JP2009098455A - 感光性樹脂組成物およびそれを用いて得られるカバー絶縁層を有するフレキシブルプリント配線回路基板 - Google Patents

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Katsutoshi Hirashima
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昌紀 水谷
Kyoyu Jo
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Abstract

【課題】タックフリーもしくはタックの非常に少ないフレキシブルプリント配線回路基板用の感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】下記の(A)〜(D)を含有する感光性樹脂組成物である。(A)特定のヒドロキシエチル(メタ)アクリレート誘導体の構造単位が重合体全体の5〜50重量%の割合で含有されてなる、エチレン性不飽和化合物を付加重合させて得られるカルボキシル基含有線状重合体。(B)エポキシ樹脂。(C)エチレン性不飽和基含有重合性化合物。(D)光重合開始剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物およびそれを用いて得られる、カバー絶縁層を有するフレキシブルプリント配線回路基板に関するものである。
半田付けによって半導体素子等の電子部品を実装するフレキシブルプリント配線回路基板には、導体パターン上に、例えば、ソルダーレジストと呼ばれる耐熱性材料を用いてスクリーン印刷法や露光現像法により必要部分にカバー絶縁層を設けることが行われている。
上記ソルダーレジストとして、例えば、カルボキシル基含有線状重合体、光重合性モノマー、難燃剤、顔料等を含有する感光性樹脂組成物が用いられている(特許文献1参照)。
特開2006−235371号公報
しかしながら、上記ソルダーレジスト(感光性樹脂組成物)が折り曲げ可能なフレキシブルプリント配線回路基板用の可撓性のあるソルダーレジストである場合、予備乾燥後にタックが残り、露光時の作業性に劣る傾向がみられる場合がある。このように、タック性を有するものであると、露光現像時に使用するマスクフィルムに上記感光性樹脂組成物が付着し、マスクフィルムに対する感光性樹脂組成物の付着に起因した膜厚のむらや露光欠陥を生じる場合があり、この点に関して改良が望まれている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、タックフリーもしくはタックの非常に少ない感光性樹脂組成物およびそれを用いて得られるカバー絶縁層を有するフレキシブルプリント配線回路基板の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、下記の(A)〜(D)を含有する感光性樹脂組成物を第1の要旨とする。
(A)下記の一般式(1)で表される構造単位が重合体全体の5〜50重量%の割合で含有されてなる、エチレン性不飽和化合物を付加重合させて得られるカルボキシル基含有線状重合体(以下「特定のカルボキシル基含有線状重合体」と略称する)。
Figure 2009098455
(B)エポキシ樹脂。
(C)エチレン性不飽和基含有重合性化合物。
(D)光重合開始剤。
そして、導体回路パターン上に、上記第1の要旨の感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂組成物層が形成され、これを所定のパターンに露光して現像することによりカバー絶縁層が形成されてなるフレキシブルプリント配線回路基板を第2の要旨とする。
本発明者らは、タックフリーもしくはタックの非常に少ない感光性樹脂組成物、すなわち、露光現像時に使用するマスクフィルムに対して付着を抑制することのできる感光性レジスト材料である感光性樹脂組成物を得るために一連の研究を重ねた。その結果、上記特定のカルボキシル基含有線状重合体(A)と、エポキシ樹脂(B)さらにエチレン性不飽和基含有重合性化合物(C)を併用して用いると、タックフリーもしくはタックの非常に少ない感光性樹脂組成物が得られ、しかも上記感光性樹脂組成物を用いて形成される硬化被膜の伸びが大きいことから、可撓性がありフレキシブルプリント配線回路基板用ソルダーレジストとしての所期の目的が達成されることを見出し本発明に到達した。
このように、本発明は、前記特定のカルボキシル基含有線状重合体(A)と、エポキシ樹脂(B)と、エチレン性不飽和基含有重合性化合物(C)を含有する感光性樹脂組成物である。このため、可撓性があり、かつタックフリーもしくはタックの非常に少ない感光性樹脂組成物が得られる。したがって、導体回路パターン上に、本発明の感光性樹脂組成物を用いてカバー絶縁層を形成することによりフレキシブルプリント配線回路基板を作製するに際して、露光時の作業性が向上し、例えば、マスクフィルムを用いた露光・現像時には、感光性樹脂組成物の付着の抑制効果により、カバー絶縁層の膜厚むらや露光欠陥の発生が抑制されることとなる。さらに、この感光性樹脂組成物を用いてフレキシブルプリント配線回路基板に硬化被膜を形成した際には、被膜の引張り伸び率が大きく、折り曲げ時にクラックの形成を抑制することが可能となる。そして、本発明の感光性樹脂組成物を用いてカバー絶縁層が形成されたフレキシブルプリント配線回路基板に、電子部品を実装して実装基板とし、例えば、携帯電話等の小型機器等のフレキシブルプリント配線回路基板として用いられる。
そして、上記エポキシ樹脂(B)として、前記一般式(2)で表されるフェニルホスフェート骨格を含むエポキシ樹脂を用いると、よりタックが少なく、かつ耐熱性に優れた材料が得られる。
また、上記エポキシ樹脂(B)の含有量を、感光性樹脂組成物全体の5〜20重量%に設定すると、耐熱性および耐折性により一層優れるようになる。
さらに、上記エチレン性不飽和基含有重合性化合物(C)として、前記一般式(3)で表されるビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物を用いると、露光感度および現像性に優れたものが得られるようになる。
本発明の感光性樹脂組成物は、特定のカルボキシル基含有線状重合体(A成分)と、エポキシ樹脂(B成分)と、エチレン性不飽和基含有重合性化合物(C成分)と、光重合開始剤(D成分)とを用いて得られるものである。
上記特定のカルボキシル基含有線状重合体(A成分)は、下記の一般式(1)で表される構造単位を線状重合体全体の5〜50重量%の割合で含有するものである。特に好ましくは線状重合体全体の10〜35重量%である。このように、下記の一般式(1)で表される構造単位を線状重合体全体の5〜50重量%の割合で含有することにより、タックフリーもしくはタックの非常に少なく、かつ可撓性のある感光性樹脂組成物が得られるようになる。すなわち、含有割合が下限値未満では、硬化後に得られる樹脂組成物の伸び率が低下し、上限値を超えると、再びタックが増加するからである。
Figure 2009098455
上記一般式(1)において、Rは水素またはメチル基である。また、zはランダム線状重合体中の式(1)で表される構造単位の重量比を示し、0.05〜0.4であるが、好ましくはz=0.1〜0.35であることが好ましい。また、繰り返し数nは1〜5の正数であるが、好ましくはn=1〜3の正数である。
そして、上記特定のカルボキシル基含有線状重合体(A成分)としては、例えば、上記一般式(1)で表される構造単位を主骨格に有するモノマーと、(メタ)アクリル酸やその他カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物を共重合させて得られるエチレン性不飽和化合物の線状重合物をいう。上記エチレン性不飽和化合物の線状重合物は、原料モノマー種が豊富にあることに起因して、ガラス転移温度(Tg)等の物性設計が容易であり好ましい。
上記特定のカルボキシル基含有線状重合体(A成分)の重量平均分子量は、3000〜50000の範囲であることが好ましく、より好ましくは4000〜40000、さらに好ましくは5000〜30000の範囲である。すなわち、重量平均分子量が3000未満では、半田耐熱性等が悪くなる傾向がみられ、50000を超えると、アルカリ現像性が悪くなる傾向がみられるからである。なお、上記重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)のポリスチレン換算により測定される。
また、上記特定のカルボキシル基含有線状重合体(A成分)の酸当量は、200〜900の範囲であることが好ましく、より好ましくは250〜850、さらに好ましくは300〜800の範囲である。すなわち、酸当量が200未満では、高温高湿下での銅の酸化を促進するため好ましいものではなく、900を超えると、アルカリ現像性が悪くなる傾向がみられるからである。
このように、上記特定のカルボキシル基含有線状重合体(A成分)は、上記一般式(1)で表される構造単位を主骨格に有するモノマーと、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物と、その他のエチレン性不飽和化合物を共重合させることにより得られる線状重合物である。
上記その他のエチレン性不飽和化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル等の(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、スチレン、α−スチレン、ビニルトルエン、N−ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、N−フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
そして、上記共重合成分である上記一般式(1)で表される構造単位を主骨格に有するモノマーの共重合量は、前述の含有量に基づき、共重合成分の総量中、5〜50重量%に設定される。より好ましくは10〜35重量%の範囲である。すなわち、共重合量が下限値未満では、硬化後に得られる樹脂組成物の伸び率が低下し、上限値を超えると、再びタックが増加するからである。
また、上記共重合成分である(メタ)アクリル酸の共重合量は、共重合成分の総量中、5〜50重量%に設定することが好ましく、より好ましくは10〜30重量%の範囲である。すなわち、共重合量が下限値未満では、現像時間が長くなり作業性が低下する傾向がみられ、上限値を超えると、高温高湿下での銅の酸化を促進する傾向がみられるからである。
そして、上記共重合成分である、その他のエチレン性不飽和化合物は、共重合成分の総量中、10〜90重量%であることが好ましく、より好ましくは35〜80重量%である。すなわち、共重合量が上限値を超えると難燃性および現像性が低下する傾向がみられるからである。
上記特定のカルボキシル基含有線状重合体(A成分)とともに用いられるエポキシ樹脂(B成分)は、特に限定するものではないが、特に、下記の一般式(2)で表されるフェニルホスフェート骨格を含むエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
Figure 2009098455
より具体的には、例えば、エポキシ樹脂としてノボラック型エポキシ樹脂を20重量%以上含有するエポキシ樹脂成分中に、上記一般式(2)で表されるフェニルホスフェート骨格構造中のリンの含有率が、好適には1〜5重量%となるよう含まれるリン含有エポキシ樹脂があげられる。すなわち、上記リン含有率が上記範囲内であることにより、上記リン含有エポキシ樹脂の溶解性が確保されるとともに、例えば、ホスファゼン化合物を用いた場合、この化合物と上記リン含有エポキシ樹脂との相乗効果により、より一層高い難燃性が得られるようになる。
このようなリン含有エポキシ樹脂は、例えば、特許第3613724号や特許第3533973号にて、その製造方法が開示されている。
上記エポキシ樹脂成分としては、上記ノボラック型エポキシ樹脂に限定するものではなく、これ以外にビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂、ポリグリコール型エポキシ樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記A成分およびB成分とともに用いられるエチレン性不飽和基含有重合性化合物(C成分)は、特に限定するものではないが、下記の一般式(3)で表されるビスフェノールA系ジ(メタ)アクリレート化合物であることが、半田耐熱性、耐折性、アルカリ現像性等の特性バランスに優れる点から好ましい。
Figure 2009098455
上記式(3)中、炭素数2〜6のアルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ネオペンチレン基、ヘキシレン基等があげられる。特にエチレン基であることが好ましい。
上記イソプロピレン基は、−CH(CH3 )CH2 −で表される基であり、上記一般式(3)中の−(O−Y1 )−および−(Y2 −O)−において結合方向は、メチレン基が酸素と結合している場合とメチレン基が酸素に結合していない場合の2種類があり、1種類の結合方向でもよいし、2種類の結合方向が混在していてもよい。
上記−(O−Y1 )−および−(Y2 −O)−の繰り返し単位がそれぞれ2以上のとき、2以上のY1 および2以上のY2 は、互いに同一であってもよく異なっていてもよい。そして、Y1 およびY2 が2種以上のアルキレン基で構成される場合、2種以上の−(O−Y1 )−および−(Y2 −O)−は、ランダムに存在してもよいし、ブロック的に存在してもよい。
また、上記一般式(3)中の、2個のベンゼン環の置換可能な位置には、1個以上の置換基を有していてもよく、2個以上の置換基を有する場合には、それら置換基は互いに同じであっても異なっていてもよい。このような置換基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、アリル基、炭素数1〜10のアルキルメルカプト基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、アルキル基の炭素数が1〜10のカルボキシアルキル基、アルキル基の炭素数が1〜10のアシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基または複素環を含む基等があげられる。
上記一般式(3)中の、繰り返し数p,qは、p+qが4〜40となるよう選ばれる正の整数であり、より好ましくはp+qが4〜15となるよう選ばれる正の整数であり、特に好ましくはp+qが5〜13となるよう選ばれる正の整数である。すなわち、p+qが4未満では、耐折性が低下する傾向がみられ、p+qが40を超えると、感光性樹脂組成物全体の系が親水性を示し、高温高湿下での絶縁信頼性に劣る傾向がみられるからである。
上記一般式(3)で表されるビスフェノールA系ジ(メタ)アクリレート化合物としては、具体的には、2,2′−ビス〔4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル〕プロパン、2,2′−ビス〔4−(メタ)アクリロキシテトラエトキシフェニル〕プロパン、2,2′−ビス〔4−(メタ)アクリロキシペンタエトキシフェニル〕プロパン、2,2′−ビス〔4−(メタ)アクリロキシジエトキシオクタプロポキシフェニル〕プロパン、2,2′−ビス〔4−(メタ)アクリロキシトリエトキシオクタプロポキシフェニル〕プロパン等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記A〜C成分とともに用いられる光重合開始剤(D成分)としては、例えば、置換または非置換の多核キノン類(2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン等)、α−ケタルドニルアルコール類(ベンゾイン、ピバロン等)、エーテル類、α−炭化水素置換芳香族アシロイン類(α−フェニル−ベンゾイン、α,α−ジエトキシアセトフェノン類等)、芳香族ケトン類(ベンゾフェノン、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン等の4,4′−ビスジアルキルアミノベンゾフェノン等)、チオキサントン類(2−メチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−エチルチオキサントン等)、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−モルホリノプロパン−1−オン等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
本発明の感光性樹脂組成物における、上記A〜D成分を用いる場合の各成分の含有量は、好適にはつぎのように設定される。まず、上記A成分の含有量は、感光性樹脂組成物全体の20〜60重量%の範囲に設定することが好ましく、より好ましくは30〜50重量%である。すなわち、下限値未満ではアルカリ現像性が不充分となる傾向があり、上限値を超えると密着性に劣る傾向がみられるからである。
上記B成分の含有量は、感光性樹脂組成物全体の1〜40重量%の範囲に設定することが好ましく、より好ましくは5〜20重量%である。すなわち、下限値未満では半田耐熱性が不充分となる傾向があり、上限値を超えるとアルカリ現像性が低下する傾向がみられるからである。
上記C成分の含有量は、感光性樹脂組成物全体の5〜50重量%の範囲に設定することが好ましく、より好ましくは10〜30重量%である。すなわち、下限値未満では感度が不充分となる傾向があり、上限値を超えるとアルカリ現像性が低下する傾向がみられるからである。
上記D成分の含有量は、感光性樹脂組成物全体の0.5〜10重量%の範囲に設定することが好ましく、より好ましくは2〜8重量%である。すなわち、下限値未満では感度が不充分となる傾向があり、上限値を超えるとアルカリ現像性が低下する傾向がみられるからである。
本発明の感光性樹脂組成物には、上記各成分以外に必要に応じて、他の添加剤、すなわち、フタロシアニングリーン,フタロシアニンブルー等の顔料、シリカ,硫酸バリウム,タルク等の充填剤、消泡剤、レベリング剤、難燃剤、安定剤、2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾールや5−アミノ−1−H−テトラゾール等の密着性付与剤、ベンゾトリアゾール等の防錆剤、エポキシ樹脂ブロックイソシアネート等の熱架橋剤等の他、エポキシ樹脂の硬化触媒、例えば、塩基性有機化合物等を適宜配合することができる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。そして、これら他の添加剤は、感光性樹脂組成物全体の0.01〜20重量%の範囲内で用いることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、上記各成分を所定の含有量となるように配合し混合することにより得られる。そして、必要に応じて有機溶剤と混合して用いることができる。上記有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ソルベントナフサ、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、トルエン、キシレン、メシチレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の溶剤またはこれらの混合溶剤を用いることができる。
上記有機溶剤を用いる場合の使用量は、特に限定されるものではないが、感光性樹脂組成物100重量部に対して0〜200重量部程度混合して用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、フレキシブルプリント配線回路基板等の配線回路基板用のソルダーレジスト(カバー絶縁層形成材料)として有用である他、塗料、コーティング剤、接着剤等の用途としても使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物を上記配線回路基板用のカバー絶縁層形成材料として用いる際には、例えば、つぎのようにして使用される。以下、フレキシブルプリント配線回路基板を例に順を追って説明する。
まず、フレキシブルプリント配線回路基板の導体回路パターン形成面に、スクリーン印刷法、スプレー法、ロールコート法、静電塗装法等により、乾燥後の厚みが3〜50μmとなるように本発明の感光性樹脂組成物を塗布し、50〜120℃で3〜60分間程度乾燥させた後、ネガ型またはポジ型パターンのマスクフィルムを塗膜に直接接触させ、あるいは接触させずに設置し、ついで活性光線を照射する。
上記活性光線の光源としては、公知の各種光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に照射するものが用いられる。また、写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に照射するものも用いられる。
ついで、アルカリ性水溶液等の現像液を用いて、例えば、スプレー,揺動浸漬,ブラッシング,スクラッピング等の公知の方法により未露光部を除去して現像し、レジストパターンを製造する。
上記現像に用いるアルカリ性水溶液としては、0.1〜5重量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%水酸化ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%四ホウ酸ナトリウムの希薄溶液等を用いることができる。
また、現像後、半田耐熱性,耐薬品性等を向上させる目的で、必要に応じて高圧水銀ランプによる紫外線照射や加熱を行うことができる。この紫外線照射と加熱の順序はいずれが先であってもよいし、紫外線照射および加熱のいずれか一方のみの処理であってもよい。
このようにして導体回路パターン上にカバー絶縁層が形成されたフレキシブルプリント配線回路基板が得られる。そして、このフレキシブルプリント配線回路基板は、その後、半田付け等によって、LSI、ダイオード、トランジスタ、コンデンサ等の電子部品を実装して実装基板とし、例えば、携帯電話等の小型機器等に装着されることになる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
まず、下記にしたがって、ポリマー(カルボキシル基含有線状重合体)a〜gを合成した。
〔ポリマー(カルボキシル基含有線状重合体)a〜gの合成〕
後記の表1に示す配合組成および重合温度にしたがって、カルボキシル基含有線状重合体であるポリマーa〜gを合成した。ポリマー(カルボキシル基含有線状重合体)aでは、まず、溶媒としてのエチレンジグリコールアセテート135.1gを窒素雰囲気下で500ミリリットルのセパラブルフラスコに入れ、攪拌しながら100℃に加温した。1時間保温した後、モノマーとしてFA2D−1〔ダイセルサイテック社製、前記一般式(1)で表される構造単位を有し、式(1)において、R=H、n=2〕144.9g、メタクリル酸58.0g、メタクリル酸メチル86.9g、溶媒としてのエチレンジグリコールアセテート70.4g、触媒としてのアゾビスイソブチロニトリル4.6gを混合溶解した溶液を、3時間かけてセパラブルフラスコ内に滴下し反応させた。
さらに、100℃で2時間攪拌した後、冷却し、溶液a(固形分58.5重量%)を得た。得られた溶液aにおけるポリマーaの重量平均分子量をGPC(ポリスチレン換算)により測定し、下記の表1に併せて示す。
ポリマーb〜gについても、下記の表1に示す組成割合および重合温度、溶媒に変更した以外は上記溶液aと同一の合成方法にしたがって合成しポリマーb〜gを作製した。得られた各ポリマーb〜gの重量平均分子量を、ポリマーaと同様にして測定し下記の表1に併せて示す。なお、表1中のFA2D−2は、ダイセルサイテック社製で、前記一般式(1)で表される構造単位を有し、式(1)において、R=CH3 、n=2となる化合物である。また、ポリマーa〜g中の、一般式(1)で表される構造単位の重量比を表1に併せて示す。
Figure 2009098455
つぎに、下記に示す各成分を準備した。
〔エポキシ樹脂〕
リン含有エポキシ樹脂(東都化成社製、FX−305、リン含有率3重量%)の60重量%エチルジグリコールアセテート溶液
〔エチレン性不飽和基含有重合性化合物〕
エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型メタクリレート〔前記式(3)中のp+q=10、BIS−A系アクリレート:新中村化学社製,BPE500〕
〔光重合開始剤a〕
チバガイギー社製、Irgacure907
〔光重合開始剤b〕
日本化薬社製、KAYACURE DETX−S
〔難燃剤a〕
芳香族リン酸エステル化合物(大八木化学社製、CR747)
〔難燃剤b〕
環状ホスファゼン化合物(大塚化学社製、SPB−100)
〔顔料〕
フタロシアニンブルー(大日精化社製、UTCO−053)
〔密着性付与剤〕
5−アミノ−1−H−テトラゾール(エチルジグリコールアセテート1.5gとN−メチル−2−ピロリドン1.5gに溶解させた後、配合した。なお、後記の表2〜表3中の数値は、これら溶剤に溶解前の数値である。)
〔消泡剤〕
モダフロー(CBCマテリアルズ社製)
〔多官能エチレン性不飽和基含有重合性化合物〕
トリメチロールプロパントリアクリレート
〔実施例1〜5、比較例1〜2〕
下記の表2〜表3に示す各成分を同表に示す割合で配合することにより感光性樹脂組成物を作製した。
Figure 2009098455
Figure 2009098455
このようにして得られた各感光性樹脂組成物を用いて、下記に示す方法にしたがって特性評価を行った。その結果を後記の表4〜表5に併せて示す。
〔予備乾燥後のタック性〕
厚み35μmの銅箔上に、上記感光性樹脂組成物溶液を、乾燥後の厚みが約20μmとなるように塗布し、乾燥(90℃×30分間)した。つぎに、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを上記感光性樹脂組成物の塗膜表面に載置し、真空に吸引することにより接着させた後、24時間放置し、上記PETフィルムを剥離した。この剥離したPETフィルム表面に、感光性樹脂組成物の転写付着物が発生したか否かを目視により観察し、下記の基準にて評価した。
○:転写付着物が確認されなかった。
×:転写付着物が確認された。
〔引張試験の評価〕
厚み38μmのPETフィルム(ダイヤホイル社製、MRX38)を準備し、このフィルムの離型処理面に、上記感光性樹脂組成物溶液を、乾燥後の厚みが約20μmとなるように塗布し、乾燥(90℃×30分間)した。ついで、250Wの超高圧水銀灯にて500mJ/cm2 の露光量にて紫外線照射した後、30℃の1重量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、圧力0.2MPaで90秒間現像し、ついで、水道水にて30秒間洗浄した。この後、熱風循環乾燥機中にて150℃で3時間処理を行なった。つぎに、感光性樹脂組成物を硬化して得られたフィルムを、上記PETフィルムから剥離し、幅10mm×長さ100mmの試験片を作製した。そして、この試験片を用いて、引張試験機(ミネベア社製、TG−1KN型)により、チャック間距離50mm、引張速度5mm/分の条件下で引張試験を行ない、引張り伸び率を求めた。
○:引張り伸び率が10%以上。
×:引張り伸び率が10%未満。
Figure 2009098455
Figure 2009098455
上記結果から、実施例品は、感光性樹脂組成物溶液の転写付着物が確認されず、予備乾燥後の非タック性に優れたものであることが明らかである。また、引張り伸び率も10%以上であるから、硬化被膜を形成した場合、伸び率が大きく、例えば、フレキシブルプリント配線回路基板のカバー絶縁層形成材料として用いると、フレキシブルプリント配線回路基板の屈曲時におけるクラック発生の抑制効果が得られることがわかる。
これに対して、一般式(1)で表される構造単位が特定の範囲未満となる3%のポリマー(カルボキシル基含有線状重合体)を用いた比較例1品は、非タック性に関しては問題はなかったが、引張り伸び率が0.5%と非常に低く、硬化被膜の伸び率が小さいために脆いものであることがわかる。また、一般式(1)で表される構造単位が特定の範囲を超えて55%のポリマー(カルボキシル基含有線状重合体)を用いた比較例2品は、引張り伸び率は高いものであったが、予備乾燥後の非タック性に劣る結果となった。
つぎに、前述の方法に基づき、フレキシブルプリント配線回路基板用のカバー絶縁層形成材料として上記実施例品である感光性樹脂組成物を用いて、カバー絶縁層が形成されたフレキシブルプリント配線回路基板を作製した。この製造の際には、フォトマスクフィルム表面に感光性樹脂組成物が転写付着せず、良好なフレキシブルプリント配線回路基板が得られた。

Claims (5)

  1. 下記の(A)〜(D)を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
    (A)下記の一般式(1)で表される構造単位が重合体全体の5〜50重量%の割合で含有されてなる、エチレン性不飽和化合物を付加重合させて得られるカルボキシル基含有線状重合体。
    Figure 2009098455
    (B)エポキシ樹脂。
    (C)エチレン性不飽和基含有重合性化合物。
    (D)光重合開始剤。
  2. 上記エポキシ樹脂(B)が、下記の一般式(2)で表されるフェニルホスフェート骨格を含むエポキシ樹脂である請求項1記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2009098455
  3. 上記エポキシ樹脂(B)の含有量が、感光性樹脂組成物全体の5〜20重量%に設定されている請求項1または2記載の感光性樹脂組成物。
  4. 上記エチレン性不飽和基含有重合性化合物(C)が、下記の一般式(3)で表されるビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2009098455
  5. 導体回路パターン上に、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂組成物層が形成され、これを所定のパターンに露光して現像することによりカバー絶縁層が形成されてなることを特徴とするフレキシブルプリント配線回路基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014235385A (ja) * 2013-06-04 2014-12-15 日立化成株式会社 保護膜付きタッチパネル用基材の製造方法、感光性樹脂組成物、感光性エレメント、及び、タッチパネル
JP2015206997A (ja) * 2014-04-09 2015-11-19 協立化学産業株式会社 フレキシブル液晶パネルに適応可能な液晶シール剤
JP2017173526A (ja) * 2016-03-23 2017-09-28 三菱ケミカル株式会社 絶縁膜用感光性樹脂組成物、絶縁膜、および画像表示装置

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