JP6518883B2 - 液晶表示素子用シール剤 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示素子用シール剤及びこのシール剤を用いてシールした液晶表示素子に関する。
液晶表示セル等の液晶表示素子の製造方法の一つとして、液晶滴下工法が知られている。液晶滴下工法は、例えば、一方の基板上に液晶表示素子用シール剤の枠を形成し、その中に液晶を滴下した後、もう一方の基板を貼り合わせることによって、液晶を封止し液晶表示素子を製造する方法である。最近では、光熱併用型の液晶表示素子用シール剤が使用され、二つの基板で挟んだ後、第一段階として、紫外線照射等により液晶表示素子用シール剤を光硬化させ、第二段階として加熱硬化させる手法が採用されている。この手法によれば、速やかに光硬化させることにより、液晶表示素子用シール剤が液晶に溶解することを抑制しつつ、加熱硬化により十分な接着強度を得ることができる。液晶滴下工法に用いる光熱併用型の液晶表示素子用シール剤として、エポキシ基及びビニル基を含む組成物が知られている(特許文献1)。
液晶シール剤は、液晶を汚染しないことが重要であるが、その他に、基板への塗布性も重要である。しかし、液晶シール剤には通常、塗布性不良の原因となる紛体が添加される。液晶シール剤中に含有される粉体の多くを占めるものとして、エポキシ樹脂用の熱硬化剤がある。液晶シール剤の硬化反応を達成するためには、液晶シール剤に含まれるエポキシ基と熱硬化剤の当量を合わせる必要がある。すなわち、エポキシ樹脂の量(エポキシ基の当量)を多くすると、それだけ塗布性不良を招くおそれのある熱硬化剤の添加量も多くする必要がある。そのため、紛体に代わるものとして液状の硬化剤を使用することが検討されている(特許文献2)。
特開2003−119248号公報 特開2012−226082号公報
しかしながら、液状の熱硬化剤を使用すると樹脂組成物の保存安定性が悪くなることが知られている。塗布性を保つための他の方法として熱硬化剤の添加量を減らすことが考えられるが、熱硬化剤の添加量を減らすとエポキシ成分の硬化不良が問題となる。特にUV及び熱での硬化では、熱硬化に先立つUV硬化によるアクリル成分の架橋により、エポキシ成分及び硬化剤成分のモビリティが大きく制限されるために十分なエポキシ硬化率を得ることができず、十分な接着強度を得ることができない。
そこで本発明は、保存安定性や接着強度等の液晶シール剤に求められる特性を満足しつつ、塗布性にも優れた液晶シール剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、液晶シール剤にアルコール化合物を添加することで、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、以下の各項の発明に関する。
[1]硬化性樹脂と、熱硬化剤と、硬化性官能基を有さないアルコール化合物とを含む、硬化性樹脂組成物である。
[2]前記アルコール化合物が、エポキシ基及び(メタ)アクリル基を有さず、かつ1級脂肪族水酸基を少なくとも一つ有する、2価以上の多価アルコール化合物である、前記[1]記載の硬化性樹脂組成物である。
[3]前記アルコール化合物が、ジフェニルアルカン、芳香環又はイソシアヌレートの誘導体であり、その環上に、O、N及びSからなる群より選択されるヘテロ原子及び/又はフェニレン基により1回以上中断されていてもよく、また一つ以上のヒドロキシ基で置換されていてもよい、C2−10ヒドロキシアルキル基又はC2−10ヒドロキシアルコキシ基を少なくとも一つ有する、前記[1]又は[2]記載の硬化性樹脂組成物である。
[4]前記熱硬化剤が、変性アミン硬化剤を含む、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物である。
[5]前記硬化性樹脂が、熱及び光の両方で硬化し得る樹脂である、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物である。
[6]前記硬化性樹脂が、部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂である、前記[5]記載の硬化性樹脂組成物である。
[7]前記[1]〜[6]のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を含む、液晶シール剤である。
[8]遮光剤を更に含む、前記[7]記載の液晶シール剤である。
[9]液晶滴下工法用又は熱滴下工法用の、前記[7]又は[8]記載の液晶シール剤である。
[10]前記[7]又は[8]記載の液晶シール剤でシールされた、液晶表示装置である。
本発明によれば、保存安定性や接着強度等の液晶シール剤に求められる特性を満足しつつ、塗布性に優れた液晶シール剤を提供することができる。
本発明の液晶表示素子用シール剤には、硬化性樹脂と、熱硬化剤と、硬化性官能基を有さないアルコール化合物とを含む、硬化性樹脂組成物が用いられる。
[硬化性樹脂]
液晶表示素子用シール剤に含まれる硬化性樹脂としては、光及び/又は熱で硬化し得る樹脂が挙げられ、光及び熱の両方で硬化し得る樹脂が好ましい。例えば、エポキシ樹脂、(メタ)アクリル化エポキシ樹脂、部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂等が挙げられる。硬化性樹脂は、部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂が好ましい。本明細書において、(メタ)アクリルとは、メタクリル及び/又はアクリルを意味し、(メタ)アクリレートは、メタクリレート及び/又はアクリレートを意味する。また、(メタ)アクリル化エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂中の全てのエポキシ基が(メタ)アクリル酸と反応している樹脂を意味する。部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂中の一部のエポキシ基が(メタ)アクリル酸と反応している樹脂を意味し、すなわち、樹脂中にエポキシ基と(メタ)アクリル基を有する。
エポキシ樹脂の種類は、特に限定されず、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン骨格を有するフェノールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。その他、二官能フェノール類のジグリシジルエーテル化物、二官能アルコール類のジグリシジルエーテル化物及びそれらのハロゲン化物、水素添加物等も使用することができる。多官能エポキシ樹脂も使用することができ、例えば、三官能及び四官能エポキシ樹脂等が挙げられる。また、特開2012−077202号公報記載のエポキシ樹脂を使用することができる。
(メタ)アクリル化エポキシ樹脂、部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応により得ることができる。具体的には、エポキシ樹脂に所定の当量比の(メタ)アクリル酸と触媒(例えば、ベンジルジメチルアミン、トリエチルアミン、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン等)と、重合禁止剤(例えば、メトキノン、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、フェノチアジン、ジブチルヒドロキシトルエン等)を添加して、例えば80〜110℃でエステル化反応を行うことにより、エポキシ基の全部又は一部を(メタ)アクリル化することができる。原料となるエポキシ樹脂は、特に限定されず、2官能以上のエポキシ樹脂が好ましい。例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン骨格を有するフェノールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。その他、二官能フェノール類のジグリシジルエーテル化物、二官能アルコール類のジグリシジルエーテル化物、及びそれらのハロゲン化物、水素添加物等も使用することができる。多官能エポキシ樹脂も使用することができ、例えば三官能及び四官能エポキシ樹脂が挙げられる。また、特開2012−077202号公報記載のエポキシ樹脂を使用することができる。
部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂は、樹脂中の(メタ)アクリル基とエポキシ基との合計モル数に対して、(メタ)アクリル基の割合が10〜90モル%であることが好ましく、より好ましくは40〜60モル%である。部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂は、好ましくは一分子中にエポキシ基と(メタ)アクリル基とを、それぞれ1個以上含有する化合物を含む。
(メタ)アクリル樹脂は、メタクリル及び/又はアクリル基を有する樹脂であれば、特に限定されず、(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
(メタ)アクリル樹脂として、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを使用することができ、例えばヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等)、ポリオール(メタ)アクリレート(グリセリンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等)、アルキレンオキサイド付加ポリオール(メタ)アクリレート(例えば、アルキレンオキサイド付加トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド付加ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等)等が挙げられる。
(メタ)アクリル樹脂として、脂環式(メタ)アクリレートを使用することができ、例えばシクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の単環式(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート等の2環式(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等の3環式(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル樹脂として、ポリイソプレン、ポリブタジエン及びポリウレタンから選択される少なくとも1種を骨格に含む(メタ)アクリレートを使用することができる。ポリイソプレンを骨格にもつ(メタ)アクリレートオリゴマーの市販品として、例えば、クラレ社製の「UC−1」(重量平均分子量25000)が挙げられ、ポリブタジエンを骨格に含む(メタ)アクリレートオリゴマーの市販品として、例えば、日本曹達社製の「TE2000」(重量平均分子量2000)が挙げられ、ポリウレタンを骨格に含む(メタ)アクリレートオリゴマーの市販品として、例えば、ライトケミカル社製の「UA−1」が挙げられる。
硬化性樹脂は、単独でも、2種以上を併用してもよく、光及び熱の両方で硬化し得る点から、部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂を含むことが好ましく、例えば部分(メタ)アクリル化ビスフェノールA型エポキシ樹脂がより好ましい。
[熱硬化剤]
液晶表示素子用シール剤に含まれる熱硬化剤の種類は、特に限定されず、例えば、有機酸ヒドラジド類、イミダゾール類、アミン類、多価フェノール類、酸無水物類、ジシアンジアミド等が挙げられる。有機酸ヒドラジド類としては、VDH(1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン)、MDH(マロン酸ジヒドラジド)、ADH(アジピン酸ジヒドラジド)、UDH(7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカルボヒドラジド)及びLDH(オクタデカン−1,18−ジカルボン酸ジヒドラジド)が挙げられる。イミダゾール類としては、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン イソシアヌル酸付加塩、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等が挙げられる。
熱硬化剤としては、アミン類、特に変性アミン硬化剤を用いることが好ましい。変性アミン硬化剤としては、セバシン酸ヒドラジド、アデカハードナーEH-5030S(ADEKA社製)等が挙げられる。
熱硬化剤は、単独でも、2種以上を併用してもよい。光及び熱により硬化し得る硬化性樹脂との組み合わせでは、光ラジカル重合開始剤と熱硬化剤との併用が好ましい。また、熱ラジカル重合開始剤を熱硬化剤と併用することもできる。
熱硬化剤と併用される光ラジカル重合開始剤の種類は、特に限定されず、例えば、アルキルフェノン類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、アシルフォスフィンオキサイド類、チタノセン類、オキシムエステル類、ベンゾインエーテル類、チオキサントン類、アントラキノン類が挙げられる。
具体的には、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−メチルチオ]フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタン、ベンゾフェノンアンモニウム塩、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、1,4−ジベンゾイルベンゼン、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイル ビフェニル、4−ベンゾイルジフェニルエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、アセトフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2ークロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、チオキサントンアンモニウム塩、エチルアントラキノン、2,2’ビス(o−クロロフェニル)4,5,4’,5’−テトラキス(3,4,5−トリメトキシフェニル)1,2’−ビイミダゾール、2,2’ビス(o−クロロフェニル)4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等を例示できる。EYレジンKR−2(ケイエスエム社製)等も使用することができる。
熱ラジカル重合開始剤の種類は、特に限定されず、例えば、アゾ化合物、有機過酸化物等が挙げられる。アゾ化合物としては、例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とポリアルキレングリコールの重縮合物、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)と末端アミノ基を有するポリジメチルシロキサンの重縮合物等が挙げられる。有機過酸化物としては、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート等が挙げられる。
液晶表示素子用シール剤は、熱硬化剤を硬化性樹脂100質量部に対し好ましくは0.5〜40質量部、より好ましくは0.5〜30質量部の範囲で含む。
ラジカル重合開始剤が含まれる場合のその量は、好ましくは0.5〜10質量部である。光ラジカル重合開始剤の場合は、重合開始剤の量は0.5〜3質量部であることがより好ましく、熱ラジカル重合開始剤の場合は、重合開始剤の量は2〜5質量部であることがより好ましい。
[アルコール化合物]
本発明の液晶表示素子用シール剤は、硬化性官能基を有さないアルコール化合物を含有する。ここで、本明細書でいう「硬化性官能基」は、様式を問わず重合反応に関与しうる官能基を指すが、水酸基は含まれない。その具体例としては、エポキシ基、(メタ)アクリル基、アリル基、オキセタニル基、ビニルエーテル基、加水分解性シリル基、イソシアネート基等、特にエポキシ基及び(メタ)アクリル基が挙げられる。
アルコール化合物としては、液晶シール剤の塗布性がより良好になる点から、室温(25℃)で液体であるか、硬化性樹脂と相溶性のあるアルコール化合物を用いることが好ましい。
アルコール化合物は、分子内に硬化性官能基を有していないものであれば特に限定されず、1価のアルコール化合物、2価のアルコール化合物、3価以上の多価アルコール化合物のいずれをも用いることができる。また、1級、2級又は3級の脂肪族アルコール化合物、フェノール性アルコール化合物のいずれをも用いることができる。好ましいアルコール化合物は脂肪族アルコール化合物であり、より好ましくは、1級脂肪族に分類されるアルコール化合物である。特に、エポキシ基及び(メタ)アクリル基を有さず、かつ1級脂肪族水酸基を少なくとも一つ有する、2価以上の多価アルコール化合物が好ましい。さらに、2種類以上のアルコール化合物を併用することもできる。
より好ましくは、アルコール化合物は、ジフェニルアルカン、芳香環又はイソシアヌレートの誘導体であり、その環上に、O、N及びSからなる群より選択されるヘテロ原子及び/又はフェニレン基により1回以上中断されていてもよく、また一つ以上のヒドロキシ基で置換されていてもよい、直鎖状又は分岐鎖状のC2−10ヒドロキシアルキル基又はC2−10ヒドロキシアルコキシ基を少なくとも一つ、好ましくは二つ以上有する。
ここで、「ジフェニルアルカン」とは、フェニル基を二つ有するアルカン、特にフェニル基を二つ有するC1−6アルカンを指す。ジフェニルアルカンの炭素上の水素は、更に置換されていてもよい。ジフェニルアルカンの例としては、2,2−ジフェニルプロパン、2,2−ジフェニルヘキサフルオロプロパン、1,1−ジフェニルエタン、ジフェニルメタン等の、ビスフェノールの2個のヒドロキシ基を水素原子で置換した構造の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。また、「芳香環」とは、芳香族性を有する単環式又は縮合環式の不飽和基を指す。芳香環の例は、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン等の芳香族炭化水素、フラン、チオフェン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、チアゾール、トリアゾール、ベンゾフラン、インドール、ベンゾチオフェン、ベンゾチアゾール、キノリン、キノキサリン等の複素芳香族化合物、アヌレン、アズレン等の非ベンゼン系芳香族化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
前記アルコール化合物は、2,2−ジフェニルプロパン、ベンゼン又はイソシアヌレートの誘導体であることが好ましい。
またここで、ヒドロキシアルキル基又はヒドロキシアルコキシ基について「中断」とは、それらの基の炭素−炭素結合の間にヘテロ原子やフェニレン基が挿入されていることを意味し、フェニレン基を構成する炭素は、ヒドロキシアルキル基又はヒドロキシアルコキシ基の炭素数には含めない。より好ましい炭素数は、2〜6の範囲である。ヒドロキシアルキル基及びヒドロキシアルコキシ基が有するヒドロキシ基は、前記アルコール化合物が1級脂肪族水酸基を有することとなるので、末端の炭素原子に結合していることが好ましい。
前記アルコール化合物がジフェニルアルカンの誘導体である場合には、ビスフェノールの誘導体を用いることができるので、置換基としてヒドロキシアルコキシ基を用いることが好ましい。前記アルコール化合物がイソシアヌレートの誘導体である場合には、イソシアヌレートの窒素上で置換することになるため、置換基としてヒドロキシアルキル基を用いることが好ましい。
アルコール化合物の具体例としては、以下に挙げられるものであるが、これらに限定されない。
1価アルコールとして、カプリルアルコール、2−エチルヘキサノール、ラウリルアルコール等の脂肪族アルコール、2−ヒドロキシエトキシベンゼン、2−フェニル−2−{4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル}プロパン等が挙げられる。
2価アルコールとして、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール等のグリコール類、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン等の芳香族ジオール、1,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)ベンゼン等のビス(ヒドロキシアルコキシ)ベンゼン類、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物等が挙げられる。
3価アルコールとして、グリセロール、トリメチロールプロパン、イソシアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)等が挙げられる。
4価以上のアルコールとして、ペンタエリトリトール、キシリトール等の糖アルコール類、グルコース、ガラクトース、ラムノース等の糖類、ビスフェノールA−[3−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ヒドロキシ−プロピレンオキシド]付加物、ビスフェノールA−[3−{4−(2−ヒドロキシエチル)−フェノキシ}−(2−ヒドロキシ)−プロピレンオキシド]付加物等のビスフェノールA−エチレンオキシド付加物誘導体が挙げられる。
特に好ましいアルコール化合物は、下記:
Figure 0006518883

からなる群より選択される少なくとも一種類の化合物である。
本発明の液晶表示素子用シール剤に含まれるアルコール化合物の量は、硬化性樹脂100質量部に対し、より好ましくは0.5〜35質量部であり、特に好ましくは5〜30質量部である。
[その他の成分]
液晶表示素子用シール剤は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、フィラー粒子を含んでいてもよい。フィラー粒子の配合により、粘度制御、シール剤を硬化させた後の強度向上、線膨張性の抑制を図ることができる。フィラー粒子には、無機粒子、有機樹脂粒子のいずれも使用することができる。線膨張係数が小さく、硬化収縮率を低減させる観点から、無機粒子が好ましく、硬化時の応力緩和が期待できる点から、有機樹脂粒子が好ましい。フィラー粒子は、単独でも、2種以上を併用してもよい。
無機粒子としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、カオリン、タルク、ガラスビーズ、セリサイト、活性白土、ベントナイト、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等が挙げられ、シリカ、タルクが好ましい。
有機樹脂粒子としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル粒子、ポリスチレン粒子、これらを構成するモノマーと他のモノマーとを共重合させて得られる共重合体粒子、ポリエステル粒子、ポリウレタン粒子、ゴム粒子、高いガラス転移温度を有する共重合体を含むシェルと低いガラス転移温度を有する共重合体のコアとから構成されるコアシェルタイプ粒子等が挙げられ、コアシェルタイプ粒子、ゴム粒子が好ましく、コアシェルタイプ粒子がより好ましい。コアシェルタイプ粒子としては、ガンツ化成社製ゼフィアックシリーズ(F351等)が挙げられる。
フィラー粒子の粒子径は、特に限定されず、例えば、体積基準の平均粒子径が0.01〜8μmのものを使用することができる。液晶セルのギャップ制御の点から、0.05〜4μmが好ましく、0.1〜2μmがより好ましい。フィラー粒子は、単独でも、2種以上を併用してもよい。フィラー粒子の体積基準の平均粒子径は、レーザー回折散乱法で測定することができる。
フィラー粒子は、硬化性樹脂100質量部に対し、60質量部以下での使用が好ましい。無機粒子は、硬化性樹脂100質量部に対し、40質量部以下での使用が好ましく、より好ましくは1〜30質量部である。有機樹脂粒子は、硬化性樹脂100質量部に対し、40質量部以下での使用が好ましく、より好ましくは1〜30質量部である。
液晶表示素子用シール剤は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等のカップリング剤を含んでいてもよい。カップリング剤は、単独でも、2種以上を併用してもよい。シランカップリング剤としてはγ−アミノプロピルトリメトキシシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
カップリング剤の量は、硬化性樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
液晶表示素子用シール剤は、必要に応じて、遮光剤(カーボンブラック等)、ラジカル重合禁止剤(BHT:ジブチルヒドロキシトルエン等)、チキソ付与剤、エラストマー、反応性希釈剤、連鎖移動剤、硬化促進剤、イオントラップ剤、イオン交換剤、レベリング剤、顔料、染料、可塑剤、消泡剤等の添加剤を含むことができる。
液晶表示素子用シール剤を調製する方法は、特に限定されず、各成分を混合することにより調製することができる。混合には、例えば、プラネタリーミキサー、三本ロールミル等の混合装置を用いることができる。
液晶表示素子用シール剤を液晶滴下工法に用いて、液晶表示素子を製造することができる。例えば、一方の基板上に、本発明の液晶表示素子用シール剤で枠を形成し、その中に液晶を滴下した後、もう一方の基板を貼り合わせることによって、液晶をシールして液晶表示素子を製造することができる。
また、液晶表示素子用シール材を熱滴下工法に用いて、液晶表示素子を製造することもできる。熱滴下工法とは、UV硬化工程を経ることなく熱硬化のみで完結する液晶滴下工程を指す。UV硬化工程がなくなることでのタクト、コストの削減というメリットともに光に対して鋭敏な液晶や配向膜との組み合わせで検討されている方法である。熱硬化工法による液晶表示素子の製造方法も、光照射工程がないことを除き液晶滴下工法と同じ工程による。
液晶表示素子用シール剤を硬化する方法は、特に制限されず、配合する硬化性樹脂、熱硬化剤の種類等によって、適宜、公知の方法から選択することができる。光硬化の場合、例えばメタルハライド等によって、1000〜6000J/cmの紫外線を照射することができるが、これに限定されない。熱硬化の場合、例えば100〜130℃、40〜120分の条件で加熱することができるが、これに限定されない。光熱併用型の場合、第一段階として、紫外線照射により光硬化させ、次いで第二段階として加熱硬化させることが好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。表示は、特に断りがない限り、質量部、質量%である。
以下の実施例及び比較例で表記する材料には、次に示す材料を用いた。
KR-2:EYレジン KR-2(ケイエスエム社製)
KEC50:シーホスターKE-C50(日本触媒社製)
F-351:ゼフィアック F351(ガンツ化成社製)
KBM403:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン製)
SDH:セバシン酸ジヒドラジド(大塚化学社製)
EH5030S:アデカハードナーEH-5030S(ADEKA社製)
また、実施例1〜7では、以下のアルコール化合物を用いた。以下、実施例1〜7で用いたアルコール化合物を各々、化合物1〜7とする。化合物2〜6は市販されているものを用い、化合物1及び7は下記に示す方法により調製した。
化合物2 東京化成工業株式会社製 2−フェノキシエタノール
化合物3 日本乳化剤株式会社製 BA−2グリコール
化合物4 三井化学ファイン株式会社製 DER
化合物5 三井化学ファイン株式会社製 BHEB
化合物6 東京化成工業株式会社製 イソシアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)
[化合物1の合成」
4−α−クミルフェノール(東京化成工業株式会社)106.15g、炭酸エチレン(関東化学株式会社)52.8g、炭酸カリウム82.9g、ジメチルホルムアミド(関東化学株式会社)200gをナスフラスコに入れ、120℃で24時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチル500mlを加え、500mlの飽和食塩水で5回洗浄した。得られた有機相の溶媒を減圧留去により除去し、化合物1を120g得た。
[化合物7の合成」
EXA850CRP(DIC株式会社製)170g、2−(4−ヒドロキシフェニル)エタノール(東京化成社製)138g、PS-PPh3(バイオタージ社製)2.3g、PS-TBD(バイオタージ社製)4.2g、トルエン500mlをナスフラスコに入れ100℃で24時間攪拌した。反応液を室温に冷却し、濾過により触媒を除去した。得られた混合物の溶媒を減圧留去により除去し、淡黄色透明粘稠物の開環体285gを得た。
化合物1〜7は、以下に示す構造を有する。
Figure 0006518883
[合成例]
硬化性樹脂として、部分アクリル化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(化合物A)を次のようにして調製した。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(EXA850CRP,DIC株式会社製)340g、メタクリル酸(東京化成社製)90.4g、トリフェニルホスフィン(東京化成社製)0.5g及びBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)100mgを混合し、100℃で6時間攪拌した。これにより、淡黄色透明粘調物の化合物Aを418g得た。
[実施例1]
化合物Aを100質量部、KR−2(UV開始剤)を2質量部、フィラーとしてKEC50を10質量部及びF−351を15質量部、KBM403(シランカップリング剤)を1.50質量部、EH5030S(硬化剤)を15質量部、及びアルコールとして化合物1を27.35質量部、混合して硬化性樹脂組成物を得た。実施例1の硬化性樹脂組成物の硬化剤当量は0.67である。
[実施例2]
アルコールに、化合物1に代えて化合物2を14.75質量部用いた以外は、実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物を調製した。
[実施例3]
アルコールに、化合物1に代えて化合物3を16.88質量部用いた以外は、実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物を調製した。
[実施例4]
アルコールに、化合物1に代えて化合物4を10.57質量部用いた以外は、実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物を調製した。
[実施例5]
アルコールに、化合物1に代えて化合物5を10.57質量部用いた以外は、実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物を調製した。
[実施例6]
アルコールに、化合物1に代えて化合物6を16.50質量部用いた以外は、実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物を調製した。
[実施例7]
アルコールに、化合物1に代えて化合物7を9.30質量部用いた以外は、実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物を調製した。
[比較例1]
化合物Aを100質量部、KR−2(UV開始剤)を2質量部、フィラーとしてKEC50を10質量部及びF−351を15質量部、KBM403(シランカップリング剤)を1.50質量部、硬化剤としてEH5030Sを15質量部及びSDHを10質量部加え、混合して硬化性樹脂組成物を得た。比較例1の硬化性樹脂組成物の硬化剤当量は、1.17である。
[比較例2]
アルコール化合物を加えなかった点以外は、実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物を調製した。比較例2の硬化性樹脂組成物の硬化剤当量は、0.67である。
実施例1〜7、比較例1及び2で調製した硬化性樹脂組成物は、各々次の表に示す配合を有する。
Figure 0006518883
[硬化性組成物の硬化]
実施例1〜7、比較例1及び2で作製した各硬化性樹脂組成物を、UV3000mJ/cm及び120℃、60分の加熱条件にて硬化させた。得られた硬化物について、FT−IR測定装置(パーキンエルマー社製、Spectrum 100S)にてエポキシ硬化率を測定、比較した。結果を次の表に示す。ここで、アルコール当量とは、組成物中の樹脂由来のエポキシ基と、添加されたアルコール化合物の水酸基のモル比を指す。
Figure 0006518883
比較例1は硬化剤当量が1を超えているので、完全に硬化反応が進行すると、エポキシ硬化率は100%になる。比較例2は硬化剤当量が0.67なので、完全に硬化反応が進行すると、エポキシ硬化率は67%程度になる。しかしながら、アルコール化合物を添加していない比較例1及び2でのエポキシ硬化率は各々48%、33%と低い値に留まっている。また、硬化剤当量が大きい比較例1では、硬化性樹脂組成物の塗布性が良好ではなかった。これに対して、アルコール化合物を添加した硬化性樹脂組成物では、エポキシ硬化率は少なくとも45%と、硬化剤当量が同じである比較例2(33%)と比べて総じて上昇している。特に実施例6及び7では、硬化率は70%を超えている。また、実施例の硬化性樹脂組成物は、総じて良好な塗布性を示した。このように、硬化性樹脂組成物にアルコール化合物を添加することで、硬化剤を効率よく硬化反応に関与させ、高いエポキシ硬化率が得られることが明らかとなった。
[Ni点変化]
実施例1〜7にて使用した各アルコール化合物をそれぞれアンプル瓶に0.1g加え、さらに液晶(MLC-1190-080、メルク社製)1gを加えた。このアンプル瓶を120℃のオーブンで1時間加熱し、その後静置して室温(25℃)に戻してから液晶部分を取り出し、0.2μmフィルターでろ過し、評価用サンプルとした。
Ni点の測定は示差走査型熱量計(DSC、パーキンエルマー社製、PYRIS6)を使用した。評価用サンプル10mgをアルミサンプルパンに封入し、昇温速度5℃/分の条件で測定を行った。なおアルコールを加えない液晶(MLC-1190-080)10mgをアルミサンプルパンに封入し、同条件で測定した結果をブランクとした。
ブランクの吸熱ピークトップ(相転移温度)TBと、評価用液晶サンプルの吸熱ピークトップTEの差をNi点変化とした。
Figure 0006518883
液晶に対してシール剤成分が溶出した際、表示特性に不良を発生させないためにはNi点変化が小さいほど望ましい。より優れた表示特性を求める際には、Ni点変化は1℃以下であることが望ましい。表4から、特に多価アルコールである化合物3〜7を用いると、Ni点変化を非常に小さく抑えることができることが明らかとなった。

Claims (9)

  1. 硬化性樹脂と、熱硬化剤と、ジフェニルアルカン、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フラン、チオフェン、ピロール、ピラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、チアゾール、トリアゾール、ベンゾフラン、インドール、ベンゾチオフェン、ベンゾチアゾール、キノリン、キノキサリン、アヌレン、アズレン又はイソシアヌレートの誘導体であって、硬化性官能基を有さず、かつ1級脂肪族水酸基を少なくとも一つ有する、2価以上の多価アルコール化合物とを含む、硬化性樹脂組成物。
  2. 前記アルコール化合物が、ジフェニルアルカン、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フラン、チオフェン、ピロール、ピラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、チアゾール、トリアゾール、ベンゾフラン、インドール、ベンゾチオフェン、ベンゾチアゾール、キノリン、キノキサリン、アヌレン、アズレン又はイソシアヌレートの誘導体であり、その環上に、O、N及びSからなる群より選択されるヘテロ原子及び/又はフェニレン基により1回以上中断されていてもよく、また一つ以上のヒドロキシ基で置換されていてもよい、C2−10ヒドロキシアルキル基又はC2−10ヒドロキシアルコキシ基を少なくとも一つ有する、請求項記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記熱硬化剤が、変性アミン硬化剤を含む、請求項1又は2記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 前記硬化性樹脂が、熱及び光の両方で硬化し得る樹脂である、請求項1〜のいずれか一項記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 前記硬化性樹脂が、部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂である、請求項記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜のいずれか一項記載の硬化性樹脂組成物を含む、液晶シール剤。
  7. 遮光剤を更に含む、請求項記載の液晶シール剤。
  8. 液晶滴下工法用又は熱滴下工法用の、請求項又は記載の液晶シール剤。
  9. 請求項又は記載の液晶シール剤でシールされた、液晶表示装置。
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