JP6754933B2 - フレキシブル液晶パネルに適応可能な液晶シール剤 - Google Patents

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Description

本発明は、低弾性率且つ伸び率に優れた、フレキシブル液晶パネルに適応可能な滴下工法用液晶シール剤に関するものである。
近年、大型液晶テレビ、携帯電話をはじめ各種機器の表示パネルとして軽量、高精細、低消費電力の特徴を有する液晶表示パネルが多く液晶滴下工法で生産されている。液晶滴下工法とは、光及び熱併用硬化型液晶シール剤を、電極パターン及び配向膜の施された基板上へ塗布し、さらにその液晶シール剤が塗布された基板、又はこれと対となる基板に液晶を滴下した後、対向基板を真空下で貼り合わせて、第一段階として紫外線照射等により光硬化を行うことで基板の速やかな固定、つまりセルギャップ形成を行い、第二段階として圧締治具フリーの熱硬化によりシール剤を完全硬化させることで、液晶表示パネルを製造する工法である。
このような液晶滴下工法では、未硬化のシール剤と液晶とが接触した状態で光硬化及び熱硬化反応が進行するため、液晶シール剤には、硬化の工程中、すなわち、光硬化前後、熱硬化前後における液晶シール剤による液晶への汚染の低減が求められる。
液晶滴下工法では、高速硬化の観点から、(メタ)アクリル樹脂やエポキシアクリレート系化合物を主剤とするラジカル重合反応性化合物が液晶シール剤として広く使用されている(例えば、特許文献1及び2)。
液晶ディスプレイデバイスの製造において、液晶表示パネルは高温、高湿環境等種々の環境におかれるため、前記パネルを構成する液晶シール剤(及びその硬化物)には、これらの環境に対する耐性が求められる。
例えば特許文献3には、各種プラスチック材料等、様々な被着体に対して一様に高い接着強さを有し、耐熱性及び耐湿性が良好で、剛性にも優れ、特に、硬化収縮性が低く、接着歪みの少ないエネルギー線硬化性樹脂組成物として、所定の(メタ)アクリレート、所定の単官能(メタ)アクリレート、水酸基含有(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート、光重合開始剤、及び酸化防止剤を含有することを特徴とするエネルギー線硬化性樹脂組成物が開示されている。当該文献の実施例においては、このようなエネルギー線硬化性樹脂組成物から得られた硬化物が、およそ5000MPa以上の貯蔵弾性率を示すことが確認されている。
一方近年、ディスプレイパネルの新たな形態の一つとして、軽量且つ自由に折り曲げ可能なフレキシブルディスプレイが注目されている。このようなディスプレイに対応するためには当該ディスプレイを構成する所定の基板層が屈曲する際に、それに伴ってシール(シール剤の硬化物)も変形し、接着状態を良好に維持する必要がある。このような場合にはシール剤の硬化物が優れた柔軟性を有し、基板等の被着体への追従性に優れることが必要となってくる。
そのようなシール剤たり得るものとして、
特許文献4には所定の成分を含み、硬化物の動的粘弾性のずり変形による貯蔵弾性率(G’)が、25℃、1Hzにおいて1×106Pa以下であることを特徴とする光硬化性樹脂組成物が開示され、当該組成物がフレキシブル基板の接着剤や液晶シール材として使用できることも開示され、
また特許文献5には、エポキシ樹脂組成物であって、(I)該組成物と、該組成物の10倍質量の40℃〜80℃の純水とを混和させて得られる水溶液のイオン伝導度が1mS/m以下であり、該組成物の硬化体が、(II)該組成物の厚み100μmの硬化膜を通過する60℃透湿度が200g/m・24hrs未満であり、(III)該組成物硬化体の熱変形温度(Tg)が0℃〜85℃の範囲にあり、(IV)該組成物硬化体の室温下の貯蔵弾性率が0.5×10Pa〜1×10Paの範囲にあることを特徴とするプラスチック製液晶表示セル用シール剤組成物が開示されている。
特開2007−297470号公報 特開2013−14675号公報 特開2007−77321号公報 特開2006−16549号公報 再公表特許2001−098411号公報
しかしながら、フレキシブルディスプレイや曲面ディスプレイ等に対応可能な液晶シール剤には、硬化後において柔軟性や基材追従性を有することが求められるのであるが、上記の特許文献に開示された、低弾性率を示す硬化物を与える各種材料では前記特性を十分に満たすことが出来ない。
そこで本発明は、硬化後において十分な柔軟性や基材追従性を有し、フレキシブルディスプレイや曲面ディスプレイ等に適応可能な液晶シール剤を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、硬化物の弾性率が所定の値以下であり、且つ、伸び率が所定の値以上である材料が、前記の液晶シール剤として好適であることを見出し、本発明を完成するにいたった。
本発明は以下の態様を包含する。
(1)硬化物の23℃で測定した弾性率が3.0×10Pa以下であり、且つ23℃で測定した伸び率が4%以上である、滴下工法用液晶シール剤。
(2)前記硬化物の弾性率が1.0×10Pa以下である、(1)に記載の滴下工法用液晶シール剤。
(3)前記硬化物の伸び率が10%以上である、(1)又は(2)に記載の滴下工法用液晶シール剤。
(4)前記硬化物のNI点変化が、−5℃〜+5℃である、(1)〜(3)のいずれかに記載の滴下工法用液晶シール剤。
(5)エポキシ樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、ウレタン樹脂及びフェノール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の硬化成分を含有する、(1)〜(4)のいずれかに記載の滴下工法用液晶シール剤。
(6)前記硬化成分が、ポリエーテル構造、ポリオレフィン構造又はポリアルキレン構造を有する、(5)に記載の滴下工法用液晶シール剤。
(7)前記硬化成分が、1つ以上の硬化性官能基を有する、(5)又は(6)に記載の滴下工法用液晶シール剤。
(8)前記液晶シール剤のNI点変化が、−5℃〜+5℃である、(1)〜(7)のいずれかに記載の滴下工法用液晶シール剤。
(9)前記液晶シール剤における硬化成分の含有量が、5〜95量%である、(5)〜(8)のいずれかに記載の液晶シール剤。
本発明によれば、硬化後において十分な柔軟性や基材追従性を有し、フレキシブルディスプレイや曲面ディスプレイ等に適応可能な液晶シール剤が提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において(メタ)アクリロイルとは、メタクリロイル及び/又はアクリロイルを意味し、(メタ)アクリルとは、メタクリル及び/又はアクリルを意味し、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート及び/又はアクリレートを意味する。
[液晶シール剤]
<硬化物の弾性率及び伸び率>
本発明の液晶シール剤は、その硬化物の室温(23℃)で測定した弾性率が3.0×10Pa以下であり、且つ、前記硬化物の室温(23℃)で測定した伸び率が4%以上であることを特徴としており、このような低弾性率特性及び高い伸び率を示す硬化物は、柔軟性及び基材追従性を発現し、フレキシブルディスプレイ等の屈曲の際に好適に機能する。
なお、前記硬化物を得る際の液晶シール剤の硬化の条件は以下の通りである。
紫外線(UV照射装置:UVX−01224S1、ウシオ電機社製、100mW/cm/365nmで60秒)を積算光量6000mJ/cmで照射して硬化させ(後述する硬化物のTg及びNI点変化を測定する場合並びに屈曲性試験を行う場合には、照射時間は30秒で、積算光量は3000mJ/cmである)、その後、120℃の熱風オーブンで1時間熱硬化を行う。
前記弾性率の測定方法は以下の通りである。
本発明の液晶シール剤を、ダンベル状試験片(全体長50mm、全体幅10mm、狭い平行部分の長さ30mm、幅5mm、厚さ0.5mm)型に注型し、前記の条件(積算光量は6000mJ/cm)で光硬化、熱硬化を行い、試験片を作成する。得られた試験片について、引張圧縮試験機(ミネベア社製、TG−2kN)を用いて、室温(23℃)下、試験速度10mm/分で引張試験を行い、比例限度内の引張応力とひずみの結果から、液晶シール剤の硬化物の弾性率を算出する。
前記伸び率の測定方法は以下の通りである。
前記弾性率と同様の条件で試験片作成、引張試験を行い、平行部分の距離の増加量から伸び率を算出する。
硬化物が優れた柔軟性を示す観点からは、本発明の液晶シール剤の硬化物の弾性率は1.0×10Pa以下であることが好ましい。なお、前記硬化物の弾性率は、通常1.0×10Pa以上である。
硬化物の弾性率については、例えば、液晶シール剤を構成する組成物に、柔軟な高分子構造を骨格中に有する硬化成分を添加することで低弾性率とすることが出来る。このような高分子構造としては、例としてポリエーテル構造やポリオレフィン構造、ポリアルキレン構造等が挙げられる。このような高分子構造はシール剤硬化後の架橋構造に組み込まれることで、その柔軟性や弾性によって応力緩和に好適に作用し、結果的に硬化物の低弾性率化を実現することができる。
前記の理由から、この硬化成分は分子構造中に、1つ以上の硬化性官能基(エポキシ基、(メタ)アクリル基等)を有することが好ましく、2つ以上の硬化性官能基を有することがより好ましい。また、柔軟部位となる高分子構造は、分子量500以上のものが好ましい。さらに、低弾性率化の観点においては、前記硬化成分の添加量は多いほど好ましい。また、可塑剤を添加すること等によっても液晶シール剤の硬化物の低弾性率化をすることができる。
また、硬化物が優れた基材追従性を示す観点からは、本発明の液晶シール剤の硬化物の伸び率は、10%以上であることが好ましい。なお、前記硬化物の伸び率は、通常100%以下である。
従来の低弾性率の硬化物を形成する液晶シール剤は前記硬化物が柔軟性に優れるものの、基材追従性の点で不十分であり、フレキシブル液晶ディスプレイ等に適用した場合には、前記硬化物の被着体である基板が屈曲される際に、柔軟であるので屈曲はするものの、十分に被着体に追従せず剥離する可能性がある。また屈曲している部分において断裂することも考えられ、さらには、屈曲した状態から元に戻る際に、硬化物の形状が復元しないこと等も懸念される。
しかしながら本発明の液晶シール剤は、上記の所定の低弾性率に加えて優れた伸び率を有する硬化物を形成するので、基材追従性も十分である。
このように伸び率に優れ、結果として基材追従性に優れた硬化物とするためには、例えば、液晶シール剤を構成する組成物に、柔軟な高分子構造を骨格中に有する硬化成分を添加すればよい。このような高分子構造としては、例としてポリエーテル構造やポリオレフィン構造、ポリアルキレン構造等が挙げられる。このような高分子構造が液晶シール剤硬化後の架橋構造に組み込まれると、外力による変形時に当該構造が好適に伸縮し、更に外力が除かれると元の状態に復元することで、硬化物自体の外力による変形及び復元に好適に作用し、結果として硬化物に優れた伸び率を与える。
前記の理由から、この硬化成分は構造中に、1つ以上の硬化性官能基(エポキシ基、(メタ)アクリル基等)を有することが好ましく、2つ以上の硬化性官能基を有することがより好ましい。また、柔軟部位となる高分子構造は、分子量500以上のものが好ましい。さらに、伸び率の観点においては、前記硬化成分の添加量は多いほど好ましい。
以上説明した硬化成分の本発明の液晶シール剤における含有量は、通常5〜95重量%であり、液晶シール剤の硬化物の柔軟性、接着性等の観点から、好ましくは10〜95重量%である。
<液晶シール剤の硬化物のガラス転移温度(Tg)>
本発明の液晶シール剤の硬化物のTgは、通常80℃以下であり、好ましくは30℃以下である。室温条件下でのディスプレイ等の実使用を考慮した場合、Tgが室温以下であれば、液晶シール剤中の非結晶部分の分子運動性は高くなり、シール剤の硬化物の外力による変形が容易となる為、好適な柔軟性や基材追従性が得られると考えられる。
液晶シール剤の硬化物のTgを前記の範囲とするためには、例えば、液晶シール剤の構成成分の構造中に非結晶性の高分子構造を導入したり、水素結合等の分子間相互作用因子を低減するように構成成分を選択したり、架橋密度を低下させるように液晶シール剤の組成を調整すればよい。
<液晶シール剤の粘度>
本発明の液晶シール剤の粘度は、液晶シール剤を塗布する等、その作業性の観点から、通常1000〜2000000mPa・s、好ましくは10000〜1000000mPa・sである。本発明において粘度は、E型粘度計を用いて、25℃で測定するものとする。
液晶シール剤の粘度は、液晶シール剤を構成する各成分の含有量を調整したり、溶剤を添加したり、また光反応性希釈剤を加えること等によって、上記範囲に調整することが出来る。
<液晶シール剤及びその硬化物のNI点変化>
本発明の液晶シール剤及びその硬化物は、NI点変化が小さい(即ち、液晶への汚染性が低い)ことが好ましい。前記NI点とは、液晶がネマチック相からアイソトロピック相(等方相)へ相転移するときの温度である(相転移温度は、示差熱分析装置を用いて吸熱ピークトップから測定できる)。液晶のNI点は液晶の各成分の混合組成により決定され、各配合で固有の値となる。液晶汚染性が高い原料あるいは液晶シール剤若しくはその硬化物が液晶と混合されると、NI点が大きく変化し、逆に、原料あるいは液晶シール剤若しくはその硬化物の液晶汚染性が低い場合、NI点の変化は小さい。
前記の通り本発明の液晶シール剤及びその硬化物は、好ましくはNI点変化が小さい。具体的には、前記液晶シール剤のNI点変化は好ましくは−5℃〜+5℃であり、より好ましくは−3℃〜+3℃である。また、前記液晶シール剤の硬化物のNI点変化は好ましくは−5℃〜+5℃であり、より好ましくは−3℃〜+3℃である。このようにNI点変化が小さいと、液晶滴下工法で、液晶シール剤が未硬化の状態ないし硬化した状態で液晶と接触した場合でも、液晶の配向性に影響を与え難く、液晶の配向性を阻害し難い。
〔液晶シール剤の構成成分〕
続いて、以上説明した諸特性を有する本発明の液晶シール剤の構成成分について説明する。
<硬化成分>
本発明の液晶シール剤は、硬化物を形成する硬化成分を含有する。前記硬化成分としては、エポキシ樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。前記硬化成分は、本発明の効果を損なわない限り、特に制限無く選択可能である。
前記硬化成分は、本発明の効果である柔軟性と基材追従性の観点から、構造中に柔軟な高分子構造を含有することが好ましい。そのような高分子構造としては、例えばポリエーテル構造、ポリオレフィン構造、ポリアルキレン構造等が挙げられる。
これらの高分子構造は、分子量500以上のものが好ましい。分子量が小さくなると、硬化物の弾性率が大きくなり、十分な柔軟性が得られない。また、この分子量の上限は特に限定されないが、分子量が大きくなると結晶化や高粘度化し、ハンドリング性が低下することが考えられる為、おおよその目安として、分子量は通常10000以下である。
さらに、前記硬化成分は、柔軟性の発現に寄与する構造を硬化物の架橋構造内に効果的に取り込む為、1分子内に平均で1つ以上の硬化性官能基を有することが好ましく、2つ以上の硬化性官能基を有することがより好ましい。このような硬化性官能基としては、エポキシ基、(メタ)アクリル基等が挙げられ、これらを一分子中に複数種類組み合わせて含有してもよい。官能基数を極端に増加させた場合、架橋密度の上昇や過剰な硬化収縮応力の発生により、十分な柔軟性や接着性を得られない可能性があるので、おおよその目安として、1分子中の平均の硬化性官能基の数は通常50以下である。
以上説明した各種の硬化成分の例としては、デナレックスR−45EPT(ナガセケムテックス社製)、TEAI−1000(日本曹達社製)、EMA−3000(日本曹達社製)、EX−861(ナガセケムテックス社製)、E−1000(日油社製)等の市販品や、下記式(1)で表される硬化性樹脂が挙げられる。
Figure 0006754933
本発明においては、これらの成分を、液晶シール剤の硬化物が本発明で定めるパラメータを満たすように種々組み合わせて使用することができるが、本発明の液晶シール剤から得られる硬化物の低弾性率及び高い伸び率を達成する観点からは、前記式(1)で表される硬化性樹脂の使用が好ましい。以下、前記式(1)について説明する。
(mについて)
式(1)中、mは、1〜7の範囲の数であり、液晶シール剤の粘度やハンドリング性の観点から、1〜5の範囲の数であることが好ましく、1〜3の範囲の数であることがより好ましい。
式(1)においては、mの添え字がついた括弧で括られたブロックの、エーテル部位や所定の基Yからなる柔軟部位が存在し、式(1)の硬化性樹脂を硬化させて得られる硬化物は、当該柔軟部位が柔軟性や弾性を発揮するものと考えられ、本発明の液晶シール剤の良好な柔軟性や基材追従性に寄与するものと考えられる。
(Xについて)
式(1)中、Xは、それぞれ互いに独立に水素原子、水酸基、グリシジルオキシ基、又はメチルグリシジルオキシ基である。Xが水酸基、グリシジルオキシ基又はメチルグリシジルオキシ基である場合には、当該部分は架橋反応を起こすことが出来、また、当該部分に(メタ)アクリル基を導入することも出来る。低液晶汚染性の観点からは、このようなXとしては水酸基及びグリシジルオキシ基が好ましい。
(Rについて)
上記式(1)において、Rは、それぞれ互いに独立に水素原子、グリシジル基又はメチルグリシジル基である。Rを含む基(−OR)は架橋反応を起こすことが出来、また、当該部分に(メタ)アクリル基を導入することも出来る。なお、mが2以上の数である場合には、mの添え字がつけられた括弧で括られた個々のブロックにおけるR同士もまた独立であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。低液晶汚染性の観点からは、このようなRとしては水素原子及びグリシジル基が好ましい。
そして、上記式(1)で表される硬化性樹脂において、グリシジル基又はメチルグリシジル基であるR及びグリシジルオキシ基又はメチルグリシジルオキシ基であるX(つまりエポキシ基を有するR及びX)の合計の個数の平均xは1以上であり、好ましくは2以上であり、より好ましくは2〜16であり、さらに好ましくは2〜8である。
なおxは、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)及び液体クロマトグラフ質量分析(LC−MS)や、ゲル濾過/浸透クロマトグラフィー(GPC/GFC)によって、硬化性樹脂の平均分子量及び分子量分布を測定し、さらに硬化性樹脂のエポキシ当量を測定することによって、その測定結果から算出することができる。
(Rについて)
上記式(1)において、Rは、それぞれ互いに独立に水素原子又はメチル基であり、本発明の液晶シール剤の低液晶汚染性の観点から好ましくは水素原子である。なお、mが2以上の数である場合には、mの添え字がつけられた括弧で括られた個々のブロックにおけるR同士もまた独立であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。
(A環について)
上記式(1)において、A環は、互いに独立に炭素原子数、及びヘテロ原子数の合計が5以上であり、且つ1つ以上の芳香環、又はヘテロ芳香環を含む基である。炭素原子数及びヘテロ原子数の合計が5以上であるとは、A環全体をみたときの、環を構成する炭素原子及びヘテロ原子、環構成原子に炭素原子やヘテロ原子を有する基が結合しているのであれば、それらの基を含めて、全体の炭素原子及びヘテロ原子数の合計が5以上である、ということである。
A環については、本発明の液晶シール剤の粘度、ハンドリング性の観点から、それに含まれる炭素原子数が4〜40であり、酸素原子数が0〜5であり、窒素原子数が0〜5であり、硫黄原子数が0〜5であり、且つA環に含まれる環構造の数が1〜5であることが好ましい。
A環内に含まれる環構造(芳香環及びヘテロ芳香環)は、1種単独であっても2種以上で複数存在してもよく、前記環構造は単環構造であっても縮合環構造であってもよい。また、これらの環構造は直接結合又は連結基を介して結合して複数存在してもよい。
この連結基には例として、炭素数1〜4のアルキレン基、炭素数2〜4のアルキリデン基、エーテル基、エステル基、ケト基、スルフィド基、スルホニル基等が挙げられる。また、上記式(1)において、A環に結合する酸素原子及びXとA環とは、この連結基を介して結合してもよい。
また、これらの環構造はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい。このような置換基としては例として、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、ホルミル基、カルボキシル基、エステル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、アミド基、水酸基、メルカプト基、シリル基等が挙げられる。
A環に含まれる環構造としては、例として、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環、フラン環、ピロール環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、チアジン環、並びにこれらの環に前記の置換基が結合したもの等が挙げられる。
なお、mが2以上の数である場合には、mの添え字がつけられた括弧で括られた個々のブロックにおけるA環同士もまた独立であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。
(Yについて)
次に、上記式(1)においてYは、下記式(1a)、(1b)又は当該式(1b)中の不飽和結合の一部又は全部を水素化した構造の基である。なお、mが2以上の数である場合には、mの添え字がつけられた括弧で括られた個々のブロックにおけるY同士もまた独立であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。
Figure 0006754933
式(1a)において、Yは、それぞれ互いに独立に炭素原子数2〜5のアルキレン基であり、nは1〜250の範囲の数である。前記アルキレン基の例としては、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基及びネオペンチル基等が挙げられる。本発明の液晶シール剤の硬化物の柔軟性(以下、硬化後柔軟性ともいう)及び液晶汚染性の観点からは、Yは好ましくはエチレン基又はテトラメチレン基であり、前記柔軟性及び本発明の液晶シール剤のハンドリング性の観点からは、nは好ましくは5〜70の範囲の数であり、更に好ましくは10〜50の範囲の数である。
なお、nが2以上の数である場合には、nの添え字がつけられた括弧で括られた個々の繰り返し単位におけるY同士もまた独立であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。
さらに式(1b)において、Yは、それぞれ互いに独立に直接結合又は炭素数1若しくは2のアルキレン基であり、Rはそれぞれ互いに独立に水素原子又はメチル基であり、pとqはそれぞれ互いに独立に0以上の数であり、且つそれらの合計は1〜200の範囲の数であり、好ましくは5〜70の範囲の数であり、更に好ましくは10〜50の範囲の数である。なお、pやqが2以上の場合は、これらの添え字がつけられた括弧で括られた繰り返し単位が複数存在するが、それら個々の繰り返し単位におけるR同士もまた独立であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。また、これらの繰り返し単位は、上記のpやqの範囲であれば、ランダムに結合していてもよい。
(m、n、p、qについて)
以上説明した式(1)に関する、所定のブロック(繰り返し単位)の数を示すmは、後述する式(1)の硬化性樹脂の合成原料の仕込量や、当該樹脂(又は後述する(メタ)アクリル化硬化性樹脂)のGPC測定結果から概算することができる。n、及びp、qの合計値は、硬化性樹脂(又は後述する(メタ)アクリル化硬化性樹脂)のGPC測定結果より概算可能であり、また、これらは硬化性樹脂の合成原料のGPC測定結果からも概算することができる。さらに、p、qそれぞれの値については、IR等により分析可能である。
((メタ)アクリル化硬化性樹脂)
式(1)の硬化性樹脂は、(メタ)アクリル酸系化合物、例えばアクリル酸、メタクリル酸、またそれらの無水物、エステル化合物、又は酸ハロゲン化物等と反応させて(メタ)アクリル基を導入することで、(メタ)アクリル化硬化性樹脂とすることが出来る。(メタ)アクリル基のオレフィン部位は架橋反応を起こすことができ、前記(メタ)アクリル化硬化性樹脂においても、液晶シール剤に求められる接着性を担保しつつ、優れた柔軟性を達成することができる。
前記硬化性樹脂への(メタ)アクリル基の導入は、より具体的には前記硬化性樹脂のエポキシ基(例えばRがグリシジル基である場合)、水酸基及び不飽和結合(例えばYが式(1b)の基である場合)の少なくとも一部に対して起こる。なお、(メタ)アクリル基の付加等によりエポキシ基が開環すると水酸基が生じるが、この水酸基に対してさらに(メタ)アクリル基の導入が起こってもよい。
(式(1)の硬化性樹脂の製造方法)
次に、以上説明した式(1)の硬化性樹脂の製造方法について説明する。
前記硬化性樹脂の製造方法は、下記式(2)又は(3)で表される化合物Eと、下記式(4)で表される化合物Fとを反応させる工程を含む。
Figure 0006754933
式(2)及び(3)において、Y、n、Y、R、p及びqは上記で定義した通りであり、Rは、それぞれ互いに独立に、水素原子、グリシジル基又はメチルグリシジル基である。さらに式(3)において、p又はqの添え字がついた括弧で括られた繰り返し単位における不飽和結合の一部又は全部は水素化されていてもよい。
また、式(4)において、X及びA環は上記で定義した通りであり、Rは、水素原子、グリシジル基又はメチルグリシジル基である。
これら式(2)〜(4)で定義される化合物E及びFは、それぞれ1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
化合物E及びFは市販されているか、又は市販の化合物から公知の方法に従い容易に調製することができる。例えば、Rが水素原子であり、Yがエチレン基である式(2)の化合物Eは、ポリエチレングリコールとして種々の繰り返し単位数(n)を有するものが入手可能であり、所望の範囲のnを有する化合物を適宜選択すればよい。またnは、化合物EのGPC測定結果から概算することもできる。
化合物Eと化合物Fとは、式(1)の硬化性樹脂を生成するように、例えば、化合物Eと化合物Fとをアルカリの存在下で反応させた後、必要に応じて、得られた合成中間体Dを適当な触媒の存在下で、例えばエピクロロヒドリン等のエポキシ基を導入可能な化合物と反応させる。上述の反応は、硬化性樹脂におけるmが、1〜7、好ましくは1〜5、更に好ましくは1〜3の範囲の数になるように原料とする化合物E及び化合物Fの使用量を調整する。前記化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記アルカリとしては、反応の迅速な進行と合成のコストの観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化メチルトリオクチルアンモニウム、塩化メチルトリデシルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム等の第四級アンモニウム塩が好ましく、水酸化ナトリウム又は第四級アンモニウム塩がより好ましい。これらのアルカリは、1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記触媒としては、反応時間、コスト、反応活性の観点から、トリメチルアミン、トリオクチルアミン、トリデシルアミン等の第三級アミン、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化メチルトリオクチルアンモニウム、塩化メチルトリデシルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム等の第四級アンモニウム塩が好ましく、第四級アンモニウム塩がより好ましい。これらは1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
式(1)の硬化性樹脂の製造方法は、化合物E及び化合物Fとして汎用の原料を使用できる観点から、化合物EにおけるRがグリシジル基(化合物Eのジグリシジルエーテル化物;例えば、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、化合物E1とする)であり、化合物FにおけるRが水素原子(例えば、ビスフェノールA、化合物F1とする)である場合、前記化合物E1と前記化合物F1とを反応させて合成中間体Dを得る工程1と、合成中間体Dの水酸基をエポキシ化して、前記合成中間体Dの水酸基の一部又は全部がエポキシ化された硬化性樹脂を得る工程2とを含むことが好ましい。
((メタ)アクリル化硬化性樹脂の製造方法)
式(1)の硬化性樹脂を、塩基性触媒存在下、(メタ)アクリル酸系化合物と反応させる工程3を経て、エポキシ基、水酸基、及び不飽和結合の少なくとも一部に(メタ)アクリル基が導入された(メタ)アクリル化硬化性樹脂を得ることができる。
前記塩基性触媒として、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応に用いられる公知の塩基性触媒を使用することができる。また塩基性触媒をポリマーに担持させた、ポリマー担持塩基性触媒を使用することもできる。塩基性触媒としては、3価の有機リン化合物、その塩、アミン化合物及びその塩が好ましい。これらの塩基性触媒は1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。なお、塩基性触媒の塩基性原子は、リン及び/又は窒素である。
<その他の硬化成分>
本発明の液晶シール剤は、以上説明した硬化成分の他に、液晶シール剤から得られる硬化物について、本発明で規定される低弾性率及び伸び率を満たす限りにおいて、追加のその他の硬化成分を含んでいてもよく、例えば、液晶シール剤の主剤として使用される従来のエチレン性不飽和基及び/又はエポキシ基を有する化合物(例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエポキシ基の一部をメタクリレート化したオリゴマー)を使用することができる。
エチレン性不飽和基を有する化合物としては、(メタ)アクリレート化合物、脂肪族アクリルアミド化合物、脂環式アクリルアミド化合物、芳香族を含むアクリルアミド化合物やN−置換アクリルアミド系化合物が挙げられる。
前記(メタ)アクリレート化合物としては、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートに代表される脂肪族(メタ)アクリレート、芳香環含有(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、エチレン性不飽和基を有する化合物としては、単官能、二官能、三官能又は多官能ラジカル重合性不飽和化合物も挙げられる。
前記単官能ラジカル重合性不飽和化合物としては、液晶シール剤の粘度、可とう性の確保の観点から、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート及びジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種以上の化合物が好ましく、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート及びシクロヘキシル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種以上の化合物がより好ましい。
前記二官能ラジカル重合性不飽和化合物としては、液晶シール剤の粘度、可とう性の確保の観点から、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、EO変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート(例えば、ARONIX M−6100、東亜合成社製)、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(例えば、4G、新中村化学工業社製)、及びシリコンジ(メタ)アクリレート(例えば、EBECRYL 350、ダイセル・オルネクス社製)からなる群から選ばれる1種以上の化合物が好ましく、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート及びEO若しくはPO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種以上の化合物がより好ましい。中でも、水酸基を持たずビスフェノールA骨格をもつ(メタ)アクリレートが好ましく、そのような(メタ)アクリレートとして、共栄社化学社から、ライトアクリレートBP−4EAL(ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート)、BP−4PA(ビスフェノールAのPO付加物ジアクリレート)等が市販されている。
前記三官能又は多官能ラジカル重合性不飽和化合物としては、液晶シール剤の粘度、可とう性の確保の観点から、EO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート(三官能)、PO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート(三官能)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート(三官能)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(六官能)及びペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート(四官能)からなる群から選ばれる1種以上の化合物が好ましく、EO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレートがより好ましい。
次に、エポキシ基を有する化合物としては、好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールAD型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、レゾルシノール型エポキシ化合物、これらの水素添加化合物及び脂環型エポキシ化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であり、より好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物及びレゾルシノール型エポキシ化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であり、更に好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ化合物である。
エチレン性不飽和基及びエポキシ基を有する化合物としては、エポキシ基含有化合物を(メタ)アクリル酸系化合物と反応させて得られる部分(メタ)アクリレート変性エポキシ化合物等が挙げられ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる部分(メタ)アクリル化エポキシ化合物が好ましい。
また、以上説明したエチレン性不飽和基及び/又はエポキシ基を有する化合物等のその他の硬化成分は、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<光重合開始剤>
本発明の液晶シール剤は、前述の硬化成分を光重合させる際のラジカル発生源として光重合開始剤を含有することができる。光重合開始剤は特に限定されず、公知の化合物が使用でき、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記光重合開始剤として、ベンゾイン類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、α−アシロキシムエステル類、フェニルグリオキシレート類、ベンジル類、アゾ系化合物、ジフェニルスルフィド系化合物、アシルホスフィンオキシド系化合物、ベンゾインエーテル類及びアントラキノン類等が挙げられ、好ましくは、液晶への溶解性が低く、また、それ自身で光照射時に分解物がガス化しないような反応性基を有するものである。
<光増感剤>
本発明の液晶シール剤は、通常光硬化させるが、その際の光への感度を高めるため、光増感剤を含有してもよい。前記光増感剤としては従来公知の各種の化合物を特に制限なく使用することができ、光増感剤は、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記光増感剤としては、硬化性の観点から、例えば、カルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾ及びジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素等が挙げられる。
光増感剤として、具体的には、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドンのようなアクリドン誘導体;その他、α,α−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、フルオレノン、キサントン、ウラニル化合物等が挙げられ、また上記光重合開始剤の例として挙げたものにも、光増感剤として機能するものがある。
本発明の液晶シール剤は、前述の硬化成分を熱重合させる際のラジカル発生源として熱ラジカル重合開始剤を含有することができる。熱ラジカル重合開始剤は特に限定されず、公知の化合物が使用でき、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前述の光重合開始剤と併用してもよい。
熱ラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物、アゾ化合物、ベンゾイン化合物、ベンゾインエーテル化合物、アセトフェノン化合物等が挙げられる。
<硬化剤>
本発明の液晶シール剤の接着性を高める観点から、前記液晶シール剤に硬化剤を含有させてもよい。前記硬化剤は特に限定されず、公知の化合物が使用できる。
前記硬化剤としては、接着性の観点から、アミン系硬化剤、例えば、有機酸ジヒドラジド化合物、イミダゾール及びその誘導体、ジシアンジアミド、芳香族アミン、エポキシ変性ポリアミン、ポリアミノウレア等が好ましい。これらの硬化剤は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<硬化促進剤>
本発明の液晶シール剤は、硬化成分の硬化反応を促進する観点から硬化促進剤を含有でき、硬化促進剤は1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
その好ましい例としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール及び2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾ−ル類;2−(ジメチルアミノメチル)フェノール及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)等の第3級アミン類;トリフェニルホスフィン等のホスフィン類;オクチル酸スズ等の金属化合物等が挙げられる。
<フィラー>
本発明の液晶シール剤は、粘度制御、接着信頼性、線膨張性の抑制の観点から、フィラーを含有することができる。前記フィラーとしては、無機フィラー及び有機フィラーが使用でき、これらは1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記無機フィラーとして、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、二酸化ケイ素、カオリン、タルク、ガラスビーズ、セリサイト活性白土、ベントナイト、窒化アルミニウム、及び窒化ケイ素等が挙げられる。
前記有機フィラーとして、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、これらを構成するモノマーと他のモノマーとを共重合させて得られる共重合体、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ゴム微粒子、及び高いガラス転移温度を有する共重合体を含むシェルと低いガラス転移温度を有する共重合体のコアとから構成されるコアシェルタイプ粒子等が挙げられる。コアシェルタイプ粒子としては、ガンツ化成社製ゼフィアックシリーズ(F351等)等が挙げられる。
非反応成分であるフィラーを配合することで、液晶シール剤からのアウトガスを低減する観点から、フィラーを構成する粒子の平均粒子径は、通常0.1〜3μmであり、より好ましくは0.5〜3μmである。なお、フィラーの平均粒子径は、HORIBA社製 レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(例えば、HORIBA社製Partica LA−950V2)により測定される。
<シランカップリング剤>
本発明の液晶シール剤は、本発明の効果を奏する範囲内で、シランカップリング剤を含むことができる。シランカップリング剤は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の液晶シール剤を硬化させてなる液晶シール剤硬化物の接着性及び柔軟性を両立する観点から、シランカップリング剤としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、ジメトキシジイソプロポキシシラン、ジエトキシジイソプロポキシシラン、ジエトキシジブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリブトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のトリアルコキシシラン類;及びジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、フェニルエチルジエトキシシラン等のジアルコキシシラン類からなる群から選ばれる少なくとも1種のシランカップリング剤が好ましく、
これらの中でも、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリブトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1種のトリアルコキシシラン系シランカップリング剤がより好ましく、
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが更に好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は重量基準である。
[合成例]
<部分メタクリル化ビスフェノールA型エポキシ樹脂の製造>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(EXA850CRP、DIC社製)340.0g、メタクリル酸90.4g、トリフェニルホスフィン0.5g、及びジブチルヒドロキシトルエン100mgを混合し100℃で6時間撹拌した。淡黄色透明粘稠物の部分メタクリル化ビスフェノールA型エポキシ樹脂を418.0g得た(エポキシ当量;468g/eq)。
<ポリエーテル骨格メタクリル化硬化性樹脂の製造>
(1)ポリエチレングリコール#1000(LION社製)を2000.0g、エピクロロヒドリン2220.0g、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド74.3gを機械攪拌機、温度計、温度調節器、凝縮器、ディーン−スターク・トラップ及び滴下ロートを付した5リットルの三口丸底フラスコに入れた。
次いで、混合物を50トール(torr)の高真空下攪拌しながら約50ないし60℃に加熱してエピクロロヒドリンを激しく還流した。600.0gの48%水酸化ナトリウム水溶液を2時間にわたり混合物にゆっくりと添加した。共沸物が生成次第、水/エピクロロヒドリン混合物のうち、エピクロロヒドリンを反応系に戻しながら攪拌を続けた。添加終了後、3時間にわたり攪拌を継続した。
次いで、反応混合物を室温に冷却しクロロホルム3Lを加え3Lのイオン交換水で6回洗浄した。得られた有機相の溶媒を減圧留去により除去し、白色ろう状固体の化合物Cを1150.0g得た(エポキシ当量;549g/eq)。
(2)化合物C(950.0g)、及びビスフェノールA(988.0g)をナス型フラスコにいれ、液温が150℃になるように加熱攪拌した。4%水酸化ナトリウム水溶液2.9gを添加し、150℃で6時間攪拌した。液温が60℃以下になるまで冷却し、クロロホルム2Lを加え、1%水酸化ナトリウム水溶液2Lで6回洗浄し、イオン交換水2Lで6回洗浄した。
得られた有機相に硫酸マグネシウムを加え、乾燥後、ろ過等で固形分を濾別し、得られた有機相の溶媒を減圧留去により除去し、淡黄色透明粘稠物として合成中間体である反応物Dを997.0g得た。
(3)反応物D(997.0g)、エピクロロヒドリン(1423.0g)、及びベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(47.5g)を機械攪拌機、温度計、温度調節器、凝縮器、ディーン−スターク・トラップ及び滴下ロートを付した5リットルの三口丸底フラスコに入れた。
次いで、混合物を50トール(torr)の高真空下攪拌しながら約50ないし60℃に加熱してエピクロロヒドリンを激しく還流した。384.0gの48%水酸化ナトリウム水溶液を2時間にわたり混合物にゆっくりと添加した。共沸物が生成次第、水/エピクロロヒドリン混合物のうち、エピクロロヒドリンを反応系に戻しながら攪拌を続けた。添加終了後、3時間にわたり攪拌を継続した。
次いで、反応混合物を室温に冷却しクロロホルム2Lを加え2Lのイオン交換水で6回洗浄した。得られた有機相の溶媒を減圧留去により除去し、淡黄色粘稠物のポリエーテル骨格エポキシ樹脂を982.0g得た(エポキシ当量;493g/eq)。
(4)前記ポリエーテル骨格エポキシ樹脂を100.0g、メタクリル酸8.6g、トリフェニルホスフィン0.5g、及びジブチルヒドロキシトルエン20mgを混合し100℃で5時間撹拌した。淡黄色粘稠物のポリエーテル骨格メタクリル化硬化性樹脂を107.0g得た(エポキシ当量;1043g/eq)。
<ポリブタジエン骨格メタクリル化硬化性樹脂の製造>
(1)デナレックスR−45EPT(ポリブタジエンジグリシジルエーテル、ナガセケムテックス社製、306.0g)、ビスフェノールA(34.0g)、トルエン(200.0g)、及びベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(1.9g)を機械攪拌機、温度計、温度調節器、凝縮器、ディーン−スターク・トラップ及び滴下ロートを付した2リットルの三口丸底フラスコに入れた。120℃で15時間加熱攪拌した後、液温が50℃以下になるまで冷却した。
(2)次いで、反応混合物にエピクロロヒドリン333.0g、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド5.6gを加え、混合物を50トール(torr)の高真空下攪拌しながら約50ないし60℃に加熱してエピクロロヒドリンを激しく還流した。45.0gの48%水酸化ナトリウム水溶液を2時間にわたり混合物にゆっくりと添加した。共沸物が生成次第、水/エピクロロヒドリン混合物のうち、エピクロロヒドリンを反応系に戻しながら攪拌を続けた。添加終了後、3時間にわたり攪拌を継続した。
次いで、反応混合物中の溶媒を減圧留去し、得られた粗生成物にトルエン100mLを加えて溶解した。この溶液にメタノール500mLを加えて攪拌し、沈殿物を析出させた。析出した沈殿物を分取し、トルエン100mLに溶解後、メタノール500mLを加えて沈殿物を得る作業を6回繰り返した。得られた沈殿物の残存溶媒を減圧留去により除去し、淡黄色粘稠物のポリブタジエン骨格エポキシ樹脂を296.0g得た(エポキシ当量;1441g/eq)。
(3)前記ポリブタジエン骨格エポキシ樹脂を144.0g、メタクリル酸4.3g、トリフェニルホスフィン0.3g、及びジブチルヒドロキシトルエン30mgを混合し100℃で10時間撹拌した。淡黄色粘稠物のポリブタジエン骨格メタクリル化硬化性樹脂を142.0g得た(エポキシ当量;2071g/eq)。
<水素化ポリブタジエン骨格メタクリル化硬化性樹脂の製造>
(1)デナレックスFCA−061L(水素化ポリブタジエンジグリシジルエーテル、ナガセケムテックス社製、78.0g)、ビスフェノールA(8.4g)、トルエン(100.0g)、及びベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(0.5g)を機械攪拌機、温度計、温度調節器、凝縮器、ディーン−スターク・トラップ及び滴下ロートを付した500ミリリットルの三口丸底フラスコに入れた。120℃で18時間加熱攪拌した後、液温が50℃以下になるまで冷却した。
(2)次いで、反応混合物にエピクロロヒドリン84.0g、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド1.4gを加え、混合物を50トール(torr)の高真空下攪拌しながら約50ないし60℃に加熱してエピクロロヒドリンを激しく還流した。11.3gの48%水酸化ナトリウム水溶液を2時間にわたり混合物にゆっくりと添加した。共沸物が生成次第、水/エピクロロヒドリン混合物のうち、エピクロロヒドリンを反応系に戻しながら攪拌を続けた。添加終了後、3時間にわたり攪拌を継続した。
次いで、反応混合物中の溶媒を減圧留去し、得られた粗生成物にトルエン50mLを加えて溶解した。この溶液にメタノール300mLを加えて攪拌し、沈殿物を析出させた。析出した沈殿物を分取し、トルエン50mLに溶解後、メタノール300mLを加えて沈殿物を得る作業を6回繰り返した。得られた沈殿物の残存溶媒を減圧留去により除去し、淡黄色粘稠物の水素化ポリブタジエン骨格エポキシ樹脂を58.4g得た(エポキシ当量;1217g/eq)。
(3)前記水素化ポリブタジエン骨格エポキシ樹脂を55.5g、メタクリル酸2.0g、トリフェニルホスフィン0.1g、及びジブチルヒドロキシトルエン10mgを混合し100℃で6時間撹拌した。淡黄色粘稠物の水素化ポリブタジエン骨格メタクリル化硬化性樹脂を54.5g得た(エポキシ当量;1867g/eq)。
[その他の硬化成分]
実施例及び比較例で使用したその他の硬化成分は、以下の通りである。
単官能メタクリレート樹脂(QM−657):ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリ
レート、ロームアンドハース社製
二官能メタクリレート樹脂(DCP) :トリシクロデカンジメタノールジメタクリ
レート、新中村化学工業社製
[光重合開始剤の製造]
実施例及び比較例で使用した光重合開始剤は、以下のようにして製造した。
<光重合開始剤1の製造>
デナコールEX−830(PEG400のジグリシジルエーテル、ナガセケムテックス社製)26.8g、4−ジメチルアミノ安息香酸16.5g、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド3.7g、メチルイソブチルケトン25.0gをフラスコに入れ、110℃、24時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルム50mLに溶解させ、イオン交換水100mLで6回洗浄した。有機相の溶媒を減圧留去し、光重合開始剤1を35.3g得た。
<光重合開始剤2の製造>
デナコールEX−830(PEG400のジグリシジルエーテル、ナガセケムテックス社製)26.8g、2−ヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オン22.8g、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド3.7g、メチルイソブチルケトン40.0gをフラスコに入れ、110℃、72時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルム50mLに溶解させ、イオン交換水100mLで6回洗浄した。有機相の溶媒を減圧留去し、光重合開始剤2を36.2g得た。
[フィラー]
実施例及び比較例で使用したフィラーは、以下の通りである。
シリカ粒子(KE−C50) :シーホスター KE−C−50、日本触媒社

コアシェル型アクリル粒子(F−351):ゼフィアックF351(コアシェルアクリレ
ート共重合体)、ガンツ化成社製
[シランカップリング剤]
実施例及び比較例で使用したシランカップリング剤は、以下の通りである。
シランカップリング剤(KBM−403):3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、信越化学社製
[実施例1〜13及び比較例1〜9]
合成例で製造した部分メタクリル化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ポリエーテル骨格メタクリル化硬化性樹脂、ポリブタジエン骨格メタクリル化硬化性樹脂、水素化ポリブタジエン骨格メタクリル化硬化性樹脂、並びに、単官能メタクリレート樹脂(QM−657)、二官能メタクリレート樹脂(DCP)のそれぞれと、
光重合開始剤1及び2と、
硬化剤としてEH−5030S(ADEKA社製ポリアミン系化合物)と、
フィラーとしてシリカ粒子(KE−C50)及びコアシェル型アクリル粒子(F−351)と、
シランカップリング剤(KBM−403)と
を、下記の表1〜4に示す配合量(重量部)にて混合後、3本ロールミル(井上製作所製C−43/4×10)を用いて充分に混練して、実施例1〜13及び比較例1〜9の液晶シール剤を得た。
実施例及び比較例で使用した各化合物、そしてこれらそれぞれの液晶シール剤について、以下の試験による評価を行った。
[試験条件]
部分メタクリル化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ポリエーテル骨格メタクリル化硬化性樹脂、ポリブタジエン骨格メタクリル化硬化性樹脂及び水素化ポリブタジエン骨格メタクリル化硬化性樹脂について、エポキシ当量、粘度及びNI点変化を測定し、
単官能メタクリレート樹脂(QM−657)及び二官能メタクリレート樹脂(DCP)について、粘度及びNI点変化を測定し、
光重合開始剤1及び2について、粘度及びNI点変化を測定し、
硬化剤(EH−5030S)について、NI点変化を測定し、
実施例1〜10で製造した液晶シール剤から得られた硬化物のTg、弾性率、伸び率及びNI点変化を測定し、
実施例11〜13で製造した液晶シール剤から得られた硬化物の弾性率、伸び率及びNI点変化を測定し、
比較例1〜9で製造した液晶シール剤から得られた硬化物の弾性率、伸び率及びNI点変化を測定し、
実施例1〜10及び比較例1〜4で製造した液晶シール剤のNI点変化を測定し、
そして比較例3及び4、並びに実施例6〜10で製造した液晶シール剤から得られた硬化物について屈曲性試験を行った。
(1)エポキシ当量測定
JISK7236:2001記載の条件で測定した。
(2)粘度測定
E型粘度計(東機産業社製 RE105U)を用いて、25℃で測定した。以下のようにローター及び回転数を選択した。
部分メタクリル化ビスフェノールA型エポキシ樹脂:3°×R7.7ローター、回転数15rpm
ポリエーテル骨格メタクリル化硬化性樹脂:3°×R7.7ローター、回転数10rpm
ポリブタジエン骨格メタクリル化硬化性樹脂:3°×R7.7ローター、回転数6.0rpm
水素化ポリブタジエン骨格メタクリル化硬化性樹脂:3°×R7.7ローター、回転数6.0rpm
単官能メタクリレート樹脂:1°34’×R24ローター、回転数20rpm
二官能メタクリレート樹脂:1°34’×R24ローター、回転数20rpm
(3)NI点変化測定
部分メタクリル化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ポリエーテル骨格メタクリル化硬化性樹脂、単官能メタクリレート樹脂、二官能メタクリレート樹脂、ポリブタジエン骨格メタクリル化硬化性樹脂、水素化ポリブタジエン骨格メタクリル化硬化性樹脂、光重合開始剤1及び2、硬化剤(EH−5030S)並びに実施例1〜10及び比較例1〜4で製造した液晶シール剤のそれぞれをサンプル瓶に0.1g入れ、さらに、液晶(MLC−11900−080、メルク社製)1gを加えた。この瓶を120℃オーブンに1時間投入し、その後室温で静置して室温(25℃)に戻ってから液晶部分を取り出し0.2μmフィルターによりろ過し、評価用液晶サンプルとした。
また、これとは別に、比較例1〜9及び実施例1〜13で製造した液晶シール剤について、直径5mmΦ、厚さ0.5mmの型に注型し、紫外線(UV照射装置:UVX−01224S1、ウシオ電機社製、100mW/cm/365nmで30秒)を積算光量3000mJ/cmで照射して硬化させ、その後、120℃の熱風オーブンで1時間熱硬化を行い、硬化物試験片を作成した。得られた硬化物試験片をサンプル瓶に入れ、さらに、硬化物試験片の重量の10倍量の液晶(MLC−11900−080、メルク社製)を加えた。この瓶を120℃オーブンに1時間投入し、その後室温で静置して室温(25℃)に戻ってから液晶部分を取り出し0.2μmフィルターによりろ過し、評価用液晶サンプルとした。
NI点の測定は、示差走査型熱量計(DSC、パーキンエルマー社製、PYRIS6)を使用し、評価用液晶サンプル10mgをアルミサンプルパンに封入し、昇温速度5℃/分の条件で行った。なお、上記液晶10mgをアルミサンプルパンに封入し、昇温速度5℃/分の条件で測定を行った結果をブランクとした。
ブランクの吸熱ピークトップ(相転移温度)TBと、評価用液晶サンプルの吸熱ピークトップ(相転移温度)TEの差TE−TBをNI点変化とした。液晶シール剤等の含有成分の液晶への溶出を抑制し、液晶の配向を安定に確保して、表示特性を向上する観点から、NI点変化の絶対値は小さいほど好ましい。
(4)Tg測定
実施例1〜10で製造した液晶シール剤について、長さ5cm、幅5mm、厚さ0.5mmの型に注型し、紫外線(UV照射装置:UVX−01224S1、ウシオ電機社製、100mW/cm/365nmで30秒)を積算光量3000mJ/cmで照射して硬化させ、その後、120℃の熱風オーブンで1時間熱硬化を行い、硬化物試験片を作成した。得られた硬化物試験片を動的粘弾性測定装置(DMA、セイコーインスツル社製、DMS6100)にて、変形モードを引張りとして、周波数1.0Hzで、−50℃〜100℃の範囲で2℃/分で昇温させながら測定を行った。得られた結果の損失正接tanδにおけるピークトップ温度をTgとした。
(5)弾性率測定
実施例1〜13及び比較例1〜9で製造した液晶シール剤について、ダンベル状試験片(全体長50mm、全体幅10mm、狭い平行部分の長さ30mm、幅5mm、厚さ0.5mm)型に注型し、紫外線(UV照射装置:UVX−01224S1、ウシオ電機社製、100mW/cm/365nmで60秒)を積算光量6000mJ/cmで照射して硬化させ、その後、120℃の熱風オーブンで1時間熱硬化を行い、試験片を作成した。得られた試験片について、引張圧縮試験機(ミネベア社製、TG−2kN)を用いて、室温(23℃)下、試験速度10mm/分で引張試験を行い、比例限度内の引張応力とひずみの結果から弾性率を算出した。
(6)伸び率
実施例1〜13及び比較例1〜9で製造した液晶シール剤について、前記弾性率と同様の条件で試験片作成及び引張試験を行い、平行部分の距離の増加量から伸び率を算出した。
(7)屈曲性試験
比較例3及び4、並びに実施例6〜10で製造した液晶シール剤について、PETフィルム上に長さ5cm、幅10mm、厚さ70μmの塗膜を形成し、紫外線(UV照射装置:UVX−01224S1、ウシオ電機社製、100mW/cm/365nmで30秒)を積算光量3000mJ/cmで照射して硬化させ、その後、120℃の熱風オーブンで1時間熱硬化を行い、硬化物試験片を作成した。得られた硬化物試験片を3mmΦ及び2mmΦの心棒に沿って、塗膜面を外側にして折り曲げ、折り曲げた試験片の対向する部分が平行になる位置で10秒間固定した。試験片を心棒からはずし、屈曲部の塗膜面を観察してひび割れやはがれが無いものを○、ひび割れやはがれが生じているものを×として評価した。
以上の評価の結果を、実施例1〜13並びに比較例1〜9の液晶シール剤の配合組成と共に、下記表1〜4に示す。
Figure 0006754933
Figure 0006754933
Figure 0006754933
Figure 0006754933

Claims (8)

  1. 硬化物の23℃で測定した弾性率が1.0×10Pa以下であり、且つ23℃で測定した伸び率が4%以上であエポキシ樹脂及び(メタ)アクリレート樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の硬化成分を含有する、滴下工法用液晶シール剤であって、前記硬化物を得る際の前記滴下工法用液晶シール剤の硬化の条件は以下の通りである、滴下工法用液晶シール剤。
    ウシオ電機社製のUV照射装置:UVX−01224S1を用いて、365nmの紫外線を100mW/cmで60秒間照射して硬化させ、その後、120℃の熱風オーブンで1時間熱硬化を行う。
  2. 硬化物の23℃で測定した弾性率が3.0×10Pa以下であり、且つ23℃で測定した伸び率が10%以上であエポキシ樹脂及び(メタ)アクリレート樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の硬化成分を含有する、滴下工法用液晶シール剤であって、前記硬化物を得る際の前記滴下工法用液晶シール剤の硬化の条件は以下の通りである、滴下工法用液晶シール剤。
    ウシオ電機社製のUV照射装置:UVX−01224S1を用いて、365nmの紫外線を100mW/cmで60秒間照射して硬化させ、その後、120℃の熱風オーブンで1時間熱硬化を行う。
  3. 前記硬化物の弾性率が1.0×10Pa以下である、請求項2に記載の滴下工法用液晶シール剤。
  4. 前記硬化物のNI点変化が、−5℃〜+5℃である、請求項1〜3のいずれかに記載の滴下工法用液晶シール剤。
  5. 前記硬化成分が、ポリエーテル構造、ポリオレフィン構造又はポリアルキレン構造を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の滴下工法用液晶シール剤。
  6. 前記硬化成分が、1つ以上の硬化性官能基を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の滴下工法用液晶シール剤。
  7. 前記液晶シール剤のNI点変化が、−5℃〜+5℃である、請求項1〜のいずれかに記載の滴下工法用液晶シール剤。
  8. 前記液晶シール剤における硬化成分の含有量が、5〜95重量%である、請求項1〜7のいずれかに記載の液晶シール剤。
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