JP6754933B2 - フレキシブル液晶パネルに適応可能な液晶シール剤 - Google Patents
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Description
特許文献4には所定の成分を含み、硬化物の動的粘弾性のずり変形による貯蔵弾性率(G’)が、25℃、1Hzにおいて1×106Pa以下であることを特徴とする光硬化性樹脂組成物が開示され、当該組成物がフレキシブル基板の接着剤や液晶シール材として使用できることも開示され、
また特許文献5には、エポキシ樹脂組成物であって、(I)該組成物と、該組成物の10倍質量の40℃〜80℃の純水とを混和させて得られる水溶液のイオン伝導度が1mS/m以下であり、該組成物の硬化体が、(II)該組成物の厚み100μmの硬化膜を通過する60℃透湿度が200g/m2・24hrs未満であり、(III)該組成物硬化体の熱変形温度(Tg)が0℃〜85℃の範囲にあり、(IV)該組成物硬化体の室温下の貯蔵弾性率が0.5×104Pa〜1×106Paの範囲にあることを特徴とするプラスチック製液晶表示セル用シール剤組成物が開示されている。
(1)硬化物の23℃で測定した弾性率が3.0×109Pa以下であり、且つ23℃で測定した伸び率が4%以上である、滴下工法用液晶シール剤。
(2)前記硬化物の弾性率が1.0×109Pa以下である、(1)に記載の滴下工法用液晶シール剤。
(3)前記硬化物の伸び率が10%以上である、(1)又は(2)に記載の滴下工法用液晶シール剤。
(4)前記硬化物のNI点変化が、−5℃〜+5℃である、(1)〜(3)のいずれかに記載の滴下工法用液晶シール剤。
(5)エポキシ樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、ウレタン樹脂及びフェノール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の硬化成分を含有する、(1)〜(4)のいずれかに記載の滴下工法用液晶シール剤。
(6)前記硬化成分が、ポリエーテル構造、ポリオレフィン構造又はポリアルキレン構造を有する、(5)に記載の滴下工法用液晶シール剤。
(7)前記硬化成分が、1つ以上の硬化性官能基を有する、(5)又は(6)に記載の滴下工法用液晶シール剤。
(8)前記液晶シール剤のNI点変化が、−5℃〜+5℃である、(1)〜(7)のいずれかに記載の滴下工法用液晶シール剤。
(9)前記液晶シール剤における硬化成分の含有量が、5〜95量%である、(5)〜(8)のいずれかに記載の液晶シール剤。
<硬化物の弾性率及び伸び率>
本発明の液晶シール剤は、その硬化物の室温(23℃)で測定した弾性率が3.0×109Pa以下であり、且つ、前記硬化物の室温(23℃)で測定した伸び率が4%以上であることを特徴としており、このような低弾性率特性及び高い伸び率を示す硬化物は、柔軟性及び基材追従性を発現し、フレキシブルディスプレイ等の屈曲の際に好適に機能する。
紫外線(UV照射装置:UVX−01224S1、ウシオ電機社製、100mW/cm2/365nmで60秒)を積算光量6000mJ/cm2で照射して硬化させ(後述する硬化物のTg及びNI点変化を測定する場合並びに屈曲性試験を行う場合には、照射時間は30秒で、積算光量は3000mJ/cm2である)、その後、120℃の熱風オーブンで1時間熱硬化を行う。
本発明の液晶シール剤を、ダンベル状試験片(全体長50mm、全体幅10mm、狭い平行部分の長さ30mm、幅5mm、厚さ0.5mm)型に注型し、前記の条件(積算光量は6000mJ/cm2)で光硬化、熱硬化を行い、試験片を作成する。得られた試験片について、引張圧縮試験機(ミネベア社製、TG−2kN)を用いて、室温(23℃)下、試験速度10mm/分で引張試験を行い、比例限度内の引張応力とひずみの結果から、液晶シール剤の硬化物の弾性率を算出する。
前記弾性率と同様の条件で試験片作成、引張試験を行い、平行部分の距離の増加量から伸び率を算出する。
本発明の液晶シール剤の硬化物のTgは、通常80℃以下であり、好ましくは30℃以下である。室温条件下でのディスプレイ等の実使用を考慮した場合、Tgが室温以下であれば、液晶シール剤中の非結晶部分の分子運動性は高くなり、シール剤の硬化物の外力による変形が容易となる為、好適な柔軟性や基材追従性が得られると考えられる。
本発明の液晶シール剤の粘度は、液晶シール剤を塗布する等、その作業性の観点から、通常1000〜2000000mPa・s、好ましくは10000〜1000000mPa・sである。本発明において粘度は、E型粘度計を用いて、25℃で測定するものとする。
本発明の液晶シール剤及びその硬化物は、NI点変化が小さい(即ち、液晶への汚染性が低い)ことが好ましい。前記NI点とは、液晶がネマチック相からアイソトロピック相(等方相)へ相転移するときの温度である(相転移温度は、示差熱分析装置を用いて吸熱ピークトップから測定できる)。液晶のNI点は液晶の各成分の混合組成により決定され、各配合で固有の値となる。液晶汚染性が高い原料あるいは液晶シール剤若しくはその硬化物が液晶と混合されると、NI点が大きく変化し、逆に、原料あるいは液晶シール剤若しくはその硬化物の液晶汚染性が低い場合、NI点の変化は小さい。
続いて、以上説明した諸特性を有する本発明の液晶シール剤の構成成分について説明する。
本発明の液晶シール剤は、硬化物を形成する硬化成分を含有する。前記硬化成分としては、エポキシ樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。前記硬化成分は、本発明の効果を損なわない限り、特に制限無く選択可能である。
式(1)中、mは、1〜7の範囲の数であり、液晶シール剤の粘度やハンドリング性の観点から、1〜5の範囲の数であることが好ましく、1〜3の範囲の数であることがより好ましい。
式(1)中、Xは、それぞれ互いに独立に水素原子、水酸基、グリシジルオキシ基、又はメチルグリシジルオキシ基である。Xが水酸基、グリシジルオキシ基又はメチルグリシジルオキシ基である場合には、当該部分は架橋反応を起こすことが出来、また、当該部分に(メタ)アクリル基を導入することも出来る。低液晶汚染性の観点からは、このようなXとしては水酸基及びグリシジルオキシ基が好ましい。
上記式(1)において、R1は、それぞれ互いに独立に水素原子、グリシジル基又はメチルグリシジル基である。R1を含む基(−OR1)は架橋反応を起こすことが出来、また、当該部分に(メタ)アクリル基を導入することも出来る。なお、mが2以上の数である場合には、mの添え字がつけられた括弧で括られた個々のブロックにおけるR1同士もまた独立であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。低液晶汚染性の観点からは、このようなR1としては水素原子及びグリシジル基が好ましい。
上記式(1)において、R2は、それぞれ互いに独立に水素原子又はメチル基であり、本発明の液晶シール剤の低液晶汚染性の観点から好ましくは水素原子である。なお、mが2以上の数である場合には、mの添え字がつけられた括弧で括られた個々のブロックにおけるR2同士もまた独立であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。
上記式(1)において、A環は、互いに独立に炭素原子数、及びヘテロ原子数の合計が5以上であり、且つ1つ以上の芳香環、又はヘテロ芳香環を含む基である。炭素原子数及びヘテロ原子数の合計が5以上であるとは、A環全体をみたときの、環を構成する炭素原子及びヘテロ原子、環構成原子に炭素原子やヘテロ原子を有する基が結合しているのであれば、それらの基を含めて、全体の炭素原子及びヘテロ原子数の合計が5以上である、ということである。
次に、上記式(1)においてYは、下記式(1a)、(1b)又は当該式(1b)中の不飽和結合の一部又は全部を水素化した構造の基である。なお、mが2以上の数である場合には、mの添え字がつけられた括弧で括られた個々のブロックにおけるY同士もまた独立であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。
以上説明した式(1)に関する、所定のブロック(繰り返し単位)の数を示すmは、後述する式(1)の硬化性樹脂の合成原料の仕込量や、当該樹脂(又は後述する(メタ)アクリル化硬化性樹脂)のGPC測定結果から概算することができる。n、及びp、qの合計値は、硬化性樹脂(又は後述する(メタ)アクリル化硬化性樹脂)のGPC測定結果より概算可能であり、また、これらは硬化性樹脂の合成原料のGPC測定結果からも概算することができる。さらに、p、qそれぞれの値については、IR等により分析可能である。
式(1)の硬化性樹脂は、(メタ)アクリル酸系化合物、例えばアクリル酸、メタクリル酸、またそれらの無水物、エステル化合物、又は酸ハロゲン化物等と反応させて(メタ)アクリル基を導入することで、(メタ)アクリル化硬化性樹脂とすることが出来る。(メタ)アクリル基のオレフィン部位は架橋反応を起こすことができ、前記(メタ)アクリル化硬化性樹脂においても、液晶シール剤に求められる接着性を担保しつつ、優れた柔軟性を達成することができる。
次に、以上説明した式(1)の硬化性樹脂の製造方法について説明する。
前記硬化性樹脂の製造方法は、下記式(2)又は(3)で表される化合物Eと、下記式(4)で表される化合物Fとを反応させる工程を含む。
式(1)の硬化性樹脂を、塩基性触媒存在下、(メタ)アクリル酸系化合物と反応させる工程3を経て、エポキシ基、水酸基、及び不飽和結合の少なくとも一部に(メタ)アクリル基が導入された(メタ)アクリル化硬化性樹脂を得ることができる。
本発明の液晶シール剤は、以上説明した硬化成分の他に、液晶シール剤から得られる硬化物について、本発明で規定される低弾性率及び伸び率を満たす限りにおいて、追加のその他の硬化成分を含んでいてもよく、例えば、液晶シール剤の主剤として使用される従来のエチレン性不飽和基及び/又はエポキシ基を有する化合物(例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエポキシ基の一部をメタクリレート化したオリゴマー)を使用することができる。
本発明の液晶シール剤は、前述の硬化成分を光重合させる際のラジカル発生源として光重合開始剤を含有することができる。光重合開始剤は特に限定されず、公知の化合物が使用でき、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の液晶シール剤は、通常光硬化させるが、その際の光への感度を高めるため、光増感剤を含有してもよい。前記光増感剤としては従来公知の各種の化合物を特に制限なく使用することができ、光増感剤は、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の液晶シール剤の接着性を高める観点から、前記液晶シール剤に硬化剤を含有させてもよい。前記硬化剤は特に限定されず、公知の化合物が使用できる。
本発明の液晶シール剤は、硬化成分の硬化反応を促進する観点から硬化促進剤を含有でき、硬化促進剤は1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の液晶シール剤は、粘度制御、接着信頼性、線膨張性の抑制の観点から、フィラーを含有することができる。前記フィラーとしては、無機フィラー及び有機フィラーが使用でき、これらは1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の液晶シール剤は、本発明の効果を奏する範囲内で、シランカップリング剤を含むことができる。シランカップリング剤は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリブトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1種のトリアルコキシシラン系シランカップリング剤がより好ましく、
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが更に好ましい。
<部分メタクリル化ビスフェノールA型エポキシ樹脂の製造>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(EXA850CRP、DIC社製)340.0g、メタクリル酸90.4g、トリフェニルホスフィン0.5g、及びジブチルヒドロキシトルエン100mgを混合し100℃で6時間撹拌した。淡黄色透明粘稠物の部分メタクリル化ビスフェノールA型エポキシ樹脂を418.0g得た(エポキシ当量;468g/eq)。
(1)ポリエチレングリコール#1000(LION社製)を2000.0g、エピクロロヒドリン2220.0g、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド74.3gを機械攪拌機、温度計、温度調節器、凝縮器、ディーン−スターク・トラップ及び滴下ロートを付した5リットルの三口丸底フラスコに入れた。
(1)デナレックスR−45EPT(ポリブタジエンジグリシジルエーテル、ナガセケムテックス社製、306.0g)、ビスフェノールA(34.0g)、トルエン(200.0g)、及びベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(1.9g)を機械攪拌機、温度計、温度調節器、凝縮器、ディーン−スターク・トラップ及び滴下ロートを付した2リットルの三口丸底フラスコに入れた。120℃で15時間加熱攪拌した後、液温が50℃以下になるまで冷却した。
(1)デナレックスFCA−061L(水素化ポリブタジエンジグリシジルエーテル、ナガセケムテックス社製、78.0g)、ビスフェノールA(8.4g)、トルエン(100.0g)、及びベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(0.5g)を機械攪拌機、温度計、温度調節器、凝縮器、ディーン−スターク・トラップ及び滴下ロートを付した500ミリリットルの三口丸底フラスコに入れた。120℃で18時間加熱攪拌した後、液温が50℃以下になるまで冷却した。
実施例及び比較例で使用したその他の硬化成分は、以下の通りである。
単官能メタクリレート樹脂(QM−657):ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリ
レート、ロームアンドハース社製
二官能メタクリレート樹脂(DCP) :トリシクロデカンジメタノールジメタクリ
レート、新中村化学工業社製
実施例及び比較例で使用した光重合開始剤は、以下のようにして製造した。
デナコールEX−830(PEG400のジグリシジルエーテル、ナガセケムテックス社製)26.8g、4−ジメチルアミノ安息香酸16.5g、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド3.7g、メチルイソブチルケトン25.0gをフラスコに入れ、110℃、24時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルム50mLに溶解させ、イオン交換水100mLで6回洗浄した。有機相の溶媒を減圧留去し、光重合開始剤1を35.3g得た。
デナコールEX−830(PEG400のジグリシジルエーテル、ナガセケムテックス社製)26.8g、2−ヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オン22.8g、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド3.7g、メチルイソブチルケトン40.0gをフラスコに入れ、110℃、72時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルム50mLに溶解させ、イオン交換水100mLで6回洗浄した。有機相の溶媒を減圧留去し、光重合開始剤2を36.2g得た。
実施例及び比較例で使用したフィラーは、以下の通りである。
シリカ粒子(KE−C50) :シーホスター KE−C−50、日本触媒社
製
コアシェル型アクリル粒子(F−351):ゼフィアックF351(コアシェルアクリレ
ート共重合体)、ガンツ化成社製
実施例及び比較例で使用したシランカップリング剤は、以下の通りである。
シランカップリング剤(KBM−403):3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、信越化学社製
合成例で製造した部分メタクリル化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ポリエーテル骨格メタクリル化硬化性樹脂、ポリブタジエン骨格メタクリル化硬化性樹脂、水素化ポリブタジエン骨格メタクリル化硬化性樹脂、並びに、単官能メタクリレート樹脂(QM−657)、二官能メタクリレート樹脂(DCP)のそれぞれと、
光重合開始剤1及び2と、
硬化剤としてEH−5030S(ADEKA社製ポリアミン系化合物)と、
フィラーとしてシリカ粒子(KE−C50)及びコアシェル型アクリル粒子(F−351)と、
シランカップリング剤(KBM−403)と
を、下記の表1〜4に示す配合量(重量部)にて混合後、3本ロールミル(井上製作所製C−43/4×10)を用いて充分に混練して、実施例1〜13及び比較例1〜9の液晶シール剤を得た。
部分メタクリル化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ポリエーテル骨格メタクリル化硬化性樹脂、ポリブタジエン骨格メタクリル化硬化性樹脂及び水素化ポリブタジエン骨格メタクリル化硬化性樹脂について、エポキシ当量、粘度及びNI点変化を測定し、
単官能メタクリレート樹脂(QM−657)及び二官能メタクリレート樹脂(DCP)について、粘度及びNI点変化を測定し、
光重合開始剤1及び2について、粘度及びNI点変化を測定し、
硬化剤(EH−5030S)について、NI点変化を測定し、
実施例1〜10で製造した液晶シール剤から得られた硬化物のTg、弾性率、伸び率及びNI点変化を測定し、
実施例11〜13で製造した液晶シール剤から得られた硬化物の弾性率、伸び率及びNI点変化を測定し、
比較例1〜9で製造した液晶シール剤から得られた硬化物の弾性率、伸び率及びNI点変化を測定し、
実施例1〜10及び比較例1〜4で製造した液晶シール剤のNI点変化を測定し、
そして比較例3及び4、並びに実施例6〜10で製造した液晶シール剤から得られた硬化物について屈曲性試験を行った。
JISK7236:2001記載の条件で測定した。
E型粘度計(東機産業社製 RE105U)を用いて、25℃で測定した。以下のようにローター及び回転数を選択した。
ポリエーテル骨格メタクリル化硬化性樹脂:3°×R7.7ローター、回転数10rpm
ポリブタジエン骨格メタクリル化硬化性樹脂:3°×R7.7ローター、回転数6.0rpm
水素化ポリブタジエン骨格メタクリル化硬化性樹脂:3°×R7.7ローター、回転数6.0rpm
単官能メタクリレート樹脂:1°34’×R24ローター、回転数20rpm
二官能メタクリレート樹脂:1°34’×R24ローター、回転数20rpm
部分メタクリル化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ポリエーテル骨格メタクリル化硬化性樹脂、単官能メタクリレート樹脂、二官能メタクリレート樹脂、ポリブタジエン骨格メタクリル化硬化性樹脂、水素化ポリブタジエン骨格メタクリル化硬化性樹脂、光重合開始剤1及び2、硬化剤(EH−5030S)並びに実施例1〜10及び比較例1〜4で製造した液晶シール剤のそれぞれをサンプル瓶に0.1g入れ、さらに、液晶(MLC−11900−080、メルク社製)1gを加えた。この瓶を120℃オーブンに1時間投入し、その後室温で静置して室温(25℃)に戻ってから液晶部分を取り出し0.2μmフィルターによりろ過し、評価用液晶サンプルとした。
実施例1〜10で製造した液晶シール剤について、長さ5cm、幅5mm、厚さ0.5mmの型に注型し、紫外線(UV照射装置:UVX−01224S1、ウシオ電機社製、100mW/cm2/365nmで30秒)を積算光量3000mJ/cm2で照射して硬化させ、その後、120℃の熱風オーブンで1時間熱硬化を行い、硬化物試験片を作成した。得られた硬化物試験片を動的粘弾性測定装置(DMA、セイコーインスツル社製、DMS6100)にて、変形モードを引張りとして、周波数1.0Hzで、−50℃〜100℃の範囲で2℃/分で昇温させながら測定を行った。得られた結果の損失正接tanδにおけるピークトップ温度をTgとした。
実施例1〜13及び比較例1〜9で製造した液晶シール剤について、ダンベル状試験片(全体長50mm、全体幅10mm、狭い平行部分の長さ30mm、幅5mm、厚さ0.5mm)型に注型し、紫外線(UV照射装置:UVX−01224S1、ウシオ電機社製、100mW/cm2/365nmで60秒)を積算光量6000mJ/cm2で照射して硬化させ、その後、120℃の熱風オーブンで1時間熱硬化を行い、試験片を作成した。得られた試験片について、引張圧縮試験機(ミネベア社製、TG−2kN)を用いて、室温(23℃)下、試験速度10mm/分で引張試験を行い、比例限度内の引張応力とひずみの結果から弾性率を算出した。
実施例1〜13及び比較例1〜9で製造した液晶シール剤について、前記弾性率と同様の条件で試験片作成及び引張試験を行い、平行部分の距離の増加量から伸び率を算出した。
比較例3及び4、並びに実施例6〜10で製造した液晶シール剤について、PETフィルム上に長さ5cm、幅10mm、厚さ70μmの塗膜を形成し、紫外線(UV照射装置:UVX−01224S1、ウシオ電機社製、100mW/cm2/365nmで30秒)を積算光量3000mJ/cm2で照射して硬化させ、その後、120℃の熱風オーブンで1時間熱硬化を行い、硬化物試験片を作成した。得られた硬化物試験片を3mmΦ及び2mmΦの心棒に沿って、塗膜面を外側にして折り曲げ、折り曲げた試験片の対向する部分が平行になる位置で10秒間固定した。試験片を心棒からはずし、屈曲部の塗膜面を観察してひび割れやはがれが無いものを○、ひび割れやはがれが生じているものを×として評価した。
Claims (8)
- 硬化物の23℃で測定した弾性率が1.0×109Pa以下であり、且つ23℃で測定した伸び率が4%以上であり、エポキシ樹脂及び(メタ)アクリレート樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の硬化成分を含有する、滴下工法用液晶シール剤であって、前記硬化物を得る際の前記滴下工法用液晶シール剤の硬化の条件は以下の通りである、滴下工法用液晶シール剤。
ウシオ電機社製のUV照射装置:UVX−01224S1を用いて、365nmの紫外線を100mW/cm2で60秒間照射して硬化させ、その後、120℃の熱風オーブンで1時間熱硬化を行う。 - 硬化物の23℃で測定した弾性率が3.0×109Pa以下であり、且つ23℃で測定した伸び率が10%以上であり、エポキシ樹脂及び(メタ)アクリレート樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の硬化成分を含有する、滴下工法用液晶シール剤であって、前記硬化物を得る際の前記滴下工法用液晶シール剤の硬化の条件は以下の通りである、滴下工法用液晶シール剤。
ウシオ電機社製のUV照射装置:UVX−01224S1を用いて、365nmの紫外線を100mW/cm2で60秒間照射して硬化させ、その後、120℃の熱風オーブンで1時間熱硬化を行う。 - 前記硬化物の弾性率が1.0×109Pa以下である、請求項2に記載の滴下工法用液晶シール剤。
- 前記硬化物のNI点変化が、−5℃〜+5℃である、請求項1〜3のいずれかに記載の滴下工法用液晶シール剤。
- 前記硬化成分が、ポリエーテル構造、ポリオレフィン構造又はポリアルキレン構造を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の滴下工法用液晶シール剤。
- 前記硬化成分が、1つ以上の硬化性官能基を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の滴下工法用液晶シール剤。
- 前記液晶シール剤のNI点変化が、−5℃〜+5℃である、請求項1〜6のいずれかに記載の滴下工法用液晶シール剤。
- 前記液晶シール剤における硬化成分の含有量が、5〜95重量%である、請求項1〜7のいずれかに記載の液晶シール剤。
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