経路に基づいて、前記電動パワーステアリングの出力舵角と実際のタイヤ角に対するタイヤの応答遅れを予め考慮した舵角変化カーブに相当する制御データを生成する過程と、
前記制御データに基づいて、前記電動パワーステアリングの制御を行う過程と、を備え、
制御データを生成する過程は、前記電動パワーステアリングに起因する前記車両の移動距離不足量を算出する第1過程と、
タイヤ角に対するタイヤの応答遅れに起因する前記車両の移動距離不足量を算出する第2過程と、
前記第1過程において算出した前記車両の移動距離不足量に対応する第1経路補正データに基づいて前記移動経路の補正を行う第3過程と、
前記第2過程において算出した前記車両の移動距離不足量に対応する第2経路補正データに基づいて前記移動経路の補正を行う第4過程と、を有し、
前記第3過程において補正した移動経路及び前記第4過程において補正した移動経路に基づいて舵角変化カーブに相当する前記制御データを生成する、
駐車支援方法。
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