JP7000159B2 - 液晶表示素子用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子 - Google Patents
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Description
しかしながら、滴下工法で狭額縁設計の液晶表示素子を製造すると、ブラックマトリックスによりシール部に光の当たらない箇所が存在するため、充分に光硬化が進行しない部分が生じ、未硬化のシール剤が液晶と接する場合がある。このような場合、液晶がシール剤に差し込み、シールブレイクが発生して液晶が漏れ出すことや、未硬化のシール剤が液晶へ溶出してしまい、液晶が汚染されることがあるという問題があった。
本発明者は、硬化性樹脂として特定の構造を有する化合物を用いることにより、液晶によるシール剤への差し込みやシール剤による液晶汚染を抑制できる液晶表示素子用シール剤が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
上記硬化性樹脂は、重合性官能基と上記式(1)で表される構造とを有する化合物(以下、「本発明にかかる重合性化合物」ともいう)を含有する。本発明にかかる重合性化合物を含有することにより、本発明の液晶表示素子用シール剤は、液晶によるシール剤への差し込みやシール剤による液晶汚染を抑制できるものとなる。
なかでも、本発明にかかる重合性化合物は、重合性官能基と下記式(2)で表される構造とを有する化合物であることが好ましい。
なお、本明細書において上記「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル又はメタクリロイルを意味する。
上記その他の重合性化合物を含有する場合、硬化性樹脂100重量部中における本発明にかかる重合性化合物の含有量の好ましい下限は1重量部、好ましい上限は50重量部である。本発明にかかる重合性化合物の含有量がこの範囲であることにより、接着性や透湿防止性等を悪化させることなく、得られる液晶表示素子用シール剤が液晶によるシール剤への差し込みやシール剤による液晶汚染を抑制する効果により優れるものとなる。本発明にかかる重合性化合物の含有量のより好ましい下限は2重量部、より好ましい上限は45重量部、更に好ましい下限は20重量部である。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER806、jER4004(いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールE型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、R710(プリンテック社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’-ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、RE-810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP-4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EX-201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER YX-4000H(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV-50TE(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV-80DE(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP-4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP4032、エピクロンEXA-4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN-770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN-670-EXP-S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、NC-3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ESN-165S(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER630(三菱化学社製)、エピクロン430(DIC社製)、TETRAD-X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ZX-1542(新日鉄住金化学社製)、エピクロン726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX-611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YR-450、YR-207(いずれも新日鉄住金化学社製)、エポリードPB(ダイセル社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されているものとしては、例えば、デナコールEX-147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記エポキシ化合物のうちその他に市販されているものとしては、例えば、YDC-1312、YSLV-80XY、YSLV-90CR(いずれも新日鉄住金化学社製)、XAC4151(旭化成社製)、jER1031、jER1032(いずれも三菱化学社製)、EXA-7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
なお、本明細書において上記「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、上記「エポキシ(メタ)アクリレート」とは、エポキシ化合物中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを表す。
上記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。
上記ヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記二価のアルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
上記三価のアルコールとしては、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ビスフェノールA型エポキシアクリレート等が挙げられる。
上記重合開始剤としては、例えば、ラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤等が挙げられる。
なお、本明細書において高分子アゾ化合物とは、アゾ基を有し、熱によって(メタ)アクリロイル基を硬化させることができるラジカルを生成する、数平均分子量が300以上の化合物を意味する。
なお、本明細書において、上記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による数平均分子量を測定する際のカラムとしては、例えば、Shodex LF-804(昭和電工社製)等が挙げられる。
上記アゾ基を介してポリアルキレンオキサイド等のユニットが複数結合した構造を有する高分子アゾ化合物としては、ポリエチレンオキサイド構造を有するものが好ましい。このような高分子アゾ化合物としては、例えば、4,4’-アゾビス(4-シアノペンタン酸)とポリアルキレングリコールの重縮合物や、4,4’-アゾビス(4-シアノペンタン酸)と末端アミノ基を有するポリジメチルシロキサンの重縮合物等が挙げられる。
上記高分子アゾ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、VPE-0201、VPE-0401、VPE-0601、VPS-0501、VPS-1001(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
また、高分子ではないアゾ化合物としては、例えば、V-65、V-501(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
上記光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩類、鉄-アレン錯体、チタノセン錯体、アリールシラノール-アルミニウム錯体等の有機金属錯体類等が挙げられる。
上記イミダゾール系熱硬化剤は、融点が80℃以下であることがより好ましい。
上記アダクト型の硬化剤としては、例えば、イミダゾール化合物とエポキシ化合物等との反応により得られるアダクト体が挙げられる。
上記アダクト型の硬化剤のうち市販されているものとしては、例えば、アミキュアPN-23、アミキュアPN-23J、アミキュアPN-H、アミキュアPN-31、アミキュアPN-31J、アミキュアPN-40、アミキュアPN-40J、アミキュアPN-50、アミキュアPN-F、アミキュアMY-24、アミキュアMY-H(いずれも味の素ファインテクノ社製)、P-0505(四国化成工業社製)、P-200(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記有機酸ヒドラジドのうち市販されているものとしては、例えば、SDH、ADH(いずれも大塚化学社製)、アミキュアVDH、アミキュアVDH-J、アミキュアUDH、アミキュアUDH-J(いずれも味の素ファインテクノ社製)等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル粒子は、原料となる単量体を公知の方法により重合させることで得ることができる。具体的には例えば、ラジカル重合開始剤の存在下で単量体を懸濁重合する方法、ラジカル重合開始剤の存在下で非架橋の種粒子に単量体を吸収させることにより種粒子を膨潤させてシード重合する方法等が挙げられる。
上記アルキル(メタ)アクリレート類としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記酸素原子含有(メタ)アクリレート類としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ニトリル含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
上記フッ素含有(メタ)アクリレート類としては、例えば、トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なかでも、単独重合体のTgが低く、1g荷重を加えたときの変形量を大きくすることができることから、アルキル(メタ)アクリレート類が好ましい。
上記スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、トリメトキシシリルスチレン等が挙げられる。
上記ビニルエーテル類としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル等が挙げられる。
上記カルボン酸ビニルエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等が挙げられる。
上記不飽和炭化水素としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン等が挙げられる。
上記ハロゲン含有単量体としては、例えば、塩化ビニル、フッ化ビニル、クロルスチレン等が挙げられる。
上記コアシェル(メタ)アクリレート共重合体微粒子のうち市販されているものとしては、例えば、F351(ゼオン化成社製)等が挙げられる。
なお、本明細書において、上記柔軟粒子の平均粒子径は、シール剤に配合する前の粒子について、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定することにより得られる値を意味する。上記レーザー回折式粒度分布測定装置としては、マスターサイザー2000(マルバーン社製)等を用いることができる。
なお、本明細書において上記柔軟粒子の硬度は、JIS K 6253に準拠した方法により測定されるデュロメータA硬さを意味する。
上記無機充填剤としては、例えば、シリカ、タルク、ガラスビーズ、石綿、石膏、珪藻土、スメクタイト、ベントナイト、モンモリロナイト、セリサイト、活性白土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素、硫酸バリウム、珪酸カルシウム等が挙げられる。
また、遮光剤として上記チタンブラックを含有する本発明の液晶表示素子用シール剤を用いて製造した液晶表示素子は、充分な遮光性を有するため、光の漏れ出しがなく高いコントラストを有し、優れた画像表示品質を有する液晶表示素子を実現することができる。
また、上記チタンブラックの体積抵抗の好ましい下限は0.5Ω・cm、好ましい上限は3Ω・cmであり、より好ましい下限は1Ω・cm、より好ましい上限は2.5Ω・cmである。
なお、上記遮光剤の一次粒子径は、NICOMP 380ZLS(PARTICLE SIZING SYSTEMS社製)を用いて、上記遮光剤を溶媒(水、有機溶媒等)に分散させて測定することができる。
まず、ITO薄膜等の電極付きのガラス基板やポリエチレンテレフタレート基板等の2枚の基板の一方に、本発明の液晶表示素子用シール剤を、スクリーン印刷、ディスペンサー塗布等により塗布して枠状のシールパターンを形成する工程を行う。次いで、本発明の液晶表示素子用シール剤が未硬化の状態で液晶の微小滴を基板のシールパターンの枠内に滴下塗布し、真空下で別の基板を重ね合わせる工程を行う。その後、本発明の液晶表示素子用シール剤のシールパターン部分に紫外線等の光を照射してシール剤を仮硬化させる工程、及び、仮硬化させたシール剤を加熱して本硬化させる工程を行う方法により、液晶表示素子を得ることができる。
ビスフェノールA228g(1.0mol)及びエピクロロヒドリン92g(1.0mol)を、撹拌装置、温度計、及び、滴下漏斗のついた反応器に仕込み、100℃に加熱し、エタノール30gにナトリウムエトキシド5g(0.1mol)を溶解した溶液を滴下し、滴下終了後、撹拌を5時間行った。その後、反応物を0.1mol/Lの塩酸とイオン交換水とで洗浄し、生成塩と不純物を除去した。次いで、エピクロロヒドリンの留去と減圧乾燥とを行い、中間体としてビスフェノールAの部分エポキシ化樹脂を得た。
得られた中間体142g、アクリル酸36g(0.5mol)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート500g、トリフェニルホスフィン1g、及び、ハイドロキノンメチルエーテル100mgを、撹拌装置及び温度計のついた反応器に仕込み、120℃で5時間加熱撹拌を行った。得られた反応液をメタノールで再沈殿を行い、減圧乾燥を行い、反応生成物として本発明にかかる重合性化合物A(重量平均分子量380)を得た。
なお、得られた本発明にかかる重合性化合物Aは、1H-NMR、13C-NMR、及び、FT-IR分析により、重合性官能基としてアクリロイル基を有し、かつ、上記式(2)で表される構造(R1及びR2がメチル基)を有する化合物であることを確認した。
ビスフェノールF200g(1.0mol)及びエピクロロヒドリン92g(1.0mol)を、撹拌装置、温度計、及び、滴下漏斗のついた反応器に仕込み、100℃に加熱し、エタノール30gにナトリウムエトキシド5g(0.1mol)を溶解した溶液を滴下し、滴下終了後、撹拌を5時間行った。その後、反応物を0.1mol/Lの塩酸とイオン交換水とで洗浄し、生成塩と不純物を除去した。次いで、エピクロロヒドリンの留去と減圧乾燥とを行い、中間体としてビスフェノールFの部分エポキシ化樹脂を得た。
得られた中間体128g、アクリル酸36g(0.5mol)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート500g、トリフェニルホスフィン1g、及び、ハイドロキノンメチルエーテル100mgを、撹拌装置及び温度計のついた反応器に仕込み、120℃で5時間加熱撹拌を行った。得られた反応液をメタノールで再沈殿を行い、減圧乾燥を行い、反応生成物として本発明にかかる重合性化合物B(重量平均分子量350)を得た。
なお、得られた本発明にかかる重合性化合物Bは、1H-NMR、13C-NMR、及び、FT-IR分析により、重合性官能基としてアクリロイル基を有し、かつ、上記式(2)で表される構造(R1及びR2が水素)を有する化合物であることを確認した。
ノボラック樹脂(重量平均分子量3300)150g、アクリル酸36g(0.5mol)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート500g、トリフェニルホスフィン1g、及び、ハイドロキノンメチルエーテル100mgを、撹拌装置及び温度計のついた反応器に仕込み、120℃で5時間加熱撹拌を行った。上記ノボラック樹脂としては、EP6050G(旭有機材社製)を用いた。得られた反応液をメタノールで再沈殿を行い、減圧乾燥することにより、本発明にかかる重合性化合物C(重量平均分子量3800)を得た。
なお、得られた本発明にかかる重合性化合物Cは、1H-NMR、13C-NMR、及び、FT-IR分析により、重合性官能基としてアクリロイル基を有し、かつ、上記式(1)で表される構造を有する化合物であることを確認した。
ノボラック樹脂(重量分子量4800)150g、アクリル酸36g(0.5mol)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート500g、トリフェニルホスフィン1g、及び、ハイドロキノンメチルエーテル100mgを撹拌装置及び温度計のついた反応器に仕込み、120℃で5時間加熱撹拌を行った。上記ノボラック樹脂としては、EPR5030G(旭有機材社製)を用いた。得られた反応液をメタノールで再沈殿を行い、減圧乾燥することにより、本発明にかかる重合性化合物D(重量平均分子量5300)を得た。
なお、得られた本発明にかかる重合性化合物Dは、1H-NMR、13C-NMR、及び、FT-IR分析により、重合性官能基としてアクリロイル基を有し、かつ、上記式(1)で表される構造を有する化合物であることを確認した。
表1に記載された配合比に従い、各材料を遊星式撹拌機(シンキー社製、「あわとり練太郎」)を用いて混合した後、更に3本ロールを用いて混合することにより実施例1~8及び比較例1の液晶表示素子用シール剤を調製した。
実施例及び比較例で得られた液晶表示素子用シール剤について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤100重量部に対して平均粒子径5μmのスペーサー粒子(積水化学工業社製、「ミクロパールSP-2050」)1重量部を遊星式撹拌装置によって均一に分散させた。次いで、該スペーサー粒子を分散させたシール剤をディスペンス用のシリンジ(武蔵エンジニアリング社製、「PSY-10E」)に充填し、脱泡処理を行ってから、ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、「SHOTMASTER300」)にてITO薄膜付きの透明電極基板に長方形の枠を描く様にシール剤を塗布した。次いで、他方の透明基板を、真空張り合わせ装置にて5Paの減圧下にて貼り合わせた。貼り合わせた後のセルにメタルハライドランプを用いて100mW/cm2の紫外線を30秒照射した後、120℃で1時間加熱してシール剤を熱硬化させ、セルを作製した。得られたセル内のシール剤を観察し、シール剤に断線不良もうねりもなくきれいなラインが描けていた場合を「○」、断線不良はないがシール剤の端部にうねりが生じる等していた場合を「△」、断線不良が生じていた場合を「×」として描画性を評価した。
実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤100重量部に対して平均粒子径5μmのスペーサー粒子(積水化学工業社製、「ミクロパールSP-2050」)1重量部を遊星式撹拌装置によって均一に分散させた。次いで、該スペーサー粒子を分散させたシール剤の極微量をコーニングガラス1737(20mm×50mm×厚さ0.7mm)の中央部に取り、同型のガラスをその上に重ね合わせて液晶表示素子用シール剤を押し広げた。その後、メタルハライドランプを用いて100mW/cm2の紫外線を30秒照射した後、120℃で1時間加熱してシール剤を硬化させ、試験片を得た。
得られた試験片について、テンションゲージを用いて接着強度を測定した。接着強度が150N/cm2以上であった場合を「○」、接着強度が50N/cm2以上150N/cm2未満であった場合を「△」、接着強度が50N/cm2未満であった場合を「×」として接着性を評価した。
実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤100重量部に対して平均粒子径5μmのスペーサー粒子(積水化学工業社製、「ミクロパールSP-2050」)1重量部を遊星式撹拌装置によって均一に分散させた。次いで、該スペーサー粒子を分散させたシール剤をディスペンス用のシリンジ(武蔵エンジニアリング社製、「PSY-10E」)に充填し、脱泡処理を行ってから、シール剤をディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、「SHOTMASTER300」)にてITO薄膜付きの透明電極基板に長方形の枠を描く様に塗布した。次いで、TN液晶(チッソ社製、「JC-5001LA」)の微小滴を液晶滴下装置にて滴下塗布し、他方の透明基板を、真空貼り合わせ装置にて5Paの真空下にて貼り合わせた。貼り合わせた直後、メタルハライドランプを用いて100mW/cm2の紫外線を30秒照射し、更に120℃で1時間加熱してシール剤を熱硬化させ、液晶表示素子(セルギャップ5μm)を得た。得られた液晶表示素子を12時間、PCT条件(121℃、100%RH、2atm)に曝した。PCT条件に曝した後の液晶表示素子について光学顕微鏡で観察した結果、液晶部へ水分が全く混入しなかった場合を「○」、僅かに水分が混入した場合を「△」、目視でも確認できるほど多量に水分が混入した場合を「×」として透湿防止性を評価した。
実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤100重量部に対して平均粒子径5μmのスペーサー粒子(積水化学工業社製、「ミクロパールSP-2050」)1重量部を遊星式撹拌装置によって均一に分散させた。次いで、該スペーサー粒子を分散させたシール剤をディスペンス用のシリンジ(武蔵エンジニアリング社製、「PSY-10E」)に充填し、脱泡処理を行ってから、ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、「SHOTMASTER300」)にてITO薄膜付きの透明電極基板に長方形の枠を描く様にシール剤を塗布した。次いで、TN液晶(チッソ社製、「JC-5001LA」)の微小滴を液晶滴下装置にて滴下塗布し、他方の透明基板を、真空貼り合わせ装置にて5Paの真空下にて貼り合わせた。貼り合わせてから10分間室温放置した後、メタルハライドランプを用いて100mW/cm2の紫外線を30秒照射した後、120℃で1時間加熱してシール剤を熱硬化させ、液晶表示素子(セルギャップ5μm)を得た。得られた液晶表示素子について、シールパターンの形状観察を行った。その結果、内部の液晶によりシールパターンの形状が乱されていなかったものを「○」、シールパターンの形状が乱されているが液晶がシールパターンを突き破ってはいなかったものを「△」、液晶がシールパターンを突き破って外部に漏れ出したものを「×」として差し込み防止性を評価した。
Claims (6)
- 重合性官能基は、(メタ)アクリロイル基又はエポキシ基であることを特徴とする請求項1又は2記載の液晶表示素子用シール剤。
- 重合性官能基と式(1)で表される構造とを有する化合物は、分子量が300~4000であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の液晶表示素子用シール剤。
- 請求項1、2、3又は4記載の液晶表示素子用シール剤と導電性微粒子とを含有することを特徴とする上下導通材料。
- 請求項1、2、3若しくは4記載の液晶表示素子用シール剤又は請求項5記載の上下導通材料を用いてなることを特徴とする液晶表示素子。
Applications Claiming Priority (3)
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---|---|---|---|
JP2016191493 | 2016-09-29 | ||
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