JP2000128008A - 車両の操舵装置および駐車支援装置 - Google Patents

車両の操舵装置および駐車支援装置

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JP2000128008A
JP2000128008A JP10302896A JP30289698A JP2000128008A JP 2000128008 A JP2000128008 A JP 2000128008A JP 10302896 A JP10302896 A JP 10302896A JP 30289698 A JP30289698 A JP 30289698A JP 2000128008 A JP2000128008 A JP 2000128008A
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steering
wheel
steered
wheels
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JP10302896A
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Inventor
Keiichi Nishiyama
景一 西山
Mitsuhiko Morita
光彦 森田
Makoto Ogita
誠 荻田
Takayuki Katsuta
隆之 勝田
Takayuki Hanamoto
孝幸 花本
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
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  • Steering-Linkage Mechanisms And Four-Wheel Steering (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、車両の操舵装置および駐車支援装
置に関し、転舵輪を互いに連結せずにそれぞれ独立に転
舵させることで車両を旋回させると共に、車両を駐車ス
ペースに容易に導くことを目的とする。 【解決手段】 駐車支援装置50は、自車両200の位
置を検出する自車位置検出手段と、自車両200の近傍
に存在する障害物を検出する障害物検出手段とを備え
る。障害物検出手段の検出結果に基づいて自車両200
の周辺の駐車スペースを抽出する。そして、運転者が抽
出された駐車スペースのうちで自車両200を駐車させ
る駐車スペースを特定した後、現時点の自車両200の
位置から特定された駐車スペースの位置に至るまでの車
両の移動軌跡を演算する。この演算された移動軌跡に沿
って車両が移動するように、車輪を転舵させる操舵モー
タ24〜30にモータ電流を供給する。この際、すべて
の車輪の旋回中心は、前輪と後輪との中央の軸上で一致
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の操舵装置お
よび駐車支援装置に係り、特に、転舵輪同士を互いに連
結せずにそれぞれ独立に転舵させることで車両を旋回さ
せる装置として好適な車両の操舵装置、および、駐車ス
ペースに車両を容易に駐車させることが可能な駐車支援
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、一般に、転舵輪として機能す
る前輪、および、固定輪として機能する後輪が共に機械
的に連結された車両を操舵させる操舵装置が知られてい
る。かかる操舵装置は、運転者に操作されるステアリン
グホイールを備えている。ステアリングホイールが操作
されると、その操作量に応じて、連結された左右の前輪
が車幅方向に転舵される。従って、上記の操舵装置によ
れば、ステアリングホイールが操作されることで、車両
を旋回させることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の操舵装
置においては、上述の如く、転舵輪として機能する左右
の車輪が機械的に連結されている。この場合、転舵輪の
転舵可能範囲の全領域に渡って、固定輪の軸上で車輪の
旋回中心を一致させることは困難である。すべての車輪
の旋回中心が一致しないと、車両は、車輪が横滑りしな
がら、すなわち、車輪と地面との間に大きな転がり抵抗
が生じながら旋回する。このため、上記の操舵装置で
は、車輪の偏磨耗を回避することができず、車両の燃費
が悪化してしまう。
【0004】ところで、上記の操舵装置においては、車
輪の旋回中心が一致した場合でも、その旋回中心は固定
輪の軸上に設定される。旋回中心が固定輪の軸上に設定
されると、前輪と旋回中心との距離(前輪の回転半径)
と、後輪と旋回中心との距離(後輪の回転半径)との間
に偏差(内輪差,外輪差)が生じる。運転者は、駐車場
や道路上に車両を駐車させたり、あるいは、駐車状態か
ら車両を発進させる場合、通常、隣接する車両やガード
レール等の位置を確認しながらステアリングホイールを
操作する。車両操舵時において内輪差または外輪差が生
じる場合に、運転者が車両を隣接車両やガードレールに
衝突させることなく駐車させたり、あるいは、発進させ
るためには、運転者に高度な運転操作が必要である。従
って、上記の操舵装置は、内輪差および外輪差が生じる
ことに起因して、運転者が容易に車両を駐車させ、ある
いは、発進させる操舵装置として適切でない。
【0005】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、車両の旋回時に生じる車輪の転がり抵抗を低減
する車両の操舵装置を提供することを第1の目的とし、
車両を狭い駐車スペースに容易に駐車させると共に、駐
車された車両を狭い駐車スペースから容易に発進させる
ことが可能な車両の操舵装置を提供することを第2の目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的は、請求
項1に記載する如く、運転者に操作されるステアリング
ホイールと、一端部に設けられ、それぞれ電気的に作動
する操舵アクチュエータによって独立に転舵される複数
の転舵輪と、他端部に設けられる固定輪とを備える車両
の操舵装置において、前記ステアリングホイールの操作
量を検出する操作量検出手段と、前記ステアリングホイ
ールの操作量に基づいて、前記固定輪の軸上に前記複数
の転舵輪の旋回中心を設定する旋回中心設定手段と、設
定された旋回中心を中心にして前記複数の転舵輪のすべ
てが転舵されるように、前記複数の転舵輪にそれぞれ対
応する操舵アクチュエータを作動させるアクチュエータ
駆動手段と、を備えることを特徴とする車両の操舵装置
により達成される。
【0007】本発明において、車両は、一端部に複数の
転舵輪と、他端部に固定輪とを有している。転舵輪の旋
回中心は、固定輪の軸上でステアリングホイールの操作
量に応じた所定位置に設定される。すべての操舵アクチ
ュエータは、当該転舵輪が設定された旋回中心を中心に
してそれぞれ独立に転舵されるように駆動される。かか
る構成によれば、車輪が横すべりすることなく車両が旋
回できることで、旋回時の車輪の転がり抵抗を低減する
ことができる。このため、本発明によれば、車輪の偏磨
耗が低減されることで、燃費の向上を図ることができ
る。
【0008】上記第2の目的は、請求項2に記載する如
く、運転者に操作されるステアリングホイールと、前部
および後部にそれぞれ設けられ、それぞれ電気的に作動
する操舵アクチュエータによって独立に転舵される複数
の転舵輪とを備える車両の操舵装置において、前記ステ
アリングホイールの操作量を検出する操作量検出手段
と、前記ステアリングホイールの操作量に基づいて、車
両の前部に設けられた転舵輪と車両の後部に設けられた
転舵輪との中央から車幅方向の軸上に前記複数の転舵輪
の旋回中心を設定する旋回中心設定手段と、設定された
旋回中心を中心にして前記複数の転舵輪のすべてが転舵
されるように、前記複数の転舵輪にそれぞれ対応する操
舵アクチュエータを作動させるアクチュエータ駆動手段
と、を備えることを特徴とする車両の操舵装置により達
成される。
【0009】本発明において、車両は、前部および後部
にそれぞれ転舵輪を有している。転舵輪の旋回中心は、
前輪と後輪との中央から車幅方向の軸上でステアリング
ホイールの操作量に応じた所定位置に設定される。全操
舵アクチュエータは、当該転舵輪が設定された旋回中心
を中心にしてそれぞれ独立に転舵するように駆動され
る。かかる構成によれば、車両は、内輪差および外輪差
が生じることなく旋回することができる。このため、本
発明によれば、車両を、隣接する車両やガードレール等
に衝突させることなく、狭い駐車スペースに駐車させる
と共に、狭い駐車スペースから発進させることを容易に
実行することができる。従って、本発明によれば、駐車
時および発進時に運転者の労力の軽減を図ることができ
る。
【0010】請求項3に記載する如く、運転者に操作さ
れるステアリングホイールと、それぞれ電気的に作動す
る操舵アクチュエータによって独立に転舵される複数の
転舵輪とを備える車両の操舵装置において、前記ステア
リングホイールの操作量を検出する操作量検出手段と、
前記転舵輪の転舵量を検出する転舵量検出手段と、前記
ステアリングホイールが操作されていない状態ですべて
の転舵輪のうち少なくとも一の転舵輪が転舵されている
場合、当該一の転舵輪が直進状態になるように当該一の
転舵輪を転舵させる操舵アクチュエータを駆動する駆動
手段と、を備えることを特徴とする車両の操舵装置は、
直進時に優れた車両安定性を実現するうえで有効であ
る。
【0011】本発明において、ステアリングホイールの
操作量、および、転舵輪の転舵量が検出される。ステア
リングホイールが操作されていない状態、すなわち、ス
テアリングホイールが中立位置に維持されている状態
で、全転舵輪のうち一の転舵輪が転舵されている場合、
当該一の転舵輪は、直進状態となるように転舵される。
このため、本発明によれば、ステアリングホイールが操
作されていない状態で路面外乱や横風等に起因して車輪
に横力が作用する場合、その横力をキャンセルするよう
に操舵制御されることにより車両を直進状態に戻すこと
ができる。従って、本発明によれば、直進時の車両安定
性の向上を図ることができる。
【0012】また、請求項4に記載する如く、それぞれ
電気的に作動する操舵アクチュエータによって独立に転
舵される複数の転舵輪を備える車両の駐車支援装置にお
いて、当該車両の位置を検出する自車位置検出手段と、
当該車両の近傍に存在する障害物を検出する障害物検出
手段と、当該車両の近傍で空いている駐車スペースを認
識するスペース認識手段と、当該車両と認識された障害
物との間に所定のクリアランスが確保されるように、認
識された駐車スペースに当該車両を移動させるための移
動軌跡を演算する軌跡演算手段と、演算された移動軌跡
に沿って当該車両が移動するように、前記複数の転舵輪
にそれぞれ対応する操舵アクチュエータを駆動する駆動
手段と、を備えることを特徴とする車両の駐車支援装置
は、車両を駐車させる際に運転者の労力を軽減するうえ
で有効である。
【0013】本発明において、車両の位置が検出される
と共に、車両近傍に存在する障害物が検出される。ま
た、車両の近傍で空いている駐車スペースが認識され
る。現時点での車両位置から認識された駐車スペースに
車両を移動させるための移動軌跡が、車両と当該駐車ス
ペースとの間に所定のクリアランスが確保されるように
演算される。そして、操舵アクチュエータは、演算され
た移動軌跡に沿って車両が移動するように駆動される。
このため、本発明によれば、運転者がステアリングホイ
ールを操作することなく、車両を操舵させることができ
る。従って、本発明によれば、駐車時に運転者の労力の
軽減を図ることができる。
【0014】更に、請求項5に記載する如く、請求項4
記載の車両の駐車支援装置において、前記複数の転舵輪
は、車両の前部で車幅方向に同軸上に設けられた2つの
前輪と、車両の後部で車幅方向に同軸上に設けられた2
つの後輪と、で構成され、前記駆動手段は、前記複数の
転舵輪のすべてが前記前輪と前記後輪との中央から車幅
方向の軸上の所定位置を旋回中心にして転舵されるよう
に、前記複数の転舵輪にそれぞれ対応する操舵アクチュ
エータを駆動することを特徴とする車両の駐車支援装置
は、容易に車両の移動軌跡を演算するうえで有効であ
る。
【0015】本発明において、車両は、転舵輪として機
能する2つの前輪および2つの後輪を有している。演算
された移動軌跡に沿って車両が移動する際、すべての転
舵輪は、前輪と後輪との中央から車幅方向の軸上の所定
位置を旋回中心にして転舵される。この場合、車両は、
内輪差および外輪差が生じることなく旋回する。車両が
内輪差および外輪差が生じることなく旋回できれば、移
動軌跡演算手段は、車両の移動軌跡を演算する際、すべ
ての転舵輪の移動軌跡を演算する必要はない。このた
め、本発明によれば、車両の移動軌跡の演算を容易に実
現することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施例であ
る操舵装置10の要部構成図を示す。本実施例の操舵装
置10は、電子制御ユニット(以下、ECUと称す)1
2を備えている。また、本実施例の操舵装置10を搭載
する車両は、車体前部に左前輪FLおよび右前輪FRを
有すると共に、車体後部に左後輪RLおよび右後輪RR
を有している。本実施例の操舵装置10は、ECU12
に制御されることにより車輪FL,FR,RL,RRを
転舵する。
【0017】本実施例の操舵装置10は、ステアリング
ホイール14を備えている。ステアリングホイール14
には、ステアリングシャフト16が固定されている。ス
テアリングシャフト16は、ステアリングホイール14
の回転に伴って回転できるように構成されている。ステ
アリングシャフト16には、操舵角センサ18が配設さ
れている。操舵角センサ18は、ステアリングホイール
14の操舵角に応じた信号を出力する。操舵角センサ1
8の出力信号は、ECU12に供給されている。ECU
12は、操舵角センサ18の出力信号に基づいてステア
リングホイール14の操舵角を検出する。
【0018】ECU12には、車輪速センサ20が接続
されている。車輪速センサ20は、各車輪ごとに設けら
れており、それぞれ、車輪の速度に応じた電気信号を出
力する。ECU12は、車輪速センサ20の出力信号に
基づいて各車輪の速度を検出する。また、ECU12に
は、ヨーレートセンサ22が接続されている、ヨーレー
トセンサ22は、車両の重心回りの回転角速度に応じた
信号を出力する。ECU12は、ヨーレートセンサ22
の出力信号に基づいて車両に生じているヨーレートを検
出する。これにより、ECU12は、ステアリングホイ
ール14の操舵角、各車輪の速度、およびヨーレートに
基づいて、車両の旋回半径R、すなわち、車両が走行し
ている道路の曲率半径を推定する。
【0019】更に、ECU12には、操舵モータ24、
26、28、および30が接続されている。操舵モータ
24〜30は、それぞれ、車輪FL、FR、RL、また
はRRに対してナックルアーム32を介して連結される
タイロッド34、36、38、または40に配設されて
いる。操舵モータ24〜30は、それぞれ、ステアリン
グホイール14の操舵角に応じた指令信号がECU12
から供給されることによりタイロッド34〜40を車幅
方向に変位させる。
【0020】本実施例の操舵装置10は、操舵モータ2
4〜30がECU12に制御されることにより、ステア
リングホイール14の操舵角に応じた量だけ前輪FL,
FRおよび後輪RL,RRを転舵させる。従って、本実
施例の操舵装置10によれば、左右の車輪を機械的に連
結することなく、操舵モータ24〜30に適当なモータ
電流を供給することで、前輪FL,FRおよび後輪R
L,RRを転舵させることができる。
【0021】図2は、本実施例の操舵装置10を搭載す
る車両の駐車支援装置50のシステム構成図を示す。ま
た、図3は、図2に示す駐車支援装置50を搭載する車
両のセンサ等の設置位置を、車両上方から見た図を示
す。駐車支援装置50は、ECU12に制御されること
により実現される。図2に示す如く、ECU12には、
車庫入れスイッチ52が接続されている。車庫入れスイ
ッチ52は、車内に配設されており、運転者が操作する
ことによってオン状態となる。ECU12は、車庫入れ
スイッチ52がオン状態である場合に、車両の駐車を支
援するための処理を実行する。
【0022】ECU12には、カメラ54が接続されて
いる。カメラ54は、図3に示す如く、車両のルーフの
前部および後部に設けられている(カメラ54a,54
b)と共に、左右のサイドミラー近傍に設けられている
(カメラ54c,54d)。カメラ54a〜54dは、
車庫入れスイッチ52がオン状態となった場合に、車両
周囲の状態、例えば駐車用の白線,他車両,障害物を撮
影し、ECU12に画像信号を出力する。ECU12
は、カメラ54a〜54dが撮影した画像を解析するこ
とにより車両周囲の状態を把握する。
【0023】ECU12には、また、レーダアンテナ5
6が接続されている。レーダアンテナ56は、FMーC
Wレーダの構成要素であり、図3に示す如く、車両の四
隅に、鉛直方向に延びる回転軸を中心として回転するこ
とができるように配設されている(レーダアンテナ56
a〜56d)。レーダアンテナ56a〜56dは、指向
性を有するアンテナであり、車庫入れスイッチ52がオ
ン状態となった場合に所定のビーム角の広がりをもって
信号の送受信を行う。ECU12は、レーダアンテナ5
6a〜56dから供給される信号に適当な処理を施すこ
とにより、車両の周囲の検出領域内に存在する障害物を
検出する。
【0024】ECU12には、更に、表示ユニット60
が接続されている。表示ユニット60は、運転者が見る
ことができるように車内に配設されている。表示ユニッ
ト60は、ECU12が処理した結果を、すなわち、車
両周囲の障害物や駐車可能な領域(駐車スペース)を表
示する。これにより、運転者は、車両周囲に存在する駐
車スペースを認識すると共に、障害物の位置を把握でき
る。
【0025】また、表示ユニット60の表示画面には、
タッチパネル操作スイッチ62が設けられている。タッ
チパネル操作スイッチ62は、表示ユニット60の表示
画面に、具体的には、表示画面に表示された駐車スペー
スに運転者がタッチすることによりオン状態となる。タ
ッチパネル操作スイッチ62の出力信号は、ECU12
に供給されている。ECU12は、タッチパネル操作ス
イッチ62の出力信号に基づいて駐車スペースを特定
し、その特定された駐車スペースに車両を移動させるた
めの処理を実行する。
【0026】ところで、運転者は、駐車場や道路上に車
両を駐車させたり、あるいは、駐車状態の車両を発進さ
せる場合、通常は、隣接する車両やガードレール等の障
害物の位置を確認しながらステアリングホイールを操作
する。かかる場合に車両に内輪差および外輪差が生じる
と、運転者に高度な運転操作が必要となり、不慣れな運
転者は容易に車両を駐車させたり、発進させることがで
きない。このため、運転者が容易に車両を駐車させ、発
進させるためには、車両に内輪差や外輪差が生じるのを
確実に防止することが必要である。
【0027】図4は、本実施例の操舵装置10を搭載す
る車両の4輪モデルを模式的に表した図を示す。尚、図
4においては、車両が右旋回する状態を示している。図
4に示す如く、車両の車輪FL,FR,RL,RRは、
ステアリングホイール14の操舵角に応じた量だけ転舵
される。この際、車輪FL,FR,RL,RRの旋回中
心Oは、その旋回中心Oと左前輪FLとの距離と、当該
旋回中心Oと左後輪RLとの距離とが等距離となり、か
つ、当該旋回中心Oと右前輪FRとの距離と、当該旋回
中心Oと右後輪RRとの距離とが等距離となるように、
すなわち、前輪と後輪との中央の軸上に設定される。か
かる旋回中心によれば、車両が旋回する際、左前輪FL
と左後輪RLとは同一軌跡上を転舵し、かつ、右前輪F
Rと右後輪RRとは同一軌跡上を転舵することができ
る。
【0028】上記の旋回中心Oは、ステアリングホイー
ル14の操舵角に応じた位置に設定される。具体的に
は、ステアリングホイール14の操舵角が小さい場合は
前輪と後輪との中央の軸上で車両から遠い位置に設定さ
れ、ステアリングホイール14の操舵角が大きい場合は
前輪と後輪との中央の軸上で車両から近い位置に設定さ
れる。尚、この旋回中心Oは、例えば右旋回する場合は
右後輪RRからの車幅方向の距離Rと、前後方向の距離
Dとにより特定され、また、左旋回する場合は左後輪R
Lからの車幅方向の距離Rと、前後方向の距離Dとによ
り特定される。
【0029】本実施例において、ECU12は、予め、
前輪と後輪との距離L(=2D)、および、左車輪と右
車輪との距離Wを記憶している。車輪FL,FR,R
L,RRは、それぞれ軸の角度が以下に示す式(1)〜
(4)を満たすように転舵される。具体的には、上記軸
の角度が以下に示す式(1)〜(4)を満たすθとなる
ように設定された旋回中心に向くように、操舵モータ2
4〜30に対してモータ電流が供給される。
【0030】 tan(θFL)=(L−D)/(R+W)=L/2(R+W)・・・(1) tan(θFR)=(L−D)/R =L/2R ・・・(2) tan(θRL)=D/(R+W) =L/2(R+W)・・・(3) tan(θRR)=D/R =L/2R ・・・(4) かかる構成によれば、操舵モータ24〜30への適当な
モータ電流によって車輪FL,FR,RL,RRの旋回
中心が一致することで、車両は、内輪差および外輪差が
生じることなく旋回することができる。このため、本実
施例の操舵装置10によれば、車両を、隣接する車両や
ガードレール等の障害物に衝突させることなく、狭い駐
車スペースに駐車させたり、狭い駐車スペースから発進
させるのを簡単な運転操作で実現することができる。従
って、本実施例の操舵装置10によれば、駐車時および
発進時に運転者の労力の軽減を図ることができる。
【0031】次に、図5および図6を参照して、本実施
例の操舵装置10を搭載する車両を駐車させる際に支援
を行う駐車支援装置50について説明する。駐車支援装
置50は、空いている駐車スペースに車両を駐車させる
べく車庫入れスイッチ52がオン状態に変化した場合
に、ステアリングホイール14が操作されなくても、車
両の操舵を自動的に実行する装置である。
【0032】図5は、本実施例の操舵装置10を搭載す
る車両を駐車スペースに駐車させる際に演算される最適
軌跡の一例を示す。本実施例においては、車庫入れスイ
ッチ52がオン状態とされると、まず自車両200の位
置、および、自車両200の周囲の状態、例えば車両2
01,202,203、車両201と202との間の駐
車スペースSP1、車両203の右隣に存在する駐車ス
ペースSP2、および車両203の左隣に存在する駐車
スペースSP3の位置や大きさ等が検出される。かかる
場合は、駐車スペースSP1,SP2,SP3が自車両
200の駐車スペースの候補として抽出される。
【0033】そして、抽出された駐車スペースSP1,
SP2,SP3の中から、自車両200の運転者がタッ
チパネル操作スイッチ62をオン状態にすることにより
自車両200を駐車させる駐車スペース(図5において
SP1)を特定する。駐車スペースの特定が行われる
と、次に、自車両200の現時点の位置からその特定さ
れた駐車スペースの位置に至るまでの移動軌跡が演算さ
れる。
【0034】操舵モータ24〜30への適当なモータ電
流によって車輪FL,FR,RL,RRの旋回中心が一
致することで、車両は、内輪差および外輪差が生じるこ
となく旋回することができる。車両が内輪差および外輪
差が生じることなく旋回する場合、幅の変わらない移動
軌跡が形成される。車両旋回時に移動軌跡の幅が変化し
ない場合には、車体全体の移動軌跡を演算する必要はな
い。この場合、車体のある一点(図5における車体先端
部)の移動軌跡を演算し、その一点から車体外形部まで
の距離分の領域を加味するだけで、車両の移動軌跡を演
算することになる。
【0035】本実施例において、ECU12は、車体先
端部から車体外形部までの距離を記憶している。また、
車体先端部の移動軌跡を演算している。従って、本実施
例の操舵装置10を搭載する車両の駐車支援装置50に
よれば、車体先端部の移動軌跡に車体外形部マでの距離
を加味することで、駐車時における車両の移動軌跡の演
算を容易に行うことができる。
【0036】車両の移動軌跡が演算されると、その移動
軌跡に合った旋回中心が演算される。そして、車輪F
L,FR,RL,RRの旋回中心が、演算された旋回中
心に一致するように、操舵モータ24〜30にモータ電
流が供給される。これにより、駐車支援装置50によれ
ば、運転者がステアリングホイール14を操作すること
なく、車両を操舵させることができる。このため、駐車
支援装置50によれば、駐車時における運転者の労力の
軽減を図ることができる。
【0037】図6は、上記の機能を実現すべく、本実施
例の操舵装置10を搭載する車両の駐車支援装置50に
おいて実行される制御ルーチンの一例のフローチャート
を示す。図6に示すルーチンは、その処理が終了する毎
に繰り返し起動されるルーチンである。図6に示すルー
チンが起動されると、まずステップ100の処理が実行
される。
【0038】ステップ100では、前回の処理サイクル
から今回の処理サイクルにかけて車庫入れスイッチ52
がオフ状態からオン状態に変化したか否かが判別され
る。本ステップ100の処理は、車庫入れスイッチ52
がオフ状態からオン状態に変化したと判別されるまで繰
り返し実行される。その結果、上記の条件が成立したと
判別されると、次にステップ102の処理が実行され
る。
【0039】ステップ102では、ナビゲーション58
の出力信号に基づいて、自車両の位置が検出される。ス
テップ104では、カメラ54およびレーダアンテナ5
6の出力信号に基づいて、自車両の周辺に存在する障害
物が検知される。ステップ106では、車庫入れフラグ
がオン状態であるか否かが検出される。本ステップ10
6が上記ステップ100の条件が成立した直後、初めて
実行される場合には、車庫入れフラグはオン状態ではな
い。従って、この場合は、車庫入れフラグがオン状態で
ないと判別されて、次にステップ108の処理が実行さ
れる。
【0040】ステップ108では、上記ステップ10
2,104の処理結果に基づいて、自車両の周辺に存在
する駐車可能な駐車スペースが検出されると共に、その
駐車可能な駐車スペースを、表示ユニット60に表示す
るための処理が実行される。かかる処理が実行される
と、表示ユニット60には、自車両の周辺の状況が表示
される。
【0041】ステップ110では、タッチパネル操作ス
イッチ62の出力信号に基づいて、上記ステップ108
で表示された駐車スペースのうちで運転者が選択した駐
車スペースが特定される。本ステップ110の処理が実
行されると、次にステップ112の処理が実行される。
ステップ112では、車庫入れフラグをオン状態にする
処理が実行される。
【0042】ステップ114では、上記ステップ102
で検知された自車両の位置から、上記ステップ110で
特定された駐車スペースの位置に至るまでの自車両の移
動軌跡が演算される。この移動軌跡の演算処理につい
て、まず、車体先端部の、現時点の位置から駐車スペー
スの目標位置までの移動軌跡を演算する。そして、その
先端部の移動軌跡に、その先端部から車体外形部までの
距離分の領域を加味する。かかる演算によれば、車体先
端部の移動軌跡を知得するだけで、車体全体の移動軌跡
を認識することができる。
【0043】ステップ116では、上記ステップ114
で演算された移動軌跡に基づいて、車輪の旋回中心が設
定される。ステップ118では、前輪FL,FRおよび
後輪RL,RRが上記ステップ116で設定された旋回
中心を中心にして転舵されるように、操舵モータ24〜
30にモータ電流IM(**) が供給される。
【0044】ステップ120では、自車両の位置が、上
記ステップ110で特定された駐車スペースの位置に到
達しているか否かが判別される。その結果、自車両の位
置が特定された駐車スペースの位置に到達していると判
別されない場合は、次に上記ステップ102以降の処理
が実行される。一方、自車両の位置が特定された駐車ス
ペースの位置に到達していると判別された場合は、次に
ステップ122の処理が実行される。
【0045】ステップ122では、車庫入れモードを解
除すべく、車庫入れフラグをオフ状態にする処理が実行
される。上記の処理によれば、車庫入れスイッチ52が
オン状態になった場合に、駐車スペースまでの移動軌跡
に沿って車両が移動するように操舵モータ24〜30に
適切にモータ電流を供給することができる。このため、
駐車支援装置50によれば、運転者がステアリングホイ
ール14を操作することなく、車両を操舵させることが
できる。従って、駐車支援装置50によれば、駐車時に
おける運転者の多大な労力を軽減することができる。
【0046】尚、上記の実施例においては、操舵モータ
24〜30が請求項2記載の「操舵アクチュエータ」
に、前輪FL,FRおよび後輪RL,RRが請求項2記
載の「転舵輪」に、それぞれ相当していると共に、EC
U12が、操舵角センサ18の出力信号に基づいてステ
アリングホイール14の操舵角を検出することにより請
求項2記載の「操作量検出手段」が、ステアリングホイ
ール14の操舵角に応じた前輪FL,FRと後輪RL,
RRとの中央の軸上の位置に全車輪の旋回中心を設定す
ることにより請求項2記載の「旋回中心設定手段」が、
車輪FL,FR,RL,RRがそれぞれ上記の如く設定
された旋回中心に向くように、操舵モータ24〜30に
対してモータ電流を供給することにより請求項2記載の
「アクチュエータ駆動手段」が、それぞれ実現されてい
る。
【0047】また、上記の実施例においては、ECU1
2が、上記ステップ102の処理を実行することにより
請求項4記載の「自車位置検出手段」が、上記ステップ
104の処理を実行することにより請求項4記載の「障
害物検出手段」が、上記ステップ108の処理を実行す
ることにより請求項4記載の「スペース認識手段」が、
請求項4記載の「軌跡演算手段」が、上記ステップ11
8の処理を実行することにより請求項4記載の「駆動手
段」が、それぞれ実現されている。
【0048】ところで、上記の実施例においては、カメ
ラ54やレーダアンテナ56を用いて車両の周辺の状況
や駐車スペースの位置を認識することとしているが、か
かる情報を認識する手法はこれに限定されるものではな
く、駐車場のインフラ装置等からこれらの情報を取得す
ることで認識することとしてもよい。次に、図7乃至図
9を参照して、本発明の第2実施例の操舵装置70につ
いて説明する。本実施例の操舵装置70は、車両に設け
られた4輪のうち2輪を転舵するための装置である。本
実施例の操舵装置70において、後輪RL,RRは、上
述した第1実施例の操舵装置10と異なり、互いにロッ
ドを介して連結されており、転舵されることはない。
【0049】図7は、本実施例である車両の操舵装置7
0のシステム構成図を示す。尚、図7において、上記図
1に示す構成部分と同一の部分については、同一の符号
を付してその説明を省略する。本実施例の操舵装置70
は、ECU72を備えている。ECU72には、軸力セ
ンサ74が接続されている。軸力センサ74は、タイロ
ッド34,36に配設されており、タイロッド34,3
6に作用する軸力に応じた信号を出力する。ECU72
は、軸力センサ74の出力信号に基づいて、タイロッド
34,36に作用する軸力を検出する。
【0050】また、ECU72には、上記の操舵モータ
24,26が接続されている。操舵モータ24,26
は、それぞれ、ステアリングホイール14の操舵角に応
じた指令信号がECU72から供給されることによりタ
イロッド34,36を車幅方向に変位させる。本実施例
の操舵装置70は、操舵モータ24,26がECU72
に制御されることにより、ステアリングホイール14の
操舵角に応じた量だけ前輪FL,FRを転舵させる。
【0051】図8は、本実施例の操舵装置を搭載する車
両の4輪モデルを模式的に表した図を示す。尚、図8に
おいては、車両が右旋回する状態を示している。図8に
示す如く、前輪FL,FRは共に、ステアリングホイー
ル14の操舵角に応じた量だけ転舵される。具体的に
は、後輪RL,RRの軸上の、ステアリングホイール1
4の操舵角に応じた位置に、旋回中心Oが設定される。
この旋回中心は、例えば右旋回する場合は右後輪RRか
らの距離Rにより特定され、左旋回する場合は左後輪R
Lからの距離Rにより特定される。
【0052】本実施例において、ECU72は、予め、
前輪と後輪との距離L、および、左車輪と右車輪との距
離Wを記憶している。左前輪FLおよび右前輪FRは、
それぞれの軸の角度が以下に示す式(5),(6)を満
たすθになるように転舵される。具体的には、上記の軸
の角度が以下に示す式(5),(6)を満たすθになる
ように操舵モータ24,26に対してモータ電流が供給
される。
【0053】 tan(θin) = L/R ・・・(5) tan(θout )= L/(R+W) ・・・(6) かかる構成によれば、車両が旋回する際、左前輪FL、
右前輪FR、左後輪RL、および右後輪RRの旋回中心
は一致することになる。すべての車輪の旋回中心が一致
すれば、車両旋回時に生じる車輪の横滑りが防止され
る。従って、本実施例の操舵装置70によれば、車輪の
転がり抵抗を低減することができる。このため、本実施
例の操舵装置70によれば、車輪の転がり抵抗に起因す
る車輪の偏磨耗が低減されることで、燃費の向上を図る
ことができる。
【0054】ところで、車両が直進して走行する状況下
で、運転者がステアリングホイール14を操舵していな
いにも関わらず、車体の左右の段差,轍等の路面外乱や
横風等に起因して、車輪のキャンバスラスト力などによ
り前輪FLまたはFRが転舵する場合がある。このよう
に車輪が転舵されると、車両の直進安定性を欠いてしま
う。従って、車両が直進して走行している状況下で路面
外乱等により車輪が転舵された場合に直進安定性を確保
するためには、その外乱を打ち消すように車輪を直進状
態に復帰させることが望ましい。
【0055】車輪が転舵されている場合は、タイロッド
34,36に軸力が作用する。一方、車輪が直進状態を
維持している場合は、タイロッド34,36に軸力は作
用しない。従って、ステアリングホイール14が操作さ
れていない状態でタイロッド34,36に軸力が作用し
た場合は、路面外乱により前輪FL,FRが転舵されて
いると判断できる。
【0056】本実施例において、上述の如く、ステアリ
ングホイール14の操舵量が検出されている。また、タ
イロッド34,36に作用する軸力が検出されている。
かかる構成において、ステアリングホイール14が操作
されていない状態でタイロッド34,36に軸力が作用
した場合は、その軸力が消滅するように操舵モータ2
4,26にモータ電流が供給される。上記の場合に操舵
モータ24,26にモータ電流が供給されると、タイロ
ッド34,36に作用する軸力が消滅することで、前輪
FL,FRが直進状態に復帰する。従って、本実施例に
よれば、ステアリングホイール14が操作されていない
状態では車両に設けられた車輪がすべて直進状態に維持
されることで、直進時の車両安定性の向上を図ることが
できる。
【0057】図9は、上記の機能を実現すべく、本実施
例の操舵装置が備えるECU72において、車輪に外乱
が生じた場合に実行される制御ルーチンの一例のフロー
チャートを示す。図9に示すルーチンは、その処理が終
了する毎に繰り返し起動される。図9に示すルーチンが
起動されると、まずステップ130の処理が実行され
る。
【0058】ステップ130では、操舵角センサ18の
出力信号に基づいてステアリングホイール14の操舵角
θが、車輪速センサ20の出力信号に基づいて各車輪の
車輪速Vが、また、ヨーレートセンサ22の出力信号に
基づいて車両に生じているヨーレートγが、それぞれ検
出される。ステップ132では、軸力センサ74の出力
信号に基づいて、左前輪FLに連結するタイロッド34
の軸方向に作用する軸力XL ,XR が、それぞれ検出さ
れる。
【0059】ステップ134では、上記ステップ130
の処理結果に基づいて、車両が直進して走行しているか
否かが検出される。その結果、車両が直進して走行して
いると判別される場合は、次にステップ136の処理が
実行される。一方、車両が直進して走行していないと判
別される場合は、今回のルーチンは終了される。ステッ
プ136では、前回の処理サイクルで得られた軸力XLi
-1,XRi-1と、今回の処理サイクルで得られた軸力XL
i,XRiとの偏差が所定値ΔX0 以上であるか否かが判
別される。尚、所定値ΔX0 は、車輪が直進して走行で
きる最大のタイロッド34,36に生じる軸力の変化率
である。|XLi−XLi-1|≧ΔX0であると判別される
場合は、左前輪FLが転舵されるほど大きな軸力がタイ
ロッド34に生じていると判断できる。また、|XRi−
XRi-1|≧ΔX0 であると判別される場合は、右前輪F
Rが転舵されるほど大きな軸力がタイロッド36に生じ
ていると判断できる。
【0060】車両が直進して走行している状況下でタイ
ロッド34,36に大きな軸力が生じる場合は、ステア
リングホイール14が非操作であるにも関わらず、路面
外乱に起因して車輪が転舵されていると判断できる。か
かる場合は、その外乱による車輪の転舵をキャンセルさ
せることが適切である。従って、|XLi−XLi-1|≧Δ
X0 である、あるいは、|XRi−XRi-1|≧ΔX0 であ
ると判別される場合は、次にステップ138の処理が実
行される。
【0061】一方、|XLi−XLi-1|≧ΔX0 でない、
かつ、|XRi−XRi-1|≧ΔX0 でないと判別される場
合は、車輪が直進していると判断される。従って、この
場合は、今回のルーチンは終了される。ステップ138
では、タイロッド34,36に生じる軸力が“0”にな
るように、操舵モータ24,26に対してモータ電流I
M(**) が供給される。
【0062】上記の処理によれば、路面外乱等に起因し
て車輪が転舵される場合に、その車輪を直進状態に復帰
させることができる。従って、本実施例の操舵装置70
によれば、直進時の車両安定性の向上を図ることができ
る。尚、上記の実施例においては、操舵モータ24,2
6が請求項1記載の「操舵アクチュエータ」に、前輪F
L,FRが請求項1および3記載の「転舵輪」に、後輪
RL,RRが請求項1記載の「固定輪」に、それぞれ相
当していると共に、ECU72が、操舵角センサ18の
出力信号に基づいてステアリングホイール14の操舵角
を検出することにより請求項1記載の「操作量検出手
段」が、ステアリングホイール14の操舵角に応じた後
輪RL,RRの軸上の位置に前輪FL,FRの旋回中心
を設定することにより請求項1記載の「旋回中心設定手
段」が、車輪FL,FRがそれぞれ上記の如く設定され
た旋回中心に向くように、操舵モータ24,26に対し
てモータ電流を供給することにより請求項1記載の「ア
クチュエータ駆動手段」が、それぞれ実現されている。
【0063】また、上記の実施例においては、ECU7
2が、軸力センサ74の出力信号に基づいて検出された
タイロッド34,36に作用する左軸力XL および右軸
力XR に応じて前輪FL,FRの転舵量を検出すること
により請求項3記載の「転舵量検出手段」が、上記ステ
ップ138の処理を実行することにより請求項3記載の
「駆動手段」が、それぞれ実現されている。
【0064】ところで、車両が直進して走行している状
況下で路面外乱に起因して車輪が転舵された場合に車両
の直進安定性を確保する処理は、第2実施例の操舵装置
70において適用されることとしているが、第1実施例
の操舵装置10に適用されることとしてもよい。
【0065】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、旋回時に車輪の横滑りが防止されることで、車輪の
転がり抵抗を低減することができる。このため、本発明
によれば、車輪の偏磨耗が低減されることで、燃費の向
上を図ることができる。請求項2記載の発明によれば、
内輪差および外輪差が生じることなく、車両を旋回させ
ることができる。このため、本発明によれば、狭い駐車
スペースへの駐車、および、狭い駐車スペースからの発
進を、車両を障害物に衝突させることなく容易に実現す
ることができる。
【0066】請求項3記載の発明によれば、直進時に路
面外乱に起因して車輪が転舵される状況下で車両安定性
の向上を図ることができる。請求項4記載の発明によれ
ば、車両を駐車させる際に運転者の労力の軽減を図るこ
とができる。また、請求項5記載の発明によれば、車両
の駐車時に運転者の労力の軽減を図ることができると共
に、車両が操舵される際に内輪差および外輪差が生じな
いことで、車両の移動軌跡を容易に演算することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である車両の操舵装置の要
部構成図である。
【図2】図1に示す操舵装置を搭載する車両の駐車支援
装置のシステム構成図である。
【図3】図2に示す駐車支援装置を搭載する車両のセン
サ等の設置位置を、車両上部から見た図である。
【図4】本実施例の操舵装置を搭載する車両の4輪モデ
ルを模式的に表した図である。
【図5】本実施例の操舵装置を搭載する車両を駐車スペ
ースに駐車させるべく演算される最適軌跡の一例であ
る。
【図6】本実施例の操舵装置を搭載する車両の駐車支援
装置が備えるECUにおいて実行される制御ルーチンの
一例のフローチャートである。
【図7】本発明の第2実施例である車両の操舵装置の要
部構成図である。
【図8】本実施例の操舵装置を搭載する車両の4輪モデ
ルを模式的に表した図である。
【図9】本実施例の操舵装置が備えるECUにおいて車
輪に外乱が生じた場合にその外乱を補正すべく実行され
る制御ルーチンの一例のフローチャートである。
【符号の説明】
10,70 操舵装置 12,72 電子制御ユニット(ECU) 14 ステアリングホイール 18 操舵角センサ 24〜30 操舵モータ 74 軸力センサ FL,FR,RL,RR 車輪
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 137:00 (72)発明者 荻田 誠 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 勝田 隆之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 花本 孝幸 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3D032 CC04 CC20 CC49 DA01 DA03 DA22 DA24 DA33 DA76 DA77 DA88 DA91 DB03 DB07 DC33 EA05 EA06 EB04 EC23 GG01 3D034 CA03 CC09 CC12 CD01 CD04 CD07 CD13 CD20 CE01 CE13 CE14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転者に操作されるステアリングホイー
    ルと、一端部に設けられ、それぞれ電気的に作動する操
    舵アクチュエータによって独立に転舵される複数の転舵
    輪と、他端部に設けられる固定輪とを備える車両の操舵
    装置において、 前記ステアリングホイールの操作量を検出する操作量検
    出手段と、 前記ステアリングホイールの操作量に基づいて、前記固
    定輪の軸上に前記複数の転舵輪の旋回中心を設定する旋
    回中心設定手段と、 設定された旋回中心を中心にして前記複数の転舵輪のす
    べてが転舵されるように、前記複数の転舵輪にそれぞれ
    対応する操舵アクチュエータを作動させるアクチュエー
    タ駆動手段と、 を備えることを特徴とする車両の操舵装置。
  2. 【請求項2】 運転者に操作されるステアリングホイー
    ルと、前部および後部にそれぞれ設けられ、それぞれ電
    気的に作動する操舵アクチュエータによって独立に転舵
    される複数の転舵輪とを備える車両の操舵装置におい
    て、 前記ステアリングホイールの操作量を検出する操作量検
    出手段と、 前記ステアリングホイールの操作量に基づいて、車両の
    前部に設けられた転舵輪と車両の後部に設けられた転舵
    輪との中央から車幅方向の軸上に前記複数の転舵輪の旋
    回中心を設定する旋回中心設定手段と、 設定された旋回中心を中心にして前記複数の転舵輪のす
    べてが転舵されるように、前記複数の転舵輪にそれぞれ
    対応する操舵アクチュエータを作動させるアクチュエー
    タ駆動手段と、 を備えることを特徴とする車両の操舵装置。
  3. 【請求項3】 運転者に操作されるステアリングホイー
    ルと、それぞれ電気的に作動する操舵アクチュエータに
    よって独立に転舵される複数の転舵輪とを備える車両の
    操舵装置において、 前記ステアリングホイールの操作量を検出する操作量検
    出手段と、 前記転舵輪の転舵量を検出する転舵量検出手段と、 前記ステアリングホイールが操作されていない状態です
    べての転舵輪のうち少なくとも一の転舵輪が転舵されて
    いる場合、当該一の転舵輪が直進状態になるように当該
    一の転舵輪を転舵させる操舵アクチュエータを駆動する
    駆動手段と、 を備えることを特徴とする車両の操舵装置。
  4. 【請求項4】 それぞれ電気的に作動する操舵アクチュ
    エータによって独立に転舵される複数の転舵輪を備える
    車両の駐車支援装置において、 当該車両の位置を検出する自車位置検出手段と、 当該車両の近傍に存在する障害物を検出する障害物検出
    手段と、 当該車両の近傍で空いている駐車スペースを認識するス
    ペース認識手段と、 当該車両と認識された障害物との間に所定のクリアラン
    スが確保されるように、認識された駐車スペースに当該
    車両を移動させるための移動軌跡を演算する軌跡演算手
    段と、 演算された移動軌跡に沿って当該車両が移動するよう
    に、前記複数の転舵輪にそれぞれ対応する操舵アクチュ
    エータを駆動する駆動手段と、 を備えることを特徴とする車両の駐車支援装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の車両の駐車支援装置にお
    いて、 前記複数の転舵輪は、車両の前部で車幅方向に同軸上に
    設けられた2つの前輪と、 車両の後部で車幅方向に同軸上に設けられた2つの後輪
    と、で構成され、 前記駆動手段は、前記複数の転舵輪のすべてが前記前輪
    と前記後輪との中央から車幅方向の軸上の所定位置を旋
    回中心にして転舵されるように、前記複数の転舵輪にそ
    れぞれ対応する操舵アクチュエータを駆動することを特
    徴とする車両の駐車支援装置。
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