本実施形態では、車両1は、例えば、内燃機関(エンジン、図示されず)を駆動源とする自動車(内燃機関自動車)であってもよいし、電動機(モータ、図示されず)を駆動源とする自動車(電気自動車、燃料電池自動車等)であってもよいし、それらの双方を駆動源とする自動車(ハイブリッド自動車)であってもよい。また、車両1は、種々の変速装置を搭載することができるし、内燃機関や電動機を駆動するのに必要な種々の装置(システム、部品等)を搭載することができる。また、車両1における車輪3の駆動に関わる装置の方式や、数、レイアウト等は、種々に設定することができる。
図1に示されるように、車体2は、乗員(図示されず)が乗車する車室2aを構成している。車室2a内には、乗員としての運転者の座席2bに臨む状態で、操舵部4や、加速操作部5、制動操作部6、変速操作部7等が設けられている。本実施形態では、一例として、操舵部4は、ダッシュボード(インストルメントパネル)から突出したステアリングホイールであり、加速操作部5は、運転者の足下に位置されたアクセルペダルであり、制動操作部6は、運転者の足下に位置されたブレーキペダルであり、変速操作部7は、センターコンソールから突出したシフトレバーであるが、これらには限定されない。
また、車室2a内には、表示装置8(表示出力部)や、音声出力装置9(音声出力部)が設けられている。表示装置8は、例えば、LCD(liquid crystal display)や、OELD(organic electroluminescent display)等である。音声出力装置9は、一例として、スピーカである。また、本実施形態では、一例として、表示装置8は、透明な操作入力部10(例えば、タッチパネル等)で覆われている。乗員等は、操作入力部10を介して表示装置8の表示画面に表示される映像(画像)を視認することができる。また、乗員等は、表示装置8の表示画面に表示される映像(画像)に対応した位置で手指等で操作入力部10を触れたり押したり動かしたりして操作することで、操作入力(指示入力)を実行することができる。また、本実施形態では、一例として、表示装置8や、音声出力装置9、操作入力部10等は、ダッシュボードの車幅方向(左右方向)の中央部に位置されたモニタ装置11に設けられている。モニタ装置11は、スイッチや、ダイヤル、ジョイスティック、押しボタン等の操作入力部(図示されず)を有することができる。また、モニタ装置11とは異なる車室2a内の他の位置に音声出力装置(図示されず)を設けることができるし、モニタ装置11の音声出力装置9と他の音声出力装置から、音声を出力することができる。また、本実施形態では、一例として、モニタ装置11は、ナビゲーションシステムやオーディオシステムと兼用されているが、駐車支援装置用のモニタ装置を、これらシステムとは別に設けてもよい。また、音声出力装置9の他に、ブザー24(図3参照)等の音声出力部から、警報音等が出力されるように構成することができる。
また、図1,2に示されるように、本実施形態では、一例として、車両1は、四輪車(四輪自動車)であり、左右二つの前輪3Fと、左右二つの後輪3Rとを有する。さらに、本実施形態では、これら四つの車輪3は、いずれも操舵されうるように(転舵可能に)構成されている。具体的には、図3に示されるように、車両1は、前輪3Fを操舵する前輪操舵システム12と、後輪3Rを操舵する後輪操舵システム13とを有している。これら前輪操舵システム12および後輪操舵システム13は、駐車支援ECU14(electronic control unit)等によって電気的に制御されて、それぞれのアクチュエータ12a,13aを動作させる。前輪操舵システム12ならびに後輪操舵システム13は、例えば、電動パワーステアリングシステムや、SBW(steer by wire)システム等である。前輪操舵システム12ならびに後輪操舵システム13は、アクチュエータ12a,13aによって操舵部4にトルク(アシストトルク)を付加して操舵力を補ったり、対応する車輪3(前輪3Fまたは後輪3R)を操舵(自動操舵)したりする。アクチュエータ12a,13aは、一つの車輪3を操舵してもよいし、複数の車輪3を操舵してもよい。また、本実施形態では、一例として、二つの前輪3Fは、互いに同相(同位相、同転舵方向、同回動方向)で略平行に転舵され、二つの後輪3Rは、互いに同相で略平行に転舵される。なお、駆動輪は種々に設定可能である。
また、本実施形態では、一例として、前輪3Fのみが操舵される二輪操舵モード(第一の操舵モード)と、前輪3Fおよび後輪3Rが操舵される四輪操舵モード(第二の操舵モード)とが設定されている。操舵モードは、乗員による操作入力部10の操作や、車室2a内に設けられた操舵モード切替操作部15(例えば、スイッチ等、図3参照)の操作等によって、切り替えられる。また、本実施形態では、一例として、駐車支援に関しては、四輪操舵モードでは、前輪3Fおよび後輪3Rは、逆相(逆位相、逆転舵方向、逆回動方向)で転舵される。なお、前輪3Fは、操舵部4の操作により、機械的に転舵されることができる。
また、本実施形態では、一例として、図2に示されるように、車両1(車体2)には、複数(本実施形態では、一例として四つ)の撮像部16(16a〜16d)が設けられている。撮像部16は、例えば、CCD(charge coupled device)やCIS(CMOS image sensor)等の撮像素子を内蔵するデジタルカメラである。撮像部16は、所定のフレームレートで画像データ(動画データ、フレームデータ)を出力することができる。撮像部16は、それぞれ、広角レンズを有し、水平方向には140°〜190°の範囲(視野角)を撮影することができる。また、撮像部16の光軸は下方(斜め下方)に向けて設定されている。よって、撮像部16は、路面を含む車体2の周辺を撮影することができる。本実施形態では、一例として、撮像部16aは、車体2の前側(車両前後方向の前方側)の端部2c(平面視での端部)に位置され、フロントバンパー等に設けられている。撮像部16bは、車体2の左側(車幅方向の左側)の端部2dに位置され、左側のドアミラー2g(突出部)に設けられている。撮像部16cは、車体2の後側(車両前後方向の後方側)の端部2eに位置され、リヤトランクのドア2hの下方の壁部に設けられている。撮像部16dは、車体2の右側(車幅方向の右側)の端部2fに位置され、右側のドアミラー2g(突出部)に設けられている。駐車支援ECU14は、複数の撮像部16で得られた画像データに基づいて演算処理や画像処理を実行し、より広い視野角の画像を生成したり、車両1(車体2)を上方から見た仮想的な俯瞰画像(平面画像)を生成したりすることができる。また、駐車支援ECU14は、撮像部16dの画像から、車両1の周辺に位置され移動する車両1と干渉する可能性がある物体(障害物)を検出(抽出)することができる。よって、撮像部16は、物体検出部の一例である。
また、本実施形態では、一例として、図1,2に示されるように、車両1(車体2)には、複数(本実施形態では、一例として四つ)の測距部17(17a〜17d、探知部)が設けられている。測距部17は、例えば、超音波を発射してその反射波を捉えるソナー(ソナーセンサ、超音波探知器)である。駐車支援ECU14は、測距部17の検出結果により、車両1(車体2)の後方に位置された物体(障害物)の有無や距離を測定することができる。すなわち、測距部17は、物体検出部の一例である。
また、本実施形態では、一例として、図3に示されるように、駐車支援システム100では、駐車支援ECU14や、モニタ装置11、前輪操舵システム12、後輪操舵システム13、操舵モード切替操作部15、測距部17等の他、ブレーキシステム18、舵角センサ19(角度センサ)、アクセルセンサ20、シフトセンサ21、車輪速センサ22等が、車内ネットワーク23(電気通信回線)を介して電気的に接続されている。車内ネットワーク23は、一例としては、CAN(controller area network)として構成されている。駐車支援ECU14は、車内ネットワーク23を通じて制御信号を送ることで、前輪操舵システム12や、後輪操舵システム13、ブレーキシステム18等を制御することができる。また、駐車支援ECU14は、車内ネットワーク23を介して、トルクセンサ12b、舵角センサ13b(後輪3R用)、測距部17、ブレーキセンサ18b、舵角センサ19(前輪3F用)、アクセルセンサ20、シフトセンサ21、車輪速センサ22等の検出結果、ならびに、操作入力部10や、操舵モード切替操作部15等の指示信号(制御信号、切替信号、操作信号、入力信号、データ)を受け取ることができる。
駐車支援ECU14は、一例として、CPU14a(central processing unit)や、ROM14b(read only memory)、RAM14c(random access memory)、表示制御部14d、音声制御部14e、SSD14f(solid state drive、フラッシュメモリ)等を有している。CPU14aは、例えば、表示装置8で表示される画像に関連した画像処理や、車両1の移動経路の演算、物体との干渉の有無の判断等の各種の演算処理を実行することができる。CPU14aは、ROM14b等の不揮発性の記憶装置に記憶された(インストールされた)プログラムを読み出し、当該プログラムにしたがって演算処理を実行することができる。RAM14cは、CPU14aでの演算で用いられる各種のデータを一時的に記憶する。また、表示制御部14dは、駐車支援ECU14での演算処理のうち、主として、撮像部16で得られた画像データを用いた画像処理や、表示装置8で表示される画像データの画像処理(一例としては合成等)等を実行する。また、音声制御部14eは、駐車支援ECU14での演算処理のうち、主として、音声出力装置9で出力される音声データの処理を実行する。また、SSD14fは、書き換え可能な不揮発性の記憶部であって、駐車支援ECU14の電源がオフされた場合にあってもデータを記憶することができる。なお、CPU14aや、ROM14b、RAM14c等は、同一パッケージ内に集積されることができる。また、駐車支援ECU14は、CPU14aに替えて、DSP(digital signal processor)等の他の論理演算プロセッサや論理回路等が用いられる構成であってもよい。また、SSD14fに替えてHDD(hard disk drive)が設けられてもよいし、SSD14fやHDDは、駐車支援ECU14とは別に設けられてもよい。
ブレーキシステム18は、ブレーキのロックを抑制するABS(anti-lock brake system)や、コーナリング時の車両1の横滑りを抑制する横滑り防止装置(ESC:electronic stability control)、ブレーキ力を増強させる(ブレーキアシストを実行する)電動ブレーキシステム、BBW(brake by wire)等である。ブレーキシステム18は、アクチュエータ18aを介して、車輪3(車両1)に制動力を与える。
舵角センサ19は、操舵部4(本実施形態では、一例としてステアリングホイール)の操舵量(回動角度)を検出するセンサであり、一例としては、ホール素子などを用いて構成される。また、舵角センサ13bは、後輪3Rの操舵量(回動角度)を検出するセンサであり、一例としては、ホール素子などを用いて構成される。駐車支援ECU14は、運転者による操舵部4の操舵量や、自動操舵時の各車輪3の操舵量等を、舵角センサ19,13bから取得して各種制御を実行する。なお、トルクセンサ12bは、運転者が操舵部4に与えるトルクを検出する。
車輪速センサ22は、車輪3の回転量や単位時間当たりの回転数を検出するセンサであり、一例としては、ホール素子などを用いて構成される。駐車支援ECU14は、車輪速センサ22から取得したデータに基づいて車両1の移動量などを演算し、各種制御を実行する。車輪速センサ22は、ブレーキシステム18に設けられている場合もある。また、ブレーキシステム18は、左右の車輪3の回転差などからブレーキのロックや、車輪3の空回り、横滑りの兆候等を検出して、各種制御を実行することができる。車輪速センサ22がブレーキシステム18に設けられている場合には、駐車支援ECU14は、ブレーキシステム18を介してデータを取得する。ブレーキセンサ18bは、ブレーキペダルの操作量を検出するセンサであり、駐車支援ECU14は、ブレーキシステム18を介して情報を取得する。駐車支援ECU14は、例えば、自動操舵中に制動操作部6が操作されたような場合に、自動操舵には適さない状況にあるとして自動操舵を中断したり中止したりすることができる。
シフトセンサ21は、一例としては、変速操作部7の可動部(レバーや、アーム、ボタン等)の位置を検出するセンサ(スイッチ)であり、変位センサなどを用いて構成される。例えば、駐車支援ECU14は、可動部がリバースにセットされた場合に支援制御を開始したり、リバースから前進に変更された場合に支援制御を終了させたりすることができる。
なお、上述した各種センサやアクチュエータの構成や、配置、電気的な接続形態等は、あくまで一例であって、種々に設定(変更)することができる。
また、本実施形態では、一例として、駐車支援ECU14は、ハードウエアとソフトウエア(プログラム)との協働によって、駐車支援装置30の少なくとも一部として機能(動作)する。すなわち、本実施形態では、一例として、図4に示されるように、駐車支援ECU14は、表示制御部14d(図3参照)ならびに音声制御部14e(図3参照)の他、検出制御部30aや、目標位置設定部30b、経路算出部30c、軌跡算出部30d、干渉判断部30e、経路選択部30f、操舵方式決定部30g、自動操舵制御部30h(操舵制御部)、手動操舵制御部30i、切り返し制御部30j、操作入力制御部30k等として機能(動作)する。なお、プログラムには、一例としては、図4に示される各ブロックに対応したモジュールが含まれうる。また、画像処理は、表示制御部14dの他、CPU14aでも実行されうる。
上述したように、本実施形態では、一例として、車両1は、前輪3Fのみが操舵される二輪操舵モード(第一の操舵モード、2WS:2 wheel steering)と、前輪3Fおよび後輪3Rが操舵される四輪操舵モード(第二の操舵モード、4WS:4 wheel steering)とで、操舵可能に構成されている。図5には、第一の操舵モード(2WS)で操舵された場合の車両1の移動経路P1および軌跡Ti,Toの一例が示され、図6には、第二の操舵モード(4WS)で操舵された場合の車両1の移動経路P2および軌跡Ti,Toの一例が示されている。なお、操舵方式は、自動操舵であっても良いし、手動操舵であってもよい。また、図5,6で、前輪3Fの舵角は同じである。また、図5,6ともに、最大舵角(最小回転半径)の場合が示されている。第一の操舵モードでは、図5に示されるように、旋回中心C1は、転舵された前輪3Fの側方(前輪3Fの回転軸の略延長線上)に位置するとともに、転舵されていない(中立位置の、車両前後方向に沿って転動する)後輪3Rの側方(後輪3Rの回転軸の略延長線上)に位置する。一方、第二の操舵モードでは、図6に示されるように、旋回中心C2は、転舵された前輪3Fおよび転舵された後輪3Rの側方に位置する。前輪3Fおよび後輪3Rは、逆相(逆位相、逆転舵方向、逆回動方向)に、転舵されている。図5,6を比較参照すれば、第二の操舵モードでの旋回中心C2は、後輪3Rが転舵されている分、第一の操舵モードでの旋回中心C1より車両1の近くに位置されていることがわかる。すなわち、一例として、車両1は、図5に示されるように、第一の操舵モードでは一度の移動(切り返し無しの移動、後退)では目標位置Ta(目標領域、図5,6では一例として二本の平行な線L間の領域)に到達できない場合にあっても、図6に示されるように、第二の操舵モードであれば一度の移動(切り返し無しの移動、後退)で目標位置Taに到達できる場合がある。そこで、本実施形態では、経路算出部30cが、複数の移動経路、一例としては、第一の操舵モードでの移動を含む目標位置Taに向けての移動経路P1と、第二の操舵モードでの移動を含む目標位置Taに向けての移動経路P2とを算出する。そして、経路選択部30fは、複数の移動経路のうち、目標位置Taに到達できる移動経路(図5,6の例では移動経路P2)を、使用する(自動操舵に用いる、あるいは運転者に提示する、案内する)移動経路として選択する。経路選択部30fは、操舵モード決定部、あるいは操舵輪決定部の一例でもある。
また、図5,6から、第一の操舵モード(2WS)と第二の操舵モード(4WS)とで、移動経路P1,P2とともに、車両1の移動の軌跡Ti,Toが異なっていることがわかる。特に、第一の操舵モードと第二の操舵モードとで、上述した旋回中心C1,C2の場所の違いにより、車両1のうち最も旋回中心C1に近い側を通る点Pi(以下、最内点と称する)が相違するため、旋回中心C1,C2側の軌跡Tiの差異は、より大きくなりやすい。すなわち、図5に示されるように、第一の操舵モードでは、最内点Piは、旋回中心C1に近い側の後輪3R(図5の例では右側の後輪3R)の位置である。一方、図6に示されるように、第二の操舵モードでは、最内点Piは、車体2(車両1)の車幅方向の旋回中心C2側の端部(図6の例では左側の端部2d)の平面視で前輪3Fと後輪3Rとの間の部位(位置、部分)である。平面視とは、車両1の上方からの視線である。よって、本実施形態では、干渉判断部30eは、各操舵モードで異なる最内点Piの軌跡に基づいて車両1と物体Bとの干渉の有無を判断する。なお、最外点Poは、第一の操舵モードおよび第二の操舵モードともに、旋回中心C1から遠い側の車体2の角部2iである。
図7〜9には、車両1が縦列駐車される場合が例示されている。図7には、車両1が第一の操舵モード(2WS)で操舵される場合が例示され、図8には、車両1が第二の操舵モード(4WS)で操舵される場合が例示され、図9には、車両1が第二の操舵モードで操舵されかつ図8より車輪3の舵角が大きい場合が例示されている。図7〜9のいずれの場合も、移動経路P1〜P3はS字状である。すなわち、車輪3は、当初は一方側(図7〜9の例では平面視で左方向、反時計回り方向)に転舵され、その後、中立位置を経て他方側(同右方向、時計周り方向)に転舵され、再び中立位置に戻される。なお、操舵方式は、自動操舵であっても良いし、手動操舵であってもよい。
図7の例では、目標位置Taは、壁Wに寄った二つの物体B(他の駐車車両)間に位置される。二つの物体B間の距離はL1である。図7の例では、第一の操舵モードでは、車両1は、一度の移動(切り返し無しの移動、後退)では目標位置Taに到達できない。このような場合、本実施形態では、経路算出部30cは、第二の操舵モードでの目標位置Taへの移動経路(例えば、図8の移動経路P2)を算出する。そして、第二の操舵モードでの移動経路P2が、車両1が物体Bや壁Wと干渉することなく目標位置Taへ到達できる移動経路である場合、経路選択部30fは、当該移動経路P2を選択することができる。
図9の例では、二つの物体B間の距離は、図8のL2より短いL3である。図9の例では、図8の車輪3の舵角では、一度の移動(切り返し無しの移動、後退)で目標位置Taに到達できない。このような場合、本実施形態では、経路算出部30cは、第二の操舵モードでより舵角が大きい状態での目標位置Taへの移動経路(例えば、図9の移動経路P3)を算出する。そして、第二の操舵モードでより舵角が大きい状態での移動経路P3が、車両1が物体Bや壁Wと干渉することなく目標位置Taへ到達できる移動経路である場合、経路選択部30fは、当該移動経路P3を選択することができる。
また、図8に例示される二つの物体B間の距離がL2の場合には、図9に例示される車輪3の舵角の移動経路P3であっても、目標位置Taへ到達することができる。しかしながら、本実施形態では、一例として、経路選択部30fは、目標位置Taへ到達できる複数の移動経路P2,P3のうち、車輪3の舵角がより小さい、すなわち車輪3の操舵量がより少ない(一例としては、舵角の角度範囲がより狭い、最大舵角がより小さい)移動経路P3を選択する。よって、本実施形態によれば、一例としては、車輪3の操舵に要するエネルギをより減らしやすい。
また、図示されないが、図7より二つの物体B間の距離が長く(L1より長く)第一の操舵モードでの移動経路(例えばP1)でも車両1が目標位置(図示されず)へ到達できる場合、図8,9に示されるような第二の操舵モードでの移動経路P2,P3でも車両1は当該目標位置へ到達できる。しかしながら、本実施形態では、一例として、経路選択部30fは、目標位置へ到達できる複数の移動経路に、第一の操舵モードでの移動経路P1(第一の移動経路)と、第二の操舵モードでの移動経路P2,P3(第二の移動経路)とが含まれる場合、第一の操舵モードでの移動経路P1を選択する。すなわち、この場合も、経路選択部30fは、目標位置へ到達できる複数の移動経路P1〜P3のうち、後輪3Rが操舵されない分車輪3の操舵量がより少ない移動経路P1を選択する。よって、本実施形態によれば、一例としては、車輪3の操舵に要するエネルギをより減らしやすい。
また、本実施形態にかかる駐車支援装置30は、一例として、図10に示される手順で処理を実行することができる。まず、駐車支援装置30は、検出制御部30a(図4参照)として機能し、物体検出部としての撮像部16や、測距部17等から取得したデータに基づいて、車両1の周辺の物体Bを検出する(ステップS101)。このステップS101で検出される物体は、車両1と干渉(例えば、接触、衝突等)する可能性がある物体であり、所定の条件(例えば、地面からの距離や、高さ等)を満たしている。このステップS101により、車両1と物体Bとの相対的な位置関係や、制御の基準となる二次元座標系における車両1や物体Bの位置、物体Bの領域等がわかる。ステップS101自体は、他の公知の手法でも実行されうる。
次に、駐車支援装置30は、目標位置設定部30b(図4参照)として機能し、目標位置Taを設定する(ステップS102)。このステップS102では、例えば、表示装置8に表示された車両1を含む平面図(俯瞰図)の画像に対応した操作入力部10での操作入力(指示入力、指定入力)により、操作者(運転者や乗員等)によって指定された位置あるいは領域として、目標位置Taが設定される。また、目標位置設定部30bは、例えば、車両1の挙動に対応して撮像部16で取得された車両1の周辺の画像に基づいて、目標位置Taを自動的に検出し、設定することができる。ステップS102自体は、他の公知の手法でも実行されうる。
次に、駐車支援装置30は、経路算出部30c(図4参照)として機能し、車両1の現在位置から目標位置Taまでの移動経路を算出する(ステップS103)。ステップS103では、一例として、まずは、第一の操舵モード(2WS)での移動経路が算出される。このステップS103で、経路算出部30cは、例えば、車両1の現在位置と目標位置Taとに基づいて所定の手順や条件にしたがった幾何学的な演算を行って、車両1の移動経路を算出することができる。あるいは、経路算出部30cは、例えば、ROM14bやSSD14f等に記憶された複数の経路パターンのデータを参照し、現在位置と目標位置Taとに合致する経路パターンを選択することができる。また、このステップS103で、経路算出部30cは、目標位置Taへ到達できる複数の移動経路を算出するのが好適である。移動経路の算出自体は、他の公知の手法でも実行されうる。
次に、駐車支援装置30は、軌跡算出部30d(図4参照)として機能し、ステップS103で算出された第一の操舵モードでの各移動経路に対応した軌跡を算出する(ステップS104)。このステップS104で、軌跡算出部30dは、例えば、移動経路に基づいて幾何学的な演算を行って、少なくとも、上述した最内点Piおよび最外点Poの軌跡Ti,Toを算出する。あるいは、経路算出部30cは、例えば、ROM14bやSSD14f等に記憶された複数の経路パターンに対応した軌跡Ti,Toのデータを取得することができる。ステップS104自体は、他の公知の手法でも実行されうる。
次に、駐車支援装置30は、干渉判断部30e(図4参照)として機能し、ステップS104で算出された車両1の各軌跡と物体Bとの干渉の有無を判断する(ステップS105)。
ステップS105で、いずれの移動経路の軌跡も物体Bとの干渉があると判断された場合、駐車支援装置30は、経路算出部30c(図4参照)として機能し、車両1の現在位置から目標位置Taまでのさらに別の移動経路を算出する(ステップS106)。ステップS106では、一例として、第二の操舵モード(4WS)での移動経路が算出される。また、このステップS106で、経路算出部30cは、目標位置Taへ到達できる複数の移動経路を算出するのが好適である。
次に、駐車支援装置30は、軌跡算出部30d(図4参照)として機能し、ステップS106で算出された第二の操舵モードでの移動経路に対応した軌跡を算出する(ステップS107)。上述したように、この場合の最内点Piは、車体2(車両1)の車幅方向の旋回中心C2側の端部(図6の例では左側の端部2d)の前輪3Fと後輪3Rとの間の位置である。
次に、駐車支援装置30は、干渉判断部30e(図4参照)として機能し、ステップS107で算出された車両1の各軌跡と物体Bとの干渉の有無を判断する(ステップS108)。
ステップS105で車両1の一つ以上(少なくとも一つ)の軌跡(第一の操舵モードでの移動経路に対応した軌跡)が物体Bと干渉しない場合(ステップS105でNo)、駐車支援装置30は、経路選択部30f(図4参照)として機能し、当該軌跡に対応する一つ以上の移動経路のうち、最も車輪3の操舵量の少ない移動経路を選択する(ステップS109)。また、ステップS108で車両1の一つ以上の軌跡(第二の操舵モードでの移動経路に対応した軌跡)が物体Bと干渉しない場合にあっても(ステップS108でNo)、駐車支援装置30は、経路選択部30f(図4参照)として機能し、当該軌跡に対応する一つ以上の移動経路のうち、最も車輪3の操舵量の少ない移動経路を選択する(ステップS109)。ここで、図10の例では、ステップS105で、第一の操舵モード(2WS)で物体Bと干渉しない移動経路があった場合には、ステップS106には移行しないので、仮に、第二の操舵モード(4WS)で物体Bと干渉しない移動経路があったとしても、当該移動経路は選択されない。なお、ステップS109では、選択の対象となる軌跡が一つである場合には、当該軌跡に対応した移動経路が選択される。
次に、駐車支援装置30は、自動操舵制御部30h(図4参照)として機能し、ステップS109で選択された移動経路での車両1の移動について、自動操舵による車輪3の操舵を実行する(ステップS110)。このステップS110では、車両1は、運転者の加速操作部5あるいは制動操作部6の操作に応じて、加速あるいは減速(制動)される。ただし、車輪3は、駐車支援装置30により、車両1の位置に応じて自動的に操舵される。自動操舵制御自体は、他の公知の手法でも実行されうる。このように、図10の例では、操舵方式は自動操舵に設定される。よって、運転者の誤操作による車両1と物体Bとの干渉が抑制されやすい。
また、ステップS108で、いずれの移動経路の軌跡も物体Bとの干渉があると判断された場合(ステップS108でYes)、駐車支援装置30は、切り返し制御部30j(図4参照)として機能し、切り返し制御を実行する(ステップS111)。このステップS111では、車両1の現在位置および目標位置Taとは異なる第二の目標位置Tb(図17,20参照)が設定され、まずは、当該第二の目標位置Tbに向けた制御(自動操舵,案内表示等)が実行される。この第二の目標位置Tbは、切り返し点であり、最終的な目標位置Taに向けた出発点(移動再開点)である場合もある。切り返しの制御自体は、他の公知の手法でも実行されうる。
また、本実施形態にかかる駐車支援装置30は、一例として、図11に示される手順で処理を実行することができる。図11に示される手順は、ステップS101〜S111については図10に示された手順と同様であるが、下記の点で異なる。
まず、図11の例では、ステップS110で自動操舵が開始された後、駐車支援装置30は、操舵方式決定部30g(図4参照)として機能し、自動操舵のキャンセル(手動操作への変更)を決定することができる(ステップS115)。このステップS115では、操舵方式決定部30gは、ユーザ(運転者や乗員等)による操作入力部10の操作入力等に基づく自動操舵をキャンセルする指示入力を受けない限り、操舵方式を自動操舵に決定する(ステップS115でNo)。このような制御によれば、運転者は、自動操舵を望まない場合に、手動操舵で車両1を操作(運転)することができる。
ユーザの操作によって自動操舵がキャンセルされると(ステップS115でYes)、自動操舵制御部30hは、自動操舵による制御を中止し(ステップS116)、駐車支援装置30は、手動操舵制御部30i(図4参照)として機能し、各部の制御を実行する(ステップS114)。ここで、手動操舵制御部30i(制御部、運転支援制御部、手動操舵支援制御部)は、操舵を制御するのではなく、運転者による手動操舵時(手動操舵が選択(指示)された際)に、表示装置8等の表示出力部における各種画像(例えば、カメラ画像や、操舵角に応じた予想軌跡の画像等)の表示や、音声出力装置9等の音声出力部における音声(例えば、警報音、案内音声等)の出力等を、制御する。すなわち、手動操舵制御部30iによる各部の制御によって、運転者の手動操舵による車両1の操作(運転)が支援され、運転者は車両1をより操作(運転)しやすくなる。
また、図11の例では、上記ステップS105で車両1の一つ以上(少なくとも一つ)の軌跡(第一の操舵モードでの移動経路に対応した軌跡)が物体Bと干渉しない場合、操舵モードとしては、第一の操舵モード(2WS)が選択される。この場合、駐車支援装置30は、操舵方式決定部30g(図4参照)として機能し、ユーザによって操舵方式を選択する入力(選択入力、操作入力、操作指示)が行われるよう、各部を制御するとともに、当該入力に応じて操舵方式を決定(選択)する(ステップS112)。具体的に、このステップS112で、操舵方式決定部30gは、一例としては、表示装置8等の表示出力部でユーザに操舵方式(自動操舵か手動操舵か)の選択操作(指示入力)を促す画像が表示されるよう、表示制御部14dを制御する。あるいは、操舵方式決定部30gは、別の一例としては、音声出力装置9等の音声出力部でユーザに操舵方式の選択操作を促す音声が出力されるよう、音声制御部14eを制御する。そして、操舵方式決定部30gは、このようにして出力された画像あるいは音声にしたがった入力操作部の操作に応じて、ユーザによって決定(選択)された操舵方式を示すデータを取得する。そして、ステップS112で自動操舵が選択された場合(ステップS113でYes)、駐車支援装置30は、経路選択部30f(図4参照)として機能し、当該軌跡に対応する一つ以上の移動経路のうち、最も車輪3の操舵量の少ない移動経路を選択する(ステップS109)。一方、ステップS112で手動操舵が選択された場合(ステップS113でNo)、駐車支援装置30は、手動操舵制御部30i(図4参照)として機能し、各部の制御を実行する(ステップS114)。このように、図11の例では、第一の操舵モード(2WS)では、ユーザが、操舵方式(自動操舵か手動操舵か)を選択することができる。
一方、図11の例では、第一の操舵モード(2WS)では物体Bと干渉しない移動経路が無く(ステップS105でYes)、かつ、第二の操舵モード(4WS)では物体Bと干渉しない移動経路があった場合には(ステップS108でNo)、自動操舵に設定される。第二の操舵モード(4WS)の場合は、第一の操舵モード(2WS)と比較して、旋回半径が小さい分、車両1の軌跡の幅(旋回半径方向の幅)が大きくなりやすく、手動操舵の誤操作によって物体Bと干渉する可能性が高まりやすい。この点、本実施形態によれば、第二の操舵モード(4WS)の場合には、まずは自動操舵に設定されることで、運転者の誤操作による車両1と物体Bとの干渉が抑制されやすい。図11のような制御は、一例としては、運転者が第一の操舵モード(2WS)での運転(操作、操舵)には慣れているが、第二の操舵モード(4WS)での運転(操舵、操舵)には慣れていない場合等に、有用である。
また、図10,11の第二の操舵モードによる経路算出では(ステップS106)、経路算出部30c(図4参照)は、目標位置Taに向かう途中の位置で車輪3の操舵量が変化する移動経路を算出することができる。例えば、図12,13に例示されるように、車両1が車輪3の舵角が大きい状態で壁Wに近付くと、第二の操舵モード(4WS)では車両1の軌跡の幅がより大きくなりやすく、かつ車両1の場所によっては移動量がより大きくなるため、車両1が壁Wにより近付く場合がある。この点、図14に例示されるように、車輪3が壁Wに近付いた時点で、当初より車輪3の舵角が小さくなると、図13に例示される場合に比べて、車両1が壁Wからより離れた位置を通る場合がある。よって、本実施形態によれば、一例として、車両1は、壁Wや物体B等とより干渉する虞が低い移動経路で移動しやすい。
また、干渉判断部30e(図4参照)は、例えば図12に示されるような、車両1が算出された移動経路を移動して目標位置Taに向かう途中の位置で、改めて車両1と物体Bとの干渉の有無を判断することができる。さらに、その場合、当該途中の位置で、物体検出部としての撮像部16や測距部17等が物体Bや壁W等を検出し、干渉判断部30eが、その検出結果に基づいて、壁Wや物体B等と車両1との干渉の有無を判断することができる。よって、本実施形態によれば、一例としては、干渉の有無の判断の精度がより高まりやすい。また、図12の例の場合、移動開始当初よりも車両1が壁Wや物体Bに近付いているため、壁Wや物体B等の検出の精度(例えば、方向、距離、大きさ等)がより高まりやすく、ひいては、干渉の有無の判断の精度がより高まりやすい。
また、図15,16には、車両1が、切り返し制御部30j(図4参照)によって制御される場合の、第二の目標位置Tb(切り返し点、移動再開点)に位置された状態が例示されている。図15に示されるように、車両1が第二の目標位置Tbに移動した際に、後輪3Rが転舵された状態であると、図16に示されるように車両1が移動を再開する際に、後輪3Rが転舵された状態のままで、壁Wに近付く方向に移動するなど、不都合な移動経路で移動する場合がある。そこで、本実施形態では、一例として、図17に示されるように、経路算出部30c(図4参照)は、車両1が第二の目標位置Tbに到達する前に少なくとも後輪3Rの舵角を小さくし(漸減し)、車両1が第二の目標位置Tbに到達した時点では少なくとも後輪3Rの舵角が0(ゼロ、中立位置)となる移動経路を算出する。そして、自動操舵では、自動操舵制御部30h(図4参照)は、少なくとも後輪3Rの舵角を第二の目標位置Tbに到達した状態で中立位置となるように制御する。よって、本実施形態によれば、一例としては、車両1が切り返し開始時に不都合な方向に移動するのが抑制されやすい。なお、切り返し制御部30jは、車両1が第二の目標位置Tbに到達した状態で前輪3Fも中立位置となるように、制御することができる。
また、図18,19には、車両1が、切り返し制御部30j(図4参照)によって制御される場合の、第二の目標位置Tb(切り返し点、移動再開点)に位置された状態が例示されている。図18に示されるように、車両1が第二の目標位置Tbに移動した際に、後輪3Rが転舵された状態であると、図19に示されるように車両1が移動を再開する際に、後輪3Rが転舵された状態のままで、次の目標位置(切り返し点)へ向かわない(次の目標位置から離れる)不都合な移動経路で移動する場合がある。そこで、本実施形態では、一例として、図20に示されるように、経路算出部30c(図4参照)は、車両1が第二の目標位置Tbに到達する前に少なくとも後輪3Rの舵角を小さくし(漸減し)、車両1が第二の目標位置Tbに到達した時点では少なくとも後輪3Rの舵角が0(ゼロ、中立位置)となる移動経路を算出する。そして、自動操舵では、自動操舵制御部30h(図4参照)は、少なくとも後輪3Rの舵角を第二の目標位置Tbに到達した状態で中立位置となるように制御する。よって、本実施形態によれば、一例としては、車両1が切り返し時に不都合な方向に移動するのが抑制されやすい。なお、切り返し制御部30jは、車両1が第二の目標位置Tbに到達した状態で前輪3Fも中立位置となるように、制御することができる。
以上、説明したように、本実施形態では、一例として、干渉判断部30eは、前輪3Fおよび後輪3Rが操舵される第二の操舵モードでは、車両1の車幅方向の旋回中心C2側の端部2dの前輪3Fと後輪3Rとの間の部位(最内点Pi)と検出された物体Bとの干渉の有無を判断する。よって、本実施形態によれば、一例としては、第二の操舵モードにおいて、車両1と物体Bとの干渉の有無がより精度良く判断されやすい。
また、本実施形態では、一例として、経路選択部30fは、算出された複数の移動経路から、干渉判断部30eで検出された物体Bとの干渉が無いと判断されかつ車輪3の操舵量がより少ない移動経路を選択する。よって、本実施形態によれば、一例としては、操舵に要するエネルギがより減りやすい。
また、本実施形態では、一例として、経路選択部30fは、前輪3Fおよび後輪3Rが操舵される第二の操舵モードが含まれる移動経路(第一の移動経路)と、前輪3Fおよび後輪3Rが操舵される第二の操舵モードが含まれない移動経路(第二の移動経路、一例としては、第一の操舵モードでの移動経路)とでは、後者を選択する。よって、本実施形態によれば、一例としては、操舵に要するエネルギがより減りやすい。
また、本実施形態では、一例として、操舵方式決定部30gは、経路選択部30fによって前輪3Fおよび後輪3Rが操舵される第二の操舵モードを含む移動経路が選択され、かつ自動操舵か手動操舵かの指示が無い場合には、自動操舵に決定する。よって、本実施形態によれば、一例としては、前輪3Fおよび後輪3Rが操舵されるため運転者が車両1の挙動を把握しにくい第二の操舵モードにおいて、手動操舵の不本意な誤操作等による不都合が抑制されやすい。
さらに、本実施形態では、一例として、操舵方式決定部30gは、経路選択部30fによって前輪3Fおよび後輪3Rが操舵される第二の操舵モードが含まれない移動経路が選択された場合には、操作入力部10等での操作入力に応じて、自動操舵か手動操舵かを決定することができる。よって、本実施形態によれば、一例としては、運転者が車両1の挙動をより把握しやすい第一の操舵モード等では、運転者の希望に沿った操舵方式を設定できる。
また、本実施形態では、一例として、干渉判断部30eは、車両1が目標位置Taへ向かう途中の位置で車両1と検出された物体Bとの干渉の有無を判断する。よって、本実施形態によれば、一例としては、車両1と物体Bとの干渉の有無が、より精度よく判断されやすい。
また、本実施形態では、一例として、自動操舵制御部30hは、車輪3の舵角を第二の目標位置Tbに到達した状態で中立位置となるように制御する。よって、本実施形態によれば、一例としては、第二の目標位置Tbから車両1が不都合な方向に移動するのが抑制されやすい。
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態および変形例はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態や変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各実施形態の構成や形状は、部分的に入れ替えて実施することも可能である。また、各構成や形状等のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。また、上記実施形態では、左右の前輪が同じ転舵角(角度)に転舵され、左右の後輪が同じ転舵角(角度)に転舵される構成が例示されたが、これには限定されず、各車輪の転舵角(角度)がそれぞれ異なってもよい。また、経路算出部は、異なる複数の操舵モードを含む移動経路を算出しても良い。